JP5305314B2 - 流体軸受用潤滑流体、それを用いた流体軸受及びモータ並びに流体軸受の潤滑方法 - Google Patents

流体軸受用潤滑流体、それを用いた流体軸受及びモータ並びに流体軸受の潤滑方法 Download PDF

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Description

本発明は、耐熱性及び低温流動性に優れた含硫黄ジカルボン酸ジエステルを基油として含有する流体軸受用潤滑流体に関する。
さらに、本発明は、前記流体軸受用潤滑流体を用いた流体軸受及びモータ並びに流体軸受の潤滑方法に関する。
近年の産業分野の多様化及び高度化に伴い、映像・音響機器、パソコン等の小型・軽量化、大容量化及び情報処理の高速化の進歩には目覚しいものがある。これらの電子機器には、各種の回転装置、例えば、FD、MO、zip、ミニディスク、コンパクトディスク(CD)、DVD、ハードディスク等の磁気ディスクや光ディスクを駆動する回転装置が使用されており、これら電子機器の小型・軽量化、大容量化及び高速化には回転装置に不可欠な軸受の改良が大きく寄与している。そして、潤滑流体を介して対向するスリーブと回転軸とからなる流体軸受は、ボールベアリングを持たないため、小型・軽量化に好適であり、しかも静寂性、経済性等に優れており、パソコン、音響機器、ビジュアル機器やカーナビゲーション等にその用途を広げてきている。
また、流体軸受に使用される潤滑剤あるいは軸受用流体としては、オレフィン系、ジエステル系又はネオペンチルポリオールエステル系の合成油、スクワラン及びナフテン系鉱油の1種以上とウレア化合物増ちょう剤のグリースからなるもの(特許文献1参照)、トリメチロールプロパンの脂肪酸トリエステルを基油とし、ヒンダードフェノール系酸化防止剤及びベンゾトリアゾール誘導体を含有するもの(特許文献2参照)、フェニル基を有する特定のモノカルボン酸エステル及び/又は特定のジカルボン酸ジエステルを基油とするもの(特許文献3参照)、単体組成物を基油とするもの(特許文献4参照)、炭酸エステルを基油とし、硫黄含有フェノール系酸化防止剤及び亜鉛系極圧剤を含有するもの(特許文献5参照)、特定の炭酸エステルを基油とし、フェノール系酸化防止剤を含有するもの(特許文献6参照)等が提案されている。
今後、大容量情報の高速処理や、さらなる機器のコンパクト化等の要求が、益々強くなるものと考えられる。また、従来、音響機器やパソコン等の消費電力は、あまり大きくないため注目されていなかったが、内臓電池の長寿命化又は小容量化によって機器の小型化が図れるため、省エネルギー化に対する要求は依然強いものがある。このように大容量情報の高速処理や、機器の小型化への要求に伴い、流体軸受はより高速回転が要求されている。しかしながら、軸受におけるエネルギーロスは高速になればなるほど大きくなる。
従って、流体軸受用の潤滑流体として、潤滑性、劣化安定性(寿命)、スラッジ生成防止性、摩耗防止性、腐食防止性等の基本的な性能に加えて、省エネルギー性能を有し、蒸発減量が少なく、また、粘度特性に優れた潤滑流体が、情報の高速処理、機器のコンパクト化等の要請に応えるために要望されている。
さらに、上述の情報処理機器の使われる場所についても、機器が大衆化して過酷な環境での使用が拡大している。特に車に搭載されて使用されるカーナビゲーション等の機器は、自動車の使用環境を考慮すると、寒冷地から炎天下までの使用に耐えるものでなければならない。従って、車載機器に用いられる流体軸受用の潤滑流体も、-40〜80℃といった広い温度範囲で問題なく使用できるものであることが要求される。そのため、特に低温領域での粘度が低く、しかも高温下での蒸発減量が少ない潤滑流体が要求されている。
特開平01−279117号公報 特開平01−188592号公報 特開平04−357318号公報 特許第2621329号公報 特開平08−34987号公報 特開平10−183159号公報
