以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
[第1実施形態]
図1により、本発明の第1実施形態における画像形成装置としてのプリンタ1における全体構造を説明する。図1は、本発明の画像形成装置の第1実施形態としてのプリンタ1の各構成要素の配置を説明するための正面図である。
図1に示すように、画像形成装置としてのプリンタ1は、装置本体Mと、所定の画像情報に基づいてシート状の被転写材としての用紙Tに所定のトナー画像を形成する画像形成部GKと、用紙Tを画像形成部GKに給紙すると共にトナー画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部KHとを有する。
装置本体Mにおける外形は、筐体としてのケース体BDにより構成される。
図1に示すように、画像形成部GKは、像担持体(感光体)としての感光体ドラム2と、帯電装置10と、露光ユニットとしてのレーザスキャナユニット4と、現像器16と、トナーカートリッジ5と、トナー供給部6と、ドラムクリーニング部11と、除電器12と、転写ローラ8と、定着部9とを備える。
図1に示すように、給排紙部KHは、給紙カセット52と、手差し給紙部64と、用紙Tの搬送路Lと、レジストローラ対80と、排紙部50とを備える。
以下、画像形成部GK及び給排紙部KHの各構成について詳細に説明する。
まず、画像形成部GKについて説明する。
画像形成部GKにおいては、感光体ドラム2の表面に沿って順に、上流側から下流側に順に、帯電装置10による帯電、レーザスキャナユニット4による露光、現像器16による現像、転写ローラ8による転写、除電器12による除電、及びドラムクリーニング部11によるクリーニングが行われる。
感光体ドラム2は、円筒形状の部材からなり、感光体又は像担持体として機能する。感光体ドラム2は、搬送路Lにおける用紙Tの搬送方向に対して直交する方向に延びる機軸を中心に、矢印の方向に回転可能に配置される。感光体ドラム2の表面には、静電潜像が形成され得る。
帯電装置10は、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。帯電装置10は、感光体ドラム2の表面を一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電させる。
帯電装置10は、第2回転軸102を中心に回転する帯電ローラ110と、帯電ローラ110の表面に接触した状態で該表面をブラッシングすることにより該表面を清掃するクリーニング装置120と、これらの帯電ローラ110及びクリーニング装置120を収容して保持する装置ケース100と、を備える。
第2回転軸102は、第1回転軸21と平行に配置される。第1回転軸21は、像担持体としての感光体ドラム2の回転中心軸(機軸)である。
帯電ローラ110は、第2回転軸102に固定されている。この帯電ローラ110は、第1回転軸21を中心に回転する感光体ドラム2の表面に接触しながら、感光体ドラム2の回転に従って従動回転し、感光体ドラム2の表面を帯電させる。
装置ケース100は、帯電ローラ110とクリーニング装置120とを収容した状態で、感光体ドラム2の所定位置に着脱可能に構成される。
クリーニング装置120の詳細については後に詳述する。
レーザスキャナユニット4は、露光ユニットとして機能するものであり、感光体ドラム2の表面から離間して配置される。レーザスキャナユニット4は、不図示のレーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータ等を有して構成される。
レーザスキャナユニット4は、PC(パーソナルコンピュータ)等の外部機器から入力された画像情報に基づいて、感光体ドラム2の表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4により走査露光されることで、感光体ドラム2の表面の露光された部分の電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2の表面に静電潜像が形成される。
現像器16は、感光体ドラム2に対応して設けられ、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。現像器16は、感光体ドラム2に形成された静電潜像に単色(通常はブラック)のトナーを付着させて、単色のトナー画像を感光体ドラム2の表面に形成する。現像器16は、感光体ドラム2の表面に対向配置された現像ローラ17、トナー攪拌用の攪拌ローラ18等を有して構成される。
トナーカートリッジ5は、現像器16に対応して設けられており、現像器16に対して供給されるトナーを収容する。
トナー供給部6は、トナーカートリッジ5及び現像器16に対応して設けられており、トナーカートリッジ5に収容されたトナーを現像器16に対して供給する。トナー供給部6と現像器16とは、不図示のトナー供給路により結ばれている。
転写ローラ8は、感光体ドラム2の表面に現像されたトナー画像を用紙Tに転写させる。転写ローラ8には、不図示の転写バイアス印加部により、感光体ドラム2に形成されたトナー画像を用紙Tに転写させるための転写バイアスが印加される。
転写ローラ8は、感光体ドラム2に対して当接したり離間したりする。具体的には、転写ローラ8は、感光体ドラム2に当接される当接位置と、感光体ドラム2から離間する離間位置とに移動可能に構成される。詳細には、転写ローラ8は、感光体ドラム2に現像されたトナー画像を用紙Tに転写させる場合には当接位置に配置され、他の場合には離間位置に配置される。
感光体ドラム2と転写ローラ8との間で、搬送路Lを搬送される用紙Tが挟み込まれる。挟み込まれた用紙Tは、感光体ドラム2の表面に押し当てられる。感光体ドラム2と転写ローラ8との間で、転写ニップNが形成される。転写ニップNにおいて、感光体ドラム2に現像されたトナー画像が用紙Tに転写される。
除電器12は、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。除電器12は、感光体ドラム2の表面に光を照射することにより、転写が行われた後の感光体ドラム2の表面を除電する(電荷を除去する)。
ドラムクリーニング部11は、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。ドラムクリーニング部11は、感光体ドラム2の表面に残存したトナーや付着物を除去すると共に、除去されたトナー等を所定の回収機構へ搬送して、回収させる。
定着部9は、用紙Tに転写されたトナー画像を構成するトナーを溶融及び加圧して、用紙Tに定着させる。定着部9は、ヒータにより加熱される加熱回転体9aと、加熱回転体9aに圧接される加圧回転体9bと、を備える。加熱回転体9aと加圧回転体9bとは、トナー画像が転写された用紙Tを挟み込んで加圧すると共に、搬送する。加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間に挟み込まれた状態で用紙Tが搬送されることで、用紙Tに転写されたトナーは、溶融及び加圧され、用紙Tに定着される。
次に、給排紙部KHについて説明する。
図1に示すように、装置本体Mの下部には、用紙Tを収容する1個の給紙カセット52が配置される。給紙カセット52は、装置本体Mの右側(図1における右側)から水平方向に引き出し可能に構成される。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置される。給紙カセット52には、用紙Tが載置板60の上に積層された状態で収容される。載置板60に載置された用紙Tは、給紙カセット52における用紙送り出し側の端部(図1において右側の端部)に配置されるカセット給紙部51により搬送路Lに送り出される。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路Lに送り出すための給紙ローラ対63とからなる重送防止機構を備える。
