以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態の一例を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
[1.1 外観構成]
図1は、本発明に係る電子機器を適用した関数電卓1の概略構成を示す平面図である。
この図に示すように、関数電卓1は、各種キー群を有する入力キー群2と、ディスプレイ3と、を備えている。
入力キー群2は、ユーザから数値や演算記号等の数式構成要素の入力操作を受けたり、各種処理の指示操作を受けたりするためのキー群であり、それぞれ固有の機能を割り当てられた複数のキーを備えている。本実施の形態においては、入力キー群2は、テンキー20や演算記号キー21、カーソルキー22、EXEキー23、削除キー24、ACキー25、シフトキー26、ファンクションキー28等を備えている。
このうち、テンキー20は数値の入力操作を受けるキーであり、演算記号キー21は四則演算の記号や括弧、分数の括線、根号(√)、対数記号、定数(円周率「π」や光速度「c」等)、三角関数記号など、各種演算記号の入力操作を受けるキーである。
カーソルキー22は、ディスプレイ3内で編集対象位置や選択対象位置を示すカーソルを所定の方向に移動させる場合等に押下されるキーであり、本実施の形態においては、上下左右の4方向について入力可能に構成されている。
EXEキー23は、処理の実行指示や決定指示の入力操作を受けるキーであり、例えば数式の入力後には演算処理の実行を指示するキーとして機能するようになっている。削除キー24は、ディスプレイ3に表示されている数値や演算記号などの削除操作を受けるキーである。
ACキー25は、操作時点までの計算を全てクリアする場合などに押下されるキーである。シフトキー26は、各キーの機能を切り替える場合などに他のキーと組み合わせて押下されるキーである。
ファンクションキー28は、所定の処理の実行指示を受ける複数のキーを有しており、本実施の形態においては、それぞれ表面に固有の色(黄色、水色、ピンク、緑色、青色及び赤色)が付された色キー28a〜28fを有している。このうち、色キー28aは、シフトキー26と組み合わせて操作されることにより、後述のグラフ関数処理(図5参照)においてトレース表示処理の実行を指示するトレースキーとして機能するようになっている。また、色キー28bは、シフトキー26と組み合わせて操作されることにより、ディスプレイ3における表示レンジを変更するズームキーとして機能するようになっている。なお、図中で色キー28a〜28fの符号に括弧書きで付された「Y」、「S」、「G」、「P」、「R」、「B」の文字は、キー表面の表示色が黄色(Yellow)、水色(Sky blue)、緑色(Green)、ピンク(Pink)、赤色(Red)、青色(Blue)であることを示している。
ディスプレイ3は、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等により構成されており、入力キー群2などの操作に応じた文字や符号、数式、演算結果などの他、関数電卓1を使用するために必要な各種データを表示するようになっている。ここで、本実施の形態におけるディスプレイ3には、タッチパネル30が表示画面全面に亘って一体的に設けられている。また、図中、ディスプレイ3の表示画面において破線で囲まれている領域は、この領域に対する符号の対応色(「Y」:黄色(Yellow)、「S」:水色(Sky blue)、「G」:緑色(Green)、「P」:ピンク(Pink)、「R」:赤色(Red)、「B」:青色(Blue))によって当該領域内の文字が表示されていることを示している。
[1.2 機能構成]
続いて、関数電卓1の機能構成を説明する。
図2は、関数電卓1の概略的な機能構成を示すブロック図である。
この図に示すように、関数電卓1は、キー入力部14と、表示部15と、RAM(Random Access Memory)12と、記憶部13と、CPU(Central Processing Unit)11と、を備えて構成されている。
キー入力部14は、上述の入力キー群2を備えており、押下されたキーに対応する操作信号をCPU11に出力するようになっている。
表示部15は、上述のディスプレイ3を備えており、CPU11からの表示信号に従って各種情報をディスプレイ3に表示するようになっている。また、この表示部15は、ディスプレイ3と一体的に設けられたタッチパネル30を備えており、表示画面に対する入力ペンの接触位置情報をCPU11に出力するようになっている。
RAM12は、情報を一時的に格納する揮発性のメモリであり、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納する複数のワークエリアを有する。例えば、本実施の形態におけるRAM12は、ワークエリアとして可変係数データテーブル120、係数カラー対応テーブル121及びグラフ式データ記憶領域122を有するようになっている。
可変係数データテーブル120には、図3に示すように、後述のグラフ関数処理(図5参照)において、関数式内の係数のうち、可変係数として設定される係数の係数名と、この係数の取り得る値の個数(関数式のグラフ本数)とが対応付けて格納されるようになっている。
係数カラー対応テーブル121には、図3に示すように、後述のグラフ関数処理(図5参照)において、関数式内の可変係数が取り得る複数の係数値と、各係数値の番号と、係数値を識別するための識別色とが対応付けられて格納されるようになっている。より詳細には、本実施の形態における係数カラー対応テーブル121には、グラフ関数処理において予め係数値番号と識別色との組み合わせが対応付けられて格納され、ユーザ操作に基づいて係数値が設定されると、設定された係数値がこれらの組に対して順に対応付けられて係数カラー対応テーブル121に格納されるようになっている。なお、本実施の形態においては、係数カラー対応テーブル121に格納される識別色は、「黄色」、「水色」、「緑色」、「ピンク」、「赤色」、「青色」、順に繰り返されるようになっている。また、図3では、ユーザにより係数値が変更される前後での係数カラー対応テーブル121を図示している。