そこで、本発明は、潤滑性はもとより、省エネルギー性、低蒸発性等の性能、特には熱に対する安定性に優れた流体軸受用潤滑流体を提供することを目的とする。また、本発明は、かかる潤滑流体を用いた流体軸受及び流体軸受の潤滑方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討した結果、特定の含硫黄ジカルボン酸ジエステルを基油とした流体軸受用潤滑流体が、省エネルギー性、低蒸発性、耐熱性及び低温での粘度特性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち本発明は流体軸受に用いられる潤滑流体であって、
下記一般式(1):
R1-O-CO-(CH2)n-S-(CH2)m-CO-O-R2・・・(1)
[式中、R1及びR2はそれぞれ独立にその構造中に硫黄原子を含んでもよい炭素数6〜10のアルキル基であり、nおよびmはそれぞれ独立に1〜2の整数である。]で表される化合物を基油として含有する流体軸受用潤滑流体(以下単に潤滑流体という場合がある)であって、40℃での動粘度が5〜100mm2/sで、酸価が5mgKOH/g以下であることを特徴とし、好ましくは、40℃の動粘度が8〜15mm2/sで、酸価が1mgKOH/g以下で、粘度指数が100以上で且つ流動点が-30℃以下である
また、本発明の潤滑流体は、
下記一般式(2):
R3-O-CO-(CH2)n-S-(CH2)m-CO-O-R4・・・(2)
[式中、R3はその構造中に硫黄原子を含んでもよい炭素数6〜10のモノ又はポリオキシアルキレン基であり、R4はその構造中に硫黄原子を含んでもよい炭素数6〜10のアルキル基及びモノ又はポリオキシアルキレン基であり、nおよびmはそれぞれ独立に1〜2の整数である。]で表される化合物を基油として含有する流体軸受用潤滑流体(以下単に潤滑流体という場合がある)であって、40℃での動粘度が5〜100mm2/sで、酸価が5mgKOH/g以下であることを特徴とし、好ましくは、40℃の動粘度が8〜15mm2/sで、酸価が1mgKOH/g以下で、粘度指数が100以上で且つ流動点が-30℃以下である
また、本発明の潤滑流体は、上記一般式(1)または一般式(2)で示される化合物に加えて、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ベンゾトリアゾール誘導体、ジチオリン酸亜鉛等をそれぞれ0.01〜5重量%含有することが更に好ましい。
また本発明は、軸とスリーブとからなる流体軸受において、前記の潤滑流体を充填して用いる流体軸受およびモータであり、さらに、該流体軸受を前記の潤滑流体を用いて潤滑する潤滑方法である。
本発明の潤滑流体は、上記一般式(1)または一般式(2)で示される化合物を基油とし、40℃での動粘度が5〜100mm2/sで、酸価が5mgKOH/g以下であることから、省エネルギー性、低蒸発性、耐熱性及び粘度特性に優れ、また、そのバランスが良好であり、特に高速化、コンパクト化が進む電子機器の回転装置等の潤滑流体として優れている。
本発明の潤滑流体は、上記一般式(1)または一般式(2)で示される化合物を基油とする。ここで、一般式(1)または一般式(2)のR1、R2、R3およびR4における炭素数6〜10のアルキル基としては、ヘキシル基、シクロヘキシル基、メチルヘキシル基、へプチル基、メチルヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、デシル基、イソデシル基等が挙げられ、また、モノ又はポリオキシアルキレン基としては、各種アルキルオキシエチレン基、各種アルキルオキシプロピレン基、各種アルキルオキシブチレン基等のモノアルキルオキシアルキレン基や、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基等のポリオキシアルキレン基が挙げられる。また、上記の基中にスルフィド構造として硫黄原子を含有してもよい。
