JP5487712B2 - 演奏支援装置 - Google Patents
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Description
また、本発明においては、演奏者によって操作される演奏部材を、当該演奏者が当該演奏部材に加える力を軽くする方向へ駆動する駆動手段と、演奏者によって操作された前記演奏部材の操作量を検出する検出手段と、前記演奏部材が操作されて当該演奏部材を備える楽器が予め定められた所定状態にあるか否かを前記検出手段によって検出された操作量を基に判断し、前記楽器が所定状態にある場合と前記楽器が所定状態にない場合とで前記駆動手段の駆動と非駆動とを切り換える制御手段と、を有し、前記演奏部材はピアノのソフトペダルであり、前記所定状態は、前記ソフトペダルを操作することによってピアノの鍵盤が初期状態から移動した状態、又は前記ソフトペダルを操作することによってピアノの鍵盤が移動を始めてから移動が終了するまでの状態である構成の演奏支援装置を提供する。
また、本発明においては、演奏者によって操作される演奏部材を、当該演奏者が当該演奏部材に加える力を軽くする方向へ駆動する駆動手段と、演奏者によって操作された前記演奏部材の操作量を検出する検出手段と、前記演奏部材が操作されて当該演奏部材を備える楽器が予め定められた所定状態にあるか否かを前記検出手段によって検出された操作量を基に判断し、前記楽器が所定状態にある場合と前記楽器が所定状態にない場合とで前記駆動手段の駆動と非駆動とを切り換える制御手段と、を有し、前記演奏部材はピアノの鍵であり、前記所定状態は、前記鍵に対応したハンマーの位置がレットオフの位置に到達するまでの状態である構成の演奏支援装置を提供する。
図1は、本発明の一実施形態に係る自動演奏ピアノ100の外観図である。自動演奏ピアノ100は、複数の鍵1と、ダンパペダル110、ソステヌートペダル111、ソフトペダル112を備えている。また、自動演奏ピアノ100は、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)形式の演奏データを記録したDVD(Digital Versatile Disk)やCD(Compact Disk)などの記録媒体から演奏データを読み出すディスクドライブ120を備えており、譜面台の横には、自動演奏ピアノ100を操作するための各種メニュー画面などの表示手段である液晶ディスプレイと、操作者からの指示を受け付ける受付手段として機能するタッチパネルとを備えた操作パネル130を備えている。
また、ペダルソレノイド23は、ダンパ6を駆動するためのソレノイドであり、ペダルソレノイド23を駆動する信号が供給されると信号に応じてプランジャが変位する。プランジャが変位してダンパ機構9を動かすとダンパ機構9の動きに対応してダンパ6が移動する。
電子音発生部150は、音源回路とスピーカを備えており、音源回路はバス101から供給された信号に応じて楽音の信号を生成し、生成した信号をスピーカへ供給してスピーカから楽音を出力する。
CPU102は、RAM(Random Access Memory)104を作業領域としてROM(Read Only Memory)103に記憶された制御プログラムを実行する。ROM103に記憶された制御プログラムが実行されると、ディスクドライブ120から読み出した演奏データに従ってソレノイド5を駆動して自動演奏を行う自動演奏機能が自動演奏ピアノ100において実現する。なお、CPU102は、自動演奏を行う際には、MIDI形式の演奏データに基づいて、鍵1をどのタイミングで動作させるかを算出し、時間経過に対応した鍵1の軌道を表す軌道データを生成する。そして、この軌道データに基づいて、駆動する鍵1を表す鍵番号と、駆動する鍵1の位置を表す位置指示値および駆動する鍵1の速度を表す速度指示値とを後述するモーションコントローラ140aへ出力する。
