JP5495081B2 - 物品収納設備 - Google Patents

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本発明は、物品を収納する収納部を上下方向及び左右方向に複数並べて備えた物品収納棚と、前記物品収納棚の前面側において棚横幅方向に沿って設けられた移動経路を移動自在なスタッカークレーンが一対設けられ、前記一対のスタッカークレーンの夫々が、前記移動経路に沿う走行案内レールにて走行自在に案内される走行台車と、前記走行台車から立設する状態で設けられた昇降案内マストにて昇降自在に案内される昇降台及びこの昇降台に設けられて前記物品収納部に物品を移載可能な物品移載装置からなる昇降体とを備えて構成され、前記一対のスタッカークレーンの夫々の走行台車の走行位置を検出する一対の走行位置検出手段と、前記一対のスタッカークレーンの夫々の昇降体の昇降位置を検出する一対の昇降位置検出手段と、前記一対の走行位置検出手段及び前記一対の昇降位置検出手段の検出情報に基づいて、前記一対のスタッカークレーンの作動を制御する制御手段とが設けられた物品収納設備に関する。
上記のような物品収納設備では、スタッカークレーンを物品搬送作動させることで、荷受け台等の物品搬出入部から搬送対象の物品を掬って収納部に卸す入庫作業や、収納部に収納されている物品を掬って物品搬出入部に卸す出庫作業や、ある収納部から物品を掬って別の収納部へ物品を卸す入替作業などを行うようになっている。
ここでいうスタッカークレーンの物品搬送作動とは、走行台車の走行作動又は昇降体の昇降作動を伴うスタッカークレーンの作動をいい、搬送対象の物品を支持した状態の物品移載装置を搬送元から搬送先まで棚前面側で移動させる実搬送作動だけでなく、例えば、搬送元にある搬送対象の物品を掬うために、物品を支持しない状態の物品移載装置を搬送元まで走行作動及び昇降作動により移動させる空搬送作動や、入庫作業を完了した後、次の入庫作業に備えて、物品移載装置を、移動経路の経路方向での端部かつ上下方向の下端などに設定されるホームポジション(原点)にて待機させるために、物品を支持しない状態の物品移載装置をホームポジションまで移動させる原点復帰作動を含むものである。
そして、上位の管理コンピュータや作業者にて指令操作される指令入力手段等から物品単位の入庫作業又は出庫作業を指令する運転指令が指令されると、制御手段が、当該運転指令に基づく入庫作業又は出庫作業を行わせるべく、スタッカークレーンの作動を制御して、実搬送作動や空搬送作動の物品搬送作動、及び、搬送元で物品を掬う作動(掬い用物品移載作動)や搬送先で物品を卸す作動(卸し用物品移載作動)の物品移載作動を行うようになっている。
物品搬送作動における走行作動及び昇降作動は、運転指令に基づく実搬送作動や空搬送作動の作動開始位置及び作動終了位置との位置関係により決定する走行速度パターン及び昇降速度パターンに従った作動であり、適切な走行作動及び昇降作動をすることにより、作動開始位置から作動終了位置まで極力短時間で効率よく移動できるようになっている。
上記物品収納設備では、昨今の大量物流時代において入出庫作業時間の短縮の要請を満たすためにも、単位時間当たりに入庫及び出庫できる物品の数量、すなわち、処理できる運転指令の数の大小を示す物品処理能力が高いものが望まれる。物品収納設備における物品処理能力を高める技術としては、種々のものが提案されているが、その一例として、物品収納棚の前面側において棚横幅方向に沿って設けられた移動経路を移動自在なスタッカークレーンを一対設けることが提案されている。
一つの移動経路に対して一対のスタッカークレーンを設けたものとして、特許文献1に、移動経路に沿った一本の走行案内レールを敷設し、この走行案内レールを移動自在な一対のスタッカークレーンを移動経路方向に並べて設けたものが提案されている。
また、一つの移動経路に対して一対のスタッカークレーンを設けた別のものとして、特許文献2に、移動経路に沿った2本の走行案内レールを棚前後方向で間隔を隔てて敷設し、この走行案内レールの夫々についてスタッカークレーンを設けて、各スタッカークレーンが棚前後方向で隣接する2本の走行経路の夫々に沿って移動自在に設けられたものが提案されている。
特開2007−015780号公報 特開平07−125810号公報
上記特許文献1で提案されたものであると、相手方のスタッカークレーンよりもクレーン並び方向で相手側に位置する収納部との間で物品を移載するには、相手方のスタッカークレーンをその収納部よりもクレーン並び方向で相手側に位置させるための回避作動を行わなければならないという制約があり、使い勝手が悪い。しかも、各スタッカークレーンを物品搬送作動させる棚横幅方向の範囲を広くすればするほど、上記した回避作動の発生頻度が高くなり、一方のスタッカークレーンの物品搬送作動に起因して他方のスタッカークレーンについての本来の物品搬送でない無駄な作動による作動量や作動時間が多く発生するため、スタッカークレーンを一対設ける割に物品処理能力は大きくは向上しない。
上記特許文献2で提案されたものであると、各スタッカークレーンは、走行移動に関しては、相手方のスタッカークレーンの位置に関係なく、また、相手のスタッカークレーンを回避作動させることなく、棚横幅方向の全域に亘って移動自在であるので、物品処理能力が大きく向上することが期待できるが、夫々のスタッカークレーンの走行経路が隣接しているので、一対のスタッカークレーンの移動経路の横幅は、各スタッカークレーンの走行経路幅を加え合わせた幅となる。したがって、移動経路スペースが大きくなり、設備の設置スペースが大きくなるという不利がある。
さらに、上記特許文献2で提案されたものであると、棚前後方向で棚から遠い側の走行案内レールを走行するスタッカークレーンは、物品収納棚における各収納部までの距離が長くなるため、収納部とスタッカークレーンとの間で物品を移載する物品移載装置は遠くの収納部に対して物品を移載できるものでなければならず、例えば、特許文献2の図4に示されたように、物品移載装置を、物品を載置支持する物品支持台を棚前後方向に出退自在なスライドフォーク機構を用いたもので構成した場合、スライドストロークを長いもので構成しなければならず、物品移載装置の構造が複雑化する。
このように、従来の物品収納設備では、一対のスタッカークレーンを設けた場合に、移動経路幅が広くなり設備の設置スペースが大きくなる問題や、使い勝手が悪いという問題や、一対のスタッカークレーンを設けても物品処理能力が効果的に向上しないという問題や、物品移載装置の構造が複雑化するという問題があり、これらの諸問題を一挙抜本的に解決する物品収納設備は未だ提供されていない。
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、一対のスタッカークレーンの移動経路幅を極力狭くして設備のコンパクト化を図り、構成の複雑化を極力抑え、なおかつ、物品処理能力を効果的に向上させることができる物品収納設備を提供する点にある。
この目的を達成するために、本発明に係る物品収納設備の第1特徴構成は、
物品を収納する収納部を上下方向及び左右方向に複数並べて備えた物品収納棚と、
前記物品収納棚の前面側において棚横幅方向に沿って設けられた移動経路を移動自在なスタッカークレーンが一対設けられ、
前記一対のスタッカークレーンの夫々が、前記移動経路に沿う走行案内レールにて走行自在に案内される走行台車と、前記走行台車から立設する状態で設けられた昇降案内マストにて昇降自在に案内される昇降台及びこの昇降台に設けられて前記収納部に物品を移載可能な物品移載装置からなる昇降体とを備えて構成され、
前記一対のスタッカークレーンの夫々の走行台車の走行位置を検出する一対の走行位置検出手段と、
前記一対のスタッカークレーンの夫々の昇降体の昇降位置を検出する一対の昇降位置検出手段と、
前記一対の走行位置検出手段及び前記一対の昇降位置検出手段の検出情報に基づいて、前記一対のスタッカークレーンの作動を制御する制御手段とが設けられた物品収納設備であって、
前記走行案内レールとして、棚前後方向で間隔を隔てて互いに並行に設置された一対の案内レールが設けられ、
前記一対のスタッカークレーンとして、前記走行台車が前記一対の走行案内レールのうちの一方にて案内され、前記昇降案内マストが当該走行台車に設けられたスタッカークレーンと、前記走行台車が前記一対の走行案内レールのうちの他方にて案内され、前記昇降案内マストが当該走行台車に設けられたスタッカークレーンとが設けられ、
前記一対のスタッカークレーンの夫々が互いにすれ違い移動できるように、前記一対の昇降体は、相手側のスタッカークレーンの前記昇降体と棚前後方向で重複する部分を備えかつ相手方のスタッカークレーンの前記昇降案内マストに達しないように前記昇降案内マストから棚前後方向に延びる状態で設けられ、
前記制御手段が、
前記収納部に対する入出庫を行う物品搬送についての運転指令が指令されると、当該運転指令に基づいて、当該運転指令による物品搬送を担当する担当スタッカークレーンについての物品搬送作動を制御するように構成され、かつ、
前記一対のスタッカークレーンのうちの一方のスタッカークレーンのみの物品搬送作動を制御する場合に、前記一対の走行位置検出手段及び前記一対の昇降位置検出手段の検出情報に基づいて、前記一対のスタッカークレーンの一対の走行台車の夫々の走行位置及び前記一対のスタッカークレーンの一対の昇降体の夫々の昇降位置を管理して、前記一対の昇降体を、前記一対のスタッカークレーンが干渉することなくすれ違い移動できる離間距離として設定される必要離間距離以上昇降方向で離間したすれ違い用昇降位置に昇降させるべく、前記一対の昇降体の双方を、前記物品搬送作動による昇降作動とは異なる干渉回避用の昇降作動にて昇降させる相互回避昇降処理を、前記一対の走行台車のうち前記担当スタッカークレーンの前記走行台車のみを走行させながら行なうように構成されている点にある。
これら一対のスタッカークレーンの昇降体は、相手側のスタッカークレーンの昇降体と棚前後方向で重複する部分を備えているので、各スタッカークレーンの走行経路が棚前後方向で一部重なることになり、2台のスタッカークレーンの移動経路として、1台分の走行経路幅を単純に倍にしたものよりも幅を狭くすることができる。したがって、一対のスタッカークレーンを棚前後方向で並べて設ける場合の一対のスタッカークレーンの移動経路幅を狭くして設備のコンパクト化を図ることができる。
また、昇降体は相手側のスタッカークレーンの昇降体と棚前後方向で重複する部分を備えているので、物品収納棚から棚前後方向で遠い側のスタッカークレーンの昇降体は、相
手側のスタッカークレーンの昇降体と棚前後方向で重複する部分を備えないように構成した場合に比べて、棚前後方向で棚側に近い位置に位置することになるので、当該昇降体が備える物品移載装置は、棚前後方向で収納棚に比較的近い位置から、収納部とスタッカークレーンとの間で物品を移載すれば済む。したがって、物品移載装置に長いストロークのスライドフォーク機構等を設けなくて済むので、物品移載装置の構造の複雑化を抑えることができる。
さらに、一対のスタッカークレーンの各走行台車は、棚前後方向で間隔を隔てて互いに平行に設置された一対の走行案内レールを夫々走行し、各昇降体は、一対のスタッカークレーンの夫々が互いにすれ違い移動できるように、相手方のスタッカークレーンの昇降案内マストに達しないように昇降案内マストから棚前後方向に延びる状態で設けられているので、各スタッカークレーンは、相手側のスタッカークレーンの走行位置によらず、物品収納棚の棚前面側において、棚横幅方向で棚横幅全体に亘って走行移動することができる。
したがって、走行移動に関しては、相手方のスタッカークレーンの位置に関係なく、また、一対の昇降体が干渉しない昇降位置に位置してさえすれば、相手方のスタッカークレーンを回避作動させることなく、各スタッカークレーンは棚横幅方向の全域に亘って移動自在である。したがって、2台のスタッカークレーンを各別に物品搬送作動させることができるので、物品処理能力が大きく向上する。
そして、収納部に対する入出庫を行う物品搬送についての運転指令が指令されると、制御手段が、当該運転指令による物品搬送を担当する担当スタッカークレーンについての物品搬送作動を制御するが、その場合に、一対の走行位置検出手段及び一対の昇降位置検出手段の検出情報に基づいて、一対のスタッカークレーンの一対の走行台車の夫々の走行位置及び一対のスタッカークレーンの一対の昇降体の夫々の昇降位置を管理することになる。
