JP4645722B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、現像剤による像をシート状の記録媒体に定着し得るように構成された、定着装置に関する。
画像形成装置の内部には、定着装置が設けられている。この定着装置は、現像剤による像をシート状の記録媒体(用紙)に定着し得るように構成されていて、具体的には、加熱ローラと、その加熱ローラと対向して配置された押圧ローラと、を備えている(例えば、特開平6−40368号公報、特開平7−84421号公報、特開2008−158245号公報、特開2008−158507号公報、等参照)。
特開平6−40368号公報、特開平7−84421号公報、及び特開2008−158245号公報に開示された構成においては、前記加熱ローラ及び前記押圧ローラよりも用紙搬送方向における下流側には、これらを経た用紙をさらに下流側に搬送するための搬送ローラ対が設けられている。また、かかる構成においては、前記加熱ローラから用紙を分離するための分離爪が配設されている。
特開平6−40368号公報 特開平7−84421号公報 特開2008−158245号公報 特開2008−158507号公報
例えば、前記画像形成装置の小型化のために、前記定着装置の小型化が図られている。しかしながら、前記定着装置を小型化すると、当該定着装置において用紙ジャムが発生しやすくなる。
このように、前記定着装置におけるジャム処理をより適切に行い得るようにすることが求められている。
本発明の定着装置は、現像剤による像をシート状の記録媒体に定着し得るように構成されている。具体的には、本発明の定着装置は、加熱部材と、対向部材と、剥離爪と、送出部と、を備えている。
前記加熱部材は、筒形状に形成されている。例えば、加熱ローラから構成され得る。この加熱ローラは、記録媒体の搬送方向及び厚さ方向と直交する幅方向と平行に配置されていて、記録媒体に担持された前記現像剤を加熱し得るように構成されている。
前記対向部材は、前記加熱部材に対向配置されている。例えば、前記対向部材は、対向ローラから構成され得る。この対向ローラは、前記加熱部材と平行且つ記録媒体の搬送経路を挟んで対向するように配置されている。また、この対向ローラは、前記加熱部材に対して所定の圧力をもって押圧されるように構成され得る。
前記剥離爪は、先端部によって前記加熱部材から記録媒体を剥離し得るように、構成及び配置されている。具体的には、この剥離爪は、前記先端部が前記加熱部材と対向するように、前記加熱部材よりも前記搬送方向における下流側に配置されている。
前記送出部は、前記加熱部材よりも前記搬送方向における下流側に配置されていて、当該加熱部材を経た記録媒体を前記搬送方向に送出するように構成されている。具体的には、前記送出部は、複数の従動ローラと、駆動シャフトと、複数の駆動ローラと、を備えている。
複数の前記従動ローラは、前記搬送経路について前記加熱部材及び前記剥離爪と同じ側に配置されている。複数の前記従動ローラの各々は、前記剥離爪と前記加熱部材の軸方向(回転中心軸方向あるいは長手方向)における異なる位置にて、回転自在に設けられている。
前記駆動シャフトは、前記搬送経路について前記対向部材と同じ側に配置されていて、記録媒体を前記搬送方向に送出するために回転駆動されるように構成されている。
複数の前記駆動ローラは、前記駆動シャフトの回転とともに回転するように、当該駆動シャフトに固定されている。複数の前記駆動ローラの各々は、複数の前記従動ローラの各々と前記搬送経路を挟んで対向することで、記録媒体を前記搬送方向に送出するように設けられている。
前記剥離爪は、前記軸方向と直交する断面視にて、複数の前記従動ローラと重なるように配置され得る。
前記剥離爪は、枢軸を中心として揺動可能、且つ前記搬送方向及び前記軸方向と直交する方向に沿って前記枢軸がスライド可能に支持され得る。
本発明の特徴は、前記送出部が、さらに、前記剥離爪と対向する位置にて前記駆動シャフトに装着された剥離爪対向ローラを備えたことにある。
