JP5499364B2 - メモリ素子の駆動方法及びメモリ素子を備える記憶装置 - Google Patents

メモリ素子の駆動方法及びメモリ素子を備える記憶装置 Download PDF

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Description

本発明は、ナノギャップ電極を備えるメモリ素子の駆動方法及びメモリ素子を備える記憶装置に関する。
現在、デバイスの小型化、高密度化に伴い、電気素子の一層の微細化が望まれている。その一例として、微細な間隙(ナノギャップ)を隔てた2つの電極間に電圧を印加することによって、スイッチング動作が可能な素子が知られている。
具体的には、例えば、酸化シリコンと金という安定な材料からなり、傾斜蒸着という簡便な製造方法により製造され、スイッチング動作を安定的に繰り返し行うことができる素子が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
このようなナノギャップを有する素子(以下、「ナノギャップメモリ素子」という。)においては、書き込み又は消去のために、所定の電圧値の電圧パルスを印加して、高抵抗状態(OFF状態)から低抵抗状態(ON状態)へ移行させたり、低抵抗状態(ON状態)から高抵抗状態(OFF状態)へ移行させたりするようになっている。
特開2007−123828号公報
しかしながら、特に高抵抗状態から低抵抗状態へ移行させる際、電圧パルスを印加しても、所望の抵抗状態(低抵抗状態)へ移行する確率が低いという問題があった。そこで、高抵抗状態から低抵抗状態へ移行する確率を向上させるために、パルス幅(すなわち、1回の電圧パルスの印加時間)を大きくする方法や、電圧値を高くする等の方法が考えられた。しかしながら、これらの方法では、高抵抗状態から低抵抗状態へ移行する確率がまだ十分でないという問題があった。
本発明の課題は、高い確率で高抵抗状態から低抵抗状態へ移行させることができるメモリ素子の駆動方法及び当該メモリ素子を用いた記憶装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、絶縁性基板と、前記絶縁性基板に設けられた第1電極及び第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられ、第1、第2電極間の抵抗値の変化現象が生じるナノメートルオーダーの間隙を有する電極間間隙部とを備え、所定の低抵抗状態から所定の高抵抗状態への移行と、前記高抵抗状態から前記低抵抗状態への移行とが可能なメモリ素子の駆動方法において、前記高抵抗状態から前記低抵抗状態への移行の際には、前記メモリ素子に対して定電流回路により電流パルスを加えることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記電流パルスは、前記定電流回路により、段階的に電流値を変化させて加えることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、絶縁性基板と、前記絶縁性基板に設けられた第1電極及び第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられ、第1、第2電極間の抵抗値の変化現象が生じるナノメートルオーダーの間隙を有する電極間間隙部とを備えるメモリ素子と、高抵抗状態から低抵抗状態への移行を行うために電流パルスを発生する電流パルス発生部とを備え、前記電流パルス発生部は定電流回路により前記メモリ素子に電流パルスを加えることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記電流パルス発生部は、前記定電流回路により、段階的に電流値を変化させて加えることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、絶縁性基板と、前記絶縁性基板に設けられた第1電極及び第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられ、第1、第2電極間の抵抗値の変化現象が生じるナノメートルオーダーの間隙を有する電極間間隙部とを備えるメモリ素子と、電圧パルス発生部とを備え、
前記メモリ素子は複数個であり、各々のメモリ素子に少なくとも各々定電流素子が直列接続され、前記電圧パルス発生装置から前記定電流素子が直列接続されたメモリ素子の少なくとも1つへ電圧パルスを加えることを特徴とする。
このメモリセル構成により、メモリセル面積が増加する可能性があるが、書き込み速度は向上する。
発明者等は、前述の課題を解決するために鋭意検討した結果、メモリ素子に対して、高抵抗状態から低抵抗状態へ移行させるために電流パルスを加えることに着目した。この電流パルスは定電流回路を通しても供給されるが、定電流素子を接続したメモリセルを電圧駆動してもメモリ素子には電流パルスが加えられる。このように電流パルスを加えることで、より高確率でメモリ素子が高抵抗状態から低抵抗状態へ移行することを見出したものである。
