JP5072898B2 - 導電性高分子溶液、導電性塗膜および入力デバイス - Google Patents
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Description
タッチパネルとしては、例えば、抵抗膜式タッチパネルが知られている。抵抗膜式タッチパネルにおいては、透明基材の片面に透明電極が形成された固定電極シートおよび可動電極シートが、透明電極同士が対向するように配置されている。電極シートの透明電極としては、インジウムドープの酸化錫の膜(以下、ITO膜という。)が広く使用されてきた。
透明基材の片面にITO膜が形成されたシート(以下、ITO膜形成シートという。)は可撓性が低く、固定しやすいため、画像表示装置側の固定電極シートとしては好適である。しかし、耐屈曲性が低いため、タッチパネルの入力者側の可動電極シートとして用いる場合には、繰り返し可撓した際の耐久性が低いという問題を有していた。
ところが、画像表示装置側の固定電極シートとしてITO膜形成シートを用い、タッチパネルの入力者側の可動電極シートとして導電性高分子膜形成シートを用いた場合、すなわち異導体同士を接続する場合には、接触抵抗が大きく、入力感度の低下や座標入力時間の遅れ等の問題が生じることがあった。
これらの問題を解決するために、特許文献1では、π共役系導電性高分子を含む導電性塗膜に金属イオンを添加することが提案されている。
また、π共役系導電性高分子を含む導電性塗膜に金属粒子を添加することが考えられる。π共役系導電性高分子を含む導電性塗膜に金属粒子を添加した電極シートとしては、例えば、特許文献2,3に開示されている。
また、特許文献2,3に記載の電極シートは、透明性が低くなることがあった。さらに、金属粒子は比重が大きいため、溶液中に分散し難く、沈降するなど溶液安定性が低かった。そのため、塗膜を形成した際に、金属粒子が均一に分布せず、面方向の位置に対する接触抵抗が均一化せず、部分的に接触不良を起こすことがあった。これらのことから、特許文献2,3の電極シートはタッチパネル用として必ずしも適していなかった。
したがって、特許文献1〜3に記載の電極シートを抵抗膜式タッチパネルに適用した場合には、画像表示装置上に設置した際に画像表示装置の画像の視認性が低くなったり、入力感度の低下および座標入力時間の遅れが生じたりすることがあった。
したがって、特許文献1〜3に記載の電極シートはタッチパネル用として適していなかった。
また、透明性に優れる上に、異導体に対する接触抵抗が小さくかつ均一である導電性塗膜を提供することを目的とする。
また、画像表示装置上に設置した際に画像表示装置の画像の視認性に優れ、動作不良が防止された入力デバイスを提供することを目的とする。
[1] π共役系導電性高分子と、ポリアニオンと、表面平均細孔径が0.1〜100nmの細孔を有するメソポアカーボンと、溶媒とを含有し、
メソポアカーボンの含有量が、π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計100質量部に対し、0.005〜15質量部であることを特徴とする導電性高分子溶液。
[2] メソポアカーボンの平均粒子径が0.01〜10μmであることを特徴とする[1]に記載の導電性高分子溶液。
[3] メソポアカーボンのBET比表面積が200〜8000m2/gであることを特徴とする[1]または[2]に記載の導電性高分子溶液。
[4] [1]〜[3]のいずれかに記載の導電性高分子溶液が塗布されて形成されたことを特徴とする導電性塗膜。
[5] [4]に記載の導電性塗膜からなる透明電極を備えることを特徴とする入力デバイス。
本発明の導電性塗膜は、透明性に優れる上に、異導体に対する接触抵抗が小さくかつ均一である。
本発明の入力デバイスは、画像表示装置上に設置した際に画像表示装置の画像の視認性に優れ、動作不良が防止されている。
本発明の導電性高分子溶液は、π共役系導電性高分子と、ポリアニオンと、メソポアカーボンと、溶媒とを含有する。
π共役系導電性高分子としては、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば特に制限されず、例えば、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアニリン類、ポリアセン類、ポリチオフェンビニレン類、及びこれらの共重合体等が挙げられる。空気中での安定性の点からは、ポリピロール類、ポリチオフェン類及びポリアニリン類が好ましい。
π共役系導電性高分子は無置換のままでも、充分な導電性、バインダ樹脂への相溶性を得ることができるが、導電性及び相溶性をより高めるためには、アルキル基、カルボキシ基、スルホ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基等の官能基をπ共役系導電性高分子に導入することが好ましい。
ポリアニオンとしては、例えば、置換若しくは未置換のポリアルキレン、置換若しくは未置換のポリアルケニレン、置換若しくは未置換のポリイミド、置換若しくは未置換のポリアミド、置換若しくは未置換のポリエステルであって、アニオン基を有する構成単位のみからなるポリマー、アニオン基を有する構成単位とアニオン基を有さない構成単位とからなるポリマーが挙げられる。
ポリアルケニレンとは、主鎖に不飽和二重結合(ビニル基)が1個含まれる構成単位からなる高分子である。
ポリイミドとしては、ピロメリット酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−[4,4’−ジ(ジカルボキシフェニルオキシ)フェニル]プロパン二無水物等の酸無水物と、オキシジアミン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ベンゾフェノンジアミン等のジアミンとからのポリイミドを例示できる。
ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,10等を例示できる。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等を例示できる。
ヒドロキシ基としては、ポリアニオンの主鎖に直接又は他の官能基を介在して結合したヒドロキシ基が挙げられ、他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基などが挙げられる。ヒドロキシ基は、これらの官能基の末端又は中に置換されている。
アミノ基としては、ポリアニオンの主鎖に直接又は他の官能基を介在して結合したアミノ基が挙げられ、他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基などが挙げられる。アミノ基は、これらの官能基の末端又は中に置換されている。
フェノール基としては、ポリアニオンの主鎖に直接又は他の官能基を介在して結合したフェノール基が挙げられ、他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基などが挙げられる。フェノール基は、これらの官能基の末端又は中に置換されている。
