JP5494896B1 - 電磁接触器 - Google Patents

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Abstract

電磁接触器のON動作時における接点の不要な振動を抑制しつつ、安価な電磁接触器を提供する。
この発明に係わる電磁接触器は、絶縁性を有するケースと、ケースに収納された固定鉄心と、固定鉄心と対向して設けられた可動鉄心と、固定鉄心に周回して設けられ、通電により固定鉄心と可動鉄心とを接触させるための吸引力を発生するコイルと、可動鉄心が吸引される方向に対して直交する方向に固定鉄心に設けられた貫通孔と、貫通孔に挿入され、少なくとも1箇所に曲げ部を有して貫通孔に少なくとも3点で接することにより固定鉄心に圧迫されたピンと、貫通孔の両側から突出するピンの両突出部を挟むように支持し、ケースに固定されてピンに加わる力を吸収する緩衝部材とを備え、ピンは、可動鉄心と固定鉄心との接触の際に生じた衝撃を緩衝部材へと伝えるものである。

Description

この発明は、電磁接触器に関するものである。
従来の電磁接触器は、固定鉄心の貫通穴に、支え板が圧入されている。当該支え板は、中間部がV字状に折曲げられており、固定鉄心の両側より突出した支え板は、帯状の緩衝ばねで、それぞれ支持される。この緩衝ばねの両端は、蓋体に設けられた係止部片の係止孔に貫通する。このような構成により、固定鉄心は、支え板と2個の緩衝ばねとにより弾性的に一体化する構成が提案されている(特許文献1参照)。
また、従来の他の電磁接触器に係る固定鉄心の固定方法としては次のものがある。まず、この固定方法は、下部ケースに、緩衝ゴム板を敷設し、固定鉄心の貫通孔に線ばねを挿入する。次に、この固定方法は、この固定鉄心を下部ケースに挿入する。そして、この固定方法は、下部ケースに設けたフック部に、線ばねの復元力により線ばねが係合する。すなわち、この固定方法では、固定鉄心を線ばねによって下部ケースに押圧保持する構成が提案されている(特許文献2参照)。
実開昭59−184439号公報(第3頁及び第6頁、第8図)
実開昭60−186647号公報(第6頁、第3図)
上記特許文献1に係る固定鉄心では、支え板及び緩衝ばねを介して、蓋体の内壁に押さえつけられるようにして直接固定されている。このため、電磁接触器のON動作の時(可動鉄心が固定鉄心に接触する時)、鉄心全体及び鉄心に間接的に連結されている接点において不要な振動が起きる。この振動は、接点において接点バウンスの原因となり、電磁接触器が電気的に短寿命となる、という課題があった。
上記特許文献2に係る固定鉄心は、線ばねにより緩衝ゴム板へ押し付けられるため、電磁接触器のON動作時における接点の不要な振動を抑制できる。しかし、線ばねは、高価な部材であるため、製品コストが高価となるという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決する為になされたもので、電磁接触器のON動作時における接点の不要な振動を抑制しつつ、安価な電磁接触器を提供することを目的としている。
この発明に係わる電磁接触器は、絶縁性を有するケースと、ケースに収納された固定鉄心と、固定鉄心と対向して設けられた可動鉄心と、固定鉄心に周回して設けられ、通電により固定鉄心と可動鉄心とを接触させるための吸引力を発生するコイルと、可動鉄心が吸引される方向に対して直交する方向に固定鉄心に設けられた貫通孔と、貫通孔に挿入され、少なくとも1箇所に曲げ部を有して貫通孔に少なくとも3点で接することにより固定鉄心に圧迫された金属のピンと、貫通孔の両側から突出するピンの両突出部を挟むように支持し、ケースに固定されてピンに加わる力を吸収する緩衝部材とを備え、コイルが吸引力を発生した場合、吸引力により吸引された可動鉄心と固定鉄心とが接触し、ピンは、可動鉄心と固定鉄心との接触の際に生じた衝撃を緩衝部材へと伝えるとともに、前記衝撃により、貫通孔と接する位置が変位し、コイルが吸引力を発生していない場合、貫通孔とピンとの接する位置が固定されるものである。

この発明に係る電磁接触器は、上記のような構成により、可動鉄心と連動して動作する接点の不要な振動を抑制することができる。この振動の抑制は、接点におけるバウンス時間を低減できるので、電磁接触器の寿命向上が期待できる。また、線ばねのような高価な部材を使う必要がなく、安価な部材で構成することができる。
この発明の実施の形態1における電磁接触器の外観に係る正面図である。 この発明の実施の形態1における電磁接触器の、図1中のA−A断面図である。 この発明の実施の形態1における電磁接触器の、図1中のB−B断面図である。 この発明の実施の形態1における電磁接触器の、固定鉄心連結ピンの固定鉄心への取付状態を示す図である。 この発明の実施の形態1における電磁接触器の、固定鉄心連結ピンの緩衝ゴムへの取付状態を示す図である。 この発明の実施の形態1における電磁接触器の、固定鉄心連結ピン曲げなしの場合と、固定鉄心連結ピンV字形状の場合の接点バウンス時間を示す図である。 この発明の実施の形態2における電磁接触器の、固定鉄心連結ピンの固定鉄心への取付状態を示す図である。 この発明の実施の形態3における電磁接触器の、固定鉄心連結ピンの固定鉄心への取付状態を示す図である。 この発明の実施の形態5における電磁接触器の、固定鉄心連結ピンの固定鉄心への取付状態を示す図である。 この発明の実施の形態6における電磁接触器の、固定鉄心連結ピンの固定鉄心への取付状態を示す図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る電磁接触器の外観であり、電磁接触器の正規な取付状態における正面図を表す。図2は図1におけるA−A断面を表しており、図3は図1におけるB−B断面を表している。
この発明の実施の形態1に係る電磁接触器は、絶縁材のリアケース1及びリアケース1に係合した絶縁材のケース2で外観が形成される。この電磁接触器の電磁石部は、リアケース1内に収納されるE形の固定鉄心3、V字形状をした固定鉄心連結ピン5、固定鉄心3の中央脚3bに巻回した操作コイル6及びE形の可動鉄心7により形成される。
可動鉄心7は、復帰バネ10により固定鉄心3と所定の間隔をもって相対向して配設される。また、可動鉄心7は、可動鉄心連結ピン8を介して絶縁材の可接キャリア9と連結する。この可接キャリア9の頭部に設けた保持穴には、可動接触子12を配設する。可動接触子12は、ばね受けを介して接圧ばね11により加圧されている。更に可動接触子12と相対向して、固定接触子13がケース2に取り付けられる。可動接触子12が有する可動接点14及び固定接触子13が有する固定接点15が接触することで、電流が通電され電磁接触器の外部に回路が形成される。
図4-(a)はこの発明の実施の形態1における、固定鉄心連結ピン5の固定鉄心3への取付状態を表している。図2、図3及び図4-(a)と合わせて、この発明の実施の形態1に係る電磁接触器の構成を説明する。固定鉄心3は、電磁石の吸引方向(固定鉄心3と可動鉄心7とが対向する方向)に沿って伸びた中央脚3bと、中央脚3bを挟んで配置された一対の外側脚3cを備えている。また、中央脚3bと外側脚3cとは、電磁石の吸引方向と直交した方向に沿って伸びた連結部3dによって連結されている。これらの中央脚3b、外側脚3c及び連結部3dは一体形成される。このように、固定鉄心3は略E字型に形成されている。なお固定鉄心3は、複数の略E字型のプレートを積層した鉄心である。
固定鉄心3の連結部3dには、貫通孔4が設けられている。貫通孔4は、固定鉄心3の側面、すなわち固定鉄心3のプレート積層方向から見たとき、電磁石の吸引方向に短辺をもつ長角型の孔である。また、貫通孔4は、固定鉄心3のプレート積層方向に形成されている。