制御手段は、一対の昇降体の双方を物品搬送作動による昇降作動とは異なる干渉回避用の昇降作動にて昇降させる相互回避昇降処理を行って、一対の昇降体の双方を、一対のスタッカークレーンが干渉することなくすれ違い移動できる離間距離として設定される必要離間距離以上昇降方向で離間したすれ違い用昇降位置に昇降させるので、一対の昇降体の双方が相互回避昇降処理による昇降作動をして、一対のスタッカークレーンが干渉することなくすれ違い移動できることになる。
これにより、一対のスタッカークレーンを干渉させることなく、棚横幅方向で棚横幅全体に亘って走行移動させて物品搬送作動を行うことができる。しかも、すれ違い用昇降位置に昇降させる場合に、双方の昇降体を昇降作動させるので、すれ違い用昇降位置に昇降するために必要な昇降作動量を一対のスタッカークレーンの昇降体の双方で負担し合うことになり、一対の昇降体を迅速にすれ違い用昇降位置に昇降させることができるとともに、各昇降体の昇降作動が物品搬送作動から大きく外れた作動となることを抑制して、物品搬送作動の効率が低下することを抑制できる。
このように、本特徴構成によれば、一対のスタッカークレーンの移動経路幅を極力狭くして設備のコンパクト化を図り、構成の複雑化を極力抑え、なおかつ、物品処理能力を効果的に向上させることができる物品収納設備を得るに至った。
本発明に係る物品収納設備の第2特徴構成は、前記一対のスタッカークレーンの双方の物品搬送作動を同時に制御する場合に、前記相互回避昇降処理を、前記一対の走行台車の双方を走行させながら又は一方のみを走行させながら行なうように構成されている点にある。
本発明に係る物品収納設備の第3特徴構成は、
物品を収納する収納部を上下方向及び左右方向に複数並べて備えた物品収納棚と、
前記物品収納棚の前面側において棚横幅方向に沿って設けられた移動経路を移動自在なスタッカークレーンが一対設けられ、
前記一対のスタッカークレーンの夫々が、前記移動経路に沿う走行案内レールにて走行自在に案内される走行台車と、前記走行台車から立設する状態で設けられた昇降案内マストにて昇降自在に案内される昇降台及びこの昇降台に設けられて前記収納部に物品を移載可能な物品移載装置からなる昇降体とを備えて構成され、
前記一対のスタッカークレーンの夫々の走行台車の走行位置を検出する一対の走行位置検出手段と、
前記一対のスタッカークレーンの夫々の昇降体の昇降位置を検出する一対の昇降位置検出手段と、
前記一対の走行位置検出手段及び前記一対の昇降位置検出手段の検出情報に基づいて、前記一対のスタッカークレーンの作動を制御する制御手段とが設けられた物品収納設備であって、
前記走行案内レールとして、棚前後方向で間隔を隔てて互いに並行に設置された一対の案内レールが設けられ、
前記一対のスタッカークレーンとして、前記走行台車が前記一対の走行案内レールのうちの一方にて案内され、前記昇降案内マストが当該走行台車に設けられたスタッカークレーンと、前記走行台車が前記一対の走行案内レールのうちの他方にて案内され、前記昇降案内マストが当該走行台車に設けられたスタッカークレーンとが設けられ、
前記一対のスタッカークレーンの夫々が互いにすれ違い移動できるように、前記一対の昇降体は、相手側のスタッカークレーンの前記昇降体と棚前後方向で重複する部分を備えかつ相手方のスタッカークレーンの前記昇降案内マストに達しないように前記昇降案内マストから棚前後方向に延びる状態で設けられ、
前記制御手段が、
前記収納部に対する入出庫を行う物品搬送についての運転指令が指令されると、当該運転指令に基づいて、当該運転指令による物品搬送を担当する担当スタッカークレーンについての物品搬送作動を制御するように構成され、かつ、
前記一対のスタッカークレーンの双方の物品搬送作動を同時に制御する場合に、前記一対の走行位置検出手段及び前記一対の昇降位置検出手段の検出情報に基づいて、前記一対のスタッカークレーンの一対の走行台車の夫々の走行位置及び前記一対のスタッカークレーンの一対の昇降体の夫々の昇降位置を管理して、前記一対の昇降体を、前記一対のスタッカークレーンが干渉することなくすれ違い移動できる離間距離として設定される必要離間距離以上昇降方向で離間したすれ違い用昇降位置に昇降させるべく、前記一対の昇降体の双方を、前記物品搬送作動による昇降作動とは異なる干渉回避用の昇降作動にて昇降させる相互回避昇降処理を、前記一対の走行台車の双方を走行させながら又は一方のみを走行させながら行なうように構成されている点にある。
これら一対のスタッカークレーンの昇降体は、相手側のスタッカークレーンの昇降体と棚前後方向で重複する部分を備えているので、各スタッカークレーンの走行経路が棚前後方向で一部重なることになり、2台のスタッカークレーンの移動経路として、1台分の走行経路幅を単純に倍にしたものよりも幅を狭くすることができる。したがって、一対のスタッカークレーンを棚前後方向で並べて設ける場合の一対のスタッカークレーンの移動経路幅を狭くして設備のコンパクト化を図ることができる。
また、昇降体は相手側のスタッカークレーンの昇降体と棚前後方向で重複する部分を備えているので、物品収納棚から棚前後方向で遠い側のスタッカークレーンの昇降体は、相
手側のスタッカークレーンの昇降体と棚前後方向で重複する部分を備えないように構成した場合に比べて、棚前後方向で棚側に近い位置に位置することになるので、当該昇降体が備える物品移載装置は、棚前後方向で収納棚に比較的近い位置から、収納部とスタッカークレーンとの間で物品を移載すれば済む。したがって、物品移載装置に長いストロークのスライドフォーク機構等を設けなくて済むので、物品移載装置の構造の複雑化を抑えることができる。
さらに、一対のスタッカークレーンの各走行台車は、棚前後方向で間隔を隔てて互いに平行に設置された一対の走行案内レールを夫々走行し、各昇降体は、一対のスタッカークレーンの夫々が互いにすれ違い移動できるように、相手方のスタッカークレーンの昇降案内マストに達しないように昇降案内マストから棚前後方向に延びる状態で設けられているので、各スタッカークレーンは、相手側のスタッカークレーンの走行位置によらず、物品収納棚の棚前面側において、棚横幅方向で棚横幅全体に亘って走行移動することができる。
したがって、走行移動に関しては、相手方のスタッカークレーンの位置に関係なく、また、一対の昇降体が干渉しない昇降位置に位置してさえすれば、相手方のスタッカークレーンを回避作動させることなく、各スタッカークレーンは棚横幅方向の全域に亘って移動自在である。したがって、2台のスタッカークレーンを各別に物品搬送作動させることができるので、物品処理能力が大きく向上する。
そして、収納部に対する入出庫を行う物品搬送についての運転指令が指令されると、制御手段が、当該運転指令による物品搬送を担当する担当スタッカークレーンについての物品搬送作動を制御するが、その場合に、一対の走行位置検出手段及び一対の昇降位置検出手段の検出情報に基づいて、一対のスタッカークレーンの一対の走行台車の夫々の走行位置及び一対のスタッカークレーンの一対の昇降体の夫々の昇降位置を管理することになる。
制御手段は、一対の昇降体の双方を物品搬送作動による昇降作動とは異なる干渉回避用の昇降作動にて昇降させる相互回避昇降処理を行って、一対の昇降体の双方を、一対のスタッカークレーンが干渉することなくすれ違い移動できる離間距離として設定される必要離間距離以上昇降方向で離間したすれ違い用昇降位置に昇降させるので、一対の昇降体の双方が相互回避昇降処理による昇降作動をして、一対のスタッカークレーンが干渉することなくすれ違い移動できることになる。
これにより、一対のスタッカークレーンを干渉させることなく、棚横幅方向で棚横幅全体に亘って走行移動させて物品搬送作動を行うことができる。しかも、すれ違い用昇降位置に昇降させる場合に、双方の昇降体を昇降作動させるので、すれ違い用昇降位置に昇降するために必要な昇降作動量を一対のスタッカークレーンの昇降体の双方で負担し合うことになり、一対の昇降体を迅速にすれ違い用昇降位置に昇降させることができるとともに、各昇降体の昇降作動が物品搬送作動から大きく外れた作動となることを抑制して、物品搬送作動の効率が低下することを抑制できる。
このように、本特徴構成によれば、一対のスタッカークレーンの移動経路幅を極力狭くして設備のコンパクト化を図り、構成の複雑化を極力抑え、なおかつ、物品処理能力を効果的に向上させることができる物品収納設備を得るに至った。
本発明に係る物品収納設備の第特徴構成は、前記制御手段が、前記一対の走行台車の夫々の走行位置が、前記一対のスタッカークレーンが干渉することが予測される相互接近位置であるか否かを設定周期毎に判別し、前記一対の走行台車の夫々の走行位置が前記相
互接近位置である場合に、前記相互回避昇降処理を行うように構成されている点にある。
本特徴構成によれば、制御手段は、担当スタッカークレーンの物品搬送作動を制御する間は、一対の走行台車の夫々の走行位置を管理して、一対の走行台車の夫々の走行位置が相互接近位置である場合は、相互回避昇降処理を行なって、一対の昇降体の双方の作動を制御して、一対のスタッカークレーンが干渉することなくすれ違い移動できる離間距離として設定される必要離間距離以上昇降方向で離間したすれ違い用昇降位置に位置させることになる。
つまり、一対の走行台車の夫々の走行位置が相互接近位置となるまでは、相手方のスタッカークレーンが、当該物品搬送作動の予定移動範囲に位置していても、干渉を回避するための作動を行わせずに物品搬送作動を進行させる。物品搬送作動を進行中には、一対の走行台車の夫々の走行位置が、一対のスタッカークレーンが干渉することが予測される相互接近位置であるか否かを監視しておき、一対の走行台車の夫々の走行位置が相互接近位置となると、相互回避昇降処理を開始するので、一対のスタッカークレーンが干渉することを回避できる。
そして。物品搬送作動を開始させた後、相互回避昇降処理が開始されるまでは、干渉を回避するための昇降作動を行わせないので、相手方のスタッカークレーンが待機状態である場合は、その待機状態のスタッカークレーンが早々に回避作動としての昇降作動をさせられることにより待機状態でなくなることがない。したがって、相互回避昇降処理が開始されるまでに、別の運転指令が発生して、この運転指令についての物品搬送作動により相手方のスタッカークレーンが干渉しない位置に移動することも期待できる。したがって、結果的に非効率となる回避用の昇降作動をできるだけ行わずに、一対のスタッカークレーンの相互干渉を回避することができる。
本発明に係る物品収納設備の第特徴構成は、前記制御手段が、前記一対の走行台車の夫々を設定減速度にて停止させたと仮定した場合に停止するまでに現在位置から移動する各走行台車の仮想制動範囲に移動経路方向で重複する部分がある場合に、前記一対の走行台車の走行位置が前記相互接近位置であると判別するように構成されている点にある。
本特徴構成によれば、設定減速度にて停止させたと仮定した場合に停止するまでに現在位置から移動する各走行台車の仮想制動範囲に移動経路方向で重複する部分がある場合に相互接近位置であると判別するので、物品搬送作動にて走行台車が走行作動しているときに、設定周期毎に相互接近位置であるか否かを判別することで、判別タイミングの後の物品搬送作動による走行作動の動向(加速作動・定速作動・減速作動)が如何に変化しようとも、判別タイミングの後に一対の走行台車が移動経路方向で重複部分が確実に生じる場合であるかどうかを判別することができる。
仮想制動範囲が重複しなければ、その後の物品搬送作動による動向次第で一対のスタッカークレーンが干渉する可能性がない状態になる場合も有り得る。例えば、相互に対向する向きに走行作動している走行台車の双方が、各走行台車についての仮想制動範囲の幅の和よりも長く離れていれば、これらの走行台車が実際に設定減速度で減速した場合には、双方の走行台車が移動経路方向で重複することなく停止するので、物品搬送作動による昇降作動の動向に拘らず、一対のスタッカークレーンが干渉する可能性はない。そして、上記のように走行台車の双方が、各走行台車についての仮想制動範囲の幅の和よりも長く離れているような場合には、相互接近位置であるとは判別されず、干渉回避処理は行われないので、物品搬送作動による昇降作動を進行させることができる。
このように、仮想制動範囲に重複する部分がある場合に相互接近位置であると判別することで、一対の走行台車の仮想制動範囲に移動経路方向で確実に重複部分が生じる場合には、物品搬送作動による昇降作動の動向如何では干渉する可能性があるとして、干渉回避処理を行なうことができるので、干渉回避処理を開始する適切な時期を判別して、物品搬送作動を行っている間の適切な時期に干渉回避処理を開始することができる。
なお、仮想制動範囲としては、走行台車の走行速さがゼロの場合にも適用され、その場合の仮想制動範囲は幅ゼロの位置となり、その位置が相手側の仮想制動範囲内に位置する場合に重複部分があると判別すればよい。
本発明に係る物品収納設備の第特徴構成は、
