JP5487975B2 - 潤滑油剤 - Google Patents
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Description
また、各種産業用潤滑油分野においては、近年、省エネルギー・省燃費を達成するために、摩擦を低減することが潤滑油組成物の重要な働きであるが、高粘度の潤滑油組成物を使用すると、潤滑油組成物の供給に用いるポンプに負荷がかかったり、潤滑油組成物の攪拌損失の増加を招くという不都合が生じる。これらの問題を解決するために、通常、潤滑油組成物の低粘度化が図られているが、従来の方法により低粘度化された潤滑油組成物は、特に、高温雰囲気下で使用される場合、潤滑油組成物の蒸発損失が起こるという問題がある。また、潤滑油組成物の低粘度化に伴い、潤滑部分の摩擦係数が増大するという問題がある。
また近年、自動車、パソコン等の産業機器が広く普及し、過酷な環境での使用が拡大している。自動車の使用環境を考慮すると、寒冷地から炎天下までの使用に耐えるものでなければならない。従って、車載機器に用いられる潤滑油剤も、−50〜200℃といった広い温度範囲で問題なく使用できるものであることが要求される。そのため、常温領域で低粘度であり、また特に低温領域での粘度が低く、しかも高温下での蒸発減量が少ない潤滑油剤が要求されている。
このような特性を有する潤滑油剤としては、オレフィン系、またはジエステル系、またはネオペンチルポリオールエステル系の合成油、またはスクワラン、またはナフテン系鉱油のうちのいずれか1種類、またはそれらの混合油を基油とし、ウレア化合物を増稠剤としたグリース(特許文献1参照)、トリメチロールプロパンの脂肪酸トリエステルを基油とし、ヒンダードフェノール系酸化防止剤及びベンゾトリアゾール誘導体を含有するもの(特許文献2参照)、フェニル基を有する特定のモノカルボン酸エステル及び/又は特定のジカルボン酸ジエステルを基油とするもの(特許文献3参照)、スクアランまたはトリメチロールプロパンエステルを単一基油とするもの(特許文献4参照)、炭酸エステルを基油とし、硫黄含有フェノール系酸化防止剤及び亜鉛系極圧剤を含有するもの(特許文献5参照)、特定の炭酸エステルを基油とし、フェノール系酸化防止剤を含有するもの(特許文献6参照)等が提案されているが、十分に要求を満足することができていない。
今後、大容量情報の高速処理や、さらなる機器のコンパクト化等の要求が、益々強くなるものと考えられる。また、従来、音響機器やパソコン等の消費電力は、あまり大きくないため注目されていなかったが、内蔵電池の長寿命化又は小容量化によって機器の小型化が図れるため、省エネルギー化に対する要求は依然強いものがある。このように大容量情報の高速処理や、機器の小型化への要求に伴い、流体軸受はより高速回転が要求されている。しかしながら、軸受におけるエネルギーロスは高速になればなるほど大きくなる。
従って、流体軸受用の潤滑油剤として、潤滑性、劣化安定性(寿命)、スラッジ生成防止性、摩耗防止性、腐食防止性等の基本的な性能に加えて、省エネルギー性能を有し、蒸発減量が少なく、また、粘度特性に優れた潤滑油剤が、情報の高速処理、機器のコンパクト化等の要請に応えるために要望されている。
本発明の課題は、潤滑性はもとより、常温領域で低粘度であり、低温流動性、特には低蒸発性に優れた潤滑油剤を提供することにある。
本発明者は上記目的を達成するために鋭意検討した結果、特定のアルカノールアミンエステルもしくはエーテルが、常温領域で低粘度かつ良好な低温流動性を有し、また低蒸発性に優れ、多様化及び高度化した各種産業分野の要望を満足する潤滑油剤として好適であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
1.式(1)、(2)又は(3)で表されるアルカノールアミンから誘導されるエステル又はエーテル化合物を基油として含有する潤滑油剤。
[式中、A、D、Eは炭素数1〜24のアルキル基、フルオロアルキル基、アリール基、モノオキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基又は水素原子を示す。なおA、D、Eは同一でも相違でもよい。n、m、lは1〜4の整数を示す。なおn、m、lは同一でも相違でもよい。X、Y、Zは−OCO−又は−O−を表す。なおX、Y、Zは同一でも相違でもよい。]
[式中、A、E、X、Y、n、mは上記と同じ。Gは炭素数1〜12のアルキル基又は水素原子を示す。]
[式中、G、Y、mは上記と同じ。Jは炭素数1〜12のアルキル基又は水素原子を示す。Lは炭素数1〜24のアルキル基、フルオロアルキル基、アリール基及びモノオキシアルキレン基又はポリオキシアルキレン基を示す。]