グラフ式データ記憶領域122には、図4に示すように、後述のグラフ関数処理(図5参照)において関数式と、その式番号と、関数式内の係数についての情報とが対応付けられて格納されるようになっている。ここで、係数についての情報としては、係数が可変係数である場合には、係数名と、係数値についての変化パラメータ(値の変化範囲及び変化ピッチ。図中の「P」参照)または設定値群(図中の「V」参照)と、グラフ関数処理における所定の時点での処理対象の係数値番号(最新係数値番号)及び係数値(最新係数値)とが用いられている。また、係数が固定係数である場合には、係数についての情報として当該係数の値が用いられており、この係数値がグラフ関数処理におけるステップS11の処理によって固定されたものである場合には、当該係数値に対応する識別色が更に用いられるようになっている。なお、本実施の形態において、数式中の「Y1」など、変数に付された添え字は、式番号を示している。
記憶部13は、ROM(Read Only Memory)等により構成される不揮発性のメモリであり、各種プログラム及び各種データを記憶している。具体的には、記憶部13は、本発明に係るプログラムとしてのグラフ関数処理プログラム130を記憶している。
グラフ関数処理プログラム130は、後述のグラフ関数処理(図5参照)をCPU11に実行させるためのプログラムである。
CPU11は、関数電卓1の各部を中央制御する。具体的には、CPU11は、記憶部13に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM12に展開し、RAM12に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
[1.3 関数電卓の動作]
続いて、関数電卓1の動作について説明する。
図5は、グラフ関数処理の動作を説明するためのフローチャートである。なお、このグラフ関数処理は、ユーザによりタッチパネル30やキー入力部14を介してグラフ関数処理の実行指示が入力されると、記憶部13からグラフ関数処理プログラム130が読み出されてRAM12に適宜展開される結果、当該グラフ関数処理プログラム130とCPU11との協働によって実行される。
この図に示すように、グラフ関数処理においては、まずCPU11は、ユーザによりダイナミックグラフの表示モードが選択されるか否かを判定し、選択されないと判定した場合(ステップS1;No)には、他の処理へ移行する。
また、ステップS1においてダイナミックグラフの表示モードが選択されたと判定した場合(ステップS1;Yes)には、CPU11は、係数を含む関数式をユーザに入力させた後(ステップS2)、値を変化させない係数について係数値をユーザに入力させ(ステップS3)、入力された内容をグラフ式データ記憶領域122に記憶させる。なお、このステップS2において、ユーザは複数の関数式を入力しても良い。更に、複数の関数式を入力する場合には、少なくとも1つの関数式に係数が含まれていれば良く、他の関数式には係数が含まれていても良いし、含まれていなくても良い。
次に、CPU11は、可変な係数の指定操作をユーザに行わせるとともに(ステップS4)、指定された係数の値の変化範囲と、変化ピッチ(間隔)とをユーザに入力させ(ステップS5)、入力された内容を変化パラメータとしてグラフ式データ記憶領域122に記憶させる。更に、CPU11は、係数の変化速度をユーザに入力させる(ステップS6)。
次に、CPU11は、パラメータ変化グラフ描画処理を行う(ステップS7)。
具体的には、図6に示すように、このパラメータ変化グラフ描画処理においてCPU11は、まず係数値設定処理を行う(ステップT1)。
この係数値設定処理においてCPU11は、図7に示すように、まず可変な係数の何れかを指定可変係数として設定し、その係数についての情報(変化パラメータまたは設定値群)をグラフ式データ記憶領域122から読み出すとともに(ステップU1)、その係数の係数名を可変係数データテーブル120に格納させる(ステップU2)。なお、本実施の形態におけるステップU1においてCPU11は、可変な係数が複数ある場合には、アルファベット順に指定可変係数を指定し、残りの可変係数を所定の値(例えば「0」や「1」など)で固定するようになっている。
次に、CPU11は、指定可変係数の変化パラメータにおける変化範囲の下限値、或いは設定値群における最小値を処理対象の係数値として読み出し、係数カラー対応テーブル121に番号「1」の係数値として格納させる(ステップU3)。
次に、CPU11は、指定可変係数についてステップU1で読み出した情報が変化パラメータであるか否か、つまり変化パラメータであるか設定値群であるかを判定し(ステップU4)、変化パラメータであると判定した場合(ステップU4;Yes)には、現時点での処理対象の係数値に変化ピッチを加算して、加算後の値を処理対象の係数値として設定し直すとともに、係数カラー対応テーブル121に次の番号の係数値として格納させる(ステップU5)。
次に、CPU11は、現時点での処理対象の係数値が変化パラメータにおける変化範囲の上限値であるか否かを判定し(ステップU6)、上限値ではないと判定した場合(ステップU6;No)には、上述のステップU5に移行する一方、上限値であると判定した場合(ステップU6;Yes)には、後述のステップU9に移行する。
また、上述のステップU4において読み出し情報が係数の変化パラメータではない、つまり設定値群であると判定した場合(ステップU4;No)には、CPU11は、グラフ式データ記憶領域122における係数値の設定値群から次の係数値を読み出して処理対象の係数値として設定し直すとともに、係数カラー対応テーブル121に次の番号の係数値として格納させる(ステップU7)。
次に、CPU11は、現時点での処理対象の係数値がグラフ式データ記憶領域122の設定値群における最後の係数値であるか否かを判定し(ステップU8)、最後の係数値でないと判定した場合(ステップU8;No)には、上述のステップU7に移行する。