上述の構成を備えた本発明の定着装置においては、前記剥離爪と前記駆動シャフトとの隙間が前記剥離爪対向ローラによって埋められる(あるいは小さくされる)。
これにより、ジャム処理時における、使用者の手指により誤って前記剥離爪を前記加熱部材へ押圧することで当該加熱部材を傷つけることや、前記剥離爪周辺(特に前記枢軸周辺)への異物の混入、等の不具合の発生が、可及的に抑制され得る。
したがって、本発明によれば、ジャム処理をより適切に行うことが可能になる。
以下、本発明の実施形態(本願の出願時点において取り敢えず出願人が最良と考えている実施形態)について、図面を参照しつつ説明する。
なお、以下の実施形態に関する記載は、法令で要求されている明細書の記載要件(記述要件・実施可能要件)を満たすために、本発明の具体化の単なる一例を、可能な範囲で具体的に記述しているものにすぎない。
よって、後述するように、本発明が、以下に説明する実施形態の具体的構成に何ら限定されるものではないことは、全く当然である。本実施形態に対して施され得る各種の変更(modification)は、当該実施形態の説明中に挿入されると、一貫した実施形態の説明の理解が妨げられるので、末尾にまとめて記載されている。
<レーザープリンタの全体構成>
図1は、本発明の一実施形態が適用された画像形成装置の一例であるレーザープリンタ1の全体構成を示す側断面図である。
このレーザープリンタ1は、その内部にて、シート状の記録媒体である用紙を用紙搬送経路PP(paper path)に沿って搬送しつつ、当該用紙上に現像剤による像を形成するように構成されている。よって、以下の説明では、図1における用紙搬送経路PPに沿って用紙が搬送される方向(すなわち用紙搬送経路PP上の任意の地点における接線方向)を、「用紙搬送方向」と称する。
また、レーザープリンタ1における図中左側を、レーザープリンタ1の「前側」と称し、レーザープリンタ1における図中右側を、レーザープリンタ1の「後側」と称する。そして、図1における左右方向が、レーザープリンタ1の前後方向となる。
さらに、図1における左右方向(レーザープリンタ1の前後方向)及び上下方向(レーザープリンタ1の高さ方向)と垂直な方向(すなわち図1の紙面と垂直な方向:レーザープリンタ1の幅方向)を、「用紙幅方向」と称する。この用紙幅方向は、用紙搬送方向及び用紙の厚さ方向と垂直な方向である。
レーザープリンタ1は、フィーダーユニット2と、プロセスカートリッジ3と、スキャナユニット4と、用紙搬送部5と、定着ユニット6と、を備えている。
フィーダーユニット2は、レーザープリンタ1の本体部10の下方に設けられていて、前後方向にスライドさせることで当該本体部10に対して着脱自在に構成されている。
本体部10内には、プロセスカートリッジ3が、着脱自在に収容されている。プロセスカートリッジ3は、スキャナユニット4と協働することで、用紙上に現像剤(トナー)による像(以下、「トナー像」と称する。)を形成するように構成されている。
また、本体部10内には、用紙を用紙搬送経路PPに沿って搬送するための用紙搬送部5と、プロセスカートリッジ3によって用紙上に形成されたトナー像を用紙上に定着させるための定着ユニット6と、が設けられている。
以下、本実施形態のレーザープリンタ1の各部の構成について、より詳細に説明する。
<<本体部>>
外側カバー11は、本体部10のケーシングを構成する箱状の部材であり、合成樹脂板により一体に形成されている。この外側カバー11は、当該本体部10内に収容される各種の部材を支持するための本体フレーム(図示せず)を覆うように設けられている。
外側カバー11の上面を構成するトップカバー12には、前側(図中左側)に向かうにつれて浅くなるような形状の凹部が形成されている。この凹部の底面によって、画像が形成された用紙を載置するための排紙トレイ12aが構成されている。具体的には、この排紙トレイ12aは、トップカバー12の前側(図中左側)から後側(図中右側)に向かって斜め下方に延びるように形成された斜面によって構成されている。
