JP5493917B2 - 工作物支持装置及び加工装置 - Google Patents
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Description
特許文献1の加工装置では、位置決め溝の位相を嵌合部材の位相に合わせて、ワークを仮受け台の上にセットし、ワークの両側に配置された主軸装置を互いに近接する方向に移動させる(ワークを両端部から挟み込む)ことで、ワークの位置決め溝に嵌合部材を嵌合させていた。このとき、仮受け台へのワークのセットは作業者の目視による確認および手作業による調整が介在しており、時間を要する面倒な作業となっていた。
図1は、本実施形態に係る加工装置の外観を示す平面図であり、図2は、図1の加工装置が備える工作物支持装置を示す説明図である。図3は、図2の工作物支持装置が備える主軸装置の断面図である。なお、図1及び図2において、Y軸方向は鉛直上向きの方向を示しており、X軸方向とZ軸方向は水平方向を示している。そしてX軸方向はワークWの回転軸(工作物回転軸CZ)に直交する方向を示しており、Z軸方向はワークWの回転軸に平行な方向を示している。また、図4(A)〜(C)は、図1の加工装置にセットされるワークの概略形状を示す説明図である。図4(A)は、ワークWの全体の斜視図であり、図4(B)は、図4(A)のワークWをBB方向から見た矢視図である。また図4(C)は、図4(A)のワークWをCC方向から見た矢視図であり、ワークWに形成された嵌合溝MKに嵌合片が嵌合する様子を示している。
図1に示すように、本実施形態の加工装置1(研削盤)は、ベッド2と、第一主軸装置30R(第一支持装置)と、第二主軸装置30L(第二支持装置)と、砥石支持装置10と、ツルーイング装置60と、制御装置50(制御手段)から構成される。
なお、図2ではより明確となるように、第一主軸32R及び第二主軸32L内に設けられた嵌合部材35R、調整部材37R及び37L、当接部材35Lを点線ではなく実線で記載している。
次に、本実施形態の加工装置1についてのワークセット方法を図5のフローチャートにより説明する。
加工装置1にワークWをセットするには、まず、仮受け台73,74にワークWを置いて、ワークWの両側に配置された第一、第二チャック33R,33Lを開放(アンクランプ)状態とする。(ステップS1)
次に、制御装置50は、ワークWの両側に配置された第一、第二主軸装置30R,30Lを互いにZ軸方向に近接する方向に移動させることで、ワークWを両端から挟み込んで支持する。この時、ワークWは任意の位相でよく、第一チャック33Rに備えられた嵌合片35Rの位相も任意の位相でよい。(ステップS2)
次に、制御装置50は、第一主軸装置30Rの第一主軸モータ32RMにサーボオフ信号を出力し、第一主軸モータ32RMをサーボオフ状態とする。第一主軸モータ32RMをサーボオフ状態とすると、第一主軸モータ32RMのモータ軸は自由に回転可能となる。(ステップS3)
さらに、制御装置50は、第二チャック33Lに把持(クランプ)の信号を出力し、第二チャック33LによってワークWが把持された状態とする。(ステップS4)
次に、制御装置50は、第二主軸装置30Lの第二主軸モータ32LMを起動し、把持しているワークWを主軸回転軸(工作物回転軸)回りに回転させる。(ステップS5)
この時、第一チャック33Rを開放(アンクランプ)した作動圧により、第一主軸32Rは、シ−ル38Rの摩擦抵抗によりワークWと連れ回りしないように抑制されている。したがって、ワークWは、嵌合溝MKが設けられた端面を嵌合部材35Rの嵌合片MCに摺接させながら、嵌合片MCに対して相対回転する。そして、嵌合溝MKの位相と、嵌合片MCの位相とが合致した時点で、嵌合片MCは、嵌合溝MKに嵌合する。このとき嵌合部材35Rに設けられた近接センサは、嵌合片MCの嵌合状態を検出し、嵌合信号を制御装置50に出力する(嵌合信号オン)。
次に、制御装置50は、嵌合信号がオンしたか判断する。(ステップS6)ステップS6で嵌合信号がオフと判断された場合には、嵌合信号がオンと判断されるまでワークWの回転を継続する。
ステップS6で嵌合信号がオンと判断された場合には、制御装置50は、第二主軸装置30Lの第二主軸モータ32LMの回転を停止する。(ステップS7)
ワークWの回転停止後、制御装置50は、第一チャック33Rに把持(クランプ)の信号を出力し、第一チャック33RによってワークWが把持された状態とする。(ステップS8)
次に、制御装置50は、第一主軸装置30Rの第一主軸モータ32RMにサーボオン信号を出力し、第一主軸モータ32RMをサーボオン状態とし、第一、第二主軸モータ32RM,32LMをサーボオン状態とする。(ステップS9)
なお、上記説明で使用されるサーボシステムは、サーボシステムのパラメータ等により、サーボオフ状態からサーボオン状態へと切り替えた場合、動作せずに現在位置を認識する挙動としている。
ステップ2において、第一、第二主軸装置30R,30Lが、ワークWを両端から挟み込んで支持した後、制御装置50が第一、第二主軸モータ32RM,32LMにサーボオン信号を出力し、第一、第二主軸モータ32RM,32LMをサーボオン状態とする。さらに、制御装置50は、第一、第二チャック33R,33Lに把持(クランプ)の信号を出力し、ワークWを把持状態とする。
