JP5496382B2 - 表示装置の色調整システム - Google Patents

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Description

この発明は、表示装置の色調整システムに係る発明である。
従来のディスプレイ色調整システムとして、カラーセンサを用いてディスプレイを予め設定された白色点(輝度・色度)を目標値として調整操作を行うものがある。この場合、予め使用者が設定する輝度・色度の目標値と、視環境における照明の色温度、照度や紙の色等ディスプレイ単独では管理できない諸条件との整合を取ることが簡単ではない。
一部業務用の作業環境においては、照明の色温度、演色評価数(Ra)および照度が一定値に予め管理され、かつ印刷用紙の仕様も予め管理されている。しかしながら、一般家庭やオフィス等においては、色管理のみを目的とした照明設計は困難であり、上記課題は更に困難なものとなる。
例えば、印刷物の場合は、照明の色温度が低い値(赤っぽい光)へ変化した場合は、その反射光に基づく印刷物の白色点の色温度は低くなり、かつ印刷物の用紙の紙の色(紙白)にも影響を受ける。つまり、当該関係を整理すると、(観測される光の分光分布)=(照明光源の分光分布)×(紙の分光反射率)、のような数式関係となる。
一方、例えば液晶ディスプレイの表示においては、照明の影響を排除すると、(観測される光の分光分布)=(バックライト光源の分光分布)×(液晶パネル(カラーフィクターを含む)の分光透過率)、のような数式関係となる。
印刷物で観測される光の分光分布とディスプレイで観測される光の分光分布とにおいては、その形状が大きく異なり、2つの画像の色合わせを行う手段として、次のような方法が用いられる。つまり、ある一定の視環境の下において、CIE−XYZ色空間等3刺激値における測色値が等しくなるように、異なるデバイスの表示を行う方法が用いられる。このように、予め定められた観測条件(光源、照度)、印刷用紙および印刷条件に基づき、これらの条件に従って予め定められた調整目標値に対し調整を行うことが、従来のディスプレイの色調整方法の考え方である。
当該従来技術の場合には、照明を含む視環境の整備等が一般家庭では簡単に行えないことが、ディスプレイの色調整を行う上での課題となっている。また、3刺激値による色管理のためには、専用の色計測装置(カラーセンサ)が必要となる。当該カラーセンサは、色管理を行う上でのコストアップ要因となっている。
また、CIE1931等で定義された等色関数と、実際の人間の眼の色知覚との相関についても、比較する2つの光の分光分布の形状次第では、等色関数で計測した色と実際の見えが必ずしも一致するとは限らない。よって、同じXYZ値の2つの色が異なる見え方をする場合もある。
上記の各課題の解決策として、ディスプレイの白色点を規準物体色と比較して調整を行うシステムが考案されている(例えば、特許文献1)。また、複数の色の異なるカラーパッチを表示し、使用者が無彩色と感じるものを選択し、白色点の調整を行うシステムも考案されている(例えば、特許文献2)。
特開2005−208982号公報 特開平11−178015号公報
上記2つの特許文献に係るシステムではいずれも、目視調整を用いたシステムであるが、カラーパッチ(色図形)を表示させ、ユーザの手による調整を行っている。この場合、色彩科学の専門家等一定のスキルを持つユーザであれば、精度良く調整を行うことも可能である。しかしながら、一般家庭のユーザは色彩科学の専門家では無い場合が多く、色図形を用いた色あわせは困難であることが多く、場合によっては、色調整操作そのものが発散する可能性もある。
そこで、本発明は、色彩科学の専門家では無いユーザであっても、所定の精度の白色点調整を簡単に実現することができる、表示装置の色調整システムを提供することを目的とする。さらに、当該表示装置の色調整システムを用いた白色点調整をより容易なもとのすることができる、作成容易で作成コストの安価な印刷物を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る表示装置の色調整システムは、コンピュータ装置と、画像の表示を行う表示装置とを、備えており、前記表示装置は、色度図を表示し、前記コンピュータ装置は、前記色度図に対する、前記コンピュータ装置からの操作に応じて、前記表示装置の色調整を行う。さらに、前記表示装置の白色点調整の際に使用され、画像が印刷された印刷物をさらに備えており、前記画像は、白色部と、白色から黒色に連続的に変化する無彩色のシャドウ部と、黒色部と、グレー部とを、少なくとも備えており、前記画像において、前記白色部と前記シャドウ部とで占める割合は、10%より多く、前記画像における前記グレー部の占める割合は、30%より多く、前記画像における前記黒色部の占める割合は、2%より多い。