外側カバー11における、排紙トレイ12aの下端部(図中右下側の端部)の上方には、開口部からなる排紙口12bが形成されている。すなわち、上述の排紙トレイ12aは、当該排紙口12bから排出された画像形成済みの用紙を受け止め、当該画像形成済みの用紙を多数枚積載し得るように構成されている。
外側カバー11の後側には、リアカバー13が配置されている。このリアカバー13は、外側カバー11の本体部に対して開閉可能に構成されている。すなわち、リアカバー13を開放して外側カバー11における後側を開口させることで、本体部10内における後側の位置にある定着ユニット6にて用紙ジャムが発生した場合に使用者がジャム処理を行い得るように、外側カバー11が構成されている。
<<フィーダーユニット>>
フィーダーユニット2のケーシングを構成するフィーダーケース21は、その内側にシート状の用紙を積層状態にて多数枚収容し得るように構成されている。このフィーダーケース21には、用紙押圧板22と、分離パッド23と、分離パッド付勢バネ24と、が設けられている。
用紙押圧板22は、後側(分離パッド23から遠い方)の端部を中心に揺動可能に支持されている。用紙押圧板22の前側(分離パッド23に近い方)の端部は、給紙時に上方に付勢されるようになっている。
分離パッド23は、用紙押圧板22の前側の端部近傍であって、用紙押圧板22よりも用紙搬送方向における下流側に配置されている。分離パッド23の上面であって、用紙搬送経路PPと対向する位置には、ゴム等の、用紙よりも摩擦係数が高い材質からなる分離面が形成されている。この分離パッド23の下方には、当該分離パッド23を上方に付勢するための分離パッド付勢バネ24が配置されている。
<<プロセスカートリッジ>>
プロセスカートリッジ3のケーシング及びフレームを構成するプロセスケース31には、感光体ドラム32と、帯電器33と、現像ローラ34と、転写ローラ35と、が設けられている。
感光体ドラム32は、その外周部に感光体層が形成された円筒形状の部材であって、用紙幅方向と平行な軸を中心として図中矢印で示されている方向に回転駆動されるようなっている。
帯電器33は、感光体ドラム32の周面(静電潜像担持面)と対向するように配置されている。この帯電器33は、感光体ドラム32の周面を一様に帯電させるように構成されている。
現像ローラ34は、感光体ドラム32と平行に配置されている。また、現像ローラ34は、感光体ドラム32の周面と帯電器33とが対向する位置よりも、感光体ドラム32の回転方向における下流側にて、感光体ドラム32の周面と対向するように設けられている。この現像ローラ34は、図中矢印で示されている方向に回転駆動されることで、帯電したトナーを感光体ドラム32の周面に供給するようになっている。
転写ローラ35は、感光体ドラム32の周面と現像ローラ34とが対向する位置よりも、感光体ドラム32の回転方向における下流側にて、感光体ドラム32の周面と用紙搬送経路PPを隔てて対向するように配置されている。この転写ローラ35は、画像形成時に感光体ドラム32の回転に伴って当該感光体ドラム32と反対方向に回転するようになっている。また、この転写ローラ35は、感光体ドラム32との間に印加される所定の電圧によって、感光体ドラム32の周面上に担持されたトナー像を用紙に転写させ得るようになっている。
<<スキャナユニット>>
スキャナユニット4は、プロセスケース31の上方に配置されている。このスキャナユニット4は、ポリゴンミラー41と、ポリゴンモータ42と、光学系43と、を備えている。
ポリゴンミラー41は、所定の回転数で回転駆動され得るように、ポリゴンモータ42の回転駆動軸によって支持されている。このポリゴンミラー41は、上述のポリゴンモータ42によって回転駆動されつつ、図示しないレーザー発光部にて画像データに基づいて生成されたレーザービームを反射することで、当該レーザービームを用紙幅方向に沿って走査し得るように構成されている。
光学系43は、f−θレンズ、シリンドリカルレンズ、反射鏡、等を含んでいて、ポリゴンミラー41により反射されたレーザービームの走査間隔や面倒れ等を補正しつつ、感光体ドラム32の周面上にレーザービームを照射し得るように構成されている。
