JP5120883B2 - ナノギャップ素子の駆動方法及びナノギャップ素子を備える記憶装置 - Google Patents

ナノギャップ素子の駆動方法及びナノギャップ素子を備える記憶装置 Download PDF

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本発明は、ナノギャップ素子の駆動する駆動方法及びナノギャップ素子を備える記憶装置に関する。
現在、デバイスの小型化、高密度化に伴い、電気素子の一層の微細化が望まれている。その一例として、微細な間隙(ナノギャップ)を隔てた2つの電極間に電圧を印加することによって、スイッチング動作が可能なスイッチング素子が知られている。
具体的には、例えば、酸化シリコンと金という安定な材料からなり、傾斜蒸着という簡便な製造方法により製造され、スイッチング動作を安定的に繰り返し行うことができるスイッチング素子が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
このようなナノギャップを有するスイッチング素子(以下、「ナノギャップ素子」という。)においては、情報の書き込み(記憶)又は消去のために、所定の電圧値の電圧パルスを印加して、高抵抗状態から低抵抗状態へ切り替えたり、低抵抗状態から高抵抗状態へ切り替えたりするようになっている。
しかしながら、抵抗状態が“高”と“低”の2つでは、1素子あたり2値の情報(1ビットの情報)しか記憶することができない。
これに対し、例えば、電流の通路となる伝導層と、この伝導層との間の距離が互いに異なり伝導層に近いほど局在するエネルギー準位が大きい2以上の量子ドット及び各量子ドットに伝導層から遷移された電荷を閉じ込める障壁層を有する情報保持部と、この情報保持部を介して伝導層と対向する位置に設けられた制御電極と、を備えるメモリ素子に、多値情報を記憶させる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、例えば、第1導電型の半導体基板において第2導電型のソース領域及びドレイン領域を設けると共に、基板上に絶縁膜を設け、絶縁膜上にコントロールゲート部を設け、絶縁膜中にフローティングゲート部を設けたフローティングゲート型半導体メモリに、2値以上8値以下の多値情報を記憶させる方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、例えば、基板と、基板の表面に設けられ半導体のチャネル形成領域と、チャネル形成領域を挟んで基板表面に形成され、動作時にソース又はドレインとなる第1及び第2不純物領域と、チャネル形成領域上に積層された複数の膜からなるゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に設けられたゲート電極と、チャネル形成領域に対向した面内及び膜厚方向に離散化されてゲート絶縁膜内に形成され、動作時にホットエレクトロンが主に注入される電荷蓄積手段と、を有する不揮発性半導体記憶装置に、2ビット以上の多値情報を記憶させる方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
また、例えば、基板上に積層されて形成され、強磁性トンネル接合素子をそれぞれ有する第1及び第2のメモリエレメントと、第1及び第2のメモリエレメントの間に配置され、これらの第1及び第2のメモリエレメントの情報書換えのために共有される第1の電流印加ラインと、第1のメモリエレメントに対して第2のメモリエレメントとは反対側に配置され、第1のメモリエレメントの情報書換えのために用いられる第2の電流印加ラインと、第2のメモリエレメントに対して第1のメモリエレメントとは反対側に配置され、第2のメモリエレメントの情報書換えのために用いられる第3の電流印加ラインと、を含む強磁性トンネル接合素子を用いた記憶装置に、2ビットの多値情報を記憶させる方法が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
特開2005−79335号公報 特開2000−40753号公報 特開平11−87544号公報 特開2001−237330号公報 特開2001−217398号公報
しかしながら、特許文献2〜5に記載のメモリ素子(半導体メモリ、不揮発性半導体、強磁性トンネル接合素子)は、ナノギャップ素子でないため、特許文献2〜5に記載の方法を適用しても、ナノギャップ素子における、1素子あたり2値の情報しか記憶することができないという問題を解決することはできない。
また、ナノギャップ素子には、抵抗状態を大きく変化させるのが困難であるという問題がある。具体的には、例えば、ナノギャップ素子の抵抗状態が、高抵抗状態と、低抵抗状態と、高抵抗状態と低抵抗状態との間の中間抵抗状態と、に区分されている場合、高抵抗状態から低抵抗状態へ切り替えるために低抵抗状態に対応した電圧パルスを印加しても、所望の抵抗状態(低抵抗状態)へ切り替わる確率が低いという問題がある。
本発明の課題は、ナノギャップ素子に3値以上の多値情報を好適に記憶させることができるナノギャップ素子の駆動方法及びナノギャップ素子を備える記憶装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
絶縁性基板と、前記絶縁性基板に設けられた第1電極及び第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられ、前記第1電極と前記第2電極との間への所定電圧の印加により抵抗状態が切り替わるナノメートルオーダーの間隙を有する電極間間隙部と、を有するナノギャップ素子の駆動方法において、
前記ナノギャップ素子の抵抗状態は、3つ以上に区分され、
前記第1電極と前記第2電極との間に、各抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加する印加ステップを備え、
前記印加ステップは、現在の抵抗状態である印加前抵抗状態と、目的とする抵抗状態である目的抵抗状態と、の間に他の抵抗状態が1つ以上存在する場合には、当該他の抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを電圧値の大きさ順に印加した後、当該目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載のナノギャップ素子の駆動方法において、
前記印加前抵抗状態が、前記目的抵抗状態よりも高い場合、
前記印加ステップで前記目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加した後、前記ナノギャップ素子の抵抗状態を判定する判定ステップと、
前記判定ステップで判定された前記ナノギャップ素子の抵抗状態が前記目的抵抗状態よりも低い場合には、前記目的抵抗状態に対応する電圧値よりも大きい電圧値の電圧パルスを印加し、その後、当該目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加するとともに、前記判定ステップで判定された前記ナノギャップ素子の抵抗状態が前記目的抵抗状態よりも高い場合には、前記印加前抵抗状態に対応する電圧値と当該目的抵抗状態に対応する電圧値との間の電圧値の電圧パルスを印加し、その後、当該目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加する第2印加ステップと、
を備え、
前記判定ステップで判定された前記ナノギャップ素子の抵抗状態が前記目的抵抗状態になるまで、前記判定ステップ及び前記第2印加ステップを繰り返して行うことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、
請求項1に記載のナノギャップ素子の駆動方法において、
前記印加前抵抗状態が、前記目的抵抗状態よりも低い場合、
前記印加ステップで前記目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加した後、前記ナノギャップ素子の抵抗状態を判定する判定ステップと、
前記判定ステップで判定された前記ナノギャップ素子の抵抗状態が前記目的抵抗状態よりも低い場合には、当該目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加するとともに、前記判定ステップで判定された前記ナノギャップ素子の抵抗状態が前記目的抵抗状態よりも高い場合には、前記目的抵抗状態に対応する電圧値よりも小さい電圧値の電圧パルスを印加し、その後、当該目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加する第2印加ステップと、