ここで、CPU102がモーションコントローラ140bへ出力するデータについて説明する。まず、自動演奏ピアノ100の動作モードには、「アシストモード」と「非アシストモード」とがある。「非アシストモード」は、ソレノイドを駆動せず演奏者の演奏を支援しないモードであり、「アシストモード」は、ソレノイドを駆動して演奏者の演奏を支援するモードである。演奏者が操作パネル130を操作して「非アシストモード」を選択する操作を行うと、CPU102は、動作モードを示すアシストモードフラグの値を「0」に設定し、アシストモードフラグをRAM104に記憶させると共にアシストモードフラグをモーションコントローラ140bへ出力する。また、演奏者が操作パネル130を操作して「アシストモード」を選択する操作を行うと、CPU102は、動作モードを示すアシストモードフラグの値を「1」に設定し、アシストモードフラグをRAM104に記憶させると共にアシストモードフラグをモーションコントローラ140bへ出力する。
PWM信号発生部142は、駆動信号をパルス幅変調(Pulse Width Modulation)方式の信号に変換し、変換後の信号を鍵番号で特定される鍵1に対応したソレノイド5へ出力する。PWM信号発生部142から出力された信号をソレノイド5が受け取ると、ソレノイド5は駆動信号に応じてプランジャを変位させる。
また、A/D変換部141は、鍵センサ26から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、変換後のデジタル信号をモーションコントローラ140aへ出力する。モーションコントローラ140aは、A/D変換部141から供給される信号が表す鍵1の位置及び速度と、供給される位置指示値及び速度指示値とを比較し、両者が一致するようにサーボ制御を行う。これにより、位置指示値と速度指示値のとおりに鍵1が駆動されることになる。
PWM信号発生部142は、モーションコントローラ140bから出力される制御信号をパルス幅変調方式の駆動信号に変換し、変換後の駆動信号uiをペダルソレノイド23へ出力する。
A/D変換部141は、ペダル位置センサ24から出力されたアナログ信号yaをデジタル信号に変換し、変換後のデジタル信号をモーションコントローラ140bへ出力する。
次に、自動演奏ピアノ100が演奏支援を行う際の動作を説明する。なお、以下の説明においては、まず自動演奏ピアノ100が非アシストモードである時の動作について説明し、次に自動演奏ピアノ100がアシストモードである時の動作について説明する。
まず、演奏者が操作パネル130を操作して「非アシストモード」を選択する操作を行うと、CPU102は、動作モードを示すアシストモードフラグの値を「0」に設定し、アシストモードフラグをRAM104に記憶させると共にアシストモードフラグをモーションコントローラ140bへ出力する。
具体的には、たとえば演奏者がダンパペダル110の操作部分を図5のyx3の位置まで踏み込むと、このyx3という位置を表す信号がペダル位置センサ24から出力され、位置生成部155からダンパペダル110の位置を示す位置値yx(ここで値はyx3)が出力される。
ペダル軌道目標値制御部150は、値が「0」であるアシストモードフラグがモーションコントローラ140bで受け取られていると、ダンパペダル110の目標とする位置を表す目標値rxを、位置生成部155から受け取った位置値yxと同じ値にして減算器151へ出力する。ここで、減算器151においては目標値rxから位置値yxが減算されるが、目標値rxと位置値yxは同じ値(ここではyx3)であるため、減算器151の出力する値は「0」となり、増幅部152から出力される値を増幅した差分増幅値uxも値が「0」となる。
次に、自動演奏ピアノ100がアシストモードである時の動作について説明する。
まず、演奏者が操作パネル130を操作して「アシストモード」を選択する操作を行うと、CPU102は、動作モードを示すアシストモードフラグの値を「1」に設定し、アシストモードフラグをRAM104に記憶させると共にアシストモードフラグをモーションコントローラ140bへ出力する。
具体的には、まず、演奏者がダンパペダル110を踏み始めてハーフペダルの位置XHより浅いyx3の位置まで踏み込むと、このyx3という位置を表す信号がペダル位置センサ24から出力され、位置生成部155からダンパペダル110の位置を示す位置値yx(ここで値はyx3)が出力される。
ペダル軌道目標値制御部150は、値が「1」であるアシストモードフラグを受け取っていると、ダンパペダル110の目標とする位置を表す目標値rxを、位置生成部155から受け取った位置値yxと同じ値にして減算器151へ出力する。ここで、減算器151においては、目標値rxから位置値yxが減算されるが、目標値rxと位置値yxは同じ値であるため、減算器151の出力する値は「0」となり、増幅部152から出力される値を増幅した差分増幅値uxも値が「0」となる。