貫通孔4には、V字形状をした固定鉄心連結ピン5が、その両端が突出する如く通されている。固定鉄心連結ピン5は、剛性が高く弾性のない、すなわちバネ性を有しない金属でできている。固定鉄心連結ピン5の側面の面積は、貫通孔4の断面の面積よりも小さい。また、固定鉄心連結ピン5の形状は、細長い帯板状である。なお、固定鉄心連結ピン5は、側面の面積が貫通孔4の断面の面積よりも小さければ、細長い棒状などであってもよい。
この固定鉄心連結ピン5は、その3辺のうちの最長辺において、図4-(a)に示すとおり中央付近で曲げることによりV字形状に形成されている。また、固定鉄心連結ピン5は、曲げ部以外は直線をした直線部を有するものである。このため、固定鉄心連結ピン5は、図4-(a)に示すように、貫通孔4に通された状態において、固定鉄心3の貫通孔内リアケース側中央4a及び2箇所の貫通孔内可動鉄心側端4bの、合計3点または3線にて接している。3点または3線で接することにより、固定鉄心3は固定鉄心連結ピン5に対して自由度がない状態となっている。なお、この自由度がない状態とは、固定鉄心3と固定鉄心連結ピン5との相対位置が変位しないことをいう。すなわち、固定鉄心連結ピン5は貫通孔4内に圧入された状態にあり、固定鉄心連結ピン5は固定鉄心3によって圧迫されている。言い換えると、電磁接触器のOFF状態において、固定鉄心3は貫通孔4を介して固定鉄心連結ピン5に固定されている。
また固定鉄心3を挟んでその両側に、嵌合孔16aを有する緩衝ゴム16を配する。前述の固定鉄心連結ピン5の両突出端は、図5に示すように、この嵌合孔16aに嵌合され、緩衝ゴム16によって挟み込まれるように支持される。緩衝ゴム16は、リアケース1に設けた切溝内に収納されている。また、緩衝ゴム16には、収納の際に適当量の撓みが与えられる。緩衝ゴム16は、後述するコイルスプール6aが有する突起により、リアケース1の底部1aへ押しつけられるようにして固定される。しかし、固定鉄心連結ピン5は、緩衝ゴム16によって挟まれているため、リアケース1の底部1aへ押さえつけられるように支持されているわけではない。なお、図5において、緩衝ゴム16が有する嵌合孔16aは、緩衝ゴム16を貫通しているが、これに限らず途中まで開いているものであってもよい。また、緩衝ゴム16は一体である必要もなく、固定鉄心連結ピン5を挟むように一対の緩衝ゴムを配してもよい。
固定鉄心3は、固定鉄心連結ピン5及び緩衝ゴム16を介してリアケース1に支持される。このとき、固定鉄心3の底面3e(固定鉄心3の接極面3aと反対側の面)は、リアケース1の底部1a(固定鉄心3の底面3eと対抗する面)と接触するように設けても、間に緩衝領域を設けてもよい。この状態において、固定鉄心3及び固定鉄心連結ピン5には、リアケース1の底部1aへ押さえつけられるような力は加わっていない。つまり、前述の特許文献1のように、固定鉄心3は、リアケース1の底部1aに押さえつけられるようにして直接固定されているわけではない。なお、緩衝領域を設ける場合、固定鉄心3の底面3eとリアケース1の底部1aとの間には、間隙を有するように支持してもよいし、代わりに緩衝ゴム板のような弾性を持った部材を挟んで支持してもよい。緩衝ゴム板を挟む場合においても、固定鉄心3は、リアケース1の底部1aに押さえつけられるような状態とはならない。
可動鉄心7は、ケース2内に収納され、固定鉄心3の方向へ移動可能に支持されている。また可動鉄心7は、可動鉄心7の接極面7aが固定鉄心3の接極面3aと接触した後、可動鉄心7と固定鉄心3とが一体となって固定鉄心3側へ移動するまで、移動できるように支持されている。この可動鉄心7は、固定鉄心3の中央脚3b及び外側脚3cとそれぞれ対向して配置された中央脚7b及び外側脚7cを備えている。また、可動鉄心7は、中央脚7b及び外側脚7cを連結すると共にこれらと一体的に形成された連結部7dを備えている。その結果、可動鉄心7は略E字型に形成されている。可動鉄心7の向き及び配置も、固定鉄心3に対して対照となるように配置される。なお、可動鉄心7は、複数のプレートを積層した鉄心である。
可動鉄心7は、中央脚7bと連結部7dの交点付近に貫通孔7eを持つ。この貫通孔7eは、可動鉄心7のプレート積層方向に形成されている。貫通孔7eにはバネ性を有する帯板状の可動鉄心連結ピン8を貫通させている。なお、可動鉄心連結ピン8の両端は、可動鉄心7から突出させる。更に可動鉄心連結ピン8は、絶縁材の可接キャリア9の切溝内へ収納されている。すなわち可動鉄心連結ピン8により可動鉄心7と可接キャリア9が連結されている。
可接キャリア9の頭部には、保持穴が設けられている。この保持穴には、可動接触子12を配設する。可動接触子12は、ばね受けを介して接圧ばね11により加圧されている。更に可動接触子12と相対向して、固定接触子13がケース2に取り付けられている。可動接触子12は、両端にそれぞれ可動接点14を有する。固定接触子13は、両端にそれぞれ固定接点15を有する。また、可動接点14は、それぞれ固定接点15と相対向して設けられている。なお可動接点14は両方とも、可動鉄心7の接極面7aが固定鉄心3の接極面3aと接触するまで移動したときに、対向する固定接点15と接触するように設けられている。
操作コイル6は、主にコイルスプール6a及び巻線6bにて構成される。コイルスプール6aは、円筒部と、円筒部の両端から外径側にフランジ状に張り出したフランジ部とからなる。円筒部の内側には、固定鉄心3の中央脚3b及び可動鉄心7の中央脚7bが挿入される。また、コイルスプール6aは、円筒部の外側に巻線6bが巻きつけられている。すなわち巻線6bは、固定鉄心3の中央脚3bと外側脚3cとの間及び可動鉄心7の中央脚7bと外側脚7cとの間を通る。また、巻線6bは、固定鉄心3の中央脚3b及び可動鉄心7の中央脚7bの周囲を周回する。
コイルスプール6aは、リアケース1の底部1a側に突起を有する。この突起により、緩衝ゴム16は、組み立て時においてリアケース1の底部1aへ押しつけられるようにして固定される。すなわち、コイルスプール6aにリアケース1の底部1aへ押しつけるような力を加えて、緩衝ゴム16をリアケース1の底部1aへと押しつけるように固定することで、緩衝ゴム16に嵌合する固定鉄心連結ピン5及び固定鉄心3が、リアケース1に対して支持される。
次に、電磁接触器のON動作について説明する。電磁接触器のON動作時、電圧が印加され、巻線6bが通電されて電流が流れる。これにより操作コイル6は、可動鉄心7を固定鉄心3へ吸着させる磁界を発生させる。可動鉄心7は固定鉄心3側へ移動し、可動鉄心7の接極面7aが固定鉄心3の接極面3aと接触する。この可動鉄心7の吸着動作によって、可動鉄心連結ピン8により連結された可接キャリア9が連動して動作する。さらに、可接キャリア9に配設された可動接触子12及び可動接触子12が有する可動接点14が連動して動作する。可動鉄心7の接極面7aが固定鉄心3の接極面3aと接触するまで移動したとき、可動接点14も対向する固定接点15と接触する。可動接点14と固定接点15が接触すると、電磁接触器の外部から固定接触子13、固定接点15、可動接点14及び可動接触子12に電流が通電される。これにより電磁接触器の外部に、電磁接触器の固定接触子13、固定接点15、可動接点14及び可動接触子12を通る回路が形成され、すなわち回路が閉路され、電磁接触器のON動作が完了する。なおON動作とは、可動鉄心が固定鉄心に接触し、電磁接触器の外部に固定接触子13、固定接点15、可動接点14及び可動接触子12を通る回路が形成されるときの動作をいうこととする。また、電磁接触器の外部に固定接触子13、固定接点15、可動接点14及び可動接触子12を通る回路が形成されていない時をOFF時といい、その状態をOFF状態ということとする。
