以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。まず、図1を参照して、本実施形態に係る玉揚送装置10が設けられるパチンコ島台1の概略構成について説明する。図1は、実施形態に係るパチンコ島台1の中央部分の一側から見た側面図である。図において、パチンコ島台1は、周知のように、直方体状に枠組み構成され、その長手方向側面中央に遊技機としてのパチンコ機2を背向列設するようになっている。また、パチンコ島台1には、その略中央部に揚送装置収納部3が構成され、該揚送装置収納部3内に本実施形態の要部を構成する玉揚送装置10が収納設置されている。本実施形態に係る玉揚送装置10は、後に詳述するように帯状の搬送ベルト15によってパチンコ玉を揚送するものである。なお、詳細に図示しないが、玉揚送装置10の上部には、揚送されたパチンコ玉を一時的に貯留する上部タンクが設けられ、その上部タンクから左右に補給樋4が傾斜状に設けられており、上部タンクからパチンコ玉を流下させるようになっている。補給樋4には、各パチンコ機2に対応して分配シュートが設けられ、補給樋4を流下するパチンコ玉を取り込むようになっている。分配シュートによって取り込まれたパチンコ玉は、下部に設けられる計数装置によって計数された後、パチンコ機2の背面上部に設けられる賞球タンクに供給され、遊技によって遊技者に払い出される賞球として使用される。
一方、各パチンコ機2から排出される使用済玉は、周知のように計数機能を有するアウト玉回収箱から下方に排出される。アウト玉回収箱から排出されたパチンコ玉は、回収樋5や貯留タンク6を介して玉揚送装置10の導入樋16に誘導される。
次に、本実施形態の要部を構成する玉揚送装置10の全体の構成について図2乃至図10を参照して説明する。図2は、搬送ベルトカバー70とテンションローラカバー48とを取り外した玉揚送装置10を示す側面図であり、図3は、搬送ベルトカバー70とテンションローラカバー48とを取り付けた玉揚送装置10を示す側面図であり、図4は、玉揚送装置10の下方部分を示す側面図であり、図5は、テンションローラ機構を構成する第一及び第三のテンションローラ31,33が搬送ベルト15との当接を解除した状態を示す斜視図であり、図6は、テンションローラ機構を構成する第一及び第三のテンションローラ31,33が搬送ベルト15と当接した状態を示す斜視図であり、図7は、上部押さえローラ60と上部押さえローラガイド63とを示す斜視図であり、図8は、上部押さえローラ60を取り外した状態の玉揚送装置10の上方部分を示す側面図であり、図9は、上部押さえローラ60を取り付けた状態の玉揚送装置10の上方部分を示す側面図であり、図10は、図9のC−C線矢視断面図である。
図2及び図3において、玉揚送装置10は、支持台11の上部に上端から下端に亘ってほぼ断面コの字状、言い換えれば断面方形中空状(図10参照)をなす揚送筒本体12が垂直状に立設され、揚送筒本体12の周囲を下部に支持される大径の下部ローラ13と小径の上部ローラ14との間に掛け渡される革製で且つ無端状の搬送ベルト15が周回するようになっている。この搬送ベルト15の周回駆動は、支持台11に固着されるモータ取付台27に載置固定されるモータ28と下部ローラ13とがVベルト29(図5及び図6参照)によって連結されることによって行われる。なお、搬送ベルト15は、図2及び図3中において、反時計方向に周回するようになっており、以下の説明では、上昇する側となる同図中の右側の搬送ベルト15の部分を搬送ベルト15の上昇面といい、下降する側となる同図中の左側の搬送ベルト15の部分を搬送ベルト15の下降面という。また、搬送ベルト15に張力を付与するためのテンションローラ機構が下部ローラ13の上部の揚送筒本体12に取り付けられている。そして、揚送筒本体12の下部には、玉磨き前のパチンコ玉が流入して複数列に整列せしめられる導入樋16が接続され、揚送筒本体12の上部には、玉磨き後のパチンコ玉が排出される上部屈曲樋18及び排出樋19が接続されている。また、上部ローラ14は、搬送ベルト15の上昇面側で当該上部ローラ14の側端部が揚送筒本体12の一側面とほぼ同一垂直面上となり、搬送ベルト15の下降面側で当該上部ローラ14の側端部が揚送筒本体12の他側面よりも外側に突出した状態となるように揚送筒本体12に回転自在に軸支されている。