このように、アシストモードである時にハーフペダルの開始位置である位置XHより浅い位置までダンパペダル110が演奏者により踏まれると、演奏者がダンパペダル110を踏むのをアシストするようにペダルソレノイド23が駆動力を発生するため、演奏者はハーフペダルの開始位置まではアシストが無い場合と比較してダンパペダル110の操作を軽く感じることとなる。
また、演奏者がダンパペダル110をハーフペダルの開始位置よりさらに踏み込んだ場合においては、操作量テーブルにおいては、この位置に対応する操作量として「0」が格納されているため、ペダルソレノイド23は駆動されず、演奏者は自分の力のみでダンパペダル110を操作することとなる。
また、特許文献1に開示された発明と比較して、指針を見ることを必要としないため、演奏に集中できる。
また、体で感触の変化を感じるため、アコースティックピアノにおいて音を聞きながらハーフペダルの開始位置を知る場合と比較して、ハーフペダルの開始位置の把握が容易である。
また、ハーフペダルの開始位置の把握が容易となるため、ハーフペダルの開始位置の学習に奇与し、演奏能力の向上に寄与する。
また、本実施形態では、モーションコントローラ140bは制御プログラムによって実現する機能であるため、従来の自動演奏ピアノに対してハードウェアや機構を追加することなく、ソフトウェアの更新だけでハーフペダルの開始位置の把握を行えるようになる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。
上述した実施形態においては、操作量テーブルを用いてプランジャの操作量ufを設定しているが、プランジャの操作量ufを設定する構成は上述した実施形態の構成に限定されるものではなく、たとえば以下のようにプランジャの操作量ufを設定してもよい。
具体的には、まず、ペダル軌道目標値制御部150は操作量テーブルに替えて、ハーフペダルの開始位置までダンパペダル110をペダルソレノイド23のみで駆動した時のプランジャの操作量ufH(図8参照)を記憶すると共に、ダンパペダル110の初期位置の位置値XR、ハーフペダルの開始位置の位置値XHおよびダンパペダル110を最も深く踏み込んだ時の位置の位置値XEを記憶する。
そして、ペダル軌道目標値制御部150は、アシストモードである時に受け取った位置値yxが位置値XH未満である場合には、以下の式(1)を用いて操作量ufを算出する。
uf=ufH*(yx−XR)/(XH−XR)・・・(1)
また、位置値yxの値が位置値XHと同じまたは位置値XHより大きな値である場合には、操作量ufの値を「0」に設定する。なお、この式に従って操作量を設定すると、ダンパペダル110の位置値yxとペダルソレノイド23のプランジャの操作量ufとの関係は図8に示した操作量曲線L3のようになる。この構成によれば、操作量テーブルを記憶する必要がなく簡易な構成となる。
また、図9は、この構成において、横軸をダンパペダル110の位置値yxとし、縦軸を、演奏者がペダルを操作する力をペダル110の操作量U−ufに換算したものである。図9に示したように、演奏者は、ハーフペダルの開始位置までは、ペダルソレノイド23のアシストを受けない場合と比較して少ない力でダンパペダル110を操作でき、特にハーフペダルの開始位置近くまで踏み込むと、力をほとんど掛けることなくダンパペダル110を操作できる。また、図9に示したように、演奏者は、ハーフペダルの開始位置以降は、ペダルソレノイド23のアシストを受けず、自身の力でダンパペダル110を操作する。
また、本発明においては以下のようにしてプランジャの操作量を設定してもよい。
まず、増幅部152における増幅率をKxとする。また、ペダル軌道目標値制御部150は、ハーフペダルの開始位置までダンパペダル110をペダルソレノイド23のみで駆動した時のプランジャの操作量ufH、ダンパペダル110の初期位置の位置値XR、位置値XRでの予め定められた操作量ufR、ハーフペダルの開始位置の位置値XHを記憶し、定数AKと定数BKとを以下の式で求める。
AK=(ufH−ufR)/(XH−XR)/Kx・・・(2)
BK=ufH/Kx・・・(3)
