JP5498754B2 - 肝機能の保護・改善剤 - Google Patents

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本発明は、肝機能の保護・改善剤、さらに詳しくは、肝機能の保護作用或いは改善作用を有する医薬品、健康食品等として用いられる肝機能の保護・改善剤に関する。
肝臓は、3大栄養素である糖質、タンパク質、脂質の代謝調節・貯蔵を行なったり、生体にとって不要な物質を分解・解毒したり等の種々の機能を担っている重要な臓器である。これら機能は、アルコールの過剰摂取、ウイルス感染、乱れた食習慣、ストレス、喫煙等により急性的あるいは慢性的に障害を受けるが、肝障害が進行すると、例えば急性肝炎、慢性肝炎、肝硬化症、アルコール性脂肪肝、B型ウイルス肝炎、肝臓癌などの疾患となる。
肝細胞がウイルス、アルコールなどで障害を受けると、細胞中のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(グルタミン酸−オキサロ酢酸トランスアミナーゼともいう。以下GOTと略記する。)やアラニンアミノトランスフェラーゼ(グルタミン酸−ピルビン酸トランスアミナーゼともいう。以下、GPTと略記する。)などの酵素が血液中に出てくるため、これらの酵素活性を示す数値が上昇する。従って、血液中のこれらGOTやGPT活性は、肝臓の機能障害を示す指標として知られている。
肝機能障害の予防または治療に使用される薬剤としては、例えば下記非特許文献1のようなアシクロビル等の抗ウイルス剤、免疫抑制剤、非特許文献2のようなグルタチオン等が知られている。また、肝機能の保護・増強・改善に有効とされる飲食品としては、例えば非特許文献3のようなウコン、マリアアザミ、ゴマリグナン、牡蠣エキス、レバーエキスなどが知られている。
さらに、肝機能の保護剤、改善剤として、下記特許文献1に係る発明もなされている。この特許文献1に係る発明は、当該特許文献1の請求項1に記載されているように、「セイコウ(Artemisia apiacea Hance)またはセロリアーク(Apium graveolens L. var. rapaceum Mill. DC.)の植物体または該植物体抽出物を有効成分として含有することを特徴とする肝機能保護剤または改善剤」に関するものである。
本発明者等は、上記従来の肝機能の保護剤とは全く別の観点から、エノキタケに着目し、鋭意研究を行った結果、特にエノキタケの菌糸に優れた肝機能の保護、改善作用があることを見出した。エノキタケについては、たとえば下記特許文献2のようなエストロゲン様活性物質、特許文献3のような血管新生阻害剤、特許文献4のように血液粘稠度低下作用や血中コレステロール濃度低下作用を有するもの、特許文献5のような高血圧症治療剤等に関する特許出願がなされているが、肝機能の保護・改善剤についての特許出願は存在しない。
医学のあゆみ171巻14号957〜1158、1994年、医歯薬出版 蛋白質核酸酵素33巻9号1625〜1631、1988年、共立出版株式会社 FOOD Style 21, 2巻12号,1998年、食品化学新聞社
特開2003−137802号公報 特開2004−277414号公報 特開2004−307453号公報 特開2006−298871号公報 特開2004−89128号公報
本発明は、上記のような点に鑑み、医薬品や健康食品等として日々摂取することで肝機能障害を予防または治療できる、肝機能の保護・改善剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、このような課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、エノキタケ(Flammulina velutipes)の菌糸体の部分を低温で馴化したものに肝機能保護、改善作用があることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、0〜10℃の温度で馴化されたエノキタケ(Flammulina velutipes)の菌糸体が含有されていることを特徴とする肝機能の保護・改善剤を提供するものである。
本発明によって、医薬品や健康食品等として日々摂取することで肝機能障害を予防または治療できる、肝機能の保護・改善剤を提供することが可能となった。
また、一般に食用等に供されているエノキタケを用いるので安全性も高く、さらに食用に供されている子実体ではなく、菌糸体を用いることで、食用資源の低減を防止するのとともに、菌糸体の有効利用を図ることができる。
実施例1及び比較例1の血糖値の測定結果を示すグラフ。 実施例2及び対照の血糖値の測定結果を示すグラフ。 実施例1及び比較例1のコレステロールの測定結果を示すグラフ。 実施例2及び対照のコレステロールの測定結果を示すグラフ。 実施例1及び比較例1の中性脂肪の測定結果を示すグラフ。 実施例2及び対照の中性脂肪の測定結果を示すグラフ。 実施例1及び比較例1のALTの測定結果を示すグラフ。 実施例2及び対照のALTの測定結果を示すグラフ。 実施例1、実施例2、比較例1の体重の測定結果を示すグラフ。 実施例1、実施例2、比較例1の体重の変化率の測定結果を示すグラフ。 実施例2及び対照の体重の測定結果を示すグラフ。
本発明の肝機能の保護・改善剤は、上述のように、0〜10℃の温度で馴化したエノキタケ(Flammulina velutipes)を含有するものである。エノキタケ(Flammulina velutipes)は、キシメジ科のキノコの一種であり、その子実体は古くから食用とされている。本発明においては、エノキタケの菌糸の部分を用いている。
本発明において、「エノキタケを含有する」とは、本発明の肝機能の保護・改善剤が、エノキタケのみを含有成分とするものであってもよく、またエノキタケの他に、他の成分を含有していてもよいことを意味する。