前記制御手段が、前記相互回避昇降処理において、前記一対の走行台車の夫々の走行位置が前記相互接近位置になってから走行作動中の前記走行台車を設定減速度にて減速させる態様で走行作動させた場合に前記一対の昇降体が干渉すると仮定される干渉仮定走行位置になるまでの猶予時間内に前記物品搬送作動により前記昇降体が昇降し得る昇降範囲である最大昇降範囲を前記担当スタッカークレーンの前記昇降体について求め、前記一対のスタッカークレーンの双方を前記担当スタッカークレーンとして前記物品搬送作動させているときは、前記一対の昇降体の夫々についての前記最大昇降範囲が相互に前記必要離間距離よりも長く離れることにより互いに重複していなければ、前記一対のスタッカークレーンの干渉が発生しない干渉不発生状態であると判別し、前記一対のスタッカークレーンの一方のみを前記担当スタッカークレーンとして前記物品搬送作動させているときは、他方の前記スタッカークレーンの前記昇降体の昇降位置を中心として前記必要離間距離だけ昇降方向に広がりをもつ干渉対象範囲が、前記担当スタッカークレーンの前記昇降体についての前記最大昇降範囲と重複していなければ、前記干渉不発生状態であると判別するように構成され、且つ、
前記相互回避昇降処理において前記干渉不発生状態であると判別した場合は、前記相互回避昇降処理では前記一対の昇降体の昇降作動を制御しない形態で前記物品搬送作動を行わせるべく、かつ、前記相互回避昇降処理において前記干渉不発生状態でないと判別した場合は、前記相互回避昇降処理で前記一対の昇降体を制御する形態で前記物品搬送作動を行わせるべく、前記一対の昇降体の双方の昇降作動を制御するように構成されている点にある。
本特徴構成によれば、一対の走行台車の夫々の走行位置が相互接近位置になってから、走行作動中の前記走行台車を設定減速度にて減速させる態様で走行作動させた場合に、干渉仮定走行位置になるまでの猶予時間内に物品搬送作動により昇降体が昇降し得る昇降範囲である最大昇降範囲を夫々の昇降体について求め、一対のスタッカークレーンの双方を担当スタッカークレーンとして物品搬送作動させているときは、各昇降体についての最大昇降範囲が、相互に必要離間距離よりも長く離れることにより互いに重複していなければ、一対のスタッカークレーンの干渉が発生しない干渉不発生状態であると判別する。
つまり、物品搬送作動が進行して各走行台車が近接する状態となっても、各昇降体についての最大昇降範囲が、相互に必要離間距離よりも長く離れることにより互いに重複していなければ、一方の昇降体についての最大昇降範囲の上限、及び、他方の昇降体についての最大昇降範囲の下限が、相互に必要離間距離より長く離れており、一対の昇降体が昇降方向で最大限接近したとしても、一対のスタッカークレーンの干渉は発生しないので、そのような場合には、干渉不発生状態であると判別するのである。
また、同様に、一対のスタッカークレーンの一方のみを担当スタッカークレーンとして物品搬送作動させているときは、他方のスタッカークレーン(非担当スタッカークレーン)の昇降体の昇降位置を中心として必要離間距離だけ昇降方向に広がりをもつ干渉対象範囲が、担当スタッカークレーンの昇降体についての最大昇降範囲と重複していなければ、前記干渉不発生状態であると判別する。
つまり、物品搬送作動が進行して各走行台車が近接する状態となっても、非担当スタッカークレーンの昇降体の昇降位置を中心として必要離間距離だけ昇降方向に広がりをもつ干渉対象範囲が、担当スタッカークレーンの昇降体についての最大昇降範囲と重複していなければ、非担当スタッカークレーンの昇降体の昇降位置は、最大昇降範囲の上限位置又は下限位置から必要離間距離より長く離れており、一対の昇降体が昇降方向で最大限接近したとしても、一対のスタッカークレーンの干渉は発生しないので、そのような場合には、干渉不発生状態であると判別するのである。
そして、制御手段は、相互回避昇降処理において干渉不発生状態であると判別した場合は、相互回避昇降処理では一対の昇降体の昇降作動を制御しない形態で物品搬送作動を行わせるので、一対の昇降体の昇降作動は、物品搬送作動によるものとなる。また、相互回避昇降処理において干渉不発生状態でないと判別した場合は、相互回避昇降処理で一対の昇降体を制御する形態で物品搬送作動を行わせるので、相互回避昇降処理で一対の昇降体の双方の昇降作動が制御されて、一対の昇降体をすれ違い用昇降位置に位置させるように、物品搬送作動とは異なる昇降作動をさせることになる。
このように、一対のスタッカークレーンの干渉が発生する可能性がないときには、相互回避昇降処理によって一対の昇降体の昇降作動を制御することはせず、物品搬送作動を進行させることができ、一対のスタッカークレーンの干渉が発生する可能性があるときには、相互回避昇降処理を行なって、一対の昇降体の双方を物品搬送作動とは異なる昇降作動をさせる。
したがって、必要以上に相互回避昇降処理が実行されて、物品搬送作動が変更されることを極力防止でき、設備の物品搬送能力が低下することを極力防止できる。
本発明に係る物品収納設備の第特徴構成は、
前記制御手段が、
前記運転指令に対応して生成される物品搬送作動用走行パターン及び物品搬送作動用昇降パターンに基づいて設定制御周期毎に更新生成される前記走行台車についての目標走行位置及び前記昇降体についての目標昇降位置を前記設定制御周期毎に指令することで、前記担当スタッカークレーンについての前記物品搬送作動を制御するように構成され、かつ、
前記相互回避昇降処理として、前記担当スタッカークレーンについて、前記物品搬送作動用昇降パターンに基づいて規定される前記昇降体についての前記目標昇降位置に代えて、前記一対のスタッカークレーンの前記昇降体の昇降位置及び昇降速度、並びに、前記必要離間距離に基づいて更新生成される干渉回避用の目標昇降位置を前記設定制御周期毎に指令することで、前記一対の昇降体を前記すれ違い用昇降位置に昇降させるべく、前記一対の昇降体の双方の昇降作動を制御するように構成されている点にある。
本特徴構成によれば、制御手段は、目標走行位置及び目標昇降位置を設定制御周期毎に指令することで担当スタッカークレーンについての物品搬送作動を制御する。目標走行位置及び目標昇降位置は、夫々、運転指令に対応して生成される物品搬送作動用走行パターン及び物品搬送作動用昇降パターンに基づいて設定制御周期毎に更新生成されるものである。つまり、制御タイミングにおける走行台車の走行位置や走行速度が、物品搬送作動用走行パターンからずれたものとなっていれば、そのずれを修正するように目標走行位置が更新生成される。同様に、制御タイミングにおける昇降体の昇降位置や昇降速度が、物品搬送作動用昇降パターンからずれたものとなっていれば、そのずれを修正するように目標昇降位置が更新生成される。したがって、物品搬送作動では、物品搬送作動用走行パターン及び物品搬送作動用昇降パターンに極力適合するように走行作動及び昇降作動が行われる。
また、制御手段は、相互回避昇降処理として、干渉回避用の目標昇降位置を設定制御周期毎に指令することで、一対の昇降体の双方の昇降作動を制御して、一対の昇降体をすれ違い用昇降位置に昇降させる。干渉回避用の目標昇降位置は、一対のスタッカークレーンの昇降体の昇降位置及び昇降速度、並びに、必要離間距離に基づいて更新生成されるものである。つまり、制御タイミングにおける双方の昇降体の昇降位置及び昇降速度に応じて、一対の昇降体の双方を互いに必要離間距離以上昇降方向で離間したすれ違い用昇降位置に昇降させるために適正な夫々についての目標昇降位置が、干渉回避用の目標昇降位置として更新生成される。したがって、相互回避昇降処理での昇降作動では、制御タイミング毎に昇降体の昇降位置及び昇降速度が考慮された適切な目標昇降位置が指令されることで、すれ違い用昇降位置に近づくように昇降作動が行われるので、すれ違い用昇降位置に昇降するための作動量として無駄な昇降作動量を極力抑制できる。
このように、物品搬送作動では、物品搬送作動用走行パターン及び物品搬送作動用昇降パターンに極力適合するように走行作動及び昇降作動が行われ、一対のスタッカークレーンが干渉することなくすれ違い移動できるようにするための回避作動としての相互回避昇降処理での昇降作動では、物品搬送作動と異なる昇降作動となるものの、極力少ない昇降作動量によりすれ違い用昇降位置に昇降できる。したがって、相互回避昇降処理で一対の昇降体をすれ違い用昇降位置に昇降させる場合に時間余裕を持つことができ、一対の昇降体を確実にすれ違い用昇降位置に昇降させることができる。
本発明に係る物品収納設備の第特徴構成は、前記制御手段が、地上側に設置され、かつ、前記一対のスタッカークレーンのうち一方のスタッカークレーンの作動を制御する第1クレーン制御手段と、他方のスタッカークレーンの作動を制御する第2クレーン制御手段とを備えて構成されている点にある。
本特徴構成によれば、地上側に設置されている制御手段が備える第1クレーン制御手段と第2クレーン制御手段とにより一対のスタッカークレーンの夫々の作動が制御されるので、各スタッカークレーンの夫々に設けるべき制御構成を、例えば、スタッカークレーンの走行台車や昇降体を目標位置情報に基づいて目標位置まで移動させる単純なサーボ制御による制御構成のように、簡単なもので済ますことができる。したがって、一対のスタッカークレーンの夫々に備えさせる制御構成の簡素化を図ることができる。
物品収納設備の平面図 物品収納棚の移動経路の横幅方向視での断面図 物品収納棚の移動経路の長手方向視での断面図 制御ブロック図 走行速度パターン及び昇降速度パターンの一例 クレーン制御のフローチャート 相互接近位置の説明図 干渉回避処理のフローチャート 干渉判定処理のフローチャート スタッカークレーンの代表寸法を示す図 スタッカークレーンの干渉仮定走行位置を説明する図 干渉不発生状態を示す図 相互回避昇降位置算出処理のフローチャート 相互回避昇降位置算出処理による目標昇降位置の設定の一例を説明する図 すれ違いが発生しない場合の干渉回避処理によるスタッカークレーンの作動の様子を示す模式図 すれ違いが発生する場合の干渉回避処理によるスタッカークレーンの作動の様子を示す模式図
本発明に係る物品収納設備の実施形態について、図面に基づいて説明する。この物品収納設備は、図1〜図3に示すように、物品出し入れ方向が互いに対向するように間隔を隔てて設置した2つの物品収納棚1と、2つの物品収納棚1同士の間に形成された移動通路2(移動経路に相当する。)を移動するスタッカークレーン3とが設けられている。物品収納棚1の棚横幅方向(図1紙面上下方向)において物品収納棚1の両側部には、外部から搬入される物品4を載置支持させるとともに、物品収納棚1から出庫して外部に搬出する物品4を載置支持する搬出入部5が設けられている。
各物品収納棚1は、前後一対の支柱1aが棚横幅方向に間隔を隔てて複数立設され、棚横幅方向に隣接する支柱1aの間を上下複数枚の棚板1bで連結して構成されている。棚板1bは、棚前後方向の前方側に物品4の一部を突出させる状態で物品4を載置支持するように構成されている。棚板1bは、棚横幅方向に複数の物品4が並ぶ状態で複数の物品4を載置支持するように構成されている。このようにして、物品収納棚1における収納部6は、棚板1bにて物品4を載置支持する状態で物品4を収納するように構成されている。収納部6は、棚前後方向(図1紙面左右方向)で移動通路2の両側において、上下方向及び左右方向に複数並ぶように設けられている。
スタッカークレーン3として、移動通路2を中心として、棚前後方向において一方側(図1及び図3紙面右側)を移動する第1スタッカークレーン3a(以下、1号機3aと呼ぶ。)と、棚前後方向において他方側(図1及び図3紙面左側)を移動する2号機3b(以下、2号機3bと呼ぶ。)とが設けられている。移動通路2の床面には、下部レール7(走行案内レールに相当する。)が棚横幅方向に沿って平行に2本敷設され、移動通路2の上方には、上部レール8が棚横幅方向に沿って平行に2本配置されている。2本の下部レール7及び上部レール8のうち、棚前後方向の一方側(図1及び図3紙面右側)に配置されているものは、1号機3aを移動通路2に沿って移動させるためのものであり、棚前後方向の他方側(図1及び図3紙面左側)に配置されているものは、2号機3bを移動通路2に沿って移動させるためのものである。1号機3a及び2号機3bの夫々は、下部レール7及び上部レール8の案内により棚横幅方向の物品収納棚1の全長及び搬出入部5の配設箇所に亘って移動通路2を往復移動自在に設けられている。
以下、1号機3a及び2号機3bについて説明するが、1号機3a及び2号機3bは、移動通路2に配置される互いに向きが異なるだけで、構造的には同じである。よって、同じ構造については、1号機3aと2号機3bとを区別することなく、スタッカークレーン3と総称して説明する。