2.A、D、Eが、炭素数1〜12のアルキル基で、n、m、lが2〜4、X、Y、Zは−OCO−である潤滑油剤。
3.A、D、Eが、炭素数4〜12のアルキル基で、n、m、lが2、X、Y、Zは−OCO−である潤滑油剤。
4.動圧により軸を支承する流体軸受に用いられる潤滑油剤。
5.一般軸受潤滑油及び含浸軸受潤滑油として用いられる潤滑油剤。
6.グリース基油として用いられる潤滑油剤。
7.動圧により軸を支承する流体軸受において、上記に記載の潤滑油剤を用いる流体軸受。
本発明の潤滑油剤は、上記式(1)、(2)、(3)で示される化合物を基油とする。ここで、式のA、D、Eにおける炭素数1〜24のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、メチルヘキシル基、ヘプチル基、メチルヘプチル基、1−エチル−ペンチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、デシル基、イソデシル基、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、イソミリスチル基、セチル基、ステアリル基、イソステアリル基等が挙げられ、炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル基、トリル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基等が挙げられ、フルオロアルキル基としては上記アルキル基と同炭素骨格のフルオロアルキル基が挙げられる。また、モノ又はポリオキシアルキレン基としては、各種アルキルオキシエチレン基、各種アルキルオキシプロピレン基、各種アルキルオキシブチレン基等のモノアルキルオキシアルキレン基や、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基等のポリオキシアルキレン基が挙げられる。なお式(1)のA、D、Eとしては、炭素数1〜12のアルキル基で、且つn、m、lが2〜4、かつX、Y、Zは−OCO−であるものが好ましく、また、A、D、Eとして、炭素数4〜12のアルキル基でかつn、m、lが2であることが更に好ましい。ここで例えば、メトキシエチレン基は(CH3O−CH2CH2)−、ポリオキシエチレン基はCH3CH2−(OCH2CH2O)n−などで示される。
化学式中A、D、Eのアルキル基が炭素数6〜20のアルキル基のものは公知化合物で、それ以外の化合物は新規化合物である。
本発明の潤滑油剤の基油である上記式(1)、(2)、(3)で示される化合物は、例えば、炭素数1〜24、好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数4〜12の直鎖状又は分岐状の脂肪酸又は脂肪酸クロライドと、nおよびmがそれぞれ2〜4であるアルカノールアミンとのエステル化反応もしくはエーテル化反応によって得られる。脂肪酸又は脂肪酸クロライドとアルカノールアミンの割合は前者1モルに対して、後者を0.15〜0.4モルとするのが好ましい。反応温度は通常0〜170℃とするのが好ましく、反応時間は通常2〜10時間とするのが好ましい。反応混合物を減圧蒸留して目的物を分離、単離することができる。但し、上記式(1)、(2)、(3)で示される化合物の合成方法は上記の方法に限定されるものではない。
本発明の潤滑油剤は好ましくは40℃での動粘度が5〜100mm2/sで、酸価が5mgKOH/g以下であり、より好ましくは、40℃の動粘度が8〜20mm2/sで、酸価が1mgKOH/g以下である。本発明の特に好ましい潤滑油剤は、式(1)、(2)、(3)において、X、Y、Zは−OCO−で、A、D、Eはそれぞれ独立に炭素数1〜24のアルキル基で、且つn、m、lもまた独立に2〜4のアルキレン基である化合物を基油とする。
上記式(1)、(2)、(3)で示される化合物は、他の潤滑油剤の種々性能を向上させる添加剤としても効果があるが、優れた省エネルギー性、低蒸発性、及び低温特性等の要求性能の総てをより確実に且つバランス良く満たす観点から、上記式(1)、(2)、(3)で示される化合物は、潤滑油剤全量基準で50重量%以上含有されることが好ましく、80重量%以上含有されることがより好ましく、95重量%以上含有されることが最も好ましい。
上記方法で得られる式(1)、(2)、(3)で表される化合物は、未反応で残存する酸及び水酸基を特に制限するものではないが、カルボン酸の残存量が多いとスラッジの原因となり得、また、アルコールの残存量が多いと蒸発性に悪影響を与えるので、本発明の潤滑油剤中に上記化合物の合成原料であるカルボン酸やアルコールは、できるだけ残存しないことが好ましい。