ポリアルケニレンの具体例としては、プロペニレン、1−メチルプロペニレン、1−ブチルプロペニレン、1−デシルプロペニレン、1−シアノプロペニレン、1−フェニルプロペニレン、1−ヒドロキシプロペニレン、1−ブテニレン、1−メチル−1−ブテニレン、1−エチル−1−ブテニレン、1−オクチル−1−ブテニレン、1−ペンタデシル−1−ブテニレン、2−メチル−1−ブテニレン、2−エチル−1−ブテニレン、2−ブチル−1−ブテニレン、2−ヘキシル−1−ブテニレン、2−オクチル−1−ブテニレン、2−デシル−1−ブテニレン、2−ドデシル−1−ブテニレン、2−フェニル−1−ブテニレン、2−ブテニレン、1−メチル−2−ブテニレン、1−エチル−2−ブテニレン、1−オクチル−2−ブテニレン、1−ペンタデシル−2−ブテニレン、2−メチル−2−ブテニレン、2−エチル−2−ブテニレン、2−ブチル−2−ブテニレン、2−ヘキシル−2−ブテニレン、2−オクチル−2−ブテニレン、2−デシル−2−ブテニレン、2−ドデシル−2−ブテニレン、2−フェニル−2−ブテニレン、2−プロピレンフェニル−2−ブテニレン、3−メチル−2−ブテニレン、3−エチル−2−ブテニレン、3−ブチル−2−ブテニレン、3−ヘキシル−2−ブテニレン、3−オクチル−2−ブテニレン、3−デシル−2−ブテニレン、3−ドデシル−2−ブテニレン、3−フェニル−2−ブテニレン、3−プロピレンフェニル−2−ブテニレン、2−ペンテニレン、4−プロピル−2−ペンテニレン、4−プロピル−2−ペンテニレン、4−ブチル−2−ペンテニレン、4−ヘキシル−2−ペンテニレン、4−シアノ−2−ペンテニレン、3−メチル−2−ペンテニレン、4−エチル−2−ペンテニレン、3−フェニル−2−ペンテニレン、4−ヒドロキシ−2−ペンテニレン、ヘキセニレン等から選ばれる一種以上の構成単位を含む重合体を例示できる。
すなわち、ポリアニオンは、スルホ基及び/又はカルボキシ基を含有する高分子酸である。これらの中でも、π共役系導電性高分子へのドーピング効果の点から、−SO3 −X+、−COO−X+が好ましい。
また、このアニオン基は、隣接して又は一定間隔をあけてポリアニオンの主鎖に配置されていることが好ましい。
導電性高分子溶液におけるπ共役系導電性高分子とポリアニオンの合計の含有量は0.05〜5.0質量%であることが好ましく、0.5〜4.0質量%であることがより好ましい。π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計の含有量が0.05質量%未満であると、充分な導電性が得られないことがあり、5.0質量%を超えると、均一な導電性塗膜が得られないことがある。
メソポアカーボンは、表面平均細孔径が0.1〜100nmの細孔を有するカーボン材料である。本発明における表面平均細孔径は、ガス吸着法により測定されたものである。また、比表面積はBET法による計算値を用い、表面平均細孔径はBJT法により計算された値である。これらの値は、例えば、Quantachrome Instruments社製4連式比表面積・細孔分布測定装置NOVA−4200e型を用いて測定される。
このメソポアカーボンは、表面の細孔によって水分吸着性が高くなり、水系溶媒に対する分散性が高くなっているため、導電性高分子溶液中での分散性も高い。
メソポアカーボンの表面平均細孔径が100nmを超えると、導電性高分子溶液中での分散性が低下し、また、強度が高いものとなる。表面平均細孔径0.1nm未満は実現困難である。メソポアカーボンの表面平均細孔径は0.001〜0.05μmであることが好ましい。
導電性高分子溶液中での分散性をより向上させるためには、メソポアカーボンの表面にヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基等の親水基を有することが好ましい。
なお、本発明における平均粒子径とは、動的光散乱法により測定し、キュムラント解析により得られる平均粒径のことである。例えば、平均粒子径は、大塚電子(株)製濃厚系粒径アナライザーFPAR1000を用いて測定される。
メソポアカーボンのBET比表面積は200〜2000m2/gであることが好ましく、400〜1000m2/gであることがより好ましい。メソポアカーボンのBET比表面積は200m2/g以上であれば、水分吸着性に優れ、2000m2/g以下であれば、メソポアカーボンの強度が高い。
導電性高分子溶液は、メソポアカーボンの分散性をより向上させるために、界面活性剤を含有することが好ましい。
界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤などを使用することができる。
ノニオン系界面活性剤として、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、高アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物等のポリエチレングリコール型のノニオン系界面活性剤、グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等の多価アルコール型のノニオン系界面活性剤などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤として、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等が挙げられる。具体的に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどが挙げられる。
カチオン系界面活性剤として、例えば、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等が挙げられる。具体的には、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、あるキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
溶媒としては特に制限されないが、前記ポリアニオンを溶解しやすいことから、水系溶媒が好ましい。
水系溶媒としては、溶解度パラメータが10以上の溶媒が挙げられ、例えば、水のほか、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ポリグリセリン、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3−ブタンジオール等の多価アルコール類、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類などが挙げられる。これら溶媒は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
導電性高分子溶液は、成膜性を高めるために、アクリル化合物を含有することが好ましい。ここで、アクリル化合物は、下記(a)の化合物、(b)の化合物および多官能アクリル化合物である。
(b)アリル基、ビニルエーテル基、メタクリル基、アクリル基、メタクリルアミド基、アクリルアミド基から選ばれる1種と、ヒドロキシ基とを有するアクリル化合物(以下、化合物(b)という。)。
(a−1):グリシジル基と、アリル基、ビニルエーテル基、メタクリル基、アクリル基、メタクリルアミド基、アクリルアミド基から選ばれる1種とを有するアクリル化合物(以下、化合物(a−1)という。)。
(a−2):グリシジル基を2つ以上有するアクリル化合物(以下、化合物(a−2)という。)。
(a−3):グリシジル基を1つ有するアクリル化合物であって、化合物(a−1)以外の化合物(以下、化合物(a−3)という。)。
グリシジル基とアリル基を有する化合物として、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、アリルフェノールグリシジルエーテル等が挙げられる。
グリシジル基とヒドロキシ基とを有する化合物として、1,4−ジヒドロキシメチルベンゼンジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル等が挙げられる。
