JP4385092B2 - エネルギー管理システム - Google Patents
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Description
一方、下記の特許文献1には、センタ側と中継端末・通信回線を介して接続された検針端末との間で通信を行うことにより電力管理を行う電力用自動検針システムが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載された従来技術では、センタ側のメインコンピュータと中継器との間、及び中継器と複数の検針端末との間を、例えばシリアル通信規格の一種であるRS485規格の通信回線により接続している。この場合、通信回線を更に多数分岐して各通信回線上の多数個所で電力管理をきめ細かく行う必要性が生じた場合には、パルス発信器付電力量計及び検針端末を各通信回線上の多数箇所にそれぞれ設置しなければならず、システム構築の作業性向上やコスト低減の面で大きな障害となっていた。
更に、一時的にセンサを取付け、その計測結果から省エネ診断及び改善を行うESCO(Energy Service Company)事業も知られているが、あくまで一時的な診断と高効率設備の導入により省エネを図ることが主な事業目的であり、旧来設備が残存する建物に対する継続的な運用改善や効果の確認には不向きである。
(1)負荷単位の電力計測を低コストにて行うことができず、施工の手間などから負荷単位での電力計測は実際上難しい。
(2)使用電力量をフィーダ単位等に計測しても電力計測箇所と負荷との対応関係が不明であるため、負荷の稼働と使用電力量との因果関係が正確に分からない。
(3)大まかで継続的な電力計測では省エネ効果が期待できず、また、一時的な省エネ診断では継続的な運用改善が難しく、省エネ効果の確認もできない。
前記センサは、
複数の負荷が接続されたフィーダの使用電力量を計測する電力量センサと、各負荷の温度を計測する温度センサと、を備え、
前記電力量センサにより計測した使用電力量と、前記温度センサにより計測した各負荷の温度によって検出される各負荷の稼働時間と、に基づいて、負荷ごとの実際の使用電力量を演算する演算手段を備えたものである。
各負荷の実際の使用電力量を、各負荷の定格電力及び稼働時間から求めた各負荷の予測使用電力量と比較する比較手段を備えたものである。
監視手段に接続された基幹通信回線と、
この基幹通信回線に接続されたプロトコル変換機能付サーバと、
このプロトコル変換機能付サーバに接続された分岐通信回線と、
この分岐通信回線に接続された前記センサと、を備え、
前記サーバは、前記分岐通信回線を介して前記センサによる収集データを含むデータを前記監視手段からの指令により前記監視手段に送信するものである。
前記演算手段が前記サーバに設けられ、この演算手段により演算した負荷ごとの実際の使用電力量を含むデータをWebページデータに変換して前記監視手段に送信するものである。
前記温度センサは、負荷の温度を検出可能なボタン型温度センサであることを特徴とする。
この実施形態は、オフィス・学校・病院・工場等の建物におけるエネルギー管理システム、詳しくは大学キャンパス等の複数建屋における各負荷の使用電力量を一括管理するシステムに関するものである。以下、説明の便宜上、特にことわりがない限り、エネルギーとは電力量を意味するものとする。
なお、本実施形態のエネルギー管理システムは、使用電力量計測システム、使用電力量の実態把握システムを複合化してなるものである。
図1において、10は、基幹通信回線として大学構内に構築されたLAN等の既存のネットワークであり、例えばイーサネット(登録商標)による10BASE−T,100BASE−TX等の方式によるものである。
Webサーバ31,32,33には、分岐通信回線としてのマイクロLAN回線を介してそれぞれ複数(例えば16個)の電力量センサ41,42,43が接続されており、個々の電力量センサは、図示されていない負荷が接続されたフィーダの使用電力量を個別に計測可能となっている。