本発明によれば、所定の低抵抗状態から所定の高抵抗状態への移行と、高抵抗状態から低抵抗状態への移行とが行われるナノメートルオーダーの間隙を有する電極間間隙部を備えたメモリ素子に対して、メモリ素子を高抵抗状態から低抵抗状態へ移行させる電流パルスを加える時には定電流回路を用いて、電流値をコントロールする、または定電流素子を接続したメモリ素子を電圧駆動することを特徴とする。
従来は、低抵抗状態から高抵抗状態への切り換えに比べて、高抵抗状態から低抵抗状態への切り換えの成功率が劣っていたが、電流パルスを上述のように印加することにより高抵抗状態から低抵抗状態への切り換えの成功率を飛躍的に向上させることが可能である。
例えば、低抵抗状態から高抵抗状態への切り換えと高抵抗状態から低抵抗状態への切り換えとを交互に行う繰り返し試験において、低抵抗状態と高抵抗状態との間での状態切り換えがより確実に実行され、また、低抵抗状態の抵抗値の属する範囲と高抵抗状態の抵抗値の属する範囲とが殆ど重複を生じることなく二分され、これによりメモリ素子を識別可能となる二状態に維持することができ、記憶装置としての適応性をより向上させることが可能となった。
図1(A)は本発明の記憶装置の機能的構成を示すブロック図、図1(B)は記憶装置のナノギャップメモリアレイに含まれる一つのメモリセルの構成を示す図である。 本発明の記憶装置が備えるナノギャップメモリ素子の要部を模式的に示す断面図である。 図3(A)は本発明の記憶装置が備えるパルス発生部の機能的構成を示すブロック図であり、図3(B)は電流パルス発生部の構成を示す。 図4(A)は電流パルス発生部のパルス発生器からのパルス電圧変化を示した線図、図4(B)はナノギャップメモリ素子に流れる電流パルスの電流値の変化を示した線図である。 他のナノギャップメモリ素子の要部を模式的に示す断面図である。 図6(A)は他の例におけるパルス発生器からの電圧パルスの電圧変化を示した線図、図6(B)は他の例における電流パルスの電流値の変化を示した線図である。 実施例におけるパルス発生部の機能的構成を示すブロック図である。 実施例におけるナノギャップメモリ素子を低抵抗状態から高抵抗状態へ移行させる電圧パルスと高抵抗状態から低抵抗状態へ移行させる電流パルスとを交互に繰り返し印加した場合の素子の抵抗値変化を示すグラフ図である。 比較例におけるナノギャップメモリ素子を低抵抗状態から高抵抗状態へ移行させる電圧パルスと高抵抗状態から低抵抗状態へ移行させる電圧パルスとを交互に繰り返し印加した場合の素子の抵抗値変化を示すグラフ図である。 実施例と同じ構成であってメモリ素子に印加するパルスの幅のみを変更した他の例におけるナノギャップメモリ素子を低抵抗状態から高抵抗状態へ移行させる電圧パルスと高抵抗状態から低抵抗状態へ移行させる電流パルスとを交互に繰り返し印加した場合の素子の抵抗値変化を示すグラフ図である。
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
<ナノギャップメモリ素子を備える記憶装置>
まず、記憶装置1000の構成について、図1〜図4を参照して説明する。
記憶装置1000は、複数のメモリセル110をアレイ状に配置したメモリ素子アレイを備えた、データの記憶を行う装置である。ここで、本発明の記憶装置1000においては、メモリセル110は、ナノギャップメモリ素子10と選択素子としてのMOSトランジスタ11とからなり、メモリ素子アレイは、ナノギャップメモリアレイ100である。
具体的には、記憶装置1000は、例えば、図1に示すように、ナノギャップメモリアレイ100と、パルス発生部200と、読み出し部300と、制御部400と、アレイ状に並んだメモリセル110の一つを選択するためにメモリセル110のX方向の位置を指定するX方向のアドレス指定部410と、メモリセル110のY方向の位置を指定するY方向のアドレス指定部420と、などを備えて構成される。
(ナノギャップメモリアレイ)
ナノギャップメモリアレイ100は、例えば、複数のメモリセル110をアレイ状(例えば、2次元アレイ状)に配置した高密度メモリである。
メモリセル110は、図1(B)に示すように、MOSトランジスタ11と当該MOSトランジスタ11のドレイン電極またはソース電極に接続されたナノギャップメモリ素子10とからなる。MOSトランジスタ11は、そのソース電極またはドレイン電極がX方向のアドレス指定部410に接続され、ゲート電極はY方向のアドレス指定部420に接続されている。そして、X方向のアドレス指定部410を通じて後述する第1又は第2の電圧パルスが印加され、Y方向のアドレス指定部420から指定信号が入力されると、ナノギャップメモリ素子10に電圧パルスが印加され、後述する抵抗値変化現象が生じるようになっている。
(ナノギャップメモリ素子)
ナノギャップメモリ素子10は、例えば、ナノギャップ電極間(電極間間隙部4の間隙)の抵抗値をスイッチさせて、データの記憶を行うメモリ素子である。
具体的には、ナノギャップメモリ素子10は、例えば、図2に示すように、絶縁性基板1と、絶縁性基板1の一面(上面)に設けられた第1電極2及び第2電極3と、第1電極2と第2電極3との間に設けられた電極間間隙部4と、などを備えて構成される。
絶縁性基板1は、例えば、ナノギャップメモリ素子10の2つの電極(第1電極2と第2電極3)を隔てて設けるための支持体として機能する。