本発明の潤滑油剤には、式(1)、(2)、(3)で示される化合物に加えて、鉱油、オレフィン系重合体、アルキルベンゼン等の炭化水素系油や、ポリグリコール、ポリビニルエーテル、ケトン、ポリフェニルエーテル、シリコーン、ポリシロキサン、パーフルオロエーテル、式(1)、(2)、(3)で示される化合物以外のエステルやエーテル等の合成油を用いてもよい。
本発明の潤滑油剤においては、好ましくは、粘度指数を100以上、より好ましくは110以上、流動点を−30℃以下、より好ましくは−40℃以下とすることにより、特に低温での粘度特性を優れたものとすることができ、小型・軽量化、大容量化、情報の高速処理化に望まれる映像・音響機器、パソコン等における各種回転装置に好適な流体軸受用の潤滑流体として有効に用いることができる。
本発明の潤滑油剤には、基油としての式(1)、(2)、(3)で示される化合物に加えて、実用性能を向上させるために、各種の添加剤を配合することができる。このような添加剤として、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、耐加水分解性向上剤としてエポキシ化合物、また金属不活性化剤としてベンゾトリアゾール誘導体等の添加剤から1種又は2種以上をそれぞれ0.01〜5重量%配合することも効果的である。
上記フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−n−ブチルフェノール(エチル744)、4,4−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。また、アミン系酸化防止剤としては、N−フェニル−α−ナフチルアミン、p,p−ジオクチルジフェニルアミン等のアミン系、フェノチアジン等の硫黄系化合物等が使用可能である。他の酸化防止剤・摩耗防止剤・極圧剤として、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、アルキルフェニルホスフェート類、トリブチルホスフェート、ジブチルホスフェート等のリン酸エステル類、トリブチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト等の亜リン酸エステル類及びこれらのアミン塩等のリン系、硫化油脂、硫化オレイン酸などの硫化脂肪酸、ジベンジルジスルフィド、硫化オレフィン、ジアルキルジスルフィドなどの硫黄系、Zn−ジアルキルジチオフォスフェート、Zn−ジアルキルジチオカルバメート、Mo−ジアルキルジチオフォスフェート、Mo−ジアルキルジチオカルバメートなどの有機金属系化合物等が使用可能である。
第2図はTEA−C788の1H−NMRチャートである。
合成例1
窒素雰囲気下、3Lの4つ口フラスコに、トリエチルアミン200gとテトラヒドロフラン1Lを加え、0℃に冷却し、1−ヘプタノイルクロライド98g、1−オクタノイルクロライド107g、2−エチルヘキサノイルクロライド54gから成る酸クロライドの混合物を滴下した。続いて、トリエタノールアミン75gを滴下し、1時間撹拌した後、加熱し、還流させながら4時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル500mLで希釈した後、これに80g/Lの水酸化ナトリウム水溶液、1Lを加え攪拌し、分液ロートで有機層を分液した後、有機層を無水硫酸ナトリウム200gで乾燥した。無水硫酸ナトリウムをろ過によりろ別し、エバポレーターを用いテトラヒドロフラン、酢酸エチル、トリエチルアミンを留去し、粗生成物243gを得た。これを減圧蒸留し、目的の式(1)のトリエタノールアミン由来のトリエステル(以下TEA−C788と略す)207gを収率81%で得た。この化合物において、A、D、Eはn−ヘキシル基又はn−ヘプチル基又は1−エチル−ペンチル基のいずれかとなる混合物であり、X、Y、Zのそれぞれが−OCO−であり、n、m、lはそれぞれ2である。沸点は、260〜270℃/133Paで、構造は1H−NMR、IRによって同定した。
TEA−C788のIRチャート及び1H−NMRデータを図1〜2に示す。
合成例2
合成例1と同様の手法でブチルジエタノールアミンと1−オクタノイルクロライドと2−エチルヘキサノイルクロライドとの縮合によりブチルジエタノールアミン由来の混合酸ジエステル(以下Bu−DEA−C8と略す)を得た。この化合物において、Gはn−ブチル基であり、A、Eはn−ヘプチル基又は1−エチル−ペンチル基のいずれかとなる混合物であり、X、Yのそれぞれが−OCO−であり、n、mはそれぞれ2である。沸点は、220〜230℃/133Paである。
合成例3