また、ステップU8において現時点での処理対象の係数値がグラフ式データ記憶領域122の設定値群における最後の係数値であると判定した場合(ステップU8;Yes)には、CPU11は、係数カラー対応テーブル121において係数値が格納された最後の番号を指定可変係数のとり得る値の個数、つまり、関数式について描画し得るグラフの本数として可変係数データテーブル120に記憶させ(ステップU9)、係数値設定処理を終了する。
以上の係数値設定処理が終了したら、次にCPU11は、図6に示すように、ディスプレイ3に関数式を表示させる(ステップT2)。なお、このステップT2においてCPU11は、後述のステップS13によって可変係数の係数値が固定された場合には、関数式内で表示される係数のうち、ステップS13によって係数値の固定された係数を、当該係数値で置換し、この係数値に係数カラー対応テーブル121で対応付けられていた識別色で表示させるようになっている。
次に、CPU11は、処理対象の係数値番号を「1」に設定した後(ステップT3)、現時点での処理対象の係数値番号に対応する係数値を係数カラー対応テーブル121から読み出して関数式に代入し、その関数式のグラフを係数値番号に対応する識別色により、破線でディスプレイ3に表示させる(ステップT4)。また、このときCPU11は、関数式に代入された係数の値を、当該係数値に対応する識別色でディスプレイ3に表示させる。なお、後述のステップT6を経て当該ステップT4を複数回行う場合には、CPU11は、各グラフ及び係数値をそれぞれディスプレイ3に表示させる。また、上述のステップS2において複数の関数式が入力されている場合には、このステップT4においてCPU11は各関数式のグラフを表示させる。
次に、CPU11は、処理対象の係数値番号を1つ増やした後(ステップT5)、現時点での処理対象の係数値番号がグラフ本数よりも大きいか否かを判定し(ステップT6)、大きくないと判定した場合(ステップT6;No)には、上述のステップT4に移行する一方、大きいと判定した場合(ステップT6;Yes)には、パラメータ変化グラフ描画処理を終了する。
以上のパラメータ変化グラフ描画処理が終了したら、次にCPU11は、図5に示すように、ダイナミックグラフ描画処理を行う(ステップS8)。
具体的には、図8に示すように、このダイナミックグラフ描画処理においてCPU11は、まず処理対象の係数値番号を「1」に設定した後(ステップV1)、現時点での処理対象の係数値番号に対応する係数値(処理対象の係数値番号で指定される指定係数値)を係数カラー対応テーブル121から読み出して関数式に代入し、その関数式のグラフを当該係数値番号に対応する識別色の実線でディスプレイ3に識別表示させる(ステップV2)。また、このときCPU11は、ディスプレイ3に表示されている指定可変係数と、処理対象の係数値番号の係数値とを実線枠で囲んで識別表示させるとともに、処理対数の係数値番号に対応する識別色で、この指定可変係数を表示させる。
次に、CPU11は、ユーザによりACキー25が操作されるか否かを判定し(ステップV3)、操作されたと判定した場合(ステップV3;Yes)には、現時点で識別表示されているグラフを指定グラフとして指定するとともに、現時点での処理対象の係数値番号と、この係数値番号に対応する係数値とを、最新係数値番号及び最新係数値としてグラフ式データ記憶領域122に対応付けて記憶させた後(ステップV4)、ダイナミックグラフ描画処理を終了する。また、このときCPU11は、関数式をディスプレイ3に表示させるとともに、関数式内の各係数と、係数の値とを対応付けて表示させるようになっており、更にこれらの表示内容のうち、指定可変係数と、その係数値とを、係数値の識別色で識別表示させるようになっている。
また、上述のステップV3においてACキー25が操作されていないと判定した場合(ステップV3;No)には、CPU11は、ファンクションキー28における色キー28a〜28fが操作されるか否かを判定する(ステップV5)。
このステップV5において色キー28a〜28fが操作されたと判定した場合(ステップV5;Yes)には、CPU11は、色キー28a〜28fによる指定色で表示されているグラフを指定グラフとして指定するとともに、指定色に対応する係数値と、その係数値番号とを、最新係数値及び最新係数値番号としてグラフ式データ記憶領域122に対応付けて記憶させた後(ステップV6)、ダイナミックグラフ描画処理を終了する。また、このときCPU11は、関数式をディスプレイ3に表示させるとともに、関数式内の各係数と、係数の値とを対応付けて表示させるようになっており、更にこれらの表示内容のうち、指定可変係数と、その係数値とを、係数値の識別色で識別表示させるようになっている。
また、上述のステップV5において色キー28a〜28fが操作されていないと判定した場合(ステップV5;No)には、CPU11は、現時点での処理対象の係数値番号がグラフ本数と同じであるか否かを判定する(ステップV7)。
このステップV7において処理対象の係数値番号がグラフ本数と同じではないと判定した場合(ステップV7;No)には、CPU11は、現時点で実線描画されているグラフを破線で描画し直すとともに、処理対象の係数値番号を1つ増やした後(ステップV8)、上述のステップV2に移行する。
また、ステップV7において現時点での処理対象の係数値番号がグラフ本数と同じであると判定した場合(ステップV7;Yes)には、CPU11は、現時点で実線描画されているグラフを破線で描画し直すとともに、処理対象の係数値番号を1つ減らす(ステップV11)。
次に、CPU11は、現時点での処理対象の係数値番号に対応する係数値(処理対象の係数値番号で指定される指定係数値)を係数カラー対応テーブル121から読み出して関数式に代入し、その関数式のグラフを当該係数値番号に対応する識別色の実線でディスプレイ3に識別表示させる(ステップV12)。また、このときCPU11は、ディスプレイ3に表示されている指定可変係数と、処理対象の係数値番号の係数値とを実線枠で囲んで識別表示させるとともに、処理対数の係数値番号に対応する識別色で、この指定可変係数を表示させる。