装置本体Mの右側(図1において右側)には、手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、給紙カセット52にセットされる用紙Tとは異なる大きさや種類の用紙Tを装置本体Mに供給することを主目的として設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において装置本体Mの前面の一部を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、その下端が給紙コロ66の近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。開状態の手差しトレイ65には、用紙Tが載置される。給紙コロ66は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを手差し搬送路Laに給紙する。
装置本体Mにおける上方側には、排紙部50が設けられる。排紙部50は、第3ローラ対53により用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。排紙部50の詳細については後述する。
用紙Tを搬送する搬送路Lは、カセット給紙部51から転写ニップNまでの第1搬送路L1と、転写ニップNから定着部9までの第2搬送路L2と、定着部9から排紙部50までの第3搬送路L3と、手差し給紙部64から供給される用紙を第1搬送路L1に合流させる手差し搬送路Laと、第3搬送路L3を下流側から上流側へ搬送する用紙を、表裏反転させて第1搬送路L1に戻す戻り搬送路Lbとを備える。
また、第1搬送路L1の途中には、第1合流部P1及び第2合流部P2が設けられている。第3搬送路L3の途中には、第1分岐部Q1が設けられている。
第1合流部P1は、手差し搬送路Laが第1搬送路L1に合流する合流部である。第2合流部P2は、戻り搬送路Lbが第1搬送路L1に合流する合流部である。
第1分岐部Q1は、戻り搬送路Lbが第3搬送路L3から分岐する分岐部で、第1ローラ対54a及び第2ローラ対54bを有する。第1ローラ対54aの一方のローラと第2ローラ対54bの一方のローラとは兼用される。
第1搬送路L1の途中(詳細には、第2合流部P2と転写ローラ8との間)には、用紙Tを検出するためのセンサと、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正や画像形成部GKにおけるトナー画像の形成とタイミングを合わせるためのレジストローラ対80とが配置される。センサは、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラ対80の直前(搬送方向における上流側)に配置される。レジストローラ対80は、センサからの検出信号情報に基づいて上述の補正やタイミング調整をして用紙Tを搬送する。
戻し搬送路Lbは、用紙Tに両面印刷を行う際に、既に印刷されている面とは反対面(非印刷面)を感光体ドラム2に対向させるために設けられる搬送路である。
戻し搬送路Lbによれば、第1分岐部Q1から第1ローラ対54aにより排紙部50側に搬送された用紙Tを表裏反転させて第2ローラ対54bにより第1搬送路L1に戻して、転写ローラ8の上流側に配置されたレジストローラ対80の上流側に搬送させることができる。戻し搬送路Lbにより表裏反転された用紙Tには、転写ニップNにおいて非印刷面に対して所定のトナー画像が転写される。
第3搬送路L3における端部には、排紙部50が形成される。排紙部50は、装置本体Mにおける上方側に配置される。排紙部50は、装置本体Mの右側(図1において右側、手差し給紙部64側)に向けて開口している。排紙部50は、第3搬送路L3を搬送される用紙Tを第3ローラ対53により装置本体Mの外部に排紙する。
排紙部50における開口側には、排紙集積部M1が形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面(外面)に形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面が下方に窪んで形成された部分である。排紙集積部M1の底面は、装置本体Mにおける上面の一部を構成する。排紙集積部M1には、所定のトナー画像が形成され排紙部50から排紙された用紙Tが積層して集積される。
なお、各搬送路の所定位置には用紙検出用のセンサが配置される。
以上に説明した画像形成装置としてのプリンタ1の装置構成について簡単にまとめると、プリンタ1は、感光体ドラム2の表面を帯電させる帯電ローラ110と、帯電ローラ110の表面をブラッシングすることにより該表面を清掃するクリーニング装置120と、帯電ローラ110により表面が帯電されると共に帯電された表面に静電潜像が形成される感光体ドラム2と、帯電ローラ110により帯電された感光体ドラム2の表面に形成される静電潜像にトナーを付着させて感光体ドラム2の表面にトナー画像を形成する現像器16と、感光体ドラム2の表面に形成されたトナー画像を直接的に又は間接的に用紙Tに転写する転写ローラ8と、用紙Tに転写されたトナー画像を構成するトナーを用紙Tに定着させる定着部9と、を備えている。
以下、図2から図14を参照して、第1実施形態のプリンタ1における特徴部分であるクリーニング装置120に係る構成について詳細に説明する。
図2は、本発明の第1実施形態のクリーニング装置120を装置ケース100内に有する帯電装置10が、感光体ドラム2の周囲に組み付けられている状態の斜視図である。図3は、第1実施形態のクリーニング装置120におけるクリーニングブラシ122と、帯電ローラ110と、感光体ドラム2との配置を概略的に示す斜視図である。図4は、クリーニング装置120を帯電ローラ110の軸方向及び径方向に往復移動させるブラシ移動機構124の配置を示す斜視図である。
図5は、帯電ローラ110の一端側に配置されるブラシ移動機構124の第1機構125が、クリーニングブラシ122を第2軸方向X2に最大限に寄せている状態の第1機構125の拡大斜視図である。図6は、図5に示した第1機構125の正面図である。図7は、クリーニングブラシ122が図5及び図6に示した第1機構125の動作状態によって第2軸方向X2に最大限に寄せられている状態を示す概略正面図である。
図8は、第1機構125の傾斜カム130が図5に示した状態から更に矢印方向に約90度回転して、クリーニングブラシ122を帯電ローラ110の軸方向の略中間位置に移動させた状態の第1機構125の拡大斜視図である。図9は、図8に示した第1機構125の正面図である。図10は、クリーニングブラシ122が図8及び図9に示した第1機構125の動作状態によって帯電ローラ110の軸方向の略中間位置に移動した状態を示す概略正面図である。
図11は、第1機構125の傾斜カム130が図8に示した状態から更に矢印方向に約90度回転して、クリーニングブラシ122を第1軸方向X1に最大限に寄せている状態の第1機構125の拡大斜視図である。図12は、図11に示した第1機構125の正面図である。図13は、クリーニングブラシ122が図11及び図12に示した第1機構125の動作状態によって第1軸方向X1に最大限に寄せられている状態を示す概略正面図である。
図14は、クリーニングブラシ122と帯電ローラ110との接触状態がブラシ移動機構124によるクリーニングブラシ122の往復移動動作によって変化する態様を示したものである。(A)は、クリーニングブラシ122が第2軸方向X2に移動しているときの帯電ローラ110への接触状態を示す拡大正面図であり、(B)は、クリーニングブラシ122が第1軸方向X1に移動しているときの帯電ローラ110への接触状態を示す拡大正面図であり、(C)は、クリーニングブラシ122が第1軸方向X1に最大限に移動して帯電ローラ110から径方向に離間した状態を示す拡大正面図である。