また、本発明に係る表示装置の色調整システムは、コンピュータ装置と、画像の表示を行う表示装置とを、備えており、前記表示装置は、色度図を表示し、前記コンピュータ装置は、前記色度図に対する、前記コンピュータ装置からの操作に応じて、前記表示装置の色調整を行う。さらに、前記表示装置の白色点調整の際に使用され、画像が印刷された印刷物をさらに備えており、2つ折りされており、折りの内側の片側に前記画像が印刷され、前記折りの内側の他方の片側には前記画像は印刷されない。
本発明に係る表示装置の色調整システムは、コンピュータ装置と、画像の表示を行う表示装置とを、備えており、前記表示装置は、色度図を表示し、前記コンピュータ装置は、前記色度図に対する、前記コンピュータ装置からの操作に応じて、前記表示装置の色調整を行う。
したがって、目視による表示装置の色の調整を行う際に、白色点変更のターゲットとなる色を、色度図上にてマウス等のポインティングデバイスを用いて、指定できる。したがって、より直感的かつ簡単に、表示装置の色調整を行うことができる。
また、本発明に係る印刷物は、表示装置の白色点調整の際に使用され、画像が印刷された印刷物であって、前記画像は、白色部と、白色から黒色に連続的に変化する無彩色のシャドウ部と、黒色部と、グレー部とを、少なくとも備えており、前記画像において、前記白色部と前記シャドウ部とで占める割合は、10%より多く、前記画像における前記グレー部の占める割合は、30%より多く、前記画像における前記黒色部の占める割合は、2%より多い。
したがって、表示装置の色調整システムを用いた白色点調整を行う際に、着目したい階調がわかりやすく比較できる。つまり、表示装置の色調整システムを用いた白色点調整をより容易なもとのすることができる印刷物を提供できる。
また、本発明に係る印刷物は、表示装置の白色点調整の際に使用され、画像が印刷された印刷物であって、2つ折りされており、折りの内側の片側に前記画像が印刷され、前記折りの内側の他方の片側には前記画像は印刷されない。
したがって、保管時の湿気や温度変化の影響によるインクの写りの影響や、保管時の画像印刷面の劣化、汚れを最小限に抑えることができる。さらに、使用時に印刷が無い面を底面として設置することにより反射板としての役割を果たす。さらに、当該印刷物の構成の作成は、容易かつ安価にできる。
本発明に係る表示装置の色調整システムの構成を示す図である。 印刷物の構成を示す図である。 印刷物に印刷される写真画像を示す図である。 コンピュータ装置の内部機能構成および表示装置の内部機能構成を示すブロック図である。 本発明に係る表示装置の色調整システムの動作を説明するためのフローチャートである。 本発明に係る表示装置の色調整システムの動作を説明するためのフローチャートである。 本発明に係る表示装置の色調整システムの動作を説明するためのフローチャートである。 本発明に係る表示装置の色調整システムの動作を説明するためのフローチャートである。 本発明に係る表示装置の色調整システムの動作を説明するための表示画面図である。 本発明に係る表示装置の色調整システムの動作を説明するための表示画面図である。 本発明に係る表示装置の色調整システムの動作を説明するための表示画面図である。 本発明に係る表示装置の色調整システムの動作を説明するための表示画面図である。 本発明に係る表示装置の色調整システムの動作を説明するための表示画面図である。 本発明に係る表示装置の色調整システムの動作を説明するための表示画面図である。 本発明に係る表示装置の色調整システムの動作を説明するための表示画面図である。
本発明に係る表示装置の色調整システムでは、実在する物体を撮影した写真データまたは実在する物体をイメージできるコンピュータ・グラフィックス等の画像データを表示装置に表示し、加えて印刷物として印刷し、ユーザの視環境の下で表示装置および印刷物を併置、比較する。