次に、CPU11は、ユーザによりACキー25が操作されるか否かを判定し(ステップV13)、操作されたと判定した場合(ステップV13;Yes)には、上述のステップV4に移行する。
また、上述のステップV13においてACキー25が操作されていないと判定した場合(ステップV13;No)には、CPU11は、色キー28a〜28fが操作されるか否かを判定する(ステップV15)。
このステップV15において色キー28a〜28fが操作されたと判定した場合(ステップV15;Yes)には、CPU11は、上述のステップV6に移行する。
また、上述のステップV15において色キー28a〜28fが操作されていないと判定した場合(ステップV15;No)には、CPU11は、現時点での処理対象の係数値番号が「1」であるか否かを判定し(ステップV17)、「1」ではないと判定した場合(ステップV17;No)には上述のステップV11に移行する一方、「1」であると判定した場合(ステップV17;Yes)には、上述のステップV2に移行する。
以上のダイナミックグラフ描画処理により、係数カラー対応テーブル121における何れかの係数値が順に指定係数値として指定され、当該指定係数値の代入された関数式のグラフが、当該指定係数値に対応する識別色で表示されることとなる。
このダイナミックグラフ描画処理が終了したら、次にCPU11は、図5に示すように、直前に操作されたキーが色キー28a〜28fであるか否かを判定し(ステップS9)、色キー28a〜28fではないと判定した場合(ステップS9;No)には、直前に操作されたキーがACキー25であるか否かを判定する(ステップS10)。
このステップS10において直前に操作されたキーがACキー25でないと判定した場合(ステップS10;No)には、CPU11は、他の処理へ移行する。
また、ステップS9,S10の何れかにおいて直前に操作されたキーが色キー28a〜28fまたはACキー25であると判定した場合(ステップS9,S10;Yes)には、CPU11は、指定可変係数についての係数値のうち、色キー28a〜28fまたはACキー25で指定された係数値(グラフ式データ記憶領域122に記憶された最新係数値)に対応するグラフ、つまり指定グラフを太線で識別表示させる(ステップS11)。なお、このステップS11において色キー28a〜28fの識別色に対応する係数値が複数ある場合には、CPU11は、所定のキー操作に応じて、係数値番号の小さい順に該当色のグラフを太字で表示させるようになっている。
次に、CPU11は、可変指定係数を変更する旨の操作が行われるか否かを判定し(ステップS12)、行われたと判定した場合(ステップS12;Yes)には、現時点での可変指定係数に対して、現時点での最新係数値と、対応するグラフの識別色とを対応付けてグラフ式データ記憶領域122に記憶させた後(ステップS13)、上述のステップS4に移行する。これにより、可変係数の係数値が指定グラフに対応する係数値で固定されるとともに、関数式における他の係数を新たに可変係数として設定し、当該可変係数に対し変化パラメータを設定することが可能となる。
また、ステップS12において可変指定係数を変更する旨の操作が行われないと判定した場合(ステップS12;No)には、CPU11は、演算記号キー21における「+」キー及び「−」キーの何れかが操作されるか否かを判定する(ステップS21)。
このステップS21において「+」キー及び「−」キーの何れかが操作されたと判定した場合(ステップS21;Yes)には、CPU11は、グラフ式データ記憶領域122における可変指定係数の最新係数値を増減量「Δ」だけ増減させた後(ステップS22)、増減後の最新係数値を関数式に代入して、その関数式のグラフを最新係数値番号に対応する識別色で再描画させ(ステップS23)、上述のステップS21に移行する。また、このとき、CPU11は、ディスプレイ3に表示されていた増減前の係数値を増減後の係数値に置換して表示させるとともに、「+」キー及び「−」キーの操作による係数値の増減量「Δ」の値をディスプレイ3に表示させる。更に、このときCPU11は、係数値を増減させた後に係数カラー対応テーブル121に格納されている複数の係数値を、係数値の設定値群としてグラフ式データ記憶領域122に記憶させる。なおステップS22においてCPU11は、係数値の増減量「Δ」のデフォルト値として、係数の変化パラメータにおける変化ピッチを「2」で割った値を用いるようになっている。
また、ステップS21において演算記号キー21における「+」キー及び「−」キーの何れも操作されないと判定した場合(ステップS21;No)には、CPU11は、演算記号キー21における「×」キー及び「÷」キーの何れかが操作されるか否かを判定する(ステップS31)。
このステップS31において「×」キー及び「÷」キーの何れかが操作されたと判定した場合(ステップS31;Yes)には、CPU11は、係数値の増減量「Δ」を2倍または2分の1に変更して増減量「Δ」の値をディスプレイ3に表示させた後(ステップS32)、上述のステップS21に移行する。
また、ステップS31において演算記号キー21における「×」キー及び「÷」キーの何れも操作されないと判定した場合(ステップS31;No)には、CPU11は、ズームキー(シフトキー26及び色キー28b)が操作されるか否かを判定する(ステップS33)。
このステップS33においてズームキーが操作されたと判定した場合(ステップS33;Yes)には、CPU11は、ディスプレイ3における表示レンジを所定の倍率で拡大または縮小して再設定し(ステップS34)、再設定された表示レンジで関数式の各グラフを再描画した後(ステップS35)、上述のステップS21に移行する。
また、ステップS33においてズームキーが操作されないと判定した場合(ステップS33;No)には、CPU11は、トレースキー(シフトキー26及び色キー28a)が操作されるか否かを判定し(ステップS40)、操作されないと判定した場合(ステップS40;No)には、他の処理へ移行する。