スタッカークレーン3は、下部レール7に沿って走行自在な走行台車9と、その走行台車9に立設された昇降案内マスト10に沿って昇降自在な昇降台11とを備えている。昇降台11は、収納部6及び搬出入部5に対して物品4を移載可能な物品移載装置12を備えている。昇降台11及び物品移載装置12により昇降体UDを構成している。
走行台車9は、棚横幅方向に長い扁平形状に形成され、1号機3aの走行台車9と2号機3bの走行台車9とが、互いにすれ違い移動可能な状態で移動通路2を移動するように構成されている。
1号機3aの昇降案内マスト10は、棚前後方向の一方側(図1及び図3紙面右側)に寄せた状態で走行台車9に設けられ、2号機3bの昇降案内マスト10は、棚前後方向の他方側(図1及び図3紙面左側)に寄せた状態で走行台車9に設けられている。
1号機3aの昇降台11は、2号機3bの昇降案内マスト10に当接しないように1号機3aの昇降案内マスト10から棚前後方向に延びる状態で昇降案内マスト10にて片持ち支持されている。2号機3bの昇降台11も、1号機3aの昇降案内マスト10に当接しないように2号機3bの昇降案内マスト10から棚前後方向に延びる状態で昇降案内マスト10にて片持ち支持されている。
このようにして、1号機3aと2号機3bとは、互いにすれ違い移動可能な状態で移動通路2を往復移動するように構成されている。
昇降案内マスト10は、棚横幅方向に長い扁平形状に形成され、棚横幅方向で走行台車9の一端側に1つ立設されている。昇降案内マスト10は、棚横幅方向視において、下部レール7から物品収納棚1に接近する側に偏った位置で走行台車9に立設されている。昇降案内マスト10は、その上端部が上部レール8の下端部よりも高くなるように構成されている。昇降案内マスト10の上端部分には、上部レール7を挟み込む状態で設けられた2つの上部ガイドローラ14が棚前後方向に延びる支持体13にて支持されている。この2つの上部ガイドローラ14と上部レール7との当接により、棚前後方向でのスタッカークレーン3の移動が規制されている。
昇降台11は、昇降案内マスト10に設けられた2本の昇降用レール15に嵌合して単一の昇降案内マスト10により上下方向に昇降自在に案内支持されている。昇降台11には、昇降台11を昇降させるための昇降用チェーン16の一端部が連結されている。その昇降用チェーン16は、昇降案内マスト10の上部に設けられた上部スプロケット17に巻回され、且つ、走行台車9に設けられた下部スプロケット18に巻回されて、他端部が昇降台11に連結されている。昇降用チェーン16に対して、昇降用電動モータMVにて回転駆動される駆動スプロケット20が係合するように設けられている。昇降台11は、昇降用電動モータMVの正逆回転駆動により昇降用チェーン16をその長手方向に移動操作させて昇降するように構成されている。
走行台車9には、下部レール7上を回転自在な走行車輪21が設けられている。前後一対の走行車輪21の一方は、走行用電動モータMHにて回転駆動される駆動車輪21aとして構成され、他方は遊転回転自在な従動車輪21bとして構成されている。
1号機3aの走行台車9には、昇降経路における昇降体UDの昇降位置を検出する第1昇降用レーザ距離計23(2号機3bについては、第2昇降用レーザ距離計27)が設けられている。第1昇降用レーザ距離計23は、昇降台11に設けられた第1昇降用反射体24(2号機3bについては、第2昇降用反射体28)に向けて上下方向に沿って測距用光(レーザ光)を投光して第1昇降用反射体24にて反射された光を受光することにより、昇降体UDまでの距離を計測するように構成されている。第1昇降用レーザ距離計23は、計測した昇降体UDまでの距離から昇降体UDの昇降位置を検出するように構成されている。第1昇降用レーザ距離計23及び第2昇降用レーザ距離計27が一対の昇降位置検出手段に相当する。
走行台車9には、移動通路2における走行台車9の走行位置を検出する第1走行用レーザ距離計25(2号機3bについては、第2走行用レーザ距離計29)が設けられている。第1走行用レーザ距離計25は、棚横幅方向に沿って第1走行用反射体26(2号機3bについては、第2走行用反射体30)に向けて測距用光(レーザ光)を投光して第1走行用反射体26にて反射された光を受光することにより、棚横幅方向での第1走行用レーザ距離計25(2号機3bについては、第2走行用レーザ距離計29)と走行台車9との間の距離を計測するように構成されている。
第1走行用反射体26は、移動通路2の端部の地上側に設けられており、その設置位置を1号機3aの走行台車9の走行位置を検出するための基準位置としている。第1走行用レーザ距離計25は、第1走行用反射体26の設置位置である基準位置から1号機3aの走行台車9までの距離を計測して、1号機3aの走行台車9の走行位置を検出するように構成されている。
第2走行用反射体30は、移動通路2の第1走行用反射体26が設けられている端部とは反対側の端部の地上側に設けられており、その設置位置を2号機3bの走行台車9の走行位置を検出するための基準位置としている。第2走行用レーザ距離計29は、第2走行用反射体30の設置位置である基準位置から2号機3bの走行台車9までの距離を計測して、2号機3bの走行台車9の走行位置を検出するように構成されている。
つまり、第1走行用レーザ距離計25及び第2走行用レーザ距離計29が一対の走行位置検出手段に相当する。
物品移載装置12は、棚前後方向に沿った物品移載方向に物品4を載置搬送する載置搬送部と、この載置搬送部を物品移載方向に出退自在に支持する基台と、載置搬送部を物品移載方向で基台側に引退させる引退位置と基台28から物品移載方向で外方側に突出させる突出位置とに出退駆動させる出退駆動手段とを備えている。
図4の制御ブロック図に示すように、1号機3a及び2号機3bの作動を制御する制御手段としての地上側コントローラHが設けられている。地上側コントローラHは、スタッカークレーン3側に設けられる走行用及び昇降用の各レーザ距離計と走行用及び昇降用の各サーボアンプと通信自在に構成されている。地上側コントローラHとスタッカークレーン3側の各レーザ距離計及び各サーボアンプとの通信は、赤外線を利用した無線通信装置19、22により行なわれる。
無線通信装置19、22について、1号機3aと地上側コントローラHとの間で赤外線通信を行なう1号機無線通信装置19を例に説明すると、1号機無線通信装置19は、移動通路2の端部において地上側に設置されて地上側コントローラHに有線接続される地上側通信ユニット19aと、1号機3aの走行台車9に設置されて1号機3aの昇降用レーザ距離計23及び走行用レーザ距離計25並びに昇降用サーボアンプSV1及び走行用サーボアンプSH1に有線接続される端末通信ユニット19bとで構成されている。
地上側通信ユニット19a及び端末通信ユニット19bのそれぞれは赤外線送信機及び受信機を備えており、地上側通信ユニット19aは、1号機3aについての目標走行位置情報及び目標昇降位置情報等の各種制御情報をベースバンド信号として変調をかけたキャリア信号を赤外線にて端末通信ユニット19bに送信する。端末通信ユニット19bは、受信した赤外線信号を復調して、昇降用サーボアンプSV1及び走行用サーボアンプSH1に目標走行位置情報及び目標昇降位置情報等の各種制御情報を出力する。逆に、端末通信ユニット19bは、昇降用レーザ距離計23が検出する昇降体UDについての昇降位置情報及び走行用レーザ距離計25が検出する1号機3aの走行台車9についての走行位置情報をベースバンド信号として変調をかけたキャリア信号を赤外線にて地上側通信ユニット19aに送信する。地上側通信ユニット19aは、受信した赤外線信号を復調して、地上側コントローラHに1号機3aの昇降体UDについての昇降位置情報及び1号機3aの走行台車9についての走行位置情報を出力する。
このように、地上側通信ユニット19a及び端末通信ユニット19bとの間で双方向通信が行なわれることにより、地上側コントローラHが、1号機3aの作動を制御できるようになっている。同様に、2号機無線通信装置22の地上側通信ユニット22a及び端末通信ユニット22bとの間で双方向通信が行なわれることにより、地上側コントローラHが、2号機3bの作動を制御できるようになっている。なお、無線通信装置19、22の変復調周期は、地上側コントローラHの制御周期よりも十分短い周期となっている。
そして、上位の管理コンピュータや作業者にて指令操作される指令入力手段等から物品単位の入庫作業又は出庫作業を指令する運転指令が指令されると、運転指令にて指定される搬送元及び搬送先としての収納部6や搬出入部5に物品移載装置12を移動させるべく、地上側コントローラHが、1号機3a及び2号機3bの走行台車9の走行作動、昇降体UDの昇降作動を制御して、収納部6や搬出入部5のそれぞれについて予め設定された目標停止位置に物品移載装置12を棚前面側で移動させるようにしている。
ここで、目標停止位置は、収納部6や搬出入部5から物品4を掬いとるときよりも、収納部6や搬出入部5に物品4を卸すときの方が高い位置となるように定められている。そして、地上側コントローラHは、目標停止位置に物品移載装置12を位置させた状態で、物品移載装置12と目的の収納部6や搬出入部5との間で物品4を移載すべく、物品移載装置12の出退駆動手段及び載置搬送部の作動を制御するように構成されている。
こうして、地上側コントローラHが運転指令に基づいてスタッカークレーン3を制御することにより、スタッカークレーン3は、運転指令が指令されると、その運転指令にて指定された搬送元まで、物品移載装置12が物品4を載置支持していない状態で移動する空搬送作動(物品搬送作動に相当する。)をし、搬送元に到着すると搬送元から物品4を掬う掬い用移載作動をした後、物品移載装置12が物品4を載置支持している状態で搬送先まで移動する実搬送作動(物品搬送作動に相当する。)をし、搬送先に到着すると搬送先に物品4を卸す卸し用移載作動をして、入庫作業や出庫作業を行うようになっている。なお、運用によっては、入庫作業が完了した後、指令待機用のホームポジションHP(本実施形態では、走行台車9が移動通路2の棚横幅方向の端部に位置し、昇降体UDが昇降下限位置に位置するポジションとしている。図1参照。)に復帰させる原点復帰作動を行う場合もある。
地上側コントローラHは、運転指令が指令されると、物品搬送作動を担当していないスタッカークレーン(以下、非担当クレーンと呼ぶ。)を検索する。1号機3a及び2号機3bの双方が非担当クレーンであれば、当該運転指令にて指定された搬送元位置情報及び1号機3a及び2号機3bの現在位置に基づいて、搬送元に近い方のスタッカークレーンを、当該運転指令を担当する担当スタッカークレーン(以下、担当クレーンと呼ぶ。)として設定する。1号機3a及び2号機3bの何れかが非担当クレーンであれば、その非担当クレーンを、当該運転指令を担当する担当クレーンとして設定する。1号機3a及び2号機3bの双方が担当クレーンであれば、何れかのスタッカークレーンが非担当クレーンになった時点で、その非担当クレーンを、当該運転指令を担当する担当クレーンとして設定する。なお、1号機3a及び2号機3bの双方が担当クレーンである間に次々と運転指令が指令された場合は、運転指令情報を蓄積しておき、担当クレーンが発生した時点で、先に蓄積した運転指令についての担当クレーンを設定するように順次処理している。
地上側コントローラHは、担当クレーンを設定すると、その担当クレーンに対して、制御周期(本実施形態では10[ms]としている。)毎に目標昇降位置情報及び目標昇降位置情報を送信して、当該担当クレーンの物品搬送作動を制御する。以下、地上側コントローラHによるスタッカークレーン3の物品搬送作動の制御について説明する。
地上側コントローラHは、空搬送作動及び実搬送作動の物品搬送作動を行う間は、制御周期毎に、1号機3a及び2号機3bの夫々の走行台車についての目標走行位置情報、及び、1号機3a及び2号機3bの夫々の昇降体についての目標昇降位置情報を、1号機3a及び2号機3bに指令して、作動開始位置から作動終了位置まで物品移載装置12を移動させるべく、スタッカークレーン3の作動を制御する。
作動開始位置は、その物品搬送作動が、実搬送作動であれば当該運転指令についての搬送元であり、空搬送作動又は原点復帰作動であればそのスタッカークレーンが直近に処理した運転指令の搬送先である。作動終了位置は、その物品搬送作動が実搬送作動であれば当該運転指令についての搬送先であり、空搬送作動であれば当該運転指令についての搬送元であり、原点復帰作動であればホームポジションである。
目標走行位置情報は、作動開始位置から作動終了位置まで移動するのに必要な走行距離DHを、設定走行加速度αH、設定最高走行速度VHmax、設定走行減速度βHの制限のもとで極力短時間に走行できる走行速度変化パターン(図5(a)参照。)に沿った速度変化をするように、走行台車9の走行位置変化を制御するための制御周期毎の走行位置についての目標値である。
