JP4232663B2 - 自動演奏楽器の演奏操作子の駆動装置及びその駆動方法 - Google Patents

自動演奏楽器の演奏操作子の駆動装置及びその駆動方法 Download PDF

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この発明は、自動演奏ピアノ等の自動演奏楽器において、演奏操作子を駆動するための駆動装置、及び、前記演奏操作子を駆動するための方法に関にする。
従来から知られる自動演奏ピアノの一例として、鍵を電気的に駆動するための電磁ソレノイドと、各鍵のストローク位置を検出するためのキーセンサとを有し、制御系において再生すべき演奏情報に基づき鍵の時間経過に応じた変位を表す軌道リファランスを生成すると共に、該生成した軌道リファランスに沿って鍵が駆動されるよう、該軌道リファランスと前記キーセンサの検出信号とに基づき鍵の駆動をサーボ制御するものがあった。特許文献1には、自動演奏ピアノにおける鍵駆動時のサーボ制御の内容として、位置制御又は速度制御が適用可能な旨が開示されていた。
また、上記特許文献1には、鍵の駆動速度とハンマの打弦速度の関係について、鍵の所定のストローク位置における速度と、ハンマの打弦速度とが重要な対応を示す旨が記載されており、前記所定のストローク位置における鍵の速度を適切に制御することで、ハンマの打弦速度を忠実に再現できるようになることが開示されている。前記所定のストローク位置は、ピアノ個体差によって多少の変動があるものの、概ね、レスト位置から9.0〜9.5mm押し下げた位置とされる。なお、本明細書中では、上記所定のストローク位置を鍵の「リファランス位置」という。
自動演奏ピアノにおいて、鍵以外の演奏操作子を自動的に駆動する技術としては、ペダルを駆動するものがあった(例えば、特許文献2参照)。該特許文献2においては、位置制御及び速度制御の双方をペダル駆動制御に適用すると共に、センサによって検出されたペダルの位置情報がフィードバックされる構成が開示されている。なお、該特許文献2には、正規化処理を行うことで、個々の自動演奏ピアノに応じた個体差を吸収しうることが示されていた。
特開平7−175472号公報 特開平2−275991号公報
ところで、鍵の駆動制御においては重要な事項は、演奏情報が表す打弦速度を忠実に再現することである。従って、特許文献1の技術においては、打弦速度の忠実な再現を実現すべく、演奏情報記録時のリファランス位置における押鍵速度の再現が重要になる。該特許文献1に開示された鍵の駆動制御では、帰還入力された鍵の現在ストローク位置或いは鍵の動作速度と軌道リファランスとの偏差に応じた鍵の駆動速度を制御していたが、これだけでは、軌道リファランスが表す押鍵速度(サーボ制御の目標値)に対する実際の押鍵速度(サーボ制御の制御量)の追従性が不十分であった。また、特許文献2に開示された技術を鍵に応用して、位置制御及び速度制御の双方による駆動制御を行うことも考えられるが、該特許文献2においては最終的にはペダルの「操作位置」の再現に制御の主眼が置かれていた。従って、「押鍵速度」を再現することに制御の主眼が置かれるところの鍵駆動に対して、該特許文献2の技術をそのまま適用しただけでは、鍵を軌道リファランスに対して忠実に駆動することが困難であった。
上記特許文献1や上記特許文献2に代表される従来の技術においては、演奏操作子の位置制御及び速度制御におけるフィードバックゲイン値を適宜調整することで軌道リファランスが表す押鍵速度(サーボ制御の目標値)に対する実際の押鍵速度(サーボ制御の制御量)の追従性を高めることが可能であるが、ゲイン値を単純に増加させるだけでは追従性は高まるものの、例えば微速度打鍵(弱打打鍵)等においては、ソレノイドのプランジャが鍵を駆動する際に、プランジャと鍵の不所望な衝突現象が起こり、該プランジャや該鍵の挙動が不安定になる恐れがあった。また、前記不所望な衝突によって、機械的なノイズ音(衝突音)が発生してしまう恐れがある。一方で、ゲイン値が弱ければ、強打打鍵の再現に際しての追従性が不十分になってしまい易い。
すなわち、軌道リファランスに対する実際の鍵の動作の追従性を向上させるには、再現すべき軌道リファランスのタイプ(弱打打鍵、強打打鍵或いは連打打鍵など)や、鍵のストローク位置等、種々の要素、種々の条件を考慮してより緻密な鍵の駆動制御を行うことが望ましく、従来の技術では不十分であった。
この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、自動演奏ピアノ等の自動演奏楽器において、演奏操作子を駆動するためのサーボ制御の目標値に対する制御量の追従性を向上させることを目的とする。