本発明の潤滑流体の基油である上記一般式(1)または一般式(2)で示される化合物は、炭素数6〜10の直鎖状又は分岐状の脂肪族アルコール等と、nおよびmがそれぞれ1または2であるチオジグリコール酸又はチオジプロピオン酸等との脱水縮合等のエステル化反応によって得られる。但し、上記一般式(1)または一般式(2)で示される化合物の合成方法は上記の方法に限定されるものではない。
上記方法で得られる一般式(1)または一般式(2)で表される化合物は、未反応で残存する酸及び水酸基を特に制限するものではないが、カルボン酸の残存量が多いとスラッジの原因となり得、また、アルコールの残存量が多いと蒸発性に悪影響を与えるので、本発明の潤滑流体中に上記化合物の合成原料であるカルボン酸やアルコールは、できるだけ残存しないことが好ましい。
上記一般式(1)または一般式(2)で示される化合物は、他の潤滑流体の酸化安定性を向上させる添加剤としても効果があるが、優れた省エネルギー性、低蒸発性、耐熱性及び低温特性等の要求性能の総てをより確実に且つバランス良く満たす観点から、上記一般式(1)または一般式(2)で示される化合物は、潤滑流体全量基準で50重量%以上含有されることが好ましく、80重量%以上含有されることがより好ましく、95重量%以上含有されることが最も好ましい。
本発明の潤滑流体には、上記一般式(1)または一般式(2)で示される化合物に加えて、鉱油、オレフィン重合体、アルキルベンゼン等の炭化水素系油や、ポリグリコール、ポリビニルエーテル、ケトン、ポリフェニルエーテル、シリコーン、ポリシロキサン、パーフルオロエーテル、上記一般式(1)または一般式(2)で示される化合物以外のエステルやエーテル等の酸素含有合成油を用いてもよい。
本発明の潤滑流体は、優れた潤滑性能、省エネルギー性等を得るために、40℃における動粘度が5〜100mm2/sであることを要し、8〜15mm2/sの範囲であることが好ましい。また、本発明の潤滑流体は、腐食防止性、耐摩耗性及び安定性を確保する上で、全酸価が5mgKOH/g以下であることを要し、1mgKOH/g以下であることが好ましい。このような性状を有する潤滑流体は、十分に上記エステル化反応を行い、その後適宜公知の方法で精製された上記一般式(1)または一般式(2)で示される化合物を用いることにより得ることができる。
本発明の潤滑流体においては、好ましくは、粘度指数を100以上、より好ましくは110以上、流動点を-30℃以下、より好ましくは-40℃以下とすることにより、特に低温での粘度特性を優れたものとすることができ、小型・軽量化、大容量化、情報の高速処理化に望まれる映像・音響機器、パソコン等における各種回転装置に好適な流体軸受用の潤滑流体として有効に用いることができる。
本発明の潤滑流体には、基油としての上記一般式(1)または一般式(2)で示される化合物に加えて、実用性能を向上させるために、各種の添加剤を配合することができる。このような添加剤として、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、耐加水分解性向上剤としてエポキシ化合物、また金属不活性化剤としてベンゾトリアゾール誘導体等の添加剤から1種又は2種以上をそれぞれ0.01〜5重量%配合することも効果的である。
上記フェノール系酸化防止剤としては、2, 6−ジ−t−ブチルフェノール、2, 6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2, 6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2, 6−ジ−t−ブチル−4−n−ブチルフェノール(エチル744)、4, 4’ −メチレンビス(2, 6−ジ−t−ブチルフェノール)、2, 2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。また、アミン系酸化防止剤としては、N−フェニル−α−ナフチルアミン、p, p’−ジオクチルジフェニルアミン等のアミン系、フェノチアジン等の硫黄系化合物等が使用可能である。