従って、導入樋16から流入したパチンコ玉は、搬送ベルト15によって揚送され、排出樋19から排出されるが、その揚送される過程で後述するガイドレールカバー20に周設される研磨ベルト26との摩擦力によってパチンコ玉に付着した汚れが拭き取られ、排出樋19からは、奇麗にされたパチンコ玉が排出されることになる。なお、揚送筒本体12の内部には、ほぼ等間隔に複数の内部案内ローラ50が回転自在に軸支して設けられている。そして、この内部案内ローラ50の一側端部(研磨ベルト26と対面する側)が揚送筒本体12に形成された長方形状の臨設窓51(図10参照)に臨んで搬送ベルト15の上昇面に当接して従動することにより、搬送ベルト15の周回動作を案内するようになっている。また、導入樋16には、導入樋16の傾斜角を調整する傾斜角調整ボルト17が設けられている。この傾斜角調整ボルト17には、スプリングが周設されており、内部を流れる玉によって導入樋16に無理な力が加わったときでも玉がスムーズに整列されるような構造となっている。
一方、前記した揚送筒本体12の背面側(搬送ベルト15の上昇面と対面する一側面)には、ガイドレールカバー20が着脱自在に取り付けられるようになっている。このガイドレールカバー20は、前記搬送ベルト15や研磨ベルト26を玉揚送装置10に装着する際に取り外されるものであると共に、研磨ベルト26自体がガイドレールカバー20を周回するように装着される。そして、搬送ベルト15や研磨ベルト26が装着された時には、止め金具25によってガイドレールカバー20を揚送筒本体12に対面させた状態に維持される。ただし、揚送筒本体12とガイドレールカバー20との間には、隙間が形成されることとなるが、この隙間は、止め金具25の固着位置を調節することによってその寸法を設定することができ、その設定値に応じて揚送されるパチンコ玉への圧力を変化させることができる。また、ガイドレールカバー20には、その背面に使用前のロール状研磨ベルト26を装着する使用前研磨ベルト装着部21と使用済の研磨ベルト26をロール状に巻き取るための使用済研磨ベルト装着部22とが設けられ、その上端後部に研磨ベルト26を案内するためのローラ23が設けられている。
しかして、使用前研磨ベルト装着部21に装着された研磨ベルト26は、ガイドレールカバー20の下端から前面を通ってローラ23に掛け渡され、その後、使用済研磨ベルト装着部22に巻き付けられる。そして、そのように研磨ベルト26を装着した状態で止め金具25でガイドレールカバー20を揚送筒本体12に装着することにより、研磨ベルト26と搬送ベルト15の上昇面とを対面させ、搬送ベルト15を周回動作させることによりパチンコ玉がガイドレールカバー20の前面に形成される複数の玉通路に嵌り込みながら研磨ベルト26に汚れをふき取られながら上昇するものである(図10参照)。なお、営業終了時には、使用前研磨ベルト装着部21に設けられるチャッキング装置を弛めて研磨ベルト26が移動し得るようにした状態で、裏面上部の研磨ベルト26を引っ張って未使用面をガイドレールカバー20の前面側に位置させるようにし、その引っ張って余った研磨ベルト26を使用済研磨ベルト装着部22を巻き付け、前記チャッキング装置を締め付ける。これによって、翌日の研磨に対する準備が終了する。また、この研磨ベルト26の巻き取り作業は、ガイドレールカバー20を揚送筒本体12から取り外した状態で行っても、あるいは取り付けたままの状態でも行うことができるが、新規な研磨ベルト26を交換する場合には、ガイドレールカバー20を揚送筒本体12から取り外す必要がある。
また、上記した玉揚送装置10の揚送筒本体12とガイドレールカバー20とは、揚送筒本体12の両側面の複数箇所に止着されている止め金具25によって取り付けられるが、その止め金具25は、ガイドレールカバー20の側面から突設される係合突起24を支持し係合するものであり、止め金具25と係合突起24との係合状態を解除してガイドレールカバー20を揚送筒本体12に対して取り外すことができる一方、止め金具25と係合突起24とを係合状態にしてガイドレールカバー20を揚送筒本体12に対して取り付けることができる。
次に、玉揚送装置10の下方部分に設けられて搬送ベルト15に張力を付与するテンションローラ機構について、図4乃至図6を参照して説明する。テンションローラ機構は、第一、第二、及び第三の各テンションローラ31〜33を回転自在に軸支すると共に前記揚送筒本体12に固着されて各テンションローラ31〜33を玉揚送装置10の下方部分に取り付ける取付ベース30を備えている。