第1実施形態のクリーニング装置120は、感光体ドラム2の表面を帯電する帯電ローラ110の表面に接触した状態で該表面をブラッシングすることにより、該表面を清掃する。
クリーニング装置120は、図2に示す帯電装置10の装置ケース100内に装備される。このクリーニング装置120は、図3及び図4に示すように、クリーニングブラシ122と、ブラシ移動機構124とを備える。
クリーニングブラシ122は、図3及び図6に示すように、帯電ローラ110の外周に沿って第2回転軸102と平行に配置されるフレーム122aに、帯電ローラ110の表面に接触させるブラシ毛122bを植設した構造である。ブラシ毛122bの先端側は、帯電ローラ110の表面に接触するローラ接触面122cとして機能する。言い換えると、クリーニングブラシ122は、帯電ローラ110の表面に接触するローラ接触面122cを有している。
ブラシ移動機構124は、図4に示すように、第1機構125と、第2機構126と、を備えている。第1機構125は、帯電ローラ110の回転軸である第2回転軸102の一端側(図4では右端側)に配置されて、クリーニングブラシ122の一端側を支持している。第2機構126は、第1機構125の配置位置とは逆側となる第2回転軸102の他端側に配置されて、クリーニングブラシ122の他端側を支持している。
第1機構125及び第2機構126から構成されるブラシ移動機構124は、クリーニングブラシ122を、帯電ローラ110の回転軸方向に沿う第1軸方向X1及び第2軸方向X2に往復移動させる。第1軸方向X1は、図3及び図4に矢印X1で示す方向であり、第2機構126から第1機構125に向かう方向である。第2軸方向X2は、図3及び図4に矢印X2で示す方向であり、第1機構125から第2機構126に向かう方向(第1軸方向X1とは反対方向)である。
更に、ブラシ移動機構124は、上記の第1軸方向X1及び第2軸方向X2の往復移動に連動して、ローラ接触面122cを帯電ローラ110の表面に対して接触又は離間可能に、クリーニングブラシ122を帯電ローラ110の径方向に往復移動させる。
第1実施形態におけるブラシ移動機構124における第1機構125は、図5及び図6に示すように、傾斜カム130と、移動部材140と、を有する。
傾斜カム130は、帯電ローラ110の回転軸方向と直交する直交面VP(図6参照)に対して角度θだけ傾斜した傾斜カム面131と、帯電ローラ110の周方向に沿う外周カム面132と、を有している。
傾斜カム130は、外周カム面132となる外周面が真円形で、板厚が直径の一端側から他端側に向かって所定の傾斜で変化する板状カムである。また、傾斜カム130は、図5及び図6に示すように、カム支持軸103に固定されている。カム支持軸103は、帯電ローラ110の中心軸である第2回転軸102と平行に、第2回転軸102の一端側の外側に回転自在に配置される。また、このカム支持軸103には、図6に示すように、回転力を受ける第2歯車104が固定されている。この第2歯車104は、第1回転軸21に固定された第1歯車24に噛合している。従って、傾斜カム130は、第1回転軸21の回転に連動して、カム支持軸103と一体的に回転駆動される。
また、第1実施形態においては、傾斜カム130はいわゆる偏心カムである。傾斜カム130の傾斜カム面131及び外周カム面132は、帯電ローラ110の回転軸方向に視た場合に、傾斜カム130の回転軸であるカム支持軸103に対して偏心している。
更に詳しく説明すると、傾斜カム130は、図5から図7に示すように、肉厚が最薄となる外周と肉厚が最大となる外周とを結ぶ直径上で、薄肉側に偏った位置が回転中心C1(図7参照)となるように偏心するように、カム支持軸103に支持されている。
移動部材140は、クリーニングブラシ122の一端側に直接的に又は間接的に連結される。この移動部材140は、図6に示すように、軸方向カム面141と、径方向カム面142と、を有している。軸方向カム面141は、傾斜カム面131を、帯電ローラ110の回転軸方向の外側から押圧する。軸方向カム面141による傾斜カム面131への押圧は、図4に示すように、第2機構126側に装備された圧縮コイルばね151の付勢力による。この圧縮コイルばね151は、移動部材140に連結されたクリーニングブラシ122を第2軸方向X2に引っ張っている。圧縮コイルばね151によりクリーニングブラシ122に印加された引張荷重によって、軸方向カム面141と傾斜カム面131とは、接触状態に保たれる。軸方向カム面141と傾斜カム面131とが接触状態に保たれることによって、移動部材140は、傾斜カム130の回転に伴い、帯電ローラ110の回転軸方向に沿う第1軸方向X1及び第2軸方向X2に往復移動する。
第1実施形態においては、移動部材140がクリーニングブラシ122の一端側に連結されているため、クリーニングブラシ122は、傾斜カム130の回転に伴って移動部材140と一体的に、帯電ローラ110の回転軸方向X1,X2に往復移動する。
クリーニングブラシ122は、図7に示すように、傾斜カム130の肉厚の最薄部側において軸方向カム面141と当接しているときに、第2軸方向X2側に最大限に移動した状態になる。また、図13に示すように、傾斜カム130の肉厚の最厚部側が軸方向カム面141と当接しているときに、クリーニングブラシ122は、第1軸方向X1側に最大限に移動した状態になる。
クリーニングブラシ122が第2軸方向X2側に最大限に移動したときには、図7に示すように、クリーニングブラシ122の他端部は、帯電ローラ110の他端部までブラッシング可能となり、且つ、クリーニングブラシ122が第1軸方向X1側に最大限に移動したときには、図13に示すように、クリーニングブラシ122の一端部が帯電ローラ110の一端部までブラッシング可能となるように、帯電ローラ110の軸方向X1,X2に沿うクリーニングブラシ122の長さ及び傾斜カム130における傾斜カム面131の傾斜は、設定されている。
径方向カム面142は、外周カム面132を、帯電ローラ110の径方向の外側から押圧される。径方向カム面142による外周カム面132への押圧は、図6に示すように、移動部材140の上部に配置された圧縮コイルばね152の付勢力による。この圧縮コイルばね152は、移動部材140を傾斜カム130側に押圧して、径方向カム面142と外周カム面132とを接触状態に保つ。径方向カム面142と外周カム面132とが接触状態に保たれることによって、移動部材140は、傾斜カム130の回転に伴って、帯電ローラ110の径方向に往復移動する。従って、移動部材140に連結されているクリーニングブラシ122の一端部も、傾斜カム130の回転に伴って、移動部材140と一体的に帯電ローラ110の径方向に往復移動する。
クリーニングブラシ122は、図7に示すように、傾斜カム130の肉厚の最薄部側の外周において径方向カム面142と当接しているときに、帯電ローラ110側に最大限に移動した状態になる。また、図13に示すように、傾斜カム130の肉厚の最厚部側の外周が径方向カム面142と当接しているときに、クリーニングブラシ122は、帯電ローラ110から離れる方向に最大限に移動した状態になる。
クリーニングブラシ122が帯電ローラ110側に最大限に移動したときには、図7に示すように、クリーニングブラシ122の先端部は、十分に帯電ローラ110の表面に接触し、且つ、クリーニングブラシ122が帯電ローラ110から離れる方向に最大限に移動したときには、図13に示すように、クリーニングブラシ122のローラ接触面122cと帯電ローラ110の表面との間に離間距離S1が確保されるように、ブラシ毛122bの長さ及び傾斜カム130における偏心量等は、設定されている。