<<給紙部>>
用紙搬送部5は、給紙ローラ51と、搬送ローラ52と、レジストローラ53と、排紙ローラ54と、を備えていて、用紙を用紙搬送経路PPに沿って搬送するように構成されている。
給紙ローラ51は、本体部10の底部にて回転可能に支持されている。また、給紙ローラ51は、フィーダーケース21内にて積層状態に収容された用紙の先端部と当接し得るように、分離パッド23と対向して配置されている。この給紙ローラ51は、分離パッド23と協働することで、用紙をフィーダーユニット2から1枚ずつピックアップして搬送ローラ52に向けて搬送するように構成されている。
搬送ローラ52は、給紙ローラ51よりも用紙搬送方向における下流側に設けられている。この搬送ローラ52は、給紙ローラ51によってピックアップされた用紙をレジストローラ53に向けて送出するようになっている。
レジストローラ53は、転写位置(感光体ドラム32と転写ローラ35とが対向している位置)よりも用紙搬送方向における上流側に配置されている。このレジストローラ53は、用紙の向き及び搬送タイミングを調整するとともに、用紙を転写位置に向けて供給し得るように構成されている。
排紙ローラ54は、定着ユニット6を経た用紙を排紙トレイ12a上に排出し得るように、排紙口12bの近傍に設けられている。
<<定着ユニット>>
本発明の定着装置としての定着ユニット6は、上述の転写位置(感光体ドラム32と転写ローラ35とが対向する位置)よりも用紙搬送方向における下流側に配置されている。すなわち、定着ユニット6は、レーザープリンタ1の本体部10における後側に設けられている。
定着ユニット6には、定着ローラ対61が設けられている。この定着ローラ対61は、加熱ローラ61aと、対向ローラ61bと、を備えている。
本発明の加熱部材としての加熱ローラ61aは、用紙幅方向と平行に配置されていて、用紙に担持されたトナーを加熱し得るように構成されている。具体的には、加熱ローラ61aは、用紙幅方向と平行な軸を中心として回転駆動されるように設けられている。また、加熱ローラ61aは、金属製の薄肉中空円筒の内部に、用紙に担持されたトナーを加熱して溶融させるためのヒータを収容することによって構成されている。
本発明の対向部材としての対向ローラ61bは、加熱ローラ61aと平行に設けられている。また、対向ローラ61bは、用紙搬送経路PPを挟んで加熱ローラ61aと対向するように配置されている。具体的には、対向ローラ61bは、シリコンゴム製のローラであり、加熱ローラ61aに対して所定の圧力をもって押圧されるようになっている。
定着ローラ対61よりも用紙搬送方向における下流側には、剥離爪62が設けられている。剥離爪62は、先端部が加熱ローラ61aと対向するように配置されている。この剥離爪62は、その先端部によって加熱ローラ61aから用紙を剥離し得るようになっている。また、剥離爪62は、上述の先端部と反対側の端部に設けられた枢軸62aを中心として揺動可能且つ図中上下方向に移動可能に支持されている。
図2は、図1に示されている定着ユニット6の背面図(後側から見た図)である。図3ないし図5は、図1に示されている定着ユニット6を拡大した側断面図である。図6は、図1に示されている定着ユニット6を拡大した側断面図(図3ないし図5とは異なる面による断面図)である。以下、図2ないし図6を参照しつつ、定着ユニット6の構成についてさらに詳細に説明する。
定着ローラ対61よりも用紙搬送方向における下流側には、送出ローラ対63が設けられている。本発明の送出部としての送出ローラ対63は、定着ローラ対61を経た用紙を用紙搬送方向に送出するように構成されている。具体的には、送出ローラ対63は、駆動シャフト63aと、駆動ローラ63bと、剥離爪対向ローラ63cと、従動ローラ63dと、を備えている。
駆動シャフト63aは、図3に示されているように、用紙搬送経路PPについて対向ローラ61bと同じ側に配置されていて、用紙を用紙搬送方向に送出するために回転駆動されるように構成されている。図2に示されているように、駆動シャフト63aは、その長手方向における両端部にて回転可能に支持されているとともに、当該方向における略中央部にて中間軸受64によって支持されている。
