JP5493337B2 - ピラゾールジスアゾ系色素および該色素を含むインク - Google Patents

ピラゾールジスアゾ系色素および該色素を含むインク Download PDF

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Description

本発明は、ディスプレイ材料、光記録媒体等に有用なピラゾールジスアゾ系色素および該色素を含むインクに関する。
近年、ディスプレイ材料、光記録媒体等に有機色素が数多く用いられている。色素を塗布プロセスやインクジェットプロセスに使用する場合、着色効率を上げるため、高いモル吸光係数に加え、溶媒への高い溶解性が求められる。また、基板上に水性媒体と油性着色インクの2相で満たされた複数のピクセルを配し、各ピクセルごとに電圧印加のon−offによって水性媒体/油性着色インク界面の親和性を制御し、油性着色インクを基板上に展開/凝集させることによって行う画像表示方式であるエレクトロウェッテングディスプレイ (Nature (London), 425, 383 (2003)) に用いられる色素には、炭化水素系溶媒への高い溶解性が求められる。
記録材料の1種として、感熱転写記録材料が知られており、該材料に用いられ、色濃度が高く、耐光性に優れた黄色〜橙色の色素として、特開平8−108634号公報には、下記化合物をはじめとする各種ピラゾールジスアゾ系色素化合物が記載されている。
Figure 0005493337
特開平8−108634号公報
しかしながら、本発明者等の検討によれば、特許文献1に具体的に記載された色素は、非極性溶媒への溶解性、特に炭化水素系溶媒への溶解性の点で更なる改善が必要であることが判明した。
本発明は、非極性溶媒、特に炭化水素系溶媒への溶解性に優れ、高い吸光係数を有する
黄色系色素を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ピラゾール骨格にC〜C10のアルキル基及びC〜C10のアルキル基を有するピラゾールジスアゾ系色素が、高い吸光係数を有し、しかも炭化水素系溶媒などの非極性有機溶媒への溶解性に優れることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
[1] 25℃、常圧におけるn−デカン溶解度が1重量%以上であり、下記一般式(I)で示されることを特徴とするピラゾールジスアゾ系色素。
Figure 0005493337
(式中、RはC〜C10のアルキル基を示し、RはC〜C 分岐アルキル基を示し、六員環Aは 〜C 10 のアルキル基を有していても良いフェニル基を示し、六員環Bは1,4−フェニレン基を示
前記R が、C 〜C のアルキル基を示す、請求項1に記載のピラゾールジスアゾ系色素。
前記六員環Aが、C 〜C のアルキル基を有していても良いフェニル基を示す、請求項1又は2に記載のピラゾールジスアゾ系色素。
前記六員環Aが、直鎖のアルキル基を有していても良いフェニル基を示す、請求項1〜3の何れか1項に記載のピラゾールジスアゾ系色素。
前記六員環Aが、4位の位置にアルキル基を有していてもよいフェニル基を示す、請求項1〜4の何れか1項に記載のピラゾールジスアゾ系色素。
] 350〜800nmにおけるn−デカン溶液での吸収極大波長におけるモル吸光係数(Lmol−1cm−1)と、同溶媒での25℃常圧下における飽和溶液の濃度(molL−1)の積が2000(cm−1)以上である[1]〜[5]の何れかに記載のピラゾールジスアゾ系色素。
] [1]〜[]のいずれかに記載のピラゾールジスアゾ系色素を含むインク。
本発明のピラゾールジスアゾ系色素は、高い吸光係数と溶媒への高い溶解性を併せ持つため、感熱転写記録用色素あるいはディスプレイ等、中でもエレクトロウェッティングディスプレイに用いられる色素として有用である。
以下本発明について詳細に説明する。
I.本発明のピラゾールジスアゾ系色素について
本発明に係るピラゾールジスアゾ系色素は、脂肪族炭化水素系溶媒などの非極性有機溶媒に対する溶解度が高く、25℃常圧下におけるn−デカン溶解度が1重量%以上である。
本発明のピラゾールジスアゾ系色素の有する構造について以下に説明する。
I−1.2つのアゾ結合を連結する連結基について
本発明のピラゾールジスアゾ系色素としては、ピラゾールモノアゾ基(中でも4−ピラゾールモノアゾ基)に、連結基を介してアゾ基(第2のアゾ基)が更に結合したピラゾールジスアゾ構造を有するものが用いられる。また、当該ピラゾールジスアゾの構造において、第2のアゾ基の連結基と結合していない他方の末端には更に脂肪族炭化水素系溶媒に対する溶解度を低下させない置換基が結合した構造が好ましい。
連結基としては、脂肪族炭化水素系溶媒に対する溶解度を低下させない連結基であればよく、具体例としては置換基を有してもよい2価の低極性芳香族基が挙げられる。
