JP5498300B2 - 建物の機器制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、建物の機器制御システムに関する。
一般に住宅等の建物では、商用電力系統等から電力の供給を受け稼動する空調装置や照明装置等の設備機器が設置されている。また、省エネルギや電力コストの節約の観点から、建物に、太陽光パネルや燃料電池等、商用電力系統とは別に電力供給機器が設置されている場合もある(例えば特許文献1)。
設備機器や電力供給機器等の機器は、長期にわたる使用等により劣化が生じることが考えられる。例えば空調装置では該空調装置の稼動時において冷房能力の低下が生じたり、電力供給機器では該供給機器の稼動時において給電能力(換言すると発電能力)の低下が生じたりする等、性能劣化が生じることがある。
ここで、従来より機器の劣化診断を行う劣化診断システムが知られている。この種のシステムとしては、例えば機器の稼動履歴を記憶手段に記憶しておき、その記憶した稼動履歴に基づいて、具体的には機器の稼動時間に基づいて劣化診断を行うものがある。これによれば、機器の劣化を確認することができるため、機器が劣化した場合にメンテナンスを施す等適切な処置をとることができる。
特開2007−336656号公報
ところで、機器の劣化の進み具合は、機器の稼動時間に依存するだけでなく機器の設置環境にも依存して変動することが考えられる。例えば、稼動時間が同じ2つの機器について、一方の機器が常温の環境下に設置され、他方の機器が高温の環境下に設置されている場合、高温の環境下に設置されている機器の方が劣化の進行が早くなる場合があると考えられる。したがって、機器の稼動時間だけに基づいて機器の劣化診断を行うシステムでは、劣化診断を好適に行えないおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、機器の劣化診断を好適に行うことができる建物の機器制御システムを提供することを主たる目的とするものである。
上記課題を解決すべく、第1の発明の建物の機器制御システムは、建物の屋内側又は屋外側に設けられた機器を備える建物の機器制御システムであって、前記機器の稼働状況に関する稼動情報を取得する稼動情報取得手段と、前記機器の設置環境に関する設置環境情報を取得する設置環境取得手段と、前記稼動情報取得手段により取得した前記機器の稼動状況を、その取得時において前記設置環境取得手段により取得した前記機器の設置環境ととともに稼動履歴として記憶する稼動履歴記憶手段と、前記稼動履歴記憶手段に記憶されている稼動履歴に基づいて、前記機器の劣化診断を行う劣化診断手段と、を備えることを特徴とする。
建物に設置された機器の劣化の進み具合は、機器の稼動時間や稼動負荷に依存して変わるものであるが、それだけはなく機器の設置環境にも依存して変わることが考えられる。要するに、機器の設置環境が常温である場合とそれよりも低温又は高温である場合とでは、劣化の進み具合が異なると考えられ、例えば設置環境が著しく高温である場合には、劣化の進行が促進されると考えられる。この点本発明によれば、機器の稼動状況がその稼動時における機器の設置環境とともに稼動履歴として記憶され、その記憶された稼動履歴に基づいて機器の劣化診断が行われる。そのため、例えば設置環境が著しく高温の場合には劣化の進行が比較的速く進んでいると診断する等、機器の設置環境を加味した劣化診断を行うことができる。これにより、機器の劣化診断を好適に行うことができる。
第2の発明の建物の機器制御システムは、第1の発明において、前記稼動情報取得手段は、前記機器の実稼動能力を算出し該算出した実稼働能力を前記稼動情報として取得するものであり、前記稼動履歴記憶手段は、前記稼動情報取得手段により取得した前記機器の実稼動能力を、その取得時において前記設置環境取得手段により取得した前記機器の設置環境とともに前記稼動履歴として記憶し、前記設置環境取得手段により取得した前記機器の現在の設置環境と同一又は略同一の設置環境での前記機器の過去の実稼動能力を前記稼動履歴記憶手段より抽出する抽出手段を備え、前記劣化診断手段は、前記稼動能力取得手段により取得した現在の実稼動能力を、前記抽出手段により抽出した前記機器の過去の実稼動能力と比較して前記機器の劣化診断を行うことを特徴とする。
本発明によれば、機器の現在の設置環境と同一又は略同一の設置環境での機器の過去の実稼動能力と、現在の実稼動能力とを比較して劣化診断が行われる。すなわち、機器の設置環境を同じ条件として現在の実稼動能力と過去の実稼働能力との比較が行われる。これにより、機器において稼動能力の低下が見られた場合、その低下は設置環境の変動によるものではないと判断できるため、機器の劣化診断をより一層好適に行うことができる。また、この場合、劣化判定の基準が過去の稼動状況に応じて設定されるため、機器ごとに実際の稼動に即した劣化判定を実施できる。
第3の発明の建物の機器制御システムは、第1又は第2の発明において、前記機器として、前記建物内の空調を行う空調装置を備え、該空調装置の室外機が屋外に設置されており、前記設置環境取得手段は、前記空調装置の設置環境情報として、空調対象となる屋内空間の環境に関する屋内環境情報と、屋外の環境に関する屋外環境情報とを取得し、前記稼動履歴記憶手段は、前記稼動情報取得手段により取得した前記空調装置の稼動状況を、その取得時において前記設置環境取得手段により取得した屋内環境情報及び屋外環境情報とともに前記空調装置の稼動履歴として記憶し、前記劣化診断手段は、前記稼動履歴記憶手段に記憶されている前記空調装置の稼動履歴に基づいて、前記空調装置の劣化診断を行うことを特徴とする。
空調装置では、長期の使用等によって冷房能力(又は暖房能力)の低下等の劣化が生じることがある。空調装置の冷房能力は、空調装置の劣化により変動(低下)するだけでなく、空調対象となる屋内空間の温度・湿度等の屋内環境や、屋外の温度・湿度等の屋外環境に依存して変動する。そのため、冷房能力の低下が確認された場合、それが空調装置の劣化によるものなのかそれとも屋内環境又は屋外環境の変動によるものなのか判別するのが困難である。そこで、本発明では、この点に鑑みて、空調装置の稼動状況に加え、上記屋内環境と上記屋外環境とに基づいて空調装置の劣化診断を行うこととしている。この場合、空調装置の冷房能力の低下が見られた場合において、それが空調装置の劣化によるものなのかそれとも屋内環境又は屋外環境の変動によるものなのか判断することが可能となり、その結果空調装置の劣化診断を好適に行うことができる。
第4の発明の建物の機器制御システムは、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記機器として、電力供給機器と、該電力供給機器及び商用電力系統の少なくともいずれかからの電力により稼動する電気設備機器とを備え、前記稼動履歴記憶手段は、前記電力供給機器の稼動履歴を記憶し、前記設置環境取得手段は、前記電力供給機器の設置環境を取得し、前記劣化診断手段は、前記電力供給機器の稼動履歴と設置環境とに基づいて、前記電力供給機器の劣化診断を行い、前記劣化診断手段による前記電力供給機器の劣化診断の結果に基づいて、前記電力供給機器及び前記商用電力系統のうちいずれからの電力を優先して前記電気設備機器に供給するかを決定する決定手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、電力供給機器の劣化状況に基づいて、電力供給機器及び商用電力系統のうちいずれから優先して電気設備機器に電力を供給するかが決定される。したがって、例えば電力供給機器に劣化が生じた場合に、電力供給機器よりも商用電力系統から優先して電気設備機器への給電を行うことができる。これにより、劣化が生じた電力供給機器の稼動負荷を低減させることができるため、電力供給機器を長持ちさせることができる。
また、電力供給機器が燃料を用いて発電を行う発電機能を有しその発電電力を電気設備機器に供給するものである場合、電力供給機器が劣化してその発電効率が低下しているときに、当該劣化状態の電力供給機器より電気設備機器に電力供給を行うのは省エネ性の観点からすると好ましくない。その点、本発明によれば、劣化した電力供給機器よりも商用電力系統から優先して電気設備機器への給電を行えるため、電力供給機器に劣化が生じても省エネ性が損なわれるのを抑制することができる。
第5の発明の建物の機器制御システムは、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記劣化診断手段により前記機器が劣化していると診断された場合に、前記機器に対して稼動制限を行う稼動制限手段を備えることを特徴とする。