取付ベース30は、前面及び上下面が開放したコ字状の板材によって構成されており、その中程に第二テンションローラ32が回転自在に軸支されている。即ち、取付ベース30の中程両側に支持される調節支持杆34に第二テンションローラ32の回転軸が連結支持されている。なお、調節支持杆34は取付ベース30に貫通自在に設けると共に調節支持杆34にはスプリング35が周設され、調節支持杆32の後端は、取付ベース30の裏面に突出してナット36(図2参照)で締着されるようになっている。しかして、ナット36を弛めて調節支持杆34を回転せしめることにより第二テンションローラ32を前後方向に長さ調節し得るようになっており、調節支持杆34、スプリング35、及びナット36は、調節機構を構成するものである。具体的には、調節支持杆34の取付ベース30から外側に突出する後端にナット36を螺着することにより、ナット36の螺着位置で調節支持杆34の長さを調節すると共に周設されるスプリング35で第二テンションローラ32を常に前方に付勢する。これにより、搬送ベルト15の旋回中でも常時調節支持杆34に周設されるスプリング35により搬送ベルト15に最適な張力を付与することができる。
また、第二テンションローラ32の上方に位置する取付ベース30の部分には、第一テンションローラ31(テンションローラ)の回転軸の一端を支持する支持片37が固着されており、第一テンションローラ31の回転軸の一端が支点ボルト38を介して支持片37に回動自在に支持されることで、第一テンションローラ31は、搬送ベルト15と当接する状態と搬送ベルト15との当接を解除する状態との間で移行可能に設けられている。一方、第一テンションローラ31の回転軸の他端と対応する取付ベース30の部分には、上下方向の長穴形状をなす固定穴39を穿設した揺動固定部材40が支点ボルト41によって上下方向に揺動自在に取り付けられている。揺動固定部材40に穿設された固定穴39は、搬送ベルト15と当接した状態にある第一テンションローラ31の回転軸の他端を固定ボルト42で固定するためのものであり、支点ボルト41の締結度合を調節することで、第一テンションローラ31が適当な位置(第一テンションローラ31の軸心方向が搬送ベルト15の横幅方向と平行になる位置)で搬送ベルト15と当接するように揺動固定部材40(固定穴39)の上下位置を微調整するようになっている。
また、第二テンションローラ32の下方に位置する取付ベース30の部分には、第三テンションローラ33の回転軸の一端を支持する支持片43が固着されており、第三テンションローラ33の回転軸の一端が支点ボルト44を介して支持片43に回動自在に支持されることで、第三テンションローラ33は、第一テンションローラ31と同様に、搬送ベルト15と当接する状態と搬送ベルト15との当接を解除する状態との間で移行可能に設けられている。一方、第三テンションローラ33の回転軸の他端と対応する取付ベース30の部分には、固定穴45を穿設した支持片46が固着されている。固定穴45は、搬送ベルト15と当接した状態にある第三テンションローラ33の回転軸の他端を固定ボルト47で固定するためのものである。
しかして、図5に示すように、第一及び第三のテンションローラ31,33が搬送ベルト15との当接を解除した状態で、第二テンションローラ32の前方に搬送ベルト15を位置させておき、その状態から、図6に示すように、第一テンションローラ31の回転軸の他端を固定ボルト42で固定穴39に固定すると共に、第三テンションローラ33の回転軸の他端を固定ボルト47で固定穴45に固定することにより、第一及び第三のテンションローラ31,33が搬送ベルト15と当接した状態、言い換えれば、第一及び第三のテンションローラ31,33が搬送ベルト15の下降面を押し込んだ状態となる。これにより、第一乃至第三のテンションローラ31〜33が同一垂直線上に並び、搬送ベルト15が第一乃至第三のテンションローラ31〜33に交互に掛け渡されることで、搬送ベルト15に適度な張力を付与するようになっている。また、このとき、第一テンションローラ31は、搬送ベルト15に適度な張力を付与すると共に、玉揚送装置10の下方部分で搬送ベルト15(具体的には、研磨ベルト26の反対側に位置する搬送ベルト15の下降面)を揚送筒本体12の他側面の内部に納まった位置まで押さえ込むようになっている。また、第一乃至第三のテンションローラ31〜33の外周には、第一乃至第三のテンションローラ31〜33を保護するためのテンションローラカバー48が取り付けられるようになっている(図2乃至図4参照)。
なお、テンションローラ機構(第一、第二、及び第三の各テンションローラ31〜33)の下方に配置される下部ローラ13の下側には、導入樋16から送り込まれたパチンコ玉を下部ローラ13に巻き付けられた搬送ベルト15との間で挟持し、下部ローラ13の回転によって揚送する下部屈曲樋52が設けられている。下部屈曲樋52の後端部には、下部屈曲樋52によるパチンコ玉の押圧力(搬送ベルト15との間でパチンコ玉を挟持する力)を調整する押圧力調整ボルト53が設けられている。この押圧力調整ボルト53には、スプリングが周設されており、搬送ベルト15との間で挟持する玉によって下部屈曲樋52に無理な力が加わったときでも玉がスムーズに揚送されるような構造となっている。
