JP5497785B2 - 傾斜磁場コイルおよび核磁気共鳴撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、核磁気共鳴撮像(以下、MRIと称す)装置と、前記MRI装置に用いられる傾斜磁場コイルに関する。
MRI装置は、均一な静磁場中に置かれた被検体に高周波パルスを照射したときに生じる核磁気共鳴現象を利用して、被検体の物理的、化学的性質を表す断面画像を得る装置であり、特に、医療用として用いられている。MRI装置は、主に、被検体が挿入される撮像領域に均一な静磁場を生成する静磁場コイル装置と、撮像領域に位置情報を付与するために空間的に磁場強度が傾斜勾配した傾斜磁場をパルス状に発生させる傾斜磁場コイルと、被検体に高周波パルスを照射するRFコイルと、被検体からの磁気共鳴信号を受信する受信コイルと、受信した磁気共鳴信号を処理して前記断面画像を表示するコンピュータシステムとを有している。図1はMRI装置の概要を示している。静磁場コイル装置2が発生する磁場は、装置中心の撮像領域8で均一な磁場強度となっている。この領域に傾斜磁場コイル3は傾斜磁場を発生する。中心軸10は静磁場の方向と平行でMRI装置の静磁場コイルの対称軸である。被健診者5はベッド6の移動などで、撮像領域8に患部を置く。
そして、MRI装置の性能向上のために、線形に磁場強度が傾斜勾配した傾斜磁場を発生させる傾斜磁場コイルが提案されている(特許文献1−3参照)。
特開2001−327478号公報(図2) 特表2006−506155号公報 特開2007−175438号公報 特開平8−38457号公報(図4)
特許文献1−4に示されているようにMRI装置には傾斜磁場コイルが3軸の方向に傾斜する磁場を発生するように備えられている。傾斜磁場コイルの形状は筒状で、通常、円筒型であるが、断面が特許文献1のように楕円形状のボアを持つものも提案されている。形状は異なっても、撮像領域に傾斜磁場を発生する主コイルと、主コイルの静磁場コイル装置側に漏れる磁場を打ち消すシールドコイルが組み合わされる能動磁気遮蔽型の傾斜磁場コイルである。傾斜磁場コイルの形状は筒状であるが、主コイルとシールドコイルは、鞍型の形状をしたコイルを有している。鞍型の主コイルとシールドコイルは、コイルパターンにおいて多重に配置された複数のターンを有し、隣接するターン間は渡り線で接続されている。そして、内側のターンに戻り線を設けることで、複数のターンに電流を流すことを可能にしている。傾斜磁場コイルは3方向に傾斜した磁場を発生するように、図3に示すように積層されている。一般的に、傾斜磁場を発生する3方向の主コイル(xGMC、yGMC、zGMC)と静磁場コイル装置への漏れ磁場を抑制するシールドコイル(xGSC、yGSC、zGSC)が積層されている。
しかし、従来の傾斜磁場コイルでは、複数のターンにのみ電流が流れた場合に、線形の傾斜磁場が形成されるように設計されているので、渡り線と戻り線を流れた電流が誤差磁場を発生させると考えられる。この誤差磁場は、静磁場コイル装置上に渦電流を発生させ、この渦電流は断面画像を乱す磁場を撮像領域に形成する場合があると考えられる。この渦電流が発生するのは、渡り線と戻り線を考慮せずに漏れ磁場による渦電流の発生を抑止するシールドコイルのコイルパターンを設計しているためと考えられる。
また、従来の傾斜磁場コイルでは、外形の形状が楕円のものとか、主コイルとシールドコイルが互いに対応するターン毎に結線されているものとかが提案されている。これらのシールドコイルのコイルパターンの設計においては、特許文献1と2に記載されているように、既知の関数の組み合わせで電流密度分布を表現し、関数相互の重みの最適化で磁場分布を目標の磁場に近似させている。このような既知の関数を使う手法であれば、円筒状もしくは楕円断面形状のように関数が既知で与えられる場合には、傾斜磁場コイルのコイルパターンが設計できる。しかし、楕円断面形状では、高精度にコイルパターンの設計を行うことは困難であった。また、一般的には傾斜磁場コイルは単純な形状であるとは限らず、例えば、特許文献3にあるような非円形な断面の主コイルである場合とか、渡り線と戻り線による誤差磁場も発生している場合とかにおいても、シールドコイルで磁気遮蔽できることが望まれていた。特許文献4では各種傾斜磁場コイルに対応できるように循環要素の集合でコイル面を扱う手法が開発され採用されている。循環電流要素でも電流面の形状は、特許文献1等の関数での電流表現に比べると、自由度が増しているが、z−GCのような筒状の体系の周回電流を表現し難い欠点もある。本発明ではより任意性の優れた設計手法を提示する。
そこで、本発明の目的は、主コイルとシールドコイルの筒状の断面形状によらず、誤差磁場さらには渦電流の発生を抑制し、断面画像の画質を向上できる傾斜磁場コイル、および、MRI装置を提供することである。
前記目的を達成するために、本発明は、
核磁気共鳴撮像装置の撮像領域に線形な磁場分布を作る筒状の第1コイルと、
前記第1コイルの外側で、前記撮像領域に均一な磁場分布の静磁場を作る静磁場コイル装置の内側に配置され、前記第1コイルから前記静磁場コイル装置への漏れ磁場を抑制する筒状の第2コイルとを備え、
前記第2コイルの前記筒状の軸と垂直な断面の形状はほぼ円形で、前記第1コイルの前記筒状の軸と垂直な断面の形状は非円形であり、
前記第1コイル及び/又は前記第2コイルが多重に配置されており、軸方向とは異なった方向に傾斜した2つの傾斜磁場コイルにおける第2のコイル同士間で、渦状のターンの形状における中心から2つ目のターンの楕円度が20%以上異なることを特徴とする傾斜磁場コイルである。
また、本発明に関する参考例は、
核磁気共鳴撮像装置の撮像領域に線形な磁場分布を作る筒状の第1コイル(主コイル)と、
前記第1コイルの外側で、前記撮像領域に均一な磁場分布の静磁場を作る静磁場コイル装置の内側に配置され、前記第1コイルから前記静磁場コイル装置への漏れ磁場を抑制する筒状の第2コイル(シールドコイル)とを備え、
前記第2コイルの前記筒状の軸と垂直な断面の形状は概略円形で、前記第1コイルの前記筒状の軸と垂直な断面の形状は円形もしくは非円形であり、
前記第1コイル又は前記第2コイルのコイルパターンにおいて多重に配置された複数のターンの中には、内側に凸になった領域を有する前記ターンが存在する傾斜磁場コイルであることを、または、軸方向とは異なった2方向に傾斜した傾斜磁場コイルのシールドコイルのターン数が異なっていることを特徴としている。
また、本発明は
記第1コイル又は前記第2コイルのコイルパターンにおいて多重に配置された複数のターンは、隣接するターン同士が渡り線で接続され、戻り線が内側のターンに接続され、前記戻り線と交差する渡り線部分が蛇行している傾斜磁場コイルであることを特徴としている。
また、本発明は
記第1コイル又は前記第2コイルのコイルパターンにおいて多重に配置された複数のターンは、隣接するターン同士が渡り線で接続され、戻り線が内側のターンに接続され、前記戻り線と交差する渡り線部分の幅が、前記戻り線の幅の4倍以上10倍以下である傾斜磁場コイルであることを特徴としている。
また、本発明は
記第1コイル又は前記第2コイルのコイルパターンにおいて多重に配置されたターンは、給電線と戻り線に接続され、互いに近接して配置される前記給電線と前記戻り線に交差する前記ターンの一区間は迂回している傾斜磁場コイルであることを特徴としている。
そして、本発明は、前記傾斜磁場コイルと、前記傾斜磁場コイルに近接して配置される前記静磁場コイル装置とを有する核磁気共鳴撮像装置であることを特徴としている。
また、本発明に関する参考例は、
核磁気共鳴撮像装置の撮像領域に線形な磁場分布を作る筒状の第1コイルと、前記第1コイルから前記撮像領域に均一な磁場分布を作る静磁場コイル装置への漏れ磁場を抑制する筒状の第2コイルの少なくとも一方のコイルパターンの設計方法であって、
前記第1コイルと第2コイルの少なくとも一方の電流面上の電流分布の初期値を、有限面要素の接点に割り付けた電流ポテンシャルベクトルで表現し、
前記撮像領域と前記静磁場コイル装置の少なくとも一方に設定される複数の磁場評価点目標磁場を、磁場ベクトルで表現し、
前記電流ポテンシャルベクトルから磁場ベクトルへの応答行列と、前記応答行列の特異値分解で、特異値と、磁場分布の固有ベクトル群と、電流ポテンシャルの固有ベクトル群を取得し、
前記目標磁場と前記磁場ベクトルの初期値の差分を差分目標磁場として設定し、
前記差分目標磁場を発生する電流ポテンシャルベクトルの近似値を、電流ポテンシャルの固有ベクトル群の多項式で表現し、前記多項式の各項の係数を前記特異値と前記磁場分布の固有ベクトル群に基づいて決定することを特徴としている。
そして、本発明に関する参考例は、
前記第1コイルと第2コイルの少なくとも一方が、前記コイルパターンの設計方法で設計されたコイルパターンを有する傾斜磁場コイルであり、この傾斜磁場コイルと、この傾斜磁場コイルに近接して配置される前記静磁場コイル装置とを有するMRI装置であることを特徴としている。