劣化が進行した状態で機器を稼動させると、劣化前に比べて消費エネルギが増大したり劣化の進行を早めて機器の寿命が短くなったりする等不都合を招く。この点本発明によれば、機器が劣化していると診断された場合に、機器に対して稼動制限が行われる。そのため、例えば機器の1日当たりの稼動時間に制限を加えたり機器の稼動負荷に上限を設けたりすることができる。これにより、上記の不都合を抑制することができる。
また、稼動制限手段による稼動制限に際しては、劣化診断手段により診断された機器の劣化状況に応じて、機器に対する稼動制限の度合いを調整するようにしてもよい。例えば、機器の劣化が進行し始めたばかりの場合には、機器の稼動時間を通常時の稼動時間と比べ少しだけ短縮し、機器の劣化が著しく進行している場合には機器の稼動時間を大幅に短縮する等してもよい。これにより、機器の劣化状態に応じた適正な稼動制限を行うことができる。
第6の発明の建物の機器制御システムは、第5の発明において、前記機器は、前記建物内の環境を調整するものであり、前記建物内にいる人について生体情報を取得する生体情報取得手段と、前記生体情報取得手段により取得した生体情報に基づいて、前記機器の稼動による前記建物内の環境調整を要するか否かを判定する判定手段と、を備え、前記稼動制限手段は、前記判定手段により前記機器の稼動による前記環境調整を要すると判定された場合には、前記劣化診断手段による劣化診断の結果にかかわらず前記稼動制限を実施しないことを特徴とする。
本発明によれば、建物内にいる人の生体情報に基づいて、機器の稼動による建物内の環境調整を要するか否かが判定され、環境調整を要すると判定された場合には機器が劣化している場合でも機器の稼動制限が実施されない。ここで、建物内の環境を調整する機器としては、空調装置等の建物内の温度環境または湿度環境を調整する機器が挙げられる。この場合、例えば空調装置が劣化状態にあっても、ユーザが風邪をひいている場合には空調装置を稼動制限することなく使用(例えば暖房運転)することができる。これにより、機器が劣化している場合にユーザの体調を優先した機器の使用が可能となる。
建物の機器制御システムの概略を示す全体構成図。 機器制御システムの電気的構成を示すブロック図。 機器制御処理を示すフローチャート。 空調装置の劣化診断処理を示すフローチャート。 別例における機器制御システムの電気的構成を示すブロック図。 優先制御処理を示すフローチャート。
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、図1は建物の機器制御システムの概略を示す全体構成図である。
図1に示すように、建物10には、分電盤11が設けられている。分電盤11には、商用電力であるAC100Vの交流電力が送電線12を介して供給される。
建物10には、電力供給機器として、太陽光パネル15と発電ユニット16とが設けられている。太陽光パネル15は、太陽光が照射されることにより太陽光発電を行うものであり、例えば建物10の屋根14に設置されている。
発電ユニット16は、改質器と燃料電池とを備えて構成されている。発電ユニット16には、ガス配管17を介して天然ガスが供給される。発電ユニット16において、改質器は上記供給される都市ガスを利用して水素ガスを生成するものであり、燃料電池は、改質器で生成された水素ガスと空気中の酸素とを反応させて発電を行うものである。発電ユニット16は、例えば建物10(詳しくはその外壁)に隣接して屋外設置されている。
建物10には、蓄電装置18が設けられている。蓄電装置18には、太陽光パネル15及び発電ユニット16により発電された電力がそれぞれ電力線26,27を介して供給される。これにより、蓄電装置18が充電される。また、各電力線26,27には、それぞれ電力量計35,36が設けられている。電力線26に設けられたパネル用電力量計35は、太陽光パネル15で発電された電力量を計測するものであり、電力線27に設けられたユニット用電力量計36は発電ユニット16で発電された電力量を計測するものである。
蓄電装置18には、送電線12と、当該送電線12から分岐された分岐線21とを介して商用電力が供給される。分岐線21には遮断装置23が設けられており、この遮断装置23により蓄電装置18への商用電力の供給が許可及び遮断される構成となっている。これにより、例えば夜間に遮断装置23を閉操作することで、電力単価が比較的安価な夜間電力を用いて蓄電装置18の充電ができる。
蓄電装置18は、電力線25を介して分電盤11と接続されている。これにより、分電盤11には蓄電装置18に蓄えられた電力(蓄電電力)が供給される。したがって、分電盤11には2系統の電力が供給されることとなり、送電線12を介して商用電力が供給され、蓄電装置18からは電力線25を介して蓄電電力が供給される。また、分電盤11には、商用電力系統及び蓄電装置18のいずれから分電盤11への給電を行うかを切り替える切替装置24が設けられ、この切替装置24の切替操作により商用電力及び蓄電電力のいずれかが分電盤11に供給されるようになっている。本実施形態では、商用電力よりも蓄電装置18の蓄電電力が優先されて分電盤11に供給されるようになっている。
建物10には、設備機器として、空調装置31と照明装置32と給湯設備33とが設けられている。空調装置31は、居室19を空調対象として冷暖房を行うものであり、例えば居室19の内壁面に設けられている。また、空調装置31の室外機(図示略)は屋外に設置されている。照明装置32は、光を照射して居室19を照らすものであり、例えば蛍光灯からなる。照明装置32は、居室19の天井面に設けられている。
空調装置31及び照明装置32には、分電盤11より電力線28,29を介して電力が供給され、この供給された電力によりこれら各装置31,32が稼動する。すなわち、ここで空調装置31及び照明装置32が電気設備機器に相当する。また、分電盤11と空調装置31とを結ぶ電力線28には、同空調装置31で消費された電力消費量を計測する空調用電力量計37が設けられ、分電盤11と照明装置32とを結ぶ電力線29には、同照明装置32で消費された電力消費量を計測する照明用電力量計38が設けられている。
給湯設備33は、天然ガスを燃料として燃焼するボイラ(図示略)と、そのボイラによる燃焼熱により加熱された水(湯)を蓄える貯湯槽(図示略)とを有している。給湯設備33は、例えば屋外において建物10に隣接して設置されている。給湯設備33の貯湯槽は循環配管41を介して居室19に設けられた床暖房設備43と接続されている。貯湯槽内の湯は循環配管41を通じて当該貯湯槽と床暖房設備43との間を循環し、その循環する湯によって床暖房設備43が加熱される。そして、その加熱された床暖房設備43により居室19が暖められる。つまり、本建物10では、居室19を空調装置31だけでなく床暖房設備43によっても暖房できるようになっている。但し、本実施形態では、空調装置31と床暖房設備43とを同時に用いることを想定しておらず、これら各装置31,43のいずれか一方を用いて居室19を暖房することとしている。
給湯設備33には、当該設備33に天然ガスを供給するガス配管45が接続されている。ガス配管45には、給湯設備33に供給されるガス量を、すなわち給湯設備33で消費されるガス量を計測するガス量計46が設けられている。
建物10には、屋内温検知手段としての居室温センサ51が設けられている。居室温センサ51は、居室19の温度を検知するセンサであり、例えば居室19の内壁面に設けられている。
建物10には、屋外温検知手段としての屋外温センサ52が設けられている。屋外温センサ52は、屋外の温度を検知するセンサであり、例えば建物10の外壁の屋外面に設けられている。
建物10には、日射量センサ53が設けられている。日射量センサ53は、建物10周りの日射量を検知するセンサであり、例えば建物10の屋根14に設けられている。
建物10には、照度センサ54が設けられている。照度センサ54は、居室19内の照度を検知するセンサであり、例えば居室19の内壁面に設けられている。なおここで、上記各センサ51〜54はそれぞれ設置環境取得手段に相当する。
建物10には、本システムを管理する管理サーバ60が設けられている。管理サーバ60は、例えば居室19の内壁面に設けられている。次に、この管理サーバ60の構成を中心として本システムの電気的構成について図2に基づいて説明する。なお、図2は、機器制御システムの電気的構成を示すブロック図である。