また、テンションローラ機構の前方位置にはモータ取付台27が配置され、該モータ取付台27上には、搬送ベルト15の周回駆動源となるモータ28が載置固定されている。モータ28の出力軸には、小径プーリ54(図2及び図3参照)が固着され、この小径プーリ54と下部ローラ13の回転軸に固着される大径プーリ55との間にVベルト29を掛け渡すことにより、モータ28の回転駆動力が下部ローラ13に伝達されて搬送ベルト15が揚送筒本体12を周回するようになっている。なお、Vベルト29の外周には、Vベルト29を保護するためのVベルトカバー56が取り付けられている。また、モータ28は、取付板57を介してモータ取付台27上にボルト固定されるものであり、取付板57の一端部分には、モータ取付台27に対する取付板57(モータ28)の取付位置を微調整するための調整ボルト58が設けられている。そして、この調整ボルト58の締結度合を調節することで、モータ28の出力軸の軸心方向が下部ローラ13の回転軸の軸心方向と一致するように取付板57(モータ28)の取付位置を微調整するようになっている。
また、上記したテンションローラ機構(第一、第二、及び第三の各テンションローラ31〜33)、下部ローラ13、及びモータ28は、それぞれ支持台11上に据え付けられた構造(据え付け構造体)となっており、支持台11上に立設される揚送筒本体12は、このような据え付け構造体とのジョイント構造によって取り付けられるようになっている。このため、玉揚送装置10の高さを変更する場合には、玉揚送装置10の下方部分に設けられるテンションローラ機構(第一、第二、及び第三の各テンションローラ31〜33)、下部ローラ13、及びモータ28はそのまま残して、高さ寸法が異なった揚送筒本体12に取り換えるだけでよい。
ところで、本実施形態に係る玉揚送装置10の上方部分には、図7に示すような上部押さえローラ60が長板形状をなす左右一対の上部押さえローラガイド63を介して取り付けられるようになっている。上部押さえローラ60は、玉揚送装置10の上方部分で搬送ベルト15を押さえ込むためのものである。上部押さえローラ60の軸心方向には、左右一対の回転軸61が一体的に設けられ、該回転軸61の先端側には、上部押さえローラガイド63の板厚とほぼ同一幅の嵌合凹部62が形成されている。上部押さえローラガイド63は、ほぼ長方形状の平板からなり、その一端側には、当該上部押さえローラガイド63を揚送筒本体12の側面にボルト68(図8及び図9参照)で固定するための取付穴64が2箇所に穿設されている。一方、上部押さえローラガイド63の他端側には、上部押さえローラ60を回転自在に軸支するためのローラ軸支部65が穿設されている。ローラ軸支部65は、上部押さえローラ60で搬送ベルト15を押圧しながら回転軸61を斜め上方から導入するための傾斜導入部66と、該傾斜導入部66の下端と連通して形成され、且つ搬送ベルト15の反発力で回転軸61の嵌合凹部62と嵌合する軸支凹部67と、から構成されている。なお、軸支凹部67は、傾斜導入部66の下端部分において、上部押さえローラガイド63の他端方向(取付穴64が穿設された方向とは逆の方向)へ突出する半円の凹形状に形成されており、上部押さえローラ60は、搬送ベルト15の反発力に抗して回転軸61を軸支凹部67との嵌合状態から解除することにより、搬送ベルト15によって押圧されて傾斜導入部66から取り外しが可能となっている。
次に、上記した上部押さえローラガイド63を介した上部押さえローラ60の取り付け構造、及び上部押さえローラ60による搬送ベルト15の押さえ込み構造について、図8乃至図10を参照して説明する。
図8に示すように、左右一対の上部押さえローラガイド63は、玉揚送装置10の上方部分(具体的には、図1に示すように、玉揚送装置10の上部に設けられる上部タンク等、パチンコ島台1の島台本体から上方に突出した部分を被覆する筐体形状のカバー体7内に位置する部分)となる揚送筒本体12の両側面にそれぞれボルト68で固定される(図8中には、揚送筒本体12の一側面に固定された上部押さえローラガイド63のみを図示)。このとき、上部押さえローラガイド63のローラ軸支部65は、揚送筒本体12の前面側(研磨ベルト26側と反対になる側)から突出する位置に配置される。そして、図9に示すように、上部押さえローラ60のローラ外周面で搬送ベルト15をA方向に押し込みながら、上部押さえローラ60の回転軸61をローラ軸支部65の傾斜導入部66に導入し、最終的に、搬送ベルト15の張力によって上部押さえローラ60がA方向の反対方向となるB方向へ押し戻されることで回転軸61の嵌合凹部62がローラ軸支部65の軸支凹部67に嵌合されて、上部押さえローラ60が上部押さえローラガイド63に軸支される。これにより、研磨ベルト26の反対側に位置する搬送ベルト15の下降面は、図10にも示すように、玉揚送装置10の上方部分で上部押さえローラ60によって図9中に二点鎖線で示す状態から実線で示す状態、言い換えれば、揚送筒本体12の前方にはみ出た状態から揚送筒本体12の他側面の内部に納まった状態に押さえ込まれる。