次に、ブラシ移動機構124における第2機構126について説明する。第2機構126は、図4及び図7に示すように、クリーニングブラシ122の他端側に固定された摺動部材160と、摺動部材160を支持する滑り台部材162と、を備えている。
摺動部材160は、帯電ローラ110の軸方向X1,X2に直交し且つ水平方向に突出する一対の突起部161,161を有する。突起部161は、滑り台部材162の上面に接触している状態において、滑り台部材162の上面を滑り易い形状又は構造に構成されている。
滑り台部材162は、帯電ローラ110の軸方向及び径方向へのクリーニングブラシ122の移動を許容するように、突起部161を介して、摺動部材160を摺動自在に支持する。帯電ローラ110の軸方向X1,X2へのクリーニングブラシ122の移動時に、クリーニングブラシ122の他端側の高さ位置が、常に、クリーニングブラシ122の一端側の高さ位置と一致するように、滑り台部材162には、移動部材140側に向かって上り勾配の傾斜角α1が付与されている。
なお、第1実施形態を説明する図面においては、第2機構126を構成している摺動部材160(突起部161)や滑り台部材162については、理解を容易にするために、模式的に図示している。
以上に説明したブラシ移動機構124を機能的に簡単に説明すると、ブラシ移動機構124は、クリーニングブラシ122を第1軸方向X1に移動させた場合のみ、ローラ接触面122cの全体を帯電ローラ110の表面に対して離間させるように、クリーニングブラシ122を帯電ローラ110の径方向に往復移動させる。
次に、図1を参照して、第1実施形態のプリンタ1の動作について、簡単に説明する。
まず、給紙カセット52に収容された用紙Tに片面印刷を行う場合について説明する。
給紙カセット52に収容された用紙Tは、前送りコロ61及び給紙ローラ対63によって第1搬送路L1に送り出され、その後、第1合流部P1及び第1搬送路L1を介してレジストローラ対80に搬送される。
レジストローラ対80においては、用紙Tのスキュー補正や、トナー画像とのタイミング調整が行われる。
レジストローラ対80から排出された用紙Tは、第1搬送路L1を介して感光体ドラム2と転写ローラ8との間(転写ニップN)に導入される。そして、用紙Tには、感光体ドラム2と転写ローラ8との間において、トナー画像が転写される。
その後、用紙Tは、感光体ドラム2と転写ローラ8との間から排出され、第2搬送路L2を介して、定着部9における加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間の定着ニップに導入される。そして、定着ニップにおいてトナーTNが溶融し、トナーTNが用紙Tに定着される。
次いで、用紙Tは、第1ローラ対54aにより第3搬送路L3を通して排紙部50に搬送され、第3ローラ対53により排紙部50から排紙集積部M1に排出される。
このようにして、給紙カセット52に収容された用紙Tの片面印刷が完了する。
手差しトレイ65に載置された用紙Tに片面印刷を行う場合には、手差しトレイ65に載置された用紙Tは、給紙コロ66によって手差し搬送路Laに送り出され、その後、第1合流部P1及び第1搬送路L1を介して、レジストローラ対80に搬送される。それ以降の動作は、前述した、給紙カセット52に収容された用紙Tの片面印刷の動作と同様であり、説明を省略する。
次に、両面印刷を行う場合のプリンタ1の動作について説明する。
片面印刷の場合には、前述した通り、片面印刷がされた用紙Tが、排紙部50から排紙集積部M1に排出されて印刷動作が完了する。
これに対し、両面印刷を行う場合には、片面印刷がされた用紙Tが、戻し搬送路Lbを介して、片面印刷時とは表裏反転して、レジストローラ対80に再度搬送されることにより、用紙Tに両面印刷が施される。
詳述すると、片面印刷がされた用紙Tが第3ローラ対53により排紙部50から排出されるまでは、前述した片面印刷の動作と同様である。而して、両面印刷の場合には、片面印刷がされた用紙Tが第3ローラ対53により保持されている状態において、第3ローラ対53の回転を停止させ、逆方向に回転させる。このように第3ローラ対53を逆方向に回転させると、第3ローラ対53に保持されている用紙Tは、第3搬送路L3を逆方向(排紙部50から第1分岐部Q1に向かう方向)に搬送される。
前述したように、用紙Tが、第3搬送路L3を逆方向に搬送されると、(第1ローラ対54aではなく、)第2ローラ対54bに導入される。そして、用紙Tは、戻し搬送路Lb及び第2合流部P2を介して、第1搬送路L1に合流する。ここで、用紙Tは、片面印刷時とは表裏反転している。
更に、用紙Tは、レジストローラ対80により前記補正又は前記調整が行われ、第1搬送路L1を介して、感光体ドラム2と転写ローラ8との間に導入される。用紙Tは、戻し搬送路Lbを経由することにより、非印刷面が感光体ドラム2に対向するので、非印刷面にトナー画像が転写され、その結果、両面印刷が施される。
次に、図5から図14を参照して、第1実施形態のプリンタ1における特徴部分であるクリーニング装置120の動作について説明する。
図5から図7は、第1実施形態のクリーニング装置120において、傾斜カム130の肉厚が最薄で且つ回転中心から外径までの距離が最短となる外周部に、移動部材140が押圧されている状態を示している。
この状態では、図7に示すように、クリーニングブラシ122は、第2軸方向X2側に最大限に移動している。また、クリーニングブラシ122のブラシ毛122bの先端部は、後述の図14(A)に示すように、第1軸方向X1側に曲がった状態で、帯電ローラ110の表面に接触している。
図5から図7に示した状態から、傾斜カム130が図5に矢印で示す方向に回転すると、移動部材140を押圧する傾斜カム130においては、その外周部の肉厚が徐々に増加すると共に、回転中心から外径までの距離が徐々に増加する。そのため、クリーニングブラシ122は、傾斜カム130の回転量に相応して、図7に示した位置から第1軸方向X1に移動し始めると共に、帯電ローラ110の径方向外方に移動する。これにより、ブラシ毛122bの先端部と帯電ローラ110との接触が徐々に浅くなる。
図8から図10は、傾斜カム130が図5から図7に示した状態から図5に示す矢印方向に約90゜回転した状態を示している。この状態では、クリーニングブラシ122は、図10に示すように帯電ローラ110の軸方向に沿う移動可能な幅の半分だけ、第1軸方向X1方向に移動している。この移動に伴うブラシ毛122bのブラッシング動作によって、クリーニングブラシ122は、帯電ローラ110の表面を清掃する。
図11から図13は、傾斜カム130が図8に示した状態から更に矢印方向に約90度回転した状態を示している。この状態では、傾斜カム130の肉厚が最厚で且つ回転中心から外径までの距離が最長となる外周部に、移動部材140が押圧されている。この状態では、クリーニングブラシ122が第1軸方向X1側に最大限に移動している。また、クリーニングブラシ122は、帯電ローラ110から離れる側に最大限に移動して、ブラシ毛122bの先端部と帯電ローラ110の表面との間に、離間距離S1が確保される。
図11に示した状態から更に傾斜カム130が矢印で示す方向に回転すると、移動部材140が押圧される傾斜カム130においては、その外周部の肉厚が徐々に減少すると共に、回転中心から外径までの距離が徐々に減少する。そのため、クリーニングブラシ122は、傾斜カム130の回転量に相応して、図13に示した位置から第2軸方向X2に移動し始めると共に、帯電ローラ110の径方向内方に移動する、これにより、ブラシ毛122bの先端が帯電ローラ110に接触した状態となって、第2軸方向X2方向にブラシ毛122bによるブラッシングが行われる。
図11に示した状態から更に傾斜カム130が矢印で示す方向に180゜回転すると、図5から図7に示す状態に戻る。