図2に示すように、管理サーバ60は、劣化診断手段としてのコントローラ61と、ユーザにより操作される操作部62と、各種情報が表示される表示部63を備えている。コントローラ61は、操作部62、表示部63及び報知部64と接続されている。
コントローラ61は、CPU等を有する周知のマイクロコンピュータにより構成されており、各機器の稼動情報等を記憶する記憶部66を備えている。
操作部62は、例えばキーボード等を備えてなる。操作部62に対して操作が行われるとその操作に応じた操作信号がコントローラ61に入力される。
表示部63は、例えばディスプレイ等を備えてなる。コントローラ61から表示部63に各種情報が入力されると、その入力された情報が表示部63に表示される。
報知部64は、音声を出力するスピーカ等を備えてなる。コントローラ61から報知部64に報知信号が入力されると、報知部64より音声が出力される。
コントローラ61には、居室温センサ51から居室19の温度が、屋外温センサ52から屋外の温度が、日射量センサ53から日射量が、照度センサ54から居室19の照度が逐次入力される。
コントローラ61には、パネル用電力量計35から太陽光パネル15による発電量が逐次入力される。コントローラ61は、入力された太陽光パネル15の発電量に基づいて同パネル15の発電能力(実稼動能力に相当)を算出する。具体的には、コントローラ61は、所定時間ごとに同パネル15における単位時間当たりの発電量、すなわち発電電力を発電能力として算出する。そして、コントローラ61は、その算出(取得)した太陽光パネル15の発電電力と、その発電電力の取得時において日射量センサ53から入力された日射量とを対応付けて都度記憶部66に記憶する。したがって、記憶部66には、いつどのくらいの電力が太陽光パネル15により発電されたかに関する発電履歴情報(稼動履歴に相当)が、日射量の履歴と対応付けて記憶される。
コントローラ61には、ユニット用電力量計36から発電ユニット16による発電量が逐次入力される。コントローラ61は、入力された発電ユニット16の発電量に基づいて同ユニット16の発電能力(実稼動能力に相当)を算出する。具体的には、コントローラ61は、所定時間ごとに同ユニット16における単位時間当たりの発電量、すなわち発電電力を発電能力として算出する。コントローラ61は、その算出(取得)した発電ユニット16の発電電力と、その発電電力の取得時において屋外温センサ52から入力された屋外の温度とを対応付けて都度記憶部66に記憶する。したがって、記憶部66には、いつどのくらいの電力が発電ユニット16により発電されたかに関する発電履歴情報(稼動履歴に相当)が、屋外温度の履歴と対応付けて記憶される。
コントローラ61には、空調用電力量計37から空調装置31の電力消費量が逐次入力される。コントローラ61は、入力された空調装置31の電力消費量に基づいて空調装置31の暖房能力(実稼動能力に相当)を算出する。具体的には、コントローラ61は、所定時間ごとに空調装置31の定常運転時に入力された空調装置31の電力消費量に基づいて、同運転時に要する空調装置31の所定時間当たりの電力消費量を暖房能力として算出する。つまり、暖房設定温度を同一とする運転状況で比較した場合、暖房能力が大きければその設定温度を維持するための電力消費量が少なくなり、逆に暖房能力が小さければ上記電力消費量が多くなる。したがって、この定常運転時では空調装置31の所定時間当たりの電力消費量が少ないほど、空調装置31の暖房能力が高いと判断することができる。
なお、空調装置31が定常運転しているか否かの判定は、例えば居室温センサ51の検知結果と空調装置31の設定温度とに基づいて居室19の温度と空調装置31の設定温度との差を算出し、その算出した温度差が所定範囲内にあるか否かに基づいて行うことができる。
コントローラ61は、上記算出(取得)した空調装置31の所定時間当たりの電力消費量と、当該電力消費量の取得時において居室温センサ51から入力された居室19の温度と、同じく当該電力消費量の取得時において屋外温センサ52から入力された屋外の温度とを対応付けて都度記憶部66に記憶する。したがって、記憶部66には、空調装置31の定常運転時においてどのくらいの電力が同装置31にて消費されていたかに関する電力消費履歴(稼動履歴に相当)が、その電力消費時における居室19の温度と屋外の温度とに対応付けて記憶される。
コントローラ61には、照明用電力量計38から照明装置32の電力消費量が逐次入力される。コントローラ61は、入力された照明装置32の電力消費量に基づいて、詳しくは照明装置32において電力が消費されていない同装置32の消灯状態から電力が消費されている同装置32の点灯状態に移行した場合に、照明装置32が点灯されたと判定する。そして、コントローラ61は、照明装置32が点灯された場合に、照度センサ54からの検知結果に基づいて点灯前後の居室19の照度を、すなわち照明装置32の消灯時における居室19の照度と照明装置32の点灯時における居室19の照度(実稼動能力に相当)とを取得し、これら取得した各照度を対応付けて記憶部66に記憶する。これにより、記憶部66には、照明装置32の点灯時における居室19の照度が、その照度取得時における居室19の本来の照度(照明装置32消灯時の照度)と対応付けて記憶される。
コントローラ61には、給湯設備33における天然ガスの消費量がガス量計46から逐次入力される。コントローラ61は、入力された給湯設備33のガス消費量に基づいて床暖房設備43の暖房能力(実稼動能力に相当)を算出する。具体的には、コントローラ61は、所定時間ごとに床暖房設備43による暖房運転により居室19の温度が目標温度(設定温度)に維持されている温度安定時に入力された給湯設備33のガス消費量に基づき、同安定時における所定時間当たりのガス消費量を暖房能力として算出する。この温度安定時では給湯設備33のガス消費量が少ないほど、より少ない天然ガスで居室19の温度を目標温度に維持できるということであり、よって暖房能力が高いと判断することができる。
なお、居室19が温度安定時にあるか否かは、例えば居室温センサ51からの検知結果に基づいて判定することができる。
コントローラ61は、上記算出(取得)した給湯設備33の所定時間当たりのガス消費量と、当該ガス消費量の取得時において居室温センサ51から入力された居室19の温度と、同じく当該ガス消費量の取得時において屋外温センサ52から入力された屋外の温度とを対応付けて都度記憶部66に記憶する。したがって、記憶部66には、床暖房設備43の安定状態時においてどのくらいの天然ガスが同設備43で消費されたかに関するガス消費履歴(稼動履歴に相当)が、そのガス消費時における居室19の温度と屋外の温度とに対応付けて記憶される。
コントローラ61は、記憶部66に記憶されている各電力供給機器15,16及び各設備機器31〜33の稼動履歴等に基づき、これら各機器15,16,31〜33の劣化診断を実施する。そしてコントローラ61は、かかる劣化診断の結果に基づいて、各電力供給機器15,16及び各設備機器31〜33の動作制御を実施したり、遮断装置23の開閉制御を実施したりする。
次に、コントローラ61により実行される機器制御処理について図3に基づいて説明する。図3は機器制御処理を示すフローチャートである。なお、本処理は、定期的に実行されるものであり、例えば1か月ごとに設定された開始日時になったことをトリガとして開始される。また、以下の説明では、冬場において本処理が行われることを想定している。
なお、本処理は、必ずしも開始日時をトリガとして開始される必要はなく、ユーザによる操作部62に対する開始操作をトリガとして開始されるようにしてもよい。また、建物10にユーザが在宅しているか否かを検出するユーザ検出手段(例えば人感センサなど)を設け、ユーザが不在であることが検出された場合に本処理が開始されるようにしてもよい。
図3に示すように、まずステップS11では、各設備機器31〜33に対して稼動停止信号を出力し、各設備機器31〜33の稼動を停止させる。具体的には、各設備機器31〜33が現在稼動中であるか否かを判定し、稼動中であると判定された設備機器31〜33についてその稼動を停止させる。
ステップS12では、設備機器31〜33の劣化診断処理を実施する。具体的には、空調装置31、照明装置32及び給湯設備33の劣化診断処理を実施する。そこでまず、これら各設備機器31〜33の劣化診断処理のうち空調装置31の劣化診断処理を図4のフローチャートに基づいて具体的に説明する。図4は空調装置31の劣化診断処理を示すフローチャートである。
図4に示すように、まずステップS31では、空調装置31に暖房運転信号を出力し空調装置31の暖房運転を開始する。