本発明において、肝機能の保護、改善とは、肝機能を各種障害から保護する作用および肝機能を障害から予防する作用、障害を受けた肝臓の機能を回復もしくは治癒させる作用、肝臓の機能を向上もしくは増強させる作用等を含むものである。
本発明の肝機能の保護・改善剤に含有されるエノキタケは、上述のように菌糸体が用いられ、その菌糸体の培養液等が肝機能の保護・改善剤として用いられる。菌糸体を培養する培地としては、たとえばYG(酵母エキス、グルコース)培地、YM(酵母エキス、麦芽エキス)培地、PD(ペプトン、デキストロース)培地、PDY(ペプトン、デキストロース、イースト)培地等を使用することができる。YG培地、YM培地、PD培地、PDY培地の組成は次のとおりである。
Figure 0005498754
Figure 0005498754
Figure 0005498754
Figure 0005498754
さらに、本発明のエノキタケを含有する肝機能の保護・改善剤を、たとえば医薬品として製剤化する場合の剤形も特に限定されるものではなく、溶液、懸濁液、エマルジョン、錠剤、カプセル、顆粒、粉末等、その種類は問わない。製剤の投与形態は、治療に際し最も効果的なものを使用するのが望ましく、経口投与等をあげることができる。
さらに、本発明のエノキタケを含有する肝機能の保護・改善剤は、医薬品の製剤以外に、たとえば健康用の飲食品等として使用することもできる。その場合には、たとえば成形・造粒方法で加工する等の一般の飲食品の製造方法で製造することが可能である。また、本発明のエノキタケを含有する肝機能の保護・改善剤を、飲食品の原料に添加して用いることもできる。
さらに、本発明のエノキタケを含有する肝機能の保護・改善剤を添加する具体的な飲食品としては、たとえばエノキタケを含有する肝機能の保護・改善剤が添加されたジュース類、清涼飲料水、スープ類、茶類、乳酸菌飲料、発酵乳、冷菓、バター、チーズ、ヨーグルト、加工乳、脱脂粉乳等の乳製品、ハム、ソーセージ、ハンバーグ等の畜肉製品、魚肉錬り製品、だし巻き、卵豆腐等の卵製品、クッキー、ゼリー、スナック菓子、チューインガム等の菓子類、パン類、麺類、漬け物類、燻製品、干物、佃煮、調味料等があげられる。
飲食品の形態としては、例えば粉末食品、シート状食品、瓶詰め食品、缶詰食品、レトルト食品、カプセル食品、タブレット状食品、流動食品、ドリンク剤等が例示され、−品は、健康飲食品、機能性飲食品として、肝機能保護、改善のために使用される。
さらに本発明の肝機能の保護・改善剤は、動物用等の飼料として用いることもできる。そのような飼料としては、たとえばほ乳類、鳥類、は虫類、両生類、魚類等の動物に対して、肝機能保護、改善作用を有する飼料で有ればいずれでもよく、たとえばイヌ、ネコ、ネズミ等のペット用飼料、ウシ、ブタ等の家畜用飼料、ニワトリ、七面鳥等の家禽用飼料、タイ、ハマチ等の養殖魚用飼料等があげられる。
さらに、本発明でいう肝機能とは、肝臓の有する機能をすべて意味しており特に制限はない。具体的な肝機能としては、たとえば血液貯蔵(循環量の調整等)、血色素の処理(ヘモグロビンの処理排出等)、胆汁の生成、胆汁色素の腸肝循環、血漿タンパク質(急性期タンパク質、アルブミン、血液凝固因子、ステロイド結合タンパク質、他のホルモン結合タンパク質等)の合成等の血液と循環における機能、栄養素とビタミン(グルコースと他の糖類、アミノ酸、脂質もしくは脂肪酸、コレステロール、リポタンパク、脂溶性ビタミン、水溶性ビタミン等)の代謝等の栄養素の代謝機能、種々の物質(毒素、エストロゲンやアンドロステロンなどのステロイド、他のホルモン等)の不活性化等の解毒または分解機能、および免疫機能等[「生理学展望」、原書19版(平成12年3月31日)、「新しい臨床栄養学」改訂第3版(2000年5月20日)]があげられる。
本発明の肝機能の保護・改善剤の保護、改善作用を試験するために、血糖値、コレステロール、中性脂肪、ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)等の測定方法を用いることができる。血糖値は、一般に血中のβ−D−グルコース濃度を測定することにより行うことができる。ALTの測定は、たとえば2−オキソグルタミン酸とアラニンから生成するピルビン酸を定量することにより行うことができる。ピルビン酸の定量はたとえば乳酸デヒドロゲナーゼとNADHを共存させピルビン酸の還元にともなう340nmの吸光度の減少量を定量することにより行うことができる。
さらに、GOT値の定量方法を用いることができる。GOT値の定量は、たとえばアスパラギン酸と2−オキソグルタル酸から生成するオキサロ酢酸を定量することにより行うことができる。オキサロ酢酸の定量は、例えばリンゴ酸デヒドロゲナーとNADHを共存させオキサロ酢酸の還元に伴う340nmの吸光度の減少量を定量することにより行うことができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
[試験例1]
本試験例では、マウスを用い、体重、血糖値、血中コレステロール、中性脂肪、ALTを定期的に測定し、低温馴化した菌糸体の効果を評価した。
(餌の作成)
4℃の低温下で約1週間、ファーメンター中で処理することによって、エノキタケの菌糸体を得た。エノキタケ菌糸体の培地としては、上記表1の組成からなるYG培地を用いた。培地中のエノキタケ菌糸体を回収後に、3.9質量%となるように混入した餌を調整した。このようにして得られたエノキタケ菌糸体を含む餌(試料)を実施例1とした。
また、4℃の低温下で、同様の方法で上記表1のYG培地を用いて、エノキタケ菌糸体の濃度が0.8質量%となるように調整した別の餌(試料)を準備し、これを実施例2とした。一方、18℃の常温下で、同様の方法で上記表1のYG培地を用いて、エノキタケ菌糸体の濃度が3.9質量%となるように調整した別の餌(試料)を準備し、これを比較例1とした。
