JP5492067B2 - コンタクトチップの交換装置 - Google Patents
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Description
この交換装置では、レンチ部とともにコンタクトチップを正逆回転させることで、コンタクトチップのねじ部をトーチのねじ穴に自動で脱着させることができる。
また、ソケットの回転中心からずれた位置で、コンタクトチップがチップ保持穴の長穴形状部に挿入された場合でも、コンタクトチップの下端部がチップ保持穴の位置決め部に嵌合されることによって、コンタクトチップとソケットの回転中心を合わせることができる。
この構成では、パレットを回転させるための駆動装置を必要としないため、交換装置を小型化するとともに、製造コストを低減することができる。
本実施形態の交換装置は、アーク溶接に用いられる溶接機のトーチに取り付けられたコンタクトチップを交換するものである。本実施形態の溶接機では、ロボットアームの先端部にトーチが保持されている。
コンタクトチップ130は、基部よりも先端部が縮径された先細り形状となっている。また、コンタクトチップ130の上端部には、ねじ部131が突設されている。このねじ部131がトーチ本体110の先端面に形成されたねじ穴111に螺合されることで、コンタクトチップ130がトーチ本体110に取り付けられている。
図2(b)に示すように、コンタクトチップ130の外周面上部の両側(図2(b)の上下両側)には、二つの平面部132,132が形成されている。両平面部132,132の間の幅は、コンタクトチップ130の最大径よりも小さくなっている。
この交換装置1は、図8(a)に示すように、ソケット10に保持されたコンタクトチップ130を正逆回転させ、コンタクトチップ130のねじ部131をトーチ本体110のねじ穴111に脱着させることで、トーチ100のコンタクトチップ130を交換するものである。
モータテーブル43は、平板部43aと、平板部43aの上面の略中央部に突設されたシャフト支持部43bと、シャフト支持部43bの上端面に開口したシャフト穴43cに回転自在に挿入されたシャフト44と、を備えている。シャフト44は、円形断面の部材であり、上端部がシャフト穴43cから突出している。
出力軸51は、平板部43aを貫通した穴部を通じて平板部43aの上面側に突出している。出力軸51の上端部には、出力軸51の軸回りに歯面が形成された駆動ギヤ52が取り付けられている。
マイクロスイッチ60の上端部には、上方に付勢された突起部61が設けられており、 突起部61がパレット下板32の下面に当接するように構成されている。
そして、パレット30が回転して、マイクロスイッチ60の直上に凹部32cが移動すると、突起部61が凹部32cに入り込んでスイッチ機構が作動し、マイクロスイッチ60から図示しない制御装置に検出信号が出力される。
ボールプランジャ70の上端部には、上方に付勢されたボール71が設けられており、 ボール71がパレット下板32の下面に当接するように構成されている。
そして、パレット30が回転して、ボールプランジャ70の直上に凹部32cが移動すると、ボール71が凹部32cに入り込んで係合される。これにより、パレット30がボールプランジャ70に保持され、パレット30の回転方向へのずれが防止される。
パレット30を回転させる場合には、パレット30を回転方向に押し出すと、パレット下板32の下面によってボール71が下方に押し込まれ、ボール71と凹部32cの係合状態が解除される。
パレット下板32の上面において、開口部32aの周辺部には、八つのソケットガイド34が等間隔に立設されている(図1参照)。
ソケットガイド34は、円筒状の部材であり、その中心部には上端面に開口した円形のガイド穴34aが形成されている。図5に示すように、ガイド穴34aの底面の中心部には、パレット下板32を貫通したダスト排出穴34bが形成されている。また、ガイド穴34aの上部には、円筒状の無給油ブッシュ35が嵌合されている。
パレット上板31には、図6に示すように、八つのソケット挿通穴31aが周方向に等間隔に形成されている。図1に示すように、各ソケット挿通穴31aは、パレット下板32の各ガイド穴34aの直上でパレット上板31を貫通している。ソケット挿通穴31aは、後記するソケット10の上部が挿通可能であるとともに、図7に示すように、トーチ100の先端部が挿入可能な大きさに形成されている。
本実施形態では、図11に示すように、ロボットアーム200に保持されたトーチ100をパレット回転用部材36に当接させ、ロボットアーム200によってパレット30を回転方向に押し出すことで、パレット30を回転させることができる。