本発明によれば、主コイルとシールドコイルの筒状の断面形状によらず、誤差磁場さらには渦電流の発生を抑制し、また振動も抑制し、断面画像の画質を向上できる傾斜磁場コイル、および、MRI装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係るMRI(核磁気共鳴撮像)装置の斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るMRI装置を対称軸(z軸)を含むy−z平面で切断した断面図であり、細い矢印は撮像に用いる傾斜磁場コイルの磁場の大きさを示し、太い矢印は静磁場の方向を示している。 本発明の第1の実施形態に係る傾斜磁場コイルの断面図である。 (a)は本発明の第1の実施形態に係る傾斜磁場コイルのy方向傾斜磁場主コイル(yGMC)とy方向傾斜磁場シールドコイル(yGSC)の概念図であり、(b)は本発明の第1の実施形態に係る傾斜磁場コイルのx方向傾斜磁場主コイル(xGMC)とx方向傾斜磁場シールドコイル(xGSC)の概念図であり、(c)は本発明の第1の実施形態に係る傾斜磁場コイルのz方向傾斜磁場主コイル(zGMC)とz方向傾斜磁場シールドコイル(zGSC)の概念図である。 本発明の第1の実施形態に係る傾斜磁場コイルのy方向傾斜磁場シールドコイル等の1枚の電流面上のコイルパターンの設計方法のフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る傾斜磁場コイルのy方向傾斜磁場主コイルとy方向傾斜磁場シールドコイル等の複数枚の電流面上のコイルパターンの設計方法のフローチャートである。 傾斜磁場コイルのy方向傾斜磁場主コイルとy方向傾斜磁場シールドコイル、および静磁場コイル装置(静磁場磁石)の位置関係を示すMRI装置のx−y軸面の断面図である。 コイルパターンの設計方法のステップS1において作成した有限面要素で構成した計算体系の1例である。 水平磁場型MRI装置による傾斜磁場の発生状況の概念図であり、実線の矢印は撮像領域を通過する磁力線の方向と磁場の大きさを模式的に示し、破線の矢印は漏れ磁場を構成する磁力線の方向と磁場の大きさを模式的に示している。 傾斜磁場コイルのy方向傾斜磁場主コイルの断面形状が円形である場合であり、(a)はコイルパターンの設計方法のステップS8において形成された傾斜磁場コイルのy方向傾斜磁場主コイルのコイルパターン(電流ポテンシャル分布の等高線)であり、(b)はy方向傾斜磁場シールドコイルのコイルパターン(電流ポテンシャル分布の等高線)である。 傾斜磁場コイルのy方向傾斜磁場主コイルの断面形状が楕円形である場合であり、(a)はコイルパターンの設計方法のステップS8において形成された傾斜磁場コイルのy方向傾斜磁場主コイルのコイルパターン(電流ポテンシャル分布の等高線)であり、(b)はy方向傾斜磁場シールドコイルのコイルパターン(電流ポテンシャル分布の等高線)であり、(c)はx方向傾斜磁場主コイルのコイルパターン(電流ポテンシャル分布の等高線)であり、(d)はx方向傾斜磁場シールドコイルのコイルパターン(電流ポテンシャル分布の等高線)である。 コイルパターンの設計方法のステップS1において作成した有限面要素で構成した計算体系の1例であり、(a)ではy方向傾斜磁場主コイルのz軸方向に垂直な断面形状が略三角形であり、(b)ではy方向傾斜磁場主コイルのz軸方向に垂直な断面形状が略四角形である。 傾斜磁場コイルのy方向傾斜磁場主コイルの断面形状が略四角形である場合であり、(a)はコイルパターンの設計方法のステップS8において形成された傾斜磁場コイルのy方向傾斜磁場主コイルのコイルパターン(電流ポテンシャル分布の等高線)であり、(b)はy方向傾斜磁場シールドコイルのコイルパターン(電流ポテンシャル分布の等高線)であり、(c)は傾斜磁場コイルのy方向傾斜磁場主コイルとy方向傾斜磁場シールドコイルの位置関係を示すx−y軸面の断面図である。 (a)はコイルパターンの設計方法のステップS1において作成した有限面要素で構成した計算体系の1例であり、y方向傾斜磁場主コイルのz軸方向の端部が円錐台形状となっており、(b)はMRI装置を対称軸(z軸)を含むy−z平面で切断した断面図であり、y方向傾斜磁場主コイルとy方向傾斜磁場シールドコイルの形状を示している。 傾斜磁場コイルのy方向傾斜磁場主コイルのz軸方向の端部が円錐台形状となっている場合であり、(a)はコイルパターンの設計方法のステップS8において形成された傾斜磁場コイルのy方向傾斜磁場主コイルのコイルパターン(電流ポテンシャル分布の等高線)であり、(b)はy方向傾斜磁場シールドコイルのコイルパターン(電流ポテンシャル分布の等高線)である。 (a)はコイルパターンの設計方法のステップS2、S4で用意された初期GCコイルパターンの戻り線と渡り線の周辺の拡大図であり、(b)はステップS10で計算された電流ポテンシャルベクトルの近似値に対応する補正電流(コイルパターンの変位分)の概念図であり、(c)はステップS8で算出したコイルパターンの変位分に基づいて変位させた渡り線の周辺の拡大図である。 (a)は、渡り線に対して戻り線が、静磁場コイル装置の側に配置されている場合の配置図であり、(b)は、渡り線に対して戻り線が、静磁場コイル装置の反対側に配置されている場合の配置図である。 渡り線に対して戻り線が、静磁場コイル装置の側に配置されている場合に、静磁場コイル装置上に形成される誤差磁場成分の分布図である。 渡り線に対して戻り線が、静磁場コイル装置の反対側に配置されている場合に、戻り線と渡り線によって発生する静磁場コイル装置の真空容器(導体物)上の誤差磁場成分の分布図であり、(a)は戻り線の幅W4に対する渡り幅W3の比が4倍の場合であり、(b)は戻り線の幅W4に対する渡り幅W3の比が6倍の場合であり、(c)は戻り線の幅W4に対する渡り幅W3の比が8倍の場合であり、(d)は戻り線の幅W4に対する渡り幅W3の比が10倍の場合である。 (a)はコイルパターンの設計方法のステップS2、S4で用意された初期GCコイルパターンの給電線と戻り線と本線の周辺の拡大図であり、(b)はステップS10で計算された電流ポテンシャルベクトルの近似値に対応する補正電流(コイルパターンの変位分)の概念図であり、(c)はステップS8で算出したコイルパターンの変位分に基づいて変位させた渡り線の周辺の拡大図である。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
(第1の実施形態と計算手法)
図1に、本発明の第1の実施形態に係るMRI(核磁気共鳴撮像)装置1の外観図を示す。MRI装置は、ベッド6にねたままの状態で被検体5が挿入される撮像領域8に均一な静磁場を生成する静磁場コイル装置2と、撮像領域8に位置情報を付与するために空間的に磁場強度が傾斜勾配した傾斜磁場をパルス状に発生させる傾斜磁場コイル3と、被検体5に高周波パルスを照射するRFコイル4と、被検体5からの磁気共鳴信号を受信する受信コイル(図示省略)と、受信した磁気共鳴信号を処理して前記断面画像を表示するコンピュータシステム(図示省略)とを有している。そして、MRI装置1によれば、均一な静磁場中に置かれた被検体5に高周波パルスを照射したときに生じる核磁気共鳴現象を利用して、被検体5の物理的、化学的性質を表す断面画像を得ることができ、その断面画像は、特に、医療用として用いられている。静磁場コイル装置2と、傾斜磁場コイル装置と、RFコイル4とは、筒状であり、筒状の対称軸10は互いに概ね一致している。
図2に、MRI装置1の断面図を示す。MRI装置1は静磁場の向き7が水平方向である水平磁場型MRI装置である。被検体5は可動式のベッド6によって撮像領域8まで運ばれる。また、後記する説明の理解を容易にするために互いに直角になるようにx軸とy軸とz軸を設定し、原点は撮像領域8の中心付近に設定している。z軸は円筒状の磁石の対称軸10に一致するように設けられ、静磁場の(磁力線)方向7にも一致している。y軸は上下方向に設けられ、x軸は紙面に垂直方向に設けられている。静磁場コイル装置2には、z=0面に対して左右(z<0とz>0の部分)で対を成すように、静磁場メインコイル2aと、静磁場の周囲への漏れを抑制する静磁場シールドコイル2b群が用いられている。これらのコイル2a、2bはそれぞれ、前記対称軸10を共通の中心軸とする円環形状をしている。また、これらのコイル2a、2bは、超伝導コイルを利用することが多いが、その場合、3層構造の容器内に収納されている。まず、コイル2a、2bは、冷媒の液体ヘリウム(He)と共に冷媒容器2e内に収容されている。冷媒容器2eは内部への熱輻射を遮断する熱輻射シールド2dに内包されている。そして、真空容器2cは、冷媒容器2e及び熱輻射シールド2dを収容しつつ、内部を真空に保持している。真空容器2cは、普通の室温の室内に配置されても、真空容器2c内が真空になっているので、室内の熱が伝導や対流で、冷媒容器2eに伝わることはない。また、熱輻射シールド2dは、室内の熱が輻射によって真空容器2cから冷媒容器2eに伝わることを抑制している。このため、コイル群は、冷媒の温度である極低温に安定して設定することができ、超伝導電磁石として機能させることができる。冷媒容器2eと、熱輻射シールド2dと、真空容器2cには、不必要な磁場が発生しないように非磁性の部材が用いられ、さらに、真空を保持しやすいことから非磁性の金属が用いられる。このため、冷媒容器2eと、熱輻射シールド2dと、特に、最外周に配置される真空容器2cには、前記渦電流が発生し易い状況にある。
傾斜磁場コイル3は筒状の形状を有し、筒状傾斜磁場コイル3は、撮像領域8を内蔵するように配置されている。RFコイル4も筒状の形状を有し、筒状の形状のRFコイル4は、撮像領域8を内蔵するように配置されている。傾斜磁場コイル3は、静磁場7と同じ方向の成分の磁場強度がx方向、y方向、z方向の3方向それぞれの方向に傾斜した傾斜磁場9をパルス状に交互に発生させる。傾斜磁場コイル3は、x方向、y方向、z方向の3方向に独立な傾斜磁場9を、静磁場に重ねて発生できるような機能を持っている。図2ではy方向に傾斜した傾斜磁場9を示している。
図3に、筒状の形状の傾斜磁場コイル3の断面図を示す。傾斜磁場コイル3は、傾斜磁場主コイル(第1コイル)GMCと、傾斜磁場主コイルGMCの外側を囲むように配置される傾斜磁場シールドコイル(第2コイル)GSCとを有している。傾斜磁場主コイルGMCと、傾斜磁場シールドコイルGSCとは、支持部材3a(主に樹脂モールド)を介して、互いに支持し合っている。そして、傾斜磁場コイル3は、静磁場コイル装置(磁石)2の、特に、真空容器2cのボア部2fに近接して配置されている。
傾斜磁場主コイルGMCは、x方向に線形に変化する傾斜磁場を作るx方向傾斜磁場主コイルxGMCと、y方向に線形に変化する傾斜磁場を作るy方向傾斜磁場主コイルyGMCと、z方向に線形に変化する傾斜磁場を作るz方向傾斜磁場主コイルzGMCとを有している。x方向傾斜磁場主コイルxGMCと、y方向傾斜磁場主コイルyGMCと、z方向傾斜磁場主コイルzGMCとは、それぞれが筒形状をなし、3重の層構造(3層構造)をなしている。この3層の傾斜磁場主コイルxGMC、yGMC、zGMCが相互間で支持部材3aの絶縁層を挟んで積層され、全体として一体の筒状形状となっている。