また、ステップS40においてトレースキーが操作されたと判定した場合(ステップS40;Yes)には、CPU11は、トレース表示処理を行った後(ステップS41)、上述のステップS21に移行する。
具体的には、図9に示すように、このトレース表示処理においてCPU11は、まず現時点での指定可変係数の値を最新係数値として関数式に代入したグラフ、つまり指定グラフ上に、トレースポインタT(図16(c)参照)を表示させる(ステップW1)。なお、本実施の形態においては、このステップW1においてCPU11は、指定グラフ上の各点のうち、X軸方向における中央点にトレースポインタTを表示させるようになっている。また、このステップW1においてCPU11は、トレースポインタTの座標をディスプレイ3の下部に表示させるようになっている。
次に、CPU11は、カーソルキー22における左右キーが操作されるか否かを判定し(ステップW2)、操作されたと判定した場合(ステップW2;Yes)には、トレースポインタTを指定グラフ上で左右方向に移動させた後(ステップW3)、上述のステップW2に移行する。また、このステップW3においてCPU11は、移動後のトレースポインタTの座標をディスプレイ3の下部に表示させるようになっている。
また、ステップW2においてカーソルキー22における左右キーが操作されないと判定した場合(ステップW2;No)には、CPU11は、上下キーが操作されるか否かを判定する(ステップW4)。
このステップW4において上下キーが操作されたと判定した場合(ステップW4;Yes)には、CPU11は、指定グラフをトレースポインタTの上方向または下方向に位置するグラフに切り替えた後(ステップW5)、切り替え後の指定グラフ上にトレースポインタTを表示させ(ステップW6)、上述のステップW2に移行する。なお、このステップW6においてCPU11は、切り替え前後でのトレースポインタTのX座標を変化させないようになっている。また、このステップW6においてCPU11は、切り替え後のトレースポインタTの座標をディスプレイ3の下部に表示させるとともに、切り替え後の指定グラフの関数式をディスプレイ3に表示させるようになっている。
また、上述のステップW4において上下キーが操作されないと判定した場合(ステップW4;No)には、CPU11は、色キー28a〜28fが操作されるか否かを判定し(ステップW7)、操作されないと判定した場合(ステップW7;No)には、他の処理へ移行する。
また、ステップW7において色キー28a〜28fが操作されたと判定した場合(ステップW7;Yes)には、CPU11は、指定グラフを色キー28a〜28fの識別色で指定されるグラフに切り替えた後(ステップW8)、上述のステップW6に移行する。
[1.4 動作例]
続いて、図面を参照しつつ、上述した関数電卓1の動作を具体的に説明する。
(動作例1)
まず、図10(a),(b)に示すように、ユーザがダイナミックグラフの表示モードを選択し(ステップS1;Yes)、係数を含む関数式「Y1=AX2+BX+C」を入力した後(ステップS2)、値を変化させない係数「B」,「C」について係数値「0」を入力すると(ステップS3)、入力された内容がグラフ式データ記憶領域122に記憶される。また、ユーザが係数「A」を可変係数として指定操作を行い(ステップS4)、指定された係数の値の変化範囲「−2」〜「+2」と、変化ピッチ「1」とを入力すると(ステップS5)、入力された内容が変化パラメータとしてグラフ式データ記憶領域122に記憶される(図4(a)参照)。
次に、図3に示すように、可変係数「A」が指定可変係数として設定され、その係数「A」についての情報(変化パラメータまたは設定値群)がグラフ式データ記憶領域122から読み出されるとともに(ステップU1)、その係数の係数名「A」が可変係数データテーブル120に格納される(ステップU2)。
次に、指定可変係数「A」の変化パラメータにおける変化範囲「−2」〜「+2」の下限値「−2」が処理対象の係数値として読み出され、係数カラー対応テーブル121に番号「1」かつ表示色「黄色」の係数値として格納される(ステップU3)。
次に、指定可変係数「A」についてステップU1で読み出した情報が変化パラメータであると判定され(ステップU4;Yes)、現時点での処理対象の係数値「−2」に変化ピッチ「1」が加算されて、加算後の値「−1」が処理対象の係数値として設定し直され、係数カラー対応テーブル121に番号「2」かつ表示色「水色」の係数値として格納される(ステップU5)。
以降、同様にして、係数カラー対応テーブル121における番号「3」かつ表示色「緑色」の係数値として「0」が格納され、番号「4」かつ表示色「ピンク」の係数値として「1」が格納され、番号「5」かつ表示色「赤色」の係数値として「2」が格納される(ステップU5)。
そして、処理対象の係数値「2」が変化パラメータにおける変化範囲「−2」〜「+2」の上限値であると判定され(ステップU6;Yes)、係数カラー対応テーブル121において係数値が格納された最後の番号「5」が指定可変係数「A」のとり得る値の個数、つまり、関数式について描画し得るグラフの本数として可変係数データテーブル120に記憶される(ステップU9)。
次に、図10(c)に示すように、ディスプレイ3に関数式が表示される(ステップT2)。また、処理対象の係数値番号が「1」に設定され(ステップT3)、現時点での処理対象の係数値番号「1」に対応する係数値「−2」が係数カラー対応テーブル121から読み出されて関数式「Y1=AX2+BX+C」(但し、係数「B」,「C」の値は「0」)に代入され、その関数式「Y1=−2X2」のグラフが当該係数値番号「1」に対応する識別色「黄色」により破線でディスプレイ3に表示される(ステップT4)。また、このとき関数式に代入された係数の値「−2」が識別色「黄色」でディスプレイ3に表示される。なお、この図10(c)や、後述の図10(d)等において、各グラフに付された「Y」、「S」、「G」、「P」、「R」、「B」の記号は、そのグラフの表示色が黄色(Yellow)、水色(Sky blue)、ピンク(Pink)、緑色(Green)、青色(Blue)、赤色(Red)であることを示している。
