以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1〜図4等に示すように、箱型容器1は、上方に開口した箱型に構成される容器本体2と、容器本体2の開口部を閉塞可能な蓋部材3とを備えている。本実施形態の容器本体2及び蓋部材3はポリプロピレンにより構成されている。
まずは、容器本体2について説明する。容器本体2は、略矩形板状の底壁部11と、底壁部11の周縁部から上方に延びる側壁部12とを備えている。本実施形態の側壁部12は、上下に貫通する略四角筒状をなし、下端部が前記底壁部11で閉塞された下筒体13と、下筒体13の外周を囲むようにして、下筒体13の外周面に沿って上下にスライド可能に設けられた略四角筒状の中筒体14と、中筒体14の外周を囲むようにして、中筒体14の外周面に沿って上下にスライド可能に設けられた略四角筒状の上筒体15とを備えている。そして、これらの筒体13、14、15を相対的に上下にスライドさせることで、側壁部12を伸縮させることができ、結果的に、箱型容器1の容積を変更可能に構成されている。尚、本実施形態では、下筒体13が中筒体14に対する内筒体として構成され、中筒体14が下筒体13に対する外筒体、かつ、上筒体15に対する内筒体として構成され、上筒体15が中筒体14に対する外筒体として構成されている。また、本実施形態では、中筒体14が中間筒体に相当する。
図15等に示すように、下筒体13は、底壁部11の相対する一対の短辺部に対応する一対の短辺側壁部21と、底壁部11の相対する一対の長辺部に対応する一対の長辺側壁部22とを備えている。本実施形態では、短辺側壁部21及び長辺側壁部22がそれぞれ別体として構成され、これらが互いに係合されることにより、略長方形筒状の下筒体13が構成されている。
短辺側壁部21及び長辺側壁部22は、略矩形板状のベース部23と、ベース部23の上縁部から外側に延出する上部フランジ24と、ベース部23の下縁部から外側に延出する下部フランジ25と、上部フランジ24と下部フランジ25との間を連結する連結リブ26とを備えている。上部フランジ24、下部フランジ25、及び連結リブ26のベース部23からの延出長は同じであり、先端縁は面一となっている。
図16等に示すように、底壁部11は、略矩形状の底板31と、底板31の周縁部に沿って底板31の上面から上方に突設された嵩上げ部32と、底板31の下面から格子状に突出する支持リブ33(図6参照)とを備えている。また、図7、図17等に示すように、下筒体13と底壁部11とは、下筒体13を嵩上げ部32の上面に載置した状態で、リベット、接着剤、又は溶着により接合されている。加えて、嵩上げ部32には、底壁部11の外周側に開口する凹部34が形成されており、かかる凹部34に指等を挿入し、嵩上げ部32に指をかけて箱型容器1を持ち運ぶこともできるようになっている。
また、図11、図8等に示すように、中筒体14及び上筒体15についても、下筒体13と同様の基本構成を備えており、一対の短辺側壁部21と、一対の長辺側壁部22とを備えて略長方形筒状をなしている。但し、図6等に示すように、中筒体14については、その内周側に下筒体13を収容するべく、下筒体13の厚み分、径が大きくなっている。また、上筒体15については、その内周側に中筒体14を収容するべく、中筒体14の厚み分、径が大きくなっている。そして、側壁部12の伸縮に際し、下筒体13の連結リブ26の先端縁と、中筒体14のベース部23の内側面とが摺接し、中筒体14の連結リブ26の先端縁と、上筒体15のベース部23の内側面とが摺接するようになっている。
さらに、下筒体13、中筒体14、及び上筒体15の上下幅はいずれもほぼ同じとなっている。尚、詳しくは後述するが、本実施形態では、下筒体13に対して中筒体14を相対的に最も下降させると、下筒体13の下端と中筒体14の下端との高さ位置が揃った状態となる。さらに、中筒体14に対して上筒体15を相対的に最も下降させると、中筒体14の下端と上筒体15の下端との高さ位置が揃った状態となる。従って、下筒体13、中筒体14、及び上筒体15の全体が側壁部12の外周方向においてほぼ重なり合うようになっている(図2参照)。
さて、図10、図5等に示すように、本実施形態の上筒体15には、各短辺側壁部21の外面側において、上筒体15とは別体として構成されたロック部材41が短辺側壁部21の外面に沿って左右にスライド可能に装着されている。本実施形態では、一対の短辺側壁部21に対して、それぞれロック部材41が左右一対で設けられ、上筒体15には計4つのロック部材41が設けられている。また、各短辺側壁部21に設けられる一対のロック部材41は左右対称形状をなしている。