絶縁性基板1の構造及び材質は、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、絶縁性基板1の表面の形状は、平面であっても良いし、凹凸を有していても良い。また、絶縁性基板1は、例えば、Si等の半導体基板の表面に酸化膜等を設けたものであっても良いし、基板そのものが絶縁性とされたものであっても良い。
絶縁性基板1の材質としては、例えば、ガラス、酸化珪素(SiO)などの酸化物、窒化珪素(SiN)などの窒化物等が好ましく、このうち、酸化珪素(SiO)が、第1電極2及び第2電極3との密着性と、その製造における自由度と、が大きい点で好適となっている。
第1電極2は、例えば、第2電極3と対になって、ナノギャップメモリ素子10のスイッチング動作を行うためのものである。
第1電極2の形状は、特に限定されるものではなく、適宜任意に変更することができる。
第1電極2の材質は、導電性を備えていれば特に限定されるものではなく、例えば、金、銀、白金、パラジウム、ニッケル、アルミニウム、コバルト、クロム、ロジウム、銅、タングステン、タンタル、カーボン又はこれらの合金から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。ここで、第1電極2は、絶縁性基板1との接着性を強化するために、例えば、異なる金属を2層以上重ねて用いても良い。具体的には、例えば、第1電極2は、クロム及び金の積層(多層)構造としても良い。
第2電極3は、例えば、第1電極2と対になって、ナノギャップメモリ素子10のスイッチング動作を行うためのものである。
第2電極3の形状は、特に限定されるものではなく、適宜任意に変更することができる。
第2電極3の材質は、導電性を備えていれば特に限定されるものではなく、例えば、金、銀、白金、パラジウム、ニッケル、アルミニウム、コバルト、クロム、ロジウム、銅、タングステン、タンタル、カーボン又はこれらの合金から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。ここで、第2電極3は、絶縁性基板1との接着性を強化するために、例えば、異なる金属を2層以上重ねて用いても良い。具体的には、例えば、第2電極3は、クロム及び金の積層(多層)構造としても良い。
電極間間隙部4は、例えば、第1電極2と第2電極3との間に形成され、ナノギャップメモリ素子10の抵抗値変化現象を発現する役割を具備している。
具体的には、電極間間隙部4は、例えば、第1電極2と第2電極3との間への所定電圧の印加により抵抗のスイッチング現象が生じるナノメートルオーダーの間隙を有するものである。すなわち、第1電極2と第2電極3との間(ナノギャップ電極間)の距離(間隔)Gは、ナノメートルオーダーとなるよう設定されている。
第1電極20と第2電極30間(ナノギャップ電極間)の距離(間隔)Gは、例えば、0nm<G≦13nmであるのが好ましく、0.8nm<G<2.2nmであるのがより好ましい。
ここで、距離Gの上限値を13nmとしたのは、例えば、二回の斜め蒸着で作成する場合には、ギャップ間隔が13nmより大きくなるとスイッチングが起きなくなるためである。
また、トンネル電流の理論式に低抵抗状態、高抵抗状態の典型的な値を代入すると、ギャップ幅の計算結果として0.8nm<G<2.2nmの範囲が求められる。
なお、第1電極2と第2電極3との間の最近接部位(電極間間隙部4の間隙)は、例えば、第1電極2と第2電極3とが対向する領域に1若しくは複数箇所形成されていても良い。
また、第1電極2と第2電極3との間には、例えば、当該第1電極2と第2電極3の構成材料などからなる島部分(中州部分)が形成されていても良い。この場合には、例えば、第1電極2と島部分との間、第2電極3と島部分との間に所定の間隙(電極間間隙部4の間隙)が形成されて、第1電極2と第2電極3とが短絡していなければ良い。
(パルス発生部)
パルス発生部200は、例えば、ナノギャップメモリアレイ100が有する複数のメモリセル110と制御部400とに接続されている。パルス発生部200は、例えば、制御部400から入力される制御信号に従って、メモリセル110内のナノギャップメモリ素子10の第1電極2と第2電極3との間を低抵抗状態と高抵抗状態とに切り換えることによって、ナノギャップメモリ素子10にデータを書き込んだり、ナノギャップメモリ素子10からデータを消去したりする。
具体的には、パルス発生部200には、例えば、制御部400から、抵抗状態と高抵抗状態に切り換えるナノギャップメモリ素子10の所在に関するアドレス情報が入力されるようになっている。そして、これらの情報が入力されると、パルス発生部200は、例えば、ナノギャップメモリアレイ100が有する複数のナノギャップメモリ素子10のうちの、アドレス情報で指定されたナノギャップメモリ素子10に対して抵抗値の状態の切り換えを行うようになっている。
また、パルス発生部200は、個々のナノギャップメモリ素子10に対して、抵抗状態の切り換えを行うために、図3(A)に示す構成を具備している。