次に、処理対象の係数値番号が1つ増やされた後(ステップT5)、現時点での処理対象の係数値番号「2」がグラフ本数よりも大きくないと判定された後(ステップT6;No)、同様にして、処理対象の係数値番号「2」に対応する係数値「−1」が係数カラー対応テーブル121から読み出されて関数式「Y1=AX2+BX+C」(但し、係数「B」,「C」の値は「0」)に代入され、その関数式「Y1=−X2」のグラフが当該係数値番号「−1」に対応する識別色「水色」により、破線でディスプレイ3に表示される(ステップT4)。また、このとき関数式に代入された係数の値「−1」が識別色「水色」でディスプレイ3に表示される。
以降、同様にして、処理対象の係数値番号「3」〜「5」に対応する係数値「0」,「1」,「2」が係数カラー対応テーブル121から読み出されて関数式「Y1=AX2+BX+C」(但し、係数「B」,「C」の値は「0」)に代入され、その関数式「Y1=0X2」,「Y1=X2」,「Y1=2X2」のグラフが当該係数値番号「3」〜「5」に対応する識別色「緑色」,「ピンク」,「赤色」により、破線でディスプレイ3に表示される(ステップT4)。また、このとき関数式に代入された係数の値「0」,「1」,「2」が識別色「緑色」,「ピンク」,「赤色」でディスプレイ3に表示される。
次に、処理対象の係数値番号が「1」に設定された後(ステップV1)、現時点での処理対象の係数値番号「1」に対応する係数値「−2」が係数カラー対応テーブル121から読み出されて関数式「Y1=AX2+BX+C」(但し、係数「B」,「C」の値は「0」)に代入され、その関数式「Y1=−2X2」のグラフが当該係数値番号「1」に対応する識別色「黄色」の実線でディスプレイ3に識別表示される(ステップV2)。また、このときディスプレイ3に表示されている指定可変係数「A」と、処理対象の係数値番号「1」の係数値「−2」とが実線枠で囲まれて識別表示されるとともに、指定可変係数「A」が識別色「黄色」で表示される。
次に、現時点での処理対象の係数値番号「1」がグラフ本数「5」と同じではないと判定され(ステップV7;No)、現時点で実線描画されている「Y1=−2X2」のグラフが破線で描画し直されるとともに、処理対象の係数値番号が1つ増やされた後(ステップV8)、図10(d)に示すように、処理対象の係数値番号「2」に対応する係数値「−1」が係数カラー対応テーブル121から読み出されて関数式「Y1=AX2+BX+C」(但し、係数「B」,「C」の値は「0」)に代入され、その関数式「Y1=−X2」のグラフが当該係数値番号「2」に対応する識別色「水色」の実線でディスプレイ3に識別表示される(ステップV2)。また、このときディスプレイ3に表示されている指定可変係数「A」と、処理対象の係数値番号「2」の係数値「−1」とが実線枠で囲まれて識別表示されるとともに、指定可変係数「A」が識別色「水色」で表示される。
以降、同様にして、図11(a)〜(c)に示すように、処理対象の係数値番号「3」,「4」,「5」に対応する係数値「0」,「1」,「2」が係数カラー対応テーブル121から読み出されて関数式「Y1=AX2+BX+C」(但し、係数「B」,「C」の値は「0」)に代入され、その関数式「Y1=0X2」,「Y1=X2」,「Y1=2X2」のグラフが当該係数値番号「3」,「4」,「5」に対応する識別色「緑色」,「ピンク」,「赤色」の実線でディスプレイ3に識別表示される(ステップV2)。また、このときディスプレイ3に表示されている指定可変係数「A」と、処理対象の係数値番号「3」,「4」,「5」の係数値「0」,「1」,「2」とが実線枠で囲まれて識別表示されるとともに、指定可変係数「A」が識別色「緑色」,「ピンク」,「赤色」で表示される。
更に、現時点での処理対象の係数値番号「5」がグラフ本数「5」と同じであると判定され(ステップV7;Yes)、現時点で実線描画されているグラフが破線で描画し直されるとともに、処理対象の係数値番号が1つ減らされた後(ステップV11)、上述の図11(b)に示すように、関数式「Y1=X2」のグラフが当該係数値番号「4」に対応する識別色「ピンク」の実線でディスプレイ3に識別表示される(ステップV2)。また、このときディスプレイ3に表示されている指定可変係数「A」と、処理対象の係数値番号「4」の係数値「1」とが実線枠で囲まれて識別表示されるとともに、指定可変係数「A」が識別色「ピンク」で表示される。
以降、同様にして、上述の図10(c),(d),図11(a)に示すように、処理対象の係数値番号「3」,「2」,「1」に対応する係数値「0」,「−1」,「−2」が係数カラー対応テーブル121から読み出されて関数式「Y1=AX2+BX+C」(但し、係数「B」,「C」の値は「0」)に代入され、その関数式「Y1=0X2」,「Y1=−X2」,「Y1=−2X2」のグラフが当該係数値番号「3」,「2」,「1」に対応する識別色「緑色」,「水色」,「黄色」の実線でディスプレイ3に識別表示される(ステップV2)。また、このときディスプレイ3に表示されている指定可変係数「A」と、処理対象の係数値番号「3」,「2」,「1」の係数値「0」,「−1」,「−2」とが実線枠で囲まれて識別表示されるとともに、指定可変係数「A」が識別色「緑色」,「水色」,「黄色」で表示される。
そして、上述の図11(c)の内容が表示されている時点でユーザがACキー25を操作すると(ステップV3;Yes)、図4(a)に示すように、識別表示されている「Y1=2X2」のグラフが指定グラフとして指定されるとともに、処理対象の係数値番号「5」と、この係数値番号に対応する係数値「2」とが最新係数値番号及び最新係数値としてグラフ式データ記憶領域122に対応付けて記憶される(ステップV4)。また、図12(a)に示すように、このとき関数式「Y1=AX2+BX+C」が表示されるとともに、各係数と係数値とが対応付けて表示され、指定可変係数「A」と、その係数値「2」とが識別色「赤色」で識別表示される。