図9、図5等に示すように、ロック部材41は、短辺側壁部21の下部フランジ25の上面に沿ってスライド可能な本体部42と、本体部42のうち短辺側壁部21の側辺部側(長辺側壁部22側)の端部から上筒体15の内周側に突出する係止片43とを備えている。係止片43は、本体部42から一体的に延出し、短辺側壁部21のベース部23に形成された挿通孔51(図8参照)に挿通される挿通部45と、上筒体15の内周側において、挿通部45の先端部から短辺側壁部21の側辺部側に延出する係止バー46とを備え、略L字状に構成されている。図6、図7に示すように、本実施形態では、係止片43のうち挿通孔51を介して上筒体15の内周側に位置する部位(係止バー46)は、中筒体14の短辺側壁部21の内側(上部フランジ24、下部フランジ25、及び連結リブ26で囲まれる領域)に位置している。そして、上筒体15は、中筒体14に対し、上筒体15に装着されたロック部材41の係止片43と中筒体14の下部フランジ25の上面とが当接する状態から、上筒体15に装着されたロック部材41の係止片43と中筒体14の上部フランジ24の下面とが当接する状態となるまで上下にスライド可能に構成されている。
また、図9、図10等に示すように、本体部42には、短辺側壁部21の横幅方向中央部側の部位において、前方に凹となる操作部としての操作用凹部47が形成されており、当該操作用凹部47の周縁部に指をかけてロック部材41を左右にスライドさせることができるようになっている。操作用凹部47の周縁部は、本体部42のその他の部位よりも外方(図10では紙面手前側)に突出しており、操作用凹部47の内周面に対して指をかけ易くなっている。さらに、本体部42には、上面から上方、かつ、短辺側壁部21の横幅方向中央部側に延出する付勢部としての弾性片48が設けられており、弾性片48が、ベース部23の外面から突出形成された当てリブ52に圧接することにより、ロック部材41が短辺側壁部21の側辺部側に付勢されている。
加えて、短辺側壁部21には、各ロック部材41の本体部42に対応して、下部フランジ25の先端縁から上方に延出する抜け止めリブ53が形成されるとともに、前記当てリブ52の下端から短辺側壁部21の横幅方向中央側に延出するガイドリブ54が形成されている。そして、係止片43を挿通孔51に挿通しつつ、本体部42をベース部23、下部フランジ25、抜け止めリブ53、及びガイドリブ54で囲まれる領域に入れ込むことで、ロック部材41が短辺側壁部21に装着されている。尚、本実施形態では、上筒体15のベース部23に対して、ロック部材41の係止片43を挿通させるとともに、ロック部材41の左右のスライドを許容するように挿通孔51を形成しているが、かかる挿通孔51は、通常、ロック部材41の本体部42によってほぼ閉塞されるため、挿通孔51からの埃等の侵入が抑止される。
また、ロック部材41の厚みは、最大の部位において、短辺側壁部21の上部フランジ24、下部フランジ25、及び連結リブ26のベース部23からの延出長と同じとなっている。つまり、側壁部12の外周方向において、ロック部材41のうち側壁部12の外周側の端縁と、短辺側壁部21の上部フランジ24や下部フランジ25の先端部とが同じ位置となっている(図6、図7等参照)。このため、ロック部材41が短辺側壁部21の内側に収まり、ロック部材41の損傷等が抑制される。尚、ロック部材41は、上筒体15から外側にはみ出していなければよく、ロック部材41の厚みは、最大の部位でも、短辺側壁部21の上部フランジ24、下部フランジ25、及び連結リブ26のベース部23からの延出長よりも小さくなっていることとしてもよい。
図11、図14等に示すように、中筒体14には、各短辺側壁部21の外面側において、上部フランジ24と下部フランジ25とにかけて上下に延在し、上下に並ぶようにして複数の段部62が形成された鋸歯状リブ61が設けられている。鋸歯状リブ61は、各短辺側壁部21において、上筒体15の各短辺側壁部21に装着された一対のロック部材41に対応して左右一対で設けられるとともに、左右一対の鋸歯状リブ61は左右対称形状をなしている。本実施形態では、各鋸歯状リブ61において5つの段部62が形成されている。
段部62は、略水平方向に延在し、上筒体15に装着されたロック部材41の係止片43の係止バー46の下面と当接してかかる係止片43を支持可能な支持部63(図5参照)と、支持部63のうち短辺側壁部21の幅方向中央部側の端部から下方かつ短辺側壁部21の側辺部側に向けて傾斜して延びる傾斜部64とを備えている。本実施形態では、中筒体14の鋸歯状リブ61の段部62の支持部63に対し、上筒体15に装着されたロック部材41の係止バー46が支持される(係止される)ことで、ロック部材41、ひいては、当該ロック部材41が装着された上筒体15の下方への変位が防止されるようになっている。
上筒体15に装着されたロック部材41は、係止片43が中筒体14の鋸歯状リブ61の段部62に支持される係止位置と、係止片43が段部62から外れ(段部62よりも短辺側壁部21の幅方向中央部側に位置し)、段部62に支持されなくなる解徐位置との間を変位可能に構成されている。また、上記のように、ロック部材41は、弾性片48によって短辺側壁部21の側辺部側、すなわち、係止バー46が支持部63の上方に突出する係止位置側に付勢されており、これによって、ロック部材41が段部62に支持される状態が維持される。