ここで2価の低極性芳香族基としては、
フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アズレニレン基、アントラセニレン基、テルフェニレン基、ピレニレン基、などの炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基;
5員環単環としてフラン環、チオフェン環、ピロール環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、6員環単環としてピリジン環、ピラジン環、多環としてテルチオフェン環、縮合環としてフェナンスレン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、ベンゾフラン環、カルバゾール環、ジベンゾチオフェン環、等の骨格構造を有する炭素数2〜20の2価の芳香族複素環基などが挙げられる。
なお、上記の2価の低極性芳香族基は更に置換基を有していてもよい。又、上記の2価の低極性芳香族基が有する置換基は、1ケでも複数でもよく、複数の場合、同一でも異な
ってもよい。上記の低極性芳香族基が有していてもよい置換基としては、
炭化水素系溶媒などの非極性有機溶媒への溶解性の観点から、非極性置換基が好ましく、C〜C10のアルキル基、C〜C10のアルコキシ基、C〜C10のハロアルキル基、C〜C10のハロアルコキシ基等が挙げられ、中でも、C〜C10のアルキル基及び/又はC〜C10のアルコキシ基が好ましい。
〜C10のアルキル基としては、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖のアルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソオクチル基等の分岐鎖アルキル基;
シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基等のシクロアルカン構造を有するアルキル基等が挙げられる。
〜C10のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基等の直鎖のアルコキシ基;イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、イソオクチルオキシ基等の分岐鎖アルコキ シ基;
シクロプロポキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロ
プロピルメチルオキシ基等のシクロアルカン構造を有するアルコキシ基等が挙げられる。
ハロアルキル基及びハロアルコキシ基としては、上記のアルキル基及びアルコキシ基が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子で置換された基であり、具体的には、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ノナフルオロブチル基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(C〜C10のアルキル基とC〜C10のアルコキシ基では、より非極性のC〜C10のアルキル基が好ましい。また原料入手の容易さ、溶解性の観点から、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のC〜Cのアルキル基であるのが好ましく、該アルキル基が直鎖アルキル基であるのが更に好ましい。)
なお、2つのアゾ結合を連結する連結基としては、上述の連結基の中でも、置換基を有
してもよいC−C20中でもC−C10の芳香族炭化水素基などが好ましく、更に、置換基を有してもよいフェニレン基および置換基を有していてもよいナフチレン基が好ましく、特に置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基が好ましい。
また、溶解性の観点から、C〜C10のアルキル基及び/又はC〜C10のアルコキシ基で置換された1,4−フェニレン基がより好ましく、メチル基、エチル基等のC〜Cアルキル基及び/又はメトキシ基、エトキシ基等のC〜Cアルコキシ基で置換された1,4−フェニレン基であるのが特に好ましい。又、1,4−フェニレン基が有する置換基は、1個でも複数でも良く、複数の場合、同一でも異なっても良いが、原料入手
の容易さからは、無置換が特に好ましい。
I−2.ピラゾール環の有する置換基について
本発明のピラゾールジスアゾ系色素の有するピラゾール環は、脂肪族炭化水素系溶媒に対する溶解度を低下させないものである限り任意の置換基を有していてもよい。合成上の観点から、アゾ結合はピラゾール環の4位で結合していることが好ましく、ピラゾール環の5位の置換基は置換基を有してもよい水酸基または置換基を有してもよいアミノ基であることが好ましい。ピラゾール環の1位および3位の置換基は、炭化水素系の置換基が好ましく、具体例としては置換基を有してもよいC1−C20のアルキル基、置換基を有してもよいC2−C20の(ヘテロ)アリール基、置換基を有してもよいC1−C20のアルコキシ基等が挙げられる。