グリシジル基とヒドロキシ基とアリル基とを有する化合物として、3−アリル−1,4−ジヒドロキシメチルベンゼンジグリシジルエーテル等が挙げられる。
なお、グリシジル基とヒドロキシ基とを有する化合物、グリシジル基とヒドロキシ基とアリル基とを有する化合物は化合物(b)でもある。
ヒドロキシ基とアクリル(メタクリル)基を有する化合物として、2−ヒドロキシエチルアクリレート(メタクリレート)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(メタクリレート)、4−ヒドロキシブチルアクリレート(メタクリレート)、エチル−α−ヒドロキシメチルアクリレート、ジペンタエリストリトールモノヒドロキシペンタアクリレート等が挙げられる。
ヒドロキシ基とアクリルアミド(メタクリルアミド)基を有する化合物として、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミドが挙げられる。
これらヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド化合物を重合させた重合体は、π共役系導電性高分子とポリアニオンの複合体との相溶性が良い上に導電性をより向上させることができる。
さらに、化合物(a−1)においては、ポリアニオンの残存アニオン基と、化合物(a−1)のグリシジル基とが結合した後、化合物(a−1)のアリル基、ビニルエーテル基、メタクリル基、アクリル基、メタクリルアミド基、アクリルアミド基同士が重合して複合体同士がさらに架橋する。
多官能アクリル化合物の具体例としては、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(以下、PEGと表記する。)400ジ(メタ)アクリレート、PEG300ジ(メタ)アクリレート、PEG600ジ(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミド等の2官能アクリルモノマー、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート等の3官能アクリルモノマー、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(ペンタ)(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート等の4官能以上のアクリルモノマー、ソルビトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の5官能以上のアクリルモノマー、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、アルキレンオキサイド変性ヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の6官能以上のアクリルモノマー、2官能以上のウレタンアクリレートが挙げられる。
また、多官能アクリル化合物のうち、多官能ウレタンアクリレートは、溶媒溶解性、耐摩耗性、低収縮の点で、分子量1000以下であることが好ましい。分子量が1000を超える多官能ウレタンアクリレートでは、イソシアネート基とポリオール(水酸基)により形成されるウレタン基の導入率が減少して、溶媒に対する溶解性が低くなる傾向にある。
アクリル化合物の重合では、熱ラジカル重合法、光ラジカル重合法、プラズマ重合法を適用できる。
熱ラジカル重合法では、重合開始剤として、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイル、ジアシルペルオキシド類、ペルオキシエステル類、ヒドロペルオキシド類等の過酸化物などを用いて重合する。
光ラジカル重合法では、重合開始剤として、カルボニル化合物、イオウ化合物、有機過酸化物、アゾ化合物などを用いて重合する。具体的には、ベンゾフェノン、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、キサントン、チオキサントン、2−エチルアントラキノン、アセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンジル、メチルベンゾイルホルメート、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、テトラメチルチウラム、ジチオカーバメート、過酸化ベンゾイル、N−ラウリルピリジウムアジド、ポリメチルフェニルシランなどが挙げられる。さらに、光増感剤として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を併用してもよい
プラズマ重合では、プラズマを短時間照射し、プラズマの電子衝撃によるエネルギーを受けて、フラグメンテーションとリアレンジメントをしたのち、ラジカルの再結合により重合体を生成する。
また、化合物(a−1)および化合物(b)におけるビニルエーテル基の重合では、カチオン重合法を適用できる。光カチオン重合法では、カチオン重合開始剤として、アリールジアゾニウム塩類、ジアリールハロニウム塩類、トリフェニルスルホニウム塩類、シラノール/アルミニウムキレート、α−スルホニルオキシケトン類等を用いて重合する。
導電性高分子溶液は、得られる導電性塗膜の耐久性を向上させるために、反応性環状エーテルを有する化合物(以下、反応性環状エーテル化合物という。)を含有することが好ましい。反応性環状エーテル化合物は、エポキシ基を有する化合物(以下、エポキシ化合物という)、オキセタン環を有する化合物(以下、オキセタン化合物)である。
エポキシ化合物としては、水溶性エポキシ樹脂およびエポキシエマルジョンの一方または両方が挙げられる。
水溶性エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、脂肪酸変性エポキシ、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル、ソルビトール系ポリグリシジルエーテル、エチレンオキシドラウリルアルコールグリシジルエーテル、エチレンオキシドフェノールグリシジルエーテル、アジピン酸グリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート等が挙げられる。
水溶性エポキシ樹脂の中でも、2個以上のエポキシ基を有するものが好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型、ナフタレン型、フルオレン型、ポリアルキレングリコール型、アルキレングリコール型等の2官能タイプのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、DPPノボラック型、3官能型、トリス・ヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型等の多官能タイプのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルイソシアヌレート、ヒダントイン型、TRAD−D型、アミノフェノール型、アニリン型、トルイジン型等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂、ポリブタジエンまたはポリアクリロニトリル−ブタジエンを含有するゴム変性エポキシ樹脂などが挙げられる。