図8(b)に示すように、コンタクトチップ130が長穴形状部11bに挿入されると、コンタクトチップ130の両平面部132,132が長穴形状部11bの両平面に係合し、コンタクトチップ130が長穴形状部11bに対して回転不可となる。
図5に示すように、位置決め部11aと収容穴12との連通部には、ばね受け部材13が設けられている。ばね受け部材13は、位置決め部11aに回転自在に嵌合された円筒状の無給油ブッシュである。ばね受け部材13の下側開口縁部に形成された環状の鍔部が、収容穴12の上端面に係合することで、ばね受け部材13の位置決め部11a側への抜け止めが構成されている。
また、ソケット10とガイド穴34aの底面との間には、弾性部材37が介設されており、ソケット10の下端部はガイド穴34aの底面から離れている。そのため、ソケット10に対して上方から押圧力を付与することで、ソケット10を弾性部材37の弾性力に抗して下方に移動させることができる。
従動ギヤ15は、ソケット10の軸回りに歯面が形成された平歯車であり、ソケット10が交換位置P1(図6参照)に配置されたときに、駆動ギヤ52の歯面に係合するように構成されている。そして、従動ギヤ15を駆動ギヤ52に係合させた状態で、出力軸51を回転させると、その回転力が駆動ギヤ52から従動ギヤ15に伝達され、ソケット10が軸回りに回転する。
前記したモータ50、出力軸51、駆動ギヤ52および従動ギヤ15は、特許請求の範囲におけるソケット回転手段に相当するものである。
まず、図6に示すように、パレット30に保持された八つのソケット10のうち、交換位置P1に配置されたソケット10以外の七つのソケット10に交換用の新しいコンタクトチップ130を挿入する。
このとき、コンタクトチップ130がチップ保持穴11の回転中心からずれたり、コンタクトチップ130がチップ保持穴11に対して傾斜して挿入された場合でも(図10(a)および(b)参照)、コンタクトチップ130の下端部は、図8(a)に示すように、傾斜部11cに案内されて位置決め部11aに挿入されることで、コンタクトチップ130は位置決め部11aに同心に嵌合され、コンタクトチップ130はソケット10の回転中心に位置決めされる。
また、制御装置では、ロボットアーム200(図6参照)に保持されたトーチ100を交換位置P1の直上に移動させ、図7(a)に示すように、トーチ100を下降させることで、コンタクトチップ130の先端部をチップ保持穴11の長穴形状部11bに挿入する。
なお、ソケット10が傾斜した状態でも、駆動ギヤ52と従動ギヤ15の係合状態は維持されるため、ソケット10を回転させることができる。
そして、図8(a)に示すように、コンタクトチップ130は位置決め部11aに同心に嵌合され、コンタクトチップ130がソケット10の回転中心に位置決めされる。
パレット30が回転すると、パレット下板32の下面によって、マイクロスイッチ60の突起部61およびボールプランジャ70のボール71は下方に押し込まれ、突起部61およびボール71とパレット30の凹部32cとの係合状態が解除される。
また、交換位置P1のソケット10の従動ギヤ15は、モータテーブル43に取り付けられた駆動ギヤ52から離れる方向に移動し、従動ギヤ15と駆動ギヤ52の係合状態が解除される。なお、ソケット10は軸回りに回転自在であるため、駆動ギヤ52の回転が固定された状態でも、従動ギヤ15が駆動ギヤ52の歯面に対して回転しながら移動することで、従動ギヤ15は駆動ギヤ52からスムーズに離間する。
また、ボールプランジャ70およびマイクロスイッチ60の直上には、パレット30の凹部34cが配置される。そして、ボールプランジャ70のボール71が凹部32cに係合され、パレット30の回転方向へのずれが防止される。さらに、マイクロスイッチ60の突起部61が凹部32cに入り込み、マイクロスイッチ60から制御装置に検出信号が出力される。
さらに、制御装置は、出力軸51をコンタクトチップ130の取り外し時とは逆向きに回転させ、ソケット10とともにコンタクトチップ130を逆回転させることで、コンタクトチップ130のねじ部131をトーチ本体110のねじ穴111に螺合させる。
また、図10(a)および(b)に示すように、コンタクトチップ130がチップ保持穴11の中心からずれている場合や、コンタクトチップ130がチップ保持穴11に対して傾斜している場合でも、コンタクトチップ130をソケット10の回転中心に位置決めすることができる。