この発明は、演奏操作子と、前記演奏操作子を駆動するための駆動手段と、前記演奏操作子の動きに応じた位置及び速度を検出する検出手段と、演奏情報を供給する供給手段と、前記演奏情報に基づき、前記駆動手段を駆動するための位置目標値及び速度目標値を生成する目標値生成手段と、前記検出手段で検出した位置検出値及び速度検出値をフィードバック信号として使用して、前記位置目標値及び速度目標値と該フィードバック信号とに基づき前記駆動手段を駆動する駆動信号を生成し、該駆動信号に基づき該駆動手段をサーボ制御する制御手段と、前記駆動信号に対する補正値を発生する補正値発生手段であって、前記位置目標値及び速度目標値、又は前記検出手段で検出した位置検出値及び速度検出値が入力され、前記入力された位置目標値及び速度目標値、又は前記入力された位置検出値及び速度検出値が所定値以上の場合、当該入力された速度目標値、又は当該入力された速度検出値に比例増加する補正値を出力し、また、該入力された位置目標値及び速度目標値の少なくとも一方、又は該入力された位置検出値及び速度検出値力の少なくとも一方が前記所定値を超えない場合、固定値を補正値として出力する補正値発生手段と、前記補正値発生手段から出力された補正値に基づき前記駆動信号を補正する補正手段とを含むことを特徴とする演奏操作子の駆動装置である。
また、この発明は、演奏操作子をサーボ制御によって駆動するための方法であって、前記演奏操作子を駆動手段によって駆動する手順と、前記演奏操作子の動きに応じた位置及び速度を検出する手順と、演奏情報を供給する手順と、前記演奏情報に基づき、前記駆動手段を駆動するための位置目標値及び速度目標値を生成する手順と、前記検出した位置検出値及び速度検出値に応じた出力をフィードバック信号として使用して、前記位置目標値及び速度目標値と該フィードバック信号とに基づき前記駆動手段を駆動する駆動信号を生成し、該駆動信号に基づき該駆動手段をサーボ制御する手順と、前記駆動信号に対する補正値を発生する手順であって、前記位置目標値及び速度目標値、又は前記検出した位置検出値及び速度検出値が入力され、前記入力された位置目標値及び速度目標値、又は前記入力された位置検出値及び速度検出値が所定値以上の場合、当該入力された速度目標値、又は当該入力された速度検出値に比例増加する補正値を出力し、また、該入力された位置目標値及び速度目標値の少なくとも一方、又は該入力された位置検出値及び速度検出値力の少なくとも一方が前記所定値を超えない場合、固定値を補正値として出力する手順と、前記補正値に基づき前記駆動信号を補正する手順とを含むことを特徴とする演奏操作子の駆動方法として構成することも可能である。
上記構成からなる演奏操作子の駆動装置によれば、入力された位置目標値及び速度目標値、又は入力された位置検出値及び速度検出値が所定値以上の場合(強打打鍵駆動の時)、当該入力された速度目標値、又は当該入力された速度検出値に比例増加する補正値を出力して、速度成分に関する追従性を向上させることができ、目標値に対して忠実な鍵動作の再現を行うことができるようになる。また、入力された位置目標値及び速度目標値の少なくとも一方、又は入力された位置検出値及び速度検出値力の少なくとも一方が前記所定値を超えない場合(弱打打鍵駆動の時、或いは、押鍵の駆動立ち上がり時(押鍵初期時))に、弱打打鍵ないし押鍵初期時の特性に鑑みた固定値を補正値として出力することで、目標値に対して忠実な鍵動作の再現を行うことができ、特に、この場合は押鍵初期時の鍵とプランジャの衝突現象を効果的に防止することができるようになる。従って、本発明によれば、演奏操作子の操作位置や操作速度等の要素に基づき押鍵状態を考慮したより緻密な鍵の駆動制御を行うこと、すなわち強打打鍵、弱打打鍵、ないし押鍵初期時のそれぞれの特性に鑑みた補正値により補正した駆動信号を駆動手段に供給して、目標値(演奏情報)に対する演奏操作子の動作の追従性を高めることができるという優れた効果を奏する。
以下、添付図面を参照してこの発明の一実施例について説明する。当該実施例において、この発明に係る演奏システムを、自動演奏機能を有するアコースティックピアノ(自動演奏ピアノ)に適用した例を示す。
図1は、この実施例に係る自動演奏ピアノの概要構成図であり、機械的な発音機構の要部と共に、電気的制御系に関る機能ブロックの要部を抽出して示している。図1に示すように、自動演奏ピアノは、機械的な発音機構として、複数(例えば88個)の鍵1と、該鍵1の運動をハンマに伝達するためのアクション機構2と、対応する鍵1の運動に連動して打弦運動するハンマ3と、該ハンマ2によって打撃される弦4と、弦4の振動を止めるためのダンパ5とを含む。鍵1は、バランスピンPに貫通された位置を凡その支点として、上下揺動可能に支持されており、非押鍵時(外力を加えない状態)では図1において実線で示すレスト位置(ストローク0mmの位置)にある。そして、演奏操作(押鍵及び離鍵)に応じて、前記レスト位置からエンド位置の間で上下にストロークする。前記エンド位置は、例えばレスト位置から10mm押し下げられたストローク位置とし、これを図において2点鎖線で示す。鍵1の後端下面側には、当該鍵1を駆動するための鍵駆動装置(アクチュエータ)として、電磁ソレノイド6が具備されている。これらの構成は、一般的な自動演奏ピアノと概ね同様である。