続くステップS32では、空調装置31が定常運転をしているか否かを判定する。この判定は、居室温センサ51からの検知結果と空調装置31の設定温度とに基づいて、居室19の温度と空調装置31の設定温度との温度差を算出し、その算出した温度差が所定の範囲内にあるか否かに基づいて行う。空調装置31が定常運転をしている場合には、ステップS33に進み、空調装置31が定常運転をしていない場合にはすなわち過渡運転をしている場合には、空調装置31が定常運転に移行するまで本ステップを繰り返す。なお、空調装置31の設定温度は予め記憶部66に記憶されている。
ステップS33では、空調用電力量計37からの測定結果に基づいて現在における空調装置31の所定時間当たりの電力消費量(電力消費量の現在データ)を算出(取得)する。次のステップS34では、居室温センサ51及び屋外温センサ52からの検知結果に基づいて現在の居室温度と屋外温度とを取得する。
ステップS35では、抽出処理を実施する。本処理では、現在の居室温度と同一の居室温度でありかつ現在の屋外温度と同一の屋外温度であった時の所定時間当たりの電力消費量(過去データ)、すなわち現在の空調装置31の設置環境(詳しくは設置温度環境)と同一環境であった時の所定時間当たりの電力消費量を記憶部66から抽出する。なお、現在の設置環境と同一環境での過去データが記憶部66に記憶されていない場合には、線形補完等により当該設置環境に対応するデータを算出する。
ステップS36では、空調装置31の劣化診断を行う。空調装置31は劣化すると暖房効率(エネルギ効率)が低下し単位時間当たりの電力消費量が増大することが考えられる。ここで、空調装置31の単位時間当たりの電力消費量は空調装置31の劣化により変動(増大)するだけでなく、空調対象となる居室19の温度や屋外温度にも依存して変動すると考えられる。そこで、空調装置31の劣化診断ではこの点に着目して、ステップS35で抽出した(又は算出した)所定時間当たりの電力消費量の過去データと、ステップS33で取得した所定時間当たりの電力消費量の現在データとを比較し空調装置31の劣化診断を行う。すなわち、本処理では、居室温度及び屋外温度の条件を統一して、現在における所定時間当たりの電力消費量と過去における所定時間当たりの電力消費量との比較を行っている。そして、本劣化診断では、現在における所定時間当たりの電力消費量が過去におけるそれよりも増加している場合に、具体的には所定量以上増加している場合に、空調装置31が劣化しているとみなすこととしている。
ステップS37では、空調装置31に運転停止信号を出力して空調装置31の暖房運転を停止させる。その後、本処理を終了する。
図3の説明に戻り、ステップS12における空調装置31以外の設備機器32,33の劣化診断処理について説明する。まず、照明装置32の劣化診断について説明すると、照明装置32が劣化すると、その照度が、換言すると照明装置32の点灯時における居室19の照度が低下すると考えられる。ここで、照明装置32の点灯時における居室19の照度は、照明装置32の劣化により変動(低下)するだけでなく、照明装置32の消灯時における居室19の照度にも依存して変動すると考えられる。そこで照明装置32の劣化診断では、この点に着目し、まず照度センサ54からの検知結果に基づいて現在の居室19の照度を、すなわち照明装置32が消灯している状態での現在の居室照度を取得する。次に、照明装置32に点灯信号を出力し照明装置32を点灯させ、その点灯状態における現在の居室照度(現在データ)を照度センサ54から取得する。そして、消灯時の居室照度が現在の消灯時の居室照度と同じであった場合における点灯時の居室照度(過去データ)を記憶部66より抽出し、その抽出した過去データと現在データとを比較して照明装置32の劣化診断を行う。すなわち、本処理では、消灯時における居室19の照度条件を統一して、点灯時における現在の居室照度と、同じく点灯時における過去の居室照度との比較を行う。そして、本劣化診断では、現在の居室照度が過去の居室照度よりも下回っている場合に、具体的には所定以上下回っている場合に照明装置32が劣化しているとみなすこととしている。
次に、給湯設備33の劣化診断処理について説明する。給湯設備33(床暖房設備43を含む)は劣化すると、当該設備33の暖房効率(エネルギ効率)が低下し単位時間当たりのガス消費量が増大することが考えられる。ここで、給湯設備33の単位時間当たりのガス消費量は給湯設備33の劣化により変動(増大)するだけでなく、居室温度や屋外温度にも依存して変動すると考えられる。そこで給湯設備33の劣化診断では、この点に着目し次のような処理を行う。まず、給湯設備33に対し運転信号を出力して給湯設備33の稼動を開始し、床暖房設備43による暖房運転を開始する。運転開始後、居室19の温度が目標温度に達し温度安定時に移行した場合に、ガス量計46からの測定結果に基づいて現在における給湯設備33の所定時間当たりのガス消費量(ガス消費量の現在データ)を算出(取得)するとともに、居室温センサ51及び屋外温センサ52からの検知結果に基づいて現在の居室温度及び屋外温度を取得する。そして、現在の居室温度と同一の居室温度でありかつ現在の屋外温度と同一の屋外温度であった時の過去の所定時間当たりのガス消費量(過去データ)を記憶部66より抽出し、その抽出した過去データと前記取得した現在データとを比較して給湯設備33の劣化診断を行う。すなわち、本処理では、居室温度及び屋外温度の条件を統一して、現在における所定時間当たりのガス消費量と過去における所定時間当たりのガス消費量とを比較し劣化診断を行う。そして、本劣化診断では、現在の所定時間当たりのガス消費量が過去のそれよりも増加している場合に、具体的には所定量以上増加している場合に給湯設備33が劣化しているとみなすこととしている。
なお、本劣化診断の際には、空調装置31の暖房運転が停止しているため、空調装置31による暖房の影響を考慮することなく給湯設備33の劣化診断を行うことができる。
ステップS13では、電力供給機器15,16の劣化診断処理、すなわち太陽光パネル15及び発電ユニット16の劣化診断処理を実施する。まず、太陽光パネル15の劣化診断処理について説明すると、太陽光パネル15は劣化すると発電電力が低下することが考えられる。ここで、太陽光パネル15の発電電力は同パネル15の劣化により変動(低下)するだけでなく、日射量にも依存して変動すると考えられる。そこで、太陽光パネル15の劣化診断ではこの点に着目し、まずパネル用電力量計35からの測定結果に基づいて、現在の太陽光パネル15の発電電力(発電電力の現在データ)を算出(取得)するとともに、日射量センサ53からの検知結果に基づいて現在の日射量を取得する。そして、現在の日射量と同一の日射量であった時の過去の発電電力(過去データ)を記憶部66より抽出し、その抽出した過去データと前記取得した現在データとを比較して太陽光パネル15の劣化診断を行う。すなわち、本処理では、日射量の条件を統一して現在の発電電力と過去の発電電力との比較を行う。そして、かかる比較により、現在の発電電力が過去の発電電力よりも下回っている場合に、具体的には所定量以上下回っている場合に太陽光パネル15が劣化しているとみなすこととしている。
次に発電ユニット16の劣化診断処理について説明すると、発電ユニット16は劣化すると発電電力が低下することが考えられる。ここで、発電ユニット16の発電電力は同ユニット16の劣化により変動(低下)するだけでなく、発電ユニット16が設置されている設置環境温度にも、すなわち屋外の温度にも依存して変動すると考えられる。そこで、発電ユニット16の劣化診断ではこの点に着目し、まずユニット用電力量計36からの測定結果に基づいて現在の発電ユニット16の発電電力(発電電力の現在データ)を算出(取得)するとともに、屋外温センサ52からの検知結果に基づいて現在の屋外温度を取得する。そして、現在の屋外温度と同一の屋外温度であった時の過去の発電電力(過去データ)を記憶部66より抽出し、その抽出した過去データと前記取得した現在データとを比較して発電ユニット16の劣化診断を行う。すなわち、本処理では、屋外温度の条件を統一して現在の発電電力と過去の発電電力との比較を行う。そして、かかる比較により、現在の発電電力が過去の発電電力よりも下回っている場合に、具体的には所定量以上下回っている場合に発電ユニット16が劣化しているとみなすこととしている。
なお、発電ユニット16の劣化診断処理を行うにあたり、発電ユニット16が稼動していない場合には、まず発電ユニット16を稼動させてから同ユニット16の劣化診断処理を行う。