なお、本発明において、(ヘテロ)アリール基とは、アリール基およびヘテロアリール基のことを言う。
炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基としては、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖のアルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル
基、イソオクチル基等の分岐鎖アルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基等のシクロアルカン構造を有するアルキル基等が挙げられる。
炭素数2〜20の(ヘテロ)アリール基としては、 フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アズレニル基、アントラセニル基、テルフェニル基、ピレニル基、などの炭素数6〜20のアリール基;
5員環単環としてフラン環、チオフェン環、ピロール環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、6員環単環としてピリジン環、ピラジン環、多環としてテルチオフェン環、縮合環としてフェナンスレン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、ベンゾフラン環、カルバゾール環、ジベンゾチオフェン環、等の骨格構造を有する炭素数2〜20の1価のヘテロアリール基などが挙げられる。
炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基等の直鎖のアルコキシ基;イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、イソオクチルオキシ基等の分岐鎖アルコキシ基;シクロプロポキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロプロピルメチルオキシ基等のシクロアルカン構造を有するアルコキシ基等が挙げられる。
ピラゾール環の5位が水酸基またはアミノ基の場合、水酸基またはアミノ基は置換基を有してもよいが、無置換が好ましい。
I−3.第2のアゾ基の連結基と結合していない他方の末端に結合する置換基について
本発明のピラゾールジスアゾ系色素のピラゾールジスアゾの構造において、第2のアゾ基の連結基と結合していない他方の末端に結合する置換基としては、脂肪族炭化水素系溶媒に対する溶解度を低下させない置換基であればよく、具体例としては置換基を有してもよい低極性芳香族基などが挙げられる。
ここで低極性芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アズレニル基、アントラセニル基、テルフェニル基、ピレニル基、などの炭素数6〜20の芳香族炭化水素基;
5員環単環としてフラン環、チオフェン環、ピロール環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、6員環単環としてピリジン環、ピラジン環、多環としてテルチオフェン環、縮合環としてフェナンスレン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、ベンゾフラン環、カルバゾール環、ジベンゾチオフェン環、等の骨格構造を有する炭素数2〜20の1価のヘテロ環芳香族基などが挙げられる。
なお、上記の低極性芳香族基は更に置換基を有していてもよい。又、上記の低極性芳香族基が有する置換基は、1個でも複数でもよく、複数の場合、同一でも異なってもよい。
上記の低極性芳香族基が有していてもよい置換基としては、
炭化水素系溶媒などの非極性有機溶媒への溶解性の観点から、非極性置換基が好ましく、C〜C10のアルキル基、C〜C10のアルコキシ基、C〜C10のハロアルキル基、C〜C10のハロアルコキシ基等が挙げられ、中でも、C〜C10のアルキル基及び/又はC〜C10のアルコキシ基が好ましい。
〜C10のアルキル基としては、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖のアルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソオクチル基等の分岐鎖アルキル基;
シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基等のシクロアルカン構造を有するアルキル基等が挙げられる。