加えて、表示装置に対し工場出荷時に予め設定された複数の白色点のプリセットデータのそれぞれのRGB原色のゲイン値を、コンピュータ装置が読み取る。そして、照明の色温度の候補値をユーザが選択することができるメニューを、表示装置に表示する。ユーザは、上記視環境の下、併設された印刷物と表示画面とを見比べ、より近いと判断されるものを当該メニューより選択する。そして、ユーザにより選択された光源の色温度に従って、コンピュータ装置は、前記RGB原色のゲイン値に一定量の補正を加える。そして、コンピュータ装置と表示装置との間の双方向の通信機能を用いて、表示装置に上記補正後のRGBゲイン値を送信、設定する。
加えて、輝度調整メニューを表示装置に表示し、設定の結果についてユーザに良否判断の選択を行わせるメニューを表示装置に表示し、否の場合は更に詳細な色調整を行う。
更に詳細な色調整を行う場合には、白色点変更のターゲットとなる色を示す色度図を表示装置に表示し、マウス等のポインティングデバイスを用いて、目視による表示装置の白色点の調整を指定する。そして、RGB各原色点の値、カラープリセット値および表示装置のγ特性を用いて、コンピュータ装置は、前記で指定された色度から、RGBゲインの補正値を求める。そして、コンピュータ装置は、当該補正値に従って、前記RGB原色のゲイン値に一定量の補正を加える。そして、コンピュータ装置と表示装置との間の双方向の通信機能を用いて、表示装置に上記補正後のRGBゲイン値を送信、設定する。併せて、輝度調整手段を表示装置に表示し、ユーザによる輝度設定の結果に応じて、コンピュータ装置と表示装置との間の双方向通信手段を用いて、表示装置に輝度設定値を送信、設定する。
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
<実施の形態>
図1は、この発明の実施の形態に係る表示装置の色調整システム100の全体構成を示す図である。当該表示装置の色調整システム100は、RGBデータのそれぞれの最大値に対応したRGB各原色の出力最大値の発光バランスを調整して、白色点調整を行う。
図1において、コンピュータ装置1には、マウス2及びキーボード3等の入力デバイス、および表示装置4が接続されている。なお、印刷物5は、表示装置4とほぼ隣接して並べて配置される。つまり、天井等に設置される同一照明装置配設下において、印刷物5と表示装置4に映し出される画像とを、一目で視認できる。
図2は、印刷物5の仕様を示す図である。
図1,2に示すように、1枚の紙の画像印刷面が内側になるように略垂直に2つ折りにされる。そして、画像は折りの内側の片側(画像印刷部)のみにのみ印刷される。折りの内側の他方の片側(無印刷部)には印刷は施されず、白色のままである。つまり、印刷物5が略垂直に2つ折りされている状態において、画像印刷部と無印刷部と90℃隔てて対面(対向)している。また、印刷面の裏側(テキスト印刷面)には、品名や使い方の注意事項等が印刷される。
図3は、写真画像(または、コンピュータグラフィックス画像)を示す。図1から分かるように、当該写真画像から作成される画像データに基づいて、印刷物5に画像が印刷され、かつ、表示装置4に画像が表示される。当該写真画像は、色比較用として用いられる。写真画像の内、51は、白色や白色に近い箇所(白色部)および白色から黒色に連続変換する無彩色のシャドウ部を含む画像である。また、52は、黒色部である。また、53は、グレー部(背景)である。
ここで、写真画像全体における符号51の占める割合(写真全体における、白色部とシャドウ部とで占める割合)は、10%より多いことが望ましい。また、写真画像全体における符号53の占める割合は、30%より多いことが望ましい。また、写真画像全体における符号52の占める割合は、2%より多いことが望ましい。
また、印刷物5は、インクジェットプリンタに用いられる用紙、または、平均的なインクジェットプリンタの用紙の色に近い色の用紙であることが、好ましい。
図4は、コンピュータ装置1の機能構成および表示装置4の機能構成を示すブロック図である。
図4において、10は、コンピュータ装置1にインストールされているカラープロファイル制御用ソフトウエアである。12は、コンピュータ装置1と表示装置4との双方向通信機能を備えたグラフィックアクセラレータ装置である。13は、コンピュータ装置1にインストールされたオペレーティングシステム(OS)に搭載されたカラーマネジメントエンジンである。14は、OSに搭載された、表示装置4とコンピュータ装置1との双方向通信を可能とするドライバである。15は、ディスプレイドライバである。16は、ブロック13〜15を含むOSである。17は、コンピュータ装置に格納された画像ファイルである。18は、画像ファイル17に埋め込まれたカラープロファイルである。19は、表示装置4およびその色温度カラープリセットなどの色設定の状態に対応したカラープロファイルである。20は、画像データを表示するビューアをかねた色調整ソフトウエアである。