また、ステップS12及びステップS13における各設備機器31〜33及び各電力供給機器15,16の劣化診断処理において現在の機器の設置環境と過去の設置環境とが同一であるか否かの判断は、例えば温度環境の場合には1℃の幅をもたせる等所定の幅(同一相当の幅)をもたせて行われるのが望ましい。
ステップS14では、上記各ステップS12,S13における劣化診断処理の結果をユーザに通知する通知処理を行う。本処理では、劣化診断の結果(劣化の有無、劣化の程度など)を表示部63に表示することで通知を行う。例えば、各電力供給機器15,16及び各設備機器31〜33のいずれにも劣化が見られない場合には、「劣化はありません」「異常なし」等のメッセージを表示部63に表示する。また、いずれかの機器に劣化が見られた場合には、「太陽光パネルの発電効率が低下しています。」「照明装置32の交換時期です。」「空調装置の冷房効率15%低下」等のメッセージを表示する。これにより、ユーザは各電力供給機器15,16及び各設備機器31〜33の劣化状況を知ることができるため、メンテナンスを行う等適切な対応をとることができる。
なお、通知処理は、必ずしも劣化診断の結果を表示部63に表示する方法に限定することはない。例えば、コントローラ61にユーザの携帯する携帯装置との通信を可能とする通信機能を付与し、ユーザの携帯装置に劣化診断処理の結果を送信することで通知を行ってもよい。
また、劣化診断の結果、各電力供給機器15,16及び各設備機器31〜33のいずれかが劣化していると診断された場合に、報知部64によりその旨を報知する報知処理を行ってもよい。報知処理としては、例えばアラーム音を報知部64より出力したり、「空調装置の冷房効率が低下しています。」等の音声を出力したりすることが考えられる。これにより、機器15,16,31〜33に劣化が生じている場合に、ユーザにメンテナンス等の対応を促すことができる。
ステップS15では、ステップS12,S13における各設備機器31〜33の劣化診断の結果に基づいて、各設備機器31〜33のいずれかに劣化が生じているか否かを判定する。各設備機器31〜33のいずれにも劣化が生じていない場合には、ステップS17に進み、各設備機器31〜33のいずれかに劣化が生じている場合には、ステップS16に進む。
ステップS16では、稼動制限処理を実行する。劣化が進行した状態で設備機器31〜33を稼動させた場合、劣化前に比べて消費エネルギが増大したり劣化の進行を早めて設備機器31〜33の寿命が短くなったりする等不都合を招くおそれがある。そこで本ステップでは、劣化が生じていると診断された設備機器31〜33に稼動制限を行うこととしている。具体的には、例えば空調装置31が劣化している場合に、居室19の温度が所定温度を超えないよう空調装置31の暖房負荷(稼動負荷)に制限を加える処理を行う。また、照明装置32が劣化している場合に、照明装置32の1日における点灯時間(稼動時間)を8時間までとする等、点灯時間に制限を加える処理を行う。これにより、上記の不都合を抑制することができるため、省エネ性や長寿命の観点から好ましい。
なお、空調装置31が劣化している場合には、空調装置31の稼動を禁止し代わりに給湯設備33を稼動させて床暖房設備43により居室19の暖房を行ってもよい。また、逆に給湯設備33が劣化している場合には、給湯設備33の稼動を禁止し代わりに空調装置31を稼動させ居室19の暖房を行ってもよい。そうすれば、劣化により単位時間当たりの電力消費量(換言するとエネルギ効率)が増大している空調装置31の使用を避けることができるため、エネルギ効率の面から好ましい。
ステップS17では、ステップS13における発電ユニット16の劣化診断の結果に基づき、発電ユニット16に劣化が生じているか否かを判定する。発電ユニット16に劣化が生じていない場合には、本処理を終了し、発電ユニット16に劣化が生じている場合には、ステップS18に進む。
ステップS18では、劣化状態にある発電ユニット16よりも商用電力系統から優先して蓄電装置18への給電を行う優先給電処理を実施する。本処理では、蓄電装置18への給電を行う際、遮断装置23を閉状態(通電状態)として商用電力系統から蓄電装置18への給電を行うとともに(なお、太陽光パネル15からは同パネルによる発電電力が常時蓄電装置18へ供給されるようになっている。)、発電ユニット16の稼動を停止させ発電ユニット16から蓄電装置18への給電を停止する。そして、商用電力系統及び太陽光パネル15からの給電だけでは目標の電力量を所定時間内に蓄電装置18に蓄えられない場合にのみ(例えば雨が降って太陽光パネル15による発電ができない場合等)、発電ユニット16を稼動させ発電ユニット16からの給電を実施する。これにより、劣化が生じた発電ユニット16の稼動率を低減させることができるため発電ユニット16を長持ちさせることができ、ひいては各電力供給機器15,16を長持ちさせることにつながる。また、商用電力系統からの給電を優先させることで、性能の劣化に伴って発電効率が低下した発電ユニット16の使用頻度を低減させることができるため、省エネ効果も期待できる。その後、本処理を終了する。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
取得した機器15,16,31〜33の稼動状況を、その稼動状況の取得時において取得した機器15,16,31〜33の設置環境情報とともに稼動履歴として記憶部66に記憶し、その記憶した稼動履歴に基づいて、機器15,16,31〜33の劣化診断を行った。これにより、機器15,16,31〜33の稼動状況に加え機器15,16,31〜33の設置環境に基づいて劣化診断が行われるため、例えば設置環境が著しく高温の場合には劣化の進行が比較的速く進んでいると診断する等、機器15,16,31〜33の設置環境を加味した劣化診断を行うことができる。これにより、機器15,16,31〜33の劣化診断を好適に行うことができる。
具体的には、記憶部66に、算出(取得)した機器15,16,31〜33の実稼動能力と、当該実稼動能力の取得時において取得した機器15,16,31〜33の設置環境とを対応付けて記憶するようにした。そして、機器15,16,31〜33の現在の設置環境と同一又は略同一の過去の設置環境での機器15,16,31〜33の実稼動能力を記憶部66より抽出し、その抽出した機器15,16,31〜33の過去の実稼動能力と現在の実稼動能力とを比較して機器15,16,31〜33の劣化診断を行った。これによれば、機器15,16,31〜33の設置環境を同じ条件として現在の機器15,16,31〜33の実稼動能力と過去の実稼働能力との比較を行える。したがって、機器15,16,31〜33において稼動能力の低下が見られた場合、その低下は設置環境の変動によるものではないと判断でき、その結果機器15,16,31〜33の劣化診断をより一層好適に行うことができる。また、この場合、劣化判定の基準が過去の稼動状況に応じて設定されるため、機器ごとに実際の稼動に即した劣化判定を実施できる。
空調装置31については、記憶部66に、取得した空調装置31の所定時間当たりの電力消費量(実稼動能力)と、その所定時間当たりの電力消費量の取得時において居室温センサ51及び屋外温センサ52により取得した居室19の温度及び屋外の温度とを対応付けて稼動履歴として記憶し、その空調装置31の稼動履歴に基づいて空調装置31の劣化診断を行うこととした。この場合、空調装置31における所定時間当たりの電力消費量の増大が換言すると空調装置31の暖房能力の低下が見られた場合に、それが空調装置31の劣化によるものなのかそれとも居室19の温度又は屋外の温度の変動によるものなのか判断することが可能となり、その結果空調装置31の劣化診断を好適に行うことができる。
居室19を対象として温度調整を行う温調機器として、異なるエネルギを稼動源とする複数の温調機器が、具体的には電力により稼動する空調装置31と天然ガスにより稼動する給湯設備33(床暖房設備43)とが設けられており、これら各温調機器31,33の劣化診断の結果に基づいて、各温調機器31,33のうちいずれを稼動させるかを決定するようにした。これにより、劣化によりエネルギ効率が低下している温調機器31,33の使用を避けることができるため、エネルギ効率の面から好ましいといえる。