導電性高分子溶液が、上記反応性環状エーテル化合物を含有する場合、得られる導電性塗膜の耐久性がより高くなることから、硬化剤を含有することが好ましい。
硬化剤としては、例えば、アミン系硬化剤、酸または酸無水物系硬化剤、塩基性活性水素化合物、イミダゾール類、ポリメルカプタン系硬化剤、イソシアネート系硬化剤等が挙げられる。
アミン系硬化剤としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族ポリアミン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等の脂環族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等の芳香族ポリアミン、直鎖状ジアミン、テトラメチルグアニジン、トリエタノールアミン、ピペリジン、ピリジン、ベンジルジメチルアミン等の2級アミン類または3級アミン類、ダイマー酸とジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミンとを反応させて得たポリアミドアミンなどが挙げられる。
酸または酸無水物系硬化剤としては、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、デカンジカルボン酸等のポリカルボン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物等の芳香族無水物、無水マレイン酸、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等の環状脂肪族酸無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、ドデセニル無水コハク酸、ポリ(エチル)オクタデカン二酸)無水物等の脂肪族酸無水物などが挙げられる。
活性水素化合物としては、例えば、有機酸ジヒドラジドなどが挙げられる。
イミダゾール類としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタンデシルイミダゾールなどが挙げられる。
ポリメルカプタン系硬化剤としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート、ジペンタエリスリトールヘキサチオグリコレート等のチオグリコール酸のエステルなどが挙げられる。
イソシアネート系硬化剤としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物、イソシアネート基をフェノール、アルコール、カプロラクトン等と反応させてブロックイソシアネート化合物などが挙げられる。
導電性高分子溶液は、反応性環状エーテル化合物を迅速にかつ充分に硬化させる点で、カチオン発生化合物を含有することが好ましい。
カチオン発生化合物は、ルイス酸を発生させる化合物である。ここで、カチオン発生化合物の具体例としては、光カチオン開始剤、熱カチオン開始剤等が挙げられる。光カチオン開始剤と熱カチオン開始剤は併用しても構わない。
具体例としては、例えば、四フッ化ホウ素のフェニルジアゾニウム塩、六フッ化リンのジフェニルヨードニウム塩、六フッ化アンチモンのジフェニルヨードニウム塩、六フッ化ヒ素のトリ−4−メチルフェニルスルホニウム塩、四フッ化アンチモンのトリ−4−メチルフェニルスルホニウム塩、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素のジフェニルヨードニウム塩、アセチルアセトンアルミニウム塩とオルトニトロベンジルシリルエーテル混合体、フェニルチオピリジニウム塩、六フッ化リンアレン−鉄錯体等が挙げられる。
光カチオン開始剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
光カチオン開始剤としては、安定性、硬化性の点から、アニオン部位が六フッ化リン、カチオン部位がスルホニウム塩のものがより好ましい。
熱カチオン開始剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
導電性高分子溶液は、導電性を向上させるための高導電化剤を含有することが好ましい。
具体的に、高導電化剤は、窒素含有芳香族性環式化合物、2個以上のヒドロキシ基を有する化合物、2個以上のカルボキシ基を有する化合物、1個以上のヒドロキシ基及び1個以上のカルボキシ基を有する化合物、アミド基を有する化合物、イミド基を有する化合物、ラクタム化合物、グリシジル基を有する化合物、シランカップリング剤、水溶性有機溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である。
窒素含有芳香族性環式化合物としては、例えば、一つの窒素原子を含有するピリジン類及びその誘導体、二つの窒素原子を含有するイミダゾール類及びその誘導体、ピリミジン類及びその誘導体、ピラジン類及びその誘導体、三つの窒素原子を含有するトリアジン類及びその誘導体等が挙げられる。溶媒溶解性等の観点からは、ピリジン類及びその誘導体、イミダゾール類及びその誘導体、ピリミジン類及びその誘導体が好ましい。
2個以上のヒドロキシ基を有する化合物としては、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、D−グルコース、D−グルシトール、イソプレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、チオジエタノール、グルコース、酒石酸、D−グルカル酸、グルタコン酸等の多価脂肪族アルコール類;
セルロース、多糖、糖アルコール等の高分子アルコール;
1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、2,3−ジヒドロキシ−1−ペンタデシルベンゼン、2,4−ジヒドロキシアセトフェノン、2,5−ジヒドロキシアセトフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,6−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、2,2’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルスルフォン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、ヒドロキシキノンカルボン酸及びその塩類、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、1,4−ヒドロキノンスルホン酸及びその塩類、4,5−ヒドロキシベンゼン−1,3−ジスルホン酸及びその塩類、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボン酸、1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸、1,5−ジヒドロキシナフトエ酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、4,5−ジヒドロキシナフタレン−2,7−ジスルホン酸及びその塩類、1,8−ジヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸及びその塩類、6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸及びその塩類、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン(ピロガロール)、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、5−メチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−エチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−プロピル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシ安息香酸、トリヒドロキシアセトフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾアルデヒド、トリヒドロキシアントラキノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゼン、テトラヒドロキシ−p−ベンゾキノン、テトラヒドロキシアントラキノン、ガーリック酸メチル(没食子酸メチル)、ガーリック酸エチル(没食子酸エチル)等の芳香族化合物、ヒドロキノンスルホン酸カリウム等が挙げられる。