また、上下に隣接する段部62のうち、下側の段部62の支持部63の上面と対向する上側の段部62の下面は傾斜部64によって構成されているため、上筒体15を持ち上げた場合、下側の段部62の支持部63に支持されていたロック部材41の係止片43が上側の段部62の傾斜部64に当接するとともに、当該傾斜部64に案内されるようにしてロック部材41が解徐位置側に変位することとなる。従って、作業者が操作用凹部47に指をかけてロック部材41の操作を行わなくても、上筒体15を持ち上げることで側壁部12を伸長させることができるようになっている。特に、本実施形態では、係止片43の係止バー46のうち傾斜部64に当接し得る部位が傾斜していることから、かかる作用効果が一層確実に奏される上、係止バー46と傾斜部64とが当接した際に、係止バー46や傾斜部64が損傷するといった事態を抑制することができる。
一方、側壁部12を収縮させる際には、操作用凹部47に指をかける等して、弾性片48の付勢力に抗し、係止片43が段部62よりも短辺側壁部21の横幅方向中央部側の位置、すなわち、解徐位置となるまでロック部材41を変位させた状態を維持しつつ、中筒体14に対して上筒体15を下方にスライドさせることで、側壁部12を収縮させることができる。
尚、ロック部材41は、係止片43の挿通部45が挿通孔51に挿通されているため、挿通部45が挿通孔51の左右縁部に当接することで、それ以上のスライドが規制される。当該構成により、係止状態を解除する際にロック部材41が変位し過ぎることに起因して、弾性片48が破損したり、各短辺側壁部21に設けられた一対のロック部材41同士が接触し、一方が他方の解徐動作を阻害してしまったりするといった事態を防止することができる。
また、上下に並ぶようにして設けられる複数の段部62は、互いに上下に離間するようにして設けられるとともに、上部フランジ24及び下部フランジ25からも離間するようにして設けられている。さらに、鋸歯状リブ61は、上下に隣接する段部62のうち、上側の段部62の傾斜部64の下端部と、下側の段部62の支持部63の短辺側壁部21の側辺部側の端部との間、複数の段部62のうち最も上方に位置する段部62の支持部63の短辺側壁部21の側辺部側の端部と、上部フランジ24の下面との間、及び、複数の段部62のうち最も下方に位置する段部62の傾斜部64の下端部と、下部フランジ25の上面との間をそれぞれ連結し、略鉛直方向に延在する連結部65を備えている。
また、複数の段部62のうち最も上方に位置する段部62の支持部63は、上筒体15に装着されたロック部材41の係止片43が、中筒体14の上部フランジ24の下面と当接又は近接した状態において、かかる係止片43の係止バー46の下面と当接して支持可能に設けられている。上筒体15のロック部材41の係止片43が中筒体14の鋸歯状リブ61の最も上方に位置する段部62に支持された状態においては、中筒体14の上方に上筒体15が大きく突出し、上筒体15と中筒体14とが重なっている面積が最も小さくなった状態(上筒体15及び中筒体14の最伸長状態)となっている。
さらに、中筒体14の下部フランジ25のうち段部62の直下方に位置する部位は、上筒体15に装着されたロック部材41の係止片43の係止バー46の下面と当接して、かかる係止片43を支持可能に構成されている。上筒体15のロック部材41の係止片43が中筒体14の下部フランジ25に当接して支持された状態においては、中筒体14の下面と、上筒体15の下面とが略面一となり、中筒体14の全体と上筒体15の全体とがほぼ重なり合った状態(上筒体15及び中筒体14の最収縮状態)となっている。
また、図13、図14等に示すように、本実施形態では、中筒体14に対しても、上筒体15と同様にロック部材71が装着されている。図12等に示すように、当該ロック部材71は、基本的に上筒体15に装着されたロック部材41と同様の構成を具備しているが、本実施形態では、中筒体14に装着されるロック部材71は、上筒体15に装着されるロック部材41よりも、本体部42の左右の幅が短くなっている。
さらに、上筒体15に装着されたロック部材41の係止片43は、当該ロック部材41が係止位置及び解徐位置のどちらにあっても、短辺側壁部21の横幅方向(側壁部12の周方向)における位置が、中筒体14に装着されたロック部材71の本体部42とは重複しないようになっている(図5、図7等参照)。より詳しくは、上筒体15に装着されたロック部材41が解徐位置にあっても、当該ロック部材41の係止片43の全体が、中筒体14に装着されたロック部材71の本体部42よりも短辺側壁部21の側辺部側に位置し、中筒体14に対して上筒体15を下降させても、上筒体15に装着されたロック部材41の係止片43と、中筒体14に装着されたロック部材71の本体部42とが当接し得ないように構成されている。
当該構成により、中筒体14に対して上筒体15を下降させた場合に、上筒体15のロック部材41の係止片43と、中筒体14のロック部材71の本体部42とが当接し、上筒体15の下降動作が阻害されてしまうといった事態を回避することができる。また、中筒体14に装着されたロック部材71に関しても、中筒体14の上部フランジ24、下部フランジ25、及び連結リブ26の先端部よりも側壁部12の内周側に位置している。当該構成により、中筒体14に対して上筒体15を下降させた場合に、上筒体15の下部フランジ25の下面が、中筒体14のロック部材71の本体部42に当接し、上筒体15の下降動作が阻害されてしまうといった事態を回避することができる。従って、これらの構成から、側壁部12の外周方向において、上筒体15のロック部材41と中筒体14のロック部材71とが重なるまで、上筒体15を中筒体14に対して下降させることができる。