すなわち、実施例1、実施例2、比較例1の3種の試料のエノキタケ菌糸体の濃度は下記表5のとおりである。
Figure 0005498754
(マウスの飼育)
マウスとしては、C57BL/6系統の雄のマウスを用いた。予め6ヶ月間、高脂肪食(カロリー比率:60%)を摂取させたマウスを、体重、血糖値、血中コレステロール、中性脂肪、ALTの平均値が揃うように6匹ずつの群にグループ分けし、1群(6匹)は、実施例1の試料を添加した高脂肪食でさらに10週間飼育し、他の1群(6匹)は、実施例2の試料を添加した高脂肪食で同様に10週間飼育し、さらに他の1群(6匹)は、比較例1の試料を添加した高脂肪食で同様に10週間飼育した。10週間の飼育の過程においては、1週間毎に体重を測定し、2週間毎に血液を採取した。さらに、他の1群(6匹)については、対照(コントロール)として、試料を添加していない高脂肪食で同様に10週間飼育した。
(血糖値の測定)
採取した血液について、先ず血糖値を測定した。本実施例では、Gセンサー(アークレイ社製)を用いて血糖値を測定した。その結果を図1及び図2に示す。図1は実施例1と比較例1とを対比したグラフ、図2は実施例2と対照とを対比したグラフである。図1及び図2において、横軸は週間、縦軸は血糖値(mg/dl)を示す。図1からも明らかなように、実施例1の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスの血糖値は、比較例1の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスの血糖値に比べて低く、特に8週、10週において、その差が顕著となっていた。一方、図2からも明らかなように、実施例2の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスの血糖値は、試料を添加していない高脂肪食を餌として飼育した、対照のマウスの血糖値に比べて大きな差が見られなかった。
(血清の分離)
一方、上記のように採取した血液から、遠心分離器で血清を分離した。遠心分離器による遠心分離は、回転数12000rpm、温度4℃の条件で、15分間行った。分離した血清は、コレステロール、中性脂肪、ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)の測定に用いた。コレステロール、中性脂肪、ALTの測定は、富士ドライケム7000(富士フィルム株式会社製)によって行った。
(コレステロールの測定)
コレステロールの測定結果を図3及び図4に示す。図3からも明らかなように、実施例1の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスのコレステロールの測定値は、比較例1の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスのコレステロールの測定値に比べて低く、特に8週、10週において、その差が顕著となっていた。一方、図4からも明らかなように、実施例2の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスのコレステロールの測定値は、4週頃までは対照のマウスのコレステロールの測定値に比べて高かったが、6週〜10週においては、実施例2の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスのコレステロールの測定値は、対照のマウスのコレステロールの測定値に比べて低くなった。
(中性脂肪の測定)
中性脂肪の測定結果を図5及び図6に示す。図5からも明らかなように、4週頃までは、実施例1の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスの中性脂肪の測定値は、比較例1の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスの中性脂肪の測定値に比べて高かったが、8週頃では、実施例1の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスの中性脂肪の測定値は、比較例1の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスの中性脂肪の測定値に比べて低くなった。一方、図6からも明らかなように、実施例2の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスの中性脂肪の測定値は、対照のマウスの中性脂肪の測定値に比べて大きな差が見られなかった。
(ALTの測定)
ALTの測定結果を図7及び図8に示す。図7からも明らかなように、実施例1の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスのALTの測定値は、比較例1の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスのALTの測定値に比べて低く、特に4〜10週において、その差が顕著であった。一方、図8からも明らかなように、実施例2の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスのALTの測定値は、4週頃までは対照のマウスのALTの測定値に比べて高かったが、6週〜10週においては、実施例2の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスのALTの測定値は、対照のマウスのALTの測定値に比べて低くなった。
(体重の測定)