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施形態では、機器の劣化診断を行うシステムについて説明したが、上記のシステムにさらに居室19の環境を制御する機能を付加してもよい。具体的には、ユーザ(つまり建物10内の住人)による設備機器31〜33に対する操作履歴に基づいて、ユーザの行動予測を行い、その予測結果に基づいて各設備機器31〜33を動作制御することが考えられる。以下、その具体例について図5に基づいて説明する。なお、本例では、上記実施形態の構成と異なる点を中心に説明する。
操作部62には、空調用スイッチ71、照明用スイッチ72及び給湯用スイッチ73が設けられている。空調用スイッチ71は、空調装置31のON/OFF操作や目標温度の設定を行うためのスイッチであり、同スイッチ71が操作されると、その操作に応じた操作情報が操作部62から逐次コントローラ61に入力される。照明用スイッチ72は、照明装置32のON/OFF操作を行うためのスイッチであり、同スイッチ72がON/OFF操作されると、その操作に応じた操作情報が操作部62から逐次コントローラ61に入力される。給湯用スイッチ73は、給湯設備33のON/OFF操作を行うためのスイッチであり、同スイッチ73が操作されると、その操作に応じた操作情報が操作部62から逐次コントローラ61に入力される。本例では、給湯用スイッチ73によりON操作されると、給湯設備33の稼動が開始されるとともに給湯設備33から浴槽への給湯も併せて開始されるようになっている。
コントローラ61の入力側には、居室通信部74が接続されている。居室通信部74は、ユーザにより携帯される携帯装置75と通信可能とされており、居室19の壁面等に設けられている。詳細には、居室通信部74は、少なくとも居室19を含む範囲を通信エリアとして携帯装置75と通信可能とされている。
ここで携帯装置75は、例えば携帯電話機により構成されている。携帯装置75は、建物10側の通信部と通信する通信機能と、識別情報としてのIDコードを記憶する記憶機能とを有している。本実施形態では、携帯装置75にあらかじめ当該装置固有(つまりユーザ固有)のIDコードが記憶されている。なお、建物10に、玄関ドアの施開錠を電子キーを用いて行う施開錠システムが設けられている場合には、携帯装置75を電子キーにより構成してもよい。
操作部62の各スイッチ71〜73のうちいずれかがユーザにより操作され、コントローラ61に操作部62から当該操作に応じた操作信号が入力されると、コントローラ61は居室通信部74よりリクエスト信号を送信する。このリクエスト信号がユーザの携帯装置75により受信されると、携帯装置75はその応答としてIDコード信号を送信する。IDコード信号が居室通信部74を通じてコントローラ61により受信されると、コントローラ61は受信したIDコードに基づいてユーザを判別し、その判別したユーザと対応付けて上記入力した各設備機器31〜33のいずれかに対する操作情報を記憶部66に記憶する。また、このときコントローラ61は、現在の日時とも対応付けて設備機器31〜33の操作情報を記憶部66に記憶する。これにより、いつどのユーザがいずれの設備機器31〜33を操作したかに関する操作履歴を把握できる。
コントローラ61の入力側には、生体センサ77が接続されている。生体センサ77は、例えばトイレの便座に設けられた便座センサからなり、ユーザの身体の一部が便座に接触することでそのユーザの生体情報を検出する構成となっている。具体的には、生体センサ77は、生体情報として体温、くしゃみや咳の回数等を検知する。なお、生体センサ77は、便座センサ以外としての具体化も可能である。コントローラ61には、生体センサ77から逐次検知結果が入力される。
コントローラ61の入力側には、生体通信部78が接続されている。生体通信部78は、生体センサ77の近傍に設けられており、具体的にはトイレに設置されている。生体通信部78は、ユーザにより携帯される携帯装置75と通信可能とされている。詳細には、生体通信部78は、少なくともトイレを含む範囲を通信エリアとして携帯装置75と通信可能とされている。
コントローラ61は、生体センサ77から検知結果が入力されると、生体通信部78よりリクエスト信号をトイレに向けて送信する。このリクエスト信号がユーザの携帯装置75により受信されると、携帯装置75はその応答としてIDコードを送信する。ID情報が生体通信部78を通じてコントローラ61により受信されると、コントローラ61は受信したIDコードに基づいてユーザを判別し、その判別したユーザと対応付けて上記検知した生体情報を記憶部66に記憶する。これにより、各ユーザの生体情報を把握することができる。
次に、コントローラ61により実行される各種制御の内容について説明する。まず、居室19の環境制御について説明する。
コントローラ61は、記憶部66に記憶されている各設備機器31〜33の操作履歴に基づいてユーザの行動予測を行い、その行動予測の結果に基づいて各設備機器31〜33の動作制御を実行する。例えば、ユーザが帰宅直後の19:00に空調装置31をON操作した履歴が記憶部66に記憶されている場合には、19:00に又は19:00よりも前に空調装置31を運転させるよう制御することが考えられる。また、空調装置31の設定温度が20℃に設定されていたにもかかわらず、ユーザが空調装置31の設定温度を25℃に変更操作した履歴が記憶部66に記憶されている場合には、居室19の温度が25℃になるよう空調装置31を動作制御することが考えられる。よって、この場合居室19内の環境をユーザの行動に合わせて制御できるためユーザにとって都合がよい。
また、コントローラ61は、記憶部66に記憶されているユーザの生体情報に基づいて、各設備機器31〜33の動作制御を実行する。この場合、ユーザが風邪をひいている場合には居室19の温度を通常よりも高めに設定する等、居室19内をユーザの体調に応じた環境にすることができる。また、ユーザが風邪をひいている場合に報知部64より「早く就寝してください」等のアドバイスを行ってもよい。
さらに、コントローラ61は、予測したユーザの行動と異なる行動をユーザがした場合に、その旨を報知部64より報知するようにしてもよい。例えば、コントローラ61は、記憶部66に記憶されているユーザによる給湯設備33の操作履歴に基づいて、ユーザが21:00から入浴するとの予測を行い、21:00に浴槽への給湯が済むように給湯設備33を制御したにもかかわらず、ユーザが21:00を過ぎても居室19にいると判定し場合には、報知部64より「入浴してください」等のアドバイスを行ってもよい。そうすれば、ユーザに風呂に入るのを促すことができ、浴槽の湯が無駄に冷めるのを回避できる。なお、ユーザが居室19にいることの判定は、携帯装置75からのIDコード信号が居室通信部74を通じてコントローラ61により受信されたことに基づき行うことができる。
次に、稼動制限禁止処理について説明する。
コントローラ61は、記憶部66に記憶されているユーザの生体情報に基づいて、空調装置31の稼動による居室19の温度調整を要するか否かを判定し、温度調整を要すると判定した場合には空調装置31が劣化している場合でも空調装置31に対し稼動制限(図3のステップS16)を行わないよう制御する(稼動制限禁止処理)。つまり、上記実施形態では、空調装置31が劣化している場合には一律に空調装置31に対し稼動制限を行ったが、本例では空調装置31が劣化していても、ユーザの生体情報に基づき空調装置31の稼動による温度調整を要すると判定した場合には空調装置31に対する稼動制限を行わない。したがって、例えばユーザが風邪をひいている場合には、空調装置31が劣化していても、同装置31を稼動制限することなく暖房運転することができ居室19を暖めることができる。そのため、空調装置31が劣化している場合においてユーザの体調を優先した空調装置31の使用が可能となる。また、空調装置31に対する稼動制限処理の実施中に、ユーザの生体情報に基づき空調装置31の稼動による温度調整を要するとの判定がされた場合には、空調装置31の稼動制限を一時的に解除するよう制御する。
なお、建物10に、設備機器として、居室19の湿度を調整すべく加湿器(ミスト発生器でもよい)を設け、その加湿器を本システムの制御対象とした場合には、加湿器に対して稼動制限禁止処理を行ってもよい。そうすれば、ユーザが風邪をひいている場合には加湿器が劣化していても、加湿器を稼動制限することなく加湿器により居室19の加湿を行うことができる。
(2)上記実施形態の電力供給機器として、太陽光パネル15や発電ユニット16に代えて又は加えて、ハイブリッド自動車に搭載された車載バッテリ(高電圧バッテリ)を用いてもよい。ハイブリッド自動車は発電機を有しており、同自動車の走行により発電機で発電が行われ、その発電された電力が車載バッテリに充電されるようになっている。ハイブリッド自動車(以下、自動車という)は建物10に隣接した所定の駐車スペースに駐車されている状態で、接続電力線を介して建物10側と接続可能とされており、その接続状態において自動車の車載バッテリから分電盤11への電力供給が、ひいては電気設備機器31,32への電力供給が接続電力線を通じて可能となっている。