即ち、パルス発生部200は、ナノギャップメモリ素子10の第1電極2に所定電圧の電圧パルスを印加する電圧パルス発生部210と、ナノギャップメモリ素子10の第1電極2に所定電流の電流パルスを加える電流パルス発生部220と、電圧パルス発生部210と電流パルス発生部220とを選択的にナノギャップメモリ素子10に接続する切り換え素子205とを備えている。
なお、ナノギャップメモリ素子10の第2電極3は、接地されている。
なお、上記パルス発生部200は、X方向のアドレス指定部410を介して各ナノギャップメモリ素子10に接続するように設けられている。また、パルス発生部200と各ナノギャップメモリ素子10との間には、実際には、各アドレス指定部410及びMOSトランジスタ11が介在するが、図3ではそれらの図示は省略している。
切り換え素子205は、制御部400により連動して切り換えが行われるように制御される。
即ち、切り換え素子205は、制御部400の制御の下で作動して、電圧パルス発生部210をナノギャップメモリ素子10の第1電極2に直接接続する状態に切り替えられ(以下、第一の接続状態とする)、これにより、電圧パルス発生部210からナノギャップメモリ素子10を低抵抗状態から高抵抗状態に切り替えるための電圧パルスがナノギャップメモリ素子10に印加されることにより、低抵抗状態から高抵抗状態へ切り換えが行われる。なお、電圧パルス発生部210の電圧パルスの電圧値は、ナノギャップメモリ素子10の特性に応じて低抵抗状態から高抵抗状態への切り換えが行われる適正な電圧が印加されるよう、適宜調節される。
また、切り換え素子205は、制御部400の制御の下で作動して、電流パルス発生部220とナノギャップメモリ素子10の第1電極2とを接続する状態に切り替えられ(以下、第二の接続状態とする)、これにより、電流パルス発生部220から電流パルスがナノギャップメモリ素子10に加えられることにより、高抵抗状態から低抵抗状態へ切り換えが行われる。
電流パルス発生部220は、図3(B)に示すように、電圧パルスを発生するパルス発生器201と、パルス発生器201とナノギャップメモリ素子10との間に設けられた抵抗素子203及び電界効果型トランジスタ(P型MOSFET)202とを主に備えている。
上記パルス発生器201が発する第2の電圧パルスの電圧値Vpp2は、電界効果型トランジスタ202の特性により決定される。電界効果型トランジスタ202は、ソース電極がパルス発生器201側に接続され、ドレイン電極がナノギャップメモリ素子10側に接続され、ゲート電極には常に電圧Vgが印加されている。そして、電界効果型トランジスタ202は、ソース電極側の電圧Vs1がゲート電極側の電圧Vgよりも一定値(Vthとする)以上高くなると、ソース電極からドレイン電極側に電流が流れ始めるようになっている。そして、電界効果型トランジスタ202の手前の抵抗素子203の抵抗値をRa、電流値をicとすると、第二の接続状態においてパルス発生器201が発する第2の電圧パルスの電圧値Vpp2は、
Vpp2=Vg+Vth+ic×Ra
となるように設定する。
即ち、パルス発生器201が電圧パルスVpp2を発すると、電界効果型トランジスタ202は、ナノギャップメモリ素子10に対する通電電流をicに維持してナノギャップメモリ素子10に電流パルスが加えられる。即ち、電界効果型トランジスタ202は、定電流回路として機能する。つまり、パルス発生器201が図4(A)に示すように、電圧値をVpp2として電圧パルスを印加すると、図4(B)に示すように、第2の電圧パルスと同様のパルス幅でナノギャップメモリ素子10には一定値icを維持して電流パルスが流れることとなる。そして、これにより、ナノギャップメモリ素子10は、高抵抗状態から低抵抗状態へ切り替えが行われる。
このように、電流パルスをナノギャップメモリ素子10に加える際に、定電流回路である電界効果型トランジスタ202及び抵抗203を用いることにより、ナノギャップメモリ素子10が高抵抗状態から低抵抗状態へ切り換えられ、また、抵抗値の変化による過剰な電流が流れることが抑制され、電流値を所望の値に安定的に維持することができることから、低抵抗状態への切り換えの失敗を回避し、成功率を向上させることが可能である。
また、データ書き込み時にナノギャップメモリ素子10が高抵抗から低抵抗へ大きな抵抗変化をした際、素子流入電流の急激な増加に起因する断線等の素子破壊を防止する。
なお、メモリセル110はナノギャップメモリ素子10に少なくとも定電流素子を接続した(更にMOSトランジスタ11を接続した)構成とすることで、書き込みを高速化できる。メモリセル110にいたるまでの配線の充放電電流が抵抗体により制限されないからである。メモリセル面積は増加する可能性があるが、前記定電流素子と前記メモリ素子の電極を積層構造にできればメモリセル面積の増加は回避できる。
この場合、図3に示す電流パルス発生部220は不要でメモリセルはパルス発生部210から電圧駆動が可能である。定電流素子はデプレッション形電界効果素子で実現できる。