他の酸化防止剤・摩耗防止剤・極圧剤として、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、アルキルフェニルホスフェート類、トリブチルホスフェート、ジブチルホスフェート等のリン酸エステル類、トリブチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト等の亜リン酸エステル類及びこれらのアミン塩等のリン系、硫化油脂、硫化オレイン酸などの硫化脂肪酸、ジベンジルジスルフィド、硫化オレフィン、ジアルキルジスルフィドなどの硫黄系、Zn−ジアルキルジチオフォスフェート、Zn−ジアルキルジチオカルバメート、Mo−ジアルキルジチオフォスフェート、Mo−ジアルキルジチオカルバメートなどの有機金属系化合物等が使用可能である。
本発明の流体軸受は、この流体軸受用潤滑流体を用いることを特徴とする。本発明の流体軸受は、ボールベアリング等の機構を有さず、スリーブと軸とからなり、それらの間に収容された潤滑流体によって互いに直接接触することがないように間隔が保持される流体軸受であれば、機械的に特に限定されるものではない。本発明の流体軸受は、回転軸及びスリーブの何れかに又はそれらの両方に動圧発生溝が設けられ、回転軸が動圧によって支持される流体軸受、また回転軸に垂直方向に動圧を生じるようにスラストプレートが設けられている流体軸受等も含む。
流体軸受は、非回転時には動圧が生じないためにスリーブと回転軸あるいはスリーブとスラストプレートが部分的あるいは全面接触しており、回転により動圧が生じて非接触状態となる。こうしたことから接触、非接触を繰り返し、スリーブと回転軸あるいはスリーブとスラストプレートの金属摩耗が起こったり、回転中の一時的な接触により焼き付きを起こすことがある。しかしながら、優れた省エネルギー性、耐熱性及び低温特性を有する本発明の流体軸受用動圧軸受装置を用いることによって、長期に亘り高速回転安定性及び耐久性が保持され、特に高速において優れた省エネルギー性を示す。
本発明の流体軸受の一例を示す断面図を図1に示す。図1の流体軸受はいわゆるフルフィル構造の軸受装置であって、スリーブ部材12は中空円筒状をなし、上端部および下部には中空円筒の内径よりも大径に形成された溝部122,123がそれぞれ形成され、下端部には溝部123より大径の嵌合溝部124がさらに形成されている。
一方、軸部材11は、軸部111と、軸部111の下端に形成されたスラストプレート部112とからなる。軸部材11のスラストプレート部112がスリーブ部材12の溝部123に装着するまで、スリーブ部材12の中空部に軸部111が挿通され、スラストブッシュ部材14がスリーブ部材12の嵌合溝部124に装着されて、スリーブ部材12の下側開口が封止されている。
他方、スリーブ部材12の上側開口には、軸部111に嵌通させた環状のシール部材15が、その上面とスリーブ部材12の上端面とが同一面となるように溝部122に装着固定されている。そして、スリーブ部材12、スラストブッシュ部材14と、軸部材11との間の微少間隙には本願発明の潤滑流体(不図示)が充填されている。潤滑流体のシールは、環状のシール部材15と軸部テーパ面117とで構成されるテーパシール部で行われる。
スリーブ部材12の中空部内周面には軸方向の離隔位置に2つの動圧発生溝121a,121bが形成され、これによりスリーブ部材12と軸部材11との間に一対のラジアル軸受部が形成されている。またスリーブ部材12の溝部123の底面にも動圧発生溝121cが形成されており、この動圧発生溝121cとスラストブッシュ部材14に形成された動圧発生溝141と、軸部材11のスラストプレート部112との間に一対のスラスト軸受部が形成されている。
このような構成の流体軸受において、軸部材11が回転すると、スリーブ部材12、スラストブッシュ部材14と、軸部材11との微少隙間に保持されている本願発明の潤滑流体(不図示)が動圧発生溝121a,121b,121c,141の溝パターンに沿って押圧されて潤滑流体中に局部的な高圧部分が生じて、一対のラジアル軸受部において軸部材11のラジアル方向の荷重を支持し、一対のスラスト軸受部において軸部材11のスラスト方向の荷重を支持するようになる。