また、上筒体15に装着されたロック部材41と、中筒体14に装着されたロック部材71とは、短辺側壁部21の横幅方向において、操作用凹部47が同じ位置となるように配設されており、側壁部12の伸長状態においては、短辺側側壁部12を正面に見て、中筒体14のロック部材71の操作用凹部47の真上に上筒体15のロック部材41の操作用凹部47が位置し、側壁部12の収縮状態においては、側壁部12の外周方向において、中筒体14のロック部材71の操作用凹部47と上筒体15のロック部材41の操作用凹部47とが重なり合うようになっている。
尚、上筒体15及び中筒体14の挿通孔51の形状及び大きさは同じであり、上筒体15のロック部材41及び中筒体14のロック部材71の変位量は同じである。但し、上筒体15のロック部材41の係止片43と中筒体14のロック部材71の係止片43とで短辺側壁部21の幅方向における位置が異なるのに伴って、上筒体15及び中筒体14の挿通孔51の短辺側壁部21の幅方向における形成位置が異なっている。
また、中筒体14のロック部材71についても、中筒体14の下部フランジ25の上面に沿ってスライドし、ロック部材71の係止片43と、下筒体13の下部フランジ25とが当接するまで中筒体14を下降させることができる。このため、側壁部12を収縮させ、下筒体13の下端部と中筒体14の下端部との高さ位置を揃える(略面一とする)ことができる。さらには、上記のように中筒体14の下端部と、上筒体15の下端部との高さ位置を揃えることができることから、側壁部12の高さをほぼ筒体13、14、15の一枚分の高さとすることができる(図2参照)。加えて、このように側壁部12を最も収縮させた最収縮状態としても、側壁部12の下方には、底壁部11が下方に突出している。つまり、底壁部11の外周面が中筒体14や上筒体15で覆われることがなく、従って、側壁部12の最収縮状態において、底壁部11の外周に沿って形成された嵩上げ部32の凹部34に手をかけて、側壁部12を伸長させることなく、箱型容器1を運搬することができる。
さらに、図15、図5等に示すように、本実施形態では、下筒体13に対しても、中筒体14と同様に鋸歯状リブ72が形成され、当該鋸歯状リブ72の段部62の支持部63によって、中筒体14に装着されたロック部材71の係止片43の係止バー46を支持することができるように構成されている。また、当該鋸歯状リブ72は、中筒体14に形成された鋸歯状リブ61と同様の構成を具備している。但し、下筒体13の鋸歯状リブ72は、中筒体14の鋸歯状リブ61よりも短辺側壁部21の横幅方向中央部側に位置している。すなわち、上記のように、中筒体14に装着されたロック部材71の係止片43(及び中筒体14の挿通孔51)が、上筒体15に装着されたロック部材41の係止片43(及び上筒体15の挿通孔51)よりも短辺側壁部21の横幅方向中央部側に位置している分だけ、下筒体13の鋸歯状リブ72が、中筒体14の鋸歯状リブ61よりも短辺側壁部21の横幅方向中央部側に位置している。これにより、中筒体14に装着されたロック部材71の係止バー46の長さを長くしなくても済み、係止バー46が長すぎることで、係止バー46が破損し易くなってしまうといった事態を防止することができる。
尚、本実施形態では、鋸歯状リブ61、72の各段部62によって係止部が構成されるとともに、ロック部材41、71と、段部62によって係止手段が構成される。また、各鋸歯状リブ61、72の段部62のうち最も上方に位置する段部62が上係止部に相当し、その他の段部62が中間係止部に相当する。
また、図4等に示すように、蓋部材3は、上筒体15の上辺部に取着される枠状の取付台81と、取付台81に対してヒンジ部82を介して回動可能に設けられ、取付台81の内周側に形成された開口部を開閉する開閉部83とを備えている。
次に、側壁部12を伸縮させ、箱型容器1の容積を大小させるときの操作手順などについて説明する。先ず、側壁部12を最収縮状態から最伸長状態へと伸張させる際の手順について説明する。
側壁部12を伸長させる場合、上筒体15を上方に持ち上げるだけである。すなわち、上筒体15を持ち上げることで、上筒体15に装着されたロック部材41の係止片43と、該係止部43の上方に位置する中筒体14の段部62とが当接しても、係止片43が段部62の傾斜部64に案内されてロック部材41が解徐位置へと変位するため、上筒体15のロック部材41を操作して解徐位置へと変位させる必要はない。従って、上筒体15を持ち上げると、上筒体15に装着されたロック部材41の係止片43が、中筒体14の鋸歯状リブ61の各段部62を乗り越えつつ、上筒体15が中筒体14に対して上方にスライドする。