次に、ユーザが可変指定係数を変更する旨の操作を行うと(ステップS12;Yes)、現時点での可変指定係数「A」に対して、現時点での最新係数値「2」と、対応するグラフの識別色「赤色」とが対応付けられてグラフ式データ記憶領域122に記憶される(ステップS13)。
次に、上記と同様にして、ユーザが係数「B」を可変係数として指定操作を行い(ステップS4)、指定された係数の値の変化範囲「−2」〜「+2」と、変化ピッチ「1」とを入力すると(ステップS5)、図12(b)に示すように、変化パラメータに基づく各係数値「−2」,「−1」,「0」,「1」,「2」が係数値番号によって順に指定され、その係数値の代入された関数式「Y1=2X2−2X+C」,「Y1=2X2−X+C」,「Y1=2X2+C」,「Y1=2X2+X+C」,「Y1=2X2+2X+C」のグラフが識別色「黄色」,「水色」,「緑色」,「ピンク」,「赤色」の実線で順に識別表示される。
そして、図12(b)の内容が表示されている時点、つまり、処理対象の係数値番号「1」に対応する係数値「−2」が係数カラー対応テーブル121から読み出されて関数式「Y1=AX2+BX+C」(但し、係数「A」の値は「2」,係数「C」の値は「0」)に代入され、その関数式「Y1=2X2−2X」のグラフが当該係数値番号「1」に対応する識別色「黄色」の実線でディスプレイ3に識別表示されている時点で、ユーザがACキー25を操作すると(ステップV3;Yes)、識別表示されている「Y1=2X2−2X」のグラフが指定グラフとして指定されるとともに、処理対象の係数値番号「1」と、この係数値番号に対応する係数値「−2」とが最新係数値番号及び最新係数値としてグラフ式データ記憶領域122に対応付けて記憶される(ステップV4)。また、図12(c)に示すように、このとき関数式「Y1=AX2+BX+C」が表示されるとともに、各係数と係数値とが対応付けられて表示され、係数「A」と、その係数値「2」とが識別色「赤色」で、係数「B」と、その係数値「−2」とが識別色「黄色」で、それぞれ識別表示される。
次に、ユーザが可変指定係数を変更する旨の操作を行うと(ステップS12;Yes)、現時点での可変指定係数「B」に対して、現時点での最新係数値「−2」と、対応するグラフの識別色「黄色」とが対応付けられてグラフ式データ記憶領域122に記憶される(ステップS13)。
次に、上記と同様にして、ユーザが係数「C」を可変係数として指定操作を行い(ステップS4)、指定された係数の値の変化範囲「−2」〜「+2」と、変化ピッチ「1」とを入力すると(ステップS5)、図13(a),(b)に示すように、変化パラメータに基づく各係数値「−2」,「−1」,「0」,「1」,「2」が係数値番号によって順に指定され、その係数値の代入された関数式「Y1=2X2−2X−2」,「Y1=2X2−2X−1」,「Y1=2X2−2X」,「Y1=2X2−2X+1」,「Y1=2X2−2X+2」のグラフが識別色「黄色」,「水色」,「緑色」,「ピンク」,「赤色」の実線で順に識別表示される。
そして、図13(b)の内容が表示されている時点、つまり、処理対象の係数値番号「4」に対応する係数値「1」が係数カラー対応テーブル121から読み出されて関数式「Y1=AX2+BX+C」(但し、係数「A」の値は「2」,係数「B」の値は「−2」)に代入され、その関数式「Y1=2X2−2X+1」のグラフが当該係数値番号「4」に対応する識別色「ピンク」の実線でディスプレイ3に識別表示されている時点で、ユーザがACキー25を操作すると(ステップV3;Yes)、現時点で識別表示されている「Y1=2X2−2X+1」のグラフが指定グラフとして指定されるとともに、現時点での処理対象の係数値番号「4」と、この係数値番号に対応する係数値「1」とが最新係数値番号及び最新係数値としてグラフ式データ記憶領域122に対応付けて記憶される(ステップV4)。また、図13(c)に示すように、このとき関数式「Y1=AX2+BX+C」が表示されるとともに、各係数と係数値とが対応付けられて表示され、係数「A」と、その係数値「2」とが識別色「赤色」で、係数「B」と、その係数値「−2」とが識別色「黄色」で、係数「C」と、その係数値「1」とが識別色「ピンク」で、それぞれ識別表示される。
(動作例2)
まず、図14(a),(b)に示すように、ユーザがダイナミックグラフの表示モードを選択し(ステップS1;Yes)、係数を含む関数式「Y1=X2+A」と、関数式「Y2=(3/2)X」とを入力した後(ステップS2)、ユーザが係数「A」を可変係数として指定操作を行い(ステップS4)、指定された係数の値の変化範囲「−2」〜「+2」と、変化ピッチ「1」とを入力すると(ステップS5)、入力された内容が変化パラメータとしてグラフ式データ記憶領域122に記憶される(図4(b)参照)。
次に、図14(c),(d)に示すように、上記と同様にして、変化パラメータに基づく各係数値「−2」,「−1」,「0」,「1」,「2」が係数値番号によって順に指定され、その係数値の代入された関数式「Y1=X2−2」,「Y1=X2−1」,「Y1=X2」,「Y1=X2+1」,「Y1=X2+2」のグラフが識別色「黄色」,「水色」,「緑色」,「ピンク」,「赤色」の実線で順に識別表示される。また、関数式「Y2=(3/2)X」のグラフが表示される。
そして、ユーザが色キー28d(表示色:ピンク)を操作すると(ステップV5;Yes)、指定色「ピンク」で表示されている「Y1=X2+1」のグラフが指定グラフとして指定されるとともに、図4(b)に示すように、指定色に対応する係数値「1」と、その係数値番号「4」とが、最新係数値及び最新係数値番号としてグラフ式データ記憶領域122に対応付けて記憶される(ステップV6)。
次に、図15(a)に示すように、直前に操作されたキーが色キー28d(表示色:ピンク)であると判定され(ステップS9;Yes)、ディスプレイ3に表示されているグラフのうち、色キー28dで指定された「Y1=X2+1」のグラフが太線で識別表示される(ステップS11)。