次に、電磁接触器のON動作における電磁石部の動作を説明する。電磁接触器のON動作において操作コイル6へ電圧を印加すると、巻線6bが通電されて電流が流れる。これによって操作コイル6が磁界を発生させ、この磁界により可動鉄心7が固定鉄心3へ吸着される。このとき、固定鉄心3も同様に可動鉄心7へ吸着され、固定鉄心3は固定緩衝ゴム16の撓み分だけ可動鉄心7側へと移動し得る。
上述の固定鉄心3の移動は、固定鉄心3及び固定鉄心連結ピン5に、リアケース1の底部1aへ押さえつけられるような力が加わっていないため、可能となっている。これにより、電磁接触器のOFF時において、固定鉄心3の底面3eとリアケース1の底部1aとが接触している場合でも、上述の移動によって固定鉄心3の底面3eとリアケース1の底部1aとの間に間隙が発生する。この間隙は前述の緩衝領域と同様の働きをする。
電磁接触器のON動作において、可動鉄心7は固定鉄心3へ吸着され、リアケース1の底部1a側に移動し、固定鉄心3へ衝突する。衝突時の可動鉄心7の運動エネルギーは、固定鉄心3と固定鉄心連結ピン5を介して固定緩衝ゴム16へと伝わる。このとき、固定鉄心連結ピン5は、ほとんど湾曲することなく運動エネルギーを固定緩衝ゴム16へ伝える。また衝突時の運動エネルギーは、固定緩衝ゴム16が撓むことで吸収される。緩衝領域として緩衝ゴム板を挟んで支持している場合、衝突時の運動エネルギーは、緩衝ゴム板が撓むことでも吸収される。
衝突時において、固定鉄心3と固定鉄心連結ピン5の間に自由度はないため、両者はほぼ一体物として動作する。すなわち、固定鉄心3と固定鉄心連結ピン5との相対位置はほぼ変位しないまま、固定鉄心3と固定鉄心連結ピン5がほぼ一体となって移動する。
可動鉄心7が固定鉄心3へ衝突した後、可動鉄心7と固定鉄心3は、固定鉄心連結ピン5と共にリアケース1の底部1a側へ、固定緩衝ゴム16の撓み分だけ移動する。この移動は、固定鉄心3が、リアケース1の底部1aに押さえつけられるようにして直接固定されていないため可能となっている。また可動鉄心7、固定鉄心3及び固定鉄心連結ピン5がリアケース1の底部1a側へと移動するにあたっては、緩衝領域があるために、固定鉄心3の底面3eとリアケース1の底部1aとが接触することなく移動することができる。
その後可動鉄心7、固定鉄心3及び固定鉄心連結ピン5は、固定緩衝ゴム16、復帰バネ10及び接圧バネ11の反発力により直ちに可動鉄心7側へ押し戻される。押し戻される時も固定鉄心3と固定鉄心連結ピン5の間に自由度はないため、両者はほぼ一体物として動作する。すなわち、固定鉄心3と固定鉄心連結ピン5との相対位置はほぼ変位しないまま、固定鉄心3と固定鉄心連結ピン5がほぼ一体となって移動する。
上述した電磁接触器のON動作時において、可動鉄心7の急激な加速度変化は、可動鉄心7が固定鉄心3へ衝突するまでの1回のみ発生する。また、可動鉄心7と固定鉄心3の衝突後において、固定緩衝ゴム16の撓み分を除き、可動鉄心7、固定鉄心3及び固定鉄心連結ピン5の相互関係に自由移動分はほぼない。これにより、可動鉄心7に連結された可接キャリア9と連動して動作する可動接触子12及び可動接点14の不要な振動を抑制することができる。この振動の抑制は、回路閉路時において可動接点14と固定接点15との間でバウンスが生じる時間(接点バウンス時間)を低減する。すなわち可動接点14及び固定接点15の消耗を低減できるため、電磁接触器の寿命向上が期待できる。
接点バウンス時間の低減について、図6に固定鉄心連結ピン曲げなしの場合のデータ17と、固定鉄心連結ピンV字形状の場合のデータ18の接点バウンス時間の比較結果を示す。図6において、縦軸は接点の一次バウンスの時間を表し、横軸は操作コイル6へ投入する電圧の位相を表す。この比較結果より、固定鉄心連結ピン曲げなしの場合のデータ17よりも、固定鉄心連結ピンV字形状の場合のデータ18の方が、接点バウンス時間が短くなっていることがわかる。これは、固定鉄心連結ピン5と固定鉄心3の貫通孔4とが3点または3線で接するような、固定鉄心連結ピン5が貫通孔4内に圧入された状態、すなわち固定鉄心3が固定鉄心連結ピン5に対して自由度がない状態とすることによって、固定鉄心3が固定鉄心連結ピン5に対して自由度がある状態のときよりも接点バウンス時間を低減できることを意味する。
なお、上述の接点バウンス時間を低減する効果を得るための構成は、固定鉄心連結ピン5の形状がV字形状のときに限定されるものではない。すなわち固定鉄心連結ピン5の形状がU字形状やW字形状、Z字形状のもの、さらには多くの曲げ部を有し、折り曲げ点が4点以上あるものでもよい。また、固定鉄心連結ピン5のV字形状やU字形状、W字形状等の両端の方向も、可動鉄心7の方向を向けるものに限らず、可動鉄心7とは逆の方向へ向けて設置しても良い。ほかにも固定鉄心連結ピン5がW字形状のとき、W字形状の両端もしくは片側にさらに曲げを追加して、その両端もしくは片側を水平に保つようにしてもよい。また、W字形状の両端もしくは片側にさらに曲げを追加して、その両端もしくは片側の角度を、多少変えるようにしてもよい。
固定鉄心連結ピン5が有する各頂点は、貫通孔内可動鉄心側4c及び貫通孔内リアケース側4dと接触するように構成する。また、固定鉄心連結ピン5は、貫通孔内可動鉄心側端4b及び貫通孔内リアケース側端4eと2点で接触するように構成する。しかし、固定鉄心連結ピン5は、すべての頂点が貫通孔4と必ずしも接触している必要はなく、貫通孔4の端とも必ずしも接触している必要はない。
例えば折り曲げ点が4点のとき、折り曲げ点の4頂点及び貫通孔4内端の2点の合計6点または6線にて貫通孔4に接するようにしてもよい。しかし、これに限らず、3頂点及び他2点の合計5点または5線にて接するようにしてもよく、4頂点及び他1点の合計5点または5線にて接するようにしてもよい。これは固定鉄心連結ピン5が、折り曲げ点の各頂点及び貫通孔4内端の2点の、すべての箇所において貫通孔4と接している必要はないことを意味する。すなわち、固定鉄心3の貫通孔4と固定鉄心連結ピン5とが少なくとも3点または3線で接し、かつ固定鉄心連結ピン5が貫通孔内可動鉄心側4c及び貫通孔内リアケース側4dの両側ともに接することにより、固定鉄心3と固定鉄心連結ピン5との間に自由度がない状態となっていればよい。
なお、背景技術で固定鉄心3の従来の固定方法として、固定鉄心3の貫通孔4にバネ性を有する線ばねを挿入し、線ばねの両突出端をフック部に係合する方法を述べた。これは、下部ケースに敷設した緩衝ゴム板に対して固定鉄心3を押圧保持する構成である。この方法によっても固定鉄心3を自由がない状態とすることができる。しかし、この方法で用いる線ばねは高価であり、製品コストが高価となる課題があった。しかし、本件発明では、固定鉄心連結ピン5にバネ性を有しない金属を使用する。このため、線ばねを用いる必要がなく、製品コストを安価にすることができる。
なお、上述の効果を得るための構成も、固定鉄心連結ピン5の形状が、V字形状のときに限定されるものではない。すなわち、固定鉄心連結ピン5の形状が、U字形状やW字形状、Z字形状のもの、さらには多くの曲げ部を有し、折り曲げ点が4点以上あるものでもよい。また、固定鉄心連結ピン5のV字形状やU字形状、W字形状等の両端の方向も、可動鉄心7の方向を向けるものに限らず、可動鉄心7とは逆の方向へ向けて設置しても良い。ほかにも固定鉄心連結ピン5がW字形状のとき、W字形状の両端もしくは片側にさらに曲げを追加して、その両端もしくは片側を水平に保つようにしてもよい。また、W字形状の両端もしくは片側にさらに曲げを追加して、その両端もしくは片側の角度を、多少変えるようにしてもよい。すなわち、固定鉄心連結ピン5にバネ性を有しない金属を使用することにより、製品コストを安価にすることができる。