従って、研磨ベルト26の反対側に位置する搬送ベルト15の下降面は、玉揚送装置10の上方部分に設けられる上部押さえローラ60によって揚送筒本体12の他側面の内部に納まった位置に押さえ込まれると共に、前述した玉揚送装置10の下方部分に設けられる第一テンションローラ31によっても同様に、揚送筒本体12の他側面の内部に納まった位置に押さえ込まれるようになっている。このため、上部押さえローラ60と第一テンションローラ31との間に位置する搬送ベルト15の下降面は、揚送筒本体12からはみ出ることなく揚送筒本体12の他側面の内部に納まった状態で玉揚送装置10に装着されることになり、玉揚送装置10全体としてスリム化することができる。また、このような玉揚送装置10のスリム化に伴い、玉揚送装置10が設置されるパチンコ島台1において、玉揚送装置収納部3の横幅寸法を狭めることができる(本実施形態の玉揚送装置収納部3を示す図1と、従来例の玉揚送装置収納部101を示す図16とを比較参照)。これにより、図1中に二点鎖線で示す従来でのパチンコ機2の設置スペースを、同図中に実線で示す本実施形態でのパチンコ機2の設置スペースに広げられる等、パチンコ島台1内に設けられる設備機器の設置スペースを広くとることができる。
なお、本実施例では、玉揚送装置10を玉揚送装置収納部3に横向き収納したもので説明したが、玉揚送装置10を玉揚送装置収納部3に縦向き収納した島台にも本発明の玉揚送装置10を採用することができる。この場合には、玉揚送装置収納部3の島幅方向の寸法を狭めることができる(本実施形態の玉揚送装置収納部3を示す図17(B)と、従来例の玉揚送装置収納部101を示す図17(A)とを比較参照)。これにより、図17(B)中に鎖線で示す従来での玉揚送装置収納部の設置スペースをスリム化できるためパチンコ島台1内に設けられる設備機器の設置スペースを広くとることができる。また、この場合、図17(C)中に鎖線で示すように玉揚送装置収納部3の島幅方向の寸法を狭めるのではなく、図17(C)中に実線で示すように島幅自体を狭くすることも可能となる。
なお、上記した上部押さえローラ60及び第一テンションローラ31は、搬送ベルト15の下降面を内部案内ローラ50と当接する位置まで押さえ込むようになっている(図9参照)。即ち、搬送ベルト15の上昇面と下降面とがそれぞれ内部案内ローラ50と当接するようになっている。一般的に、上部ローラ及び下部ローラ間に架け渡される搬送ベルトは、周回するときの負荷状況等(例えば、揚送するパチンコ玉の有無、上部ローラ及び下部ローラの取付調節等)に応じて周回動作時にブレ(振動)が発生し、このブレによって搬送ベルト自体が反復運動して次第に横ズレする。しかしながら、本実施形態では、搬送ベルト15の上昇面と下降面とがそれぞれ内部案内ローラ50と当接することで、搬送ベルト15自体のブレ(振動)による反復運動を抑えることができ、結果として、搬送ベルト15の横ズレを回避するようになっている。
また、揚送筒本体12の他側面の内部に納まった搬送ベルト15の前方には、搬送ベルトカバー70が取り付けられるようになっている。搬送ベルトカバー70は、縦長の板形状をなし、断面コの字状に形成された揚送筒本体12の前側開口部分にボルト69で着脱自在に取り付けられる(図9及び図10参照)。そして、搬送ベルトカバー70は、揚送筒本体12への装着状態において、揚送筒本体12の他側面の内部となる断面コの字状の内部空間に収納された搬送ベルト15の下降面を被覆することで、搬送ベルト15が他の構成部材(例えば、パチンコ島台1内に設けられる配線等)と接触しないように保護するようになっている。
また、上記したようにスリム化された玉揚送装置10の最下端の底壁基板をなす支持台11には、玉揚送装置10の移動を容易にする移動ローラ71が取り付けられており、揚送筒本体12の側面には、ほぼ真ん中ぐらいの高さ位置に取っ手部72が一体的に取り付けられている。これにより、玉揚送装置10のスリム化に伴って玉揚送装置収納部3の横幅寸法を狭めた本実施形態の構成においても、玉揚送装置収納部3に玉揚送装置10を容易に設置することができると共に、メンテナンス等での玉揚送装置10の取り出し作業が容易にできる。