以上に説明した第1実施形態のクリーニング装置120では、傾斜カム130の回転によりクリーニングブラシ122が帯電ローラ110に対して第2軸方向X2に移動する場合には、図14(A)に示すように、ブラシ毛122bの先端が第1軸方向X1側に曲がった状態で、帯電ローラ110の表面がブラッシングされて、帯電ローラ110の表面の清掃が行われる。
また、傾斜カム130の回転によりクリーニングブラシ122が帯電ローラ110に対して第1軸方向X1に移動する場合には、図14(B)に示すように、ブラシ毛122bの先端が第2軸方向X2側に曲がった状態で、帯電ローラ110の表面がブラッシングされて、帯電ローラ110の表面の清掃が行われる。
そして、クリーニングブラシ122が帯電ローラ110に対して第1軸方向X1に最大限に移動する度に、クリーニングブラシ122は、図14(C)に示すように、ローラ接触面122cを帯電ローラ110の表面から離間させ、その後、第2軸方向X2側への移動を開始するときに、ローラ接触面122cを帯電ローラ110の表面に再び接触させる。
クリーニングブラシ122のローラ接触面122cが帯電ローラ110の表面から離間するときには、帯電ローラ110に接触していたときのブラシ毛122bの先端の曲がりが解かれ、ブラシ毛122bの先端形状が初期状態に戻る。このブラシ毛122bの先端の曲がりが戻るときにおける跳ね上げ動作により、装置ケース100の表面が擦られ、帯電ローラ110の表面に対する清掃能力が向上する。また、クリーニングブラシ122の再接触時には、ローラ接触面122cの接触が衝突的な接触動作となり、クリーニングブラシ122が帯電ローラ110の軸方向に移動しているときの滑り接触よりも強い清掃能力が発揮される。従って、帯電ローラ110に対するクリーニングブラシ122の離間及び再接触により、清掃能力を向上させることができる。
更に、クリーニングブラシ122が帯電ローラ110の表面から離間すると、ローラ接触面122cが初期状態に戻っている。そして、クリーニングブラシ122が帯電ローラ110の表面に再接触するときには、常に安定した接触性が確保される。そのため、クリーニングブラシ122を帯電ローラ110から離間させずに往復させる場合と比較すると、帯電ローラ110の表面に対する接触性が向上し、清掃能力を高めることができる。
以上に説明した第1実施形態のクリーニング装置120によれば、例えば、次のような効果が奏される。
第1実施形態のクリーニング装置120は、感光体ドラム2の表面を帯電する帯電ローラ110の表面に接触した状態で該表面をブラッシングすることにより該表面を清掃するクリーニング装置であって、帯電ローラ110の表面に接触するローラ接触面122cを有するクリーニングブラシ122と、クリーニングブラシ122を、帯電ローラ110の回転軸方向に沿う第1軸方向X1及び第1軸方向X1とは反対方向の第2軸方向X2に往復移動させると共に、この往復移動に連動して、ローラ接触面122cを帯電ローラ110の表面に対して接触又は離間可能に、クリーニングブラシ122を帯電ローラ110の径方向に往復移動させるブラシ移動機構124と、を備える。
そのため、ブラシ移動機構124により、帯電ローラ110の表面をブラッシングするクリーニングブラシ122の往復動作を繰り返す途中で、クリーニングブラシ122を帯電ローラ110に対して離間させ、再接触させることができる。
そして、クリーニングブラシ122を帯電ローラ110から離間させる際には、帯電ローラ110に接触していたブラシの先端の曲がりが戻るときにおける跳ね上げ動作は、帯電ローラ110の表面を擦る動作となり、帯電ローラ110の表面に対する清掃能力を高める。また、クリーニングブラシ122が帯電ローラ110に再び接触したときには、ローラ接触面122cの接触が衝突的な接触動作となり、そのため、クリーニングブラシ122が帯電ローラ110の軸方向に移動しているときの滑り接触よりも強い清掃能力が発揮される。
従って、帯電ローラ110に対するクリーニングブラシ122の離間及び再接触により、清掃能力を向上させることができる。
更に、ローラ接触面122cが初期状態に戻っており、クリーニングブラシ122が帯電ローラ110の表面に再び接触するときには、帯電ローラ110の表面から離間したクリーニングブラシ122においては、常に安定した接触性が確保される。
従って、クリーニングブラシ122を帯電ローラ110から離間させずに往復させる場合と比較すると、帯電ローラ110の表面に対するクリーニングブラシ122の接触性が向上し、清掃能力を高めることができる。特に、クリーニング装置120を小型化する関係で、帯電ローラ110の回転軸方向X1,X2の移動量を十分に大きく確保できない場合であっても、十分な清掃能力を確保できる。
また、第1実施形態のクリーニング装置120においては、ブラシ移動機構124は、クリーニングブラシ122を第1軸方向X1に移動させた場合のみ、ローラ接触面122cの全体を帯電ローラ110の表面に対して離間させるように、クリーニングブラシ122を帯電ローラ110の径方向に往復移動させる。
そのため、クリーニングブラシ122を第1軸方向X1及び第2軸方向X2に往復させる動作を繰り返す際、クリーニングブラシ122を帯電ローラ110に対して離間及び再接触させる動作は、クリーニングブラシ122を第1軸方向X1に移動させる度に実施される。そのため、クリーニングブラシ122の離間及び再接触による清掃能力の向上が定期的に繰り返されることで、清掃能力の向上を図ることができる。
また、第1実施形態のクリーニング装置120においては、ブラシ移動機構124は、帯電ローラ110の回転軸方向X1,X2と直交する直交面に対して傾斜した傾斜カム面131、及び帯電ローラ110の周方向に沿う外周カム面132を有する傾斜カム130と、傾斜カム面に帯電ローラ110の回転軸方向の外側に押圧される軸方向カム面141、及び外周カム面132に帯電ローラ110の径方向の外側に押圧される径方向カム面142を有する移動部材140であって、クリーニングブラシ122に直接的に又は間接的に連結される移動部材140と、を有し、クリーニングブラシ122は、移動部材140の移動に伴って移動する。
そのため、傾斜カム130の回転時に、移動部材140を介してクリーニングブラシ122に付与される帯電ローラ110の回転軸方向X1,X2の往復移動量は、傾斜カム面131の傾斜を調整することにより、所望値に調整することができる。また、傾斜カム130の回転時に、移動部材140を介してクリーニングブラシ122に付与される帯電ローラ110の径方向の往復移動量は、外周カム面132の回転中心に対する最大径部と最小径部との差(偏心量)を調整することにより、所望値に調整することができる。
従って、傾斜カム130における傾斜カム面131の傾斜や、外周カム面132の偏心量等を適宜に設定することで、クリーニングブラシ122の帯電ローラ110の軸方向に沿う往復移動と、帯電ローラ110の径方向に沿う往復移動とを、比較的容易に所望値に設定することができる。
また、第1実施形態のクリーニング装置120においては、傾斜カム130の傾斜カム面131及び外周カム面132は、帯電ローラ110の回転軸方向X1,X2に視た場合に、傾斜カム130の回転軸(カム支持軸103)に対して偏心している。
即ち、本実施形態のクリーニング装置120における傾斜カム130は、例えば、片面を傾斜面とした円板を偏心させて回転軸に取り付ける、いわゆる偏心カム板である。偏心カム板によれば、構造が単純なため、製造が容易になり、クリーニング装置120の製造コストの低減を図ることができる。
[第2実施形態]
次に、図15から図23を参照して、本発明の第2実施形態としてのクリーニング装置120Aについて説明する。