を備え、
前記判定ステップで判定された前記ナノギャップ素子の抵抗状態が、前記目的とする抵抗状態になるまで、前記判定ステップ及び前記第2印加ステップを繰り返して行うことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、
絶縁性基板と、前記絶縁性基板に設けられた第1電極及び第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられ、前記第1電極と前記第2電極との間への所定電圧の印加により抵抗状態が切り替わるナノメートルオーダーの間隙を有する電極間間隙部と、を有するナノギャップ素子を備える記憶装置において、
前記ナノギャップ素子の抵抗状態は、3つ以上に区分され、
前記第1電極と前記第2電極との間に、各抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加する印加手段を備え、
前記印加手段は、現在の抵抗状態である印加前抵抗状態と、目的とする抵抗状態である目的抵抗状態と、の間に他の抵抗状態が1つ以上存在する場合には、当該他の抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを電圧値の大きさ順に印加した後、当該目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加することを特徴とする。
本発明によれば、ナノギャップ素子は、絶縁性基板と、絶縁性基板に設けられた第1電極及び第2電極と、第1電極と第2電極との間に設けられ、第1電極と第2電極との間への所定電圧の印加により抵抗状態が切り替わるナノメートルオーダーの間隙を有する電極間間隙部と、を有するとともに、抵抗状態が3つ以上に区分されている。そして、ナノギャップ素子の第1電極と第2電極との間に、各抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加するようになっており、現在の抵抗状態である印加前抵抗状態と、目的とする抵抗状態である目的抵抗状態と、の間に他の抵抗状態が1つ以上存在する場合には、当該他の抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを電圧値の大きさ順に印加した後、当該目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加するようになっている。
すなわち、ナノギャップ素子の抵抗状態は、ナノギャップ素子に印加する電圧パルスの電圧値の大きさに応じて、3つ以上に区分される。
また、印加前抵抗状態と目的抵抗状態との間に他の抵抗状態が1つ以上存在する場合には、印加する電圧パルスの電圧値を段階的に大きくしたり小さくしたりすることによって、抵抗状態が切り替わるきっかけを段階的に与えることができるため、ナノギャップ素子の抵抗状態を各抵抗状態へと確実に切り替えることができる。
したがって、ナノギャップ素子に3値以上の多値情報を好適に記憶させることができる。
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
<ナノギャップ素子を備える記憶装置>
まず、記憶装置1000の構成について、図1〜図3を参照して説明する。
記憶装置1000は、複数のメモリ素子をアレイ状に配置したメモリ素子アレイを備えた、データの記憶を行う装置である。ここで、本発明の記憶装置1000においては、メモリ素子は、ナノギャップ素子10であり、メモリ素子アレイは、ナノギャップ素子アレイ100である。
具体的には、記憶装置1000は、例えば、図1に示すように、ナノギャップ素子アレイ100と、電圧印加部200と、読み出し部300と、制御部400と、などを備えて構成される。
(ナノギャップ素子アレイ)
ナノギャップ素子アレイ100は、例えば、複数のナノギャップ素子10をアレイ状(例えば、2次元アレイ状)に配置した高密度メモリである。
(ナノギャップ素子)
ナノギャップ素子10は、例えば、ナノギャップ電極間(電極間間隙部4の間隙)の抵抗状態を切り替えて、データの記憶を行うメモリ素子である。
ここで、ナノギャップ素子10の抵抗状態は、ナノギャップ素子10に印加する電圧パルスの電圧値(波高値)の大きさに応じて、3つ以上に区分される。すなわち、ナノギャップ素子10の抵抗状態は、ナノギャップ素子10に印加する電圧パルスの電圧値の大きさに応じて、例えば、図4に示すように、「第1抵抗状態」、「第2抵抗状態」、…、「第n抵抗状態(n=3,4,5,…)」に区分される。
具体的には、ナノギャップ素子10は、例えば、図2に示すように、絶縁性基板1と、絶縁性基板1の一面(上面)に設けられた第1電極2及び第2電極3と、第1電極2と第2電極3との間に設けられた電極間間隙部4と、などを備えて構成される。
絶縁性基板1は、例えば、ナノギャップ素子10の2つの電極(第1電極2と第2電極3)を隔てて設けるための支持体として機能する。
絶縁性基板1の構造及び材質は、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、絶縁性基板1の表面の形状は、平面であっても良いし、凹凸を有していても良い。また、絶縁性基板1は、例えば、Si等の半導体基板の表面に酸化膜等を設けたものであっても良いし、基板そのものが絶縁性とされたものであっても良い。
絶縁性基板1の材質としては、例えば、ガラス、酸化珪素(SiO)などの酸化物、窒化珪素(SiN)などの窒化物等が好ましく、このうち、酸化珪素(SiO)が、第1電極2及び第2電極3との密着性と、その製造における自由度と、が大きい点で好適となっている。
第1電極2は、例えば、第2電極3と対になって、ナノギャップ素子10の抵抗状態の切替動作を行うためのものである。
第1電極2の形状は、特に限定されるものではなく、適宜任意に変更することができる。
第1電極2の材質は、特に限定されるものではなく、例えば、金、銀、白金、パラジウム、ニッケル、アルミニウム、コバルト、クロム、ロジウム、銅、タングステン、タンタル、カーボン、及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。ここで、第1電極2は、絶縁性基板1との接着性を強化するために、例えば、異なる金属を2層以上重ねて用いても良い。具体的には、例えば、第1電極2は、クロム及び金の積層(多層)構造としても良い。
第2電極3は、例えば、第1電極2と対になって、ナノギャップ素子10の抵抗状態の切替動作を行うためのものである。
第2電極3の形状は、特に限定されるものではなく、適宜任意に変更することができる。
第2電極3の材質は、特に限定されるものではなく、例えば、金、銀、白金、パラジウム、ニッケル、アルミニウム、コバルト、クロム、ロジウム、銅、タングステン、タンタル、カーボン、及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。ここで、第2電極3は、絶縁性基板1との接着性を強化するために、例えば、異なる金属を2層以上重ねて用いても良い。具体的には、例えば、第2電極3は、クロム及び金の積層(多層)構造としても良い。
電極間間隙部4は、例えば、第1電極2と第2電極3との間に形成され、ナノギャップ素子10の抵抗状態の切替現象を発現する役割を具備している。
具体的には、電極間間隙部4は、例えば、第1電極2と第2電極3との間への所定電圧の印加により抵抗状態が切り替わるナノメートルオーダーの間隙を有するものである。すなわち、第1電極2と第2電極3との間(ナノギャップ電極間)の距離(間隔)Gは、ナノメートルオーダーとなるよう設定されている。
なお、第1電極2と第2電極3との間の最近接部位(電極間間隙部4の間隙)は、例えば、第1電極2と第2電極3とが対向する領域に1若しくは複数箇所形成されていても良い。
また、第1電極2と第2電極3との間には、例えば、当該第1電極2と第2電極3の構成材料などからなる島部分(中州部分)が形成されていても良い。この場合には、例えば、第1電極2と島部分との間、第2電極3と島部分との間に所定の間隙(電極間間隙部4の間隙)が形成されて、第1電極2と第2電極3とが短絡していなければ良い。
(電圧印加部)
電圧印加部200は、例えば、ナノギャップ素子アレイ100が有する複数のナノギャップ素子10と、制御部400と、などに接続されている。
電圧印加部200は、例えば、印加手段として、制御部400から入力される制御信号に従って、ナノギャップ素子10の第1電極2と第2電極3との間に電圧(電圧パルス)を印加することによって、ナノギャップ素子10にデータを書き込んだり、ナノギャップ素子10からデータを消去したりする。