ところで、モータ28の駆動に基づいて上部ローラ14及び下部ローラ13間で周回せしめられる搬送ベルト15は、パチンコ玉を揚送する際、当該揚送するパチンコ玉の汚れが少なからず外周面に付着する。そこで、玉揚送装置の上方部分で搬送ベルトを押さえ込む本発明の上部押さえローラ及び上部押さえローラガイドに対して、搬送ベルトの汚れを除去する機能を持たせることで、搬送ベルトの外周面を清掃するようにしてもよい。以下、このように搬送ベルトの外周面を清掃する上部押さえローラ及び上部押さえローラガイドの構成を変形例1,2として説明する。なお、以下の説明では、前述した実施形態と同様の機能を有する構成部材については便宜的に同一の符号を付すと共にその詳細な説明を省略する。
先ず、図11乃至図13を参照して、変形例1の上部押さえローラ130及び上部押さえローラガイド131について説明する。図11は、変形例1における上部押さえローラ130と上部押さえローラガイド131とを示す斜視図であり、図12は、変形例1における上部押さえローラガイド131を示す斜視図であり、図13(A)〜(C)は、それぞれ変形例1における上部押さえローラ130と上部押さえローラガイド131とによって搬送ベルト15の汚れを除去する動作を示す説明図である。
図11及び図12に示すように、変形例1の上部押さえローラガイド131は、筐体形状のガイド本体132を備えている。ガイド本体132は、上面開口133を有する横長方形状の筐体形状に形成され、該横長方形状における長手方向の両側端面には、それぞれ上部押さえローラ130の後述する回転軸141を軸止するための軸止穴134が穿設されている。また、ガイド本体132の長手方向の両側端には、それぞれ上部押さえローラガイド131を揚送筒本体12の両側面にボルト固定するための取付穴136を2箇所に穿設した取付片部135が延設されている。そして、ガイド本体132の前端側(取付片部136が延設される側の反対側)の内壁面には、搬送ベルト15を押さえ込んだ状態の上部押さえローラ130の外周面と当接する当接除去手段としての当接突起部137が上部押さえローラ130の全長に亘って設けられている。なお、ガイド本体132の軸止穴134は、上部押さえローラガイド131に対する上部押さえローラ130(回転軸141)の取付位置を微調整(上部押さえローラ130が当接突起部137と当接する位置に調整)するために横長の長穴形状に形成されている。
一方、変形例1の上部押さえローラ130は、ローラ本体140に対して左右一対の回転軸141が着脱自在に取り付けられるようになっている。回転軸141は、一端側に雄ネジ部(図示しない)が形成される一方、他端側に六角頭部142が形成された六角ボルトから構成されている。ローラ本体140は、左右の回転軸141(雄ネジ部)を両端部分に個々に取り付ける雌ネジ穴144が穿設された軸心部材143と、該軸心部材143の外周部分にベアリング機構(図示しない)を介して回転自在に設けられるローラ外周面部145とから構成されている。なお、ローラ外周面部145は、汚れの吸着性に優れた材料から形成されている。
しかして、上記した上部押さえローラガイド131は、取付片部135(取付穴136)が揚送筒本体12の両側面にボルト固定によって取り付けられ、当該上部押さえローラガイド131に上部押さえローラ130が取り付けられる。上部押さえローラ130の取付方法としては、搬送ベルト15を押圧しながらローラ本体140を上部押さえローラガイド131のガイド本体132内に入れ込み、この状態から、左右の回転軸141をそれぞれガイド本体132の軸止穴134を通して軸心部材143の雌ネジ穴144に螺着して固定する。これにより、上部押さえローラ130は、軸心部材143が回転軸141と一体的に上部押さえローラガイド131に固定される。また、軸心部材143に対して回転自在に設けられたローラ外周面部145は、図13(A)に示すように、搬送ベルト15を押圧する共に、該搬送ベルト15を押圧した部分とは反対側となる外周部分に当接突起部137が当接された状態でガイド本体132内に取り付けられる。なお、上部押さえローラ130及び上部押さえローラガイド131の取付方法としては、先に上部押さえローラ130を上部押さえローラガイド131に取り付けた後、この状態で上部押さえローラガイド131を揚送筒本体12に取り付けるようにしてもよい。