図15は、本発明の第2実施形態のクリーニング装置120Aにおいて、帯電ローラ110の一端側に配置されるブラシ移動機構124Aの第1機構125Aが、クリーニングブラシ122を第2軸方向X2に最大限に寄せている状態の第1機構125Aの拡大斜視図である。図16は、図15に示した第1機構125Aをほぼ正面から視た斜視図である。図17は、クリーニングブラシ122が図15及び図16に示した第1機構125Aの動作状態によって第2軸方向X2に最大限に寄せられている状態を示す概略正面図である。
図18は、第2実施形態における第1機構125Aの傾斜カム130Aが図15に示した状態から更に矢印方向に約90度回転して、クリーニングブラシ122を帯電ローラ110の軸方向の略中間位置に移動させた状態の第1機構125Aの拡大斜視図である。図19は、図18に示した第1機構125Aをほぼ正面から視た斜視図である。図20は、クリーニングブラシ122が図18及び図19に示した第1機構125Aの動作状態によって帯電ローラ110の軸方向の略中間位置に移動した状態を示す概略正面図である。
図21は、第1機構125Aの傾斜カム130Aが図18に示した状態から更に矢印方向に約90度回転して、クリーニングブラシ122を第1軸方向X1に最大限に寄せている状態の第1機構125Aの拡大斜視図である。図22は、図21に示した第1機構125Aをほぼ正面から視た斜視図である。図23は、クリーニングブラシ122が図21及び図22に示した第1機構125Aの動作状態によって第1軸方向X1に最大限に寄せられている状態を示す概略正面図である。
第2実施形態のクリーニング装置120Aは、クリーニングブラシ122と、ブラシ移動機構124Aと、を備える。ブラシ移動機構124Aは、第1実施形態のクリーニング装置120におけるブラシ移動機構124を一部変更したものである。
ブラシ移動機構124Aは、図17に示すように、第1機構125Aと、第2機構126Aと、を備えている。第1機構125Aは、帯電ローラ110の回転軸である第2回転軸102の一端側に配置されており、クリーニングブラシ122の一端側を支持している。第2機構126Aは、第1機構125Aの配置位置とは逆側となる第2回転軸102の他端側に配置されており、クリーニングブラシ122の他端側を支持している。
第2実施形態における第1機構125Aは、第1実施形態における第1機構125の傾斜カム130を、傾斜カム130Aに変更した構成である。第2実施形態における第1機構125Aにおいて、傾斜カム130A以外の構成部品は、第1実施形態における第1機構125と共通であり、共通の構成については、同じ番号を付して説明を省略又は簡略化する。
第2実施形態における第1機構125Aに装備された傾斜カム130Aは、帯電ローラ110の回転軸方向X1,X2と直交する直交面VP(図17参照)に対して角度θだけ傾斜した傾斜カム面131と、帯電ローラ110の周方向に沿う外周カム面132Aと、を有している。
第2実施形態における傾斜カム130Aにおいては、外周カム面132Aとなる外周面が楕円形で、且つ、板厚が楕円の長径方向の一端から多端に向かって所定の傾斜で変化する形状である。更に、この第2実施形態における傾斜カム130Aは、楕円の中心(長径と短径の交差部)においてカム支持軸103に固定され、カム支持軸103を中心に回転駆動される。
言い換えると、第2実施形態における傾斜カム130Aの傾斜カム面131及び外周カム面132Aは、帯電ローラ110の回転軸方向X1,X2に視た場合に、傾斜カム130Aの回転軸であるカム支持軸103に対して同心で非円形の形状を有している。
第2実施形態における第2機構126Aは、第1実施形態における第2機構126を変更したもので、図17に示すように、クリーニングブラシ122の他端部に固定された摺動部材160と、摺動部材160を支持する滑り台部材162と、を備えている。
摺動部材160は、第1実施形態と共通である。突起部161は、滑り台部材162の上面に接触している状態において、滑り台部材162の上面を滑り易い形状又は構造に構成されている。
滑り台部材162Aは、帯電ローラ110の軸方向及び径方向へのクリーニングブラシ122の移動を許容するように、突起部161を介して、摺動部材160を摺動自在に支持する。滑り台部材162Aは、図7に示すように、クリーニングブラシ122が第2軸方向X2方向に最大限に移動したとき、及び第1軸方向X1に最大限に移動したときのそれぞれにおいて、クリーニングブラシ122のローラ接触面122cと帯電ローラ110の表面との間に離間距離S1が確保されるように、滑り台部材162Aの中央部で屈曲したV字状の上面を有する。
以上に説明した第2実施形態におけるブラシ移動機構124Aを機能的に簡単に説明すると、ブラシ移動機構124Aは、クリーニングブラシ122を第1軸方向X1及び第2軸方向X2に移動させた場合それぞれにおいて、ローラ接触面122cの全体を帯電ローラ110の表面に対して離間させるように、クリーニングブラシ122を帯電ローラ110の径方向に往復移動させる。
次に、図15から図23を参照して、第2実施形態のクリーニング装置120Aの動作について説明する。
図15から図17は、第2実施形態のクリーニング装置120Aにおいて、傾斜カム130Aの肉厚が最薄で且つ回転中心から外径までの距離が最長となる外周部に、移動部材140が押圧されている状態を示している。
この状態では、図17に示すように、クリーニングブラシ122は、第2軸方向X2側に最大限に移動している。また、クリーニングブラシ122が帯電ローラ110の径方向外側に向かって最大限に移動した状態において、クリーニングブラシ122のローラ接触面122cと帯電ローラ110の表面との間には、離間距離S1が確保されている。
図15から図17に示した状態から、傾斜カム130Aが図15に矢印で示す方向に回転すると、回転量が90度に達するまでは、移動部材140を押圧する傾斜カム130Aにおいては、外周部の肉厚が徐々に増加すると共に、回転中心から外径までの距離が徐々に減少する。そのため、クリーニングブラシ122は、傾斜カム130の回転量に相応して、図7に示した位置から第1軸方向X1に移動し始めると共に、帯電ローラ110の径方向内方に移動し、ブラシ毛122bの先端が帯電ローラ110に接触する。そのため、クリーニングブラシ122のローラ接触面122cが帯電ローラ110の表面をブラッシングして、帯電ローラ110の表面が清掃される。
図18から図20は、傾斜カム130が図15から図17に示した状態から図15に示す矢印方向に約90゜回転した状態を示している。この状態では、クリーニングブラシ122は、図20に示すように帯電ローラ110の軸方向に沿う移動可能幅の半分だけ、第1軸方向X1方向に移動しており、移動に伴うブラシ毛122bのブラッシング動作によって、帯電ローラ110の表面を清掃する。
また、図18から図20に示した状態では、第2機構126Aにおける摺動部材160は、滑り台部材162Aの上面の中央部の屈曲箇所に位置しており、また、クリーニングブラシ122は、帯電ローラ110の径方向内方に向かって最大限に移動している。従って、ブラシ毛122bの先端と帯電ローラ110との接触は、最も深くなっている。
図18に示した状態から更に傾斜カム130Aが矢印で示す方向に回転すると、移動部材140を押圧する傾斜カム130Aにおいては、その外周部の肉厚が徐々に増大すると共に、回転中心から外径までの距離が徐々に増大する。そのため、クリーニングブラシ122は、傾斜カム130Aの回転量に相応して、図20に示した位置から更に第1軸方向X1に移動し始めると共に、帯電ローラ110の径方向外方に徐々に移動する。即ち、クリーニングブラシ122は、ローラ接触面122cで帯電ローラ110の表面をブラッシングしながら、帯電ローラ110との接触深さを徐々に浅くしていく。