〜C10のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基等の直鎖のアルコキシ基;イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、イソオクチルオキシ基等の分岐鎖アルコキ シ基;シクロプロポキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロプロピルメチルオキシ基等のシクロアルカン構造を有するアルコキシ基等が挙げられる。
ハロアルキル基及びハロアルコキシ基としては、上記のアルキル基及びアルコキシ基が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子で置換された基であり、具体的には、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ノナフルオロブチル基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
〜C10のアルキル基とC〜C10のアルコキシ基では、より非極性のC〜C10のアルキル基が好ましい。また原料入手の容易さ、溶解性の観点から、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のC〜Cのアルキル基であるのが好ましく、該アルキル基が直鎖アルキル基であるのが更に好ましい。
なお、第2のアゾ結合の連結基と結合していない他方の末端に結合する置換基としては、上述の置換基の中でも、置換基を有してもよいC6−C20、中でもC6−C10のの芳香族炭化水素基などが好ましく、特に、置換基を有してもよいフェニル基および置換基を有していてもよいナフチル基が好ましく、特に置換基を有していてもよいフェニル基が好ましい。
また、溶解性の観点から、2つのアゾ結合を連結する置換基は、C〜C10のアルキル基で置換されたフェニル基がより好ましく、C〜Cの直鎖アルキル基で置換されたフェニル基であるのが特に好ましい。又、フェニル基が有する置換基は、1ケでも複数で
も良く、複数の場合、同一でも異なっても良い。又、フェニル基が有する置換基の置換位置は特に限定されないが、アゾ結合に対して、パラ位であるのが好ましい。
I−4.一般式(I)で示されるピラゾールジスアゾ系色素について
本発明に係るピラゾールジスアゾ系色素の好ましいものは、下記一般式(I)で示される。以下、一般式(I)の各構成要素について詳細に説明する。
Figure 0005493337
(式中、RはC〜C10のアルキル基を示し、RはC〜C10のアルキル基を示し、六員環Aは置換基を有していても良いフェニル基を示し、六員環Bは置換基を有していても良いフェニレン基を示す。)
I−4−1.Rについて
上記一般式(I)において、RはC〜C10のアルキル基を示す。RをC〜C10のアルキル基とすることにより、非極性溶媒への高い溶解性および高いグラム吸光係数を示すことなり、又、合成が容易であるとの利点を有する。
が水素原子や、アルキル基の炭素数が小さすぎる場合には、非極性溶媒への溶解性が低下するという問題が生じる。一方、アルキル基の炭素数が大きすぎる場合には、グラム吸光係数が低下する、或いは原料の入手が困難になるという問題が生じる。
またアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシアルキル基のように、酸素原子や窒素原子を含有する基の場合は、非極性溶媒への溶解性が低下するという問題が生じる傾向がある。
の具体例としては、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖のアルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソオクチル基等の分岐鎖アルキル基、 シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基等のシクロアルカン構造を有するアルキル基等が挙げられる。Rとしてはエチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基のC〜Cの直鎖のアルキル基が特に好ましい。
I−4−2.Rについて
はC〜C10のアルキル基を示す。RをC〜C10のアルキル基とすることにより、非極性溶媒への高い溶解性および高いグラム吸光係数を有することとなり、又、合成が容易であるとの利点を有する。
が水素原子や、アルキル基の炭素数が小さすぎる場合には、非極性溶媒への溶解性が低下するという問題が生じる。一方、アルキル基の炭素数が大きすぎる場合には、グラム吸光係数が低下する、或いは原料の入手が困難になるという問題が生じる傾向がある。