ソレノイド6は、周知の通り、ヨーク内に配置されたコイルと、該コイル軸心内において双方向的に直線移動可能に挿入された棒状のプランジャ9とを有しており、該プランジャ9の先端部が鍵1の後端下面部に当接されている。当該ソレノイド6に対して励磁電流が与えられることでソレノイド6が駆動されると、プランジャ9は上方変位して、対応する鍵1の後端下面を突き上げる。このプランジャ9の突き上げによって、対応する鍵1の駆動(押鍵駆動)が行われる。ソレノイド6と鍵1とは夫々機械的に独立した動作系であって、各々の運動伝達特性が異なるため、前述したように例えば弱打打鍵の際にはプランジャ9と鍵1の衝突現象によって、該プランジャ9や該鍵1の挙動が不安定になりやすく、また、不所望な衝突によって、機械的なノイズ音(衝突音)が発生してしまう恐れがある。また、強打打鍵を実行するに際して、ソレノイド6の駆動力が強くなりすぎれば、鍵1のオーバーシュート等によって、鍵の挙動が不正確になってしまう。この実施例によればサーボ制御によって発生するソレノイド駆動信号に対する補正値を、再現すべき目標値に応じてフレキシブルに可変調整することで、上記のような不都合を解決し、鍵動作による演奏情報の再現精度を向上させることができることが、後述から明らかになる。
自動演奏ピアノの各鍵1の下面側には、鍵1の動作を検出するためのキーセンサ7が配設される。キーセンサ7は、例えば、鍵1の動作ストロークの全工程について連続的な位置情報を出力可能な光学式の位置センサによって構成され、鍵1のストローク位置をあ表すデータをアナログ信号で出力しうる。周知の通り、位置センサの出力(位置情報)を時間的に微分演算することで、速度情報を求めることが可能である。なお、キーセンサ7の出力は、後述する記録制御部12並びにモーション制御部11の双方に供給され、演奏録音時の演奏情報の生成・記録処理と、演奏情報再生時のサーボ制御とに利用される。また、キーセンサ7として適用可能な光学式位置センサの具体的な構成例については、例えば上記特許文献1に記載の構成等、従来から知られる適宜のセンサ構成を採用してよく、また、光学式に限らず、その他適宜の位置センサによって構成されても差し支えない。
各ハンマ3に対応してハンマ3による打弦速度及び打弦タイミングを検出するためのハンマセンサ7が設けられている。各ハンマセンサ8は、例えばハンマ3の運動に関する物理量(位置、速度或いは加速度等)の情報を出力可能な適宜の光学式のセンサ等によって構成されてよい。この例では、ハンマセンサ8の出力は、後述する記録制御部12に供給され、演奏録音時の演奏情報の生成処理に際して利用される。なお、自動演奏ピアノのハンマセンサとして適用可能な各種センサの具体的な構成例については、例えば、特開2001−175262号公報等に詳細に記載されている。
ここで、図2を参照して、当該自動演奏ピアノの電気的なハードウェア構成について簡単に説明すると、図2に示すように当該自動演奏ピアノは、CPU20、ROM21、RAM22及び記憶装置23を含み、各装置間がデータ及びアドレスバス20Bを介して接続される。
CPU20は、当該自動演奏ピアノの全体的な動作を制御するとともに、演奏情報の再生処理や、鍵操作に応じた演奏情報の記録(演奏録音)処理等の各種信号処理を実行する。CPU20が実行する各種処理の制御プログラムは、例えばROM21内に記憶されていてよい。該各種処理の実行中に発生した各種データや各種パラメータは、RAM22等の適宜のメモリ内に記憶される。また、ROM21或いはRAM22には、詳しくは後述するソレノイド駆動用の制御信号の補正値を算出するために用いるテーブルが記憶される。
記憶装置23は、演奏録音処理により生成した演奏情報を書き込むことや、演奏情報再生時に使用する演奏情報の記憶しておくことに利用されるものであり、ハードディスク、フレキシブルディスク又はフロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD‐ROM)、光磁気ディスク(MO)、ZIPディスク、DVD(Digital Versatile Disk)、半導体メモリ等、適宜の記憶媒体で構成してよい。
入出力インターフェース(I/O)24はAD変換器を含み、キーセンサ7及びハンマセンサ8から出力される検出信号(アナログ信号)は、当該I/O24を介してディジタル信号に変換されてCPU20へ出力される。CPU20では所定のクロックタイミング毎に各センサの出力を取得する処理を行う。また、後述する演奏情報再生時にCPU20の制御の下で生成されるソレノイド駆動用の制御信号は、PWM発生器25を介してPWM形式の電流信号(以下PWM信号と略称)に変換され、ソレノイド6に出力される。なお、当該自動演奏ピアノには、この他にも操作者(ユーザ)が動作モードの選択等を行うための各種設定用の操作子群や、適宜の外部機器に接続する通信インターフェース等が具備されてよい。
当該自動演奏ピアノにおいて実行される演奏録音動作及び演奏情報の再生動作の概略について説明する。図1において、記録制御部12及び記録後処理部13は、演奏録音処理に関るモジュールに相当し、また、再生前処理部10及びモーション制御部11は演奏情報の再生処理に関るモジュールに相当する。これら各モジュールが担う各種演算処理によって実現される各種機能は、CPU20が実行するソフトウェアプログラムによって実施されてよいが、これに限らず、該各モジュールが担う各種演算処理を実行する信号処理回路を備えることで、該各モジュールの各種機能をハードウェア装置によって構成しても差し支えない。