また、さらに、メモリセル110の選択トランジスタ11にこの定電流素子の機能を兼ね備えることも可能である。この場合には、高抵抗状態から低抵抗状態への書き込みのときの選択トランジスタのゲート電圧を一定電流値を保つような値、例えばPMOSを用いた場合には「ソース電圧(Vs1)−Vth−α」と設定すればよい(αは設定電流値による)。即ち、選択トランジスタ11の導通状態をMOSの飽和領域の特性とすることで、定電流回路とすることができる(当然ながら非選択セルのゲート電圧は、ソース電圧と同一、即ちOff状態である)。
他方、低抵抗状態から高抵抗状態への書き込みや読み出しの時は、ゲート電圧を正負の電源の値にフルスイングすることで、通常の選択トランジスタとしての導通、非道通が可能なので、セル選択性を実現できる。このようにゲート電圧を制御することでトランジスタ11にメモリセル選択と定電流機能の両方を兼ねさせることも可能である。
(X方向及びY方向のアドレス指定部)
X方向のアドレス指定部410は、アレイ状に設けられた複数のメモリセル110の内、Y方向に沿って並んだ複数のメモリセル110のそれぞれのMOSトランジスタ11のソース電極またはドレイン電極が並列接続された配線を複数備え、各配線はX方向に並んで設けられている。そして、各配線に対して個々にパルス発生部200からの電圧パルスを印加することが可能となっている。
Y方向のアドレス指定部420は、アレイ状に設けられた複数のメモリセル110の内、X方向に沿って並んだ複数のメモリセル110のそれぞれのMOSトランジスタ11のゲート電極が並列接続された配線を複数備え、各配線はY方向に並んで設けられている。そして、各配線に対して個々に指定信号としての電圧印加を行うことができ、これにより各MOSトランジスタ11に対してソース電極とドレイン電極の接続を可能としている。
つまり、Y方向のアドレス指定部420に対する位置指定に応じて対応する配線に指定信号を印加し、X方向のアドレス指定部410に対する位置指定に応じて対応する配線に対して電圧パルスを印加することにより、X方向とY方向との位置指定により特定される任意のナノギャップメモリ素子10に対する電圧パルスの印加を行うことを可能としている。
(読み出し部)
読み出し部300は、例えば、ナノギャップメモリアレイ100が有する複数のメモリセル110のナノギャップメモリ素子10と、制御部400とに接続されている。読み出し部300は、例えば、制御部400から入力される制御信号に従って、ナノギャップメモリ素子10からデータを読み出して、当該読み出し結果を制御部400に出力する。
具体的には、読み出し部300には、例えば、制御部400から、データを読み出すナノギャップメモリ素子10の所在に関するアドレス情報が入力されるようになっている。そして、この情報が入力されると、読み出し部300は、例えば、ナノギャップメモリアレイ100が有する複数のナノギャップメモリ素子10のうちの、アドレス情報で指定されたナノギャップメモリ素子10のナノギャップ電極間(電極間間隙部4の間隙)の抵抗値を測定することによって、そのナノギャップメモリ素子10からデータを読み出すようになっている。
(制御部)
制御部400は、パルス発生部200に対して制御信号を入力し、X方向及びY方向のアドレス指定部410、420に対してアドレス信号を入力して、任意のナノギャップメモリ素子10に電圧パルス又は電流パルスを加える制御を行う。
このとき、制御部400は、電圧パルスを印加する場合(所定のナノギャップメモリ素子10を低抵抗状態から高抵抗状態に切り換える場合)には、パルス発生部200の切り換え素子205を第一の接続状態に切り換え、電圧パルス発生部210からナノギャップメモリ素子10に対して電圧パルスの印加を行うよう制御する。
これにより、ナノギャップメモリ素子10には、電圧パルスが印加され、高抵抗状態への切り換え(以下、「OFF状態」ともいう)が行われる。
また、制御部400は、電流パルスを加える場合には、切り換え素子205を第二の接続状態に切り換え、電流パルス発生部220からナノギャップメモリ素子10に対して電流パルスを加えるよう制御する。
これにより、ナノギャップメモリ素子10には、電流パルスが加えられて、低抵抗状態に切り換えられる(以下、「ON状態」ともいう)。このとき、電流パルス発生中は電界効果型トランジスタ202により一定の電流icがナノギャップメモリ素子10に流れる状態が維持される。
また、制御部400は、例えば、電流パルスが加えられた後、読み出し部300に制御信号(アドレス情報など)を入力して、ナノギャップメモリ素子10からデータを読み出させ、そして、当該読み出し結果に基づいて、ナノギャップメモリ素子10が高抵抗状態から低抵抗状態へ移行したか否かを判断する。
判断の結果、ナノギャップメモリ素子10が高抵抗状態から低抵抗状態へ移行していない場合には、電流パルスの印加のリトライを行うよう制御しても良い。
(ナノギャップメモリ素子の変形例)
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
以下に、本発明に係るナノギャップメモリ素子の変形例について説明する。
変形例1のナノギャップメモリ素子10Aは、例えば、図5に示すように、絶縁性基板1Aと、絶縁性基板1Aの上面に設けられた絶縁体5Aと、絶縁性基板1Aの上面に設けられた第1電極2Aと、絶縁体5Aの上面に設けられた第2電極3Aと、第1電極2Aと第2電極3Aとの間に設けられた電極間間隙部4Aとを主に備えている。