図21から図23は、傾斜カム130Aが図18に示した状態から更に矢印方向に約90度回転した状態を示している。この状態では、傾斜カム130Aの肉厚が最厚で且つ回転中心から外径までの距離が最長となる外周部に、移動部材140が押圧されている。この状態では、クリーニングブラシ122は、第1軸方向X1側に最大限に移動している。また、クリーニングブラシ122は、帯電ローラ110から離れる側に最大限に移動している。これにより、ブラシ毛122bの先端と帯電ローラ110の表面との間には、図23に示すように、離間距離S1が確保される。
図21に示した状態から更に傾斜カム130Aが矢印で示す方向に回転すると、クリーニングブラシ122は、第2軸方向X2側への移動を開始する。第1軸方向X1側から第2軸方向X2側へのクリーニングブラシ122の移動の際には、第2軸方向X2側から第1軸方向X1側への移動時と逆に、クリーニングブラシ122の移動動作が制御される。そして、図21に示した状態から更に傾斜カム130Aが矢印で示す方向に180゜回転すると、図15から図17に示した状態に戻る。
以上に説明した第2実施形態のクリーニング装置120Aによれば、例えば、次のような効果が奏される。
第2実施形態のクリーニング装置120Aにおいては、ブラシ移動機構124Aは、クリーニングブラシ122を第1軸方向X1及び第2軸方向X2に移動させた場合それぞれにおいて、ローラ接触面122cの全体を帯電ローラ110の表面に対して離間させるように、クリーニングブラシ122を帯電ローラ110の径方向に往復移動させる。
そのため、第1軸方向X1に移動させた場合にのみ、ローラ接触面122cの全体を帯電ローラ110の表面に対して離間させる第1実施形態と比較すると、ローラ接触面122cが帯電ローラ110の表面に対して離間及び再接触する頻度が倍増する。
従って、ローラ接触面122cが帯電ローラ110の表面に対して離間及び再接触することにより清掃能力が向上する頻度が増えることで、第1実施形態よりも更に清掃能力を向上させることができる。
また、第2実施形態のクリーニング装置120においては、傾斜カム130Aの傾斜カム面131及び外周カム面132Aは、帯電ローラ110の回転軸方向X1,X2に視た場合に、傾斜カム130Aの回転軸であるカム支持軸103に対して同心で非円形の形状を有している。
そのため、外周が真円形でカム支持軸103に対して偏心状態に取り付けられる傾斜カム130を採用している第1実施形態と比較すると、外周カム面132Aの形状を変更することで、帯電ローラ110の径方向へクリーニングブラシ122の移動量を簡単に調整することができる。従って、帯電ローラ110の径方向へのクリーニングブラシ122の往復移動の制御が容易になる。
[第3実施形態]
次に、図24から図32を参照して、本発明の第3実施形態としてのクリーニング装置120Bについて説明する。
図24は、本発明の第3実施形態のクリーニング装置120Bにおいて、帯電ローラ110の一端側に配置されるブラシ移動機構124Bの第1機構125が、クリーニングブラシ122を第2軸方向X2に最大限に寄せている状態の第1機構125の拡大斜視図である。図25は、図24に示した第1機構125の正面図である。図26は、クリーニングブラシ122が図24及び図25に示した第1機構125の動作状態によって第2軸方向X2に最大限に寄せられている状態を示す概略正面図である。
図27は、第3実施形態における第1機構125の傾斜カム130が図24に示した状態から更に矢印方向に約90度回転して、クリーニングブラシ122を帯電ローラ110の軸方向の略中間位置に移動させた状態の第1機構125の拡大斜視図である。図28は、図27に示した第1機構125の正面図である。図29は、第3実施形態のクリーニング装置120Bにおいて、クリーニングブラシ122が図27及び図28に示した第1機構125の動作状態によって帯電ローラ110の軸方向の略中間位置に移動した状態を示す概略正面図である。
図30は、第3実施形態のクリーニング装置120Bにおいて、第1機構125の傾斜カム130が図27に示した状態から更に矢印方向に約90度回転して、クリーニングブラシ122を第1軸方向X1に最大限に寄せている状態の第1機構125の拡大斜視図である。図31は、図30に示した第1機構125の正面図である。図32は、第3実施形態のクリーニング装置120Bにおいて、クリーニングブラシ122が図30及び図31に示した第1機構125の動作状態によって第1軸方向X1に最大限に寄せられている状態を示す概略正面図である。
第3実施形態のクリーニング装置120Bは、クリーニングブラシ122と、ブラシ移動機構124Bと、を備える。ブラシ移動機構124Bは、第1実施形態のクリーニング装置120におけるブラシ移動機構124を変更したものである。
第3実施形態におけるブラシ移動機構124Bは、第1実施形態におけるブラシ移動機構124の第2機構126の代わりに、第2機構126Bを採用したものである。それ以外の構成は、第1実施形態と共通である。第1実施形態と共通の構成については、同じ符号を付して説明を省略又は簡略化する。
第3実施形態におけるブラシ移動機構124Bで採用した第2機構126Bは、帯電ローラ110の回転軸である第2回転軸102の他端側に配置され、クリーニングブラシ122の他端側を支持する。
第3実施形態における第2機構126Bは、図26に示すように、クリーニングブラシ122の他端部に固定された摺動部材160と、摺動部材160を支持する滑り台部材162Bと、を備えている。
摺動部材160は、第1実施形態と共通である。突起部161は、滑り台部材162の上面に接触している状態において、滑り台部材162の上面を滑り易い形状又は構造に構成されている。
滑り台部材162Bは、帯電ローラ110の軸方向X1,X2及び径方向へのクリーニングブラシ122の移動を許容するように、突起部161を介して摺動部材160を摺動自在に支持する。この滑り台部材162Bにおいては、クリーニングブラシ122が第1機構125の動作によって第2軸方向X2に最大限に寄せられたときには、図26に示すように、クリーニングブラシ122の第1軸方向X1側の端部よりも、第2軸方向X2側の端部の方が高い位置に位置して、図26に示す第2部分離間状態RT2が形成されるように、滑り台部材162の上面の傾斜が設定されている。
ここに、第2部分離間状態RT2とは、ローラ接触面122cにおける第2軸方向X2側の一部範囲A2を帯電ローラ110の表面に対して離間させ、且つローラ接触面122cにおける残部範囲を帯電ローラ110の表面に対して接触させる状態である。
更に、クリーニングブラシ122が第1機構125の動作によって第1軸方向X1に最大限に寄せられたときには、図32に示すように、滑り台部材162Bにおいては、クリーニングブラシ122の第2軸方向X2側の端部よりも、第1軸方向X1側の端部の方が高い位置に位置して、図32に示す第1部分離間状態RT1が形成されるように、滑り台部材162Bの上面の傾斜は、設定されている。
ここに、第1部分離間状態RT1とは、図32に示すように、ローラ接触面122cにおける第1軸方向X1側の一部範囲A1を帯電ローラ110の表面に対して離間させ、且つローラ接触面122cにおける残部範囲を帯電ローラ110の表面に対して接触させる状態である。
また、クリーニングブラシ122が第1機構125の動作によって帯電ローラ110の軸方向の中間部に移動しているときには、図29に示すように、滑り台部材162Bにおいては、クリーニングブラシ122のローラ接触面122cの全範囲が帯電ローラ110の表面に接触した状態になるように、滑り台部材162Bの上面の傾斜は設定されている。
即ち、第3実施形態におけるブラシ移動機構124Bは、クリーニングブラシ122を第1軸方向X1及び第2軸方向X2に移動させた場合それぞれにおいて、図32に示した第1部分離間状態RT1と、図26に示した第2部分離間状態RT2とが形成されるように、クリーニングブラシ122を帯電ローラ110の径方向に往復移動させる。
次に、図24から図32を参照して、第3実施形態のクリーニング装置120Bの動作について説明する。