また、ペダル軌道目標値制御部150は、ダンパペダル110の目標とする位置を表す目標値rxを以下の式で求める。
rx=AK*yx+BK+yx・・・(4)
そして、ペダル軌道目標値制御部150は、アシストモードである時に受け取った位置値yxが位置値XH未満である場合には、(4)の式で目標値rxを求め、求めた値を減算器151へ出力すると共に操作量ufの値を「0」とする。
また、位置値yxの値が位置値XHと同じまたは位置値XHより大きな値である場合には、ペダル軌道目標値制御部150は目標値rxの値を位置値yxと同じとすると共に、操作量ufの値を「0」とする。
上述した実施形態においては、ダンパペダル110がハーフペダルの開始位置まで踏まれていない時にはペダルソレノイド23を駆動し、ハーフペダルの開始位置またはハーフペダルの開始位置を超えた位置まで踏まれた時にはペダルソレノイド23を駆動しないようにしているが、たとえば、ダンパペダル110がハーフペダルの領域にある場合にはペダルソレノイド23を駆動し、ハーフペダルの領域外にある場合にはペダルソレノイド23を駆動しないようにしてもよい。
具体的には、ペダル軌道目標値制御部150は、図13に実線で示した操作量曲線L7に従ってペダルソレノイド23を駆動するデータを出力する。操作量曲線L7は、本変形例におけるダンパペダル110の位置値yxとペダルソレノイド23のプランジャの操作量ufとの関係を表したものである。ペダル軌道目標値制御部150は、操作量曲線L7におけるペダルソレノイド23の操作量ufとの関係を格納した操作量テーブルを記憶しており、位置生成部155から出力された位置値yxに対応した操作量ufを操作量テーブルから読み出し、読み出した操作量ufを出力する。なお、図13において点線で示されている曲線L2は、ダンパペダル110をペダルソレノイド23のみで駆動した時のプランジャの操作量とダンパペダル110の位置の関係を表した曲線である。
そして、演奏者がダンパペダル110を踏み込み、位置生成部155から出力された位置値yxの値がハーフペダルの開始位置XH1の値以上で且つハーフペダルの終了位置XH2以下であると、操作量ufが操作量テーブルに従って設定され、演奏者がダンパペダル110を踏むのをアシストするようにダンパペダル110のプランジャが変位するため、演奏者はハーフペダルの開始位置から終了位置の間ではダンパペダル110の操作を軽く感じ、ハーフペダルの領域を容易に知ることができる。
また、演奏者がダンパペダル110を踏み込み、位置生成部155から出力された位置値yxの値がハーフペダルの終了位置を超えると、再び操作量ufが「0」に設定されるため、演奏者は自分の力のみでダンパペダル110を操作することとなり、ハーフペダルの領域の終了を容易に知ることができる。
また、ダンパペダル110がハーフペダルの領域にある時にペダルソレノイド23を駆動する場合、以下のようにして操作量ufを求めるようにしてもよい。
具体的には、ペダル軌道目標値制御部150は、ハーフペダルの開始位置をXH1、ペダルソレノイド23のみで位置値yxをXH1とするのに必要な操作量をUH1、ハーフペダルの終了位置をXH2、ペダルソレノイド23のみで位置値yxをXH2とするのに必要な操作量をUH2、係数Suを記憶する。なお、係数Suは1より小さな値である。
そして、ペダル軌道目標値制御部150は、アシストモードである時に受け取った位置値yxがXH1以上であり且つXH2以下である場合には、以下の式(5)を用いて操作量ufを算出する。
uf=((UH2−UH1)*(yx−XH1)/(XH2−XH1)+UH)*Su・・・(5)
また、ペダル軌道目標値制御部150は、位置値yxの値がXH1未満またはXH2を超えた値である場合には、操作量ufの値を「0」に設定する。この態様においても、操作量テーブルを記憶する必要がなく簡易な構成となる。
本発明においては、ダンパペダル110の踏み込み速度を用いてペダルソレノイド23の駆動を制御するようにしてもよい。具体的には、モーションコントローラ140bの構成を図15に示した構成とする。なお、図15において上述した実施形態と同じ構成については図4と同じ符号を付している。減算器158は、入力される2つの値の一方から他方の値を減算するものであり、減算結果を出力する。増幅部156は、減算器158から出力された値を予め定められた増幅率Kvで増幅するものであり、増幅後の値を出力する。速度生成部157は、正規化部154から供給されるデータからダンパペダル110の操作部の位置の時間的変化を解析してダンパペダル110の操作部の移動速度を算出し、算出した速度を示す速度値yvをペダル軌道目標値制御部150へ出力する。また、ペダル軌道目標値制御部150は、ダンパペダル110の目標とする速度を表す目標値rvを出力する。