具体的には、電圧印加部200には、例えば、制御部400から、電圧パルスを印加するナノギャップ素子10の所在に関するアドレス情報と、印加する電圧パルスの電圧値に関する電圧値情報と、などが入力されるようになっている。そして、これらの情報が入力されると、電圧印加部200は、例えば、ナノギャップ素子アレイ100が有する複数のナノギャップ素子10のうちの、アドレス情報で指定されたナノギャップ素子10に、電圧値情報に基づく電圧値の電圧パルスを印加するようになっている。
(読み出し部)
読み出し部300は、例えば、ナノギャップ素子アレイ100が有する複数のナノギャップ素子10と、制御部400と、などに接続されている。
読み出し部300は、例えば、制御部400から入力される制御信号に従って、ナノギャップ素子10からデータを読み出して、当該読み出し結果を制御部400に出力する。
具体的には、読み出し部300には、例えば、制御部400から、データを読み出すナノギャップ素子10の所在に関するアドレス情報などが入力されるようになっている。そして、この情報が入力されると、読み出し部300は、例えば、ナノギャップ素子アレイ100が有する複数のナノギャップ素子10のうちの、アドレス情報で指定されたナノギャップ素子10のナノギャップ電極間(電極間間隙部4の間隙)の抵抗値を測定することによって、そのナノギャップ素子10からデータを読み出すようになっている。
(制御部)
制御部400は、例えば、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)410と、RAM(Random Access Memory)420と、記憶部430と、などを備えて構成される。
CPU410は、例えば、記憶部430に記憶された記憶装置1000用の各種処理プログラムに従って各種の制御動作を行う。
RAM420は、例えば、CPU410によって実行される処理プログラムなどを展開するためのプログラム格納領域や、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果などを格納するデータ格納領域などを備える。
記憶部430は、例えば、記憶装置1000で実行可能なシステムプログラム、当該システムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、これら各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータ、CPU410によって演算処理された処理結果のデータなどを記憶する。なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形で記憶部430に記憶されている。
具体的には、記憶部430は、例えば、図3に示すように、電圧印加制御プログラム431と、判定プログラム432と、などを記憶している。
電圧印加制御プログラム431は、例えば、電圧印加部200に制御信号(アドレス情報や電圧値情報など)を入力して、ナノギャップ素子10に所定のパルス幅の電圧パルスを印加させる機能を、CPU410に実現させる。
ここで、所定のパルス幅としては、例えば、数ナノ秒〜数百マイクロ秒が好ましい。
具体的には、CPU410は、例えば、電圧印加部200を制御して、ナノギャップ素子10の第1電極2と第2電極3との間に、各抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加させる。各抵抗状態に対応する電圧値は、抵抗状態が高いほど、対応する電圧値が大きくなるよう設定されている。
ここで、各抵抗状態に対応する電圧値の具体例について、ナノギャップ素子10の抵抗状態が4つに区分されている場合(例えば、図5)を例に用いて説明する。
ナノギャップ素子10の抵抗状態は、「第1抵抗状態」が最も高く、「第1抵抗状態」、「第2抵抗状態」、「第3抵抗状態」、「第4抵抗状態」の順に低くなっていくため、各抵抗状態に対応する電圧値は、「第1抵抗状態」に対応する電圧値が最も大きく、「第1抵抗状態」に対応する電圧値、「第2抵抗状態」に対応する電圧値、「第3抵抗状態」に対応する電圧値、「第4抵抗状態」に対応する電圧値、の順に小さくなるよう設定されている。
なお、図5に示す「第1抵抗状態」に対応する電圧値である“12V”、「第2抵抗状態」に対応する電圧値である“10V”、「第3抵抗状態」に対応する電圧値である“8V”及び「第4抵抗状態」に対応する電圧値である“5V”は例示であり、各抵抗状態に対応する電圧値は、抵抗状態が高いほど、対応する電圧値が大きくなるよう設定されているのであれば任意である。
より具体的には、CPU410は、例えば、現在の抵抗状態である印加前抵抗状態と、目的とする抵抗状態である目的抵抗状態と、の間に他の抵抗状態が1つ以上存在しない場合には、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加するようになっている。一方、現在の抵抗状態である印加前抵抗状態と、目的とする抵抗状態である目的抵抗状態と、の間に他の抵抗状態が1つ以上存在する場合には、当該他の抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを電圧値の大きさ順に印加した後、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加するようになっている。
ここで、印加する電圧パルスの具体例について、ナノギャップ素子10の抵抗状態が4つに区分されている場合(例えば、図5)を用いて例に説明する。
例えば、印加前抵抗状態が目的抵抗状態よりも高く、印加前抵抗状態と目的抵抗状態とが隣り合う場合、すなわち、例えば、印加前抵抗状態が「第2抵抗状態」であり、目的抵抗状態が「第3抵抗状態」である場合は、印加前抵抗状態と目的抵抗状態との間に他の抵抗状態が1つ以上存在しない場合であるため、目的抵抗状態に対応する電圧値(「第3抵抗状態」に対応する電圧値(例えば、8V))の電圧パルスを印加する。
また、例えば、印加前抵抗状態が目的抵抗状態よりも低く、印加前抵抗状態と目的抵抗状態とが隣り合う場合、すなわち、例えば、印加前抵抗状態が「第3抵抗状態」であり、目的抵抗状態が「第2抵抗状態」である場合は、印加前抵抗状態と目的抵抗状態との間に他の抵抗状態が1つ以上存在しない場合であるため、目的抵抗状態に対応する電圧値(「第2抵抗状態」に対応する電圧値(例えば、10V))の電圧パルスを印加する。
一方、例えば、印加前抵抗状態が目的抵抗状態よりも高く、印加前抵抗状態と目的抵抗状態とが隣り合わない場合、すなわち、例えば、印加前抵抗状態が「第1抵抗状態」であり、目的抵抗状態が「第4抵抗状態」である場合は、印加前抵抗状態と目的抵抗状態との間に他の抵抗状態が1つ以上存在する場合であるため、当該他の抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを電圧値の大きさ順(電圧値の大きい順)に印加した後、すなわち、「第2抵抗状態」に対応する電圧値(例えば、10V)の電圧を印加して、「第3抵抗状態」に対応する電圧値(例えば、8V)の電圧を印加した後、目的抵抗状態に対応する電圧値(「第4抵抗状態」に対応する電圧値(例えば、5V))の電圧パルスを印加する。無論、印加前抵抗状態と目的抵抗状態との間に他の抵抗状態が1つのみ存在する場合は、当該他の抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加した後、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加することになる。
また、例えば、印加前抵抗状態が目的抵抗状態よりも低く、印加前抵抗状態と目的抵抗状態とが隣り合わない場合、すなわち、例えば、印加前抵抗状態が「第4抵抗状態」であり、目的抵抗状態が「第1抵抗状態」である場合は、印加前抵抗状態と目的抵抗状態との間に他の抵抗状態が1つ以上存在する場合であるため、当該他の抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを電圧値の大きさ順(電圧値の小さい順)に印加した後、すなわち、「第3抵抗状態」に対応する電圧値(例えば、8V)の電圧を印加して、「第2抵抗状態」に対応する電圧値(例えば、10V)の電圧を印加した後、目的抵抗状態に対応する電圧値(「第1抵抗状態」に対応する電圧値(例えば、12V))の電圧パルスを印加する。無論、印加前抵抗状態と目的抵抗状態との間に他の抵抗状態が1つのみ存在する場合は、当該他の抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加した後、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加することになる。