そして、上部押さえローラガイド130のローラ外周面部145は、図13(B)に示すように、搬送ベルト15の周回に伴って回転軸141(軸心部材143)を中心としてD方向(図13中に示す反時計方向)に回転し、この回転動作中にその優れた吸着性能により搬送ベルト15の外周面に付着したパチンコ玉の汚れYを吸着して、搬送ベルト15の汚れYを除去する。その後、ローラ外周面部145に吸着された汚れYは、図13(C)に示すように、ローラ外周面部145のD方向への回転に伴い、当該ローラ外周面部145と当接するガイド本体132内の当接突起部137によって削ぎ落とされ、最終的に、筐体形状をなすガイド本体132内の底壁部分に回収される。また、ガイド本体132内に回収された汚れYは、玉揚送装置10のメンテナンス時等に、上部押さえローラ130を上部押さえローラガイド131から取り外したり、あるいは上部押さえローラガイド131を揚送筒本体12から取り外すことでガイド本体132内から取り出される。
なお、上記した変形例1では、上部押さえローラ130を、軸心部材143と該軸心部材143の外周部分にベアリング機構を介して回転自在に設けられるローラ外周面部145とから構成することで、上部押さえローラ130の回転軸141を上部押さえローラガイド131に固定する構造としているが、このような回転軸の固定構造に限定するものではない。例えば、図14及び図15に示す変形例2の上部押さえローラ150及び上部押さえローラガイド151の構成としてもよい。図14は、変形例2における上部押さえローラ150と上部押さえローラガイド151とを示す斜視図であり、図15は、変形例2における上部押さえローラガイド151を示す斜視図である。
図14及び図15に示すように、変形例2の上部押さえローラ150は、その軸心方向に左右一対の回転軸152が一体的に設けられ、該回転軸152の先端には、軸頭部153が形成されている。また、上部押さえローラ150のローラ外周面は、変形例1の上部押さえローラ130と同様に、汚れの吸着性に優れた材料から形成されている。一方、変形例2の上部押さえローラガイド151は、変形例1の上部押さえローラガイド151と同様に、上面開口155を有する横長方形状の筐体からなるガイド本体154を備えている。ガイド本体154の長手方向の両側端面には、それぞれ上部押さえローラ150の回転軸152を回転自在に軸支するためのローラ軸支部156が穿設されている。ローラ軸支部156は、上部押さえローラ150が搬送ベルト15を押圧した状態で回転軸152を斜め上方から導入するための傾斜導入部157と、該傾斜導入部157の下端と連通して形成されると共に回転軸152と嵌合することで上部押さえローラ150を回転自在に軸支する軸支凹部158と、から構成されている。なお、上部押さえローラ150は、回転軸152が軸支凹部158との嵌合状態を解除することで、搬送ベルト15によって押圧されて傾斜導入部157から取り外しが可能となっている。
また、ガイド本体154の長手方向の両側端には、それぞれ上部押さえローラガイド151を揚送筒本体12の両側面にボルト固定するための取付穴160を2箇所に穿設した取付片部159が延設されている。そして、ガイド本体154の前端側(取付片部159が延設される側の反対側)の内壁面には、変形例1の上部押さえローラガイド151と同様に、搬送ベルト15を押さえ込んだ状態の上部押さえローラ150の外周面と当接する当接除去手段としての当接突起部161が上部押さえローラ150の全長に亘って設けられている。
しかして、上記した上部押さえローラガイド151は、取付片部159(取付穴160)が揚送筒本体12の両側面にボルト固定によって取り付けられ、当該上部押さえローラガイド151に上部押さえローラ150が取り付けられる。上部押さえローラ150の取付方法としては、上部押さえローラ150のローラ外周面で搬送ベルト15を押し込みながら、上部押さえローラ150の回転軸152をローラ軸支部156の傾斜導入部157に導入し、最終的に、搬送ベルト15の張力によって上部押さえローラ150が押し戻されることで回転軸152がローラ軸支部156の軸支凹部158に嵌合されて、上部押さえローラ150が上部押さえローラガイド151に軸支される。
そして、上部押さえローラガイド150のローラ外周面は、搬送ベルト15の周回に伴って回転軸152を中心に回転し、この回転動作中にその優れた吸着性能により搬送ベルト15の外周面に付着したパチンコ玉の汚れを吸着して、搬送ベルト15の汚れを除去する。その後、上部押さえローラガイド150のローラ外周面に吸着された汚れは、上部押さえローラガイド150の回転に伴い、ガイド本体154内の当接突起部161によって削ぎ落とされ、最終的に、筐体形状をなすガイド本体154内の底壁部分に回収される。また、ガイド本体154内に回収された汚れは、玉揚送装置10のメンテナンス時等に、上部押さえローラ150を上部押さえローラガイド151から取り外すことでガイド本体154内から取り出される。