またRがフェニル基などのアリール基である場合には、非極性溶媒、特に脂肪族系の非極性有機溶媒への溶解性が低下するという問題が生じる傾向がある。
の具体例としては、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖のアルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソオクチル基等の分岐鎖アルキル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基等のシクロアルカン構造を有するアルキル基等が挙げられる。
は、高いグラム吸光係数、および原料の入手の容易さの点からC〜Cが好ましい。また非極性溶媒への溶解性の点から分岐鎖アルキル基が好ましく、Rとしてはtert-ブチル基が最も好ましい。
I−4−3.六員環Aについて
六員環Aは、置換基を有していても良いフェニル基を示す。
六員環Aが有していても良い置換基としては、炭化水素系溶媒などの非極性有機溶媒への溶解性の観点から、非極性置換基が好ましく、C〜C10のアルキル基、C〜C10のアルコキシ基、C〜C10のハロアルキル基、C〜C10のハロアルコキシ基等が挙げられ、中でも、C〜C10のアルキル基及び/又はC〜C10のアルコキシ基が好ましい。
〜C10のアルキル基としては、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖のアルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソオクチル基等の分岐鎖アルキル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基等のシクロアルカン構造を有するアルキル基等が挙げられる。
〜C10のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基等の直鎖のアルコキシ基;イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、イソオクチルオキシ基等の分岐鎖アルコキ シ基;シクロプロポキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロプロピルメチルオキシ基等のシクロアルカン構造を有するアルコキシ基等が挙げられる。
ハロアルキル基及びハロアルコキシ基としては、上記のアルキル基及びアルコキシ基が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子で置換された基であり、具体的には、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ノナフルオロブチル基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
〜C10のアルキル基とC〜C10のアルコキシ基では、より非極性のC〜C10のアルキル基が好ましい。また原料入手の容易さ、溶解性の観点から、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のC〜Cのアルキル基であるのが好ましく、該アルキル基が直鎖アルキル基であるのが更に好ましい。
尚、溶解性の観点から、六員環Aは、C〜C10のアルキル基で置換されたフェニル基がより好ましく、C〜Cの直鎖アルキル基であるのが特に好ましい。又、六員環Aが置換基を有する場合、その置換基は、1ケでも複数でも良く、複数の場合、同一でも異 なっても良い。又、六員環Aの置換基の置換位置は特に限定されないが、アゾ結合に対して、パラ位であるのが好ましい。
I−4−4.六員環Bについて
六員環Bは、置換基を有していても良い1,4−フェニレン基を示す。六員環Bが有していても良い置換基としては、六員環Aの置換基として列記のものと同様の基が挙げられ
、中でもC〜C10のアルキル基及び/又はC〜C10のアルコキシ基が好ましく、特に好ましい置換基としては、例えばメチル基、エチル基等のC〜Cアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のC〜Cアルコキシ基が挙げられる。
なお、六員環Bの置換基は、1ケでも複数でも良く、複数の場合、同一でも異なっても 良いが、六員環Bは原料入手の容易さからは、無置換が特に好ましい。
I−4−5.前記一般式(I)で表される色素化合物の具体例
以下に、前記一般式(I)で表される色素化合物の具体例を示すが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらに限定されるものではない。
Figure 0005493337
本発明の色素は既知の方法、例えば前述の特許文献1(特開平8−108634号公報)に記載の方法に準じて合成することができる。