また、図4において、41は、液晶パネルである。42は、マイクロコンピュータであり、当該マイクロコンピュータ42は双方向通信手段43を備えている。44は、表示装置固有の色情報を含むEDID(Extended Display Identification Data)である。EDID44は、米国VESA(Video Electronics Standards Association)にて標準化され、現在殆どの表示装置に搭載されているものである。EDID44には、RGB原色および工場出荷設定時の白色色度データおよびガンマ値が格納されている。45は、描画のためのスケーラIC(Integrated Circuit)であり、当該スケーラIC45には、色調整の機能やガンマ補正テーブル(LUT: Look Up Table)等が内蔵されている。
また、図4に示すように、コンピュータ装置1と表示装置4とは、VGA(VideoGraphics Array)ケーブルまたはDVI(Digital Visual Interface)ケーブルにて接続されている。
次に、本実施の形態に係る表示装置の色調整システム100の動作について、図5,6,7,8に示すフローチャートを用いて説明する。本実施の形態に係る白色点の調整動作では、印刷物5の画像と表示装置4に表示された画像とを比較可能に配置する。これにより、色温度カラープリセットのユーザの目視による選択が可能となる。
図5は、動作起動方法等を示すフローチャートである。図6および図7は、色調整ウィザードの詳細な流れを示すフローチャートである。図8は、白色点詳細調整処理の流れを示すフローチャートである。ここで、表示装置4に表示される画面に対する操作は、コンピュータ装置1に接続されているマウス2やキーボード3を用いて実施される。
まず、図5に示すフローチャートを説明する。
画像が表示された表示装置4の傍に、当該画像が印刷された印刷物5を置く(ST1)。次に、ビューア機能を持つ色調整用ソフトウエアを起動する(ST2)。次に、色調整を行うのか、色調整を行わないのかを選択する(ST3)。色調整を行う場合(ST3で「Yes」)は、色調整用ウィザードを起動する(ST4)。これに対して、色調整を行わない場合(ST3で「No」)は、画像ビューアを起動する(ST5)。
次に、図6,7を用いて、色調整ウィザード(ST4)の動作を具体的に説明する。
色調整ウィザードを起動すると、図9に示すように、色温度選択画面(色温度カラープリセット選択画面)およびインストラクションが、表示装置4に表示される(ST4−3)。白色点オフセット処理の実施有無は、図9に示す画面内「白色点補正」のチェックボックスにおけるチェックの有無により決定される(ST4−4)。
ここで、複数の色温度カラープリセットは、予め工場出荷調整時に表示装置4に調整・プリセットされている。
白色点オフセット処理の実施を選択した場合(ST4−4で「Yes」)には、図9に示す画面上に対する色温度選択(図9では、昼白色(5000K)または昼白色(6500K)の何れかの選択)を行う(ST4−5)。当該ST4−5の選択結果に従って、コンピュータ装置1は、表示装置4に設定された色温度プリセット対応のRGBゲインデータを通信機能を用いて読み出し、当該読み出したRGBゲインデータに対して一定の補正を加えた後、補正後のRGBゲインデータを表示装置4へ通信機能を用いて送信・設定する(ST4−6、ST4−7)。この場合の補正値は、例えば、5000Kの色温度カラープリセット値の場合は、500KUPの5500K相当のゲイン値となる。
他方、白色点オフセット処理の実施をしない場合(ST4−4で「No」)には、表示装置4の色温度カラープリセットの選択操作のみを実施する(ST4−9、ST4−10)。