以上説明したように、本実施形態(変形例1,2を含む)の構成によれば、玉揚送装置の上方部分では、搬送ベルトの下降面を上部押さえローラによって揚送筒本体の他側面の内部に納める位置まで押さえ込み、玉揚送装置の下方部分では、搬送ベルトの下降面をテンションローラによって揚送筒本体の他側面の内部に納まった状態に押さえ込む。これにより、搬送ベルトの下降面をむき出しの状態とならないように揚送筒本体の他側面の内部に納めることができるので、玉揚送装置全体としてスリム化することができる。これに伴い、玉揚送装置収納部の横幅寸法を狭めることができ、結果として、パチンコ島台内に設けられる設備機器の設置スペースを広くとることができる。
なお、本実施例では、玉揚送装置10を玉揚送装置収納部3に横向き収納したもので説明したが、玉揚送装置10を玉揚送装置収納部3に縦向き収納した島台にも本発明の玉揚送装置10を採用することができる。この場合には、玉揚送装置収納部3の島幅方向の寸法を狭めることができる(本実施形態の玉揚送装置収納部3を示す図17(B)と、従来例の玉揚送装置収納部101を示す図17(A)とを比較参照)。これにより、図17(B)中に鎖線で示す従来での玉揚送装置収納部の設置スペースをスリム化できるためパチンコ島台1内に設けられる設備機器の設置スペースを広くとることができる。また、この場合、図17(C)中に鎖線で示すように玉揚送装置収納部3の島幅方向の寸法を狭めるのではなく、図17(C)中に実線で示すように島幅自体を狭くすることも可能となる。
また、上部ローラ及び下部ローラ間に架け渡される搬送ベルトは、一般的に、周回するときの負荷状況等(例えば、揚送するパチンコ玉の有無、上部ローラ及び下部ローラの取付調節等)に応じて周回動作時にブレ(振動)が発生し、このブレによって搬送ベルト自体が反復運動して次第に横ズレする。しかしながら、本実施形態の構成によれば、搬送ベルトの上昇面と下降面とがそれぞれ内部案内ローラと当接することで、搬送ベルト自体のブレ(振動)による反復運動を抑えることができ、結果として、搬送ベルトの横ズレを回避することができる。
また、揚送筒本体を上端から下端に亘ってほぼ断面コの字状に形成することで、揚送筒本体自体の強度を高めることができる。然も、搬送ベルトは、揚送筒本体の断面コの字状の内部空間に収納される。このため、断面コの字状の開口部分から容易に揚送筒本体を着脱することができるので、搬送ベルトの交換作業効率を高めることができる。また、搬送ベルトの下降面を被覆する搬送ベルトカバーを揚送筒本体に対して着脱自在に設けたので、搬送ベルトが他の構成部材(例えば、パチンコ島台内に設けられる配線等)と接触しないように保護することができる。
また、上部押さえローラを揚送筒本体に取り付ける際には、上部押さえローラが搬送ベルトを押圧した状態で上部押さえローラの回転軸を上部押さえローラガイドの傾斜導入部から導入して、上部押さえローラの回転軸を搬送ベルトの反発力で上部押さえローラガイドの軸支凹部に回転自在に軸支する。そして、このような回転軸の軸支凹部との嵌合状態を搬送ベルトの反発力に抗して解除することで、上部押さえローラを傾斜導入部から取り外すことができる。このため、揚送筒本体に対して上部押さえローラを容易に着脱することができ、ひいては、搬送ベルトの交換作業を容易に行うことができる。
更に、上部押さえローラは、搬送ベルトの下降面を揚送筒本体の他側面の内部に押さえ込むだけでなく、搬送ベルトとの当接によって搬送ベルトの汚れを吸着する。そして、上部押さえローラによって吸着された汚れ、即ち上部押さえローラに付着した汚れは、搬送ベルトとの当接部分以外となる部分で上部押さえローラと当接する当接除去手段によって削ぎ落とされて除去される。このため、搬送ベルトの外周面に付着した汚れ(例えば、搬送ベルトの上昇面で揚送したパチンコ玉の汚れ等)が循環的にパチンコ玉に付着するという不具合を解消することができる。また、上部押さえローラで吸着した汚れは、当接除去手段によって削ぎ落とす構成とすることで、部品交換や清掃作業等を行うことなく、常に上部押さえローラのローラ外周面を清潔に保つことができる。
なお、本実施形態では、上部ローラから周回してくる搬送ベルトの下降面を揚送筒本体の他側面の内部に納める位置まで押さえ込む上部押さえローラを揚送筒本体に取り付けた構成を例示しているが、この構成に限定するものではない。例えば、上部押さえローラを搬送ベルトカバーに取り付け、当該搬送ベルトカバーを揚送筒本体に取り付けることで、遊技機の上方に位置する揚送筒本体の部分に上部押さえローラを設けるようにしてもよい。