記録制御部12では、キーセンサ7やハンマセンサ8から出力された検出信号に基づき演奏情報の生成・記録処理を行う。すなわち、ハンマセンサ8の検出信号に基づき打弦速度及び打弦時刻に関する情報を求め、また、キーセンサ7の検出信号に基づき押鍵速度及び押鍵時刻に関する情報を求め、これら演奏イベントに関する種々の情報に基づき演奏者によるピアノ演奏の演奏内容を表す演奏情報を生成する。ここで生成される演奏情報は、MIDI形式等、適宜のデータフォーマットで作成されてよい。生成された演奏情報は、記録後処理部13において正規化処理された後に、適宜の外部記憶装置23(図2参照)に記録されうる。ここで前記正規化処理とは、ピアノの楽器毎、或いは、鍵やペダル等の操作子毎の個体差を吸収するための処理である。なお、正規化処理については、例えば上記特許文献2等の記載に詳しい。
再生前処理部10では、外部記憶装置22や、図示しないリアルタイム通信装置等から供給される演奏情報に基づいて、該演奏情報に含まれる各演奏イベントを再現するための鍵の軌道データを生成し、これをモーション制御部11に供給する。ここで前記鍵の軌道データは、或る時間区間での時間経過に応じた鍵の位置の変化を表すデータであり、演奏情報に含まれる打弦速度情報(ハンマに与えられるべき打弦速度)を実現するために鍵が描くべき軌道を計算によって求めたものである。なお、MIDI情報に基づき自動演奏ピアノの鍵駆動用の軌道データを生成するための処理、制御原理等の詳細については、上記特許文献1等の公知の文献を参照されたい。
モーション制御部11では、供給された軌道データを用いて各時刻におけるソレノイド駆動用の目標値を生成する。モーション制御部11には、また、キーセンサ7の検出信号に対応する物理量情報(位置、速度或いは加速度等)がフィードバック信号として入力されている。モーション制御部11は、基本的には、前記目標値(軌道データ)とキーセンサ7の検出信号とに基づき、ソレノイド6を駆動するための制御信号uを生成し、前述のPWM発生器25(図2参照)を介して、前記制御信号uに応じた励磁電流をソレノイド6に出力する。
ここで、モーション制御部11は、直接にはソレノイド6に対して励磁電流を与えて、これを駆動するものであるが、その制御の目的は、最終的には、適切なハンマ3の打弦速度を実現すべく鍵1を駆動することにあり、軌道リファランスが表わす押鍵速度情報に忠実な鍵1の押鍵速度を再現することに制御の重点が置かれる。ここで、鍵1の駆動は、プランジャ9という機械的に独立した動作系を介して行われるため、単純に軌道リファランスとフィードバック信号のみに応じて制御信号uを生成するのでは演奏情報の再現精度が不十分である。より高精度な鍵の駆動制御を実現するには、プランジャ9や鍵1の自重や、前記複数の機械系における運動伝達特性など、種々の要素を考慮した制御を行うことが望ましい。この点については、従来から、例えば、ソレノイド6のプランジャ9の自重や、鍵1自体の重み等を考慮した或る固定値のバイアス電流を常時出力して、例えば鍵駆動時の立ち上がりの追従特性の改善等を図ることが考えられていた。ここで、前記バイアス電流として、ある程度の大きさの値を加えることで、軌道リファランスに対する実際の鍵の動作の追従性を向上させることが可能となるが、これを単純に固定値で与えるだけでは、弱打打鍵時にその値の大きさが過剰となって、前述したようなプランジャと鍵の衝突現象や、鍵の挙動の乱れ原因となり、他方で強打打鍵時にその値の大きさが不十分となって、打鍵速度不足の原因となってしまうため、該バイアス電流値の設定は適宜中庸に抑えなければならず、このようなバイアス電流を鍵の動作の追従特性の向上に積極的に活用することができなかった。
この点について、この実施例によれば、制御信号uに対して、軌道リファランスの位置成分及び速度成分に応じて可変設定される補正値を足し込むことで、ソレノイド6の動作特性を、再現すべき目標値に応じてフレキシブルに変化させ、より緻密な鍵の駆動制御を可能とし、与えられた軌道リファレンス(目標値)に対する実際の鍵の動作(制御量)の追従性を向上させることができるようになる。以下に、上記を実現するためのサーボ制御システムの詳細な構成例を説明する。
図3は、上記モーション制御部11において実行されるサーボ制御のシステム構成を機能的に示すブロック図である。以下、この発明に係るサーボ制御における制御アルゴリズムの一例について説明する。なお、図3において、1点鎖線で囲むフィードバックループにおける各種演算処理は、CPU20が実行するソフトウェアプログラムによって実施される。