次に、図7のフローチャートに移り、表示装置4に輝度調整画面を表示し、当該輝度調整画面に対する操作により、ユーザが輝度の調整を行う(ST4−20)。図10は、輝度調整画面の例である。輝度調整画面に表示されるスライドバーの位置の移動により、表示装置4のバックライト輝度設定が行われる。ここで、ユーザは、表示装置4に表示される画像と当該表示装置4の傍に載置されている印刷物5とを見比べ、それぞれの輝度(明るさ)が同程度と感じるように、当該輝度調整処理を実施する。また、スライドバーの設定位置に従った輝度データが、通信手段を介してコンピュータ装置1から表示装置4へ送信される。
次に、図11に示すように、表示装置4に確認画面が表示される(ST4−21)。ここで、当該確認画面に表示されている完了ボタンをクリックする(ST4−22で「No」)。すると、調整操作が完了し、設定された色温度カラープリセットに対応、または、RGB各色原色点およびRGBゲイン値にて決定した白色点に基づきカラープロファイルを生成する(ST4−24)。
カラープロファイルには、白色点、RGB原色各点のXYZ色度座標とRGBそれぞれのガンマ値(テーブル)が記載される。RGB原色各点のXYZ値は、前記EDID44に記載のものを読み出して用いる。
次に、生成したカラープロファイルを、OS16の管理フォルダーへ、インストールする(ST4−25)。当該インストール前に、当該管理フォルダー内の既存のプロファイルの白色点およびガンマ値と、新しく生成したプロファイルの白色点およびガンマ値とを比較する。そして、それぞれが一定の許容誤差範囲である場合は、既存のプロファイルをOS16の“既定のカラープロファイル”として指定し、ビューア等において表示装置4に関連付けられたカラープロファイルとして用いられるよう設定する。
ST4−22に話を戻し、詳細調整を実施することを選択したとする(ST4−22で「Yes」)。つまり、図11に示す画面に表示されている「より細かく設定」のボタンをマウスでクリックしたとする。この場合には、ST4−23に移行し、図8に示す動作(白色点詳細調整処理)を行う。
図8において、まず、図12に示すように、インストラクション表示(白色点の指定方法)の画面が表示装置4に表示される(ST4−23−1)。当該画面には、「色度図上で調整する」と「画像を選んで調整する」のメニューが表示され、さらに選択を行うラジオボタンが表示される。
当該画面に対してユーザが色調整方法の選択を行い(ST4−23−2)、たとえば「色度図上で調整する」を選択したとする。この場合、ST4−23−3に移行し、表示装置4には図13に示すような白色点の調整画面が表示される。ここで、図13に示す調整画面には、CIE−xyやCIE−uvのような色度図が含まれている。ユーザは、当該色度図上に表示されたポインタをマウスまたはカーソルキー操作で移動させ、クリック操作またはリターンキー操作等の確定操作にて、白色点の色座標とRGB原色点の色座標とを指定(決定)する(ST4−23−4)。
次に、コンピュータ装置1は、指定された白色点の色座標とRGB原色点の色座標により、RGB原色点のRGB発光比を計算する(ST4−23−5)。次に、コンピュータ装置1は、上記RGB発光比よりRGBゲイン値を計算し、表示装置4における当該RGBゲイン値の設定のために、コンピュータ装置1と表示装置4との間における通信手段を介して当該RGBゲイン値を表示装置4へ送信する(ST−4−23−6)。
また、表示装置4における画面と印刷物5との色合わせにおいては、両者において輝度を同じにすることが重要である。したがって、必要に応じて図13に示すスライドバーを用いて輝度設定値を指定し、上記と同様な通信手段を用いて表示装置4内のバックライト輝度設定を変更する(ST4−23−7、ST4−23−8)。
ST4−23−9のフローから分かるように、ユーザは、表示装置4における画面と印刷物5とにおいて、色および輝度がほぼ同じと感じるまで、ST4−23−4からST4−23−8までを繰り返し実施する。そして、色および輝度が同じと判断した時点で、白色点詳細調整処理を終了する。
さて、ST4−23−2に話を戻す。当該ST4−23−2にてユーザが、「画面を選んで指定する」を選択したとする。この場合には、ST4−23−10に移行し、表示装置4には図14に示すような白色点の調整画面が表示される。図14に示すように、当該調整画面には、大小合わせて9個のチャートと輝度調整用のスライドバーとが含まれている。
上記9個のチャートは、印刷物5に印刷されている画像のサイズに近い1個の大画像と、当該大画像の周辺に配置された白色点をそれぞれシフトした8個の小画像(選択画像と把握できる)とで構成される。