また、本件発明における固定鉄心連結ピン5の剛性は、固定鉄心3の貫通孔4の剛性よりも低い。このため、曲げ加工時における固定鉄心連結ピン5のV字形状の寸法が貫通孔4と干渉する寸法であったとしても、固定鉄心連結ピン5を固定鉄心3の貫通孔4内へ挿入するとき、圧入することができる。固定鉄心連結ピン5を固定鉄心3の貫通孔4内へ圧入することによって、固定鉄心連結ピン5のV字形状が貫通孔4の短辺の幅へと矯正される。すなわち、固定鉄心連結ピン5と貫通孔4とが、固定鉄心3の貫通孔内リアケース側中央4a及び2箇所の貫通孔内可動鉄心側端4bの合計3点または3線にて接するように、固定鉄心連結ピン5が矯正される。よって、V字形状の曲げ加工精度を高める必要がなく、工作性の向上が図れる。
上述の効果を得るための構成も、固定鉄心連結ピン5の形状がV字形状のときに限定されるものではない。すなわち、固定鉄心連結ピン5の形状がU字形状やW字形状、Z字形状のもの、もしくはさらに多くの曲げ部を有し、折り曲げ点が4点以上あるものでもよい。また、固定鉄心連結ピン5のV字形状やU字形状、W字形状等の両端の方向も、可動鉄心7の方向を向けるものに限らず、可動鉄心7とは逆の方向へ向けて設置しても良い。ほかにも固定鉄心連結ピン5がW字形状のとき、W字形状の両端もしくは片側にさらに曲げを追加して、その両端もしくは片側を水平に保つようにしてもよい。また、W字形状の両端もしくは片側にさらに曲げを追加して、その両端もしくは片側の角度を、多少変えるようにしてもよい。すなわち、固定鉄心連結ピン5の剛性が、固定鉄心3の貫通孔4の剛性よりも低いことにより、固定鉄心連結ピン5を固定鉄心3の貫通孔4内へ挿入するとき、圧入することができればよい。固定鉄心連結ピン5を固定鉄心3の貫通孔4内へ圧入することによって、固定鉄心連結ピン5のV字形状が貫通孔4の短辺の幅へと矯正される。よって、曲げ加工精度を高める必要がなく、工作性の向上が図れる。
また、固定鉄心連結ピン5は、固定鉄心3の貫通孔4へ矯正されつつ挿入されているため圧入状態にある。すなわち、固定鉄心3と固定鉄心連結ピン5は貫通孔4内の3点または3線にて接している。このため、固定鉄心連結ピン5は、いったん貫通孔4内へ挿入すると、固定鉄心3から容易に脱落しない。よって、組立時において、固定鉄心連結ピン5を貫通孔4へ挿入した後、固定鉄心連結ピン5の固定鉄心3両側面より突出した部分へ緩衝ゴム16を取り付ける工程において、固定鉄心連結ピン5が貫通孔4から抜けないよう、固定鉄心連結ピン5を押さえる必要がない。よって、組立性の向上が図れる。
上述の効果を得るための構成も、固定鉄心連結ピン5の形状がV字形状のときに限定されるものではない。すなわち、固定鉄心連結ピン5の形状がU字形状やW字形状、Z字形状のもの、もしくはさらに多くの曲げ部を有し、折り曲げ点が4点以上あるものでもよい。また、固定鉄心連結ピン5のV字形状やU字形状、W字形状等の両端の方向も、可動鉄心7の方向を向けるものに限らず、可動鉄心7とは逆の方向へ向けて設置しても良い。ほかにも固定鉄心連結ピン5がW字形状のとき、W字形状の両端もしくは片側にさらに曲げを追加して、その両端もしくは片側を水平に保つようにしてもよい。また、W字形状の両端もしくは片側にさらに曲げを追加して、その両端もしくは片側の角度を、多少変えるようにしてもよい。すなわち、固定鉄心3と固定鉄心連結ピン5が、少なくとも貫通孔4内の3点または3線にて接していればよい。これにより固定鉄心連結ピン5は、固定鉄心3から容易に脱落しない。よって、組立性の向上が図れる。
次に、固定鉄心3の接極面3aと可動鉄心7の接極面7aが平行ではなかった場合を説明する。図4-(b)は、実施の形態1に係る電磁接触器のOFF状態において、固定鉄心3の接極面3aと可動鉄心7の接極面7aが平行ではなかった場合を示している。
前述のように固定鉄心連結ピン5は、バネ性を有しない金属でできている。また3辺のうちの最長辺において、中央付近で曲げることによりV字形状に形成されている。さらに曲げ部以外は直線をした直線部を有するものである。この固定鉄心連結ピン5は貫通孔4内に挿入する際、圧入される。このとき、固定鉄心3の貫通孔内リアケース側中央4a及び2箇所の貫通孔内可動鉄心側端4bの、合計3点または3線にて接するように、圧入される。しかし、固定鉄心連結ピン5は貫通孔4内に圧入されるため、図4-(b)のように、固定鉄心3の貫通孔内リアケース側中央4aからずれた位置で接することがある。なおこの場合においても、3点または3線で接することにより、固定鉄心3は固定鉄心連結ピン5に対して自由度がない状態となっている。
図4-(b)及び図4-(c)において、固定鉄心3の接極面3aと可動鉄心7の接極面7aが平行ではなかった場合における、電磁接触器のON動作について説明する。前述のように、電磁接触器のON動作時において、可動鉄心7が固定鉄心3へ衝突するとき、固定鉄心3と固定鉄心連結ピン5の間に自由度はないため、両者はほぼ一体物として動作する。すなわち、固定鉄心3と固定鉄心連結ピン5との相対位置はほぼ変位しないまま、固定鉄心3と固定鉄心連結ピン5がほぼ一体となって移動する。また固定鉄心連結ピン5は、ほとんど湾曲することなく運動エネルギーを固定緩衝ゴム16へと伝える。このとき、可動鉄心7と固定鉄心3は、固定鉄心連結ピン5と共にリアケース1の底部1a側へ、固定緩衝ゴム16の撓み分だけ移動する。
しかし、この衝突による衝撃力により、固定鉄心3は固定鉄心連結ピン5から一時的に開放される。すなわち、固定鉄心連結ピン5の剛性は、可動鉄心7から固定鉄心3へ加える衝撃により、永久変形を伴わない程度に若干撓む程度である。このとき、前述の衝撃による固定鉄心3の一時開放により、固定鉄心3が固定鉄心連結ピン5に沿って移動する。
固定鉄心3における上述の2種類の移動は、1回の衝突で同時に起こりうる。すなわち衝突時において、固定鉄心3は、固定鉄心連結ピン5とほぼ一体となって、可動鉄心7と共にリアケース1の底部1a側へ、固定緩衝ゴム16の撓み分だけ移動するとともに、固定鉄心3は、前述の衝撃によって固定鉄心連結ピン5から一時開放されることにより、固定鉄心連結ピン5に沿って移動する。
固定鉄心連結ピン5の、V字形状におけるV字の中央頂点は、V字の両端に比べ可動鉄心7よりも遠い方向に配置されている。すなわち図4-(b)のように、固定鉄心3の接極面3aと可動鉄心7の接極面7aが平行ではなかった場合、固定鉄心連結ピン5のV字の中央頂点は、固定鉄心3の貫通孔内リアケース側中央4aから少しずれた位置で貫通孔4と接している。このため、可動鉄心7が固定鉄心3へ衝突した時、固定鉄心3が固定鉄心連結ピン5に沿って移動することにより、固定鉄心3の接極面3aは可動鉄心7の接極面7aと平行となる位置へ補正される。すなわち図4-(c)のように、固定鉄心連結ピン5のV字の中央頂点が、固定鉄心3の貫通孔内リアケース側中央4aで接する位置になるよう固定鉄心3が移動し、固定鉄心3の位置が補正される。言い換えると、可動鉄心7と固定鉄心3との接触の際に生じた衝撃により、固定鉄心連結ピン5と貫通孔4の接触する位置が変化することによって、固定鉄心3が移動し、可動鉄心の接極面7aと固定鉄心の接極面3aとが平行になる。
この補正は電磁接触器の組立後、電磁接触器の開閉動作、すなわちON・OFFの切り替えを数回行うことにより完了する。本補正により、固定鉄心3の接極面3aと可動鉄心7の接極面7aは常に平行に保持される。すなわち、この補正により、固定鉄心3の接極面3a及び可動鉄心7の接極面7aの偏磨耗が抑制され、機械的耐久性が向上する。
実施の形態2.