図3において、目標値生成部30は、再生すべき演奏情報に応じて生成された鍵の軌道データ(軌道リファランス)に基づき、或る時刻における該軌道リファランスの位置成分を表す位置目標値rx及び速度成分を表す速度目標値rvを生成する。目標値生成部30で生成された各事象(位置及び速度)についての目標値は、所定のサンプル時間(例えば1ms毎)に従って、並行に送出される。なお、この実施例において、鍵1はレスト位置(ストローク0mm)からエンド位置(レスト位置から略10mm押し下げられた位置)の間でストロークするものであるため、位置目標値rxの値は、一例として、ミリメートル(mm)単位で表現でき、0〜10mmの範囲の値をとりうる。また、速度目標値rvの値は、一例として、ミリメートル毎秒(mm/s)単位で表現でき、0〜500mm/sの範囲の値をとりうる。
目標値生成部30で生成された位置目標値rx及び速度目標値rvは、所定のサンプル時間(例えば1ms毎)に従って、次段の位置比較部31及び速度比較部32に夫々入力される。位置比較部31及び速度比較部32には、前記位置目標値rx及び速度目標値rvと共に、後述する位置フィードバック信号及び速度フィードバック信号が夫々負帰還入力される。位置比較部31は、目標値生成部30で生成した位置目標値rxから該位置フィードバック信号を減算して、両者の差分を表す位置偏差exを求める。また、速度比較部32では、速度目標値rxと速度フィードバック信号を減算して、両者の差分を表す速度偏差exを求める。
位置成分増幅部33は、前記位置偏差exを所定の係数kxで増幅して、位置制御信号uxを出力する。位置成分増幅部33から出力される位置制御信号uxは、ソレノイド6に供給すべき励磁電流における位置成分の使用比率(パーセンテージ)に換算せられた値をとる。すなわち、位置成分増幅部33では、位置偏差exが表す位置成分の制御量を、ミリメートル単位による表現から、後段のPWM発生器におけるデューティ比の増減値に対応する値に単位変換している。また、速度成分増幅部34は、速度偏差evに対して所定の係数kvで増幅し、速度制御信号uvを出力する。速度成分増幅部34から出力される速度制御信号uvは、ソレノイド6に供給すべき励磁電流における速度成分の使用比率(パーセンテージ)に換算せられた値をとる。すなわち、速度成分増幅部34では、速度偏差evが表す速度成分の制御量を、ミリメートル毎秒単位による表現から、後段のPWM発生器におけるデューティ比の増減値に対応する値に単位変換している。
位置成分増幅部33及び速度成分増幅部34から出力された位置制御信号ux及び速度制御信号uvは、次段の第1の加算部35において加算され、その加算結果が制御信号uとして出力する。制御信号uは、最終的にソレノイド6に対して供給すべき電流信号(言い換えれば、PWM発生器25におけるデューティ比)に対応する値をとる。
図3において符号36は、前記制御信号uに対する補正値ruを発生する補正値生成部である。図に示すように、補正値生成部36には前記目標値生成部30において生成した位置目標値rx及び速度目標値rvが供給される。補正値生成部36は、該供給された位置目標値rx及び速度目標値rvに応じた補正値ruを出力する。すなわち、補正値ruは、位置目標値rx及び速度目標値rvに応じて可変設定される。補正値ruは、位置目標値rx及び速度目標値rvに基づき次に例示する算出テーブルを参照することで設定される。前記補正値算出テーブルから出力される補正値ruの値は、ソレノイド6に対して供給すべき励磁電流における補正成分の使用比率(パーセンテージ)を示す値であり、すなわち後段のPWM発生器におけるデューティ比の増減値によって表現される。
図4は補正値ruを設定するための補正値算出テーブルの一例を示す図である。図4において、横欄に「位置条件項」を示し、縦欄に「速度条件項」を示す。縦欄に示す「速度条件項」には、打鍵速度(速度目標値rv)の弁別条件の指標として、速度目標値rvが100mm/s以下であるか、100mm/s以上であるかが設定される。この速度目標値rvに関する2つの指標により、当該速度目標値に応じて実現すべき鍵の動作が、弱打打鍵(rv=100mm/s以下の場合)か強打打鍵(rv=100mm/s以上の場合)かを区別している。また、横欄に示す「位置条件項」には、位置目標値rxの値の閾値として、「rx=0.5mm以下」か「rx=0.5mm以上」かが設定される。位置目標値rxの値が「rx=0.5mm以下」か「rx=0.5mm以上」か、を指標とすることで、鍵がレスト位置から0.5mm以上押下されたかどうかを区別している。レスト位置から0.5mmの位置を閾値として設定することで、鍵のレスト状態からの立ち上がり時の運動特性を調整することになる。
なお、当該補正値算出テーブルに示す「位置条件項」や「速度条件項」の指標として設定された数値やその条件等は、一例であってこれに限定されるものではない。また、位置目標値rx及び速度目標値rvの少なくとも何れか一方に応じて補正値が決定されても良いし、或いは、更に加速度目標値の項を加えても良い。また、補正値ruの算出はテーブル参照に限らず、例えば、位置目標値rx及び速度目標値rvの少なくとも何れか一方をパラメータとする適宜の演算式によって求めるよう構成してもよい。