上筒体15のロック部材41の係止片43が中筒体14の上部フランジ24に当接し、上筒体15が最も伸長した状態となった後も、上筒体15をさらに持ち上げることで、今度は、中筒体14が下筒体13に対して上方にスライドする。このときにも、中筒体14のロック部材71を操作する必要はなく、上筒体15を持ち上げるだけで、中筒体14のロック部材71の係止片43と、下筒体13の上部フランジ24とが当接するまで、側壁部12を伸長させることができる。
その後、上筒体15から手を離すことで、上筒体15のロック部材41が中筒体14の鋸歯状リブ61のうち最も上側に位置する段部62に支持され、中筒体14のロック部材71が下筒体13の鋸歯状リブ72のうち最も上方に位置する段部62に支持される。以上のようにして、側壁部12が最伸長状態とされ、かつ、かかる状態からの収縮が規制される状態となる。
次に、側壁部12を最伸長状態から最収縮状態へと収縮させる際の手順について説明する。
先ず、中筒体14の各短辺側壁部21に装着された一対のロック部材71の操作用凹部47にそれぞれ指を入れ(例えば、一対のロック部材71の一方の操作用凹部47に親指を入れ、他方の操作用凹部47に人差し指や中指を入れ)、一対のロック部材71を近接させるようにして一対のロック部材71を同時に解徐位置へと変位させる。尚、中筒体14の一対の短辺側壁部21にはそれぞれ一対のロック部材71が装着されているため、各短辺側壁部21に装着される一対のロック部材71を片手で同時に解徐位置へと変位させる操作を両手同時に行い、4つのロック部材71全てを解徐位置へと変位させる。これにより、中筒体14を下筒体13に対して下降させることができる状態となる。
続いて、ロック部材71を解徐位置で保持しつつ、中筒体14のロック部材71の係止片43と、下筒体13の下部フランジ25とが当接するまで中筒体14を下方にスライドさせる。これにより、中筒体14が最も収縮した状態となる。
次に、中筒体14のロック部材71から手を離し、今度は上筒体15のロック部材41を操作して、解徐位置へと変位させる。そして、ロック部材41を解徐位置で保持した状態のまま、上筒体15のロック部材41の係止片43と、中筒体14の下部フランジ25とが当接するまで、上筒体15を中筒体14に対して下方にスライドさせる。これにより、上筒体15が最も収縮した状態、ひいては、側壁部12の最収縮状態となる。
尚、箱型容器1の最収縮状態においては、上筒体15に設けられたロック部材41の係止片43が中筒体14の下部フランジ25の上面に当接し、中筒体14に設けられたロック部材71の係止片43が下筒体13の下部フランジ25の上面に当接するため、上筒体15が中筒体14の下方にまで移動してしまって中筒体14が上筒体15の上方に飛び出したり、中筒体14が下筒体13の下方にまで移動してしまって下筒体13が中筒体14の上方に飛び出したりするといったことはない。従って、例えば、箱型容器1が底壁部11の下面のみを支持された場合に、中筒体14及び上筒体15が下筒体13及び底壁部11から抜け落ちてしまうといった事態を防止することができる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、下筒体13と中筒体14との重なり合う面積や、中筒体14と上筒体15との重なり合う面積を変化させるようにして、下筒体13、中筒体14、及び上筒体15を相対的に上下に変位させることで、側壁部12を伸縮させ、箱型容器1の容積を変更可能に構成されている。さらに、上筒体15及び中筒体14にはロック部材41、71が装着され、中筒体14及び下筒体13には側壁部12の所定の伸長状態において前記ロック部材41、71を係止可能な段部62が上下に並ぶようにして複数形成された鋸歯状リブ61、72が設けられている。このため、箱型容器1に収容される物品の大きさや数量等に応じて側壁部12を伸縮させるとともに、その状態の上筒体15及び中筒体14に装着されたロック部材41、71と、当該ロック部材41、71に近い段部62とを係止させることで、箱型容器1内の物品が存在しない空間を小さくし、かつ、その状態からの側壁部12の収縮を防止することができる。従って、未使用時に箱型容器1をコンパクトにまとめておくことはもちろんのこと、物品を収容した状態においても箱型容器1を極力コンパクトにしつつ、箱型容器1に対して上下に圧縮されるような力が付加されたとしても、箱型容器1の形状が保持され、物品の保護を図ることができる。結果として、物品の収納効率、箱型容器1の保管・運搬効率の向上等を図ることができる。