2個以上のカルボキシ基を有する化合物としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、マロン酸、1,4−ブタンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、アジピン酸、D−グルカル酸、グルタコン酸、クエン酸等の脂肪族カルボン酸類化合物;
フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、5−スルホイソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、4,4’−オキシジフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の、芳香族性環に少なくとも一つ以上のカルボキシ基が結合している芳香族カルボン酸類化合物;ジグリコール酸、オキシ二酪酸、チオ二酢酸(チオジ酢酸)、チオ二酪酸、イミノ二酢酸、イミノ酪酸等が挙げられる。
1個以上のヒドロキシ基及び1個以上のカルボキシ基を有する化合物としては、酒石酸、グリセリン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロパン酸、D−グルカル酸、グルタコン酸等が挙げられる。
アミド基を有する化合物は、−CO−NH−(COの部分は二重結合)で表されるアミド結合を分子中に有する単分子化合物である。すなわち、アミド化合物としては、例えば、上記結合の両末端に官能基を有する化合物、上記結合の一方の末端に環状化合物が結合された化合物、上記両末端の官能基が水素である尿素及び尿素誘導体などが挙げられる。
アミド化合物の具体例としては、アセトアミド、マロンアミド、スクシンアミド、マレアミド、フマルアミド、ベンズアミド、ナフトアミド、フタルアミド、イソフタルアミド、テレフタルアミド、ニコチンアミド、イソニコチンアミド、2−フルアミド、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、プロピオンアミド、プロピオルアミド、ブチルアミド、イソブチルアミド、メタクリルアミド、パルミトアミド、ステアリルアミド、オレアミド、オキサミド、グルタルアミド、アジプアミド、シンナムアミド、グリコールアミド、ラクトアミド、グリセルアミド、タルタルアミド、シトルアミド、グリオキシルアミド、ピルボアミド、アセトアセトアミド、ジメチルアセトアミド、ベンジルアミド、アントラニルアミド、エチレンジアミンテトラアセトアミド、ジアセトアミド、トリアセトアミド、ジベンズアミド、トリベンズアミド、ローダニン、尿素、1−アセチル−2−チオ尿素、ビウレット、ブチル尿素、ジブチル尿素、1,3−ジメチル尿素、1,3−ジエチル尿素及びこれらの誘導体等が挙げられる。
アミド化合物としては、導電性がより高くなることから、イミド結合を有する単分子化合物(以下、イミド化合物という。)が好ましい。イミド化合物としては、その骨格より、フタルイミド及びフタルイミド誘導体、スクシンイミド及びスクシンイミド誘導体、ベンズイミド及びベンズイミド誘導体、マレイミド及びマレイミド誘導体、ナフタルイミド及びナフタルイミド誘導体などが挙げられる。
さらに、脂肪族イミド化合物は、分子内の炭素間に不飽和結合を有する飽和脂肪族イミド化合物と、分子内の炭素間に不飽和結合を有する不飽和脂肪族イミド化合物とに分類される。
飽和脂肪族イミド化合物は、R1−CO−NH−CO−R2で表される化合物であり、R1,R2の両方が飽和炭化水素である化合物である。具体的には、シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシイミド、アラントイン、ヒダントイン、バルビツル酸、アロキサン、グルタルイミド、スクシンイミド、5−ブチルヒダントイン酸、5,5−ジメチルヒダントイン、1−メチルヒダントイン、1,5,5−トリメチルヒダントイン、5−ヒダントイン酢酸、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、セミカルバジド、α,α−ジメチル−6−メチルスクシンイミド、ビス[2−(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン、α−メチル−α−プロピルスクシンイミド、シクロヘキシルイミドなどが挙げられる。
不飽和脂肪族イミド化合物は、R1−CO−NH−CO−R2で表される化合物であり、R1,R2の一方又は両方が1つ以上の不飽和結合である化合物である。具体例は、1,3−ジプロピレン尿素、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ヒドロキシマレイミド、1,4−ビスマレイミドブタン、1,6−ビスマレイミドヘキサン、1,8−ビスマレイミドオクタン、N−カルボキシヘプチルマレイミドなどが挙げられる。
ラクタム化合物とは、アミノカルボン酸の分子内環状アミドであり、環の一部が−CO−NR−(Rは水素又は任意の置換基)である化合物である。ただし、環の一個以上の炭素原子が不飽和やヘテロ原子に置き換わっていてもよい。
ラクタム化合物としては、例えば、ペンタノ−4−ラクタム、4−ペンタンラクタム−5−メチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリジノン、ヘキサノ−6−ラクタム、6−ヘキサンラクタム等が挙げられる。
グリシジル基を有する化合物としては、例えば、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、グリシジルフェニルエーテル、ビスフェノールA、ジグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジルエーテル等のグリシジル化合物などが挙げられる。
シランカップリング剤の具体例としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
導電性高分子溶液は、得られる導電性塗膜の滑り性を向上させるための滑り性向上剤を含有することが好ましい。
滑り性向上剤としては、パーフルオロアルキル基含有フッ素化合物類、フッ素含有アクリルポリマー、カルボキシ基含有アクリルポリマー、アクリルポリマー変性シリコーン等の樹脂系化合物が挙げられる。
フッ素化合物類の市販品としては、DIC社製のF−493、F−443等が挙げられる。