さらに、CPU410は、例えば、印加前抵抗状態が、目的抵抗状態よりも高い場合、すなわち、ナノギャップ素子10の抵抗状態を高抵抗状態側から低抵抗状態側へ切り替える場合、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加した後、判定プログラム432を実行したCPU410により判定されたナノギャップ素子10の抵抗状態が目的抵抗状態よりも低い場合には、目的抵抗状態に対応する電圧値よりも大きい電圧値の電圧パルスを印加し、その後、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加するようになっている。一方、判定プログラム432を実行したCPU410により判定されたナノギャップ素子10の抵抗状態が目的抵抗状態よりも高い場合には、印加前抵抗状態に対応する電圧値と目的抵抗状態に対応する電圧値との間の電圧値の電圧パルスを印加し、その後、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加するようになっている。
また、CPU410は、例えば、印加前抵抗状態が、目的抵抗状態よりも低い場合、すなわち、ナノギャップ素子10の抵抗状態を低抵抗状態側から高抵抗状態側へ切り替える場合、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加した後、判定プログラム432を実行したCPU410により判定されたナノギャップ素子10の抵抗状態が目的抵抗状態よりも低い場合には、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加するようになっている。一方、判定プログラム432を実行したCPU410により判定されたナノギャップ素子10の抵抗状態が目的抵抗状態よりも高い場合には、目的抵抗状態に対応する電圧値よりも小さい電圧値の電圧パルスを印加し、その後、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加するようになっている。
ここで、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加した後、ナノギャップ素子10の抵抗状態が目的抵抗状態にならなかった場合に印加する電圧パルスの具体例について、ナノギャップ素子10の抵抗状態が4つに区分されている場合(例えば、図5)を例に用いて説明する。
まず、印加前抵抗状態が、目的抵抗状態よりも高い場合、すなわち、例えば、印加前抵抗状態が「第2抵抗状態」であり、目的抵抗状態が「第3抵抗状態」である場合について説明する。
目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加した後、ナノギャップ素子10の抵抗状態が目的抵抗状態よりも低い場合、すなわち、「第3抵抗状態」に対応する電圧値の電圧パルスを印加することによって、ナノギャップ素子10の抵抗状態が目的抵抗状態よりも低くなってしまった場合には、ナノギャップ素子10の抵抗状態を高抵抗状態側に戻すために、目的抵抗状態に対応する電圧値(「第3抵抗状態」に対応する電圧値)よりも大きい電圧値(例えば、10Vや12Vなど)の電圧パルスを印加し、その後、再度、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加する。
なお、目的抵抗状態に対応する電圧値よりも大きい電圧値の電圧パルスの印加回数は、1回であっても良いし、複数回であっても良い。当該印加回数が複数回である場合、電圧値の小さい順(例えば、10V→12Vの順)に印加すると、ナノギャップ素子10の抵抗状態を徐々に高抵抗状態側に移行させることができるため、確実性が増す。
一方、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加した後、ナノギャップ素子10の抵抗状態が目的抵抗状態よりも高い場合、すなわち、「第3抵抗状態」に対応する電圧値の電圧パルスを印加しても、ナノギャップ素子10の抵抗状態が目的抵抗状態よりも高いままである場合には、ナノギャップ素子10の抵抗状態を低抵抗状態側へ切り替えるきっかけを与えるために、印加前抵抗状態に対応する電圧値(「第2抵抗状態」に対応する電圧値)と目的抵抗状態に対応する電圧値(「第3抵抗状態」に対応する電圧値)との間の電圧値(例えば、9Vなど)の電圧パルスを印加し、その後、再度、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加する。
なお、印加前抵抗状態に対応する電圧値と目的抵抗状態に対応する電圧値との間の電圧値の電圧パルスの印加回数は、1回であっても良いし、複数回であっても良い。当該印加回数が複数である場合、電圧値の大きい順に印加すると、ナノギャップ素子10の抵抗状態を徐々に低抵抗状態側に移行させることができるため、確実性が増す。
次に、印加前抵抗状態が、目的抵抗状態よりも低い場合、すなわち、例えば、印加前抵抗状態が「第3抵抗状態」であり、目的抵抗状態が「第2抵抗状態」である場合について説明する。
目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加した後、ナノギャップ素子10の抵抗状態が目的抵抗状態よりも低い場合、すなわち、「第2抵抗状態」に対応する電圧値の電圧パルスを印加しても、ナノギャップ素子10の抵抗状態が目的抵抗状態よりも低いままである場合には、再度、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加する。
なお、ナノギャップ素子10の抵抗状態を高抵抗状態側へ切り替えるきっかけを与えるために、印加前抵抗状態に対応する電圧値(「第3抵抗状態」に対応する電圧値)と目的抵抗状態に対応する電圧値(「第2抵抗状態」に対応する電圧値)との間の電圧値(例えば、9Vなど)の電圧パルスを印加し、その後、再度、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加するようにしても良い。この場合、印加前抵抗状態に対応する電圧値と目的抵抗状態に対応する電圧値との間の電圧値の電圧パルスの印加回数は、1回であっても良いし、複数回であっても良い。当該印加回数が複数である場合、電圧値の小さい順に印加すると、ナノギャップ素子10の抵抗状態を徐々に高抵抗状態側に移行させることができるため、確実性が増す。
一方、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加した後、ナノギャップ素子10の抵抗状態が目的抵抗状態よりも高い場合、すなわち、「第2抵抗状態」に対応する電圧値の電圧パルスを印加することによって、ナノギャップ素子10の抵抗状態が目的抵抗状態よりも高くなってしまった場合には、ナノギャップ素子10の抵抗状態を低抵抗状態側に戻すために、目的抵抗状態に対応する電圧値(「第2抵抗状態」に対応する電圧値)よりも小さい電圧値(例えば、7Vや5V)の電圧パルスを印加し、その後、再度、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加する。
なお、目的抵抗状態に対応する電圧値よりも小さい電圧値の電圧パルスの印加回数は、1回であっても良いし、複数回であっても良い。当該印加回数が複数回である場合、電圧値の大きい順(例えば、7V→5Vの順)に印加すると、ナノギャップ素子10の抵抗状態を徐々に低抵抗状態側に移行させることができるため、確実性が増す。
判定プログラム432は、例えば、電圧印加部200が目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加した後、ナノギャップ素子10の抵抗状態を判定する機能を、CPU410に実現させる。
具体的には、CPU410は、例えば、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスが印加されると、読み出し部300に制御信号(アドレス情報など)を入力して、ナノギャップ素子10ナノギャップ電極間(電極間間隙部4の間隙)の抵抗値を測定させ、そして、当該測定結果に基づいて、ナノギャップ素子10の抵抗状態を判定する。
<ナノギャップ素子の駆動方法>
記憶装置1000によるナノギャップ素子10の駆動方法について、図6及び図7のフローチャートを参照して説明する。
まず、目的抵抗状態が設定されると(ステップS11)、CPU410は、電圧印加制御プログラム431を実行して、印加前抵抗状態は、目的抵抗状態よりも高いか否かを判断する(ステップS12)。