図14に示す表示装置4の画面内において、上下方向に並べられた小画像は、大画像に対して、RGB原色の内G(緑)のゲインが定められた一定ステップ変化している。なお、当該小画像は、当該画面の下から上方向へ行くに従いG(緑)が強くなるように、各小画像の白色点がシフトしている。
また、図14に示す表示装置4の画面内において、左右方向に並べられた小画像は、大画像に対して、RGB原色の内R(赤)およびB(青)のゲインが定められた一定ステップ変化している。当該小画像は、当該画面の左から右方向へ行くに従いR(赤)が強くなるように、各小画像の白色点がシフトしている。また、当該小画像は、当該画面の右から左方向へ行くに従いB(青)が強くなるように、各小画像の白色点がシフトしている。
ユーザは、マウス等を用いてコンピュータ装置側から、大画像と印刷物5の画像とを比較し、意図した色に変化するよう、それぞれの小画像の中より1個の小画像を選択し、指定する(ST4−23−11)。
次に、コンピュータ装置1は、指定された小画像のRGBゲイン増減値に基づき、既存のRGBゲイン設定値を増減(計算)する(ST4−23−12)。その後、当該計算したゲイン値を表示装置4に設定するため、コンピュータ装置1は、コンピュータ装置1と表示装置4との間の通信手段を介して、当該計算したゲイン値を表示装置4へ送信する(ST4−23−13)。
また、表示装置4における画面と印刷物5との色合わせにおいては、両者において輝度を同じにすることが重要である。したがって、必要に応じて図14に示すスライドバーを用いて輝度設定値を指定し、上記と同様な通信手段を用いて表示装置4内のバックライト輝度設定を変更する(ST4−23−14、ST4−23−15)。
ST4−23−16のフローから分かるように、ユーザは、表示装置4における画面と印刷物5とにおいて、色および輝度がほぼ同じと感じるまで、ST4−23−11からST4−23−15でまでを繰り返し実施する。そして、色および輝度が同じと判断した時点で、白色点詳細調整処理を終了する。
最後に、図15に示すように、白色点調整(変更)結果確認画像を表示装置4に表示する。ユーザは、図15に示す当該確認画像に表示される「戻る」ボタン若しくは「完了」ボタンを選択する。ここで、「戻る」ボタンが選択された場合には、ST4−23−1のフローに戻る。
本発明に係る表示装置の色調整システム100では、実在する物体を撮影した写真データまたは実在する物体をイメージできるコンピュータ・グラフィックス等の画像データを表示装置に表示し、加えて印刷物5として印刷し、ユーザの照明等の視環境の下で当該表示および印刷部5を比較可能に併置している。
したがって、色彩科学の専門家では無くとも、実際の作業環境の下で、普段に扱っている写真の色合わせを行うのと同じ感覚で色調整(白色点の調整)を行うことが可能となり、所定の精度にて、簡便な白色点調整が可能となる。
また、本発明に係る表示装置の色調整システム100では、複数の色温度カラープリセットについて、上記視環境の下、併設された印刷物5と表示装置4の画面とを見比べ、より近いと判断される色温度カラープリセットを選択できる。
したがって、細かい白色点調整プロセスを経ずに、簡単な方法で表示装置4の白色点を紙の白色点に近づけることができる。
また、本発明に係る表示装置の色調整システム100では、表示装置4の白色表示時の分光放射率特性と、併置される印刷物5の分光反射率および照明光源の分光放射率との関連により決められる紙よりの反射光の分光特性とを、計測器等で用いられるCIE1931等の等色関数による測色値と実際のユーザの目で観測され知覚される色との誤差分を補正し、ディスプレイの表示の白色を調整する。これにより、印刷物5の白色点と表示装置4の白色点とをより精度良く近づけることができる。
本発明に係る表示装置の色調整システム100では、目視による表示装置4の白色点の調整を行う際に、白色点変更のターゲットとなる色を、色度図上にてマウス等のポインティングデバイスを用いて、指定する。したがって、より直感的かつ簡単に、表示装置4の白色点調整を行うことができる。
本発明に係る表示装置の色調整システム100では、目視による表示装置4の白色点調整を行う際に、白色点変更のターゲットとなる変化を施した9枚の画像(1枚の大画像、8枚の小画像)を表示している。そして、1枚の大画像の白色点を基準として一定の割合でRGBの原色の構成比を変えた8枚の小画像を、大画像の周辺に配置している。そして、マウス等のポインティングデバイスを用いて、希望する白色点を有する小画像を指定することにより、大画像の白色点を変化させている。したがって、表示装置4の白色点調整を行うことができる。