次に、制御装置50から第一、第二主軸モータ32RM,32LMを駆動し、把持しているワークWを回転させる。
さらに、ステップS3において、ワークW回転中に第一主軸モータ32RMをサーボオフ状態にするとともに、第一チャック33Rに開放(アンクランプ)の信号を出力し、第一チャック33Rを開放状態とする。
その後、ステップS4,S5を省略し、ステップS6〜ステップS9の動作としてもよい。
また、本発明の工作物支持装置を備えた加工装置1は、図1に示す研削盤に限定されるものではなく、例えば旋盤に適用することも可能である。
またワークWは、本実施の形態にて説明したEPSのステアリングロッドに限定されるものではなく、チャックによるワークWの把持位置が所定の位相となるように、ワークWの一端にチャックに備えた嵌合片に嵌合する嵌合溝が形成されているワークWであれば、どのようなワークWであってもよい。
Claims (6)
- 工作物回転軸上に配されたワークの軸方向の一端を支持する第一支持装置と、
前記第一支持装置に対向して配置され、前記ワークの軸方向の他端を支持する第二支持装置と、
前記第一支持装置および前記第二支持装置を制御する制御手段と、を備え、
前記第一支持装置は、前記ワークの一端を把持する第一把持手段と、
前記第一把持手段を前記工作物回転軸回りに回転させる第一サーボモータと、
前記ワークの一端に形成された嵌合溝に嵌合される嵌合片と、
前記嵌合片を前記第二支持装置側に付勢する付勢手段と、を有し、
前記第二支持装置は、前記ワークの他端を把持する第二把持手段と、
前記第二把持手段を前記工作物回転軸回りに回転させる第二サーボモータと、
を有し、
前記制御手段は、
前記第一把持手段を前記ワークを把持しない状態、かつ前記第一サーボモータをオフ状態にするとともに、前記第二把持手段を前記ワークを把持する状態、かつ前記第二サーボモータをオン状態にした後、前記第二サーボモータを回転させて、前記ワークを前記嵌合片に対して相対回転させることにより、前記ワークの嵌合溝に前記嵌合片を嵌合させ、前記ワークを所定の位相で支持することを特徴とする工作物支持装置。 - 請求項1に記載の工作物支持装置であって、
前記制御手段は、
前記第一サーボモータをオン状態にするとともに、前記第一把持手段が前記ワークを把持する状態とし、前記第二サーボモータをオン状態にするとともに、前記第二把持手段が前記ワークを把持する状態とし、前記第一サーボモータおよび前記第二サーボモータにより前記ワークを前記工作物回転軸回りに回転させた後、前記ワーク回転中に第一サーボモータをサーボオフ状態にするとともに、第一把持手段を把持しない状態として、前記ワークを前記嵌合片に対して相対回転させることにより、前記ワークの嵌合溝に前記嵌合片を嵌合させ、前記ワークを所定の位相で支持することを特徴とする工作物支持装置。 - 請求項2に記載の工作物支持装置であって、
前記制御手段は、
前記第一サーボモータをオン状態にするとともに、前記第一把持手段が前記ワークを把持する状態とし、前記第二サーボモータをオン状態にするとともに、前記第二把持手段が前記ワークを把持する状態とし、前記第一サーボモータおよび前記第二サーボモータにより前記ワークを前記工作物回転軸回りに回転させた後、前記ワーク回転中に第一サーボモータをサーボオフ状態にするとともに、第一把持手段を把持しない状態とした後、前記ワーク回転方向が逆方向となるように、前記第二サーボモータの回転方向を逆転させて、前記ワークを前記嵌合片に対して相対回転させることにより、前記ワークの嵌合溝に前記嵌合片を嵌合させ、前記ワークを所定の位相で支持することを特徴とする工作物支持装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の工作物支持装置であって、
前記第一把持手段の回転を制動する回転制動手段を備え、
前記制御手段は、
前記第二サーボモータを回転させて、前記ワークを前記嵌合片に対して相対回転させる際に、前記回転制動手段によって前記第一把持手段の回転を制動することを特徴とする工作物支持装置。 - 請求項4に記載の工作物支持装置であって、
前記回転制動手段は、前記第一サーボモータの回転軸の外周に直接的又は間接的に配される抵抗部材と、
前記抵抗部材を径方向外側から内側に押圧する押圧手段と、を備え、
前記制御手段は、前記押圧手段による押圧状態を制御することにより前記第一把持手段の回転を制動することを特徴とする工作物支持装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の工作物支持装置と、
前記工作物支持装置によって支持された前記ワークに対して押し当てられるとともに、前記ワークに対して相対移動することで前記ワークを加工する加工工具と、を備え、
前記第一把持手段および前記第二把持手段は、前記ワークの側面から前記ワークを挟み込んで把持することが可能なチャックであって、
前記制御手段は、前記ワークを所定の位相で支持した後、加工をおこなうことを特徴とする加工装置。
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