JP5493383B2 - 広帯域レーダ装置 - Google Patents
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Description
例えば、超高距離分解能と減衰媒質透過性の2つの特徴を活かした広帯域レーダ装置として以下に示すものが検討されている。
建物内や部屋内の不正侵入者の動きを壁越しに検知するUWBレーダ(壁透過レーダ、スルーウォールレーダ)
森林に潜む危険動物等の動きを植林や植栽を透過させて検知するUWBレーダ(森林透過レーダ、群葉透過レーダ、FOPENレーダ(Foliage Penetration Radar))
瓦礫や土砂等の下に埋もれた生存者を検知するUWBレーダ(生存者探知レーダ)
施設等の侵入者が危険物を隠し持っていないかを服越しに検知するUWBレーダ(セキュリティゲート用危険物探知レーダ)
自動車のフロント内部に設置して非金属のバンパーやフロントグリル越しに前方を走行する自動車や停車する自動車、駐車場の壁等との距離を高精度に計測するUWBレーダ(衝突防止レーダ)
図2(A)に、送信装置から送信されたUWBの送信パルス信号の信号波形の一例を示す。図2(B)に、ターゲットで反射された送信パルス信号を受信装置で受信した受信パルス信号の波形の一例を示す。図2(C)に、受信した受信パルス信号を取り込んで検波するタイミングを示す受信パルス検波信号の波形の一例を示す。図2(D)に、受信パルス信号に検波、積分等の信号処理を施して取り出したベースバンド信号の信号波形を示す。図2(E)に、ベースバンド信号に、ベースバンド信号の信号レベルの減衰分を補正する時間感度制御を施した信号の波形を示す。なお、等価時間サンプリングであるため、図2(C)に示す受信パルス検波信号の周期は、送信パルス信号の1周期毎に一定時間(図2(C)に示すΔf)ずつ周期が大きくなっている。また、図2(E)に示す時間感度制御を施したベースバンド信号は、広帯域レーダ装置からターゲットまでの距離が遠くなるに従ってノイズが大きくなっていることが分かる。
従って、本明細書に開示の広帯域レーダ装置によれば、ターゲットまでの距離が遠く、ターゲットで反射した受信パルス信号の信号レベルが小さくなってしまう場合であっても、受信パルス信号のサンプリング回数を増やして、信号レベルの低下を防ぐことができる。
例えば、送信クロック生成部112で生成される送信クロック信号の信号繰り返し周期が100[ns]であったとする。受信クロック生成部115は、受信基準クロック信号に基づいて、例えば、200[ms]の間に、信号繰り返し周期が100.0008[ns]から100.00005[ns]に連続的に変化する受信クロック信号を生成する。
すなわち、200[ms]の期間の最初には、受信クロック生成部115は、信号繰り返し周期が100.0008[ns]の受信クロック信号を生成する。その後、受信クロック生成部115は、受信クロック信号の信号繰り返し周期を連続的に小さくしていく。そして、200[ms]の期間の最後には、受信クロック生成部115は、信号繰り返し周期が100.00005[ns]の受信クロック信号を生成する。200[ms]を経過すると、受信クロック生成部115は、最初に戻って信号繰り返し周期が100.0008[ns]の受信クロック信号を生成する。受信クロック生成部115は、生成した受信クロック信号を受信部220のゲートパルス信号発生部221と、受信トリガ生成部116に出力する。なお、200[ms]の期間は、時間遅延制御部114Aで決定される。時間遅延制御部114Aは、送信基準クロック信号と受信基準クロック信号との位相が一致してから次に一致するまでの時間に基づいて受信クロック信号の信号繰り返し周期を変化させる期間を決定する。
UWB送信パルス信号は、送信アンテナ部130からターゲットに向けて放射される。図4(A)に送信アンテナ部30から放射されるUWB送信パルス信号の一例を示す。
グラフィックインターフェース264は、CPU260によって処理されたデータをデータ表示部250のディスプレイに表示させるためのインターフェースであり、ディスプレイにグラフィックデータを表示させるためにグラフィックデータを波形電気信号に変換する。
時間感度制御は、例えば、UWB送信パルス信号を送信してからUWB受信パルス信号を受信するまでの信号到達時間(距離)に対応して設定されたSTC係数を、デジタルのベースバンド信号に対して掛け合わせる処理を行う。図7(A)にデジタルのベースバンド信号の信号波形を示す。図7(B)にベースバンド信号に掛け合わせるSTC係数を記録したテーブルの一例を示す。このテーブルは、図6に示すRAM261に記録されている。図4(F)、図7(C)に、ベースバンド信号にSTC係数を掛け合わせ、信号レベルを補正した時間感度制御後のベースバンド信号の波形の一例を示す。UWB送信パルス信号の信号レベルは、大気中を伝播する際に距離に応じて減衰するので、STC係数は、UWB送信パルス信号の伝播距離に応じた減衰分を補正するような係数に設定されている。時間感度制御部241は、時間感度制御したベースバンド信号を差分計算部242に出力する。