次に、ユーザが演算記号キー21における「+」キーを操作すると(ステップS21;Yes)、図15(b)に示すように、グラフ式データ記憶領域122における可変指定係数「A」の最新係数値「1」が増減量「Δ=1/2」(=(変化ピッチ「1」)/2)だけ加算された後(ステップS22)、加算後の最新係数値「3/2」が関数式「Y1=X2+A」に代入されて、その関数式「Y1=X2+3/2」のグラフが最新係数値番号「4」に対応する識別色「ピンク」で再描画される(ステップS23)。また、このとき、ディスプレイ3に表示されていた加算前の係数値「1」が加算後の係数値「3/2」に置換されて表示されるとともに、「+」キー及び「−」キーの操作による係数値の増減量「Δ=1/2」がディスプレイ3に表示される。更に、このとき、図4(c)に示すように、係数値を加算した後に係数カラー対応テーブル121に格納されている複数の係数値「−2」,「−1」,「0」,「3/2」,「2」が係数値の設定値群としてグラフ式データ記憶領域122に記憶される。
次に、ユーザが演算記号キー21における「−」キーを2回操作すると(ステップS21;Yes)、図15(c)に示すように、グラフ式データ記憶領域122における可変指定係数「A」の最新係数値「3/2」が増減量「Δ=1/2」(=(変化ピッチ「1」)/2)だけ2回減算された後(ステップS22)、減算後の最新係数値「1/2」が関数式「Y1=X2+A」に代入されて、その関数式「Y1=X2+1/2」のグラフが最新係数値番号「4」に対応する識別色「ピンク」で再描画される(ステップS23)。また、このとき、ディスプレイ3に表示されていた減算前の係数値「3/2」が減算後の係数値「1/2」に置換されて表示される。更に、このとき、係数値を増加させた後に係数カラー対応テーブル121に格納されている複数の係数値「−2」,「−1」,「0」,「1/2」,「2」が係数値の設定値群としてグラフ式データ記憶領域122に記憶される。
次に、ユーザが演算記号キー21における「÷」キーを3回操作すると(ステップS31;Yes)、図16(a)に示すように、係数値の増減量「Δ=1/2」が2分の1に3回変更されて変更後の増減量「Δ=1/16」が表示される(ステップS32)。
次に、ユーザが演算記号キー21における「+」キーを操作すると(ステップS21;Yes)、図16(b)に示すように、グラフ式データ記憶領域122における可変指定係数「A」の最新係数値「1/2」が増減量「Δ=1/16」だけ加算された後(ステップS22)、加算後の最新係数値「9/16」が関数式「Y1=X2+A」に代入されて、その関数式「Y1=X2+9/16」のグラフが最新係数値番号「4」に対応する識別色「ピンク」で再描画される(ステップS23)。また、このとき、ディスプレイ3に表示されていた加算前の係数値「1/2」が加算後の係数値「9/16」に置換されて表示される。
次に、ユーザがズームキーを操作すると(ステップS33;Yes)、図16(c)に示すように、各グラフが1/2の表示レンジで再描画される、つまり2倍に拡大されて再描画される(ステップS35)。
次に、ユーザがトレースキーを操作すると(ステップS40;Yes)、指定グラフ「Y1=X2+9/16」上に、トレースポインタTが表示され(ステップW1)、ユーザがカーソルキー22における左右キーを操作すると(ステップW2;Yes)、トレースポインタTが指定グラフ上で左右方向に移動して、トレースポインタTの座標がディスプレイ3の下部に表示される。
そして、図16(c)の状態からユーザがカーソルキー22における上キーを操作すると(ステップW4;Yes)、指定グラフがトレースポインタTの上方向に位置する「Y2=(3/2)X」のグラフに切り替えられ(ステップW5)、切り替え後の指定グラフ上にトレースポインタTが表示される(ステップW6)。また、このとき、切り替え後のトレースポインタTの座標がディスプレイ3の下部に表示されるとともに、切り替え後の指定グラフの関数式「Y2=(3/2)X」がディスプレイ3に表示される。
以上、本実施の形態によれば、図6のステップT4や図8、図10〜図16等に示したように、変化パラメータに基づく各係数値が当該係数値に対応する識別色で表示されるとともに、各係数値のうち、何れかの係数値が順に指定係数値として指定され、当該指定係数値の代入された関数式のグラフが指定係数値に対応する識別色で表示されるので、係数を変化させた場合の各関数式のグラフを同時に表示させた場合でも、識別色によって係数値とグラフとの対応関係を容易に理解することができる。
また、図5のステップS13や図12(b),(c)、図13等に示したように、ユーザ操作に基づいて、可変係数の係数値が指定グラフに対応する係数値で固定されると、係数値の固定された係数と、当該係数値とが対応付けられて、この係数値に対応していた識別色で表示されるので、値の固定された係数を関数式内で容易に識別するとともに、当該係数の係数値を容易に確認することができる。
また、図5のステップS21〜S23や図15等に示したように、指定グラフに対応する可変係数の係数値がユーザ操作に基づいて変更されるとともに、変更後の係数値の代入された関数式のグラフが表示されるので、グラフの形状を確認しながら係数値を変更することができる。
なお、上記の実施の形態における関数電卓1の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
例えば、本発明に係るグラフ表示装置を関数電卓1として説明したが、本発明が適用可能なものは、このような製品に限定されず、携帯電話、パソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機などの電子機器全般に適用可能である。また、本発明に係るグラフ関数処理プログラム130は、関数電卓1に対して着脱可能なメモリカード、CD等に記憶されることとしてもよい。
また、係数値やグラフの識別色を「黄色」や「水色」などの有彩色として説明したが、明度(階調)の異なる「灰色」等の無彩色としても良い。
また、ステップS2の処理ではユーザが入力キー群2を介して記号式を入力することとして説明したが、タッチパネル30を介して入力することとしても良い。