したがって、本実施形態の交換装置1では、コンタクトチップ130がソケット10に対して傾斜したり、ソケット10の回転中心からずれている場合でも、ソケット10にコンタクトチップ130を適正に挿入保持させることができる。また、コンタクトチップ130をトーチ100に取り付けるときにも、ソケット10が傾動することで、コンタクトチップ130とトーチ100の相対的な位置と回転中心を合わせることができる。これにより、コンタクトチップ130を交換するときの作業効率を高めることができる。
例えば、本実施形態では、図8(b)に示すように、コンタクトチップ130の外周面の二箇所に平面部132,132が形成されているが、平面部132の数は限定されるものではない。例えば、一つの平面部132が長穴形状部11bの平面に係合するように構成してもよい。また、コンタクトチップ130の外周面の四方に平面部132を形成した場合には、平面部132が長穴形状部11bに係合し易くなる。
10 ソケット
11 チップ保持穴
11a 位置決め部
11b 長穴形状部
11c 傾斜部
12 収容穴
14 フランジ部
15 従動ギヤ(ソケット回転手段)
30 パレット
31 パレット上板
31a ソケット挿通穴
32 パレット下板
32c 凹部
34 ソケットガイド
34a ガイド穴
34b ダスト排出穴
35 無給油ブッシュ
36 パレット回転用部材
37 弾性部材
40 ベース部材
43 モータテーブル
44 シャフト
50 モータ(ソケット回転手段)
51 出力軸(ソケット回転手段)
52 駆動ギヤ(ソケット回転手段)
60 マイクロスイッチ
70 ボールプランジャ
100 トーチ
110 トーチ本体
120 ノズル
130 コンタクトチップ
131 ねじ部
132 平面部
200 ロボットアーム
Claims (3)
- コンタクトチップが嵌合される筒状のソケットと、
前記ソケットを軸回りに回転させるソケット回転手段と、
前記ソケットの下部が挿入されるガイド穴を有するソケットガイドが形成されたパレットと、
前記ソケットと前記ガイド穴の底面との間に介設された弾性部材と、を備え、
前記ソケットとともに前記コンタクトチップを正逆回転させることで、トーチに対して前記コンタクトチップを脱着させる交換装置であって、
前記ソケットの回転中心には、前記コンタクトチップが挿入されるチップ保持穴が形成され、
前記チップ保持穴の底部には、前記コンタクトチップが同心に嵌合される位置決め部が形成されるとともに、
前記チップ保持穴の開口部には、前記位置決め部よりも拡幅され、前記コンタクトチップの外周面に形成された平面部に係合する長穴形状部が形成されており、
前記ソケットの外径は、前記ガイド穴の内径よりも小さく形成され、前記ソケットが前記ソケットガイドに対して回転および傾動自在であり、
前記ソケット回転手段は、前記ソケットの外周面に形成された従動ギヤと、前記従動ギヤに係合する駆動ギヤと、を有しており、
前記従動ギヤと前記駆動ギヤの係合状態が維持されるように、前記ソケットガイドに対する前記ソケットの傾動範囲が設定されていることを特徴とするコンタクトチップの交換装置。 - コンタクトチップが嵌合される筒状のソケットと、
前記ソケットを軸回りに回転させるソケット回転手段と、
前記ソケットの下部が挿入されるガイド穴を有するソケットガイドが形成されたパレットと、
前記ソケットと前記ガイド穴の底面との間に介設された弾性部材と、を備え、
前記ソケットとともに前記コンタクトチップを正逆回転させることで、トーチに対して前記コンタクトチップを脱着させる交換装置であって、
前記ソケットの回転中心には、前記コンタクトチップが挿入されるチップ保持穴が形成され、
前記チップ保持穴の底部には、前記コンタクトチップが同心に嵌合される位置決め部が形成されるとともに、前記ガイド穴の底面には、前記パレットを貫通したダスト排出穴が形成され、
前記チップ保持穴の開口部には、前記位置決め部よりも拡幅され、前記コンタクトチップの外周面に形成された平面部に係合する長穴形状部が形成されており、
前記ソケットの外径は、前記ガイド穴の内径よりも小さく形成され、前記ソケットが前記ソケットガイドに対して回転および傾動自在であることを特徴とするコンタクトチップの交換装置。 - 前記パレットは、上下方向の軸回りに回転自在であり、
前記パレットの上面には、複数の前記ソケットガイドおよびパレット回転用部材が前記パレットの回転方向に並設されており、
前記トーチを保持するロボットアームによって、前記パレット回転用部材を前記パレットの回転方向に押し出すことで、前記パレットが回転するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンタクトチップの交換装置。
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