また、建物10には、接続電力線による接続状態において、車載バッテリから分電盤11への給電を許可及び遮断する遮断装置が設けられている。遮断装置は、例えば分電盤11に内蔵されている。遮断装置はコントローラ61と接続されており、コントローラ61からの制御指令に基づいて開閉制御される。この場合、遮断装置が閉操作されることで、車載バッテリから電気設備機器31,32に対しバッテリ電力が供給される。そのため、本来バッテリ電力は自動車の走行に用いられるものであるが、上記のように電力供給機器15,16としても使用可能とすることで電気設備機器31,32に対し低コストの電力供給が可能となる。
ここで、上述したように本例では、車載バッテリが自動車の走行のためのエネルギー源として用いられるとともに電気設備機器31,32への電力供給源として用いられるため、自動車を使用するユーザが複数存在する場合、あるユーザは自動車を用いて外出予定がある一方、他のユーザは車載バッテリのバッテリ電力を用いて空調装置31を稼動させようとする等、複数のユーザが車載バッテリを異なる目的で使用しようとする事態が生じうる。そこで、この点に鑑みて、複数のユーザが車載バッテリに対して異なる目的の使用要求を操作部62に対して行った場合、各ユーザの車載バッテリの使用履歴に基づいていずれのユーザの要求を優先させるかを決定し、その決定に基づいて車載バッテリから電力設備機器31,32への給電を制御することが考えられる。
具体的には、本例の自動車は、車載バッテリの蓄電量を監視する監視機能と、建物10側との通信を行う通信機能とを有している。車載バッテリの蓄電量は自動車から逐次建物10側のコントローラ61に無線等により送信されるようになっており、建物10(コントローラ61)側で車載バッテリの蓄電量を把握できるようになっている。また、建物10には、自動車が建物10側と接続電力線により接続されたことを検知する接続検知センサが設けられており、同センサの検知結果がコントローラ61に逐次入力されるようになっている。コントローラ61は、接続検知センサからの検知結果に基づいて、自動車が建物10に隣接した駐車場に駐車されているのかあるいは走行中なのかを判別する。そして、コントローラ61は、自動車が駐車場に駐車されている場合に車載バッテリの蓄電量の変化(減少側への変化)を確認した場合には、車載バッテリが電気設備機器31,32に対する給電に用いられていると判定する一方、自動車が走行中である場合に車載バッテリの蓄電量の変化を確認した場合には、車載バッテリが自動車の走行のためのエネルギ源として用いられていると判定する。そして、コントローラ61は、車載バッテリが電気設備機器31,32に対する給電及び自動車の走行のエネルギ源のいずれかに使用されていると判定した場合には、車載バッテリの使用情報を都度記憶部66に記憶する。これにより、記憶部66には、車載バッテリがいついずれの使用に供されたかに関する使用履歴が記憶される。また、本例では、ユーザ甲が車載バッテリを自動車の走行のために使用することを、ユーザ乙が車載バッテリを電気設備機器31,32への給電のために使用することを想定しており、したがって、ユーザ甲及び乙による車載バッテリの使用履歴を把握することが可能となっている。
次に、コントローラ61により実行される優先制御処理を図6のフローチャートに基づいて説明する。以下の説明では、甲と乙とにより車載バッテリに対し、同一の日を使用予定日として、例えば5月21日の水曜日を使用予定日として異なる使用要求があったことを想定している。なお、本処理は、水曜日の所定時刻になったことをトリガとして開始される。
まずステップS51では、車載バッテリの使用予定日の前日(5月20日)までに甲による車載バッテリの使用予定の解除があったか否かを判定する。この判定は、操作部62を通じて甲により解除操作があったか否かに基づいて行う。甲による車載バッテリの使用解除があった場合にはステップS55に進み、使用解除がなかった場合にはステップS52に進む。
ステップS52では、車載バッテリの使用予定日の前日(5月20日)までに乙による車載バッテリの使用予定の解除があったか否かを判定する。この判定は、操作部62を通じて乙により解除操作があったか否かに基づいて行う。乙による車載バッテリの使用解除があった場合にはステップS54に進み、使用解除がなかった場合にはステップS53に進む。
ステップS53では、これまでの水曜日における甲による車載バッテリの使用履歴と乙による使用履歴とを記憶部66より読み出し、その読み出した甲及び乙の使用履歴に基づいて、水曜日において甲が乙よりも車載バッテリの使用頻度(例えば使用時間、使用回数など)が高いか否かを判定する。甲が乙よりも車載バッテリの使用頻度が高い場合にはステップS54に進み、甲の使用頻度が乙のそれよりも高くない場合にはステップS55に進む。
ステップS54では、水曜日になった場合に、甲の要求に基づいて、電気設備機器31,32に対する給電処理を禁止する。この処理では、上記遮断装置を閉じて車載バッテリから電気設備機器31,32への給電を禁止する。この場合、車載バッテリのバッテリ電力が使用されず維持されるため、甲は水曜日の日に同バッテリ電力を自動車の走行のために用いることができる。その後、本処理を終了する。
ステップS55では、水曜日になった場合に、乙の要求に基づいて電気設備機器31,32に対する給電処理を行う。この処理では、乙により指定された給電時刻に、上記遮断装置を閉じて車載バッテリから電気設備機器31,32への給電を開始する。その後、本処理を終了する。
上記構成によれば、車載バッテリに対して複数のユーザによる使用要求があった場合に、使用頻度の高いユーザに対してのみ車載バッテリの使用が許可される。そのため、車載バッテリを頻繁に使用するユーザにとっては同バッテリの使用を確保できるため都合がよい。
(3)機器の劣化は、機器の稼動量(詳細には総稼動量)に応じて進行するものである。そして、劣化の進行具合は、機器の設置環境(例えば温度環境や湿度環境など)に依存して変わると考えられる。そこで、この点に着目し、機器の劣化診断を次のように行ってもよい。すなわち、機器の稼動時において所定時間ごとに機器の稼動量を取得する取得手段を備え、その取得した稼動量をその取得時において設置環境取得手段により取得した設置環境とともに稼動履歴として記憶部66に記憶する。そして、記憶部66に記憶された毎回の稼動量について各々の稼動量に対応する設置環境に基づき劣化係数を設定する設定手段と、各稼動量ごとに各々の稼動量と劣化係数との積を算出しその算出した各積を積算する積算手段とを備え、その積算手段により積算された積算値に基づいて劣化診断を行うようにする。以下に、その具体例について発電ユニット16の劣化診断を例に説明する。
本例において、コントローラ61は、ユニット用電力量計36からの測定結果に基づいて発電ユニット16の所定時間当たりの発電量(以下、単位時間発電量という)を稼動量として取得し、その取得した単位時間発電量と、当該単位時間発電量の取得時に屋外温センサ52から取得した屋外温度とを対応付けて記憶部66に記憶する。記憶部66には、屋外温度ごとに定められた劣化係数αがあらかじめ記憶されており、例えば劣化係数αと屋外温度との対応関係を示すマップデータが記憶されている。劣化係数αは、発電ユニット16の劣化進行の度合いを示す係数である。発電ユニット16は、その設置環境が常温である場合とそれよりも低温又は高温である場合とで劣化の進み具合が異なると考えられる。そのため、劣化係数αは同ユニット16が設置されている屋外の温度が常温(例えば25℃)又は常温を含む所定の常温温度域のときの値よりも低温又は高温のときの値の方が高く設定されており、例えば常温又は常温温度域のときにα=1、それ以外のときにα>1に設定されている。
コントローラ61は、記憶部66に記憶された各単位時間発電量について各々の単位時間発電量に対応する屋外温度に基づいて劣化係数αを設定する。そして、コントローラ61は、各単位時間発電量ごとに各々の単位時間発電量と上記設定した劣化係数αとの積を算出するとともにその算出した各積を積算する。この積算値は、発電ユニット16の総発電量(総稼動量)に同ユニット16の設置環境に応じた劣化度合いが加味された値であり、コントローラ61はこの積算値に基づいて劣化診断を行う。具体的には、その積算値が所定の劣化判定値よりも大きいか否かに基づいて劣化診断を行う。これにより、発電ユニット16の総発電量が同一であっても、発電ユニット16の設置環境が常温又は常温温度域よりも高温又は低温となっていた場合が多いほど劣化が速く進んでいると診断でき、その結果機器15,16,31〜33の設置環境を加味した劣化診断を行うことができる。そのため、機器15,16,31〜33の劣化診断を好適に行うことができる。