樹脂系化合物の市販品としては、共栄社化学社製のKL−245、KL−280、KL−270、KL−260、TW−4000、200、410、1480、450、440、100等が挙げられる。
導電性高分子溶液は、必要に応じて、添加剤を含有してもよい。
添加剤としてはπ共役系導電性高分子及びポリアニオンと混合しうるものであれば特に制限されず、例えば、消泡剤、カップリング剤、酸化防止剤および紫外線吸収剤などを使用できる。
消泡剤としては、シリコーン樹脂、ポリジメチルシロキサン、シリコーンレジン等が挙げられる。
カップリング剤としては、ビニル基、アミノ基、エポキシ基等を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、糖類、ビタミン類等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オギザニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
酸化防止剤と紫外線吸収剤とは併用することが好ましい。
導電性高分子溶液の製造方法としては、例えば、ポリアニオンの水溶液中でπ共役系導電性高分子の前駆体モノマーを化学酸化重合して導電性高分子水溶液を調製し、この水溶液にメソポアカーボンと必要に応じて界面活性剤等の任意成分とを添加する方法などが挙げられる。
メソポアカーボンを0.005質量部以上含有する本発明の導電性高分子溶液によれば、導電性が高く、ITO等の異導体に対する接触抵抗が小さい導電性塗膜を形成できる。また、メソポアカーボンの含有量が15質量部以下であるため、導電性塗膜の透明性に優れる。
メソポアカーボンは水に対する分散性が高いため、該導電性高分子溶液から形成される導電性塗膜においては、メソポアカーボンが均一に分散する。そのため、接触抵抗を均一化させることができる。
本発明の導電性塗膜は、透明基材の片面または両面に上記導電性高分子溶液が塗布されて形成されたものである。この導電性塗膜には、π共役系導電性高分子とポリアニオンとメソポアカーボンとが必須成分として含まれる。
導電性塗膜の厚さは0.001〜10μmであることが好ましく、0.01〜1μmであることがより好ましい。導電性塗膜の厚さが0.001μm以上であれば、充分な導電性を確保でき、10μm以下であれば、充分な可撓性を確保できる。
硬化方法としては、加熱または光照射が適用される。加熱方法としては、例えば、熱風加熱や赤外線加熱などの通常の方法を採用できる。また、光照射により硬化する場合には、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプなどの光源から紫外線を照射する方法を採用できる。
紫外線照射における照度は100mW/cm2が好ましい。照度が100mW/cm2未満であると、充分に架橋せず、導電性塗膜の耐摺動性(耐久性)が低くなる傾向にある。なお、本発明における照度は、トプコン社製UVR−T1(工業用UVチェッカー、受光器;UD−T36、測定波長範囲;300〜390nm、ピーク感度波長;約355nm)を用いて測定した値である。
具体的には、本発明の導電性塗膜は、表面抵抗が容易に100Ω以上になる。表面抵抗が100Ω以上であれば、導電性塗膜の導電性が充分に確保されている。
また、本発明の導電性塗膜は、全光線透過率が容易に83%以上になる。全光線透過率が83%以上であれば、導電性塗膜の透明性が充分に確保されている。
本発明の入力デバイスは、上記導電性塗膜を透明電極として備えるものである。入力デバイスの中でも、本発明の効果がとりわけ発揮されることから、抵抗膜式タッチパネルが好適である。以下、上記導電性塗膜を透明電極として備えた抵抗膜式タッチパネルの例について説明する。
本例の抵抗膜式タッチパネルは、図1に示すように、透明基材11表面に導電性塗膜12が形成され、入力者側に配置された可動電極シート10と、透明基材21表面にITO膜22が形成され、画像表示装置側に配置された固定電極シート20とが、導電性塗膜12とITO膜22が対向するように設けられたものである。また、可動電極シート10と固定電極シート20との間には、透明なドットスペーサ24が配置されて、隙間が形成されている。
可動電極シート10の導電性塗膜の厚さは10〜700μmであることが好ましい。導電性塗膜の厚さが10μm以上であれば、充分な導電性を確保でき、700μm以下であれば、充分な可撓性及び透明性を確保できる。
固定電極シート20の透明基材21の厚さは0.1〜2.5mmであることが好ましい。透明基材21の厚さが0.1mm以上であれば、充分な強度を確保でき、2.5mm以下であれば、薄くすることができ、省スペース化を実現できる。
固定電極シート20のITO膜22の厚さは10〜1000nmであることが好ましい。ITO膜22の厚さが10nm以上であれば、充分な導電性を確保でき、1000nm以下であれば、充分な透明性を得ることができる。
可動電極シート10と固定電極シート20の非押圧時の間隔は20〜100μmであることが好ましい。可動電極シート10と固定電極シート20の非押圧時の間隔は20μm以上であれば、非押圧時に可動電極シート10と固定電極シート20とを確実に接触させないようにすることができ、100μm以下であれば、押圧時に可動電極シート10と固定電極シート20とを確実に接触させることができる。前記間隔になるようにするためには、ドットスペーサ24の大きさを適宜選択すればよい。
このような抵抗膜式タッチパネルでは、導電性塗膜12がITO膜22に接触するため、ITO膜22に対する接触抵抗が小さく、入力感度の低下や座標入力時間遅れ等の動作不良が起きにくい。また、導電性塗膜12の透明性が高いから、画像表示装置の画像の視認性に優れる。
この静電容量式タッチパネルでは、メソポアカーボンを含んで導電性が高くなっている導電性塗膜を透明電極として用いているから、電荷の変化を確実に捉えることができ、動作不良が起きにくい。また、導電性塗膜の透明性が高いから、画像表示装置の画像の視認性に優れる。
(製造例1)ポリスチレンスルホン酸の調製
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃で攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、この溶液を2時間攪拌した。
これにより得られたスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に10質量%に希釈した硫酸を1000mlと10000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いてポリスチレンスルホン酸含有溶液の約10000ml溶液を除去し、残液に10000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約10000ml溶液を除去した。上記の限外ろ過操作を3回繰り返した。
さらに、得られたろ液に約10000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約10000ml溶液を除去した。この限外ろ過操作を3回繰り返した。
限外ろ過条件は下記の通りとした(他の例でも同様)。
限外ろ過膜の分画分子量:30K
クロスフロー式
供給液流量:3000ml/分
膜分圧:0.12Pa
得られた溶液中の水を減圧除去して、無色の固形状のポリスチレンスルホン酸を得た。
14.2gの3,4−エチレンジオキシチオフェンと、36.7gの製造例1で得たポリスチレンスルホン酸を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合した。