また、ロック部材41、71は、上筒体15及び中筒体14に装着され、しかも、ロック部材41、71の本体部42は、自身が装着された上筒体又は中筒体14の外周側に設けられている。このため、側壁部12の外周側から比較的容易にロック部材41、71を操作することができる。従って、例えば、側壁部12の内周側からロック部材41、71を操作する構成となることで、ロック部材41、71を操作し難くなってしまい、特に、物品の収容状態ではロック部材41、71を操作不可能になって、物品を収容する前に側壁部12を伸長させる必要が生じ、物品の大きさ等に合わせて側壁部12を伸縮させることが難しくなってしまうといった事態を回避することができる。また、ロック部材41、71が側壁部12の内周側に設けられる場合のように、側壁部12の内周側においてロック部材41、71の周りに比較的大きな隙間ができ、容器としての機能が低下するといった不具合を防止することができる。加えて、ロック部材41、71が、中筒体14及び下筒体13の外周側にだけ、或いは、上筒体15及び中筒体14の内周側にだけ設けられる場合のように、ロック部材41、71が覆われない程度にしか側壁部12を収縮させることができなくなったり、ロック部材41、71が筒体13、14、15で覆われてもロック部材41、71を操作可能とするべく筒体13、14、15に比較的大きな開口部を形成する必要が生じてしまったりするといった不具合を防止することができる。
さらに、ロック部材41、71の係止片43は、自身が装着された上筒体15又は中筒体14の内周側に位置しているため、例えば、中筒体14に装着されたロック部材71の係止片43が中筒体14の外周側や、中筒体14の上方や下方に突出して設けられている場合のように、下筒体13の段部62を中筒体14の内周面よりも外周側に位置させるための構成(段部62を挿通させる切欠きや凹部等)などを設ける必要がなく、構成の簡素化、箱型容器1の容器としての機能の低下の抑制などを図ることができる。
また、ロック部材41、71は、自身が装着された上筒体15又は中筒体14の下部フランジ25の上面に沿ってスライド可能に設けられている。このため、中筒体14に対して上筒体15が上方に相対的にスライドし(上筒体15が中筒体14の上方に突出し)、下筒体13に対して中筒体14が上方に相対的にスライドすることで、側壁部12が伸長する構成となっている。従って、例えば、上記実施形態で言う上筒体15に底壁部11が取着され、上筒体15に対して中筒体14及び下筒体13が上方に相対的にスライドすることで側壁部12が伸長するよう構成した場合のように、側壁部12を伸長させた際に、側壁部12の内側面がアンダーカット形状になり、物品の収納や出し入れに関する機能の低下を招いたり、側壁部12を伸長させる際に側壁部12の内周側に手を入れる必要が生じ、作業性の低下や、物品を収容してからでは側壁部12を伸長させ難いといった不具合を招いたり、側壁部12を収縮させる際に、中筒体14においてロック部材71を操作しつつ下筒体13を押下げ、上筒体15においてロック部材41を操作しつつ中筒体14を押下げる必要が生じたりする(尚、ロック部材41、71を操作位置側に付勢する弾性片48があるため、一人の作業者では側壁部12を収縮させることが実質不可能になる)といった事態を回避することができる。
加えて、本実施形態では、各筒体13、14、15が略四角筒状をなし、互いに摺接するようにして上下に相対変位する構成のため、側壁部12の所定の伸長状態において各筒体13、14、15を係止状態とするべく、筒体13、14、15自体を回転させたり、略水平方向にスライドさせたりする必要がない。従って、係止に際して上下方向以外の方向における各筒体13、14、15の位置決めを行う必要がなくなり、作業性の向上を図ることができる。
また、本実施形態によれば、中筒体14及び下筒体13には上縁部及び下縁部から外側に突出する上部フランジ24及び下部フランジ25が設けられ、上筒体15はロック部材41の係止片43が中筒体14の下部フランジ25と当接した状態から上部フランジ24と当接した状態となるまで上下に相対変位可能に構成され、中筒体14はロック部材71の係止片43が下筒体13の下部フランジ25と当接した状態から上部フランジ24と当接した状態となるまで上下に相対移動可能に構成されている。このため、中筒体14や下筒体13の強度を高めつつ、上筒体15が中筒体14から抜けたり、中筒体14が下筒体13から抜けたりしてしまうといった事態を防止することができる。
さらに、上部フランジ24及び下部フランジ25は中筒体14及び下筒体13の上縁部及び下縁部に設けられているため、上筒体15と中筒体14とが重なる面積、及び、中筒体14と下筒体13とが重なる面積を、側壁部12の伸長状態においては極力小さくし、側壁部12の収縮状態においては極力大きくすることができる。特に、本実施形態では、各筒体13、14、15の上下幅がほぼ同じであるため、側壁部12の最収縮状態では、各筒体13、14、15の全体がほぼ重なり合うようにすることができる。このため、側壁部12の最収縮状態における側壁部12の上下幅と、側壁部12の最伸長状態における側壁部12の上下幅との相対的な差(比率)を大きくすることができる。従って、未使用時には箱型容器1を極力コンパクトにまとめつつ、側壁部12を伸長させることで極力大きな物品或いは多くの物品を収容可能な箱型容器1を得ることができる。特に、ロック部材41、71についても、対応する上筒体15、中筒体14の上方や下方に突出しない構成であることから、コンパクト化を図るといったかかる作用効果がより確実に奏される。