具体的には、絶縁体5Aが絶縁性基板1Aの上面に設けられることにより段部を構成しており、当該絶縁体5Aにより、第1電極2Aと第2電極3Aとが高低差をもって基板1A上に配置されている。そして、第1電極2Aは、絶縁性基板1Aの上面と絶縁体5Aの側面51Aの下側部分とに接して設けられており、第2電極3Aは、絶縁体5Aの上面と絶縁体5Aの側面51Aの上側部分とに接して設けられている。そして、電極間間隙部4Aは、絶縁体5Aの側面51Aの下側部分に設けられた第1電極2Aと、絶縁体5Aの側面51Aの上側部分に設けられた第2電極3Aとの間に設けられている。つまり、電極間間隙部4Aは絶縁体5Aにより形成される段部の高さ方向に沿ってギャップGが形成されている。
なお、第1電極2A及び第2電極3Aの材質は、前述した第1電極2及び第2電極3と同様のものを選択することが望ましい。
また、絶縁体5Aは、電極間間隙部4Aを構成する第1電極2Aの対向部位と第2電極3Aの対向部位とが基板1Aの平面に対する高さ方向に沿って並ぶように配置するためのものである。従って、上記機能を具備する限り、他の構造を採っても良い。
また、絶縁体5Aは、例えば、絶縁性基板1Aの一部に酸化膜等を設けたものであってもよいし、絶縁性基板1A全面に酸化膜等を設け、その一部を取り去ることで形成されるものであってもよい。また、絶縁体5Aの材質としては、例えば、ガラス、酸化珪素(SiO)などの酸化物、窒化珪素(Si)などの窒化物等が好ましく、このうち、酸化珪素(SiO)が、第1電極2A及び第2電極3Aとの密着性と、その製造における自由度と、が大きい点で好適となっている。
また、電極間間隙部4Aは、前述した電極間間隙部4に比して形成される平面の向きが異なる点を除けば、実体的な構造はほぼ同一である。従って、電極間間隙部4Aの寸法などの設計条件やその動作方法は前述した電極間間隙部4の場合と同様である。
かかる変形例1のメモリ素子10Aは、前述したメモリ素子10と同様の技術的効果を具備すると共に、絶縁性基板1Aの上面に対して絶縁体5Aにより形成される段部により第1電極2A及び第2電極3Aが高低差をもって配置され、その高さ方向に沿って電極間間隙部4Aが形成されているため、第1電極2A、第2電極3A及び電極間間隙部4Aを同一平面上に並べて配置する場合に比べて当該電極間間隙部4Aが絶縁性基板1Aの平面視での占有面積を低減することが可能となる。これにより、例えば、単一の絶縁性基板1Aを共有して多数のメモリ素子10Aを集積化することでメモリ素子を形成する場合に、集積化に有利であり、メモリ素子の小型化を図ることが可能となる。
(ナノギャップメモリ素子に対する電流パルスの他の印加方法の例)
ナノギャップメモリ素子10の電流パルスは、ナノギャップメモリ素子10を高抵抗状態から低抵抗状態に移行させることが可能な範囲であれば良く、例えば、電流パルスの印加を、当該パルスの途中で電流値を変化させて段階的に行い、電界効果型トランジスタ202により、ナノギャップメモリ素子10に流れる電流を電流パルスの段階的に変化する個々の電流値に維持するようにしても良い。
具体的には、図6(A)に示すように、パルス発生器201により、電圧パルスの印加をVpp21からVpp22(<Vpp21)へと二段階の電圧値で行う。なお、
Vpp21=Vg+Vth+ic1×Ra
Vpp22=Vg+Vth+ic2×Ra
とする。
これにより、ナノギャップメモリ素子10には、図6(B)に示すように、電流ic1がVpp21の印加と同じ期間だけ一定状態を維持して流れた後に、電流ic2がVpp22の印加と同じ期間だけ一定状態を維持して流れる電流パルスがナノギャップメモリ素子10に印加される。
このような電流パルスとすることで、電流パルス発生部220とナノギャップスイッチ素子間の寄生容量の充電をすばやく行うことできて、ナノギャップメモリ素子10の抵抗値変化に必要なパルス幅を短く、すなわち書き換えの要する時間を短くすることが期待できる。
なお、電流パルスの印加は、上述のような二段階の変化に限らず、多段階としても良いし、その他、段階的ではなく、任意の波形で変化させても良い。例えば、パルス発生源が任意の波形の電圧パルスを発生し、定電流回路が当該波形に従って任意にナノギャップメモリ素子10(又は10A)に流れる電流を変化させてもよい。
<実施例>
以下に、具体的な実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ここでは図5に示したナノギャップメモリ素子10Aを用いた実施例について説明する。なお、ナノギャップメモリ素子10を採用しても良いことはいうまでもない。
この実施例では、図7(A)に示すパルス発生部200Aを用いた。このパルス発生部200Aは、ナノギャップメモリ素子10Aの第1電極2側に電圧パルスの印加を行う電圧パルス発生部210と、ナノギャップメモリ素子10Aの第1電極2に所定電流の電流パルスを加える電流パルス発生部220Aと、電圧パルス発生部210と電流パルス発生部220Aとを選択的にナノギャップメモリ素子10Aに接続する切り換え素子205とを備えている。