図24から図26は、第3実施形態のクリーニング装置120Bにおいて、傾斜カム130の肉厚が最薄で且つ回転中心から外径までの距離が最短となる外周部に、移動部材140が押圧されている状態を示している。
この状態では、図26に示すように、クリーニングブラシ122は、第2軸方向X2側に最大限に移動している。また、クリーニングブラシ122のローラ接触面122cの第2軸方向X2側の端部は、滑り台部材162Bの傾斜によって第1軸方向X1側の端部の位置よりも高く位置決めされる。その結果、ローラ接触面122cと帯電ローラ110との間の接触状態は、第2部分離間状態RT2(ローラ接触面122cにおける第2軸方向X2側の一部範囲A2が帯電ローラ110の表面に対して離間し、且つローラ接触面122cにおける残部範囲が帯電ローラ110の表面に対して接触した状態)になっている。
図24から図26に示した状態から、傾斜カム130が図24に矢印で示す方向に回転すると、移動部材140を押圧する傾斜カム130においては、その外周部の肉厚が徐々に増加すると共に、回転中心から外径までの距離が徐々に増加する。そのため、クリーニングブラシ122は、傾斜カム130の回転量に相応して、図26に示した位置から第1軸方向X1に移動し始める。そして、クリーニングブラシ122においては、第2軸方向X2側の端部は、帯電ローラ110の径方向内方に向かって移動し、且つ、第1軸方向X1側の端部は、帯電ローラ110の径方向外方に向かって移動する。そのため、第1軸方向X1へのクリーニングブラシ122の移動に伴って、ローラ接触面122c上の帯電ローラ110の表面から離間した一部範囲A2は、徐々に狭くなり、ローラ接触面122cの全域が帯電ローラ110の表面に接触するようになる。
図27から図29は、傾斜カム130が図24から図26に示した状態から図24に示す矢印方向に約90゜回転した状態を示している。この状態では、クリーニングブラシ122は、図29に示すように、帯電ローラ110の軸方向に沿う移動可能幅の半分だけ、第1軸方向X1方向に移動している。この状態では、ローラ接触面122cの全域は、帯電ローラ110の表面に接触している。この移動に伴うブラシ毛122bのブラッシング動作によって、帯電ローラ110の表面は清掃される。
図27から図29に示した状態から、傾斜カム130が図27に矢印で示す方向に回転すると、移動部材140を押圧する傾斜カム130においては、その外周部の肉厚が徐々に増加すると共に、回転中心から外径までの距離が徐々に増加する。そのため、クリーニングブラシ122は、傾斜カム130の回転量に相応して、図26に示した位置から第1軸方向X1に移動し始める。そして、クリーニングブラシ122においては、第2軸方向X2側の端部は、帯電ローラ110の径方向内方に向かって移動し、且つ、第1軸方向X1側の端部は、帯電ローラ110の径方向外方に向かって移動する。そのため、第1軸方向X1へのクリーニングブラシ122の移動に伴って、ローラ接触面122cの第1軸方向X1の端部の高さは、第2軸方向X2の端部の高さよりも高くなっていく。
図30から図32は、傾斜カム130が図27に示した状態から更に矢印方向に約90度回転した状態を示している。この状態では、傾斜カム130の肉厚が最厚で且つ回転中心から外径までの距離が最長となる外周部に、移動部材140が押圧されている。この状態では、クリーニングブラシ122は、第1軸方向X1側に最大限に移動している。また、クリーニングブラシ122は、帯電ローラ110から離れる側に最大限に移動している。また、クリーニングブラシ122のローラ接触面122cの第2軸方向X2側の端部は、滑り台部材162Bの上面の傾斜によって、第1軸方向X1側の端部の位置よりも低く位置決めされる。その結果、ローラ接触面122cと帯電ローラ110との間の接触状態は、第1部分離間状態RT1(ローラ接触面122cにおける第1軸方向X1側の一部範囲A1が帯電ローラ110の表面に対して離間し、且つローラ接触面122cにおける残部範囲が帯電ローラ110の表面に対して接触した状態)になっている。
図30に示した状態から更に傾斜カム130が矢印で示す方向に回転すると、移動部材140を押圧する傾斜カム130においては、その外周部の肉厚が徐々に減少すると共に、回転中心から外径までの距離が徐々に減少する。そのため、クリーニングブラシ122は、傾斜カム130の回転量に相応して、図32に示した位置から第2軸方向X2に移動し始める。そして、クリーニングブラシ122における第1軸方向X1側の一部範囲A1が、帯電ローラ110の径方向内方に移動する。その結果、クリーニングブラシ122は、帯電ローラ110の表面に接触する状態に移行する。
図30に示した状態から更に傾斜カム130が矢印で示す方向に90゜回転すると、ローラ接触面122cは、図29に示した状態となる。また、図30に示した状態から更に傾斜カム130が矢印で示す方向に180゜回転すると、ローラ接触面122cは、図26に示した状態に戻る。
以上に説明した第3実施形態のクリーニング装置120Bによれば、例えば、次のような効果が奏される。
第3実施形態のクリーニング装置120Bにおいては、ブラシ移動機構124Bは、クリーニングブラシ122を第1軸方向X1及び第2軸方向X2に移動させた場合それぞれにおいて、ローラ接触面122cにおける第1軸方向X1側の一部を帯電ローラ110の表面に対して離間させ且つローラ接触面122cにおける残部を帯電ローラ110の表面に対して接触させる第1部分離間状態RT1と、ローラ接触面122cにおける第2軸方向X2側の一部を帯電ローラ110の表面に対して離間させ且つローラ接触面122cにおける残部を帯電ローラ110の表面に対して接触させる第2部分離間状態RT2とが形成されるように、クリーニングブラシ122を帯電ローラ110の径方向に往復移動させる。
即ち、第3実施形態のクリーニング装置120Bでは、帯電ローラ110の軸方向に往復移動するローラ接触面122cは、それぞれの移動方向に移動したときに、移動方向側の端部が徐々に帯電ローラ110の表面から離間する揺動(ローリング)動作となる。そのため、第2実施形態のクリーニング装置120Aと同様に、帯電ローラ110の両端側で、ローラ接触面122cの離間及び再接触が繰り返され、帯電ローラ110に対する清掃能力を向上させることができる。
また、ローラ接触面122cの全域が一気に離間及び再接触する場合と比較すると、離間及び再接触する際にブラシ移動機構124Bに作用する負担が軽減され、第2機構126Bの長寿命化や騒音の低減を図ることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、前述した各実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、クリーニングブラシは、帯電ローラ110の第2回転軸102と平行な回転軸を有する回転式のブラシでもよい。
クリーニング部材は、ブラシからなるクリーニングブラシに制限されず、ローラからなるクリーニングローラから構成することもできる。
前述の各実施形態では、クリーニングブラシ122のローラ接触面122cと帯電ローラ110の表面との離間及び接触が徐々に行われる構成を備えているが、これに制限されない。かかる離間及び接触が一気に行われる構成を採用することもできる。
前述の各実施形態では、クリーニングブラシ122の他端側に固定された摺動部材160と、摺動部材160を支持する滑り台部材162と、の組み合わせを用いていたが、これに制限されない。滑り台部材162に代えて、長孔を採用することができる。
また、本発明の画像形成装置の種類は、特に限定がなく、コピー機、プリンタ、ファクシミリ、又はこれらの複合機などであってもよい。
また、シート状の被転写材は、用紙に制限されず、例えば、フィルムシートであってもよい。