ステップS12で、印加前抵抗状態は、目的抵抗状態よりも高いと判断すると(ステップS12;Yes)、CPU410は、印加前抵抗状態と、目的抵抗状態と、の間に他の抵抗状態が1つ以上存在するか否かを判断する(ステップS13)。
ステップS13で、印加前抵抗状態と、目的抵抗状態と、の間に他の抵抗状態が1つ以上存在すると判断すると(ステップS13;Yes)、CPU410は、当該他の抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを電圧値の大きい順に印加して(ステップS14)、ステップS15の処理に移行する。
一方、ステップS13で、印加前抵抗状態と、目的抵抗状態と、の間に他の抵抗状態が1つ以上存在しないと判断すると(ステップS13;No)、CPU410は、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加する(ステップS15)。
次いで、CPU410は、判定プログラム432を実行して、ナノギャップ素子10の抵抗状態を判定し(ステップS16)、電圧印加制御プログラム431を実行して、当該判定結果に基づいて、ナノギャップ素子10の抵抗状態が、目的抵抗状態になったか否かを判断する(ステップS17)。
ステップS17で、ナノギャップ素子10の抵抗状態が、目的抵抗状態になったと判断すると(ステップS17;Yes)、CPU410は、本処理を終了する。
一方、ステップS17で、ナノギャップ素子10の抵抗状態が、目的抵抗状態になっていないと判断すると(ステップS17;No)、CPU410は、ステップS16での判定結果に基づいて、ナノギャップ素子10の抵抗状態が、目的抵抗状態よりも高いか否かを判断する(ステップS18)。
ステップS18で、ナノギャップ素子10の抵抗状態が、目的抵抗状態よりも高くないと判断すると(ステップS18;No)、すなわち、ナノギャップ素子10の抵抗状態が、目的抵抗状態よりも低いと判断すると、CPU410は、目的抵抗状態に対応する電圧値よりも大きい電圧値の電圧パルスを印加して(ステップS19)、ステップS15以降の処理を繰り返して行う。
一方、ステップS18で、ナノギャップ素子10の抵抗状態が、目的抵抗状態よりも高いと判断すると(ステップS18;Yes)、CPU410は、印加前抵抗状態に対応する電圧値と目的抵抗状態に対応する電圧値との間の電圧値の電圧パルスを印加して(ステップS20)、ステップS15以降の処理を繰り返して行う。
また、ステップS12で、印加前抵抗状態は、目的抵抗状態よりも高くないと判断すると(ステップS12;No)、すなわち、印加前抵抗状態は、目的抵抗状態よりも低いと判断すると、CPU410は、印加前抵抗状態と、目的抵抗状態と、の間に他の抵抗状態が1つ以上存在するか否かを判断する(ステップS21)。
ステップS21で、印加前抵抗状態と、目的抵抗状態と、の間に他の抵抗状態が1つ以上存在すると判断すると(ステップS21;Yes)、CPU410は、当該他の抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを電圧値の小さい順に印加して(ステップS22)、ステップS23の処理に移行する。
一方、ステップS21で、印加前抵抗状態と、目的抵抗状態と、の間に他の抵抗状態が1つ以上存在しないと判断すると(ステップS21;No)、CPU410は、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加する(ステップS23)。
次いで、CPU410は、判定プログラム432を実行して、ナノギャップ素子10の抵抗状態を判定し(ステップS24)、電圧印加制御プログラム431を実行して、当該判定結果に基づいて、ナノギャップ素子10の抵抗状態が、目的抵抗状態になったか否かを判断する(ステップS25)。
ステップS25で、ナノギャップ素子10の抵抗状態が、目的抵抗状態になったと判断すると(ステップS25;Yes)、CPU410は、本処理を終了する。
一方、ステップS25で、ナノギャップ素子10の抵抗状態が、目的抵抗状態になっていないと判断すると(ステップS25;No)、CPU410は、ステップS24での判定結果に基づいて、ナノギャップ素子10の抵抗状態が、目的抵抗状態よりも高いか否かを判断する(ステップS26)。
ステップS26で、ナノギャップ素子10の抵抗状態が、目的抵抗状態よりも高くないと判断すると(ステップS26;No)、すなわち、ナノギャップ素子10の抵抗状態が、目的抵抗状態よりも低いと判断すると、CPU410は、ステップS23以降の処理を繰り返して行う。
一方、ステップS26で、ナノギャップ素子10の抵抗状態が、目的抵抗状態よりも高いと判断すると(ステップS26;Yes)、CPU410は、目的抵抗状態に対応する電圧値よりも小さい電圧値の電圧パルスを印加して(ステップS27)、ステップS23以降の処理を繰り返して行う。
ここで、ステップS14及びS15が、請求項1の印加ステップとなり、ステップS16が、請求項2の判定ステップとなり、ステップS17、S18、S19、S20及びS15が、請求項2の第2印加ステップとなる。
また、ステップS22及びS23が、請求項1の印加ステップとなり、ステップS24が、請求項3の判定ステップとなり、ステップS25、S26、S27及びステップS23が、請求項3の第2印加ステップとなる。
<実施例>
以下に、具体的な実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
まず、ナノギャップ素子10を製造した。
絶縁性基板1として、Si基板上に厚さ300nmの酸化膜(SiO)を付けたものを準備した。
次いで、第1電極2及び第2電極3との接着性を強化するために、絶縁性基板1上に、クロムを蒸着した。
次いで、クロムが蒸着された絶縁性基板1上に、傾斜蒸着により金を蒸着することによって、第1電極2及び第2電極3を形成し、ナノギャップ素子10を製造した。
次に、このナノギャップ素子10の抵抗状態を、本発明のナノギャップ素子10の駆動方法を用いて各抵抗状態に切り替えた。
具体的には、本発明の記憶装置1000が備えるナノギャップ素子10の第1電極2及び第2電極3の間に、電圧値(波高値)の大きさ順に電圧パルスを印加し、各電圧パルスの印加後に、ナノギャップ素子10のナノギャップ電極間(電極間間隙部4の間隙)の抵抗値を測定した。
電圧パルスは、パルスジェネレータを用いて印加し、抵抗値は、半導体パラメータアナライザーを用いて測定した。各電圧パルスのパルス幅(1回の電圧パルスの印加時間)をそれぞれ1マイクロ秒とした。
その結果を、図8に示す。
図8の横軸は電圧パルスの電圧値、縦軸は電圧パルス印加後のナノギャップ電極間の抵抗値である。
図8(a)は、電圧値の大きい順に電圧パルスを印加した場合、すなわち、8V→7V→6V→5V→4V→3V→2.5Vの順に電圧パルスを印加した場合の結果であり、図8(b)は、電圧値の小さい順に電圧パルスを印加した場合、すなわち、2.5V→3V→4V→5V→6V→7V→8Vの順に電圧パルスを印加した場合の結果である。
図8(a)から、印加する電圧パルスの電圧値を8Vから5Vへと段階的に小さくしていくことによって、ナノギャップ電極間の抵抗値が段階的に小さくなっていくことが分かった。一方、印加する電圧パルスの電圧値を5Vから2.5Vへと段階的に小さくしていっても、ナノギャップ電極間の抵抗値はほぼ一定であることが分かった。
具体的には、ナノギャップ素子10の抵抗状態は、印加する電圧パルスの電圧値を8Vから2.5Vへと段階的に小さくしていくことで、電圧値8Vに対応する抵抗状態と、電圧値7Vに対応する抵抗状態と、電圧値6Vに対応する抵抗状態と、電圧値5V以下に対応する抵抗状態と、の4つに区分でき、各抵抗状態へと確実に切り替わることが分かった。そして、印加する電圧パルスの電圧値を8Vから2.5Vへと段階的に小さくしていく場合には、例えば、電圧値8Vに対応する抵抗状態に“11”、電圧値7Vに対応する抵抗状態に“10”、電圧値6Vに対応する抵抗状態に“01”、電圧値5V以下に対応する抵抗状態に“00”を割り当てることによって、ナノギャップ素子10に4値の情報を記憶させることができることが分かった。
また、図8(b)から、印加する電圧パルスの電圧値を4Vから7Vへと段階的に大きくしていくことによって、ナノギャップ電極間の抵抗値が段階的に大きくなっていくことが分かった。一方、印加する電圧パルスの電圧値を2.5Vから4Vへと段階的に大きくしていっても、ナノギャップ電極間の抵抗値はほぼ一定であり、印加する電圧パルスの電圧値を7Vから8Vへと大きくしていっても、ナノギャップ電極間の抵抗値はほぼ一定であることが分かった。