また、本実施形態では、中筒体14に装着されたロック部材71は、当該中筒体14の上部フランジ24及び下部フランジ25の先端縁から外側に突出しないようになっている。従って、側壁部12を収縮状態とする際に、ロック部材71の本体部42のうち中筒体14からはみ出した部位によって、当該中筒体14の外側に被さる上筒体15の下方への移動が阻害されてしまうといった事態を防止することができる。このため、ロック部材71の本体部42が隠れないような位置までしか側壁部12を収縮させることができない、或いは接触を避けるべく上筒体15に凹部等を形成しなければならないといった事態を回避することができる。
さらに、上筒体15に装着されるロック部材41の係止片43と、中筒体14に装着されるロック部材71の本体部42とは、側壁部12の周方向において位置がずれている。すなわち、側壁部12を収縮状態としても、上筒体15のロック部材41の係止片43と、中筒体14のロック部材71の本体部42とが当接しないように構成されている。従って、側壁部12を収縮状態とする際に、上筒体15のロック部材41の係止片43が、中筒体14のロック部材71の本体部42に当接することによって、上筒体15の相対移動が規制され、上筒体15のロック部材41の係止片43と、中筒体14のロック部材71の本体部42とが当接する位置までしか側壁部12を収縮させることができないといった事態を回避することができる。
尚、上筒体15にも上部フランジ24及び下部フランジ25が設けられ、上筒体15のロック部材41は、上筒体15の上部フランジ24や下部フランジ25の先端縁よりも側壁部12の内周側に位置している。このため、上部フランジ24及び下部フランジ25によって上筒体15の強度を向上させるだけでなく、ロック部材41が上筒体15から外側に突出しないことによってロック部材41の保護を図ることができる。また、ロック部材41、71は下部フランジ25の上面に沿ってスライド可能に構成されているため、ロック部材41、71の係止片43が中筒体14、下筒体13の段部62や下部フランジ25に係止された状態において、上筒体15に対して下向きの力が作用した場合、ロック部材41、71の本体部42が上筒体15、中筒体14の下部フランジ25と当接して支持され、かかる係止状態の安定化を図ることができる。
また、上筒体15及び中筒体14のどちらに関しても、各短辺側壁部21に対して一対のロック部材41、71が装着されている。このため、ロック部材41、71の係止状態、ひいては側壁部12の伸長状態の安定化を図ることができる。さらに、ロック部材41、71を係止位置側に付勢する弾性片48があることで、ロック部材41、71が不用意に解徐位置に変位してしまうといった事態を防止することができる。
また、上筒体15及び中筒体14のどちらに関しても、各短辺側壁部21に装着される一対のロック部材41、71の操作用凹部47間の距離はいずれも同じとなっている。従って、上筒体15及び中筒体14のどちらに関しても、一対のロック部材41、71の操作用凹部47間の距離を作業のし易い距離で統一することができ、比較的スムースに解徐作業を行うことができる。さらに、短辺側壁部21の横幅方向において、上筒体15に装着された一対のロック部材41の操作用凹部47の位置と、中筒体14に装着された一対のロック部材71の操作用凹部47の位置とが揃っているため、例えば、最伸長状態にある側壁部12を最収縮状態とする場合に、作業者は、中筒体14のロック部材71を操作して中筒体14を下筒体13に重なるようにして下方にスライドさせた後、そのまま手を真直ぐ上方に移動させて上筒体15のロック部材41を操作することができる。このため、例えば、上筒体15のロック部材41の操作用凹部47と、中筒体14のロック部材71の操作用凹部47とが、側壁部12の中央部を中心として90度ずれて配置されている場合のように、作業者が収縮作業を行う途中に箱型容器1を回転させたり、立ち位置を変えたりしなければならないといった事態を回避することができる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、下筒体13、中筒体14、及び上筒体15が、それぞれ別体として構成された一対の短辺側壁部21と一対の長辺側壁部22とにより構成されているが、一対の短辺側壁部21と一対の長辺側壁部22とを一体的に筒状に形成することで、下筒体13、中筒体14、及び上筒体15を構成することとしてもよい。尚、上記実施形態のように、短辺側壁部21及び長辺側壁部22を組み立てて各筒体13、14、15を構成する場合には、成形の都合で各筒体13、14、15をテーパ状に形成しなければならないといった事態を回避することができる。
また、下筒体13と底壁部11とを一体的に形成することとしてもよい。尚、上記実施形態のように、上筒体15を持ち上げるだけで、ロック部材41、71を操作することなく、側壁部12が伸長するような構成においては、側壁部12を収縮させても中筒体14や上筒体15によって、底壁部11(嵩上げ部32)の外周面に形成された凹部34が隠されないように構成することが望ましい。