I−4−6.本発明のピラゾールジスアゾ系色素の特徴
1)分子量
以上に説明した本発明のピラゾールジスアゾ系色素は、グラム吸光係数の点から、置換基を有する場合は置換基も含めて、通常分子量2000以下、好ましくは1000以下である。
2)溶解度
本発明のピラゾールジスアゾ系色素は、非極性溶媒への溶解性、特に炭化水素系溶媒への溶解性に優れ、n−デカンに対する溶解度が通常1重量%以上、好ましくは3重量%以上、更に好ましくは5重量%以上である。溶解度は高ければ高いほど好ましいが、、通常は80重量%以下程度である。
なお、本発明のピラゾールジスアゾ系色素は、エレクトロウェッティングディスプレイに用いる場合、その原理からいって水不溶性であることが望ましい。ここで「水不溶性」とは、25℃、1気圧の条件下における水に対する溶解度が、通常0.1重量%以下、好ましくは0.01重量%以下であることを言う。
3)吸収極大波長
本発明のピラゾールジスアゾ系色素は黄色系の色調を呈するものであり、非極性溶媒に溶解した場合に、350〜800nm波長域において通常吸収極大波長350〜500nm、好ましくは380〜480nmを示すものである。更に、350〜500nm以外の波長域には吸収極大を有さないことが好ましい。
4)εC
本発明のピラゾールジスアゾ系色素のうち、溶解度の特に高いものは、n−デカンでの吸収極大波長におけるモル吸光係数ε(Lmol−1cm−1)と、同溶媒での飽和溶液の濃度C(molL−1)の積εCが2000(cm−1)以上である。なお、εC値は高いほど好ましく、上限は特にないが、通常40000(cm−1)以下程度である。
I−5.本発明のインクについて
本発明のインクは、上述した本発明のピラゾールジスアゾ系色素の1種以上を含む。
本発明のインクは本発明のピラゾールジスアゾ系色素の1種のみを含んでいても、2種以上を含んでいてもよく、その比率も任意である。
また、本発明のインクは、本発明のピラゾールジスアゾ系色素のみからなっていてもよく、所望の色調とするために他の色素を含んでいてもよい。例えば、本発明のピラゾールジスアゾ系色素に赤色、青色の色素を混合して黒色とすることも出来る。
さらに、本発明のピラゾールジスアゾ系色素、および、必要に応じて用いるその他の色素を、I−5−2.に挙げる脂肪族炭化水素系溶媒などの非極性溶媒に溶解することにより、エレクトロウェッティングディスプレイ用のインクとすることが出来る。また、任意の結着剤と共に溶剤に溶解または分散させることにより、感熱転写用熱転写シートの色材層形成に用いるインクとすることも出来る。結着剤の具体例についてはI−5−3.、溶剤の具体例についてはI−5−3.に説明する。
本発明のインク中における本発明の色素の濃度については、その目的に応じて任意の濃度で調製される。エレクトロウェッティングディスプレイ用の黄色色素として用いる場合、通常0.2重量%以上の濃度で、必要とされるεC値に応じて非極性溶媒に希釈して用いられる。感熱転写用色素として用いる場合には、溶剤に対して通常1〜20重量%の範囲で用いられる。
I−5−1.本発明のインクが含んでいてもよい他の色素について
本発明のインクが含んでいてもよい他の色素としては、使用する媒体に対して溶解性・分散性を有する色素の中から、本発明の色素の効果を損なわない範囲で、任意に選択する
ことが可能である。
例えば、本発明のインクをエレクトロウェッティングディスプレイ用に用いる場合、本発明のインクが含んでいてもよい他の色素としては、脂肪族炭化水素系溶媒などの非極性溶媒に溶解するものの中から任意の色素を用いることが出来る。具体例としては、
oil Blue N(アルキルアミン置換アントラキノン)、Solvent Green、Sudan Red、Sudan Blackなどが挙げられる。
また、本発明のインクを、感熱転写用熱転写シートの色材層形成に用いる場合、本発明のインクが含んでいてもよい他の色素としては、公知の種々の感熱転写用色素を用いることが可能である。例えば、特開2003−205686において、イエロー、マゼンタ、及びシアンの色材層に含まれる色素として開示されているものなどが挙げられる。
I−5−2.非極性溶媒
上記色素を溶解させる非極性溶媒としては、例えば、n−デカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、パラフィムル等の脂肪族炭化水素系溶媒が挙げられる。
I−5−3.結着剤
一般に感熱転写用熱転写シートの色材層形成用インクに用いられる公知の結着剤であれば、任意のものを用いることができる。例えば、特開平8−108634などに記載の結着剤が挙げられる。具体的には、セルロース系、アクリル酸系、澱粉系、エポキシ系などの水溶性樹脂及びアクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニルブチラール、エチルセルロース、アセチルセルロース、ポリエステル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)樹脂、フェノキシ樹脂などの有機溶剤に可溶性の樹脂が挙げられる。尚、結着剤と色素の混合比(重量)は、1:2〜2:1の範囲が適当である。