トリエタノールアミンとドデシルクロライドとのWilliamsonエーテル合成により得たトリエタノールアミン由来のモノドデシルエーテルと1−ヘプタノイルクロライドと2−エチルヘキサノイルクロライドを合成例1と同様の手法で縮合して混合酸ジエステル(以下C12E−DEA−C78と略す)を得た。この化合物において、Aはn−ドデシル基であり、Xは−O−であり、D、Eはn−ヘプチル基又は1−エチル−ペンチル基のいずれかとなる混合物であり、Y、Zのそれぞれが−OCO−であり、n、m、lはそれぞれ2である。沸点は、270〜280℃/133Paである。
基油として、合成例1〜3で得られたTEA−C788、Bu−DEA−C8、C12E−DEA−C78を用いた。これら基油に、添加剤A、B、Cを表1の割合(重量%)で配合して本発明の潤滑油剤を作成し、その性能を評価した。使用した添加剤及び配合を表1に示す。
比較例1及び2
比較的良好な低温流動性と低蒸発性を有し、かつ常温領域で低粘度であるエステル系基油として、セバシン酸ジ2−エチルヘキシル(以下DOSと略す)を比較例1として使用し、またアジピン酸ジ2−エチルヘキシル(以下DOAと略す)を比較例2として使用した。
添加剤A:N−フェニル−α−ナフチルアミン
添加剤B:トリメチロールプロパン由来グリシジルエーテル
添加剤C:ジラウリル−3,3−チオジプロピオネート
1) 40℃動粘度:JIS K 2283に準じ、キャノン−フェンスケ粘度計を用いて動粘度を測定した。
2) 100℃動粘度:JIS K 2283に準じ、キャノン−フェンスケ粘度計を用いて動粘度を測定した。
3) −40℃動粘度:ASTM D 5133に準じ、スキャンニングブルックフィールド粘度計を用い絶対粘度を測定し、それぞれの密度より動粘度を算出した。
4) 蒸発性試験A法(熱天秤):試料容器アルミ皿に、試料20mgを量りとり、200℃、Air雰囲気下で1時間後の蒸発量(%)を観察した。
5) 蒸発性試験B法(熱天秤):試料容器アルミ皿に、試料20mgを量りとり、120℃、Air雰囲気下で3960分後の蒸発量(%)を観察した。
物性測定、低温粘度、熱安定性の評価結果を表2〜3に示す。
本発明の潤滑油剤の特徴である、常温で低粘度を有することや、良好な低温流動性は、3級アミン化合物の有する高い分子柔軟性(立体反転)により生み出されている。結果として、本発明のアルカノールアミンエステルもしくはエーテルは、セバシン酸ジオクチルやトリメチロールプロパンエステルなどの従来の潤滑油剤と比較し、高い分子量を有するものであっても、常温で低粘度を呈し、また低温においても良好な流動性を示し、また粘度指数についても従来のエステル系潤滑油剤と比較し、高い数値を示す。従って本発明のアルカノールアミンエステルもしくはエーテルは、優れた流動特性とともに、その高い分子量に由来する低蒸発性を併せ有する。以上述べたように、本発明の潤滑油剤は、その化合物本来の特性に基づき、常温から低温での流動性に優れ広温度範囲での使用が可能となり、また高温で長期間使用した場合であっても、蒸発量が少なく優れた潤滑性を維持することができる。従って、本発明の潤滑油剤は、温度変化が激しい条件で使用される軸受用潤滑油、特に含浸軸受用潤滑油剤または流体軸受用潤滑流体として好適である。また本発明の潤滑油剤は、高温、高速回転で使用される転がり軸受等に封入されて使用されるグリースの基油としても優れている。
Claims (4)
- 式(1)、(2)又は(3)で表されるアルカノールアミンから誘導されるエステル又はエーテル化合物を基油として潤滑油剤全量基準で95重量%以上含有し、その酸価が1mgKOH/g以下である、流体軸受、一般軸受、含浸軸受、グリース基油として用いられる潤滑油剤。
[式中、A、D、Eは炭素数1〜24のアルキル基、フルオロアルキル基、アリール基、 又は水素原子を示す。なおA、D、Eは同一でも相違でもよい。n、m、lは1〜4の整数を示す。なおn、m、lは同一でも相違でもよい。X、Y、Zは−O−(C=O)−(エステル型)又は−O−を表す。なおX、Y、Zは同一でも相違でもよい。]
[式中、A、E、X、Y、n、mは上記と同じ。Gは炭素数1〜12のアルキル基又は水素原子を示す。]
[式中、G、Y、mは上記と同じ。Jは炭素数1〜12のアルキル基又は水素原子を示す。Lは炭素数1〜24のアルキル基、フルオロアルキル基、アリール基 を示す。] - A、D、Eが、炭素数1〜12のアルキル基で、n、m、lが2〜4、X、Y、Zは−O−(C=O)−(エステル型)である請求項1に記載の潤滑油剤。
- A、D、Eが、炭素数4〜12のアルキル基で、n、m、lが2、X、Y、Zは−O−(C=O)−(エステル型)である請求項2に記載の潤滑油剤。
- 動圧により軸を支承する流体軸受において、請求項1に記載の潤滑油剤を用いる流体軸受。
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2009
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