具体的には、ナノギャップ素子10の抵抗状態は、印加する電圧パルスの電圧値を2.5Vから8Vへと段階的に大きくしていくことで、電圧値4V以下に対応する抵抗状態と、電圧値5Vに対応する抵抗状態と、電圧値6Vに対応する抵抗状態と、電圧値7V以上に対応する抵抗状態と、の4つに区分でき、各抵抗状態へと確実に切り替わることが分かった。そして、印加する電圧パルスの電圧値を2.5Vから8Vへと段階的に大きくしていく場合には、例えば、電圧値4V以下に対応する抵抗状態に“00”、電圧値5Vに対応する抵抗状態に“01”、電圧値6Vに対応する抵抗状態“10”、電圧値7V以上に対応する抵抗状態に“11”を割り当てることによって、ナノギャップ素子10に4値の情報を記憶させることができることが分かった。
以上の結果から、ナノギャップ素子10の抵抗状態は、ナノギャップ素子10に印加する電圧パルスの電圧値の大きさに応じて、3つ以上に区分されることが分かった。
また、本発明のナノギャップ素子10の駆動方法によって、ナノギャップ素子10の抵抗状態を各抵抗状態に好適に切り替えることができることが分かった。
したがって、本発明のナノギャップ素子10の駆動方法によって、ナノギャップ素子10に3値以上の多値情報を好適に記憶させることができることが分かった。
(実施例2)
まず、実施例1で製造したナノギャップ素子10の抵抗状態を、例えば、図9に示すように、「抵抗状態A」、「抵抗状態B」、「抵抗状態C」及び「抵抗状態D」の4つに区分し、各抵抗状態に応じて、ナノギャップ電極間(電極間間隙部4の間隙)の抵抗値に閾値を設けた。具体的には、抵抗値が2GΩ以上であれば「抵抗状態A」であり、抵抗値が100MΩ以上1GΩ以下であれば「抵抗状態B」であり、抵抗状態が5MΩ以上50MΩ以下であれば「抵抗状態C」であり、抵抗値が2MΩ以下であれば「抵抗状態D」であるとした。
そして、各抵抗状態に対応する適切な電圧値を、1Vから20Vの間で選択した。具体的には、「抵抗状態A」に対応する適切な電圧値は12Vであり、「抵抗状態B」に対応する適切な電圧値は10Vであり、「抵抗状態C」に対応する適切な電圧値は8Vであり、「抵抗状態D」に対応する適切な電圧値は5Vであった。
次に、実施例1で製造したナノギャップ素子10の抵抗状態を、本発明のナノギャップ素子10の駆動方法を用いて、各抵抗状態に切り替えた。
具体的には、図10に示すフローチャートに従って、ナノギャップ素子10の第1電極2及び第2電極3の間に電圧パルスを印加して、ナノギャップ素子10の抵抗状態を、「抵抗状態A」→「抵抗状態B」→「抵抗状態C」→「抵抗状態D」→「抵抗状態A」→…の順に切り替えた。各電圧パルスのパルス幅(1回の電圧パルスの印加時間)をそれぞれ1マイクロ秒とした。
図10のフローチャートによれば、まず、目的抵抗状態として「抵抗状態A」を設定し(ステップS51)、目的抵抗状態に対応する電圧値(12V)の電圧パルスを印加した(ステップS52)。
ここで、電圧パルスは、パルスジェネレータを用いて印加した。
次いで、ナノギャップ素子10のナノギャップ電極間(電極間間隙部4の間隙)の抵抗値を測定して、ナノギャップ素子10の抵抗状態を判定し、ナノギャップ素子10の抵抗状態が目的抵抗状態(「抵抗状態A」)になったか否か、すなわち、ナノギャップ電極間の抵抗値が2GΩ以上であるか否かを判断した(ステップS53)。
ここで、抵抗値は、半導体パラメータアナライザーを用いて測定した。
ステップS53で、ナノギャップ電極間の抵抗値が2GΩ以上でないと判断すると(ステップS53;No)、ステップS52以降の処理を繰り返して行った。
一方、ステップS53で、ナノギャップ電極間の抵抗値が2GΩ以上であると判断すると(ステップS53;Yes)、ナノギャップ電極間の抵抗値を記録した(ステップS54)。
なお、ステップS51〜ステップS53の処理は、図7のステップS23〜ステップS27の処理に対応する。
次いで、目的抵抗状態として「抵抗状態B」を設定し(ステップS55)、目的抵抗状態に対応する電圧値(10V)の電圧パルスを印加した(ステップS56)。
次いで、ナノギャップ素子10のナノギャップ電極間(電極間間隙部4の間隙)の抵抗値を測定して、ナノギャップ素子10の抵抗状態を判定し、ナノギャップ素子10の抵抗状態が目的抵抗状態(「抵抗状態B」)になったか否か、すなわち、ナノギャップ電極間の抵抗値が100MΩ以上1GΩ以下であるか否かを判断した(ステップS57)。
ステップS57で、ナノギャップ電極間の抵抗値が100MΩ以上1GΩ以下でないと判断すると(ステップS57;No)、ナノギャップ電極間の抵抗値が100MΩよりも小さい場合には、目的抵抗状態に対応する電圧値(10V)よりも大きい電圧値(例えば、12V)の電圧パルスを印加し、ナノギャップ電極間の抵抗値が1GΩよりも大きい場合には、印加前抵抗状態に対応する電圧値(12V)と目的抵抗状態に対応する電圧値(12V)との間の電圧値(例えば、11V)の電圧パルスを印加して(ステップS58)、ステップS56以降の処理を繰り返し行った。
一方、ステップS57で、ナノギャップ電極間の抵抗値が100MΩ以上1GΩ以下であると判断すると(ステップS57;Yes)、ナノギャップ電極間の抵抗値を記録した(ステップS59)。
なお、ステップS55〜ステップS58の処理は、図6のステップS15〜ステップS20の処理に対応する。
次いで、目的抵抗状態として「抵抗状態C」を設定し(ステップS60)、目的抵抗状態に対応する電圧値(8V)の電圧パルスを印加した(ステップS61)。
次いで、ナノギャップ素子10のナノギャップ電極間(電極間間隙部4の間隙)の抵抗値を測定して、ナノギャップ素子10の抵抗状態を判定し、ナノギャップ素子10の抵抗状態が目的抵抗状態(「抵抗状態C」)になったか否か、すなわち、ナノギャップ電極間の抵抗値が5MΩ以上50MΩ以下であるか否かを判断した(ステップS62)。
ステップS62で、ナノギャップ電極間の抵抗値が5MΩ以上50MΩ以下でないと判断すると(ステップS62;No)、ナノギャップ電極間の抵抗値が5MΩよりも小さい場合には、目的抵抗状態に対応する電圧値(8V)よりも大きい電圧値(例えば、12V)の電圧パルスを印加し、ナノギャップ電極間の抵抗値が50MΩよりも大きい場合には、印加前抵抗状態に対応する電圧値(10V)と目的抵抗状態に対応する電圧値(8V)との間の電圧値(例えば、9V)の電圧パルスを印加して(ステップS63)、ステップS61以降の処理を繰り返し行った。
一方、ステップS62で、ナノギャップ電極間の抵抗値が5MΩ以上50MΩ以下であると判断すると(ステップS62;Yes)、ナノギャップ電極間の抵抗値を記録した(ステップS64)。
なお、ステップS60〜ステップS63の処理は、図6のステップS15〜ステップS20の処理に対応する。
次いで、目的抵抗状態として「抵抗状態D」を設定し(ステップS65)、目的抵抗状態に対応する電圧値(5V)の電圧パルスを印加した(ステップS66)。
次いで、ナノギャップ素子10のナノギャップ電極間(電極間間隙部4の間隙)の抵抗値を測定して、ナノギャップ素子10の抵抗状態を判定し、ナノギャップ素子10の抵抗状態が目的抵抗状態(「抵抗状態D」)になったか否か、すなわち、ナノギャップ電極間の抵抗値が2MΩ以下であるか否かを判断した(ステップS67)。
ステップS67で、ナノギャップ電極間の抵抗値が2MΩ以下でないと判断すると(ステップS67;No)、すなわち、ナノギャップ電極間の抵抗値が2MΩよりも大きいと判断すると、印加前抵抗状態に対応する電圧値(8V)と目的抵抗状態に対応する電圧値(5V)との間の電圧値(例えば、7V)の電圧パルスを印加して(ステップS68)、ステップS66以降の処理を繰り返し行った。
一方、ステップS67で、ナノギャップ電極間の抵抗値が2MΩ以下であると判断すると(ステップS67;Yes)、ナノギャップ電極間の抵抗値を記録して(ステップS69)、ステップS51以降の処理を繰り返して行った。
なお、ステップS65〜ステップS67の処理は、図6のステップS15〜ステップS20の処理に対応する。
図10のステップS54、ステップS59、ステップS64及びステップS69で記録した抵抗値の繰り返し回数依存性を図11に示す。また、図11を整理して作成した抵抗値分布図を図12に示す。
図11の横軸は「抵抗状態A」→「抵抗状態B」→「抵抗状態C」→「抵抗状態D」を1セットとした場合の繰り返し回数、縦軸は記録した抵抗値である。