また、Webサーバ31,32,33には、各負荷に取り付けられたボタン型温度センサによる温度データも入力されているが、図1及び後述する図2では、便宜的に上記温度センサの図示を省略してある。
これらの端末51,52は、データサーバ20により提供される各種データを、大学職員や学生等の利用者がブラウザを介して閲覧するためのものである。
また、Aは大学構内の中央監視・電気室、Bは変電所(変圧器)72を有する建屋、Cは別の建屋であり、図1に示したように、設備ネットワーク12に接続されたWebサーバ31,32,33がそれぞれ配置されている。また、61は上位電力系統に接続されたフィーダ、62は変電所72の二次側のフィーダ、63は建屋C内の遮断器73の二次側に接続されたフィーダを示す。
更に、中央監視・電気室A内の電力量センサ41は、大学構内全体の使用電力量を計測している。
設備ネットワーク12上のデータサーバ20は学内ネットワーク11上の端末51からも参照可能であり、学内各所の使用電力量を常時監視できるようになっている。
なお、62a,62b,62cはそれぞれ図2のフィーダ62による給電範囲を示し、例えば給電範囲62aは、あるフィーダ62によって複数の負荷に給電される範囲全体を示している。そして、この給電範囲62aに含まれる複数の温度センサ82aは、図示されていない負荷にそれぞれ取り付けられるものである。
個々の負荷921〜92nごとに取り付けられる温度センサ82aは、前述したごとくボタン型の温度センサであり、例えば古河電工株式会社製の「ボタンメモリー」(型番BM−40085)のように、負荷の筐体表面などに貼り付け可能なものが使用される。
なお、オンライン温度センサに代えて、例えば、マキシムダラス社製の型番i-Button DS1923などオフライン温度センサであるボタンセンサを貼るだけであとから回収すれば、更に、配線工事も省けより低コストにエネルギー管理システムを実現できるようにしている。
また、電力量センサ42aにもID番号が予め割り付けられており、Webサーバ32から当該ID番号を含む指令を一定周期で送ることにより、電力量センサ42aは、対応するフィーダ62の電力量データをマイクロLAN回線92Aを介してWebサーバ32に送信する。
Webサーバ32は、後述するように、受信した各負荷の温度に基づいて各負荷のオン・オフ状態や稼働時間を判断し、既知である各負荷の定格電力の比に基づいてフィーダ62の使用電力量を按分することにより、各負荷ごとの使用電力量を求めるように構成されている。
図5において、LANコネクタ302はLAN回線である図2のネットワーク12に通信ケーブルを接続するためのコネクタ、センサコネクタ309及びDIOコネクタ311はマイクロLAN回線92A,92Bに通信ケーブルを介して各センサを接続するためのコネクタ、端末機器コネクタ305は図示されていない端末としてのパソコン等を接続するためのコネクタ、コネクタ307は必要に応じてカメラ等を接続するためのコネクタ、電源コネクタ313は商用電源から直流電源を得るACアダプタを接続するためのコネクタである。電源部314は、各部に直流電源を供給するためのものである。
なお、CPU301は、Webサーバ30全体の制御や通信制御等も行う。また、I/F 308にNTSCインターフェース等の機能を持たせ、図示されていないカメラから送信されるNTSC信号を用いて画像監視を行っても良い。
上記実施形態において、データサーバ20からの指令により、例えば図4におけるWebサーバ32が各温度センサ82a及び電力量センサ42aに指令を送って温度データ、電力量データを収集する。
一方、図4における各負荷921〜92nの定格電力は既知であるため、同一フィーダ62に接続されている負荷全体の使用電力量を電力量センサ42aにより検出し、その使用電力量をオン状態である負荷の定格電力の比により按分すれば、各負荷ごとの使用電力量を求めることができる。