図4に示すとおり、補正値生成部36に供給された速度目標値rvが100mm/s以下であり、位置目標値rxが0.5mm以下の場合は、補正値ruの値は8パーセントに設定される。また、速度目標値rvが100mm/s以下であり、位置目標値rxが0.5mm以上の場合は、補正値ruの値は9パーセントに設定される。これにより、打鍵速度が比較的低速(この例では100mm/s以下)な弱打打鍵駆動に際して、軌道リファランス(目標値)に対する実際の鍵動作(制御量)の良好な追従性が発揮されると共に、弱打打鍵の駆動立ち上がり時(この例では、鍵のストローク位置がレスト位置からの変位量0.5mm以下)における鍵とプランジャの衝突現象を効果的に防止することができるようになる。
一方、補正値生成部36に供給された速度目標値rvが100mm/s以上であり、位置目標値rxが0.5mm以下の場合は、補正値ruの値は8パーセントに設定される。また、速度目標値rvが100mm/s以上であり、位置目標値rxが0.5mm以上の場合、補正値ruの値は下記の式1により算出される。
式1)0.02*(rv−100)+9
但し、上記式1において、「*」は乗算を表す。また、該式1において、定数「0.02」は、実験に基づき適宜に設定されたゲイン補正値であり、具体的な数値はこれに限定されるものではない。また、「9」は、当該テーブルに基づき算出される補正値ruのオフセット補正値の一例であり、具体的な数値はこれに限定されない。
これにより、速度目標値rvが100mm/s以上であり、位置目標値rxが0.5mm以上の場合の補正値ruの値は、再現すべき軌道リファランスにおける速度目標値rvをパラメータとして、該速度目標値rvの大きさに比例した値をとる。これにより、打鍵速度が100mm/s以上の強打打鍵駆動に際して、再現すべき押鍵速度に応じた補正値ruで制御信号uを補正することができるようになり、速度成分に関する追従性を向上させることができる。よって、強打打鍵を表す軌道リファランス(目標値)に対して忠実な鍵動作(制御量)の再現を行なえるようになる。
図4に例示した補正値算出テーブルによれば、与えられた位置目標値rxが鍵のレスト位置から0.5mm以下の押下変位を表すものである場合(つまり鍵の駆動立ち上がり時)には、速度目標値rvの大きさに関らず、補正値ruの値は8パーセントに設定し、鍵の駆動立ち上がり時のプランジャ9と鍵1の衝突現象を防止し、滑らかな立ち上がり動作を実現する。一方、鍵位置をレスト位置から0.5mm以上押下げた変位を表す位置目標値rxが与えられた場合、速度目標値rvの大きさが或る閾値(この例では100mm/s)以下であれば、弱打打鍵とみなして、補正値ruの値を9パーセントに設定する。速度目標値rvの大きさが或る閾値(この例では100mm/s)以上であれば、強打打鍵とみなして、上記「式1」に従い、速度目標値rvをパラメータとして補正値ruの値を比例的に変化させる。なお、この実施例においては、強打打鍵の場合に、速度目標値rvに応じた補正値ruの値の変化特性が直線的変化を発揮する例を示したが、これに限らず、例えば曲線的な変化特性等、任意の特性を発揮するよう該「式1」を設定して差し支えない。
図3に戻ると、第2の加算部37は、第1の加算部35での加算結果として出力された制御信号uに対して補正値生成部36から出力される補正値ruを加算する。補正値ruを加算することで、制御信号uに対して位置目標値rx及び速度目標値rvに基づく適切な補正を行うことができる。そして、位置目標値rx及び速度目標値rvに応じた補正値ruによって補正された制御信号uが、PWM発生器25(図3の機能ブロック「PWM化」に相当)を介して、PWM形式の励磁電流uiに変換され、ソレノイド6に供給される。なお、この例ではソレノイド6に対して供給する電流信号として、PWM形式の信号を適用する例を示しているが、当該電流信号の形式はこれに限定されるものではない。
他方、キーセンサ7の出力の取り込みについて簡単に説明すると、ソレノイド6が前記制御信号uに応じた励磁電流により通電されると、通電されたソレノイド6に対応して設けられた鍵1が駆動される。キーセンサ(位置センサ)7は、駆動された鍵1のストローク位置ykを検出し、所定のサンプリング時間に従って、鍵のストローク位置ykに対応するアナログ検出信号yxaを出力する。該アナログ検出信号yxaは、AD変換器(図2の入出力インターフェースに相当)24を介してディジタル信号(鍵位置信号yxd)に変換され、正規化処理部38において正規化された後に、鍵位置検出値yxとして出力される。この鍵位置検出値yxが、前記目標値生成部30で生成された位置目標値rxと比較するための位置フィードバック信号yxとして、前記位置比較部31へ帰還入力(負帰還)される。
また、速度生成部39では、キーセンサ7の検出信号(鍵位置検出値yx)を適宜微分演算(例えば多項式適合等)することにより、該鍵1の速度情報を算出する。算出方法の一例として、ある任意のサンプリング時点について前後7点での位置情報(鍵位置検出値)を使用した2次曲線適合によって鍵の速度情報(鍵速度値yv)を算出することができる。鍵速度値yvは、前記目標値生成部30で生成された速度目標値rvと比較するための速度フィードバック信号yvとして、前記速度比較部32へ帰還入力(負帰還)される。