I−5−4.溶剤
一般に感熱転写用熱転写シートの色材層形成用インク調製のための媒体として用いられる溶剤であれば、任意のものを用いることができる。例えば、特開平8−108634などに記載の溶剤が挙げられる。具体的には、水及びメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコールなどのアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのセロソルブ類、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレンなどの塩素系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどの有機溶剤をあげることができ、これらを単独あるいは併用する。
I−5−3.その他の成分
その他、本発明のインクは、必要に応じて任意の添加剤を含んでいても良い。
例えば、本発明のインクが、感熱転写用熱転写シートの色材層形成用である場合、上記のインク中には上記の成分の他に必要に応じて有機、無機の非昇華性微粒子、分散剤、帯電防止剤、消泡剤、酸化防止剤、粘度調製剤などを添加することができる。
添加剤の含有量に特に制限はないが、通常インク総量に対して20重量%以下程度で用いられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限りこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
[色素の合成]
Figure 0005493337
28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液 (60.8 g, 315 mmol) に窒素気流下にtert-ブチルヒドラジン塩酸塩(B) (39.3 g, 315 mmol) を室温で加え、室温で30分間攪拌した。沈殿を吸引濾過で除き、エタノール (20 ml) で洗い込んだ。濾液にtert-ブチルヒドラジン溶液を得た。別容器に3−オキソヘプタン酸メチル(A)(49.9 g, 315 mmol) を取り、内部温度を40度に保ちつつtert-ブチルヒドラジン溶液を滴下した。内部温度60℃、バス温度70℃で2時間攪拌後、減圧濃縮した。ジエチルエーテル (200 ml) を加え、氷冷下に攪拌し、沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄して、一番晶 (18.7 g) を得た。母液を濃縮し、得られた沈殿をヘキサン (200 ml) で洗浄して、二番晶 (19.8 g) を得た。一番晶と二番晶を合わせて化合物(C) 38.5 g (収率62%) を得た。
Figure 0005493337
化合物(D) (2.37 g, 12.0 mmol) 、水 (30 ml)、濃塩酸 (4.6 ml)の混合物を氷浴で冷却し、亜硝酸ナトリウム (870 mg, 12.6 mmol) の水 (少量) 溶液を加えた後、氷冷下
に2.5時間攪拌した。アミド硫酸(233 mg, 2.4 mmol)を加えジアゾ溶液を得た。別の容器
に、化合物C (2.36 g, 12.0 mmol) 、炭酸ナトリウム (954 mg, 9.0 mmol)、1N水酸化ナトリウム水溶液(10 ml)を入れ、pH11に調整し、氷冷した。上記ジアゾ液を、pH11-12(2w%水酸化ナトリウム水溶液の同時滴下)に保ちつつ滴下した。室温にした後沈殿を濾取し、
水で 洗浄した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:ヘキサン=5:1)で精製 し、得られた固体をメタノールと水の混合溶媒で洗浄して、化合物(1−1)(2.16
g, 収率 44%) を得た。
得られた化合物(1−1)を、下記の手順に従ってn−デカンに溶解し、n−デカン溶液の色、n−デカン溶液の吸収極大波長、n−デカン溶液の吸収極大波長におけるグラム吸光係数、n−デカンへの溶解度(重量%)、n−デカン溶液での吸収極大波長における
モル吸光係数とn−デカン飽和溶液のモル濃度の積を評価した。結果を表−1に示す。
[色素の評価]
n−デカンに色素を添加し、30℃常圧で超音波処理した。完全に溶解した場合は色素を追加し、溶け残りが生じるようにした。室温(25℃)で12時間放置後、0.1ミクロンのフィルターを用いて遠心濾過して色素の飽和溶液を得た。このものを適当な濃度に希釈し、吸収スペクトルを測定した。