図2を参照すると、駆動シャフト63aには、駆動ローラ63b及び剥離爪対向ローラ63cが設けられている。駆動ローラ63b及び剥離爪対向ローラ63cは、ゴムローラすなわちゴム製の円筒状部材であって、駆動シャフト63aの回転とともに回転するように、当該駆動シャフト63aに固定されている。駆動ローラ63bは、用紙搬送経路PPを挟んで従動ローラ63dと対向することで、用紙を用紙搬送方向に送出するように設けられている。
従動ローラ63dは、回転自在に設けられている。すなわち、従動ローラ63dは、用紙を搬送する際に、駆動ローラ63bの回転駆動に連れ回るようになっている。
従動ローラ63dは、用紙搬送経路PPについて加熱ローラ61a及び剥離爪62と同じ側に配置されている。また、複数の従動ローラ63dの各々は、剥離爪62と用紙幅方向(加熱ローラ61aの軸方向)における異なる位置に設けられている。さらに、図4及び図5に示されているように、従動ローラ63dは、側断面視にて、剥離爪62と重なる位置に配置されている。
一方、剥離爪対向ローラ63cは、用紙搬送経路PPを挟んで剥離爪62と対向するように設けられている。なお、本実施形態においては、剥離爪対向ローラ63cは、駆動シャフト63aの撓み量が大きくなる位置、すなわち、その長手方向における端部と中間軸受64との中間付近の位置に設けられた剥離爪62と対向するように設けられている(換言すれば、剥離爪対向ローラ63cは、中間軸受64の近傍位置に設けられた剥離爪62と対向するようには設けられていない。)。
このように、本実施形態においては、図2に示されているように、駆動シャフト63aの長手方向における端部と中央部との中間付近の位置に設けられた剥離爪62と、駆動シャフト63aとの隙間が、剥離爪対向ローラ63cによって埋められている。
定着ローラ対61、剥離爪62、及び従動ローラ63dは、メイン定着ユニットフレーム65によって支持されている。図3ないし図5に示されているように、メイン定着ユニットフレーム65には、剥離爪支持部65aが設けられている。剥離爪支持部65aは、側断面視にて略U字状に形成されていて、その内部のスリット状の空間内にて剥離爪62の枢軸62aが回動かつ上下動可能になっている。
また、図6に示されているように、メイン定着ユニットフレーム65には、ストッパ65bが設けられている。本実施形態においては、従動ローラ63dは、駆動ローラ63bと接離可能に支持されている。そして、従動ローラ63dの駆動ローラ63bから離間する方向(図6における左上方)への移動量を規制するように、ストッパ65bが設けられている。
駆動シャフト63aは、サブ定着ユニットフレーム66によって支持されている。すなわち、図2に示されているように、駆動シャフト63aの両端部がサブ定着ユニットフレーム66によって回転可能に支持されているとともに、駆動シャフト63aの中央部を回転可能に支持する中間軸受64がサブ定着ユニットフレーム66に固定されている。さらに、図4及び図5に示されているように、サブ定着ユニットフレーム66は、その下端部を中心として、メイン定着ユニットフレーム65に対して開閉可能に構成されている。
<レーザープリンタの動作>
以下、上述の構成を備えたレーザープリンタ1の動作について、図1を参照しつつ説明する。
<<給紙動作>>
フィーダーケース21内にて積載状態で収容された用紙の、用紙搬送方向における下流側の端部が、用紙押圧板22によって、給紙ローラ51に向かって上方に付勢される。これにより、最上位から数枚分の用紙が、給紙ローラ51の周面と接触する。
この状態で、給紙ローラ51が回転駆動されると、当該数枚分の用紙の先端部が移動して、給紙ローラ51と分離パッド23との間で挟まれる。そして、給紙ローラ51の周面と接触している最上位の用紙のみが、給紙ローラ51の回転に伴って、搬送ローラ52に向けて搬送される。