かくして、図3に示すサーボ制御の構成によれば、位置制御と速度制御の双方による鍵駆動が行われることとなる。
次に図5(a)〜(d)を参照して、上記のサーボ制御の構成により実現される鍵駆動の実測例について説明する。図5(a)〜(d)は、実現すべき軌道リファランスと、それに応じた鍵の駆動軌道(制御量)の実測例とを示す軌道図であり、縦軸にストローク位置(位置目標値rv及び鍵位置検出値yx)を示し、横軸で時間を示す。図5(a),(b)は、打鍵速度が100mm/s以下の弱打打鍵による軌道を示す図であり、(a)補正値ruが或る一定の固定値(例えば9パーセント)で与えられた場合を示し、(b)は図4に示すテーブルに従い算出した補正値ruが与えられた場合を示す。(a)に示すように、補正値ruとしてやや大きめの値(9%)の固定値を与えた場合、実現された打鍵動作の軌道は、全体として、軌道リファランスに対して良好な追従性を示すものの、ソレノイド6に対してやや強めの起動力が作用するので、鍵1の駆動の立ち上がり時(図において点線で示すストローク位置0.5mm以下の位置)において、プランジャ9と鍵1との衝突現象が生じて、鍵1の挙動が乱れてしまう。これに対して、(b)に示すように、本実施例に従って、鍵1の駆動の立ち上がり時(図において点線で示す位置であって、位置目標値rxとして0.5mm以下の値が与えられている場合)では、相対的に小さい補正値ru(この例では8%)を発生することで、鍵1の駆動の立ち上がり時のプランジャ9と鍵1との衝突現象を防止し、位置目標値rxとして0.5mm以上の値が与えられた場合は、相対的に大きい補正値ru(この例では9%)を発生することで、軌道リファランスに対する追従性を向上させる。
このように、鍵の駆動を緻密に制御することで、結果として鍵動作の軌道リファランスに対する追従性をより一層向上させることができる。
また、図5(c)及び(d)は、打鍵速度が100mm/s以上の強打打鍵による軌道を示す図であり、(c)は補正値ruが或る一定の固定値(例えば9パーセント)で与えられた場合を示し、(d)は図4に示すテーブルに従い算出した補正値ruが与えられた場合を示す。(c)に示すように、補正値ruが或る一定の固定値で与えた場合、軌道リファランスにおける押鍵速度に実際の鍵の押鍵速度が追従できず、強打打鍵の再現が困難であった。これに対して、(d)に示すように、この実施例に従えば、鍵1の駆動の立ち上がり時(位置目標値rx=0.5mm以下)では、相対的に小さい補正値ru(この例では8%)を発生し、位置目標値rxとして0.5mm以上の値が与えられると、補正値ruとして発生する値が、上記式1)に示す関数により、速度目標値rvに応じて比例した大きさの値となる。速度目標値に応じた適切な補正値ruを制御信号uに足し込むことができるので、良好な追従特性を得ることができ、軌道リファランスに忠実な強打打鍵を再現できるようになる。
以上説明した通り、この実施例によれば、制御信号uに対する補正値ruの値を、供給された位置目標値rx及び速度目標値rvに応じて可変制御することで、ソレノイド6に対する励磁電流uiを鍵の押下ストローク位置や、再現すべき押鍵速度に応じて補正することができる。これにより、軌道リファランスが表す押鍵速度(サーボ制御の目標値)に対する実際の押鍵速度(サーボ制御の制御量)の追従性を向上することができ、演奏操作の再現性を高めることができる。
なお、上述の図3のブロック図では、補正値生成部36には位置目標値rx及び速度目標値rvが供給され、両者に応じた補正値ruを得る構成を示したが、これに限らず、位置目標値rx及び速度目標値rvの少なくとも何れか一方に基づく補正値が生成される構成であってもよい。また、加速度目標値を算出することで、上述の「位置」及び「速度」の次元に加えて、更に「加速度」の次元を利用しうるよう構成することが可能である。
また、図3においては、補正値生成部36に位置目標値rx及び速度目標値rvが供給され、これら目標値に基づき補正値ruを設定する例について説明したが、その変更例として、補正値生成部36に位置フィードバック信号yx及び速度フィードバック信号yvの少なくとも何れか一方が供給され、位置フィードバック信号yx及び速度フィードバック信号yvの少なくとも何れか一方に基づく補正値ruが生成されるよう構成してもよい。位置フィードバック信号yx及び速度フィードバック信号yvの少なくとも何れか一方に基づき補正値ruを設定する場合の構成例は、図6のようである。図6において、既述の構成要素については図3と同じ符号を付与して、その詳細な説明を省略する。図6の構成例のように、位置フィードバック信号yx及び速度フィードバック信号yvの少なくとも何れか一方に基づき生成された補正値ruによっても、再現すべき軌道リファランスに対する鍵の動作の追従特性を向上させうる。
また、上記図3のサーボ構成によれば、鍵1に対応して設けられた位置センサ(キーセンサ7)の出力に基づく鍵の位置情報及び速度情報をフィードバック信号として利用する例を示したが、センサによって動作検出する部材及び該センサが検出する次元は上記の例に限定されない。すなわち、キーセンサ7は位置センサに限らず速度センサであってもよく、双方を適宜組み合わせてもよいし、また、鍵の動作のセンサ出力をフィードバック制御に利用する構成に限らず、ハンマの位置情報や速度情報をフィードバック信号として利用しても良いし、ソレノイドのプランジャの動作速度情報をフィードバック信号として利用することも可能である。