次に、本発明の流体軸受装置を用いたモータについて説明する。図2はフルフィル構造の流体軸受装置を搭載したHDDスピンドルモータの垂直断面図である。ブラケット2は中心部に設けられた基部21と、この基部21の外周方向に設けられた周壁22と、この周壁22からさらに外方向に延設された鍔部23とからなり、これらが一体且つ同軸的に形成されている。
基部21の中心部には環状突部24が形成され、そこに図1に示した流体軸受装置1が嵌合固定されている。そして流体軸受装置1の軸部材11の上端は、略円筒状のロータハブ3の上面中央部に形成された孔部31に嵌合固定されている。ロータハブ3の内周面には、周方向に多極着磁されたロータマグネット32が全周にわたり配設されている。またロータマグネット32の半径方向内方には、ロータマグネット32に対向してステータ4がブラケット2の基部22に形成された環状突部24に配設されている。ステータ4と環状突部24との固定は、圧入による嵌合固定の他、接着剤による固定でもよい。
ロータハブ3の外周下側には鍔部33が形成され、ここにハードディスク(不図示)が装着される。具体的にはロータハブ3の外周部34により位置決めされて、鍔部33の上に1又は複数のハードディスクが装着された後、クランプ部材(不図示)などにより孔部35にネジ止めされて、ハードディスクはロータハブ3に対して保持固定される。
さらに、本発明は、前記流体軸受を上記に規定した流体軸受用潤滑流体で潤滑する流体軸受およびモータの潤滑方法である。既に記したように、前記流体軸受用潤滑流体を流体軸受に充填して潤滑することにより、長期に亘り高速回転安定性及び耐久性が保持され、かつ優れた省エネルギー性が得られ、長寿命化を達成することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら
限定されるものではない。
上記一般式(1)または一般式(2)で表されるエステル及び添加剤を用いて各種の潤滑流体を試作し、その潤滑性能を評価した。潤滑流体の基油としては、次に示す本発明に従うエステルとしてチオジプロピオン酸ジ2−エチルヘキシル(以下TDP−C8Bと略す)及びチオジプロピオン酸ジ2−[(2−エチルヘキシル)オキシ]エチル(以下TDP−OXと略す)を用いた。また比較例のエステルとしてセバシン酸ジ2−エチルヘキシル(以下DOSと略す)及びアゼライン酸ジ2−エチルヘキシル(以下DOZと略す)を使用した。使用した添加剤及び配合表(表1)を以下に示す。
添加剤A:n-オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
添加剤B:ジオクチルジフェニルアミン
添加剤C:トリクレジルホスファイト
添加剤D:ベンゾトリアゾール誘導体
添加剤E:トリメチロールプロパン由来グリシジルポリエーテル
Figure 0005305314
調整した実施例1〜5及び比較例1、2の油について、それぞれの物性を測定して、実用性能を評価した。物性測定及び性能評価試験は、次の方法で行った。
1) 40℃動粘度:JIS K 2283に準じ、キャノン−フェンスケ粘度計を用いて動粘度を測定した。
2) -40℃動粘度:ASTM D 5133に準じ、スキャンニングブッルクフィールド粘度計を用い絶対粘度を測定し、それぞれの密度より動粘度を算出した。
3) 熱安定性試験:内径30mm、高さ40mmのビーカーに、試料油を5g入れ、150℃の回転盤付恒温槽に3日間静置し、蒸発量の観察及びJIS K 2283に準じた動粘度測定を行い、試験前後での粘度変化率を算出した。粘度変化率は以下の式(3)により算出した。
粘度変化率(%)=〔(試験後動粘度−試験前動粘度)/試験前動粘度〕 × 100 ・・式(3)
4) 流動点:JIS K 2269に準じて測定した。