これにより得られた混合溶液を20℃に保ち、掻き混ぜながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64gの過硫酸アンモニウムと8.0gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、3時間攪拌して反応させた。
得られた反応液に2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
そして、上記ろ過処理が行われた処理液に200mlの10質量%に希釈した硫酸と2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの処理液を除去し、これに2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの液を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた処理液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの処理液を除去した。この操作を5回繰り返し、約1.5質量%の青色のポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT−PSS)水溶液を得た。
製造例2で得たPEDOT−PSS水溶液100gに、0.018g(1.2質量部)のメソポアカーボン(表面平均細孔径:5.6nm、平均粒子径:0.562μm、BET比表面積:501m2/g)を添加した。
次いで、吉田機械興業製ナノマイザーにより高圧分散処理を10回行い、さらにジメチルスルホキシド3.3gとエタノール133gを添加して、導電性高分子溶液Aを得た。
導電性高分子溶液Aをポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱ポリエステルフィルム社製ダイヤホイルT680E、光透過率:91.9%、ヘイズ:1.7%)に、リバースコーターにより塗布し、120℃、2分間、赤外線照射により乾燥し、導電性塗膜を形成して、導電性シートを得た。
得られた導電性シートの表面抵抗、接触抵抗、光透過率およびヘイズ、塗膜の剥離強度を以下の方法により測定した。それらの結果を表1に示す。
三菱化学社製ロレスタMCP−T600を用い、JIS K 7194に準じて測定した。
[光透過率およびヘイズ]
日本電色工業社製ヘイズメータ測定器(NDH5000)を用い、JIS K7136に準じて光透過率およびヘイズを測定した。
[接触抵抗]
得られた導電性シートを40mm×50mmに裁断し、その裁断したシートの導電性塗膜12上の幅方向の縁に導電性ペースト(藤倉化成社製FA−401CA)をスクリーン印刷し、乾燥させて電極配線13a,13bを形成して、入力者側の可動電極シート10(図2参照)を得た。
また、ITO膜22が設けられ、40mm×50mmに裁断されたガラス板21(表面抵抗:300Ω)を用意した。その用意したガラス板21のITO膜22上の長手方向の縁に、導電性ペースト(藤倉化成社製XA436)をスクリーン印刷し、乾燥させて電極配線23a,23bを形成した。次いで、ITO膜22上に、ドットスペーサ用ペースト(藤倉化成社製SN−8400C)をスクリーン印刷し、乾燥し、紫外線照射して、ドットスペーサ24を形成させた。次いで、電極配線23a,23b上に、レジスト用ペースト(藤倉化成社製SN−8800G)をスクリーン印刷し、乾燥し、UV照射して、絶縁層25を形成させた。さらに、絶縁層25上に、接着剤(藤倉化成社製XB−114)をスクリーン印刷し、乾燥させて、可動電極シート10に貼り合わせるための接着剤層26を形成させた。これにより、画像表示装置用の固定電極シート20(図3参照)を得た。
次いで、図4に示すように、可動電極シート10と固定電極シート20とを、導電性塗膜12とITO膜22が対向するように配置させ、接着剤層26により貼り合せて抵抗膜式タッチパネルモジュールを作製した。また、固定電極シート20の一方の電極配線23aと精密電源31とを、プルアップ抵抗(82.3kΩ)32、およびプルアップ抵抗32に並列に接続されたプルアップ抵抗32の電圧測定用テスタ33を介して電気的に接続した。また、精密電源31と可動電極シート10の一方の電極配線13aとを電気的に接続した。また、可動電極シート10の他方の電極配線13bと固定電極シート20の他方の電極配線23bとを、抵抗膜式タッチパネルモジュールの電圧測定用テスタ34を介して電気的に接続した。これにより、接触抵抗測定用の電気回路を得た。
接触抵抗は次のように測定した。先端が0.8Rのポリアセタール製スタイラス35で、可動電極シート10を250gの荷重で押圧し、精密電源31により電圧5Vを印加した際のプルアップ抵抗の電圧と抵抗膜式タッチパネルモジュールの電圧を測定し、これらの測定結果より、接触抵抗を測定した。
具体的には、プルアップ抵抗32に流れる電流値を、測定した電圧値を用いてオームの法則から算出し、その算出した電流値および抵抗膜式タッチパネルモジュールの電圧値を下記式に代入して接触抵抗を求めた。
接触抵抗(Ω)=[(抵抗膜式タッチパネルモジュールの電圧(V))/(プルアップ抵抗の電圧(V))]×プルアップ抵抗(Ω)
[摺動試験]
導電性塗膜の強度を測定するため、エタノールで湿らせたキムワイプ(日本製紙クレシア社製)を、100gf/cm2の荷重をかけて30往復擦り、塗膜の抜けを目視により検査した。また、摺動試験後の接触抵抗を測定した。
これらの結果は導電性塗膜の強度の指標になる。
◎ :剥離なし、○:わずかに剥離、△:一部剥離、×:完全剥離
製造例2で得たPEDOT−PSS水溶液100gに、0.018g(1.2質量部)のメソポアカーボン(表面平均細孔径:5.6nm、平均粒子径:0.562μm、BET比表面積:501m2/g)を添加した。
次いで、吉田機械興業製のナノマイザーにて高圧分散処理を10回行い、さらに、N −ヒドロキシエチルアクリルアミド3.3gとエタノール133gと4,4’−(3−エチルオキセタン−3−イルメチルオキシメチル)ビフェニル(宇部興産社製OXBP)0.98gと、芳香族スルホニウム塩(三新化成製サンエイドSI110L)0.0098gを添加して、導電性高分子溶液Bを作製した。
そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Bを使用したこと以外は実施例1と同様にして、導電性シートを得た。また、実施例1と同様にして、評価した。評価結果を表1に示す。
製造例2で得たPEDOT−PSS水溶液100gに、0.01g(0.67質量部)のメソポアカーボン(表面平均細孔径:5.6nm、平均粒子径:0.562μm、BET比表面積:501m2/g)を添加した。
次いで、吉田機械興業製のナノマイザーにて高圧分散処理を10回行い、さらに、N −ヒドロキシエチルアクリルアミド3.3gとエタノール133gと4,4’−(3−エチルオキセタン−3−イルメチルオキシメチル)ビフェニル(宇部興産社製OXBP)を0.98g と、芳香族スルホニウム塩(三新化成製サンエイドSI110L) 0.0098gを添加して、導電性高分子溶液Cを作製した。
そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Cを使用したこと以外は実施例1と同様にして、導電性シートを得た。また、実施例1と同様にして、評価した。評価結果を表1に示す。
製造例2で得たPEDOT−PSS水溶液100gに、0.024g(1.6質量部)のメソポアカーボン(表面平均細孔径:5.6nm、平均粒子径:0.562μm、BET比表面積:501m2/g)を添加した。