傾斜磁場シールドコイルGSCは、x方向傾斜磁場主コイルxGMCの形成する磁場が周囲に漏れるのを抑制するx方向傾斜磁場シールドコイルxGSCと、y方向傾斜磁場主コイルyGMCの形成する磁場が周囲に漏れるのを抑制するy方向傾斜磁場シールドコイルyGSCと、z方向傾斜磁場主コイルzGMCの形成する磁場が周囲に漏れるのを抑制するz方向傾斜磁場シールドコイルzGSCとを有している。x方向傾斜磁場シールドコイルxGSCと、y方向傾斜磁場シールドコイルyGSCと、z方向傾斜磁場シールドコイルzGSCとは、それぞれが、筒形状をなし、3重の層構造(3層構造)をなしている。この3層の傾斜磁場シールドコイルxGSC、yGSC、zGSCが相互間で支持部材3aの絶縁層を挟んで積層され、全体として一体の筒状形状となっている。
3層の傾斜磁場主コイルxGMC、yGMC、zGMCおよび、3層の傾斜磁場シールドコイルxGSC、yGSC、zGSCが、コイルのインダクタンスや抵抗の要求から、必ずしもこの順番で積層されるとは限らないが、図3のように3次元に対応した3種ずつの傾斜磁場主コイルxGMC、yGMC、zGMCとそのシールドコイルxGSC、yGSC、zGSCが積層され、全体として筒状形状となっている。そして、傾斜磁場コイル3は、静磁場コイル装置2の、特に、真空容器2cのボア部2fに近接して配置されている。
図4(a)に、y方向傾斜磁場主コイルyGMCとy方向傾斜磁場シールドコイルyGSCの概念図を示す。y方向傾斜磁場シールドコイル(第2コイル)yGSCは、y方向傾斜磁場主コイル(第1コイル)yGMCの外側を覆うように配置されている。y方向傾斜磁場主コイルyGMCとy方向傾斜磁場シールドコイルyGSCとは、上下方向に2分割でき、z方向にも2分割できる構造であり、z軸を上下から覆うように、上下2つずつの組が2つずつで計8つ配置されている。4つのy方向傾斜磁場主コイルyGMCはそれぞれ、半パイプ形で渦巻状の鞍型コイルであるが、渦巻きの形状の図示は省略し1ターンのみで大まかな電流の方向のみを示している。なお、矢印は、コイルに流れる電流の向きを示しており、後記も同様である。実際には多数の巻き線(ターン)が多重に配置されている。4つのy方向傾斜磁場シールドコイルyGSCも同様である。本発明では必ずしもz=0面に対して分割できる構造で無くても良いが、z=0面に対しては対称構造となり、また、z-y軸とz-x軸のそれぞれを含む平面を対称面とする対称構造になっている。
図4(b)に、x方向傾斜磁場主コイルxGMCとx方向傾斜磁場シールドコイルxGSCの概念図を示す。x方向傾斜磁場シールドコイル(第2コイル)xGSCは、x方向傾斜磁場主コイル(第1コイル)xGMCの外側を覆うように配置されている。x方向傾斜磁場主コイルxGMCとx方向傾斜磁場シールドコイルxGSCとは、z方向に2分割でき、z方向にも2分割できる構造であり、z軸をx方向の+側と−側から覆うように、左右2つずつの組が2つずつで計8つ配置されている。4つのx方向傾斜磁場主コイルxGMCはそれぞれ、半パイプ形で渦巻状の鞍型コイルであるが、渦巻きの形状の図示は省略し1ターンのみで大まかな電流の方向のみを示している。実際には多数の巻き線(ターン)が多重に配置されている。4つのx方向傾斜磁場シールドコイルxGSCも同様である。本発明では必ずしもz=0面に対して分割できる構造で無くても良いが、z=0面に対しては対称構造となり、また、z-y軸とz-x軸のそれぞれを含む平面を対称面とする対称構造になっている。
図4(c)に、z方向傾斜磁場主コイル(第1コイル)zGMCとz方向傾斜磁場シールドコイル(第2コイル)zGSCの概念図を示す。z方向傾斜磁場主コイルzGMCは、z軸を内部に持つ閉ループ状(筒状)であり、左右(z>0とz<0の部分)に1つずつ計2つ配置されている。2つのz方向傾斜磁場主コイルzGMCは、パイプ形で螺旋状コイルであるが、複数巻きの図示は省略し1ターンのみで大まかな電流の方向のみを示している。2つのz方向傾斜磁場主コイルzGMCは、1つずつに、x−y軸(z=0)平面で分けられるとともにそのx−y平面に面対称の構造をしている。z方向傾斜磁場シールドコイルzGSCは、z軸を内部に持つ閉ループ状(筒状)であり、左右(z>0とz<0の部分)1つずつ計2つ配置されている。2つのz方向傾斜磁場シールドコイルzGSCは、パイプ形で螺旋状コイルであるが、複数巻きの図示は省略し1ターンのみで大まかな電流の方向のみを示している。2つのz方向傾斜磁場主コイルzGMCは、1つずつに、x−y軸(z=0)平面で分けられるとともにそのx−y平面に面対称の構造をしている。2つのz方向傾斜磁場シールドコイルzGSCは、対応するz方向傾斜磁場主コイルzGMCを囲むように配置されている。なお、以下の説明では、y方向傾斜磁場主コイルyGMCとy方向傾斜磁場シールドコイルyGSCを例に本発明を説明するが、x方向傾斜磁場主コイルxGMCとx方向傾斜磁場シールドコイルxGSCと、z方向傾斜磁場主コイルzGMCとz方向傾斜磁場シールドコイルzGSCにも、同様に本発明を適用できるのである。
図5に、傾斜磁場コイルのy方向傾斜磁場シールドコイル等の1枚の電流面上のコイルパターンの設計方法のフローチャートを示す。なお、この設計方法には、文献「M. ABE, T. NAKAYAMA, S. OKAMURA, K. MATSUOKA , “A new technique to optimize coil winding path for the arbitrarily distributed magnetic field and application to a helical confinement system”, Phys. Plasmas. Vol.10 No.4 (2003)1022.」で報告されている手法を用いることができる。この文献には、電流ポテンシャルを有限要素節点で定義し、その電流ポテンシャル値で表現される電流分布が、目標の磁場を発生するように、電流ポテンシャル分布を最適化することが記載されている。
図6に、傾斜磁場コイルのy方向傾斜磁場主コイルとy方向傾斜磁場シールドコイル等の複数枚の電流面上のコイルパターンの設計方法のフローチャートを示すが、図6のフローチャートには、傾斜磁場コイルの例えばy方向傾斜磁場主コイルとy方向傾斜磁場シールドコイルの両方のコイルパターンの設計方法が記載されており、図6のフローチャートの処理には、図5のフローチャートの処理が利用されている。図5のフローチャートの処理では、傾斜磁場コイルの例えばy方向傾斜磁場シールドコイル等の1枚の電流面上のコイルパターンの設計方法が記載されている。まず、図5のフローチャートの処理について説明する。
ステップS1で、汎用のコンピュータ等を用い、計算体系データを作成する。具体的には、まず、コイル面と磁場評価面(MFES= Magnetic Field Evaluation Surface)を生成(追加)する。コイル面とは、コイルパターンを設計するコイルを配置する、いわゆる電流面(CCS = Current Carrying Surface)のことであり、例えば、図7に示すような、y方向傾斜磁場主コイルyGMCを配置する電流面20aと、y方向傾斜磁場シールドコイルyGSCを配置する電流面20bのどちらか一方が設けられることになる。
なお、y方向傾斜磁場主コイルyGMCの形状は任意であるので、この図7でも、y方向傾斜磁場主コイルyGMCの断面は円形でなく楕円形で示している。傾斜磁場コイルには3軸に対応するように3種類あるが、ここではy方向の1対のみ線で示し他は記載を省略している。y方向傾斜磁場シールドコイルyGSCも任意の断面形状を許容するが、静磁場を発生する静磁場コイル装置(磁石)2のボア2fに面した真空容器2Cの半径小側の円筒面に沿った形状が望ましい。従って、円筒形状で示している。
また、磁場評価面としては、例えば、傾斜磁場が形成される撮像領域8の球状の最外周面に磁場評価面(撮像領域磁場評価面)20cを設定することで傾斜磁場9を評価することができる。また、例えば、誤差磁場等の漏れ磁場による前記渦電流の生じやすい静磁場コイル装置2の内周面に磁場評価面(シール効果磁場評価面)20dを設定することでシールド効果を評価することができる。
次に、図8に示すように、電流面20aと20bのどちらか一方に、電流面20aと20b上にメッシュに切った三角形状の有限面要素を生成させる。また、磁場評価面20cと20dに磁場評価点を生成させる。磁場評価点は、磁場評価面20cと20dの面上に構成する必要はないが、図8においては、メッシュに切った三角形の頂点に設定している。
電流面20aと20bについてはz>0の部分のみを示し、z<0の部分の記載を省略しているが、z>0の部分とz<0の部分とは、z=0の平面を対称面とする面対称の関係になっている。一方、撮像領域の磁場評価面20cについては、z<0の部分も含めて示し球状をしているが、y方向傾斜磁場シールドコイルyGSCの効果を評価する磁場評価面20dはz>0の部分のみ示し、z<0の部分の記載を省略しているが、z>0の部分とz<0の部分とは、z=0の平面を対称面とする面対称の関係になっている。なお、電流面20aのx−y断面形状は、円形に限らず、楕円形、三角形、四角形のように断面形状は任意である。筒状の電流面20aと20bの軸(z軸)は、MRI装置1の中心での強い静磁場の方向7と一致している。y方向傾斜磁場シールドコイルyGSCは外側の筒状電流面20b上にそのコイルパターンが計算される。このコイルパターンは、隣接するターン間の渡り線や給電線や戻り線の発生する磁場も考慮して計算してもよく、この議論は後記する。