また、上述の例では、自動演奏ピアノにおける鍵1の駆動制御について説明したが、この発明に係る目標値に応じて変化される補正値を、制御信号に足し込むことで、サーボ制御の再現精度を向上させるという技術思想は、鍵の駆動制御に限らず、例えば自動演奏ピアノ等の鍵盤楽器のペダル駆動制御等、その他自動演奏楽器の演奏操作子の駆動制御に適用することが可能である。なお、この発明に係る自動演奏ピアノの形態は、グランドピアノ、アップライトピアノいずれであってもよい。
この発明の一実施例に係る自動演奏ピアノの全体構成を示す図。 同実施例に係る自動演奏ピアノにおける電気的ハードウェア構成を示すブロック図。 同実施例に係る自動演奏ピアノのサーボ制御システム構成例を示す機能ブロック図。 同実施例に係る補正値算出用のテーブルの一例を示す図。 (a)〜(d)は、鍵の駆動制御において実現すべき軌道リファランスと、それに応じた鍵の駆動軌道(制御量)の実測例とを示す軌道図であって、(a)は補正値をある固定値で与えた場合の弱打打鍵の軌道図であり、(b)は図4に示すテーブルに従い算出された補正値を与えた場合の弱打打鍵の軌道図であり、(c)は補正値をある固定値で与えた場合の強打打鍵の軌道図であり、(d)は図4に示すテーブルに従い算出された補正値を与えた場合の強打打鍵の軌道図である。 図3の機能ブロック図の変形例を示す図であって、補正値発生部に対して位置フィードバック信号及び速度フィードバック信号を供給する構成例を示す。
符号の説明
1 鍵、2 アクション機構、3 ハンマ、4 弦、5 ダンパ、6 電磁ソレノイド、7 キーセンサ、8 ハンマセンサ、9 プランジャ、10 再生前処理部、11 モーション制御部、12 記録制御部、13 記録後処理部、30 目標値生成部、31 位置比較部、32 速度比較部、36 補正値発生部、37 第2の加算器

Claims (2)

  1. 演奏操作子と、
    前記演奏操作子を駆動するための駆動手段と、
    前記演奏操作子の動きに応じた位置及び速度を検出する検出手段と、
    演奏情報を供給する供給手段と、
    前記演奏情報に基づき、前記駆動手段を駆動するための位置目標値及び速度目標値を生成する目標値生成手段と、
    前記検出手段で検出した位置検出値及び速度検出値をフィードバック信号として使用して、前記位置目標値及び速度目標値と該フィードバック信号とに基づき前記駆動手段を駆動する駆動信号を生成し、該駆動信号に基づき該駆動手段をサーボ制御する制御手段と、
    前記駆動信号に対する補正値を発生する補正値発生手段であって、前記位置目標値及び速度目標値、又は前記検出手段で検出した位置検出値及び速度検出値が入力され、前記入力された位置目標値及び速度目標値、又は前記入力された位置検出値及び速度検出値が所定値以上の場合、当該入力された速度目標値、又は当該入力された速度検出値に比例増加する補正値を出力し、また、該入力された位置目標値及び速度目標値の少なくとも一方、又は該入力された位置検出値及び速度検出値力の少なくとも一方が前記所定値を超えない場合、固定値を補正値として出力する補正値発生手段と、
    前記補正値発生手段から出力された補正値に基づき前記駆動信号を補正する補正手段と
    を含むことを特徴とする演奏操作子の駆動装置。
  2. 演奏操作子をサーボ制御によって駆動するための方法であって、
    前記演奏操作子を駆動手段によって駆動する手順と、
    前記演奏操作子の動きに応じた位置及び速度を検出する手順と、
    演奏情報を供給する手順と、
    前記演奏情報に基づき、前記駆動手段を駆動するための位置目標値及び速度目標値を生成する手順と、
    前記検出した位置検出値及び速度検出値に応じた出力をフィードバック信号として使用して、前記位置目標値及び速度目標値と該フィードバック信号とに基づき前記駆動手段を駆動する駆動信号を生成し、該駆動信号に基づき該駆動手段をサーボ制御する手順と、
    前記駆動信号に対する補正値を発生する手順であって、前記位置目標値及び速度目標値、又は前記検出した位置検出値及び速度検出値が入力され、前記入力された位置目標値及び速度目標値、又は前記入力された位置検出値及び速度検出値が所定値以上の場合、当該入力された速度目標値、又は当該入力された速度検出値に比例増加する補正値を出力し、また、該入力された位置目標値及び速度目標値の少なくとも一方、又は該入力された位置検出値及び速度検出値力の少なくとも一方が前記所定値を超えない場合、固定値を補正値として出力する手順と、
    前記補正値に基づき前記駆動信号を補正する手順と
    を含むことを特徴とする演奏操作子の駆動方法。
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