図11の白四角プロット(□)は抵抗値が2GΩ以上であると判断された際の抵抗値(すなわち、ステップS54で記録した、抵抗状態が「抵抗状態A」になったと判断された際の抵抗値)、黒丸プロット(●)は抵抗値が100MΩ以上1GΩ以下であると判断された際の抵抗値(すなわち、ステップS59で記録した、抵抗状態が「抵抗状態B」になったと判断された際の抵抗値)、白三角プロット(△)は抵抗値が5MΩ以上50MΩ以下であると判断された際の抵抗値(すなわち、ステップS64で記録した、抵抗状態が「抵抗状態C」になったと判断された際の抵抗値)、黒逆三角プロット(▼)は抵抗値が2MΩ以下であると判断された際の抵抗値(すなわち、ステップS69で記録した、抵抗状態が「抵抗状態D」になったと判断された際の抵抗値)である。
図12の横軸は記録した抵抗値、縦軸は対応する抵抗値になった頻度である。
図12の水玉模様のハッチングが施されたバーは抵抗値が2GΩ以上であると判断された際の抵抗値(図11の白四角プロット(□))を整理したもの、格子模様のハッチングが施されたバーは100MΩ以上1GΩ以下であると判断された際の抵抗値(図11の黒丸プロット(●))を整理したもの、斜線模様のハッチングが施されたバーは抵抗値が5MΩ以上50MΩ以下であると判断された際の抵抗値(図11の白三角プロット(△))を整理したもの、横線模様のハッチングが施されたバーは抵抗値が2MΩ以下であると判断された際の抵抗値(図11の黒逆三角プロット(▼))を整理したものである。
図11及び図12から、ナノギャップ素子10の抵抗状態を、「抵抗状態A」→「抵抗状態B」→「抵抗状態C」→「抵抗状態D」の順に段階的に切り替える処理を繰り返し行っても、ナノギャップ素子10の抵抗状態は、各抵抗状態に切り替わることが分かった。
以上の結果から、ナノギャップ素子10の抵抗状態は、ナノギャップ素子10に印加する電圧パルスの電圧値の大きさに応じて、3つ以上に区分されることが分かった。
また、本発明のナノギャップ素子10の駆動方法(図6及び図7)によって、ナノギャップ素子10の抵抗状態を各抵抗状態に確実に切り替えることができることが分かった。
また、ナノギャップ素子10の抵抗状態の切り替わりには、繰り返し耐性があることが分かった。
したがって、本発明のナノギャップ素子10の駆動方法によって、ナノギャップ素子10に3値以上の多値情報を何度も確実に記憶させることができることが分かった。
以上説明した本発明のナノギャップ素子10の駆動方法及びナノギャップ素子10を備える記憶装置1000によれば、ナノギャップ素子10は、絶縁性基板1と、絶縁性基板1に設けられた第1電極2及び第2電極3と、第1電極2と第2電極3との間に設けられ、第1電極2と第2電極3との間への所定電圧の印加により抵抗状態が切り替わるナノメートルオーダーの間隙を有する電極間間隙部4と、を有するとともに、抵抗状態が3つ以上に区分されている。そして、ナノギャップ素子10の第1電極2と第2電極3との間に、各抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加するようになっており、現在の抵抗状態である印加前抵抗状態と、目的とする抵抗状態である目的抵抗状態と、の間に他の抵抗状態が1つ以上存在する場合には、当該他の抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを電圧値の大きさ順に印加した後、当該目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加するようになっている。
すなわち、ナノギャップ素子10の抵抗状態は、ナノギャップ素子10に印加する電圧パルスの電圧値の大きさに応じて、3つ以上に区分される。
また、印加前抵抗状態と目的抵抗状態との間に他の抵抗状態が1つ以上存在する場合には、印加する電圧パルスの電圧値を段階的に大きくしたり小さくしたりすることによって、抵抗状態が切り替わるきっかけを段階的に与えることができるため、ナノギャップ素子10の抵抗状態を各抵抗状態へと確実に切り替えることができる。具体的には、印加前抵抗状態が目的抵抗状態よりも高い場合(印加前抵抗状態>目的抵抗状態である場合)であって、印加前抵抗状態と目的抵抗状態との間に他の抵抗状態が1つ以上存在する場合には、他の抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを電圧値の大きい順に印加した後、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加することによって、印加する電圧パルスの電圧値を段階的に小さくして、高抵抗状態側から低抵抗状態側へと切り替わるきっかけを段階的に与えるようになっており、印加前抵抗状態が目的抵抗状態よりも低い場合(印加前抵抗状態<目的抵抗状態である場合)であって、印加前抵抗状態と目的抵抗状態との間に他の抵抗状態が1つ以上存在する場合には、他の抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを電圧値の小さい順に印加した後、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加することによって、印加する電圧パルスの電圧値を段階的に大きくして、低抵抗状態側から高抵抗状態側へと切り替わるきっかけを段階的に与えるようになっているため、ナノギャップ素子10の抵抗状態を各抵抗状態へと確実に切り替えることができる。
したがって、ナノギャップ素子10に3値以上の多値情報を好適に記憶させることができる。
また、本発明のナノギャップ素子10の駆動方法及びナノギャップ素子10を備える記憶装置1000によれば、印加前抵抗状態が目的抵抗状態よりも高い場合(印加前抵抗状態>目的抵抗状態である場合)、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加した後、ナノギャップ素子10の抵抗状態を判定し、当該判定されたナノギャップ素子10の抵抗状態が目的抵抗状態よりも低い場合には、目的抵抗状態に対応する電圧値よりも大きい電圧値の電圧パルスを印加して、その後、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加するとともに、当該判定されたナノギャップ素子10の抵抗状態が目的抵抗状態よりも高い場合には、印加前抵抗状態に対応する電圧値と目的抵抗状態に対応する電圧値との間の電圧値の電圧パルスを印加して、その後、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加するようになっており、そして、この一連の処理を、当該判定されたナノギャップ素子10の抵抗状態が目的抵抗状態になるまで、繰り返して行うようになっている。
すなわち、判定されたナノギャップ素子10の抵抗状態が目的抵抗状態よりも低い場合には、ナノギャップ素子10の抵抗状態を高抵抗状態側に戻すために、目的抵抗状態に対応する電圧値よりも大きい電圧値の電圧パルスを印加して、その後、再度、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加するようになっており、判定されたナノギャップ素子10の抵抗状態が目的抵抗状態よりも高い場合には、ナノギャップ素子10の抵抗状態を低抵抗状態側へ切り替わるきっかけを与えるために、印加前抵抗状態に対応する電圧値と目的抵抗状態に対応する電圧値との間の電圧値の電圧パルスを印加して、その後、再度、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加するようになっているため、ナノギャップ素子10の抵抗状態を確実に各抵抗状態へと切り替えることができる。
したがって、ナノギャップ素子10に3値以上の多値情報を確実に記憶させることができる。
また、本発明のナノギャップ素子10の駆動方法及びナノギャップ素子10を備える記憶装置1000によれば、印加前抵抗状態が目的抵抗状態よりも低い場合(印加前抵抗状態<目的抵抗状態である場合)、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加した後、ナノギャップ素子10の抵抗状態を判定し、当該判定されたナノギャップ素子10の抵抗状態が目的抵抗状態よりも低い場合には、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加するとともに、当該判定されたナノギャップ素子の抵抗状態が目的抵抗状態よりも高い場合には、目的抵抗状態に対応する電圧値よりも小さい電圧値の電圧パルスを印加して、その後、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加するようになっており、そして、この一連の処理を、当該判定されたナノギャップ素子10の抵抗状態が目的抵抗状態になるまで、繰り返して行うようになっている。