時間遅延制御部114Aは、まず、第1基準クロック生成部111で生成した送信基準クロック信号と第2基準クロック生成部113で生成した受信基準クロック信号とを入力する(ステップS1)。これらの信号を入力した場合には(ステップS1/YES)、時間遅延制御部114Aは、入力した受信基準クロック信号の信号繰り返し周期が経過時間に応じて連続的に小さくなる受信基準クロック信号を生成する(ステップS2)。時間遅延制御部114Aは、生成した受信基準クロック信号を受信クロック生成部115に出力する。例えば、受信クロック生成部115は、入力した受信基準クロック信号に基づいて、繰返し周期が100.0008[ns]から100.00005[ns]に連続的に変化する受信クロック信号を生成する。
図10に実施例2の広帯域レーダ装置1Bの構成を示す。なお、実施例1の広帯域レーダ装置1Aと同一の構成部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施例は、図10に示すように時間遅延制御部114Aに代えて、段階的時間遅延制御部114Bを設けている。段階的時間遅延制御部114Bは、第2基準クロック生成部113が生成した受信基準クロック信号の信号繰り返し周期を一定時間間隔毎に段階的に遅延させる制御を行う。例えば、上述した実施例1では、受信クロック信号を、200[ms]の間に、信号繰り返し周期が100.0008[ns]から100.00005[ns]に連続的に変化させていたが、本実施例では、200[ms]のうちの40[ms]ごとに、受信クロック信号の周期を100.0008[ns]、100.0004[ns]、100.0002[ns]、100.0001[ns]、100.00005[ns]と段階的に小さくしていく。
図11に実施例3の広帯域レーダ装置1Cの構成を示す。なお、本実施例も実施例1の広帯域レーダ装置1Aと同一の構成部分には、同一の符号を付し説明を省略する。
電波の強度は、大気中で距離の4乗に比例して減衰していく。このため、距離別時間遅延制御部114Cは、ターゲットまでの距離の4乗に比例してサンプリング数が増加するように受信基準クロック信号の信号繰り返し周期を設定する。
サンプリング数がターゲットまでの距離の4乗に比例して増加するように受信基準クロック信号の繰り返し周期を設定しているので、時間感度制御した信号のノイズ成分がターゲットまでの距離によらず一定となる。従って、ターゲットが広帯域レーダ装置1Cから遠く離れている場合であっても、目標反射信号がノイズに埋もれることなく、目標検出の確度を高めることができる。
図12に実施例4の広帯域レーダ装置1Dの構成を示す。なお、本実施例も実施例1の広帯域レーダ装置1Aと同一の構成部分には、同一の符号を付し説明を省略する。
時間遅延制御部114Dは、第1基準クロック生成部111の生成する基準クロック信号を入力する。時間遅延制御部114Dは、入力した基準クロック信号から、送信基準クロック信号と受信基準クロック信号との位相のずれ分も含んだ受信基準クロック信号を生成する。
このように本実施例は、基準クロック生成部を1つにすることができ、装置の小型軽量化が可能となる。また、実施例1と同様の効果を得ることができる。
100 送信側装置
110 制御部
114A、114D 時間遅延制御部
114B 段階的時間遅延制御部
114C 距離別時間遅延制御部
120 UWBパルス発生部
130 送信アンテナ
200 受信側装置
210 受信アンテナ部
220 受信部
230 データ編集部
240 処理部
250 データ表示部
Claims (3)
- 周期一定の送信クロック信号を生成する送信クロック生成手段と、
前記送信クロック信号に同期したパルス信号を発生するパルス発生手段と、
前記パルス発生手段で発生させたパルス信号を対象エリアに放射する送信アンテナと、
前記送信アンテナにより送信したパルス信号の対象物での反射波を受信パルス信号として受信する受信アンテナと、
生成する信号の周期が連続的に又は段階的に小さくなる受信クロック信号を生成する受信クロック生成手段と、
受信クロック信号に同期して立ち上がり、同じ期間信号レベルが所定レベル以上になるゲートパルス信号を発生するゲートパルス信号発生手段と、
前記ゲートパルス信号の信号レベルが前記所定レベル以上の期間に前記受信アンテナで受信した受信パルス信号の入力電力に応じた検波電圧を受信パルス検波信号として出力する検波手段と、
前記検波手段で検波した受信パルス検波信号を積分して信号を取り出す積分手段と、
前記積分手段で取り出された信号に信号レベルの減衰分を補正する係数を積算して時間感度制御を行う時間感度制御手段と、
信号レベルを補正した信号の所定時間ごとの差分を計算して、前記対象物の移動を検出する差分計算手段と、
を有する広帯域レーダ装置。 - 前記受信クロック生成手段は、前記対象物までの距離に応じて受信クロック信号の周期を変更する請求項1記載の広帯域レーダ装置。
- 前記送信クロック生成手段と前記受信クロック生成手段とは、1つの基準クロックに基づいて送信クロック信号と受信クロック信号とをそれぞれ生成する請求項1又は2記載の広帯域レーダ装置。
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