実施例1の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウス、実施例2の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウス、及び比較例1の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスの体重を1週間毎に測定し、その増加率を求めた。測定した体重のグラフを図9に示し、体重の増加率を図10に示す。図10からも明らかなように、実施例1の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスの体重増加率、及び実施例2の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウス体重増加率は、比較例1の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスの体重増加率に比べて低かった。
一方、図11からも明らかなように、実施例2の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスの体重の測定値は、6週頃までは対照のマウスの体重の測定値と差がなかったが、6週〜10週においては、実施例2の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスの体重の測定値は、対照のマウスの体重の測定値に比べて低くなった。
(血圧の測定)
実施例1の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスと、比較例1の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスの脈拍数及び血圧を測定した。測定には、無加熱型非観血式血圧計(室町機械株式会社製)を用いた。その測定結果を表6及び表7に示す。
表6及び表7からも明らかなように、実施例1の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスの脈拍数は、比較例1の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスの脈拍数よりも高く、また血圧は、実施例1の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスの方が、比較例1の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスよりも少し高かった。
Figure 0005498754
Figure 0005498754
(総括)
以上のように、実施例1の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスは、比較例1の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスに比べて血糖値が低く、またコレステロール、中性脂肪、ALTの測定値のいずれも低かった。特にALTの測定値には大きな差があった。また実施例1の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスの血圧は、比較例1の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスの血圧に比べて少し高かったが、脈拍数は低かった。
さらに、実施例1の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスの体重増加率は、比較例1の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスや、比較例2の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスの体重増加率に比べて低かった。
以上のことから、実施例1の試料を添加した高脂肪食を餌として飼育したマウスは、肝機能が保護、改善されていることがわかった。
[試験例2]
本実施例では、エノキタケ菌糸の脂肪酸組成を測定した。その手順について説明すると、先ずエノキタケ菌糸を凍結乾燥させた後、Bligh−Dyer法によってエノキタケ菌糸から脂質を抽出し、ナトリウムメトキシド、メタノール、ベンゼンでメチルエステル化を行った。
次に、LC−Siシリカチューブ(SUPELCO)でコレステロールで除去し、溶出分画したものについて、GC/MS脂肪酸測定を行った。GC/MS脂肪酸測定を行う際のカラムは、Omegawax250(SUPELCO)を用い、インジェクターの温度は250℃、120〜240℃の範囲で、2℃/分で行った。
その結果を表8乃至表10に示す。表8は低温(4℃)で馴化したエノキタケ菌糸の脂肪酸組成、表9は常温(18℃)で馴化したエノキタケ菌糸の脂肪酸組成、表10は常温(18℃)で馴化したエノキタケ子実体の脂肪酸組成である。
Figure 0005498754
Figure 0005498754
Figure 0005498754
表8乃至10からも明らかなように、エノキタケ菌糸の脂肪酸組成とエノキタケ子実体の脂肪酸組成は明らかに異なっていた。また、低温(4℃)で馴化したエノキタケ菌糸の脂肪酸組成と、常温(18℃)で馴化したエノキタケ菌糸の脂肪酸組成は近似していたが同じではなく、エノキタケ菌糸を馴化する際の温度の相違で脂肪酸組成が変わることがわかった。

Claims (3)

  1. 0〜10℃の温度で馴化されたエノキタケの菌糸体が含有されていることを特徴とする肝機能の保護・改善剤。
  2. エノキタケの菌糸体がYG培地で培養されたものである請求項1記載の肝機能の保護・改善剤。
  3. エノキタケの菌糸体にミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、γ−リノレン酸、及びα−リノレン酸が含有されている請求項1又は2記載の肝機能の保護・改善剤。
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