ステップS2で、汎用のコンピュータ等を用い、磁場評価面20cと20d上の磁場評価点毎に、目標磁場Btgと、その重みwを入力して設定する。この重みwは、実験データを整理する最小2乗法で計測データの誤差に相当するものである。後述のように、電流面20a、20bと磁場評価面20cと20dそれぞれに2つの面が存在する場合には、磁場評価面(撮像領域8の外周面)20cと磁場評価面(静磁場コイル装置2の内周面)20dとで異なった重みw(許容誤差に反比例)を設定することが好ましい。
また、ステップS2では、電流面20aと20bのどちらか一方の有限面要素の接点の電流ポテンシャルベクトルTの要素Ti毎に重みwTを設定する。具体的には、電流面20aと20bのどちらか一方の有限面要素毎に重みwTを設定する。
図9で、磁場評価面20cと20dで達成すべき目標磁場Btgの概念を説明する。矢印16は磁力線の方向と磁場の強さを表している。磁場評価面20cでの目標磁場Btgは、傾斜磁場9そのものであり、図9に示すように、撮像領域8内においてz方向磁場の強さが、y軸方向に線型にその強さが変化する(y方向傾斜磁場主コイルyGMCの場合)。y軸をx軸と置き換えるとx方向傾斜磁場主コイルxGMCの場合であり、同様の目標磁場Btgを設定することができる。磁場評価面20dでの目標磁場Btgは、傾斜磁場コイル3の内部で、磁力線が、y方向傾斜磁場シールドコイルyGSCにより、静磁場コイル装置2が存在する側には、進入しないように曲げられ、シールド磁場評価面20dを通過する磁力線が零となるような磁場(分布)となる。
また、すでに、コイル内の渡り線と戻り線や、コイル間のようにコイル外の給電線などを流れる電流が作る磁場が分かっている場合には、目標磁場Btgから予め、その磁場を差し引いておく。差し引かれた目標磁場Btgを、新たに目標磁場Btgとして設定する。
また、すでに、y方向傾斜磁場主コイルyGMCが作る磁場が分かっている場合に、y方向傾斜磁場シールドコイルyGSCのコイルパターンを設計する場合には、y方向傾斜磁場主コイルyGMCが磁場評価面20dに作る磁場を、目標磁場Btgから予め差し引いておく。差し引かれた目標磁場Btgを、新たに目標磁場Btgとして設定する。
ステップS3で、汎用のコンピュータ等を用い、電流面20aと20bどちらか一方の上の接点の電流ポテンシャル値を要素に持つ電流ポテンシャルベクトルTから、磁場評価面20cと20d上の磁場評価点の磁場を要素に持つ磁場ベクトルBへの応答行列Aを得て、その応答行列Aの特異値分解で、特異値λ1、λ2、λ3と、磁場分布の固有ベクトル群(u1、u2、u3)と、電流ポテンシャルの固有ベクトル群(v1、v2、v3)を得る。
具体的には、まず、前記計算体系データにおける方程式(1)を構築する。
B=AT ・・・(1)
この方程式(1)は、電流面20aと20b上の有限面要素の接点の電流ポテンシャル値を要素に持つ電流ポテンシャルベクトルTから、磁場評価面20cと20d上の磁場評価点の磁場を要素に持つ磁場ベクトルBへの応答を示す式である。応答行列Aは、磁場評価点数を行数とし、接点数を列数とする行列である。電流ポテンシャルベクトルTは、式(∇T)×n=j(ここで、nは電流面の法線方向の単位ベクトルである)を用いて、その勾配(∇T)から電流密度ベクトルjに換算することができ、電流分布を計算することができる。算出された電流分布から、ビオサバールの式を用いて、磁場ベクトルBを計算できる。そこで、適当な電流ポテンシャルベクトルTに対して、電流密度ベクトルj、電流分布、磁場ベクトルBを順に算出し、適当な電流ポテンシャルベクトルTと算出した磁場ベクトルBの方程式(1)の応答関係を満足するように応答行列Aを決定する。
電流面20aと20b上の接点の拘束条件を、電流面20aと20b上の全接点の電流ポテンシャル値を要素に持つ電流ポテンシャルベクトルTに適応し、検討対象とする接点を、全接点から、他の接点に対して独立に変動する独立接点とする独立接点の電流ポテンシャルベクトルT’を生成する。全接点の電流ポテンシャルベクトルTに対する独立接点の電流ポテンシャルベクトルT’の関係は、式(2)で表される。独立接点でない検討対象とする接点の電流ポテンシャルは、独立接点における電流ポテンシャルと定数に基づいて算出することができる。ここで、Rは、全接点数を行数とし、独立接点数を列数とする変換行列である。
T=RT’ ・・・(2)
全接点が独立であれば変換行列Rは単位行列に他ならないが、実体系では、コイルの端部から電流の漏れ出しが無い条件で、端部に位置する接点の電流ポテンシャルが全て同一になっている必要がある等の条件が入るので、全接点数に等しい行数に、独立接点数に等しい列数は等しくならない。この式(2)を考慮して、前記方程式(1)を書きなおすと、式(3)が得られる。
B=AT=A(RT’)=(AR)T’=A’T’ ・・・(3)
この方程式(3)は、電流面20aと20b上の独立接点の電流ポテンシャル値を要素に持つ電流ポテンシャルベクトルT’から、磁場評価面20cと20d上の磁場評価点の磁場を要素に持つ磁場ベクトルBへの応答を示す式である。応答行列A’は、磁場評価点数を行数とし、独立接点数を列数とする行列である。そして、方程式(3)より、応答行列A’は、応答行列Aから式(4)を用いて導くことができる。
A’=AR ・・・(4)
次に、応答行列A’を特異値分解して、式(5)に示すような磁場分布(磁場ベクトルB)の固有分布関数(固有ベクトル群)と、式(6)に示すような電流ポテンシャル分布(電流ポテンシャルベクトルT)の固有分布関数(固有ベクトル群)とを得る。
1 、u2 、u3 ・・・(5)
1 、v2 、v3 ・・・(6)
jとvjとの間には、式(7)の関係がある。ここでλjは特異値である。また、特異値λjの添え字jは特異値の大きさ順の番号であり、式(7)の関係において対応する固有ベクトルuj、vjにも同じ番号を付している。すなわち、特異値λjと固有ベクトルujと固有ベクトルvjとはセットになっている。
λj・uj=A’・vj ・・・(7)
ステップS4で、汎用のコンピュータ等を用い、電流ポテンシャルベクトルT(またはT’)の初期値T0(またはT0’)を設定する。これは次のステップS5での計算の初期条件となる。
電流ポテンシャルベクトルTの初期値T0は零ベクトルとしてもよい。また、本発明の設計方法で一度完成した傾斜磁場コイルのコイルパターンの元となった電流ポテンシャルベクトルTを、初期値T0としてもよい。後者は、一部に若干の補正を加える、例えば、一度完成したコイルパターンに、コイル内の渡り線と戻り線や、コイル間の給電線を加えた場合のそのコイルパターンの補正に使う方法に適用できる。
そして、磁場ベクトルBの初期値B0とすると、式(3)より式(8)を満たす。
0=AT0=A’T0’ ・・・(8)
また、ステップS4では、式(9)に示すように、目標磁場(発生したい磁場)Btgとの差分(B1)を、差分(コイル検討用)目標磁場B1に設定する。
1=Btg−B0 ・・・(9)
ステップS5で、汎用のコンピュータ等を用い、差分目標磁場B1を発生する独立接点の電流ポテンシャルベクトルの近似値T1’を、式(10)のように電流ポテンシャルの固有ベクトル群(v1、v2、v3)の多項式で表現し、前記多項式の各項の係数Ckを前記特異値λkと前記磁場分布の固有ベクトル群(u1、u2、u3)に基づいて決定する。電流ポテンシャルベクトルの近似値T1’を、初期値T0に対する補正分(ベクトル)とする。
1’=C11+C22+C33 ・・・(10)
具体的に、係数Ckは、次のような方法で決める。基本的には、係数Ckは、電流ポテンシャルベクトルの近似値T1’により生成される磁場B1であり、磁場(=AT1=A’T1’)と、差分磁場分布B1との差異が小さくなるように(B1=AT1=A’T1’)決める。この点は前記した最小2乗法と同じであるが、ここでは、係数Ckを、式(11)に示すように、固有(磁場)分布ukと差分磁場分布B1の内積を特異値λkで割って算出する。
k=(B1・uk)/λk ・・・(11)
ただし、必要に応じて、例えば、磁場精度の要求に合わせて、係数Ckの個数等を調整することは問題ない(式(10)では係数Ckの個数は3個になっている)。前記式(10)では、例として3番目の固有(電流)分布v1、v2、v3までの加算を示しているが、この個数を増やしていくと最小2乗法による解と同等となる。
ステップS6で、汎用のコンピュータ等を用い、電流ポテンシャルベクトルTの初期値T0の元となったコイルパターンが存在するか否か判定し、既存のコイルパターンの補正か否かを判定する。既存のコイルパターンの補正であれば(ステップS6、Yes)、ステップS10へ進み、既存のコイルパターンの補正でなければ(ステップS6、No)、ステップS7へ進む。ステップS6では、既存のコイルパターンの補正でなければ、通常、電流ポテンシャルベクトルTの初期値T0は零ベクトルとなっており、既存のコイルパターンの補正であれば、本発明の設計方法で一度完成した傾斜磁場コイルのコイルパターンに基づいた電流ポテンシャルベクトルTを、初期値T0としているので、ステップS6がYesであるかNoであるかを容易に判定することができる。なお、既存のコイルパターンの補正としては、一度完成したコイルパターンに、コイル内の渡り線と戻り線や、コイル間の給電線を加えた場合のそのコイルパターンの補正に使うことができる。
ステップS7で、汎用のコンピュータ等を用い、初期値T0を近似値T1’で補正する。具体的には、目標磁場(発生したい磁場)Btgを発生する電流ポテンシャルベクトル(分布)Tを、式(12)で求める。式(12)の第2項のRT1’は、差分目標磁場B1を発生する全接点の電流ポテンシャルベクトルを表している(式(2)参照)。
T=T0+RT1’ ・・・(12)
ステップS8で、汎用のコンピュータ等を用い、この電流ポテンシャルベクトルTを電流ポテンシャル分布とみた電流ポテンシャル値毎の複数本の等高線に基づいて、y方向傾斜磁場主コイルyGMCやy方向傾斜磁場シールドコイルyGSC等のコイルパターンを形成する。等高線は複数本の閉曲線であり、互いにクロスしないように幾重にも配置されている。これにより、コイルパターンを構成する複数本のターンは、等高線に沿った複数本の閉曲線となり、複数ターンが多重に配置されたコイルパターンを形成できる。