すなわち、判定されたナノギャップ素子10の抵抗状態が目的抵抗状態よりも低い場合には、その後、再度、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加するようになっており、ナノギャップ素子10の抵抗状態を低抵抗状態側に戻すために、目的抵抗状態に対応する電圧値よりも小さい電圧値の電圧パルスを印加して、その後、再度、目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加するようになっているため、ナノギャップ素子10の抵抗状態を確実に各抵抗状態へと切り替えることができる。
したがって、ナノギャップ素子10に3値以上の多値情報を確実に記憶させることができる。
なお、本発明は、上記した実施の形態のものに限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
ナノギャップ素子10の構成や各部の形状などについて、上記実施形態に例示したものは、一例であり、これらに限定されるものではない。
具体的には、例えば、絶縁性基板1の上面に、ナノギャップ電極として第1電極2と第2電極3とをナノメートルオーダーの間隙を空けて横方向に並ぶように配設したが、これに限ることはなく、例えば、第1電極2と第2電極3とを縦方向に並ぶように配設しても良い。これにより、記憶装置1000の集積度を向上させることができる。
また、例えば、記憶装置1000の一部(例えば、ナノギャップ素子アレイ100)又は全部を、所定の封止部材で封止することによって、電極間間隙部4を大気や水分に接触しないようにしても良い。これにより、ナノギャップ素子10をさらに安定的に動作させることができる。さらに、所定の封止部材で封止することによって、電極間間隙部4を任意の雰囲気中に配置した状態を保つことができ、ナノギャップ素子10を任意の雰囲気中で使用することができる。
図5や実施例1,2では、ナノギャップ素子10の抵抗状態を4つに区分した場合を挙げたが、これに限ることはなく、ナノギャップ素子10の抵抗状態は、印加する電圧パルスの電圧値を選択することによって、3つに区分することもできるし、4つよりも多くに区分することもできる。
本発明の記憶装置の機能的構成を示すブロック図である。 本発明の記憶装置が備えるナノギャップ素子の要部を模式的に示す断面図である。 本発明の記憶装置が備える制御部の機能的構成を示すブロック図である。 本発明のナノギャップ素子の抵抗状態について説明するための図である。 本発明のナノギャップ素子の抵抗状態が4つに区分されている場合について説明するための図である。 本発明のナノギャップ素子の駆動方法を説明するための第1のフローチャートである。 本発明のナノギャップ素子の駆動方法を説明するための第2のフローチャートである。 実施例1における結果であって、印加する電圧パルスの電圧値を段階的に小さくしていった場合の抵抗値変化の結果を示す図(a)と、印加する電圧パルスの電圧値を段階的に大きくしていった場合の抵抗値の変化を示す図(b)である。 実施例2について説明するための図である。 実施例2について説明するためのフローチャートである。 実施例2における結果であって、印加する電圧パルスの電圧値を段階的に小さくしていく処理を繰り返し行った場合の抵抗値の変化の結果を示す図である。 図11を整理して作成した抵抗値分布図である。
符号の説明
1 絶縁性基板
2 第1電極
3 第2電極
4 電極間間隙部
10 ナノギャップ素子
200 電圧印加部(印加手段)
1000 記憶装置

Claims (4)

  1. 絶縁性基板と、前記絶縁性基板に設けられた第1電極及び第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられ、前記第1電極と前記第2電極との間への所定電圧の印加により抵抗状態が切り替わるナノメートルオーダーの間隙を有する電極間間隙部と、を有するナノギャップ素子の駆動方法において、
    前記ナノギャップ素子の抵抗状態は、3つ以上に区分され、
    前記第1電極と前記第2電極との間に、各抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加する印加ステップを備え、
    前記印加ステップは、現在の抵抗状態である印加前抵抗状態と、目的とする抵抗状態である目的抵抗状態と、の間に他の抵抗状態が1つ以上存在する場合には、当該他の抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを電圧値の大きさ順に印加した後、当該目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加することを特徴とするナノギャップ素子の駆動方法。
  2. 請求項1に記載のナノギャップ素子の駆動方法において、
    前記印加前抵抗状態が、前記目的抵抗状態よりも高い場合、
    前記印加ステップで前記目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加した後、前記ナノギャップ素子の抵抗状態を判定する判定ステップと、
    前記判定ステップで判定された前記ナノギャップ素子の抵抗状態が前記目的抵抗状態よりも低い場合には、前記目的抵抗状態に対応する電圧値よりも大きい電圧値の電圧パルスを印加し、その後、当該目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加するとともに、前記判定ステップで判定された前記ナノギャップ素子の抵抗状態が前記目的抵抗状態よりも高い場合には、前記印加前抵抗状態に対応する電圧値と当該目的抵抗状態に対応する電圧値との間の電圧値の電圧パルスを印加し、その後、当該目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加する第2印加ステップと、
    を備え、
    前記判定ステップで判定された前記ナノギャップ素子の抵抗状態が前記目的抵抗状態になるまで、前記判定ステップ及び前記第2印加ステップを繰り返して行うことを特徴とするナノギャップ素子の駆動方法。
  3. 請求項1に記載のナノギャップ素子の駆動方法において、
    前記印加前抵抗状態が、前記目的抵抗状態よりも低い場合、
    前記印加ステップで前記目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加した後、前記ナノギャップ素子の抵抗状態を判定する判定ステップと、
    前記判定ステップで判定された前記ナノギャップ素子の抵抗状態が前記目的抵抗状態よりも低い場合には、当該目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加するとともに、前記判定ステップで判定された前記ナノギャップ素子の抵抗状態が前記目的抵抗状態よりも高い場合には、前記目的抵抗状態に対応する電圧値よりも小さい電圧値の電圧パルスを印加し、その後、当該目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加する第2印加ステップと、
    を備え、
    前記判定ステップで判定された前記ナノギャップ素子の抵抗状態が、前記目的とする抵抗状態になるまで、前記判定ステップ及び前記第2印加ステップを繰り返して行うことを特徴とするナノギャップ素子の駆動方法。
  4. 絶縁性基板と、前記絶縁性基板に設けられた第1電極及び第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられ、前記第1電極と前記第2電極との間への所定電圧の印加により抵抗状態が切り替わるナノメートルオーダーの間隙を有する電極間間隙部と、を有するナノギャップ素子を備える記憶装置において、
    前記ナノギャップ素子の抵抗状態は、3つ以上に区分され、
    前記第1電極と前記第2電極との間に、各抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加する印加手段を備え、
    前記印加手段は、現在の抵抗状態である印加前抵抗状態と、目的とする抵抗状態である目的抵抗状態と、の間に他の抵抗状態が1つ以上存在する場合には、当該他の抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを電圧値の大きさ順に印加した後、当該目的抵抗状態に対応する電圧値の電圧パルスを印加することを特徴とする記憶装置。
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