u=ux+uv=Kx*(rx−yx)+Kv*(rv−yv)・・・(6)
ここで、rx=yx、rv=yvとペダル軌道目標値制御部150が設定すると加算値uは値が「0」となるので、ダンパペダル110の操作をアシストしない場合にはrx=yx、rv=yvとする。
上述した変形例においては、ダンパペダル110がハーフペダルの開始位置から終了位置の間にある時にペダルソレノイド23を駆動するようにしているが、ハーフペダルの開始位置から終了位置の間にある時にペダルソレノイド23を駆動しないようにし、ハーフペダルの開始位置から終了位置の間にない時にはペダルソレノイド23を駆動するようにしてもよい。この態様においても、ダンパペダル110の位置がハーフペダルの開始位置から終了位置の間にある時とそれ以外の時とではダンパペダル110を踏む感触が異なるため、ハーフペダルの領域を演奏者に知らせることができる。
また、ハーフペダルの開始位置まではペダルソレノイド23を駆動せずに演奏者の操作のみでダンパペダル110を動かすようにし、ハーフペダルの開始位置以降は、ペダルソレノイド23を駆動して演奏者の操作をアシストするようにしてもよい。
また、ハーフペダルの開始位置を含む所定領域内とハーフペダルの終了位置を含む所定領域内にダンパペダル110の操作部がある場合にのみペダルソレノイド23を駆動して演奏者の操作をアシストするようにしてもよい。この態様によれば、ハーフペダルの開始位置と終了位置とを演奏者はダンパペダル110を踏んだ時の感触の違いで知ることができる。
上述した実施形態においては、モーションコントローラ140a,140bはCPU102が実行する制御プログラムにより実現されているが、モーションコントローラ140a,140bの機能がハードウェアによってCPU102で実現されるようにしてもよい。
本発明の自動演奏ピアノ100は自動演奏機能を備えているが、自動演奏中においてもアシストモードを有効とするようにしてもよい。このように自動演奏中においてもアシストモードを有効とすると、自動演奏と連弾を行う際にダンパペダル110においてハーフペダルの開始位置を知ることができる。
上述した実施形態においてはダンパペダル110を駆動しているが、ソフトペダル112についても、演奏者がソフトペダル112を踏み始めてからソフトペダル112の操作部分の位置が予め定められた位置に達するまでは演奏者の操作をアシストするようにソレノイドでソフトペダル112を駆動し、操作部分の位置が予め定められた位置となるかまたは予め定められた位置を超えるとソレノイドの駆動を停止するようにしてもよい。
また、操作部分の位置がSX1からSX2の間の位置にある時にソレノイドでソフトペダル112の操作をアシストし、操作部分の位置がSX1となるまで又は操作部分の位置がSX2の位置を超えた位置である時はソレノイドの駆動を停止するようにしてもよい。
グランドピアノのハンマー2は、ソフトペダル112が操作されない時は同じ位置で弦を叩くために3本の溝が生じ、この溝の部分はフェルトが凹んで硬くなるが、ソフトペダル112を操作して操作部をSX1の位置とSX2との間の位置にすると鍵盤が移動し、ハンマー2は、この溝以外のまだ柔らかいフェルト部分で弦を叩くため音が柔らかくなる。そこで上述したように、SX1からSX2の間の位置にある時にソレノイドでソフトペダル112の操作をアシストするようにすれば、音が柔らかくなる領域を演奏者は容易に知ることが可能となる。
なお、自動演奏ピアノ100においては、ダンパペダル110やソフトペダル112だけでなく、鍵1についてもダンパペダル110と同様にソレノイド5で駆動するようにしてもよい。具体的には、たとえば鍵1の位置がレットオフ開始位置に達するまではソレノイド5によって鍵1の操作をアシストし、レットオフ開始位置となるかレットオフ開始位置を超えた場合にはソレノイド5の駆動を停止するようにしてもよい。