ステップS9で、汎用のコンピュータ等を用い、計算体系データの変更指示の有無を判定する。実際の傾斜磁場コイル3等のコイルとするには、この複数ターンのコイルパターンに、コイル内の渡り線と戻り線や、コイル間の給電線などの配線を加えることになる。ステップS2で記載したように、予め、配線などによる磁場も考慮してコイルパターンを設計した場合は、計算体系データの変更指示無しの判定となり(ステップS9、無し)、本設計方法を終了する。ステップS8で形成したコイルパターンを用いて、再びこのフローチャートを実行し、このコイルパターンに、コイル内の渡り線と戻り線や、コイル間の給電線などの配線を加える場合は、計算体系データの変更指示有りの判定となり(ステップS9、有り)、ステップS1に戻って計算体系データを変更し、ステップS2〜S5を経たステップS6の判定で、ステップS10に進むことになる。
ステップS10で、現在のループのステップS5で算出した前記近似値T1’に基づいてコイルパターンの変位分を算出する。具体的には、補正電流成分に相当する全接点の電流ポテンシャルベクトル(RT1’)に基づいて(式(12)参照)、元のコイルパターンに対する導体位置の変位T/(∇T0)を、式T/(∇T0)=RT1’/(∇T0)を用いて計算する。なお、電流ポテンシャルの勾配(∇T)と電流面の法線方向の単位ベクトルnのベクトル積により、電流密度ベクトルjを算出でき((∇T)×n=j)、コイルパターンの導体間の距離dと導体の電流(電流密度ベクトル)Icから算出される(Ic/d)は、電流ポテンシャルの勾配(∇T)と等価である。
ステップS10の実施後には、ステップS8に進み、変位分を変位させたコイルパターンを形成する。
以上は1つの電流面の電流ポテンシャルの計算手順である。実際の傾斜磁場コイル3には傾斜磁場を発生するy方向傾斜磁場主コイル(第1コイル)yGMCと磁気シールドの役割を持つy方向傾斜磁場シールドコイル(第2コイル)yGSCの2つの電流面20aと20bがあるので、図6のフローチャートの処理を用いてコイルパターンを設計する。
まず、ステップS1で、汎用のコンピュータ等を用い、計算体系データを作成する。図6のステップS1は、図5のステップS1と基本的に同じことを実施し、図6のステップS1が、図5のステップS1と異なる点は、2つの前記電流面20aと20bと、2つの前記磁場評価面20cと20dを作成している点である。
次の図6のステップS2も、図5のステップS2と基本的に同じことを実施する。ステップS2で、汎用のコンピュータ等を用い、磁場評価面20cと20d上の磁場評価点毎に、目標磁場Btgと、その重みwを入力して設定する。また、電流面20aと20bの有限面要素の接点の電流ポテンシャルベクトルTの要素Ti毎に重みwTを設定する。具体的には、電流面20aと20bの有限面要素毎に重みwTを設定する。図5のステップS2のように、既知の磁場があればそれも考慮する。特にy方向傾斜磁場シールドコイル(第2コイル)yGSCに対する電流ポテンシャルベクトルTを計算する場合には、y方向傾斜磁場主コイル(第1コイル)yGMCの作る磁場を考慮することは必須である。また既知のコイル内の渡り線と戻り線や、コイル間の給電線などの配線も考慮する。
図6のステップS3も、図5のステップS3と基本的に同じことを実施する。ステップS3で、汎用のコンピュータ等を用い、それぞれの電流面20aと20bの電流ポテンシャルベクトルTから、それぞれの磁場評価面20cと20dの磁場ベクトルBへの応答行列Aと変換行列Rをそれぞれ求め、特異値分解を実行し、それぞれの応答行列A毎に特異値λ1、λ2、λ3と、磁場分布の固有ベクトル群(u1、u2、u3)と、電流ポテンシャルの固有ベクトル群(v1、v2、v3)を求める。
ステップS11で、汎用のコンピュータ等を用い、y方向傾斜磁場主コイル(第1コイル)yGMCの電流面20aに対して、図5のステップS4からステップS7を実行する。ステップS4の手順では、y方向傾斜磁場シールドコイル(第2コイル)yGSCの電流による磁場や配線の磁場も考慮して電流ポテンシャルベクトルTを決める必要がある。
ステップS12で、汎用のコンピュータ等を用い、y方向傾斜磁場シールドコイル(第2コイル)yGSCの電流面20bに対して、図5のステップS4からステップS7を実行する。ステップS4の手順では、ステップS11で求めたy方向傾斜磁場主コイル(第1コイル)yGMCの電流による磁場や配線の磁場も考慮して電流ポテンシャルベクトルTを決める必要がある。
ステップS8で、汎用のコンピュータ等を用い、電流ポテンシャルベクトルTを式(12)のように補正する。また、電流ポテンシャルベクトルTの等高線に基づいてコイルパターンが形成されることは、図5のステップS8と同じである。なお、y方向傾斜磁場主コイル(第1コイル)yGMCの等高線とコイルパターンを求めることは、ステップS11の後や、ステップS12と同時に行ってもよい。
ステップS13で、汎用のコンピュータ等を用い、目標磁場Btgやインダクタンス、抵抗などの性能を評価して、コイルパターンが成立可能か否かを評価する。性能的に問題があれば(ステップS13、No)、ステップS1に戻って計算体系(つまりコイル配置領域など)を再検討する。性能的に問題が無ければ(ステップS13、Yes)、傾斜磁場コイルパターンが完成となる。磁場評価面20cと20dにおける磁場性能の評価は等高線に沿って導体を配置したとする離散化された電流での評価と、離散化する以前の電流ポテンシャルで表現した面電流(電流分布)での評価の二つの方法があるが、目的に合わせて使い分ける。この手法は基本的に循環電流に基礎を置かないので、要素の大きさが許す範囲で、任意の電流分布を計算できる。
なお、ステップS2で説明した磁場分布の重み(許容誤差)wについて詳細に説明する。重みwを導入することは、磁場分布の各点(磁場ベクトルBの各要素)のデータを変数変換することに等価である。つまり、前記式(1)および前記式(3)の磁場ベクトルBは、前記式(9)で求める差分(差分目標磁場)B1となり、その差分目標磁場(ベクトル)B1の要素(磁場評価面上の磁場評価点の磁場)Biについて重みwiを考えると、式(13)のように、要素BiをBi/wiに置き換える(変数変換する)ことで、要素Biに重み付けをすることができる。
i → Bi/wi ・・・(13)
ここで添え字iは差分目標磁場(ベクトル)B1のi番目の要素Biであることを示す。また、wiはi番目の要素Biの重み(許容誤差)である。最小2乗法による近似のように、wiは小さい方が正確に近似されることを要素Biに要求する。これによれば、磁場評価面20cと20dとで、wの大きさを違えることで、差分目標磁場(ベクトル)B1の要求されるそれぞれの精度に適合した計算を行うことができる。
また、ステップS2で説明した電流ポテンシャルベクトルTの重み(許容変動幅)wTについて詳細に説明する。方程式(1)のような接点の電流ポテンシャルに応じた磁場評価点の磁場への割り振り計算(B=AT)で、重みwTの導入を行う。重みwTは、前記式(13)と同様の変数変換と考えられる。つまり、前記方程式(1)の電流ポテンシャルベクトルTに対して、式(14)のように、電流ポテンシャルベクトルTの要素TiをTi/wTiに置き換える(変数変換する)ことで、要素Tiに重み付けをすることができる。
i → Ti/wTi ・・・(14)
独立接点に対する重みwTiは、その独立接点に従属する接点の重みwTiを、その従属する接点に対応する有限面要素の面積の大小に応じて加減したうえで、加算している。重みwTiは、許容変動幅に比例する量と考えることができる。すなわち、重みwTiが小さい数値だと、フローチャートのループで繰り返し計算を行っても、電流ポテンシャルベクトルTの要素Tiの変動幅を抑えることができる。つまり、コイルパターンの所定の領域を初期値T0のときのままで固定したい場合、例えば、戻り線や給電線等の配線はパターン形状の最適化を行わないのであれば、これらの配線の置かれる領域には、他の領域より小さなwTiを置くことになる。また、渡り線の補正を行いたい場合には、渡り線の置かれる領域に他の領域より大きなwTiを置くことになる。
また、ステップS4での初期値T0の設定において、電流の流出・流入を計算に導入する手法について説明する。電流は、電流ポテンシャルの差(電流ポテンシャルベクトルの要素間の差)で表現される。電流初期値として、流入・流出箇所に流出入電流に相当する電流ポテンシャル差を、電流ポテンシャルベクトルTに設定する。この流入流出に相当する電流ポテンシャル分布は端部の接点に入力する。つまり電流面端部で一定でない電流ポテンシャルを初期値T0の要素として入力する。これは、2つの磁場評価面20cと20dが配線で接続されて電流が行き来する場合に使える。対応する電流面20aと20bの端部で電流の流出、流入が一致するように初期値T0の要素を入力する必要がある。
以上のコイルパターンの設計方法によれば、y方向傾斜磁場主コイルyGMCとy方向傾斜磁場シールドコイルyGSCの筒状の断面形状によらず、y方向傾斜磁場主コイルyGMCによって、撮像領域8に高精度な傾斜磁場9を生成し、これに伴って生成された静磁場コイル装置2を貫き渦電流を発生させる磁力線を、y方向傾斜磁場シールドコイルyGSCによって曲げて、静磁場コイル装置2を貫かないようにして渦電流の発生を抑制することができる。なお、繰り返すが、コイルパターンの設計方法によれば、y方向傾斜磁場主コイルyGMCとy方向傾斜磁場シールドコイルyGSCの筒状の断面形状は、本手法が有限要素法に基礎を置いているので、任意であることを強調しておく。すなわち、y方向傾斜磁場主コイルyGMCの筒状の断面形状は、楕円や円形に限られず、そしてy方向傾斜磁場シールドコイルyGSCの筒状の断面形状は静磁場コイル装置2の内周壁に沿った円形に限られないのである。
前記コイルパターンの設計方法では、電流ポテンシャルベクトルの初期値T0が与えられると(零ベクトルを与えてもよい)、その初期値T0の補正を繰り返し計算の中で実行し収束させている。