そして、電流パルス発生部220は、パルス発生器201と電界効果型トランジスタ202と抵抗素子203とを備え、さらに、直流電源204と、第2の切り換え素子206とを備えている。第2の切り換え素子206は、切り換え素子205と連動するように制御部400により制御される。電流パルスによる書き込み時の初期状態としてナノギャップメモリ素子間の電位差をゼロとするとともに、電圧パルスの印加時には、電流パルス発生部220Aからナノギャップメモリ素子10Aに電流が流れず、電圧パルス発生部210からの電圧が印加されるように切り換えが行われる。
電界効果型トランジスタ202のドレイン電極はナノギャップメモリ素子10Aの第2電極3に接続され、電界効果型トランジスタ202のソース電極には抵抗素子203(例えば1MΩ)を介してパルス発生器201が接続されている。
直流電源201Aは、出力電圧Vc1を10〜20Vの範囲で任意に調節可能である。
電界効果型トランジスタ202は、ゲート電極とソース電極との電位差が大きいとソース電極からドレイン電極に電流が流れず、電位差が小さくなると流れる(ディプレッション型の)特性を有している。従って、電流パルスの印加時には、パルス発生器201は、その出力電圧Vsとして基準電圧V1を電界効果型トランジスタ203のソース電極に印加している状態から、当該基準電圧V1よりも低いパルス電圧V2を印加することで、ソース電極とドレイン電極が通電可能となり、ナノギャップメモリ素子10Aに電流パルスが印加される(図7(B)参照)。なお、この電界効果型トランジスタ202と抵抗素子203の働きにより、電流パルスの印加中には、ナノギャップメモリ素子10Aに流れる電流値を一定に維持することが可能である。
即ち、このパルス発生部200Aも前述したパルス発生部200と同様にナノギャップメモリ素子10Aに対して抵抗状態を切り換えることが可能である。
また、前述した、図6(B)の例のように、ナノギャップメモリ素子10Aに段階的に電流値が変化するように電流パルスを印加する場合には、図7(C)に示すように、基準電圧V1よりも低いパルス電圧V21を印加し、さらにこのパルス電圧レベルをV22(V21<V22<V1)と変化させることで電圧波形と相似の、パルス時間内で変化する電流パルスを印加することができる。
かかるナノギャップメモリ素子10Aに対してパルス発生部200Aを用いて電圧パルス及び電流パルスの印加を繰り返し交互に行い、その時のナノギャップメモリ素子10Aのナノギャップ電極間(電極間間隙部4Aの間隙)の抵抗値を、各パルスの印加後に測定した。電圧パルスの印加時には、高抵抗値への書き換え電圧パルスを7V、パルス幅を50nsとし、電流パルスの印加時にはVc1=15V、パルス発生器201の基準電圧V1=5.5V、パルス電圧V2=1.04V、これによりナノギャップメモリ素子10Aに流れる電流値Ic=3.5μA、パルス幅=10μsとした。
また、比較例として、同じナノギャップメモリ素子10Aに対して、定電流回路を使用せずに、低抵抗状態から高抵抗状態への切り換えと、高抵抗状態から低抵抗状態への切り換えとをいずれも電圧パルスで行うと共に、各電圧パルスの印加を繰り返し交互に行い、その時のナノギャップメモリ素子10Aのナノギャップ電極間(電極間間隙部4Aの間隙)の抵抗値を、各電圧パルスの印加後に測定した。この比較例では、ナノギャップメモリ素子10Aに印加される第1の電圧パルスの電圧を10V、第2の電圧パルスの電圧を5V、パルス幅をいずれも500nsとした。
図8は実施例における抵抗状態の切り換えごとの抵抗値を示すグラフ図であり、図9は比較例における抵抗状態の切り換えごとの抵抗値を示すグラフ図である。各図において■はOFF時の抵抗値、●はON時の抵抗値を示している。
比較例の場合には、図9に示すように、ON時に、高抵抗状態から十分に低抵抗状態に切り換えが行われない場合が多く、OFF時の抵抗値とON時の抵抗値のそれぞれにバラツキが多く、高抵抗状態の抵抗の数値範囲と低抵抗状態の抵抗の数値範囲とにかなりの重複を生じてしまう。その結果、記憶装置内の一つの記憶素子としてナノギャップメモリ素子10Aを使用すると、ONとOFFの識別が困難となり、実用性が十分とはいえないという結果が現れている。
一方、実施例は、図8に示すように、OFF時のナノギャップメモリ素子10Aの抵抗値とON時のナノギャップメモリ素子10Aの抵抗値とがそれぞれ異なる帯域に分布し、高抵抗状態の抵抗の数値範囲と低抵抗状態の抵抗の数値範囲とに殆ど重複が生じない。つまり、一定の閾値を定めることで、ナノギャップメモリ素子10AがON状態かOFF状態かをより確実に識別することができ、記憶装置としての実用性が向上していることが分かる。
また、図10において、高抵抗値への書き換え電圧パルスを8V、パルス幅を100nsとし、電流パルスの印加時にはVc1=10V、パルス発生器201の基準電圧V1=5V、パルス電圧V2=0.09V、これによりナノギャップメモリ素子10Aに流れる電流値Ic=4.5μA、パルス幅=10μsとして図6と同じ試験を行った場合のナノギャップメモリ素子10Aの抵抗値の測定結果を示す。