5) 熱安定性試験(SUS):内径30mm、高さ40mmのビーカーに、試料油を5g、SUS304粉末(100 mesh)を1g入れ、150℃の回転盤付恒温槽に3日間静置し、蒸発量を観察した後、金属粉を除去し、JIS K 2283に準じた動粘度測定を行い、試験前後での粘度変化率を算出した。粘度変化率は上記の式(3)により算出した。
物性測定、低温粘度、熱安定性の評価結果を表2、表3に示す。また表3に示した金属粉末存在下での熱安定性試験は特に、軸受材料である金属により促進される、各試料の劣化程度を比較するためのものである。
Figure 0005305314
Figure 0005305314
実施例1〜5はいずれも40℃及び-40℃において良好な流動性を有し、また本発明の潤滑流体である実施例1は、従来油である比較例1、2と比較すると、添加剤を含有していないにも関わらず、熱安定性試験における蒸発量及び粘度変化率の点から、非常に優れた熱安定性を有することが分かり、したがって、流体軸受用潤滑流体として有効に使用できるものであることが分かる。一方、比較例1、2の従来油は、流体軸受用潤滑流体として物性や性能で劣るものがあり、実用的に用いることが難しい。すなわち、比較例1、2は流体軸受用潤滑流体として、熱安定性試験における蒸発量が多く、また粘度変化率が大きいことから、熱安定性が悪いことが分かる。さらに表3に示す金属粉存在下での熱安定性試験を行うと、比較例1、2は、実施例1〜5に比べ蒸発量が多く、粘度変化率が非常に大きいことから、流体軸受材料への適合性が悪いことが分かり、実用的に用いることが難しい。
本発明の一般式(1)または一般式(2)で示される化合物を基油とする潤滑流体は、省エネルギー性、低蒸発性、耐熱性及び低温特性等に優れ、且つこれら各性能のバランスが良好であるため、流体軸受用潤滑流体としてはもちろんのこと、これ以外の一般の軸受油、含浸軸受油等として用いることができ、産業上の利用価値が極めて高い。
本発明に係る流体軸受装置の一例を示す垂直断面図である。 本発明の流体軸受装置を搭載したスピンドルモータの垂直断面図である。
符号の説明
流体軸受装置
2 ブラケット
3 ロータハブ
4 ステータ
11 軸部材
12 スリーブ部材
13 スリーブ支持部材
14 スラストブッシュ部材
15 シール部材
111 軸部
112 スラストプレート部
121a,121b ラジアル動圧発生溝
121c,141 スラスト動圧発生溝

Claims (6)

  1. 流体軸受に用いられる潤滑流体であって、
    下記一般式(2):
    −O−CO−(CH)n−S−(CH)m−CO−O−R・・・(2)
    [式中、Rはその構造中に酸素原子を含む炭素数6〜10のアルキル基であり、R 素数6〜10のアルキル基又はその構造中に酸素原子を含む炭素数6〜10のアルキル基であり、nおよびmはそれぞれ独立に1〜2の整数である。]で表される化合物を基油として潤滑流体全量基準で80重量%以上含有する流体軸受用潤滑流体。
  2. 及びR が共に酸素原子を含む炭素数6〜10のアルキル基である請求項1に記載の流体軸受用潤滑流体。
  3. 及びR が共に[(2−エチルヘキシル)オキシ]エチル基である請求項2に記載の流体軸受用潤滑流体。
  4. 軸部材とスリーブ部材とが回転自在に嵌合し、該スリーブ部材に設けられた軸受面と、該軸部材に設けられた軸受面とが、微小間隙を介して対向し、前記微小間隙には請求項1〜3のいずれか1項に記載の流体軸受用潤滑流体を用いることを特徴とする流体軸受。
  5. ステータを保持するブラケットと、該ブラケットに対して相対回転するロータと、該ロータに固着され該ステータと協働して回転磁界を発生するロータマグネットと、該ロータの回転を支持する流体軸受とを備えたモータにおいて、前記流体軸受は、請求項に記載した流体軸受であることを特徴とするモータ。
  6. 請求項に記載の流体軸受を請求項1〜3のいずれか1項に記載の流体軸受用潤滑流体を用いて潤滑することを特徴とする流体軸受の潤滑方法。
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