図10に、前記コイルパターンの設計方法で設計し、y方向傾斜磁場主コイルyGMCとy方向傾斜磁場シールドコイルyGSCの断面形状が共に円形である場合の、y方向傾斜磁場主コイルyGMCのコイルパターン(図10(a)の電流ポテンシャル分布の等高線)と、y方向傾斜磁場シールドコイルyGSCのコイルパターン(図10(b)の電流ポテンシャル分布の等高線)を示す。この電流ポテンシャルの等高線は、電源からの電流と一致した電流値、つまりコイルの素線電流値の間隔で等間隔に描いている。この等高線に沿って導体を配置することで目的の磁場を発生するコイルを構成できる。但し、巻き線間を結ぶ渡り線や戻り線および電源からの給電線や、主コイル、シールドコイル間などを結ぶ配線は存在することになるがここでは表示を省略している。また、x方向傾斜磁場主コイルxGMCのコイルパターン(電流ポテンシャル分布の等高線)は、y方向傾斜磁場主コイルyGMCのコイルパターン(図10(a)の電流ポテンシャル分布の等高線)から類推でき、z軸周りの回転方向角度を90度z軸を中心に回転してずらしたパターンとなる。同様に、x方向傾斜磁場シールドコイルxGSCのコイルパターン(電流ポテンシャル分布の等高線)は、y方向傾斜磁場シールドコイルyGSCのコイルパターン(図10(b)の電流ポテンシャル分布の等高線)から類推でき、z軸周りの回転方向角度を90度z軸を中心に回転してずらしたパターンとなる。
図11に、前記コイルパターンの設計方法で設計し、y方向傾斜磁場主コイルyGMCとx方向傾斜磁場主コイルxGMCの断面形状が楕円形であり、y方向傾斜磁場シールドコイルyGSCとx方向傾斜磁場シールドコイルxGSCの断面形状が円形である場合の、y方向傾斜磁場主コイルyGMCのコイルパターン(図11(a)の電流ポテンシャル分布の等高線)と、y方向傾斜磁場シールドコイルyGSCのコイルパターン(図11(b)の電流ポテンシャル分布の等高線)と、x方向傾斜磁場主コイルxGMCのコイルパターン(図11(c)の電流ポテンシャル分布の等高線)と、x方向傾斜磁場シールドコイルxGSCのコイルパターン(図11(d)の電流ポテンシャル分布の等高線)を示す。なお、図10と図11共に各ターン間を結ぶ渡り線やコイル戻り線は示してないが、実際にはこのような配線が存在する。つまり、このコイルパターン全体はターン間をつなぐ渡り線により渦状になっており、渦の中心からの戻り線が電源や他のコイルに結線されているが、理解を容易にするために記載を省略している。
図11(a)のy方向傾斜磁場主コイルyGMCのコイルパターンを、図10(a)のy方向傾斜磁場主コイルyGMCのコイルパターンと比較すると、図10(a)のy方向傾斜磁場主コイルyGMCのコイルパターンでは、各ターンの全域に亘り、外側に凸の曲率になっているが、図11(a)のy方向傾斜磁場主コイルyGMCのコイルパターンでは、複数のターンのz=0付近のz軸周りの回転方向角度90度付近の領域において、滑らかに内側に凸の曲率を持つ部分が発生している点が異なっている。つまり、z=0に近い部分とは、コイルパターンの渦の中心よりMRI装置1の中心側のことである。また、z軸周りの回転方向角度90度には、前記楕円の短軸(短径)部分が位置している。y方向傾斜磁場主コイルyGMCとy方向傾斜磁場シールドコイルyGSCが最も離れているz軸周りの回転方向角度が90度になっている。一方、図11(b)のy方向傾斜磁場シールドコイルyGSCのコイルパターンには、図10(b)のy方向傾斜磁場シールドコイルyGSCのコイルパターンと比較して、新たに内側に凸の曲率を持つ領域は表れていない。なお、|z|の大きな部分(渦の中心よりMRI装置1の端部側)のターンの一部で鋭角に折れ曲がった部分があるが、これは有限要素を反映した計算の誤差であり、実際のコイルパターンでは、この部分のメッシュ(有限面要素)の大きさの3倍程度の範囲で、なめらかに接続してもよい。撮像に影響を与える磁場は配線を変更する部分のメッシュの大きさの程度の範囲でのみ影響を与え、それによる渦電流の発生領域もメッシュ程度の広さであり、その渦電流による磁場が到達する領域もそのメッシュ程度の範囲であるため、撮像領域には届かず、撮像に与える問題はない。
図11(c)のx方向傾斜磁場主コイルxGMCのコイルパターンを、図10(a)のy方向傾斜磁場主コイルyGMCのコイルパターンと比較すると、図10(a)のy方向傾斜磁場主コイルyGMCのコイルパターンでは、各ターンの全域に亘り、外側に凸の曲率になっているが、図11(c)のx方向傾斜磁場主コイルxGMCのコイルパターンでは、複数のターンのz=0付近のz軸周りの回転方向角度90〜45度と−90〜−45度付近の領域において、滑らかに内側に凸の曲率を持つ部分が発生している点が異なっている。
図11(d)のx方向傾斜磁場シールドコイルxGSCのコイルパターンを、図10(b)のy方向傾斜磁場シールドコイルyGSCのコイルパターンと比較すると、図11(d)のx方向傾斜磁場シールドコイルxGSCのコイルパターンでは、複数のターンの|z|が大きく(渦の中心よりMRI装置1の端部側)、z軸周りの回転方向角度0度付近の領域において、滑らかに内側に凸の曲率を持つ部分が発生している点が異なっている。なお、z軸周りの回転方向角度0度には、前記楕円の長軸(長径)部分が位置している。x方向傾斜磁場主コイルxGMCとx方向傾斜磁場シールドコイルxGSCが最も接近しているz軸周りの回転方向角度が0度になっている。
この内側の凸や特徴は図11では現れているが、主コイルの楕円度が小さく円形に近い形状であれば必ずしも現れない。しかし、あと2つの特徴を指摘しておく。
xGCとyGCでコイルの巻き数(ターン数)が異なっている。電流ポテンシャル値で言えば、最高値と最小値の差が、xGCとyGCで異なっている。これは従来の円形断面型の傾斜磁場コイルには無かった特徴である。特に、シールドコイルにその特徴が現れている。図11(b)のyGSCでは9ターンであるが、図11(d)のyGSCでは11ターンである。図11では主コイルは2つのコイルで同じであるが、一般的には同じとならない。ターン数の差は主コイルのターン数とシールドコイルのターン数の差として考える方が妥当である。図11ではxGCでターン数の差が6であり、yGCで8となっている。これは主コイルとシールドコイル間の間隔がxとy方向で異なる体系であることを反映して本発明手法でコイルパターンを求めた結果である。zGCでも現れる特徴であり、y方向ではターン間がまばらになる傾向のパターンとなる。
あと一つの特徴は巻き線中心部のパターンの形状である。おおよそ楕円状のパターンであるが、yGCでは主コイル、シールドコイル共に図中で幅方向(つまり円筒面の周回方向)に広がっているが、xGCでは軸方向(図中で縦方向)に長くなった形となっている。例として中心から2ターン目を見ると図の表示で横広と縦広の逢いが確認できる。横軸は約1から1.5m程度であり、縦方向は0.6〜0.7m程度のスケールであるが、特にシールドコイルに於いて2ターン目の形状で(周回方向幅/軸方向幅)で定義する楕円度で有意な差(20%以上の差)があると言える。
図12(a)に、コイルパターンの設計方法のステップS1において作成した有限面要素で構成した計算体系の1例として、y方向傾斜磁場主コイルyGMCの電流面20aのz軸方向に垂直な断面形状を略三角形に設定した場合を示し、図12(b)に、同様の1例として、y方向傾斜磁場主コイルyGMCの電流面20aのz軸方向に垂直な断面形状を略四角形に設定した場合を示している。y方向傾斜磁場主コイルyGMCの電流面20aの断面の形状(X-Y断面)の任意性は先に述べたが、その任意性に対応して図12(a)に示す略三角形でも、図12(b)に示す略四角形でも、コイルパターンの設計が可能である。コイルパターンの設計方法としては、図5と図6のフローチャートに記載されたコイルパターンの設計方法を用いることができる。なお、電流面20aの断面の三角形と四角形の角はここでは円弧で丸くしているが、この円弧の有無、径の大きさ等の形状に依存せず図5と図6のフローチャートに記載されたコイルパターンの設計方法を用いることができる。また、y方向傾斜磁場主コイルyGMCの電流面20aの断面形状が、楕円、略三角形、略四角形であると、肩幅が胸の厚さより大きい人体の断面形状に合わせた形状を採れるので、被検者にゆったりとした感覚を与えることができる。また、y方向傾斜磁場シールドコイルyGSCに対応する電流面20bは、円形断面ボア2f(図7参照)の静磁場コイル装置(磁石)2を想定して、静磁場方向7(z軸方向に一致)とは垂直な断面面(x-y面)では円形としている。図11で指摘したターン数の差はこの図12の体系でも同様に現れる。特に、この図12の体系ではyGCでも上下で体系が異なるので、ターン数の差がxGCとyGC間だけでなく、上下のyGC間でも現れる。
図13に、前記コイルパターンの設計方法で設計し、y方向傾斜磁場主コイルyGMCの断面形状が略四角形であり、y方向傾斜磁場シールドコイルyGSCの断面形状が円形である場合の、y方向傾斜磁場主コイルyGMCのコイルパターン(図13(a)の電流ポテンシャル分布の等高線)と、y方向傾斜磁場シールドコイルyGSCのコイルパターン(図13(b)の電流ポテンシャル分布の等高線)を示し、図13(c)に、y方向傾斜磁場主コイルyGMCの電流面20aとy方向傾斜磁場シールドコイルyGSCの電流面20bの位置関係を示す。
図13(a)のy方向傾斜磁場主コイルyGMCのコイルパターンを、図10(a)のy方向傾斜磁場主コイルyGMCのコイルパターンと比較すると、図10(a)のy方向傾斜磁場主コイルyGMCのコイルパターンでは、各ターンの全域に亘り、外側に凸の曲率になっているが、図13(a)のy方向傾斜磁場主コイルyGMCのコイルパターンでは、複数のターンのz=0付近のz軸周りの回転方向角度0〜45度と135〜180度付近の領域と、複数のターンの|z|の大きな部分(渦の中心よりMRI装置1の端部側)のz軸周りの回転方向角度22.5〜45度と135〜157.5度付近の領域において、滑らかに内側に凸の曲率を持つ部分が発生している点が異なっている。