搬送ローラ52によって用紙搬送方向に搬送された用紙の先端がレジストローラ53に突き当てられることにより、用紙の斜行が補正される。その後、所定のタイミングでレジストローラ53が回転駆動されることで、感光体ドラム32と転写ローラ35とが対向する位置である転写位置に向けて用紙が搬送される。このようにして、用紙の斜行の補正及び搬送タイミング調整が行われる。
<<トナー像形成>>
上述のようにして用紙が転写位置に向けて搬送されている間に、感光体ドラム32の周面上に、以下のようにしてトナー像が担持される。
感光体ドラム32の周面は、まず、帯電器33によって一様に帯電される。帯電器33によって帯電された感光体ドラム32の周面は、当該感光体ドラム32の回転方向における下流側に移動しつつ、スキャナユニット4によって用紙幅方向に沿って走査されたレーザービームの照射を受ける。このレーザービームは、画像データに基づいて生成されたものである。すなわち、レーザービームの発光状態(ON/OFFのパルス形状)が、画像データに応じて変調されている。このように変調されたレーザービームが感光体ドラム32の周面上で走査されることにより、当該周面上に静電潜像が形成される。
静電潜像が形成された感光体ドラム32の周面は、その後、現像ローラ34の周面と対向する位置に到達する。ここで、感光体ドラム32の周面と、帯電したトナーが担持された現像ローラ34の周面とが接触又は近接することで、感光体ドラム32の周面上に形成された静電潜像に対応するパターンで、当該周面上にトナーが付着する。すなわち、感光体ドラム32の周面上の静電潜像がトナーにより現像され、トナー像が当該周面上に担持される。
上述のようにして感光体ドラム32の周面上に担持されたトナー像は、上述の転写位置にて、用紙上に転写される。
<<定着・排紙>>
このようにしてトナー像を転写された用紙は、用紙搬送経路PPに沿って定着ユニット6に送られる。そして、この用紙は、加熱ローラ61aと対向ローラ61bとの間で挟まれることで、加圧されつつ加熱される。これにより、用紙の表面上に、トナー像が定着される。その後、用紙は、排紙ローラ54に向けて送られ、排紙口12bから排紙トレイ12a上に排出される。
<実施形態の構成による作用・効果>
次に、上述の実施形態の構成による作用・効果について、各図面を参照しつつ以下に説明する。
本実施形態においては、剥離爪62が、用紙幅方向(加熱ローラ61aの軸方向)と直交する断面視にて、複数の従動ローラ63dと重なるように配置されている。したがって、本実施形態によれば、定着ユニット6の小型化が達成される。
定着ユニット6における、定着ローラ対61と送出ローラ対との間にて、用紙ジャムが発生することがある(この用紙ジャムは定着ユニット6が小型化されるほど発生しやすい)。このとき、本実施形態においては、図4や図5に示されているように、剥離爪62が揺動したり上方にスライドしたりする。これにより、剥離爪62の先端部による加熱ローラ61aの表面の傷付きの発生が可及的に抑制される。
上述のような用紙ジャムが発生した場合、リアカバー13が開放される。そして、使用者によりジャム処理(詰まった用紙の除去)が行われる。比較的軽微なジャムの場合は、サブ定着ユニットフレーム66が開放されていない状態で、ジャム処理が行われる。
このとき、本実施形態においては、駆動シャフト63aの撓み量が大きくなる位置(すなわち長手方向における端部と中央部との中間付近の位置)に設けられた剥離爪62と、駆動シャフト63aとの隙間が、剥離爪対向ローラ63cによって埋められている。
かかる構成によれば、ジャム処理時における、使用者の手指により誤って剥離爪62を加熱ローラ61aへ押圧することで当該加熱ローラ61aを傷つけることや、や、剥離爪62周辺(特に枢軸62a周辺)への異物の混入、等の不具合の発生が、可及的に抑制され得る。したがって、ジャム処理がより適切に行われ得る。
なお、重篤なジャムの場合(異物や紙片が内部に残留したような場合)には、図5に示されているように、サブ定着ユニットフレーム66が開放された状態でジャム処理が行われる。
<変形例の例示列挙>