この場合、鍵センサ26から出力されてA/D変換部141でデジタル信号に変換された信号をCPU102が受け取り、モーションコントローラ140aは、A/D変換部141から供給される信号を基に鍵1の位置及び速度を算出し、この算出結果に基づいて電子音発生部150を制御し、打鍵された鍵に対応する音をスピーカから出力してもよい。
また、ペダルについても、ペダル位置センサ24から出力されてA/D変換部141でデジタル信号に変換された信号をCPU102が受け取り、モーションコントローラ140bは、A/D変換部141から供給される信号を基に電子音発生部150を制御し、ペダルの操作に応じた音をスピーカから出力してもよい。
消音機能を有するピアノの場合、発音や音の変化は、鍵センサ26やペダル位置センサ24からの信号に基づくものであるため、ハーフペダルのタイミングは、センサの調整状態によっては、消音機能を使用しない場合と異なる場合が生じえる。この場合、消音機能を使用しない場合の感覚で演奏者が演奏を行うと、演奏者は、発音や音の変化のタイミングに違いを感じることとなる。しかし本発明においては、センサからの検出結果に応じてコントローラ10からの制御により感触の変化を感じさせ、音の変化のタイミングの違いを演奏者に明示できるため、このタイミングの違いを利用してセンサの調整を行うこともできる。また、本発明の自動演奏ピアノ100は、演奏者の各センサで検出されてA/D変換部141で変換された信号をディスクドライブに挿入された記録媒体に記録し、演奏を記録してもよい。本発明では、センサからの検出結果に応じてコントローラ10からの制御によりダンパペダル110の感触の変化を感じることが可能である。つまり、感触の変化を感じた時の演奏を記録することが可能であり、良好な演奏を記録することができる。
Claims (4)
- 演奏者によって操作される演奏部材を、当該演奏者が当該演奏部材に加える力を軽くする方向へ駆動する駆動手段と、
演奏者によって操作された前記演奏部材の操作量を検出する検出手段と、
前記演奏部材が操作されて当該演奏部材を備える楽器が予め定められた所定状態に達したか否かを前記検出手段によって検出された操作量を基に判断し、前記楽器が所定状態に達した場合に前記駆動手段の駆動を止めるように制御する制御手段と、
を有し、
前記演奏部材はピアノのダンパペダルであり、前記所定状態はハーフペダルの状態である演奏支援装置。 - 前記制御手段は、前記ダンパペダルの操作量がハーフペダルの開始時の操作量から所定範囲内にあるときと、前記ダンパペダルの操作量がハーフペダルの終了時の操作量から所定範囲内にあるときに前記ダンパペダルが予め定められた所定状態にあると判断することを特徴とする請求項1に記載の演奏支援装置。
- 演奏者によって操作される演奏部材を、当該演奏者が当該演奏部材に加える力を軽くする方向へ駆動する駆動手段と、
演奏者によって操作された前記演奏部材の操作量を検出する検出手段と、
前記演奏部材が操作されて当該演奏部材を備える楽器が予め定められた所定状態にあるか否かを前記検出手段によって検出された操作量を基に判断し、前記楽器が所定状態にある場合と前記楽器が所定状態にない場合とで前記駆動手段の駆動と非駆動とを切り換える制御手段と、を有し、
前記演奏部材はピアノのソフトペダルであり、前記所定状態は、前記ソフトペダルを操作することによってピアノの鍵盤が初期状態から移動した状態、又は前記ソフトペダルを操作することによってピアノの鍵盤が移動を始めてから移動が終了するまでの状態であることを特徴とする演奏支援装置。 - 演奏者によって操作される演奏部材を、当該演奏者が当該演奏部材に加える力を軽くする方向へ駆動する駆動手段と、
演奏者によって操作された前記演奏部材の操作量を検出する検出手段と、
前記演奏部材が操作されて当該演奏部材を備える楽器が予め定められた所定状態にあるか否かを前記検出手段によって検出された操作量を基に判断し、前記楽器が所定状態にある場合と前記楽器が所定状態にない場合とで前記駆動手段の駆動と非駆動とを切り換える制御手段と、を有し、
前記演奏部材はピアノの鍵であり、前記所定状態は、前記鍵に対応したハンマーの位置がレットオフの位置に到達するまでの状態であることを特徴とする演奏支援装置。
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