さらに、本発明に係る印刷物5には、白色または白色に近い白色部51と、白色から黒色に連続変換する無彩色のシャドウ部51と、グレー部53と、黒色部52とを、少なくとも備える画像が印刷されている。ここで、画像全体における白色部51とシャドウ部51とで占める割合は、10%より多く、画像全体におけるグレー部53の占める割合は、30%より多く、画像全体における黒色部の占める割合は、2%よりも多い。
したがって、表示装置の色調整システム100を用いた白色点調整を行う際に、着目したい階調がわかりやすく比較できる。つまり、表示装置の色調整システム100を用いた白色点調整をより容易なもとのすることができる印刷物5を提供できる。
また、印刷物5は、2つ折りで収納・運搬され、図1,2に示すように、折りの内側の片側のみに印刷を施し、前記折りの他方の片側には印刷を施さない。
したがって、保管時の湿気や温度変化の影響によるインクの写りの影響や、保管時の画像印刷面の劣化、汚れを最小限に抑えることができる。さらに、使用時に印刷が無い面を底面として設置することにより反射板としての役割を果たす。さらに、当該印刷物5の構成の作成は、容易かつ安価にできる。
また、印刷物5の用紙は、インクジェットプリンタによる印刷物または平均的なインクジェットプリンタの用紙の色に近い色の用紙を用いる。これにより、表示装置の色調整システム100を用いた白色点調整された表示装置4の白色点を、ユーザが保有するインクジェットプリンタの白色に近づけることができ、より高い精度にて色合わせが可能となる。
なお、本発明に係る表示装置の色調整システム100は、家庭で用いられる、コンピュータ装置に接続されたディスプレイの色調整システムに適用できる。また、測色計等を用いた色調整装置の調整目標点の決定等において、一部産業用のディスプレイの調整にも応用可能である。
1 コンピュータ装置、2 マウス、3 キーボード、4 表示装置、5 印刷物、51 白色部およびシャドウ部、52 黒色部、53 グレー部、100 表示装置の色調整システム。

Claims (3)

  1. コンピュータ装置と、
    画像の表示を行う表示装置とを、備えており、
    前記表示装置は、
    色度図を表示し、
    前記コンピュータ装置は、
    前記色度図に対する、前記コンピュータ装置からの操作に応じて、前記表示装置の色調整を行い、
    前記表示装置の白色点調整の際に使用される、画像が印刷された印刷物を、さらに備えており、
    前記画像は、
    白色部と、
    白色から黒色に連続的に変化する無彩色のシャドウ部と、
    黒色部と、
    グレー部とを、少なくとも備えており、
    前記画像において、前記白色部と前記シャドウ部とで占める割合は、
    10%より多く、
    前記画像における前記グレー部の占める割合は、
    30%より多く、
    前記画像における前記黒色部の占める割合は、
    2%より多い、
    ことを特徴とする表示装置の色調整システム。
  2. コンピュータ装置と、
    画像の表示を行う表示装置とを、備えており、
    前記表示装置は、
    色度図を表示し、
    前記コンピュータ装置は、
    前記色度図に対する、前記コンピュータ装置からの操作に応じて、前記表示装置の色調整を行い、
    前記表示装置の白色点調整の際に使用される、画像が印刷された印刷物を、さらに備えており、
    前記印刷物は、
    2つ折りされており、折りの内側の片側に前記画像が印刷され、前記折りの内側の他方の片側には前記画像は印刷されない、
    ことを特徴とする表示装置の色調整システム。
  3. 前記表示装置は、
    前記表示装置の輝度値設定変更の際に使用される輝度調整画面を表示し、
    前記コンピュータ装置は、
    前記輝度調整画面に対する前記コンピュータ装置からの選択操作により決定された輝度値情報に基づいて、前記表示装置の輝度値を設定する、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置の色調整システム。
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