なお、上述の実施形態は、上述した通り、出願人が取り敢えず本願の出願時点において最良であると考えた本発明の代表的な実施形態を、単に例示したものにすぎない。よって、本発明はもとより上述の実施形態に何ら限定されるものではない。したがって、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、上述の実施形態に対して種々の変形が施され得ることは、当然である。
以下、代表的な変形例について、幾つか例示する。以下の変形例の説明において、上述の実施形態にて説明されているものと同様の構成及び機能を有する部材に対しては、上述の実施形態と同様の符号が用いられ得るものとする。そして、かかる部材の説明については、技術的に矛盾しない範囲内において、上述の実施形態における説明が援用され得るものとする。
もっとも、言うまでもなく、変形例とて、以下に列挙されたもの限定されるものではない。また、複数の変形例が、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜、複合的に適用され得る。
本発明(特に、本発明の課題を解決するための手段を構成する各構成要素における、作用的・機能的に表現されているもの)は、上述の実施形態及び下記変形例の記載に基づいて限定解釈されてはならない。このような限定解釈は、(先願主義の下で出願を急ぐ)出願人の利益を不当に害する反面、模倣者を不当に利するものであって、発明の保護及び利用を目的とする特許法の目的に反し、許されない。
(1)本発明の適用対象は、単色のレーザープリンタに限定されない。例えば、本発明は、カラーのレーザープリンタや、単色及びカラーの複写機等の、いわゆる電子写真方式の画像形成装置に対して、好適に適用され得る。このとき、感光体の形状は、上述の実施形態のようなドラム状でなくてもよい。例えば、平板状や無端ベルト状等であってもよい。
また、フィーダーユニット2、プロセスカートリッジ3、スキャナユニット4等、本発明の本質的部分と関係のない構成は、上述の実施形態にて開示された構成以外の様々な構成を採り得る。例えば、フィーダーユニット2を省略して、用紙を手差しでのみ供給し得るように構成された場合であっても、本発明は好適に適用され得る。
あるいは、本発明は、上述の電子写真方式以外の方式(例えば、感光体を用いないトナージェット方式、イオンフロー方式、マルチスタイラス電極方式、等)の画像形成装置に対しても、好適に適用され得る。
(2)本発明の加熱部材や対向部材の構成は、上述の実施形態に具体的に示された構成に何ら限定されない。すなわち、例えば、加熱ローラ61aに代えて、ゴムあるいは合成樹脂からなるスリーブ状の定着フィルムが用いられ得る。この場合、この定着フィルムに囲まれた内側の空間には、対向ローラ(加圧ローラ)と当該定着フィルムを挟んで対向するように、加熱手段(セラミックヒータ等)が設けられる。この加熱手段は、最大用紙幅に対応する長さで、用紙幅方向(上述のスリーブの軸方向)に延設される。
(3)剥離爪対向ローラ63cは、駆動ローラ63bとは異なる材料によって形成されていてもよい。具体的には、例えば、剥離爪対向ローラ63cは、合成樹脂(好適にはフッ素系)によって形成されていてもよい。
剥離爪対向ローラ63cは、駆動シャフト63a及び駆動ローラ63bと相対的に回転可能になっていてもよい。すなわち、剥離爪対向ローラ63cは、駆動シャフト63aによって回転自在に支持されていてもよい。
(4)その他、際限がないのでいちいち言及しないが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、これら以外の種々の変形が可能である。
また、本発明の課題を解決するための手段を構成する各要素における、作用・機能的に表現されている要素は、上述の実施形態や変形例にて開示されている具体的構造の他、当該作用・機能を実現可能ないかなる構造をも含む。