図7-(a)はこの発明の実施の形態2における、固定鉄心連結ピン5と固定鉄心3の取付状態を表している。実施の形態1では固定鉄心連結ピン5を中央付近で折り曲げてV字形状とした。実施の形態2は、図7-(a)に示すとおり、中央付近の折り曲げの両側に、中央の折り曲げとは逆向きの曲げを更に追加してW字形状としたものである。すなわち、固定鉄心連結ピン5は、曲げ方向が交互である3箇所の曲げ部を有している。このため、折り曲げ点のうち、1頂点が貫通孔内可動鉄心側4cと接し、2頂点が貫通孔内リアケース側4dと接する。さらに、固定鉄心連結ピン5が、貫通孔内可動鉄心側端4bと2点または2線で接する。これにより、合計5点または5線にて貫通孔4に接する方法である。
実施の形態2に係る方法の手順を説明する。固定鉄心連結ピン5は、実施の形態1と同様にバネ性を有しない金属でできている。この固定鉄心連結ピン5を、3辺のうちの最長辺において、中央付近で曲げる。それから中央付近の折り曲げの両側に、中央の折り曲げとは逆向きの曲げを更に追加してW字形状に形成する。曲げ部以外は直線をした直線部を有している。またW字形状の固定鉄心連結ピン5を貫通孔4内に挿入する際、圧入する。その後、実施の形態1と同様に、固定鉄心3を、固定鉄心連結ピン5及び緩衝ゴム16を介してリアケース1に支持する。
図7-(b)及び図7-(c)に示す様に、固定鉄心連結ピン5の形状をW字形状とし、固定鉄心連結ピン5が有する曲げ部の位置を変えるときを考える。すなわち、W字の下2頂点の位置を変化させることにより、W字の形状を変化させ、貫通孔内リアケース側4dと接触する位置を変化させるときを考える。電磁接触器のOFF状態における固定緩衝ゴム16の位置は、リアケース1に収納されているためW字の形状によらない。このため、固定鉄心連結ピン5を固定鉄心3へ挿入するとき、固定鉄心連結ピン5におけるW字の下2頂点の位置を変化させることにより、W字の下2頂点が貫通孔内リアケース側4dと接触する位置が変化するとともに、固定鉄心連結ピン5の、固定鉄心3の両側面より突出する部分の向き及び突出量が変化する。よって固定緩衝ゴム16に対する固定鉄心3の位置が変化する。
図7-(b)のように、W字の下2頂点の位置を同じだけ変化させるとき、可動鉄心7と固定鉄心3の距離を可変できる。図7-(c)のように、W字の下2頂点の位置を異なる量だけ変化させるとき及び一方の頂点の位置のみ変化させるとき、固定鉄心3の可動鉄心7に対する角度を可変できる。これにより、固定鉄心3を固定しつつ、可動鉄心7と固定鉄心3の距離及び固定鉄心3の可動鉄心7に対する角度を自在に可変できる。
さらに図7-(d)に示す様に、固定鉄心連結ピン5の形状をW字形状とし、固定鉄心連結ピン5が有する曲げ部の角度を変えるような方法でもよい。すなわち、W字の下2頂点の折り曲げ角度を変化させることにより、W字の形状を変化させるときを考える。この場合、W字の下2頂点が貫通孔内リアケース側4dと接触する位置は変化しない。このとき、固定鉄心3の貫通孔4と固定鉄心連結ピン5とは、曲げ部の頂点のうち、1頂点が貫通孔内可動鉄心側4cと接し、2頂点が貫通孔内リアケース側4dと接する。すなわち、この場合においては、固定鉄心3の貫通孔4と固定鉄心連結ピン5とは3点または3線で接触している。電磁接触器のOFF状態における固定緩衝ゴム16の位置は、リアケース1に収納されているためW字の形状によらない。このため、固定鉄心連結ピン5を固定鉄心3へ挿入するとき、固定鉄心連結ピン5におけるW字の下2頂点の折り曲げ角度を変化させることにより、固定鉄心連結ピン5の、固定鉄心3の両側面より突出する部分の向き及び突出量が変化する。よって、固定緩衝ゴム16に対する固定鉄心3の位置が変化する。
図7-(d)のように、W字の下2頂点の折り曲げ角度が等しいとき、可動鉄心7と固定鉄心3の距離を可変できる。W字の下2頂点の折り曲げ角度が異なるとき、固定鉄心3の可動鉄心7に対する角度を可変できる。これにより、固定鉄心3を固定しつつ、可動鉄心7と固定鉄心3の距離及び固定鉄心3の可動鉄心7に対する角度を自在に可変できる。
上述のように、固定鉄心連結ピン5の形状をW字形状とし、W字の下2頂点の位置またはW字の下2頂点の折り曲げ角度を変化させることにより、固定鉄心3の吸引方向の固定位置を自在に変化させることができる。これらの方法を使うと、可動鉄心7の移動距離、いわゆる鉄心ストロークを調整することができる。これは、鉄心ストロークを変化させて電磁接触器の機械的寿命、電気的寿命等の特性を調整したい場合に有効な方法である。
なお、W字の下2頂点の位置を変化させる場合及びW字の下2頂点の折り曲げ角度を変化させる場合のどちらの場合においても、固定鉄心連結ピン5は、所望の鉄心ストロークを実現するW字形状となるように、固定鉄心連結ピン5を折り曲げて使用するとよい。また、W字形状が異なるものを2つ以上用意しておき、電磁接触器の消耗に応じて、所望の鉄心ストロークを実現するW字形状のものを選び、貫通孔4内に挿入して電磁接触器を組み立ててもよい。
実施の形態3.