(b)上記実施形態では、上筒体15を持ち上げるとそのまま側壁部12が伸長するように構成されているが、上筒体15を持ち上げるだけでは側壁部12が伸長しないように構成してもよい。例えば、鋸歯状リブ61、72の段部62の傾斜部64を水平(又は上記実施形態とは逆向き)に延在させるとともに、ロック部材41、71の係止バー46の上辺部を水平(又は係止バー46の先端部側の上辺部を上記実施形態とは逆向き)に延在させる等してもよい。このような構成を採用する場合、側壁部12の最伸長状態以外の状態でも、箱型容器1の形状(容積)を維持したまま、上筒体15や中筒体14を持って箱型容器1を運搬することができる。従って、箱型容器1に物品を収容した状態で箱型容器1を運搬する際の作業性の向上を図ることができる。
また、上記実施形態において、ロック部材41、71の解徐位置側への変位を規制する第1の位置と、ロック部材41、71の解徐位置側への変位を許容する第2の位置とに変位可能なストッパを設けることとしてもよい。この場合、上筒体15等を持ち上げても側壁部12が伸長しない状態と、上筒体15等を持ち上げることで側壁部12が伸長する状態とを切替えることができる。
(c)上記実施形態では、中筒体14の鋸歯状リブ61と下筒体13の鋸歯状リブ72とが同様の形状をなしているが、段部62の数や段部62間の距離を異ならせることも可能である。例えば、中筒体14の鋸歯状リブ61に形成された複数の段部62の形成ピッチと、下筒体13の鋸歯状リブ72に形成された複数の段部62の形成ピッチとを異ならせてもよい。この場合、上筒体15及び中筒体14のどちらを多く伸長させるかで、側壁部12の高さ(箱型容器1の容積)のより細かな調節を行うことが可能となる。尚、各鋸歯状リブ61、72には少なくとも2つの段部62が形成されていることとする。加えて、傾斜部64や連結部65を省略することとしてもよい。但し、支持部63の破損等を抑制するべく、傾斜部64及び連結部65を設けることが望ましい。
さらに、上記実施形態において、上筒体15を持ち上げた際に、必ずしも上筒体15が中筒体14よりも先に伸長しなくてもよく、例えば、上筒体15のロック部材41の弾性片48による付勢力が、中筒体14のロック部材71の弾性片48による付勢力よりも強くなるようにする等して、上筒体15を持ち上げた場合に、中筒体14が上筒体15よりも先に伸長するように構成してもよい。この場合、側壁部12の最収縮状態から上筒体15をそのまま持ち上げれば中筒体14が先に伸長し、上筒体15のロック部材41を解徐位置に保持しつつ上筒体15を持ち上げれば上筒体15が先に伸長する。このため、側壁部12の最収縮状態において側壁部12の最も外周側に位置する上筒体15に対する操作を行うことで、上筒体15及び中筒体14の一方を選択的に伸長させることができる。従って、上記のように、上筒体15及び中筒体14のどちらを多く伸長させるかで側壁部12の高さをより細かく変更するといった構成において、作業性の向上を図ることができる。
(d)上記実施形態では、側壁部12は略四角筒状をなしているが、例えば、円筒状に構成することとしてもよい。但し、各筒体13、14、15は上下方向以外の方向において互いに相対変位しないように構成することが望ましく、この場合、ロック部材41、71と段部62とを係止させる際に上下方向以外の方向における位置合わせを行う必要がなく、作業性の向上が図られる。尚、上記実施形態のような鋸歯状リブ61、72を採用する場合には、各筒体13、14、15を円筒状にしても、鋸歯状リブ61、72の連結部65によって、別途、上筒体15や中筒体14の内面側等に所定の突起等を設けなくても、筒体13、14、15の相対回転を規制することができる。さらに、ロック部材41、71の変位を規制するストッパを設けることで、かかる作用効果が一層確実に奏される。
(e)上記実施形態では、短辺側壁部21の横幅方向において、中筒体14の鋸歯状リブ61の形成位置と、下筒体13の鋸歯状リブ72の形成位置とをずらしているが、揃えることも可能である。但し、当該構成を採用する場合においても、上筒体15のロック部材41の係止片43と、中筒体14のロック部材71の本体部42との干渉を避けるべく、上筒体15の挿通孔51及び中筒体14の挿通孔51の位置を上記実施形態のようにずらす必要があるため、中筒体14のロック部材71の係止バー46を延長させる必要が生じる。この場合、中筒体14のロック部材71の係止バー46が破損し易くなってしまうため、上記実施形態のように、挿通孔51のずれに応じて、鋸歯状リブ61、72もずらして設けることが望ましい。
(f)上記実施形態では、箱型容器1はポリプロピレンにより構成されているが、ポリエチレン、PET、ポリアミド等その他の樹脂材料により構成されることとしてもよい。また、上記実施形態では、側壁部12が3つの筒体13、14、15により構成されているが、伸縮可能なように複数の筒体で構成されていればよく、筒体の数は、例えば、4つ以上でもよい。さらに、上記実施形態では、ロック部材41、71が短辺側壁部21に対応して装着されているが、長辺側壁部22に装着されてもよい。但し、伸縮に際しての作業性の観点からすると、上筒体15及び中筒体14においてロック部材41、71が装着される壁部を揃えることが望ましい。また、蓋部材3の構成についても特に限定されるものではなく、側壁部12の上部の開口を閉塞可能に構成されていればよい。