図13(b)のy方向傾斜磁場シールドコイルyGSCのコイルパターンを、図10(b)のy方向傾斜磁場シールドコイルyGSCのコイルパターンと比較すると、図13(b)のy方向傾斜磁場シールドコイルyGSCのコイルパターンでは、複数のターンの|z|の大きな部分(渦の中心よりMRI装置1の端部側)のz軸周りの回転方向角度0〜70度と110〜180度付近の領域において、滑らかに内側に凸の曲率を持つ部分が発生している点が異なっている。なお、図13(c)に示すように、電流面20aと電流面20bとは、z軸周りの回転方向角度の45度と135度において最も近づく、この位置関係に応じて、前記したターンの一部に内側に凸の曲率を持つ部分が発生していると考えられ、前記コイルパターンの設計方法によれば、このような現象を加味してコイルパターンを設計できることが分かる。
図14(a)に、コイルパターンの設計方法のステップS1において作成した有限面要素で構成した計算体系の1例として、y方向傾斜磁場主コイルyGMCの電流面20aのz軸方向の端部20eを円錐台形状に設定した場合を示し、図14(b)には、そのy方向傾斜磁場主コイルyGMCを備えたMRI装置1の断面図を示している。y方向傾斜磁場主コイルyGMCの電流面20aのx−y断面の形状はz軸方向で変化し、電流面20aの端部20eでは、|z|が大きくなる程、z軸から離れていき、電流面20bに近づいている。この様な形状は、傾斜磁場コイル3の端部から漏れてくる磁場を抑制しやすく、その磁場による渦電流によって生じる磁場を抑制できるので、撮像を良好に出来る利点がある。
図15に、前記コイルパターンの設計方法で設計し、y方向傾斜磁場主コイルyGMCの電流面20aのz軸方向の端部20eが円錐台形状となっている場合の、y方向傾斜磁場主コイルyGMCのコイルパターン(図15(a)電流ポテンシャル分布の等高線)と、y方向傾斜磁場シールドコイルyGSCのコイルパターン(図15(b)電流ポテンシャル分布の等高線)を示す。
図15(a)のy方向傾斜磁場主コイルyGMCのコイルパターンを、図10(a)のy方向傾斜磁場主コイルyGMCのコイルパターンと比較すると、図10(a)のy方向傾斜磁場主コイルyGMCのコイルパターンでは、各ターンの全域に亘り、外側に凸の曲率になっているが、図15(a)のy方向傾斜磁場主コイルyGMCのコイルパターンでは、複数のターンのz=0付近のz軸周りの回転方向角度0〜70度と110〜180度付近の領域と、複数のターンの|z|が大きく(渦の中心よりMRI装置1の端部側)、z軸周りの回転方向角度が90度付近の領域において、滑らかに内側に凸の曲率を持つ部分が発生している点が異なっている。
図15(b)のy方向傾斜磁場シールドコイルyGSCのコイルパターンを、図10(b)のy方向傾斜磁場シールドコイルyGSCのコイルパターンと比較すると、図15(b)のy方向傾斜磁場シールドコイルyGSCのコイルパターンでは、複数のターンの|z|が大きく(渦の中心よりMRI装置1の端部側)、z軸周りの回転方向角度90度付近の領域において、滑らかに内側に凸の曲率を持つ部分が発生している点が異なっている。また、これまでのパターンと比べて、外周部に行くほど、幅方向位置の最大幅を取る軸方向位置(Z方向位置)が、大きなZ方向位置となっている点もより目立つ特徴である。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、コイルパターンにおける複数のターンの設計方法について説明した。第2の実施形態では、複数のターンに接続される渡り線、戻り線、給電線を含めたコイルパターンの設計方法について説明する。渡り線、戻り線、給電線を流れた電流は、誤差磁場を発生させると考えられ、この誤差磁場は、静磁場コイル装置2上に渦電流を発生させ、この渦電流は断面画像を乱す磁場を撮像領域に形成する場合があると考えられる。したがって、渡り線、戻り線、給電線を流れた電流によって発生する誤差磁場によって、静磁場コイル装置2上に発生する渦電流を抑制することは、重要なことである。
図16(a)に示すように、複数のターン12間を接続する渡り線14と、多重に配置された複数のターン12の内側のターンに接続し外側に引き出される戻り線13とを重ねて配置することで、それぞれから発生している誤差磁場を相殺し、渦電流を抑制することができる。そして、図5のフローチャートで説明したコイルパターンの設計方法を用いて、誤差磁場の相殺の精度を向上させたコイルパターンを提供する。
渡り線14の電流成分は、ターン12に沿った方向の目的の磁場を作るターン12の周回方向の成分と、誤差磁場をつくる周回方向とは直交した方向の成分とを合成したものであると考えられる。そこで、渡り線14の誤差磁場をつくる電流成分とは逆方向の電流成分を備えた戻り線13を、この渡り線14に沿わせて配置することで、誤差磁場を少なくすることができる。なお、幅W1は、ターン12の周回方向の渡り線14の幅であり、ターン12から渡り線14への折曲がった部分を、ターン12と渡り線14の境界にしている。
しかし、この渡り線14に戻り線13を沿わせる構造には、次に挙げるような欠点がある。コイル面とは同じ面上にこの戻り線13を配置することはできないので、完全にこの誤差磁場を打ち消すことはできないのである。MRI装置1のように高精度な磁場を要求するコイルでは、この打ち消しきれずに残った誤差磁場は渦電流を発生して、撮像上の問題を派生することになる。図17(a)を用いて、この問題の発生メカニズムを説明する。渡り線14は、コイル面内に存在し、戻り線13は、渡り線14(コイル面)と静磁場コイル装置2の真空容器2cの間に配置される。戻り線13と渡り線14の重なりの間からは、磁力線が漏れ、真空容器2cの導体面の方向に曲がって伸び、真空容器2cの導体面を貫く。導体面を貫く磁力線は渦電流を発生させ、渦電流は好ましくない磁場を発生させる。この磁場は無くす、もしくは小さくする必要がある。なお、この問題は、特に真空容器2cに近い位置に配置されているy方向傾斜磁場シールドコイルyGSCの渡り線14と戻り線13において、顕著になる。この問題は積層される傾斜磁場コイルの最外周部に積層されるコイルで特に顕著となる。ここでは図3のようにyGSCが最外周に積層されるとして考える。
このため、渡り線14と戻り線13は、静磁場コイル装置2との位置関係で、2種類に分けて考える。一つは、図17(a)に示すような真空容器2cから見て、戻り線13、次に渡り線14となっている配置であり、他の一つは、図17(b)に示すような真空容器2cから見て、渡り線14、次に戻り線13となっている配置である。図17(b)のような配置は、図17(a)のような配置に比べて、戻り線13より幅の広い渡り線14が、戻り線13と渡り線14の重なりの間から漏れる磁力線を、渡り線14に沿って誘導し、真空容器2cの導体面の方向に曲がり難くしているので、真空容器2cの導体面を貫き難く、渦電流も発生し難くなると考えられる。
そして、まず、図17(a)に示すような真空容器2cから見て、戻り線13、次に渡り線14となっている配置の場合の、渦電流を発生し難くできるy方向傾斜磁場シールドコイルyGSCのコイルパターンの設計方法について説明する。コイルパターンの設計方法には、図5のフローチャートに記載されたコイルパターンの設計方法を用いることができる。
まず、ステップS1で、計算体系データを作成する。第1の実施形態のステップS1と同様であるが、コイル面(電流面)としては、y方向傾斜磁場シールドコイルyGSCを配置する電流面20bを設定することを強調しておく。
ステップS2で、磁場評価面20cと20d上の磁場評価点毎に、目標磁場Btgと、その重みwを入力して設定する。第1の実施形態と同様であるが、注意すべき点は、すでに、y方向傾斜磁場主コイルyGMCのコイルパターンが求まり、それが作る磁場を算出することができるので、y方向傾斜磁場主コイルyGMCが磁場評価面20dに作る磁場を、目標磁場Btgから差し引き、差し引かれた目標磁場Btgを、新たに目標磁場Btgとして設定する。
さらに、注意すべき点は、渡り線14と戻り線13の配置位置とそこを流す電流が分かっているので、この電流が磁場評価面20cと20dに作る磁場が算出できる点である。図18に渡り線14と戻り線13によって磁場評価面20dに作られた磁場(誤差磁場)を示す。図18中の矢印19は、磁場の方向と大きさを表し、磁場の方向が幾分でも図中で上方か下方を向いていれば、磁力線が磁場評価面20dを貫いていることを表している。そして、目標磁場Btgからこの磁場(誤差磁場)を差し引き、差し引かれた目標磁場Btgを、新たに目標磁場Btgとして設定する。
さらに、注意すべき点は、図18に示すように、磁場評価面20dで誤差磁場が現れる領域が分かるので、この領域に限って、他の領域より重みwを小さく設定する。これにより、この領域の算出精度が高められ、そのまま、全体の計算精度を高めることができる。
また、ステップS2では、第1の実施形態と同様に、電流面20bの有限面要素の接点の電流ポテンシャルベクトルTの要素Ti毎に重みwTを設定するために、具体的には、電流面20bの有限面要素毎に重みwTを設定する。この際に、注意すべき点は、ターン12と戻り線13を補正せず、渡り線14のみを補正する点である。渡り線14の置かれる領域には、他の領域より大きなwTiを設定し、渡り線14のみが補正されるようにする。
ステップS3は、第1の実施形態と同様であり、そのまま流用するのであれば省いてもよい。
ステップS4で、電流ポテンシャルベクトルTの初期値T0を設定する。第1の実施形態と同様であるが、注意すべき点は、ターン12に対応する電流ポテンシャルベクトルTを初期値T0として設定する点である。具体的には、本発明の設計方法で一度完成した傾斜磁場コイルのコイルパターンの元となった電流ポテンシャルベクトルTを、初期値T0として設定する。
ステップS5は、第1の実施形態と同様であり、差分目標磁場B1を発生する独立接点の電流ポテンシャルベクトルの近似値T1’を決定する。