図8はこの発明の実施の形態3における、固定鉄心連結ピン5と固定鉄心3の取付状態を表している。実施の形態1では固定鉄心連結ピン5を中央付近で折り曲げてV字形状とした。実施の形態2では中央付近の折り曲げの両側に、中央の折り曲げとは逆向きの曲げを更に追加してW字形状とした。実施の形態3は、図8の様に折り曲げ点を2点としてZ字形状としたものである。すなわち、固定鉄心連結ピン5は、曲げ方向が相対的な方向である2箇所の曲げ部を有している。このため、折り曲げ点のうち、1頂点が貫通孔内可動鉄心側4cと接し、1頂点が貫通孔内リアケース側4dと接する。さらに固定鉄心連結ピン5が、貫通孔内可動鉄心側端4bと1点または1線で接し、貫通孔内リアケース側4dと1点または1線で接する。これにより2頂点及び他2箇所の合計4点または4線にて貫通孔4に接する方法である。
固定鉄心連結ピン5の形状がV字形状であるときは、Z字形状などのときと比べ、固定鉄心連結ピン5を固定鉄心3の貫通孔4へと容易に挿入できる。しかし、固定鉄心連結ピン5の形状がV字形状であるときは、固定鉄心3を可動鉄心7に対して意図的に角度をつけることができない。
しかし、固定鉄心連結ピン5の形状がZ字形状の場合、固定鉄心3を可動鉄心7に対して意図的に角度をつけることができる。これを図8において説明する。電磁接触器のOFF状態における固定緩衝ゴム16の位置は、リアケース1に収納されているためZ字の形状によらない。また、電磁接触器のOFF時において、固定鉄心3は、固定鉄心連結ピン5のZ字形状における折り曲げ点の2頂点及び他2箇所の合計4点または4線にて貫通孔4に接している。
すなわち、Z字形状の固定鉄心連結ピン5を固定鉄心3へ挿入する。そして固定鉄心連結ピン5の、固定鉄心3の両側面より突出する部分を固定緩衝ゴム16の嵌合孔16aにて嵌合させる。この状態をもって、固定鉄心3をリアケース1内に収納する。これにより、固定鉄心3は可動鉄心7に対して平行でない角度を持つことになる。
このため、固定鉄心連結ピン5を固定鉄心3へ挿入するとき、固定鉄心連結ピン5におけるZ字の曲げ部2頂点の位置を変化させることにより、Z字の頂点のそれぞれが、貫通孔内可動鉄心側4c及び貫通孔内リアケース側4dと接触する位置が変化する。また固定鉄心連結ピン5が、貫通孔内可動鉄心側端4b及び貫通孔内リアケース側端4eと接触する位置も変化する。これにより、固定鉄心3を固定しつつ、固定鉄心3の可動鉄心7に対する角度を自在に可変できる。すなわち、固定鉄心3を可動鉄心7に対して意図的に角度をつけることが可能となる。
意図的に角度をつけることが可能となると、固定鉄心連結ピン5の形状がW字形状の発明と同様に、Z字形状においても固定鉄心3の吸引方向の固定位置を自在に変化させることができる。この方法を使うと、可動鉄心7の移動距離、いわゆる鉄心ストロークを調整することができる。これは、鉄心ストロークを変化させて電磁接触器の機械的寿命、電気的寿命等の特性を調整したい場合に有効な方法である。
なお、図8においては、固定鉄心3を可動鉄心7に対して右へ傾ける図を示したが、これに限るものではない。すなわち、Z字形状の固定鉄心連結ピン5を貫通穴37へ逆向きに挿入し、固定鉄心3を可動鉄心7に対して左へ傾けても良い。
また、固定鉄心連結ピン5は、所望の鉄心ストロークを実現するZ字形状となるように、固定鉄心連結ピン5を折り曲げて使用するとよい。また、Z字形状が異なるものを2つ以上用意しておき、電磁接触器の消耗に応じて、所望の鉄心ストロークを実現するZ字形状のものを選び、貫通孔4内に挿入して電磁接触器を組み立ててもよい。
実施の形態4.
実施の形態2では、固定鉄心連結ピン5を3点で折り曲げてW字形状とした。実施の形態4は、折り曲げ点をさらに多くし4点以上設ける方法である。
このときも、実施の形態1と同様に、電磁接触器のON動作において、回路閉路時における接点のバウンス時間を低減できる。すなわち、固定鉄心3と固定鉄心連結ピン5との間に自由度がない状態となっていれば、回路閉路時における接点のバウンス時間を低減し、ひいては電磁接触器の寿命向上が期待できる。
この自由度がない状態とは、固定鉄心3の貫通孔4と固定鉄心連結ピン5とが少なくとも3点または3線で接し、かつ固定鉄心連結ピン5が貫通孔4内のリアケース1側及び貫通孔4内の可動鉄心7側の両側ともに接する構成とすることにより実現される。すなわち、固定鉄心連結ピン5が、曲げ方向が交互である少なくとも3箇所の曲げ部を有し、貫通孔と少なくとも3点で接し、曲げ部の頂点のうち、両端にある曲げ部の頂点以外は必ず貫通孔と接していればよい。なお、貫通孔4内のリアケース1側とは、貫通孔内リアケース側4dまたは貫通孔内リアケース側端4eのことである。また、貫通孔4内の可動鉄心7側とは、貫通孔内可動鉄心側端4bまたは貫通孔内可動鉄心側4cのことである。
なお、固定鉄心連結ピン5が有する折り曲げ点の各頂点及び貫通孔4内端の2点のうち、固定鉄心連結ピン5と貫通孔4が接している箇所が多いほど、固定鉄心3と固定鉄心連結ピン5とがより強固に固定されることになる。
ここで、固定鉄心3と固定鉄心連結ピン5との間に自由度がない状態とすることにおいて、折り曲げ点が少なく貫通孔4と接する箇所が少ない場合を考える。この場合、固定鉄心連結ピン5にはより剛性の高い金属を使うか、同じ材料を使うのであればより厚みのある固定鉄心連結ピン5を使用する必要がある。しかし、固定鉄心連結ピン5の折り曲げ点を多くして貫通孔4と接する箇所を多くした場合、固定鉄心連結ピン5の材料に高い剛性が求められることはない。また、同じ材料を使うのであれば、折り曲げ点を多くして貫通孔4と接する箇所を多くすることで、固定鉄心連結ピン5をより薄いものとすることができる。
固定鉄心連結ピン5に高い剛性が求められないのであれば、曲げ加工時において加工が容易になる。また、曲げ加工時における固定鉄心連結ピン5の寸法が、貫通孔4と干渉する寸法であったとしても、固定鉄心連結ピン5を固定鉄心3の貫通孔4内へ挿入するときに圧入することにより、固定鉄心連結ピン5の寸法が貫通孔4の短辺の幅へと容易に矯正される。すなわち、固定鉄心連結ピン5と貫通孔4とが、固定鉄心3の貫通孔4内のリアケース1側及び貫通孔4内の可動鉄心7側で接するように、固定鉄心連結ピン5が矯正される。よって、固定鉄心連結ピン5の曲げ加工精度を高める必要がなく、工作性の向上が図れる。
また、曲げ加工時における固定鉄心連結ピン5の寸法が貫通孔4と干渉する寸法であったとしても、固定鉄心連結ピン5を固定鉄心3の貫通孔4内へ挿入するときに容易に圧入できる。さらに、固定鉄心連結ピン5が固定鉄心3の貫通孔4へ矯正されつつ挿入されるため圧入状態にある。このため、固定鉄心連結ピン5は固定鉄心3から容易に脱落しない。よって、固定鉄心連結ピン5を貫通孔4へ挿入した後に、固定鉄心連結ピン5の固定鉄心3両側面より突出した部分へ緩衝ゴム16を取り付ける工程において、固定鉄心連結ピン5が貫通孔4から抜けないように押さえる必要がない。よって、組立性の向上が図れる。
もし、固定鉄心連結ピン5を薄くすることができるのであれば、固定鉄心連結ピン5として使用する金属材料の使用量を減らすことがでる。すなわち、製品コストがより安価な構成とすることができる。
実施の形態5.
実施の形態1、実施の形態2及び実施の形態4において、固定鉄心連結ピン5のV字形状、W字形状等の両端の方向は、可動鉄心7の方向を向けていた。実施の形態5は、図9に示すように、固定鉄心連結ピン5の両端の方向は、可動鉄心7とは逆の方向へ向けて設置する方法である。
固定鉄心連結ピン5がV字形状であるとき、曲げ部の頂点が貫通孔内可動鉄心側4cと接し、さらに貫通孔内リアケース側端4eと2点または2線で接する。これにより合計3点または3線にて貫通孔4に接する。
また図9のように、固定鉄心連結ピン5がW字形状であるとき、折り曲げ点のうち、2頂点が貫通孔内可動鉄心側4cと接し、1頂点が貫通孔内リアケース側4dと接する。さらに固定鉄心連結ピン5が、貫通孔内可動鉄心側端4bと2点または2線で接する。これにより合計5点または5線にて貫通孔4に接する。
このとき、固定鉄心連結ピン5の固定鉄心3の両側面より突出する部分の向きは、可動鉄心7側ではなくリアケース1側を向いている。このため、図9のように、固定鉄心連結ピン5の両突出端を、リアケース1の底部1aと側面からなる隅に引っ掛ける構成とすることができる。このような構成としても、固定鉄心3をリアケース1に対して支持することができる。なお、固定鉄心3の底面3eとリアケース1の底部1aとの間には、緩衝領域として緩衝ゴム板のような弾性を持った部材を挟んで支持するのがよい。この場合、可動鉄心7が固定鉄心3へ衝突する時の運動エネルギーは、固定緩衝ゴム16でなく、緩衝ゴム板が撓むことで吸収される。この構成によると、固定鉄心連結ピン5を支持するために固定緩衝ゴム16を使用する必要がない。よって、製品コストを安価にすることができる。
実施の形態6.