目標昇降位置情報は、例えば、作動開始位置から作動終了位置まで上昇作動する場合であれば、作動開始位置から作動終了位置まで上昇するのに必要な昇降距離DVを、設定上昇加速度αup、設定最高上昇速度Vupmax、設定昇降減速度βupの制限のもとで極力短時間に上昇できる昇降速度変化パターン(図5(b)参照。実線が上昇作動時の昇降速度変化パターン)に沿った速度変化をするように、昇降体UDの昇降位置変化を制御するための制御周期毎の昇降位置についての目標値である。作動開始位置から作動終了位置まで下降作動する場合であれば、必要な昇降距離DVを、設定下降加速度αdw、設定最高下降速度Vdwmax、設定昇降減速度βdwの制限のもとで極力短時間に下降できる昇降速度変化パターン(図5(b)参照。鎖線が下降作動時の昇降速度変化パターン)に沿った速度変化をするように、昇降体UDの昇降位置変化を制御するための制御周期毎の昇降位置についての目標値である。
第1走行用レーザ距離計25による1号機3aの走行台車9の走行位置情報及び第1昇降用レーザ距離計23による1号機3aの昇降体UDの昇降位置情報が、1号機3aから、1号機無線通信装置19を介して制御周期毎に地上側コントローラHに送信されるようになっており、地上側コントローラHは、1号機3aの走行台車9が上記走行速度変化パターンに沿った速度変化をするように、また、1号機3aの昇降体UDが上記昇降速度変化パターンに沿った速度変化をするように、1号機3aの走行台車9の走行位置情報及び昇降体UDの昇降位置情報に基づいて、1号機3aについての上記目標走行位置情報及び上記目標昇降位置情報を更新生成し、1号機無線通信装置19を介して1号機3aの昇降用サーボアンプSV1及び走行用サーボアンプSH1に送信する。
同様に、第2走行用レーザ距離計29による2号機3bの走行台車9の走行位置情報及び第2昇降用レーザ距離計27による2号機3bの昇降体UDの昇降位置情報が、2号機3bから、2号機無線通信装置22を介して制御周期毎に地上側コントローラHに送信されるようになっており、地上側コントローラHは、2号機3bの走行台車9が上記走行速度変化パターンに沿った速度変化をするように、また、2号機3bの昇降体UDが上記昇降速度変化パターンに沿った速度変化をするように、2号機3bの走行台車9の走行位置情報及び昇降体UDの昇降位置情報に基づいて、2号機3bについての上記目標走行位置情報及び上記目標昇降位置情報を更新生成し、2号機無線通信装置22を介して2号機3bの昇降用サーボアンプSV2及び走行用サーボアンプSH2に送信する。
図4に示すように、地上側コントローラHは、プログラムにより構成された第1クレーン制御手段31、第2クレーン制御手段32、干渉回避制御手段33、及び、通信制御手段34を備えている。
走行用サーボアンプSH1には、第1走行用レーザ距離計25の検出する走行台車9の走行位置情報及び走行モータMH1が備えるロータリエンコーダによるモータ回転数情報が、また、昇降用サーボアンプSV1には、第1昇降用レーザ距離計23の検出する昇降体UDの昇降位置情報及び昇降モータMV1が備えるロータリエンコーダによるモータ回転数情報が入力されている。これらのサーボアンプは位置制御モードで動作しており、走行用サーボアンプSH1は、第1走行用レーザ距離計25の検出する走行台車9の走行位置が、設定された目標位置となるように、1号機3aの走行モータMH1に対するモータ駆動出力を制御し、同様に、昇降用サーボアンプSV1は、第1昇降用レーザ距離計23の検出する昇降体UDの昇降位置が、設定された目標位置となるように、1号機3aの昇降モータMV1に対するモータ駆動出力を制御する。
第1クレーン制御手段31は、1号機3aから送信される目標走行位置情報に基づいて、走行台車9の走行位置が目標走行位置となるように、位置制御モードで動作する走行用サーボアンプSH1の目標位置情報としての目標走行位置情報を制御周期毎に生成する。生成された目標走行位置情報は、通信制御手段34が制御する通信ポートから1号機無線通信装置19の地上側通信ユニット19aに出力される。これにより1号機3aの走行モータMH1は、走行台車9が、目標走行位置情報の示す走行位置に位置するように回転駆動する。
同様に、第1クレーン制御手段31は、1号機3aから送信される目標昇降位置情報に基づいて、昇降体UDの昇降位置が目標昇降位置となるように、位置制御モードで動作する昇降用サーボアンプSV1の目標位置情報としての目標走行位置情報を制御周期毎に生成する。生成された目標昇降位置情報は、通信制御手段34が制御する通信ポートから1号機無線通信装置19の地上側通信ユニット19aに出力される。これにより1号機3aの昇降モータMV1は、昇降体UDが、目標昇降位置情報の示す昇降位置に位置するように回転駆動する。
このようにして、地上側コントローラHが制御周期毎に1号機3aの走行用サーボアンプSH1及び昇降用サーボアンプSV1に目標走行位置情報及び目標昇降位置情報を送信することで、1号機3aの走行台車9が、目標走行位置情報が示す走行位置に位置するように走行し、1号機3aの昇降体UDが、目標昇降位置情報が示す昇降位置に位置するように昇降する。
2号機3bについての制御構成は、1号機3aについてのものと同様であるので説明を省略するが、同様に、地上側コントローラHが制御周期毎に2号機3bの走行用サーボアンプSH2及び昇降用サーボアンプSV2に目標走行位置情報及び目標昇降位置情報を送信することで、2号機3bの走行台車9が、目標走行位置情報が示す走行位置に位置するように走行し、2号機3bの昇降体UDが、目標昇降位置情報が示す昇降位置に位置するように昇降する。
次に、地上側コントローラHの制御動作について説明する。
地上側コントローラHは、スタッカークレーン3の走行台車9の走行位置及び昇降体UDの昇降位置を、物品移載装置12の載置搬送部における物品載置面の棚横幅方向(移動通路2の経路方向、走行台車9の走行方向)における中心をスタッカークレーン3の代表位置P(図10参照。)として、この代表位置Pの移動通路2における棚前後方向視の位置として管理している。具体的には、棚横幅方向(走行台車9の走行方向)を横軸(x軸)とし、棚上下方向(昇降体UDの昇降方向)を縦軸(y軸)とする棚前面側に仮想的に設定される直交座標系における代表位置Pのx座標として走行台車9の走行位置を管理し、y座標として昇降体UDの昇降位置を管理している。なお、この仮想直交座標系の原点は、走行台車9が移動通路2の一方側の端部(図1紙面下側の端部。)に位置し、昇降体UDが昇降下限位置に位置しているとき、すなわち、ホームポジションHPにスタッカークレーン3が位置しているときの代表位置Pの座標に設定されている。
以下、走行台車9の走行位置及び昇降体UDの昇降位置をクレーン中心座標P(x,y)を用いて表わすものとし、1号機3aのクレーン中心座標をP1(x1,y1)と表わし、2号機3bのクレーン中心座標をP2(x2,y2)と表わす。つまり、1号機3aの走行台車9の走行位置はx1、1号機3aの昇降体UDの昇降位置はy1で表わせ、2号機3bの走行台車9の走行位置はx2、2号機3bの昇降体UDの昇降位置はy2で表わせる。また、クレーン中心座標P(x,y)を、単に、スタッカークレーン3の位置と呼ぶこともある。
図6のフローチャートに示すように、運転指令が指令されて、担当クレーンが設定されると、#01で、当該担当クレーンの制御手段(第1クレーン制御手段31及び第2クレーン制御手段32の一方又は双方)が、当該担当クレーンについての物品搬送作動の作動開始位置及び作動終了位置から定まる物品搬送作動用走行速度パターンに基づく目標走行位置情報及び物品搬送作動用昇降速度パターンに基づく目標昇降位置情報を生成して、出力バッファに書き込んでおく。
#02で、干渉回避制御手段33が、1号機3a及び2号機3bが相互に干渉することが予測される相互接近位置であるか否かを判別する。この処理では、今回の制御タイミングにおける1号機3aの走行台車9及び2号機3bの走行台車9を設定走行減速度βHにて停止させたと仮定した場合に停止するまでに現在位置P1(x1,y1)、P2(x2,y2)から移動する各走行台車9の仮制動範囲に重複する部分がある場合に、一対の走行台車9の夫々の走行位置が相互接近位置であると判別する。
具体的には、図7(a)に示すように、今般の制御タイミングである時刻t=t1において、1号機3aが位置P1(x1,y1)、作動速度V1(Vx1,Vy1)で物品搬送作動しており、2号機3bが位置P2(x2,y2)、作動速度V2(Vx2,Vy2)で物品搬送作動している場合に、1号機3aの走行台車9が設定走行減速度βHにて減速して仮想停止位置P1ve(x1v,y1v)に走行停止し、2号機3bの走行台車9が設定走行減速度βHにて減速して仮想停止位置P2ve(x2v,y2v)に走行停止すると仮定した場合の、1号機3a及び2号機3bの夫々の仮制動範囲である1号機仮制動範囲VBW1及び2号機仮制動範囲VBW2が、少なくとも一部において重複していると、その時刻t=t1以降の1号機3a及び2号機3bの物品搬送作動による走行作動が如何に変化しようとも、走行方向でスタッカークレーンの一部が重なる程度に接近した走行位置関係となるので、各スタッカークレーンの昇降体UDの昇降位置によっては、1号機3a及び2号機3bの昇降体UDが相互に干渉する可能性がある。したがって、1号機仮制動範囲VBW1と2号機仮制動範囲VBW2とが互いに重複する部分を有しているか否かによって、その後の物品搬送作動において1号機3a及び2号機3bが干渉する可能性がある場合は、漏れなく後述する干渉回避処理を実行することができる。逆に言うと、その後の物品搬送作動において1号機3a及び2号機3bが干渉しない可能性がある場合は、干渉回避処理を行うには時期尚早であるとして今回の制御タイミングでは、干渉回避処理を実行しない。
1号機仮制動範囲VBW1及び2号機仮制動範囲VBW2が、少なくとも一部で重複している場合として、図7(a)のほか、図7(b)や図7(c)に示すような場合がある。図7(a)では、1号機3a及び2号機3bの双方が担当クレーンとして物品搬送作動をし、互いに対向する向きに走行作動している場合に1号機3a及び2号機3bの夫々の仮制動範囲が重なる場合を示している。図7(b)では、1号機3a及び2号機3bの双方が担当クレーンとして物品搬送作動をし、同じ向きに走行作動している場合に1号機3a及び2号機3bの夫々の仮制動範囲が重なる場合を示している。図7(c)では、1号機3aのみが担当クレーンとして物品搬送作動を行い、2号機3bが非担当クレーンとして待機状態にある場合に、つまり、2号機3bの作動速度V2がゼロである場合に1号機3aの仮制動範囲VBW1に2号機3bが位置する場合を示している。
なお、地上側コントローラHの第1クレーン制御手段31は、1号機3aの走行台車9の走行速度Vx1を第1走行用レーザ距離計25の検出情報の時間変化率から算出し、1号機3aの昇降体UDの昇降速度Vy1を第1走行用レーザ距離計23の検出情報の時間変化率から算出し、地上側コントローラHの第2クレーン制御手段32は、2号機3bの走行台車9の走行速度Vx2を第2走行用レーザ距離計29の検出情報の時間変化率から算出し、2号機3bの昇降体UDの昇降速度Vy2を第2走行用レーザ距離計27の検出情報の時間変化率から算出するので、干渉回避制御手段33は、相互接近位置であるか否かの判別において、第1クレーン制御手段31が算出する1号機3aの走行台車9の走行速度情報や第2クレーン制御手段32が算出する2号機3bの走行台車9の走行速度情報を参照することができる。
1号機仮制動範囲VBW1及び2号機仮制動範囲VBW2が、少なくとも一部で重複する場合は、時刻t=t1での1号機3aの走行位置x1及び2号機3bの走行位置x2の走行方向での並び順と、1号機3aの仮想停止位置P1ve(x1v,y1v)での走行位置x1v及び2号機3bの仮想停止位置P2ve(x2v,y2v)での走行位置x2vの走行方向での並び順が逆となるので、#02の処理では、時刻t=t1での1号機3aの走行位置x1と2号機3bの走行位置x2との差(x1-x2)が、1号機3aの仮想停止位置P1veの走行位置x1vと2号機3bの仮想停止位置P2veの走行位置x2vとの差(x1v-x2v)と異なる符号(正/負)であるか否かにより仮想制動範囲に重複する部分があるか否かを判別するようにしている。
#02で相互接近位置ではないと判別されると、その制御タイミングでは干渉回避制御手段33による干渉回避処理を行わずともよいとして、#04へ移行し、通信制御手段34が、制御タイミングを待って、#01で第1クレーン制御手段31及び第2クレーン制御手段32が予め用意しておいた、担当クレーンについての目標走行位置情報及び目標昇降位置情報を出力する。