(4)上記実施形態では、電力供給機器(詳細には発電ユニット16)の劣化診断の結果に基づいて、電力供給機器及び商用電力系統のうちいずれからの電力を優先して電気設備機器(詳細には空調装置31及び照明装置32)に供給するかを決定したが、これを変更してもよい。例えば、複数の電力供給機器を制御対象とする機器制御システムにおいて、各電力供給機器の劣化診断の結果に基づいて、各電力供給機器のうちいずれからの電力を優先して電気設備機器に供給するかを決定してもよい。例えば、上記実施形態のシステムに発電ユニット16を複数設け、これら各発電ユニット16から蓄電装置18への給電を可能とした場合に、各発電ユニット16の劣化診断結果に基づいていずれの発電ユニット16から優先して蓄電装置18へ給電するかを決定することが考えられる。この場合、いずれか一方の発電ユニット16が劣化している場合に、他方の発電ユニット16から優先して蓄電装置18への給電を実施できる。そのため、劣化した発電ユニット16の稼動負荷を低減させることができ、同ユニット16を長持ちさせることができる。
(5)上記実施形態の機器制御システムは、電力供給機器15,16と設備機器31〜33との双方を診断対象として劣化診断を行うものであったが、これを変更し、電力供給機器15,16及び設備機器31〜33のいずれかを診断対象とし劣化診断を行うものとしてもよい。また、複数の電力供給機器15,16のうちいずれかひとつだけを診断対象としたり、複数の設備機器31〜33のうちいずれかひとつだけを診断対象としたりしてもよい。
(6)上記実施形態では、定期的(1ヶ月ごと)に設定された開始日時になったことをトリガとして機器制御処理(図3の処理)を開始するようにしたが、その処理時において現在の機器15,16,31〜33の設置環境と同一の設置環境データが記憶部66に記憶されていない場合も想定される。その場合、当該処理時において劣化診断を行うことができないため都合が悪い。そこで、機器15,16,31〜33の稼動時において、現在の機器の設置環境と記憶部66に記憶されている過去の設置環境とを照合する照合手段を備え、照合の結果現在の設置環境と同一の設置環境のデータが記憶部66に記憶されている場合に、劣化診断処理を開始するようにしてもよい。そうすれば、同一の設置環境条件で現在の稼動能力と過去の稼動能力との比較が可能となったタイミングで、すなわち劣化診断が可能となったタイミングで本処理が開始されるため都合がよい。
(7)上記実施形態の機器制御システムにより発電された電力を売電可能としてもよい。例えば、蓄電装置18に蓄えられた発電電力を売電する構成とすることが考えられる。具体的には、蓄電装置18から商用電力系統へ電力を供給するための電力線を設け、その電力線上に同電力線を流れる電力量を、すなわち外部へ売電される売電量を検知するCTセンサを設ける。そして、CTセンサを、通信ケーブルを介してモニタ(表示部63でもよい)と接続し、CTセンサにより検知された売電量をモニタにより監視可能とする。この場合、本システムによる売電状況を容易に把握できる。また、モニタに、通信ケーブルを介して、太陽光パネル15により発電された直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナを接続してもよい。そうすれば、パワーコンディショナの稼動状況をモニタで監視することができる。
10…建物、15…電力供給機器としての太陽光パネル、16…電力供給機器としての発電ユニット、31…電気設備機器としての空調装置、32…電気設備機器としての照明装置、33…給湯設備、51…環境情報取得手段としての居室温センサ、52…環境情報取得手段としての屋外温センサ、53…環境情報取得手段としての日射量センサ、54…環境情報取得手段としての照度センサ、61…劣化診断手段及び抽出手段としてのコントローラ、66…稼動履歴記憶手段としての記憶部。

Claims (6)

  1. 建物の屋内側又は屋外側に設けられた機器を備える建物の機器制御システムであって、
    前記機器の稼働状況に関する稼動情報を取得する稼動情報取得手段と、
    前記機器の設置環境に関する設置環境情報を取得する設置環境取得手段と、
    前記稼動情報取得手段により取得した前記機器の稼動状況を、その取得時において前記設置環境取得手段により取得した前記機器の設置環境ととともに稼動履歴として記憶する稼動履歴記憶手段と、
    前記稼動履歴記憶手段に記憶されている稼動履歴に基づいて、前記機器の劣化診断を行う劣化診断手段と、
    を備えることを特徴とする建物の機器制御システム。
  2. 前記稼動情報取得手段は、前記機器の実稼動能力を算出し該算出した実稼働能力を前記稼動情報として取得するものであり、
    前記稼動履歴記憶手段は、前記稼動情報取得手段により取得した前記機器の実稼動能力を、その取得時において前記設置環境取得手段により取得した前記機器の設置環境とともに前記稼動履歴として記憶し、
    前記設置環境取得手段により取得した前記機器の現在の設置環境と同一又は略同一の設置環境での前記機器の過去の実稼動能力を前記稼動履歴記憶手段より抽出する抽出手段を備え、
    前記劣化診断手段は、前記稼動能力取得手段により取得した現在の実稼動能力を、前記抽出手段により抽出した前記機器の過去の実稼動能力と比較して前記機器の劣化診断を行うことを特徴とする請求項1に記載の建物の機器制御システム。
  3. 前記機器として、前記建物内の空調を行う空調装置を備え、該空調装置の室外機が屋外に設置されており、
    前記設置環境取得手段は、前記空調装置の設置環境情報として、空調対象となる屋内空間の環境に関する屋内環境情報と、屋外の環境に関する屋外環境情報とを取得し、
    前記稼動履歴記憶手段は、前記稼動情報取得手段により取得した前記空調装置の稼動状況を、その取得時において前記設置環境取得手段により取得した屋内環境情報及び屋外環境情報とともに前記空調装置の稼動履歴として記憶し、
    前記劣化診断手段は、前記稼動履歴記憶手段に記憶されている前記空調装置の稼動履歴に基づいて、前記空調装置の劣化診断を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の建物の機器制御システム。
  4. 前記機器として、電力供給機器と、該電力供給機器及び商用電力系統の少なくともいずれかからの電力により稼動する電気設備機器とを備え、
    前記稼動履歴記憶手段は、前記電力供給機器の稼動履歴を記憶し、
    前記設置環境取得手段は、前記電力供給機器の設置環境を取得し、
    前記劣化診断手段は、前記電力供給機器の稼動履歴と設置環境とに基づいて、前記電力供給機器の劣化診断を行い、
    前記劣化診断手段による前記電力供給機器の劣化診断の結果に基づいて、前記電力供給機器及び前記商用電力系統のうちいずれからの電力を優先して前記電気設備機器に供給するかを決定する決定手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の建物の機器制御システム。
  5. 前記劣化診断手段により前記機器が劣化していると診断された場合に、前記機器に対して稼動制限を行う稼動制限手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の建物の機器制御システム。
  6. 前記機器は、前記建物内の環境を調整するものであり、
    前記建物内にいる人について生体情報を取得する生体情報取得手段と、
    前記生体情報取得手段により取得した生体情報に基づいて、前記機器の稼動による前記建物内の環境調整を要するか否かを判定する判定手段と、
    を備え、
    前記稼動制限手段は、前記判定手段により前記機器の稼動による前記環境調整を要すると判定された場合には、前記劣化診断手段による劣化診断の結果にかかわらず前記稼動制限を実施しないことを特徴とする請求項5に記載の建物の機器制御システム。
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