図10の例では、図8と同様に、電圧パルスの印加後のナノギャップメモリ素子10Aの抵抗値と電流パルスの印加後のナノギャップメモリ素子10Aの抵抗値とがそれぞれ異なる帯域に分布し、高抵抗状態の抵抗の数値範囲と低抵抗状態の抵抗の数値範囲とが良好に分離され、ナノギャップメモリ素子10AのON状態とOFF状態との識別を容易に行うことができ、記憶装置としての実用性が向上していることが分かる。
また、ナノギャップメモリ素子10をOFF状態からON状態に切り換える場合に、ナノギャップメモリ素子10Aに流れる電流値を変更しても、切り換えの成功率が劣ることなく、良好に行われることが観測された。
(発明の実施形態の効果)
上述のように、記憶装置1000では、パルス発生部200(又は200A)において、ナノギャップメモリ素子10(又は10A)に対して、電流パルスの印加の際に、定電流回路としての電界効果型トランジスタ202を用いて、ナノギャップメモリ素子10(又は10A)に流れる電流値を一定の状態に維持するようにしたことにより、電流パルスの印加によってナノギャップメモリ素子10(又は10A)が低抵抗状態に切り替わっても、パルス印加中も所定の電流値が維持されるため、高い成功率で抵抗状態の切り換えが行われることとなる。
その結果、電圧パルスの印加後のナノギャップメモリ素子10(又は10A)の抵抗値と電流パルスの印加後の抵抗値とを、それぞれ異なる帯域に分布させることができ、高抵抗状態の抵抗値の数値範囲と低抵抗状態の抵抗値の数値範囲との重複を効果的に抑制することが可能である。従って、ナノギャップメモリ素子10(又は10A)の記憶素子としての信頼性及び実用性の向上を図ることが可能となった。
(その他)
なお、記憶装置1000の一部(例えば、ナノギャップメモリアレイ100)又は全部を、所定の封止部材で封止することによって、電極間間隙部4を大気や水分に接触しないようにしても良い。これにより、ナノギャップメモリ素子10(又は10A)をさらに安定的に動作させることができる。さらに、所定の封止部材で封止することによって、電極間間隙部4を任意の雰囲気中に配置した状態を保つことができ、ナノギャップメモリ素子10(又は10A)を任意の雰囲気中で使用することができる。
なお、パルス発生部200,200Aにおける印加電圧や電流の値は、ナノギャップメモリ素子10,10Aの特性に応じて適宜選択されるものであり、上記の例に限定されるものではない。
また、上記記憶装置1000では、ナノギャップメモリアレイ100に対して記憶を行う場合を例示したが、単体であるナノギャップメモリ素子10とこれに対するパルス発生部200と読み出し部300と制御部400とからなるデバイスを記憶装置としても良い。
1 絶縁性基板
2 第1電極
3 第2電極
4 電極間間隙部
10,10A ナノギャップメモリ素子(メモリ素子)
200,200A パルス発生部
202 電界効果型トランジスタ(定電流回路)
201 パルス発生器(パルス発生源)
210 電圧パルス発生部
220,220A 電流パルス発生部
1000 記憶装置

Claims (5)

  1. 絶縁性基板と、前記絶縁性基板に設けられた第1電極及び第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられ、第1、第2電極間の抵抗値の変化現象が生じるナノメートルオーダーの間隙を有する電極間間隙部とを備え、所定の低抵抗状態から所定の高抵抗状態への移行と、前記高抵抗状態から前記低抵抗状態への移行とが可能なメモリ素子の駆動方法において、
    前記高抵抗状態から前記低抵抗状態への移行の際には、前記メモリ素子に対して定電流回路により電流パルスを加えることを特徴とするメモリ素子の駆動方法。
  2. 前記電流パルスは、前記定電流回路を通じて、段階的に電流値を変化させて加えることを特徴とする請求項1記載のメモリ素子の駆動方法。
  3. 絶縁性基板と、前記絶縁性基板に設けられた第1電極及び第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられ、第1、第2電極間の抵抗値の変化現象が生じるナノメートルオーダーの間隙を有する電極間間隙部とを備えるメモリ素子と、
    高抵抗状態から低抵抗状態への移行を行うために電流パルスを発生する電流パルス発生部とを備え、
    前記電流パルス発生部は定電流回路により前記メモリ素子に電流パルスを加えることを特徴とするメモリ素子を用いた記憶装置。
  4. 前記電流パルス発生部は、前記定電流回路により、段階的に電流値を変化させて加えることを特徴とする請求項3記載のメモリ素子を用いた記憶装置。
  5. 絶縁性基板と、前記絶縁性基板に設けられた第1電極及び第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられ、第1、第2電極間の抵抗値の変化現象が生じるナノメートルオーダーの間隙を有する電極間間隙部とを備えるメモリ素子と、電圧パルス発生部とを備え、
    前記メモリ素子は複数個であり、各々のメモリ素子に少なくとも各々定電流素子が直列接続され、前記電圧パルス発生装置から前記定電流素子が直列接続されたメモリ素子の少なくとも1つへ電圧パルスを加えることを特徴とする前記メモリ素子を用いた記憶装置。
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