#02で相互接近位置であると判別されると#03に移行し、干渉回避制御手段33により、干渉回避処理が実行される。詳しくは後述するが、干渉回避処理では、必要に応じて回避作動対象のクレーンが選定され、その回避作動対象クレーンについての回避作動用の目標昇降位置が算出され、第1クレーン制御手段31及び第2クレーン制御手段32が#01で出力バッファに書き込んだ目標昇降位置情報が上書き変更される。この干渉回避処理における演算量は、次の制御タイミングまでに演算処理が終了する程度の演算量であるので、次の制御タイミングまでに#04に復帰できる。そして、次の制御タイミングがくると、#05で、通信制御手段34により、出力バッファにある回避作動対象クレーンについての回避作動用の目標昇降位置情報が、また、同じく出力バッファにある他方のスタッカークレーン3についての物品搬送作動用の目標昇降位置情報が1号機3a及び2号機3bに出力される。
干渉回避制御手段33により実行される干渉回避処理について、図8に示されたフローチャートを参照しながら説明する。
#11で今回の制御タイミング以降に、走行台車9のすれ違いが発生するか否かが判別される。1号機3a及び2号機3bの双方が担当クレーンである場合は、1号機3aの現在位置P1及び作動終了位置P1eと2号機3bの現在位置P2及び作動終了位置P2eとから判別する。1号機3a及び2号機3bの走行方向での並び順が、物品搬送作動が終了すると入れ替わる場合、すなわち、(x1s-x2s)・(x1e-x2e)<0であれば、すれ違いが発生し、1号機3a及び2号機3bの走行方向での並び順が、物品搬送作動が終了しても入れ替わらない場合すなわち、(x1-x2)・(x1e-x2e)>0であればすれ違いは発生しない。
すれ違いが発生しない場合でも、例えば、各物品搬送作動の作動終了位置が移動通路2を挟んで互いに対向する位置の収納部6や搬出入部5であるために1号機3aの作動終了位置P1eと2号機3bの作動終了位置が座標として重なるときや、待機状態の相手方クレーンの走行台車9が備えるモータカバー等の構造物が占有している座標平面における領域に作動終了位置が位置するとき等、1号機3a及び2号機3b同士が干渉する余地はあるので、引き続き#12以下の処理で両クレーンの干渉の有無を検証処理が行われる。
#12の占有領域設定処理では、担当クレーンについてはそのスタッカークレーン3が作動終了位置に位置するときに当該スタッカークレーン3の走行台車9、昇降案内マスト10、昇降体UD等の構造物が占有する座標平面における領域が占有領域として設定され、待機状態である非担当クレーンについては、そのスタッカークレーン3が待機位置に位置するときに当該スタッカークレーン3の走行台車9、昇降案内マスト10、昇降体UD等の構造物が占有する座標平面における領域が占有領域として設定される。本実施形態では、図10に示すように、占有領域の設定に用いるスタッカークレーン3のクレーン中心座標P(x,y)を中心とする各部の代表寸法が予め記憶されており、クレーン中心座標P(x,y)を中心に、例えば、昇降体UDのx方向についての占有幅(XA+XB)及びy方向の占有高さ(YA+YB)や、走行台車9のx方向についての占有幅(XE+XD)及びy方向の占有高さ(YC)等が設定される。
図8に戻り、#13の干渉判定処理では、#12で設定された1号機3aの占有領域と2号機3bの占有領域とに重なりがあるか否か、重なりがあるとすればどの部位かについての判定が行われ、干渉態様別に干渉判定値が設定される。すなわち、図9に示すように、#101で、昇降体UD同士が干渉するか判別され、そうであれば、#104へ移行し、干渉判定値が「1」に設定される。#102で、昇降体UDと相手方クレーンの走行台車9におけるモータカバーとが干渉するか判別され、そうであれば、#105へ移行し、干渉判定値が「2」に設定される。#103で、物品搬送作動後の物品移載作動において昇降体UDと相手方クレーンの昇降案内マスト10とが干渉するか判別され、そうであれば、#106へ移行し、干渉判定値が「3」に設定される。いずれの干渉態様にも当てはまらなければ、干渉はしないとして、干渉判定値は「0」に設定される。
再び図8に戻り、#14で、#13の干渉判定処理で設定された干渉判定値に基づいて干渉の有無を判別する。干渉判別値が「0」でれば、干渉回避制御手段33は、出力バッファにある1号機3aや2号機3bについての目標走行位置情報及び目標昇降位置情報を回避作動用のものに書き換えることなく干渉回避処理を終了し、地上側コントローラHの制御動作は図6のメインルーチンに復帰する。
#14で干渉判定値が「1」〜「3」であれば、#15へ移行し、今回の制御タイミングにおいて、1号機3a及び2号機3bの双方が担当クレーンであるか、何れか一台だけが担当クレーンであるか判別される。2台とも担当クレーンとして物品搬送作動を行っていれば、#16で各スタッカークレーン3の残作動時間を算出する。すなわち、1号機3aの作動終了位置P1e(x1e,y1e)までの残走行作動時間及び残昇降作動時間のうち長い方を1号機3aの残作動時間とする。残走行作動時間は、1号機3aの現在位置P1(x1,y1)から作動終了位置P1e(x1e,y1e)までの残走行距離x1e-x1を走行するのに要する所要時間であり、現在作動速度V1(Vx1,Vy1)、設定走行加速度αH、設定走行減速度βHに基づいて算出する。同様に、残昇降作動時間は、1号機3aの現在位置P1(x1,y1)から作動終了位置P1e(x1e,y1e)までの残昇降距離y1e-y1を昇降するのに要する所要時間であり、現在作動速度V1(Vx1,Vy1)、設定上昇加速度αup又は設定下降加速度αdw、設定上昇減速度βup又は設定下降減速度βdwに基づいて算出する。
2号機3bの残作動時間の算出する処理については、1号機3aの残作動時間を算出する処理と同様であるので説明を省略する。
#17で1号機3aの残作動時間と2号機3bの残作動時間とを比較して、長いほうの担当クレーンを、回避作動対象のクレーンとして設定する。これにより、物品搬送作動による残搬送時間の短い方の担当クレーンは、物品搬送作動を進行させることができ、物品搬送作動の残作動時間が長い方の担当クレーンは、少なくとも、相手方の担当クレーンの物品搬送作動が完了してその物品搬送作動の作動終了位置から離れるまでは、#19で算出される追い出し位置にて待機することになる。
#15で、今回の制御タイミングにおいて、1号機3a及び2号機3bの何れか一台のみが担当クレーンであれば、#18へ移行し、非担当クレーンが回避作動対象のクレーンに設定される。これにより、物品搬送作動を担当している担当クレーンは、物品搬送作動を進行させることができ、物品搬送作動を担当していない非担当クレーンは、相手方の担当クレーンの物品搬送作動の作動終了位置から、#19で算出される追い出し位置まで退避することになる。
このように、本実施形態の物品収納設備では、地上側コントローラHが、一対のスタッカークレーン3のうち何れか一方のみの作動を制御する形態で干渉回避処理を行うように構成されている。また、地上側コントローラHが、一対のスタッカークレーン3の一方のみについて担当スタッカークレーンとして物品搬送作動を行わせている場合は、一対のスタッカークレーン3のうち物品搬送作動を行っていない非担当スタッカークレーン3の作動を制御する形態で干渉回避処理を行うように構成されている。さらに、地上側コントローラHが、一対のスタッカークレーン3の双方について担当スタッカークレーンとして各別に物品搬送作動を行わせている場合は、一対のスタッカークレーン3のうち物品搬送作動の残作動時間が長い担当スタッカークレーンの作動を制御する形態で干渉回避処理を行うように構成されている。
#19の追い出し位置算出処理では、#13で得た干渉判定値の値に応じて、回避作動対象クレーンのクレーン中心座標Pが相手方のスタッカークレーン3の占有領域から外れた位置となるように、回避作動対象クレーンについての追い出し位置が設定される。
具体的な例を挙げて説明すると、例えば、1号機3a及び2号機3bが図1及び図2に示す位置関係にあり、1号機3aが担当クレーンとして物品搬送作動をしており、2号機3bが非担当クレーンとして待機状態である状況で、1号機3aの作動終了位置P1e(x1e,y1e)が待機状態にある2号機3bの昇降体UDの占有領域に位置するような場合は、1号機3a及び2号機3bを図6(b)に示す状態にするべく、図15(a)に示すように、回避作動対象クレーンとして非担当クレーンである2号機3bが設定され、1号機3aの作動終了位置におけるクレーン中心座標P1eと2号機3bのクレーン中心座標P2とのx方向の距離が「XB+XB」だけ離れるように2号機3bの追い出し位置P2m(x2m,y2m)が算出される。なお、図15(a)に示すような場合、回避作動対象クレーンは待機状態から走行方向に移動するだけであるのでP2m(x1e+2*XB,y2)となる。
また、例えば、1号機3a及び2号機3bの双方が担当クレーンとして物品搬送作動をしている状況で、1号機3aの作動終了位置P1e(x1e,y1e)が、作動終了位置P2e(x2e,y2e)での2号機3bの走行台車9の占有領域に位置するような場合は、図15(b)に示すように、1号機3aの作動終了位置におけるクレーン中心座標P1eと2号機3bの作動終了位置におけるクレーン中心座標P2eとのx方向(走行台車9の走行方向、棚横幅方向)の距離が「XB+XE」だけ離れるように1号機3aの追い出し位置P1m(x1m,y1m)が算出される。図中点線で描かれた部分を含む移動軌跡は、1号機3aが干渉回避用の作動を行わず物品搬送作動による作動を最後まで進行させた場合の移動軌跡である。
なお、図15(b)での1号機3a及び2号機3bの物品搬送作動においては、各スタッカークレーン3の走行台車9の夫々の走行位置が相互接近距離になった時点での残作動時間が長い方のスタッカークレーン3が1号機3aであったため、1号機3aが回避作動担当クレーンとして設定されている。
このように、地上側コントローラHは、一対の走行台車9の夫々の走行位置が相互接近位置である場合は、第1走行用レーザ距離計25及び第2走行用レーザ距離計29並びに第1昇降用レーザ距離計23及び第2昇降用レーザ距離計27の検出情報に基づいて、一対の走行台車9及び一対の昇降体UDを、一対のスタッカークレーン3が干渉しない非干渉位置に位置させるべく、一対のスタッカークレーン3の作動を制御する干渉回避処理を行なうように構成されている。
図8に戻り、#20で、#19にて算出された追い出し位置が実際に回避作動対象のスタッカークレーン3を移動させることができる位置であるかどうか、具体的には、追い出し位置のx座標が移動通路2の範囲内であるかどうかが判別される。追い出し位置のx座標が移動通路2の範囲内であれば、回避作動対象クレーンを追い出し位置まで回避作動させるべく、追い出し位置を作動終了位置として設定した後、干渉回避処理から抜けて、図7のメインルーチンに復帰する。これにより、その後の制御タイミングでは、図6の#01で第1クレーン制御手段31又は第2クレーン制御手段32が、当該回避作動対象クレーンの目標走行位置情報及び目標昇降位置情報として、回避作動用のもの(回避作動対象クレーンを追い出し位置に位置させるために制御タイミングにおいて出力すべき目標走行位置情報及び目標昇降位置情報)を生成することになる。
追い出し位置のx座標が移動通路2の範囲外であれば、#21へ移行し、臨時作動終了位置設定処理が実行される。この処理は、当該回避作動対象クレーンを、#19で算出された追い出し位置に向かう走行方向とは反対方向に走行させるための擬似的な作動終了位置を設定する処理である。作動終了位置が設定されることで、その後の制御タイミングでは、第1クレーン制御手段31又は第2クレーン制御手段32が、当該回避作動対象クレーンの目標走行位置情報及び目標昇降位置情報として、回避作動用のもの(回避作動対象クレーンを臨時作動終了位置設定処理で設定された作動終了位置に位置させるために制御タイミングにおいて出力すべき目標走行位置情報及び目標昇降位置情報)を生成することになる。これにより、当該回避作動対象クレーンは、運転指令によるものではない臨時の物品搬送作動を行うことになる。こうして、回避作動対象クレーンは、当初算出された追い出し位置とは異なる作動終了位置に向かって移動することで相手方のスタッカークレーンとの干渉を回避することができることになる。