図10はこの発明の実施の形態6における、固定鉄心連結ピン5と固定鉄心3の取付状態を表している。実施の形態2では固定鉄心連結ピン5をW字形状とした。実施の形態6は、図10に示すように、W字形状の両端もしくは片側に更に曲げを追加して、その両端もしくは片側を水平に保つ方法である。また、W字形状の両端もしくは片側に更に曲げを追加して、その両端もしくは片側の角度を、多少変える方法でもよい。
実施の形態6に係る方法の手順を説明する。固定鉄心連結ピン5は、実施の形態1と同様にバネ性を有しない金属でできている。この固定鉄心連結ピン5を、3辺のうちの最長辺において、中央付近で曲げる。それから中央付近の折り曲げの両側に、中央の折り曲げとは逆向きの曲げを更に追加してW字形状に形成する。曲げ部以外は直線をした直線部を有している。さらに、W字形状の両端もしくは片側に更に曲げを追加して、その両端もしくは片側が水平になるよう形成する。あるいは、その両端もしくは片側の角度を、多少変えて形成する。そしてこの固定鉄心連結ピン5を貫通孔4内に挿入する際、圧入する。これにより固定鉄心連結ピン5は、曲げ方向が交互である少なくとも3箇所の曲げ部を有し、貫通孔と少なくとも3点で接し、曲げ部の頂点のうち、両端にある曲げ部の頂点以外は必ず貫通孔と接することになる。その後実施の形態1と同様に、固定鉄心3を、固定鉄心連結ピン5及び緩衝ゴム16を介してリアケース1に支持させる。
図10-(a)のように、固定鉄心連結ピン5のW字形状の両端に曲げを追加して、その両端を水平に保つとき、折り曲げ点のうち、1頂点が貫通孔内可動鉄心側4cと接し、2頂点が貫通孔内リアケース側4dと接する。また、固定鉄心連結ピン5の両端の方向を、可動鉄心7とは逆の方向へ向けて貫通孔4へ挿入していた場合、折り曲げ点のうち、2頂点が貫通孔内可動鉄心側4cと接し、1頂点が貫通孔内リアケース側4dと接する。これにより合計3点または3線にて貫通孔4に接する。
図10-(b)のように、固定鉄心連結ピン5のW字形状の片側に曲げを追加して、その片側を水平に保つとき、折り曲げ点のうち、1頂点が貫通孔内可動鉄心側4cと接し、2頂点が貫通孔内リアケース側4dと接する。さらに、固定鉄心連結ピン5が、貫通孔内可動鉄心側端4bと1点または1線で接する。これにより、合計4点または4線にて貫通孔4に接する。
また固定鉄心連結ピン5の両端の方向を、可動鉄心7とは逆の方向へ向けて貫通孔4へ挿入していた場合、折り曲げ点のうち、2頂点が貫通孔内可動鉄心側4cと接し、1頂点が貫通孔内リアケース側4dと接する。さらに、固定鉄心連結ピン5が、貫通孔内リアケース側4dと1点または1線で接する。これにより合計4点または4線にて貫通孔4に接する。
電磁接触器のOFF状態における固定緩衝ゴム16の位置は、リアケース1に収納されているため、追加した曲げ部の折り曲げ角度によらない。このため、固定鉄心連結ピン5を固定鉄心3へ挿入するとき、固定鉄心連結ピン5における追加した曲げ部の折り曲げ角度を変化させることにより、固定鉄心連結ピン5の固定鉄心3の両側面より突出する部分の向きが変化する。よって、固定緩衝ゴム16に対する固定鉄心3の位置が変化する。
W字形状の両端に更に曲げを追加するとき、追加した曲げ部の折り曲げ角度が等しければ、図10-(a)のように可動鉄心7と固定鉄心3の距離を可変できる。追加した曲げ部の折り曲げ角度が異なれば、図10-(c)のように固定鉄心3の可動鉄心7に対する角度を可変できる。すなわち、固定鉄心連結ピン5の形状をW字形状とし、W字形状の両端に更に追加した曲げ部の折り曲げ角度を変化させることにより、固定鉄心3の吸引方向の固定位置を自在に変化させることができる。
図10-(b)のように、W字形状の片側に更に曲げを追加するとき、追加した曲げ部の折り曲げ角度に応じて、固定鉄心3の可動鉄心7に対する角度を可変できる。すなわち、固定鉄心連結ピン5の形状をW字形状とし、W字形状の片側に更に追加した曲げ部の折り曲げ角度を変化させることにより、固定鉄心3を可動鉄心7に対して意図的に角度をつけることが可能となる。意図的に角度をつけることが可能となると、固定鉄心連結ピン5のW字形状の両端に更に曲げを追加するときと同様に、固定鉄心3の吸引方向の固定位置を自在に変化させることができる。
これらの方法を使うと、可動鉄心7の移動距離、いわゆる鉄心ストロークを調整することができる。これは、鉄心ストロークを変化させて電磁接触器の機械的寿命、電気的寿命等の特性を調整したい場合に有効な方法である。
なお、W字形状の両端もしくは片側に更に曲げを追加して、その両端もしくは片側を水平に保つ場合及びW字形状の両端もしくは片側に更に曲げを追加して、その両端もしくは片側の角度を多少変える場合のどちらの場合においても、固定鉄心連結ピン5は、所望の鉄心ストロークを実現する形状となるように、固定鉄心連結ピン5を折り曲げて使用するとよい。また、形状が異なる固定鉄心連結ピン5を2つ以上用意しておき、電磁接触器の消耗に応じて、所望の鉄心ストロークを実現する形状のものを選び、貫通孔4内に挿入して電磁接触器を組み立ててもよい。
実施の形態7.