ステップS6では、電流ポテンシャルベクトルTの初期値T0の元となったコイルパターンが存在するか否かの判定をするが、既存のコイルパターンの補正をしているので(ステップS6、Yes)、ステップS10へ進む。
ステップS10で、前記近似値T1’に基づいてコイルパターンの変位分を算出する。図16(b)に示す補正電流(コイルパターンの変位分)18aと18bが、電流ポテンシャルベクトルの近似値T1’に基づいて算出できる。補正電流18aと18bは、ループ電流である。補正電流18aの電流の方向は反時計回り(谷)であり、補正電流18bの電流の方向は時計回り(山)である。
ステップS10の実施後には、ステップS8に進み、図16(c)に示すように、変位分を変位させたコイルパターンを形成する。戻り線13と交差する渡り線14が蛇行していることが分かる。以上のコイルパターンの設計方法によれば、y方向傾斜磁場主コイルyGMCが作る磁場に加えて、y方向傾斜磁場シールドコイルyGSCの渡り線14、戻り線13が発生する誤差磁場も加え、それらの磁場も打ち消すように目標磁場Btgを設定し、シールドコイルパターンを計算しているので、誤差磁場に対しても磁気シールドを行うことが出来る。y方向傾斜磁場主コイルyGMCの戻り線13と交差する渡り線14の場合には、渦電流が問題となる磁場評価面20dから遠いので蛇行の程度が弱いが、定性的に同様のパターン変更となる。
次に、図17(b)に示すような真空容器2cから見て、渡り線14、次に戻り線13となっている配置の場合の、渦電流を発生し難くできるy方向傾斜磁場シールドコイルyGSCのコイルパターンの設計方法について説明する。コイルパターンの設計方法には、図5のフローチャートに記載されたコイルパターンの設計方法を用いることができるが、用いなくてもよい。前記のような電流ポテンシャルの補正を基礎にパターンを変更することも可能であるが、ここでは簡単な補正方法を示している。
図19に、渡り線14に対して戻り線13が、静磁場コイル装置2の反対側に配置されている場合に、戻り線13と渡り線14によって発生する静磁場コイル装置2の真空容器2c上の誤差磁場成分の分布図を示している。図19(a)は戻り線13の幅W4(図17(b)参照)に対する渡り幅W3(図17(b)参照)の比が4倍の場合であり、図19(b)は戻り線13の幅W4に対する渡り幅W3の比が6倍の場合であり、図19(c)は戻り線13の幅W4に対する渡り幅W3の比が8倍の場合であり、図19(d)は戻り線13の幅W4に対する渡り幅W3の比が10倍の場合である。渡り線14の渡り幅W3を戻り線13の幅W4の4倍から10倍に変化させた時、誤差磁場の大きさは徐々に変化し、この場合、4〜10倍前後好ましくは6〜8倍前後で誤差磁場が弱くなっている。位置関係によってこの最適位置は変化するが、渡り線14の渡り幅W3を戻り線13の幅W4の4倍から10倍に変化させた範囲が妥当な範囲である。
最後に、図20(a)に示すコイルへの給電線11から発生する誤差磁場の抑制方法について説明する。給電線11は、戻り線13とで往復の電線対をなし、この行き帰りによりそれぞれの誤差磁場は相殺しトータルの誤差磁場は低減しているのであるが、この行き帰りの電線位置の差により誤差磁場を完全に無くすことができない。そこで、図20(a)に示すコイルパターンを有するy方向傾斜磁場シールドコイルyGSCでも、誤差磁場を一層低減できるコイルパターンの設計方法について説明する。コイルパターンの設計方法には、図5のフローチャートに記載されたコイルパターンの設計方法を用いることができる。なお、給電線11は、ターン12に対して戻り線13と同じ側にあるとしている。
まず、ステップS1で、計算体系データを作成する。図16の場合と同様に実施することができる。
ステップS2で、磁場評価面20cと20d上の磁場評価点毎に、目標磁場Btgと、その重みwを入力して設定する。図16の場合と同様であるが、注意すべき点は、給電線11と戻り線13の配置位置とそこを流す電流が分かっているので、この電流が磁場評価面20cと20dに作る磁場が算出できる点である。そして、目標磁場Btgからこの磁場(誤差磁場)を差し引き、差し引かれた目標磁場Btgを、新たに目標磁場Btgとして設定する。
また、ステップS2では、図16の場合と同様に、電流面20bの有限面要素毎に重みwTを設定する。この際に、注意すべき点は、給電線11と戻り線13とに交差するターン12の一部の領域のみを補正する点である。この領域のターン12の周回方向の幅W2は、給電線11と戻り線13の間隔より広く設定する。この領域(W2)には、他の領域より大きなwTiを設定し、この領域(W2)のターン12のみが補正されるようにする。
ステップS3は、第1の実施形態と同様であり、そのまま流用するのであれば省いてもよい。
ステップS4で、電流ポテンシャルベクトルTの初期値T0を設定する。図16の場合と同様に実施することができる。
ステップS5は、第1の実施形態と同様であり、差分目標磁場B1を発生する独立接点の電流ポテンシャルベクトルの近似値T1’を決定する。
ステップS6では、電流ポテンシャルベクトルTの初期値T0の元となったコイルパターンが存在するか否かの判定をするが、既存のコイルパターンの補正をしているので(ステップS6、Yes)、ステップS10へ進む。
ステップS10で、前記近似値T1’に基づいてコイルパターンの変位分を算出する。図20(b)に示す補正電流(コイルパターンの変位分)21が、電流ポテンシャルベクトルの近似値T1’に基づいて算出できる。補正電流21は、ループ電流である。補正電流21の電流の方向は時計回り(山)である。
ステップS10の実施後には、ステップS8に進み、図20(c)に示すように、変位分を変位させたコイルパターンを形成する。給電線11と戻り線13とに交差する領域(W2)のターン12は、迂回するように湾曲した補正線となっていることが分かる。以上のコイルパターンの設計方法によれば、y方向傾斜磁場主コイルyGMCが作る磁場に加えて、y方向傾斜磁場シールドコイルyGSCの給電線11と戻り線13が発生する誤差磁場も加え、それらの磁場も打ち消すように目標磁場Btgを設定し、シールドコイルパターンを計算しているので、誤差磁場に対しても磁気シールドを行うことが出来る。
以上のように本発明に依れば、有限要素節点の電流ポテンシャルによる電流分布表現で、電流ポテンシャル分布を電流面上の電流が目的の磁場を発生するように最適化する手法を用いているので、任意の磁場に対して静磁場磁石構造物上に発生する渦電流を抑止するように決定できる。従って、任意の断面の主コイルや配線パターンに対応できる。その結果、渦電流の少ない、撮像性能の良い傾斜磁場コイルを提供でき、また撮像性能の向上した核磁気共鳴撮像装置を提供できる。
1 核磁気共鳴撮像(MRI)装置
2 静磁場コイル装置
2a 静磁場主コイル
2b 静磁場シールドコイル
2c 真空容器(導体物)
2d 輻射シールド
2e 冷媒容器
2f ボア
3 傾斜磁場コイル
4 RFコイル
5 被検診者
6 ベッド
8 撮像領域
9 傾斜磁場
10 対称軸
11 給電線
12 ターン
13 戻り線
14 渡り線
15 補正線
16 磁力線
18a、18b 補正電流
19 磁場の方向と大きさ
20a、20b コイル面(電流面)
20c、20d 磁場評価面
21 補正電流
GMC 傾斜磁場主コイル
xGMC x方向傾斜磁場主コイル
yGMC y方向傾斜磁場主コイル
zGMC z方向傾斜磁場主コイル
GSC 傾斜磁場シールドコイル
xGSC x方向傾斜磁場シールドコイル
yGSC y方向傾斜磁場シールドコイル
zGSC z方向傾斜磁場シールドコイル

Claims (6)

  1. 核磁気共鳴撮像装置の撮像領域に線形な磁場分布を作る筒状の第1コイルと、
    前記第1コイルの外側で、前記撮像領域に均一な磁場分布の静磁場を作る静磁場コイル装置の内側に配置され、前記第1コイルから前記静磁場コイル装置への漏れ磁場を抑制する筒状の第2コイルとを備え、
    前記第2コイルの前記筒状の軸と垂直な断面の形状はほぼ円形で、前記第1コイルの前記筒状の軸と垂直な断面の形状は非円形であり、
    前記第1コイル及び/又は前記第2コイルが多重に配置されており、軸方向とは異なった方向に傾斜した2つの傾斜磁場コイルにおける第2のコイル同士間で、渦状のターンの形状における中心から2つ目のターンの楕円度が20%以上異なることを特徴とする傾斜磁場コイル。
  2. 前記第1コイルの前記筒状の軸と垂直な断面の形状は、楕円形状、略四角形状、レーストラック形状、略三角形状のいずれかであり、上下重力方向の幅より横水平方向の幅の方が広いことを特徴とする請求項1に記載の傾斜磁場コイル。
  3. 前記第1コイル及び/又は前記第2コイルのコイルパターンにおいて多重に配置された複数のターンは、隣接するターン同士が渡り線で接続され、戻り線が内側のターンに接続され、前記戻り線と交差する渡り線部分が蛇行していることを特徴とする請求項1に記載の傾斜磁場コイル。
  4. 前記第1コイル及び/又は前記第2コイルのコイルパターンにおいて多重に配置された複数のターンは、隣接するターン同士が渡り線で接続され、戻り線が内側のターンに接続され、前記戻り線と交差する渡り線部分の幅が、前記戻り線の幅の4倍以上10倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の傾斜磁場コイル。
  5. 前記第1コイル又は前記第2コイルのコイルパターンにおいて多重に配置されたターンは、給電線と戻り線に接続され、互いに近接して配置される前記給電線と前記戻り線に交差する前記ターンの一区間は迂回していることを特徴とする請求項1に記載の傾斜磁場コイル。
  6. 請求項1に記載の傾斜磁場コイルと、前記傾斜磁場コイルに近接して配置される前記静磁場コイル装置とを有することを特徴とする核磁気共鳴撮像装置。
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