次に#11で走行台車9のすれ違いが発生すると判別された場合について説明する。すれ違いが発生すると、1号機3aの昇降体UDの昇降位置と2号機3bの昇降体UDの昇降位置が、一対のスタッカークレーン3が干渉することなくすれ違い移動できる離間距離として設定される必要離間距離y_CL以上昇降方向で離間していなければ、1号機3a及び2号機3bがすれ違う際に昇降体UD同士が干渉することになる。そこで、干渉回避制御手段33は、#22以降の処理により、1号機3a及び2号機3bの走行台車9の走行位置が相互接近位置になってから干渉仮定走行位置になるまでの猶予時間Tで各昇降体UDが昇降し得る最大昇降範囲Zを求め、1号機3a及び2号機3bの各走行台車9についての最大昇降範囲Zが相互に必要離間距離y_CLよりも長く離れることにより互いに重複していない場合や、非担当クレーンの昇降体UDの昇降位置を中心として必要離間距離y_CLだけ昇降方向の上下両側に広がりをもつ干渉対象範囲が、担当スタッカークレーンの昇降体UDについての最大昇降範囲Zと重複していない場合を除き、各走行台車9の走行位置が相互接近位置になってからの昇降体UDの昇降作動を物品搬送作動のものとは異ならせて、1号機3a及び2号機3bが相互に干渉することなくすれ違い移動できるようにしている。本実施形態では、必要離間距離y_CLとして、物品移載装置12が物品4(高さ寸法はYB以下)を支持しているかいないかを区別することなく、一定値「YA+YB」としている。以下、#22以降の処理について説明する。
まず、#22で、担当クレーンが、今回制御タイミングから猶予時間T内に昇降体UDが昇降できる最大昇降範囲Zを算出する。猶予時間Tは、1号機3a及び2号機3bの走行台車9の夫々の走行位置が相互接近位置になってから走行作動中の走行台車9を設定走行減速度βHにて減速させる態様で走行作動させた場合に一対の昇降体が干渉すると仮定される干渉仮定走行位置になるまでの時間である。
干渉仮定走行位置は、1号機3a及び2号機3bのすれ違いの態様によって異なる位置が採用される。例えば、1号機3a及び2号機3bが図1及び図2に示す並び順からすれ違いにより逆の並び順になる場合は、1号機3a及び2号機3bの各走行台車9が図11(b)に示す相対走行位置関係、つまり、2号機3bのクレーン中心座標P2のx座標x2が1号機3aのクレーン中心座標P1のx座標x1よりも「XB+XB」だけ大きい走行位置関係となるときの夫々の走行台車9の走行位置が干渉仮定走行位置である。
また、1号機3a及び2号機3bが図1及び図2に示す並び順とは逆の並び順からすれ違いにより図1及び図2に示す並び順になる場合は、1号機3a及び2号機3bの各走行台車9が図11(a)に示す相対走行位置関係、つまり、1号機3aのクレーン中心座標P1のx座標x1が2号機3bのクレーン中心座標P2のx座標x2よりも「XA+XA」だけ大きい走行位置関係となるときの夫々の走行台車9の走行位置が干渉仮定走行位置である。
猶予時間Tは、相互接近位置になってから干渉仮定走行位置になるまでの時間として設定走行減速度βHにて減速させる態様で走行作動させた場合の時間とすることで、相互接近位置になってからの物品搬送作動による走行作動のうち、干渉仮定走行位置になるまでの所要時間がもっとも長くなる走行作動態様を想定して、最大昇降範囲Zを極力大きく見積もっている。
#23で、一対のスタッカークレーン3の干渉が発生しない干渉不発生状態であるか否かを判別する。つまり、担当クレーンについての物品搬送作動をこのまま進行しても、1号機3a及び2号機3bの昇降体UDが干渉しないかどうかを判別する。
具体的には、地上側コントローラHが第1クレーン制御手段31及び第2クレーン制御手段32により一対のスタッカークレーンの双方を担当クレーンとして物品搬送作動させているときは、干渉回避制御手段33は、1号機3aの昇降体UDの最大昇降範囲Z1及び2号機3bの昇降体UDの最大昇降範囲Z2が、相互に必要離間距離y_CLよりも長く離れることにより互いに重複していなければ、一対のスタッカークレーンの干渉が発生しない干渉不発生状態であると判別する。また、地上側コントローラHが第1クレーン制御手段31又は第2クレーン制御手段32により一対のスタッカークレーン3の一方のみを担当クレーンとして物品搬送作動させているときは、干渉回避制御手段33は、他方のスタッカークレーン3の昇降体UDの昇降位置を中心として必要離間距離y_CLだけ昇降方向の上下両側に広がりをもつ干渉対象範囲が、担当クレーンの昇降体UDについての最大昇降範囲Zと重複していなければ、干渉不発生状態であると判別する。
例えば、図12(a)に示すように、1号機3a及び2号機3bの双方が担当クレーンとして物品搬送作動しており、今回の制御タイミングにおいて、1号機3aが位置P1(x1,y1)、速度V1(Vx1,Vy1)で作動し、2号機3bが位置P2(x2,y2)、速度V2(Vx2,Vy2)で作動している場合の、1号機3aの昇降体UDの最大昇降範囲Z1の下端である昇降下限位置yT1_minが、2号機3bの昇降体UDの最大昇降範囲Z2の上端である昇降上限位置yT2_maxよりも、必要離間距離y_CL以上上方に位置する場合(yT1_min>yT2_max+y_CLが成立する場合)や、図示はしないが、2号機3bの昇降体UDの最大昇降範囲Z2の下端である昇降下限位置yT2_minが、1号機3aの昇降体UDの最大昇降範囲Z1の上端である昇降上限位置yT1_maxよりも、必要離間距離y_CL以上上方に位置する場合(yT2_min>yT1_max+y_CLが成立する場合)は、干渉不発生状態であると判別される。
また、図12(b)に示すように、1号機3aのみが担当クレーンとして物品搬送作動し、2号機3bが非担当クレーンとして待機状態で停止しており、今回の制御タイミングにおいて、1号機3aが位置P1(x1,y1)、速度V1(Vx1,Vy1)で作動し、2号機3bが位置P2(x2,y2)、速度V2(0,0)で停止している場合の、1号機3aの昇降体UDの最大昇降範囲Z1の下端である昇降下限位置yT1_minが、2号機3bの昇降体UDについての干渉対象範囲の上端である対象上限位置y2+y_CLよりも上方に位置する場合(yT1_min>y2+y_CLが成立する場合)や、図示はしないが、1号機3aの昇降体UDの最大昇降範囲Z1の上端である上限位置yT1_maxが、2号機3bの昇降体UDについての干渉対象範囲の下端である対象下限位置y2-y_CLよりも下方に位置する場合(yT1_max<y2-y_CLが成立する場合)は、干渉不発生状態であると判別される。
#23で干渉不発生状態であると判別されると、干渉回避制御手段33は出力バッファにある1号機3aや2号機3bについての目標昇降位置情報を回避作動用のものに書き換えることなく干渉回避処理を終了し、地上側コントローラHの制御動作は図6のメインルーチンに復帰する。
このように、地上側コントローラHは、干渉不発生状態であると判別した場合は、干渉回避処理では一対の昇降体UDの昇降作動を制御しない形態で物品搬送作動を行わせるべく、かつ、干渉回避処理において干渉不発生状態でないと判別した場合は、干渉回避処理で一対の昇降体UDを制御する形態で物品搬送作動を行わせるべく、一対の昇降体UDの昇降作動を制御するように構成されている。
#23で干渉不発生状態であると判別されなれければ、#24へ移行し、昇降体UDの双方を回避作動用の昇降作動で昇降させるための各昇降体UDについての回避昇降位置情報を生成するべく、干渉回避制御手段33は相互回避昇降位置算出処理を実行する。
相互回避昇降位置算出処理では、1号機3aの昇降体UDと2号機3bの昇降体UDとを、一対のスタッカークレーン3が干渉することなくすれ違い移動できる離間距離として設定される必要離間距離y_CL以上昇降方向で離間したすれ違い用昇降位置に昇降させるべく、一対の昇降体UDの双方を、物品搬送作動による昇降作動とは異なる干渉回避用の昇降作動にて昇降させる。このように、地上側コントローラHは、相互回避昇降処理を行なうように構成されている。
相互回避昇降位置算出処理について、図13に示すフローチャートを参照しながら説明する。#201で、1号機3aの昇降体UDについての最大昇降範囲Z1における昇降上限位置yT1_maxと2号機3bの昇降体UDについての最大昇降範囲Z2における昇降下限位置yT2_minとの差G12を算出する。#202で、1号機3aの昇降体UDについての最大昇降範囲Z1における昇降下限位置yT1_minと2号機3bの昇降体UDについての最大昇降範囲Z2における昇降上限位置yT2_maxとの差G21を算出する。
#203でG12とG21を比較し、#204及び#205では、大きいほうの昇降位置差に基づいて、1号機3a及び2号機3bの夫々の目標昇降位置を算出する。すなわち、G12のほうがG21より大きいときは#203でYesと判別され、#204に移行して、1号機3aの昇降体UDの目標昇降位置を「yT1_max−(G12−y_CL)/2」に設定し、2号機3bの昇降体UDの目標昇降位置を「yT2_min+(G12−y_CL)/2」に設定する。G21のほうがG12より大きいときは#203でNoと判別され、#205に移行して、1号機3aの昇降体UDの目標昇降位置を「yT1_min+(G21−y_CL)/2」に設定し、2号機3bの昇降体UDの目標昇降位置を「yT2_max−(G21−y_CL)/2」に設定する。こうして、干渉回避制御手段33は、1号機3a及び2号機3bの各昇降体UDについての目標昇降位置を回避作動用のものに設定すると相互回避昇降位置算出処理を終了し、干渉回避処理も終了して、地上側コントローラHの制御動作は図6のメインルーチンに復帰する。
相互回避昇降位置算出処理で、1号機3aの昇降体UDについての目標昇降位置及び2号機3bの昇降体UDについての目標昇降位置が設定されることにより、1号機3a及び2号機3bの双方の昇降作動により必要離間距離y_CLを確保するように一対の昇降体UDの昇降作動が制御される。したがって、1号機3a及び2号機3bの各昇降体UDの夫々が負担すべき干渉回避用の昇降作動量を満遍なく配分させることができるので、1号機3a及び2号機3bが純粋な物品搬送作動による予定移動軌跡から外れる度合い極力小さくし、また、1号機3a及び2号機3bの各走行台車9の走行位置が相互接近位置となってからできる限り早い時期に、各昇降体UDを、互いに必要離間距離以上昇降方向で離間したすれ違い用昇降位置に昇降させることができる。
例えば、図14に示すように、1号機3a及び2号機3bの双方が担当クレーンとして物品搬送作動しており、今回の制御タイミングにおいて、1号機3aが位置P1(x1,y1)、速度V1(Vx1,Vy1)で作動し、2号機3bが位置P2(x2,y2)、速度V2(Vx2,Vy2)で作動している場合に、1号機3aの昇降体UDの最大昇降範囲Z1の下端である昇降下限位置yT1_minと号機3bの昇降体UDの最大昇降範囲Z2の上端である昇降上限位置yT2_maxとの差G21よりも、1号機3aの昇降体UDの最大昇降範囲Z1の上端である昇降上限位置yT1_maxと2号機3bの昇降体UDの最大昇降範囲Z2の下端である昇降下限位置yT2_minとの差G12の方が大きいときは、昇降位置の差G12から必要離間距離y_CLを引いた残りの量を二分して、1号機3aの最大昇降範囲Z1の上端である昇降上限位置yT1_maxから二分された両だけ下方側の位置を、1号機3aの昇降体UDについての目標昇降位置とし、2号機3bの最大昇降範囲Z2の下端である昇降下限位置yT2_minから二分された両だけ上方側の位置を、2号機3bの昇降体UDについての目標昇降位置としている。
このように、地上側コントローラHは、制御タイミング毎に、その時のスタッカークレーン3の作動状態(位置及び作動速度)に応じて各昇降体UDについての目標昇降位置情報を更新設定するので、昇降体UDの双方を精度よくにすれ違い用昇降位置まで昇降させることができ、無駄な昇降作動量を極力抑えることができる。
例えば、図16(a)に示すように、1号機3aのみが担当クレーンとして作動開始位置P1sから作動終了位置P1eまで物品搬送作動し、2号機3bが非担当クレーンとして待機状態で停止している場合は、1号機3a及び2号機3bの走行台車9の走行位置が相互接近位置になると、1号機3a及び2号機3bの昇降体UDがすれ違い用昇降位置(2号機3bについてはP2n)まで回避作動用の昇降作動を行って、1号機3aと2号機3bとの干渉が回避される。図中点線で描かれた部分を含む移動軌跡は、1号機3aが物品搬送作動による昇降作動のみを行い、干渉回避用の昇降作動を行わないとした場合の移動軌跡である。