本発明の一実施形態が適用された画像形成装置の一例であるレーザープリンタの全体構成を示す側断面図である。 図1に示されている定着ユニットの背面図(後側から見た図)である。 図1に示されている定着ユニットを拡大した側断面図である。 図1に示されている定着ユニットを拡大した側断面図である。 図1に示されている定着ユニットを拡大した側断面図である。 図1に示されている定着ユニットを拡大した側断面図(図3ないし図5とは異なる面による断面図)である。
符号の説明
1 … レーザープリンタ
10 … 本体部
11 … 外側カバー
12 … トップカバー
12a … 排紙トレイ
12b … 排紙口
13 … リアカバー
2 … フィーダーユニット
21 … フィーダーケース
22 … 用紙押圧板
23 … 分離パッド
24 … 分離パッド付勢バネ
3 … プロセスカートリッジ
31 … プロセスケース
32 … 感光体ドラム
33 … 帯電器
34 … 現像ローラ
35 … 転写ローラ
4 … スキャナユニット
41 … ポリゴンミラー
42 … ポリゴンモータ
43 … 光学系
5 … 用紙搬送部
51 … 給紙ローラ
52 … 搬送ローラ
53 … レジストローラ
54 … 排紙ローラ
6 … 定着ユニット(定着装置)
61 … 定着ローラ対
61a … 加熱ローラ
61b … 対向ローラ
62 … 剥離爪
62a … 枢軸
63 … 送出ローラ対(送出部)
63a … 駆動シャフト
63b … 駆動ローラ
63c … 剥離爪対向ローラ
63d … 従動ローラ
64 … 中間軸受
65 … メイン定着ユニットフレーム
65a … 剥離爪支持部
65b … ストッパ
66 … サブ定着ユニットフレーム
PP … 用紙搬送経路

Claims (3)

  1. 現像剤による像をシート状の記録媒体に定着し得るように構成された、定着装置において、
    筒形状の加熱部材と、
    前記加熱部材に対向配置された対向部材と、
    前記加熱部材よりも記録媒体の搬送方向における下流側にて前記加熱部材と対向配置され、前記加熱部材から記録媒体を剥離し得るように構成された、剥離爪と、
    前記加熱部材よりも前記搬送方向における下流側に配置されていて、当該加熱部材を経た記録媒体を前記搬送方向に送出するように構成された、送出部と、
    を備え、
    前記送出部は、
    前記搬送経路について前記加熱部材及び前記剥離爪と同じ側に配置されていて、前記剥離爪と前記加熱部材の軸方向における異なる位置にて回転自在に設けられた、複数の従動ローラと、
    前記搬送経路について前記対向部材と同じ側に配置されていて、記録媒体を前記搬送方向に送出するために回転駆動されるように長手方向における両端部にて回転可能に支持された、駆動シャフトと、
    前記駆動シャフトの回転とともに回転するように当該駆動シャフトに固定されていて、複数の前記従動ローラの各々と前記搬送経路を挟んで対向することで記録媒体を前記搬送方向に送出するように設けられた、複数の駆動ローラと、
    前記駆動シャフトの前記長手方向における中央部にて当該駆動シャフトを支持するように設けられた、中間軸受と、
    前記軸方向における、前記駆動ローラ及び前記従動ローラとは異なる位置であって且つ前記剥離爪と同じ位置であって、前記駆動シャフトの前記長手方向における前記両端部と前記中間軸受との中間位置にて、前記剥離爪と対向するように設けられることで、前記駆動シャフトと前記剥離爪との隙間を埋めるように、当該駆動シャフトに装着された、剥離爪対向ローラと、
    を備えたことを特徴とする、定着装置。
  2. 請求項1に記載の定着装置であって、
    前記剥離爪は、前記軸方向と直交する断面視にて、複数の前記従動ローラと重なるように配置されたことを特徴とする、定着装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の定着装置であって、
    前記剥離爪は、枢軸を中心として揺動可能、且つ前記搬送方向及び前記軸方向と直交する方向に沿って前記枢軸がスライド可能に支持されていることを特徴とする、定着装置。
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