例えば時刻t1〜t2において電力量センサ42aにより図示のような使用電力量が検出され、その間に負荷921,922,923がオンであることが温度センサ82aにより検出されれば、既知であるこれらの負荷921,922,923の定格電力の比に応じて実際の使用電力量P1,P2,P3を求めることができる。また、これらの使用電力量P1,P2,P3をそれぞれの定格電力と稼働時間とを乗じて得た予測使用電力量と比較してその差を求めることにより(例えば、実際の使用電力量P1が予測使用電力量よりも約20%多いなど)、スイッチの消し忘れ等によるエネルギーの浪費状態を把握して継続的かつ効果的な省エネ診断、省エネ対策に役立てることもできる。
ちなみに、図7における時刻t2〜t3では負荷921のみがオン、時刻t3以降は負荷922及び負荷924がオンであり、これらの期間についても上記と同様の原理によって各負荷ごとの使用電力量を検出可能である。
また、建屋やエリア別に設定電力量、予測電力量などを表示し、設定電力を超えないようにデマンド制御の挙動を分単位の折れ線グラフで表示するようなHTMLデータを生成して送信しても良い。
上述した処理は、図2における中央監視・電気室AのWebサーバ31や建屋CのWebサーバ33においても同様に実現可能である。
これにより、学生や教職員が随時、使用電力量その他の情報を容易に取得可能であり、省エネ診断、省エネ対策を含むエネルギー管理全般に役立てることができる。
また、設備データの入力作業を効率化するため、各設備にRFICタグを取り付けてWebサーバとの間の無線通信により定格電力等のデータを送受信させても良い。これにより、設備の移動による悪影響も少なくなり、ICタグに保守点検情報を記録することにより設備の保守管理を容易に行うことができる。
更にまた、図2における中央監視・電気室Aのフィーダ61にセンサとしての電力量計を設置し、この電力量計により検針データとして計測した使用電力量を按分して負荷ごとの使用電力量を求めても良い。
11:学内ネットワーク
12:設備ネットワーク
20:データサーバ
21:データベース
30〜33:プロトコル変換機能付きWebサーバ
41〜43,42a,42b,42c:電力量センサ
51,52:端末
61〜63:フィーダ
62a,62b,62c:給電範囲
72:変電所(変圧器)
73:遮断器
82a,82b,82c:温度センサ
92A,92B:マイクロLAN回線
A:中央監視・電気室
B,C:建屋
Claims (5)
- 監視手段がセンサと通信してエネルギー管理を行うエネルギー管理システムにおいて、
前記センサは、
複数の負荷が接続されたフィーダの使用電力量を計測する電力量センサと、各負荷の温度を計測する温度センサと、を備え、
前記電力量センサにより計測した使用電力量と、前記温度センサにより計測した各負荷の温度によって検出される各負荷の稼働時間と、に基づいて、負荷ごとの実際の使用電力量を演算する演算手段を備えたことを特徴とするエネルギー管理システム。 - 請求項1に記載したエネルギー管理システムにおいて、
各負荷の実際の使用電力量を、各負荷の定格電力及び稼働時間から求めた各負荷の予測使用電力量と比較する比較手段を備えたことを特徴とするエネルギー管理システム。 - 請求項1または2に記載したエネルギー管理システムにおいて、
監視手段に接続された基幹通信回線と、
この基幹通信回線に接続されたプロトコル変換機能付サーバと、
このプロトコル変換機能付サーバに接続された分岐通信回線と、
この分岐通信回線に接続された前記センサと、を備え、
前記サーバは、前記分岐通信回線を介して前記センサによる収集データを含むデータを前記監視手段からの指令により前記監視手段に送信することを特徴とするエネルギー管理システム。 - 請求項3に記載したエネルギー管理システムにおいて、
前記演算手段が前記サーバに設けられ、この演算手段により演算した負荷ごとの実際の使用電力量を含むデータをWebページデータに変換して前記監視手段に送信することを特徴とするエネルギー管理システム。 - 請求項1〜4の何れか1項に記載したエネルギー管理システムにおいて、
前記温度センサは、負荷の温度を検出可能なボタン型温度センサであることを特徴とするエネルギー管理システム。
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