あらかじめ適当な濃度で測定した350〜800nm波長域における吸収極大波長、グラム吸光係数、モル吸光係数の値と、上記希釈率および希釈溶液の吸収スペクトルとから、溶解度(重量%)および吸収極大波長におけるモル吸光係数と飽和溶液のモル濃度の積を計算した。
[実施例2]
Figure 0005493337
化合物(E)は文献(Liquid Crystals,1996,21,669)に記載の方法で合成した。
化合物(E)(2.53 g, 10.0 mmol) 、N−メチル−2−ピロリドン (40 ml)、濃塩酸 (3.0 ml)の混合物を氷浴で冷却し、亜硝酸ナトリウム (725 mg, 10.5 mmol) の水(少量)溶液を加え、氷冷下に2.5時間攪拌した。アミド硫酸(233 mg, 2.0 mmol)を加えジアゾ溶 液を得た。別の容器に、化合物(C)(1.96 g, 10.0 mmol) 、炭酸ナトリウム (795 mg, 7.5 mmol)、1N水酸化ナトリウム水溶液(10 ml)を入れ、pH11に調整し、氷冷した。上記ジアゾ液を、内部温度を4-8 ℃、pH11-12(2w%水酸化ナトリウム水溶液の同時滴下)に保ちつつ滴下した。室温にした後,ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒で抽出し、シリカゲルカラム
クロマトグラフィー(トルエン:ヘキサン=1:1)で精製した。得られた固体をメタノール
と水の混合溶媒で洗浄し、化合物(1−2)(2.36 g, 収率 51%) を得た。
得られた化合物(1−2)を、下記の手順に従ってn−デカンに溶解し、n−デカン溶液の色、n−デカン溶液の吸収極大波長、n−デカン溶液の吸収極大波長におけるグラム吸光係数、n−デカンへの溶解度(重量%)、n−デカン溶液での吸収極大波長におけるモル吸光係数とn−デカン飽和溶液のモル濃度の積を評価した。結果を表−1に示す。
[実施例3]
合成例1において、原料化合物(C)のn-ブチル基がエチル基である化合物を用いた以外同様にして化合物(1−3)を合成した。
Figure 0005493337
得られた化合物(1−3)を、下記の手順に従ってn−デカンに溶解し、n−デカン溶液の色、n−デカン溶液の吸収極大波長、n−デカン溶液の吸収極大波長におけるグラム吸光係数、n−デカンへの溶解度(重量%)、n−デカン溶液での吸収極大波長におけるモル吸光係数とn−デカン飽和溶液のモル濃度の積を評価した。結果を表−1に示す。
[比較例1]
特開平8−108634号公報記載の例示化合物No.1(下記構造)を、実施例1に記載の手順に従ってn−デカンに溶解し、n−デカン溶液の色、n−デカン溶液の吸収極大波長、n−デカン溶液の吸収極大波長におけるグラム吸光係数、n−デカンへの溶解度(重量%)、n−デカン溶液での吸収極大波長におけるモル吸光係数とn−デカン飽和溶液のモル濃度の積を評価した。結果を表−1に示す。
Figure 0005493337
Figure 0005493337
表−1から、本実施例化合物1−1、1−2、1−3が比較例化合物に比べて高い溶解度を示すことは明白である。
本発明のピラゾールジスアゾ系色素は、非極性溶媒、特に炭化水素系溶媒への溶解性に
優れ、高い吸光係数を有するため、感熱転写記録用あるいはディスプレイ等の黄色系色素として有用である。

Claims (7)

  1. 25℃、常圧におけるn−デカン溶解度が1重量%以上であり、下記一般式(I)で示されることを特徴とするピラゾールジスアゾ系色素。
    Figure 0005493337
    (式中、RはC〜C10のアルキル基を示し、RはC〜C 分岐アルキル基を示し、六員環Aは 〜C 10 のアルキル基を有していても良いフェニル基を示し、六員環Bは1,4−フェニレン基を示
  2. 前記R が、C 〜C のアルキル基を示す、請求項1に記載のピラゾールジスアゾ系色素。
  3. 前記六員環Aが、C 〜C のアルキル基を有していても良いフェニル基を示す、請求項1又は2に記載のピラゾールジスアゾ系色素。
  4. 前記六員環Aが、直鎖のアルキル基を有していても良いフェニル基を示す、請求項1〜3の何れか1項に記載のピラゾールジスアゾ系色素。
  5. 前記六員環Aが、4位の位置にアルキル基を有していてもよいフェニル基を示す、請求項1〜4の何れか1項に記載のピラゾールジスアゾ系色素。
  6. 350〜800nmにおけるn−デカン溶液での吸収極大波長におけるモル吸光係数(Lmol−1cm−1)と、同溶媒での25℃常圧下における飽和溶液の濃度(molL−1)の積が2000(cm−1)以上である請求項1〜の何れか1項に記載のピラゾールジスアゾ系色素。
  7. 請求項1〜の何れか1項に記載のピラゾールジスアゾ系色素を含むインク。
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