次いで、吉田機械興業製のナノマイザーにて高圧分散処理を10回行い、さらに、N −ヒドロキシエチルアクリルアミド3.3gとエタノール133gとキシリレンビスオキセタン(東亜合成社製OXT121)0.98gと、芳香族スルホニウム塩(三新化成製サンエイドSI110L)0.0098gを添加して、導電性高分子溶液Dを作製した。
そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Dを使用したこと以外は実施例1と同様にして、導電性シートを得た。また、実施例1と同様にして、評価した。評価結果を表1に示す。
製造例2で得たPEDOT−PSS水溶液100gに、0.03g(2.0質量部)のメソポアカーボン(表面平均細孔径:5.6nm、平均粒子径:0.562μm、BET比表面積:501m2/g)を添加した。
次いで、吉田機械興業製のナノマイザーにて高圧分散処理を10回行い、さらに、N −ヒドロキシエチルアクリルアミド3.3gとエタノール133gとキシリレンビスオキセタン(東亜合成社製OXT121)0.98gと、芳香族スルホニウム塩(三新化成製サンエイドSI110L)0.0098gを添加して、導電性高分子溶液Eを作製した。
そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Eを使用したこと以外は実施例1と同様にして、導電性シートを得た。また、実施例1と同様にして、評価した。評価結果を表1に示す。
製造例2で得たPEDOT−PSS水溶液100gに、0.036g(2.4質量部)のメソポアカーボン(表面平均細孔径:5.6nm、平均粒子径:0.562μm、BET比表面積:501m2/g)を添加した。
次いで、吉田機械興業製のナノマイザーにて高圧分散処理を10回行い、さらに、N −ヒドロキシエチルアクリルアミド3.3gとエタノール133gとキシリレンビスオキセタン(東亜合成社製OXT121)0.98gと、芳香族スルホニウム塩(三新化成製サンエイドSI110L)0.0098gを添加して、導電性高分子溶液Fを作製した。
そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Fを使用したこと以外は実施例1と同様にして、導電性シートを得た。また、実施例1と同様にして、評価した。評価結果を表1に示す。
製造例2で得たPEDOT−PSS水溶液100gに、0.01g(0.67質量部)のメソポアカーボン(表面平均細孔径:5.6nm、平均粒子径:0.562μm、BET比表面積:501m2/g)を添加した。
次いで、吉田機械興業製のナノマイザーにて高圧分散処理を10回行い、さらに、N −ヒドロキシエチルアクリルアミド3.3gとエタノール133gとペンタエリスリトールトリアクリレート0.98gと、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガキュア127)0.0098gを添加して、導電性高分子溶液Gを作製した。
そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Gを使用したこと以外は実施例1と同様にして、導電性シートを得た。また、実施例1と同様にして、評価した。評価結果を表1に示す。
製造例2で得たPEDOT−PSS水溶液100gに、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド3.3gと、エタノール133gと、4,4’−(3−エチルオキセタン−3−イルメチルオキシメチル)ビフェニル(宇部興産社製OXBP)0.98gと、芳香族スルホニウム塩(三新化学製サンエイドSI110L)0.0098gとを添加して、導電性高分子溶液Hを得た。
そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Hを使用したこと以外は実施例1と同様にして、導電性シートを得た。また、実施例1と同様にして、評価した。評価結果を表1に示す。
製造例2で得たPEDOT−PSS水溶液100gに、0.3gのメソポアカーボンを添加し、吉田機械興業製ナノマイザーにより高圧分散処理を10回行った。
さらに、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド3.3gと、エタノール133gと、4,4’−(3−エチルオキセタン−3−イルメチルオキシメチル)ビフェニル(宇部興産社製OXBP)0.98gと、芳香族スルホニウム塩(三新化学製サンエイドSI110L)0.0098gとを添加して、導電性高分子溶液Iを得た。
そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Iを使用したこと以外は実施例1と同様にして、導電性シートを得た。また、実施例Iと同様にして、評価した。評価結果を表1に示す。
製造例2で得たPEDOT−PSS水溶液100gに、0.02mgのメソポアカーボンを添加し、吉田機械興業製ナノマイザーにより高圧分散処理を10回行った。
さらに、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド3.3gと、エタノール133gと、4,4’−(3−エチルオキセタン−3−イルメチルオキシメチル)ビフェニル(宇部興産社製OXBP)0.98gと、芳香族スルホニウム塩(三新化学製サンエイドSI110L)0.0098gとを添加して、導電性高分子溶液Jを得た。
そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Jを使用したこと以外は実施例1と同様にして、導電性シートを得た。また、実施例1と同様にして、評価した。評価結果を表1に示す。
メソポアカーボンを全く含まない比較例1の導電性シートは、透明性および膜強度が高かったが、ITO膜に対する接触抵抗が大きく、入力デバイス用としては適していなかった。
メソポアカーボンの含有量が15質量部を超える比較例2の導電性シートは、透明性が低かった。
メソポアカーボンの含有量が0.005質量部未満の比較例3の導電性シートは、ITO膜に対する接触抵抗が大きく、入力デバイス用としては適していなかった。
11 透明基材
12 導電性塗膜
13a,13b 電極配線
20 固定電極シート
21 透明基材
22 ITO膜
23a,23b 電極配線
24 ドットスペーサ
Claims (5)
- π共役系導電性高分子と、ポリアニオンと、表面平均細孔径が0.1〜100nmの細孔を有するメソポアカーボンと、溶媒とを含有し、
メソポアカーボンの含有量が、π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計100質量部に対し、0.005〜15質量部であることを特徴とする導電性高分子溶液。 - メソポアカーボンの平均粒子径が0.01〜10μmであることを特徴とする請求項1に記載の導電性高分子溶液。
- メソポアカーボンのBET比表面積が200〜8000m2/gであることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性高分子溶液。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の導電性高分子溶液が塗布されて形成されたことを特徴とする導電性塗膜。
- 請求項4に記載の導電性塗膜からなる透明電極を備えることを特徴とする入力デバイス。
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