また、図16(b)に示すように、1号機3a及び2号機3bの双方が担当クレーンとして作動開始位置P1s、P2sから作動終了位置P1e、P2eまで物品搬送作動する場合は、1号機3a及び2号機3bの走行台車9の走行位置が相互接近位置になると、1号機3a及び2号機3bの昇降体UDの双方が、物品搬送作動による昇降作動とは異なる昇降作動を行ってすれ違い用昇降位置に位置するように昇降作動することで、1号機3aと2号機3bとの干渉が回避される。図中点線で描かれた部分を含む移動軌跡は、1号機3aや2号機3bが物品搬送作動による昇降作動のみを行い、干渉回避用の昇降作動を行わないとした場合の移動軌跡である。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態において、地上側コントローラHが実搬送作動であるか空搬送作動であるかを管理し、干渉回避処理において、必要離間距離y_CLの値として、1号機3a及び2号機3bの搬送作動種別に応じて(物品の有無に応じて)異なる値を用いてもよい。
(2)相互接近位置であるかどうかを判別するために、一対のスタッカークレーンの双方又は一方のみに、一対のスタッカークレーンの各走行台車同士の車間距離を検出する車間距離検出手段を設け、制御手段が、この車間距離検出手段の検出する車間距離情報に基づいて、相互接近位置であるかどうかを判別してもよい。
(3)上記実施形態では、制御手段が地上側コントローラHにて構成されたものを説明したが、これに限らず、制御手段を、地上側に設置されて運転指令に基づく作動開始位置情報及び作動終了位置情報を1号機3a及び2号機3bに送信する管理用コントローラと、1号機3aに搭載されて管理用コントローラからの作動開始位置情報及び作動終了位置情報に基づいて1号機3aの作動を制御する第1クレーンコントローラ、及び、2号機3bに搭載されて管理用コントローラからの作動開始位置情報及び作動終了位置情報に基づいて2号機3bの作動を制御する第2クレーンコントローラとで構成してもよく、制御手段の具体的構成は適宜変更可能である。
)上記実施形態では、制御手段が目標走行位置情報及び目標昇降位置情報を指令して一対のスタッカークレーンの作動を制御するものを説明したが、これに限らず、例えば、制御手段が目標走行速度情報及び目標昇降速度情報を指令して一対のスタッカークレーンの作動を制御するものであってもよく、制御手段が指令する指令情報は種々のものが適用できる。
UD 昇降体
H 制御手段
βH 設定減速度
VBW1,VBW2 仮制動範囲
P1m(x1m,y1m) 非干渉位置
P2m(x2m,y2m) 非干渉位置
P2n(x2,y2n) すれ違い用昇降位置、非干渉位置
y_CL 必要離間距離
T 猶予時間
Z 最大昇降範囲
1 物品収納棚
2 移動経路
3 スタッカークレーン
4 物品
6 収納部
7 走行案内レール
9 走行台車
10 昇降案内マスト
11 昇降台
12 物品移載装置
23、27 昇降位置検出手段
25、29 走行位置検出手段
31 第1クレーン制御手段
32 第2クレーン制御手段

Claims (8)

  1. 物品を収納する収納部を上下方向及び左右方向に複数並べて備えた物品収納棚と、
    前記物品収納棚の前面側において棚横幅方向に沿って設けられた移動経路を移動自在なスタッカークレーンが一対設けられ、
    前記一対のスタッカークレーンの夫々が、前記移動経路に沿う走行案内レールにて走行自在に案内される走行台車と、前記走行台車から立設する状態で設けられた昇降案内マストにて昇降自在に案内される昇降台及びこの昇降台に設けられて前記収納部に物品を移載可能な物品移載装置からなる昇降体とを備えて構成され、
    前記一対のスタッカークレーンの夫々の走行台車の走行位置を検出する一対の走行位置検出手段と、
    前記一対のスタッカークレーンの夫々の昇降体の昇降位置を検出する一対の昇降位置検出手段と、
    前記一対の走行位置検出手段及び前記一対の昇降位置検出手段の検出情報に基づいて、前記一対のスタッカークレーンの作動を制御する制御手段とが設けられた物品収納設備であって、
    前記走行案内レールとして、棚前後方向で間隔を隔てて互いに並行に設置された一対の案内レールが設けられ、
    前記一対のスタッカークレーンとして、前記走行台車が前記一対の走行案内レールのうちの一方にて案内され、前記昇降案内マストが当該走行台車に設けられたスタッカークレーンと、前記走行台車が前記一対の走行案内レールのうちの他方にて案内され、前記昇降案内マストが当該走行台車に設けられたスタッカークレーンとが設けられ、
    前記一対のスタッカークレーンの夫々が互いにすれ違い移動できるように、前記一対の昇降体は、相手側のスタッカークレーンの前記昇降体と棚前後方向で重複する部分を備えかつ相手方のスタッカークレーンの前記昇降案内マストに達しないように前記昇降案内マストから棚前後方向に延びる状態で設けられ、
    前記制御手段が、
    前記収納部に対する入出庫を行う物品搬送についての運転指令が指令されると、当該運転指令に基づいて、当該運転指令による物品搬送を担当する担当スタッカークレーンについての物品搬送作動を制御するように構成され、かつ、
    前記一対のスタッカークレーンのうちの一方のスタッカークレーンのみの物品搬送作動を制御する場合に、前記一対の走行位置検出手段及び前記一対の昇降位置検出手段の検出情報に基づいて、前記一対のスタッカークレーンの一対の走行台車の夫々の走行位置及び前記一対のスタッカークレーンの一対の昇降体の夫々の昇降位置を管理して、前記一対の昇降体を、前記一対のスタッカークレーンが干渉することなくすれ違い移動できる離間距離として設定される必要離間距離以上昇降方向で離間したすれ違い用昇降位置に昇降させるべく、前記一対の昇降体の双方を、前記物品搬送作動による昇降作動とは異なる干渉回避用の昇降作動にて昇降させる相互回避昇降処理を、前記一対の走行台車のうち前記担当スタッカークレーンの前記走行台車のみを走行させながら行なうように構成されている物品収納設備。
  2. 前記一対のスタッカークレーンの双方の物品搬送作動を同時に制御する場合に、前記相互回避昇降処理を、前記一対の走行台車の双方を走行させながら又は一方のみを走行させながら行なうように構成されている請求項1記載の物品収納設備。
  3. 物品を収納する収納部を上下方向及び左右方向に複数並べて備えた物品収納棚と、
    前記物品収納棚の前面側において棚横幅方向に沿って設けられた移動経路を移動自在なスタッカークレーンが一対設けられ、
    前記一対のスタッカークレーンの夫々が、前記移動経路に沿う走行案内レールにて走行自在に案内される走行台車と、前記走行台車から立設する状態で設けられた昇降案内マストにて昇降自在に案内される昇降台及びこの昇降台に設けられて前記収納部に物品を移載可能な物品移載装置からなる昇降体とを備えて構成され、
    前記一対のスタッカークレーンの夫々の走行台車の走行位置を検出する一対の走行位置検出手段と、
    前記一対のスタッカークレーンの夫々の昇降体の昇降位置を検出する一対の昇降位置検出手段と、
    前記一対の走行位置検出手段及び前記一対の昇降位置検出手段の検出情報に基づいて、前記一対のスタッカークレーンの作動を制御する制御手段とが設けられた物品収納設備であって、
    前記走行案内レールとして、棚前後方向で間隔を隔てて互いに並行に設置された一対の案内レールが設けられ、
    前記一対のスタッカークレーンとして、前記走行台車が前記一対の走行案内レールのうちの一方にて案内され、前記昇降案内マストが当該走行台車に設けられたスタッカークレーンと、前記走行台車が前記一対の走行案内レールのうちの他方にて案内され、前記昇降案内マストが当該走行台車に設けられたスタッカークレーンとが設けられ、
    前記一対のスタッカークレーンの夫々が互いにすれ違い移動できるように、前記一対の昇降体は、相手側のスタッカークレーンの前記昇降体と棚前後方向で重複する部分を備えかつ相手方のスタッカークレーンの前記昇降案内マストに達しないように前記昇降案内マストから棚前後方向に延びる状態で設けられ、
    前記制御手段が、
    前記収納部に対する入出庫を行う物品搬送についての運転指令が指令されると、当該運転指令に基づいて、当該運転指令による物品搬送を担当する担当スタッカークレーンについての物品搬送作動を制御するように構成され、かつ、
    前記一対のスタッカークレーンの物品搬送作動を同時に制御する場合に、前記一対の走行位置検出手段及び前記一対の昇降位置検出手段の検出情報に基づいて、前記一対のスタッカークレーンの一対の走行台車の夫々の走行位置及び前記一対のスタッカークレーンの一対の昇降体の夫々の昇降位置を管理して、前記一対の昇降体を、前記一対のスタッカークレーンが干渉することなくすれ違い移動できる離間距離として設定される必要離間距離以上昇降方向で離間したすれ違い用昇降位置に昇降させるべく、前記一対の昇降体の双方を、前記物品搬送作動による昇降作動とは異なる干渉回避用の昇降作動にて昇降させる相互回避昇降処理を、前記一対の走行台車の双方を走行させながら又は一方のみを走行させながら行なうように構成されている物品収納設備。
  4. 前記制御手段が、前記一対の走行台車の夫々の走行位置が、前記一対のスタッカークレーンが干渉することが予測される相互接近位置であるか否かを設定周期毎に判別し、前記一対の走行台車の夫々の走行位置が前記相互接近位置である場合に、前記相互回避昇降処理を行うように構成されている請求項1〜3のいずれか1項記載の物品収納設備。
  5. 前記制御手段が、前記一対の走行台車の夫々を設定減速度にて停止させたと仮定した場合に停止するまでに現在位置から移動する各走行台車の仮想制動範囲に移動経路方向で重複する部分がある場合に、前記一対の走行台車の走行位置が前記相互接近位置であると判別するように構成されている請求項4記載の物品収納設備。
  6. 前記制御手段が、前記相互回避昇降処理において、前記一対の走行台車の夫々の走行位置が前記相互接近位置になってから走行作動中の前記走行台車を設定減速度にて減速させる態様で走行作動させた場合に前記一対の昇降体が干渉すると仮定される干渉仮定走行位置になるまでの猶予時間内に前記物品搬送作動により前記昇降体が昇降し得る昇降範囲である最大昇降範囲を前記担当スタッカークレーンの前記昇降体について求め、前記一対のスタッカークレーンの双方を前記担当スタッカークレーンとして前記物品搬送作動させているときは、前記一対の昇降体の夫々についての前記最大昇降範囲が相互に前記必要離間距離よりも長く離れることにより互いに重複していなければ、前記一対のスタッカークレーンの干渉が発生しない干渉不発生状態であると判別し、前記一対のスタッカークレーンの一方のみを前記担当スタッカークレーンとして前記物品搬送作動させているときは、他方の前記スタッカークレーンの前記昇降体の昇降位置を中心として前記必要離間距離だけ昇降方向に広がりをもつ干渉対象範囲が、前記担当スタッカークレーンの前記昇降体についての前記最大昇降範囲と重複していなければ、前記干渉不発生状態であると判別するように構成され、且つ、
    前記相互回避昇降処理において前記干渉不発生状態であると判別した場合は、前記相互回避昇降処理では前記一対の昇降体の昇降作動を制御しない形態で前記物品搬送作動を行わせるべく、かつ、前記相互回避昇降処理において前記干渉不発生状態でないと判別した場合は、前記相互回避昇降処理で前記一対の昇降体を制御する形態で前記物品搬送作動を行わせるべく、前記一対の昇降体の双方の昇降作動を制御するように構成されている請求項4又は5記載の物品収納設備。
  7. 前記制御手段が、
    前記運転指令に対応して生成される物品搬送作動用走行パターン及び物品搬送作動用昇降パターンに基づいて設定制御周期毎に更新生成される前記走行台車についての目標走行位置及び前記昇降体についての目標昇降位置を前記設定制御周期毎に指令することで、前記担当スタッカークレーンについての前記物品搬送作動を制御するように構成され、かつ、
    前記相互回避昇降処理として、前記担当スタッカークレーンについて、前記物品搬送作動用昇降パターンに基づいて規定される前記昇降体についての前記目標昇降位置に代えて、前記一対のスタッカークレーンの前記昇降体の昇降位置及び昇降速度、並びに、前記必要離間距離に基づいて更新生成される干渉回避用の目標昇降位置を前記設定制御周期毎に指令することで、前記一対の昇降体を前記すれ違い用昇降位置に昇降させるべく、前記一対の昇降体の双方の昇降作動を制御するように構成されている請求項1〜6のいずれか1項記載の物品収納設備。
  8. 前記制御手段が、地上側に設置され、かつ、前記一対のスタッカークレーンのうち一方のスタッカークレーンの作動を制御する第1クレーン制御手段と、他方のスタッカークレーンの作動を制御する第2クレーン制御手段とを備えて構成されている請求項1〜7のいずれか1項記載の物品収納設備。
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