実施の形態1乃至実施の形態6において、固定鉄心3は、固定鉄心3の連結部3dに、中央脚3bと両外側脚3cの間の2箇所、貫通孔4を有している。しかし、固定鉄心3に設ける貫通孔4の数は、1箇所または2箇所の場合に限るものではない。すなわち、3箇所またはそれ以上の貫通孔4を設け、各貫通孔4に固定鉄心連結ピン5を通しても良い。
電磁接触器ON動作時においては、可動鉄心7が固定鉄心3へ衝突するとき、固定鉄心連結ピン5は若干撓む。これにより、固定鉄心3は固定鉄心連結ピン5より一時的に開放される。しかし、固定鉄心連結ピン5の剛性が低い場合または固定鉄心連結ピン5が薄い場合を考える。この場合、可動鉄心7が固定鉄心3へ衝突する前は固定鉄心3と固定鉄心連結ピン5との間に自由度がない状態であったとしても、可動鉄心7から固定鉄心3へ加える衝撃により、固定鉄心連結ピン5は、永久変形を伴って撓んでしまう。
しかし、固定鉄心3に2箇所もしくは3箇所、またはそれ以上の貫通孔4を設け、各貫通孔4に固定鉄心連結ピン5をそれぞれ通すとする。このとき、固定鉄心連結ピン5の剛性が低い場合または固定鉄心連結ピン5が薄い場合においても、固定鉄心3と固定鉄心連結ピン5との間に自由度がない状態とできる。また、可動鉄心7から固定鉄心3へ加える衝撃により、固定鉄心連結ピン5が、永久変形を伴わない程度に撓む程度とすることができる。すなわち、上述の衝撃により固定鉄心連結ピン5が永久変形しない程度に、固定鉄心3の貫通孔4の数を増やすことができる。
固定鉄心連結ピン5に高い剛性が求められないのであれば、曲げ加工時において加工が容易になる。これにより、曲げ加工時における固定鉄心連結ピン5の寸法が貫通孔4と干渉する寸法であったとしても、固定鉄心連結ピン5を固定鉄心3の貫通孔4内へ挿入するときに圧入することにより、固定鉄心連結ピン5の寸法が貫通孔4の短辺の幅へと容易に矯正される。すなわち、固定鉄心連結ピン5と貫通孔4とが、固定鉄心3の貫通孔4内のリアケース1側及び貫通孔4内の可動鉄心7側で接するように、固定鉄心連結ピン5が矯正される。よって、固定鉄心連結ピン5の曲げ加工精度を高める必要がなく、工作性の向上が図れる。
また、曲げ加工時における固定鉄心連結ピン5の寸法が貫通孔4と干渉する寸法であったとしても、固定鉄心連結ピン5を固定鉄心3の貫通孔4内へ挿入するときに容易に圧入できる。さらに、固定鉄心連結ピン5が固定鉄心3の貫通孔4へ矯正されつつ挿入されるため圧入状態にある。このため、固定鉄心連結ピン5は固定鉄心3から容易に脱落しない。よって、固定鉄心連結ピン5を貫通孔4へ挿入した後に、固定鉄心連結ピン5の固定鉄心3両側面より突出した部分へ緩衝ゴム16を取り付ける工程において、固定鉄心連結ピン5が貫通孔4から抜けないように押さえる必要がない。よって、組立性の向上が図れる。
もし、固定鉄心連結ピン5を薄くすることができるのであれば、固定鉄心連結ピン5として使用する金属材料の使用量を減らすことがでる。すなわち、製品コストがより安価な構成とすることができる。
なお、可動鉄心7から固定鉄心3へ加える衝撃により、固定鉄心連結ピン5が永久変形しない程度になるよう、固定鉄心3の貫通孔4の数を増やすことにおいて、貫通孔4の数を増やしすぎた場合、固定鉄心3と固定鉄心連結ピン5とが強固に固定される。これは、前述の固定鉄心連結ピン5がV字形状のときに問題となる。
すなわち、可動鉄心7が固定鉄心3に衝突したときにおいても、固定鉄心3が固定鉄心連結ピン5から一時開放されなくなる。これにより、固定鉄心3が固定鉄心連結ピン5に沿って移動しなくなってしまう。こうなると、可動鉄心7が固定鉄心3に衝突しても、固定鉄心3の接極面3aは可動鉄心7の接極面7aと平行となる位置へ補正されなくなる。すなわち、固定鉄心3の接極面3a及び可動鉄心7の接極面7aの偏磨耗を抑制することができず、機械的耐久性を向上することができなくなる。
このため固定鉄心連結ピン5がV字形状のとき、固定鉄心3の貫通孔4の数は、以下の2つの条件を満たすように決める必要がある。すなわち、可動鉄心7が固定鉄心3に衝突したとき、固定鉄心連結ピン5が永久変形しないこと及び固定鉄心3が固定鉄心連結ピン5から一時開放されることの両方を満たす必要がある。このようにすることで、固定鉄心3と固定鉄心連結ピン5とが強固に固定されてしまうことを防止でき、固定鉄心3の接極面3aが可動鉄心7の接極面7aと平行となる位置へ補正されるようになる。
1 リアケース、1a リアケースの底部、2 ケース、3 固定鉄心、3a 固定鉄心の接極面、3b 固定鉄心の中央脚、3c 固定鉄心の外側脚、3d 固定鉄心の連結部、3e 固定鉄心3の底面、4 貫通孔、4a 貫通孔内リアケース側中央、4b 貫通孔内可動鉄心側端、4c 貫通孔内可動鉄心側、4d 貫通孔内リアケース側、4e 貫通孔内リアケース側端、5 固定鉄心連結ピン、6 操作コイル、6a コイルスプール、6b 巻線、7 可動鉄心、7a 可動鉄心の接極面、7b 可動鉄心の中央脚、7c 可動鉄心の外側脚、7d 可動鉄心の連結部、7e 可動鉄心の貫通孔、8 可動鉄心連結ピン、9 可接キャリア、10 復帰バネ、11 接圧ばね、12 可動接触子、13 固定接触子、14 可動接点、15 固定接点、16 緩衝ゴム、16a 嵌合孔、17 固定鉄心連結ピン曲げなしの場合のデータ、18 固定鉄心連結ピンV字形状の場合のデータ

Claims (12)

  1. 絶縁性を有するケースと、
    前記ケースに収納された固定鉄心と、
    前記固定鉄心と対向して設けられた可動鉄心と、
    前記固定鉄心に周回して設けられ、通電により前記固定鉄心と前記可動鉄心とを接触させるための吸引力を発生するコイルと、
    前記可動鉄心が吸引される方向に対して直交する方向に前記固定鉄心に設けられた貫通孔と、
    前記貫通孔に挿入され、少なくとも1箇所に曲げ部を有して前記貫通孔に少なくとも3点で接することにより前記固定鉄心に圧迫された金属のピンと、
    前記貫通孔の両側から突出する前記ピンの両突出部を挟むように支持し、前記ケースに固定されて前記ピンに加わる力を吸収する緩衝部材とを備え、
    前記コイルが前記吸引力を発生した場合、前記吸引力により吸引された前記可動鉄心と前記固定鉄心とが接触し、前記ピンは、前記可動鉄心と前記固定鉄心との接触の際に生じた衝撃を前記緩衝部材へと伝えるとともに、前記衝撃により、前記貫通孔と接する位置が変位し、
    前記コイルが前記吸引力を発生していない場合、前記貫通孔と前記ピンとの接する位置が固定されることを特徴とする電磁接触器。
  2. 絶縁性を有するケースと、
    前記ケースに収納された固定鉄心と、
    前記固定鉄心と対向して設けられた可動鉄心と、
    前記固定鉄心に周回して設けられ、通電により前記固定鉄心と前記可動鉄心とを接触させるための吸引力を発生するコイルと、
    前記可動鉄心が吸引される方向に対して直交する方向に前記固定鉄心に設けられた貫通孔と、
    前記貫通孔に挿入され、少なくとも1箇所に曲げ部を有し、前記貫通孔の設けられた方向に対して傾斜をなす傾斜面を有し、該傾斜面が前記貫通孔内可動鉄心側端に接し、前記貫通孔に少なくとも3点で接することにより前記固定鉄心に圧迫されたピンと、
    前記貫通孔の両側から突出する前記ピンの両突出部を挟むように支持し、前記ケースに固定されて前記ピンに加わる力を吸収する緩衝部材とを備え、
    前記ピンは、前記可動鉄心と前記固定鉄心との接触の際に生じた衝撃を前記緩衝部材へと伝えることを特徴とする電磁接触器。
  3. 前記固定鉄心と前記ケースの底部との間には、間隙または緩衝板を設けることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の電磁接触器。
  4. 前記緩衝部材は、嵌合孔を有する緩衝ゴムであって、前記貫通孔の両側から突出する前記ピンの両突出部を前記嵌合孔に嵌合することによって前記ピンを支持することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の電磁接触器。
  5. 前記固定鉄心の剛性は、前記ピンの剛性よりも高いことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の電磁接触器。
  6. 前記ピンは、前記固定鉄心の前記貫通孔に圧入されることを特徴とする請求項に記載の電磁接触器。
  7. 前記貫通孔は、前記固定鉄心に少なくとも2つ設けられ、
    前記ピンは、前記貫通孔にそれぞれ挿入されることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の電磁接触器。
  8. 前記ピンの剛性は、前記可動鉄心から前記固定鉄心へ加わる衝撃により永久変形を伴わずに若干撓む程度であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の電磁接触器。
  9. 前記ピンが、1箇所に曲げ部を有し、前記貫通孔と前記ケースの底部側の1点で接し、前記可動鉄心側の2点で接することを特徴とする請求項に記載の電磁接触器。
  10. 前記ピンが、曲げ方向が相対的な方向である2箇所の曲げ部を有し、前記貫通孔と前記ケースの底部側の2点で接し、前記可動鉄心側の2点で接することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の電磁接触器。
  11. 前記ピンが、曲げ方向が交互である少なくとも3箇所の曲げ部を有し、前記貫通孔と少なくとも3点で接し、前記曲げ部の頂点のうち、両端にある前記曲げ部の頂点以外は必ず前記貫通孔と接することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の電磁接触器。
  12. 前記ピンが、曲げ方向が交互である3箇所の曲げ部を有し、前記貫通孔と前記ケースの底部側の2点で接し、前記可動鉄心側の3点で接することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の電磁接触器。
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