JP5487522B2 - 酸化膜改質方法及び酸化膜改質装置 - Google Patents

酸化膜改質方法及び酸化膜改質装置 Download PDF

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本発明は基板上に形成される酸化膜の膜質を向上させるための技術に関する。
近年、TFT(薄膜トランジスタ)方式のLCD(液晶ディスプレイ)装置は表示装置として用いられている。このLCD装置はガラス基板上にTFTがマトリックス状に形成され、このTFTによりTFTの上下の液晶を駆動するものである。TFTはガラス基板上に絶縁膜やポリシリコン膜を堆積して形成されるが、ガラス基板として、近年、石英ガラスよりも安価なソーダガラス等が用いられている。ソーダガラスは石英と比較して軟化点が500℃程度と低く、また、ソーダガラス中に含まれるNaが高温環境で拡散するため、400℃以下の製膜技術が望まれる。しかも、作成された膜の膜質は高温で形成される膜に近い高品質なものが求められている。また、近年、フレキシブル情報端末(例えば、フレキシブルPC、携帯)に適用されているプラスチック(ポリイミド)等の有機(フレキシブル)基板上のシリコンデバイス作成技術が重要となっている。この場合、プロセス温度はポリイミド等の耐熱温度から250℃以下となる。
これらの絶縁膜として主にシリコン酸化膜が用いられる。製膜方法はガラス(あるいは有機物)上に作成されたポリシリコン(例えば膜厚50nm)上に熱CVD法やプラズマCVD法によってSiO2膜を堆積する手法が主である。熱CVDの場合、SiH4+O2が主に用いられている。但し、300℃以下で作成された絶縁膜は不純物や水分を多量に含み、膜の緻密性が低い、ピンホールやパーティクルが多い、絶縁耐圧が低くリーク電流が多いという問題を抱えている。そこで、これらの問題を解決するため、プラズマCVD法が用いられている。例えば、ECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマ反応炉内でSiH4+O2ガスを用いたCVDにより、基板温度100℃で耐圧4MV/cm、界面準位密度1012[eV-1cm-2]、固定電荷密度1011[cm-2]の良好な絶縁膜の作成に成功している(非特許文献1)。
しかし、プラズマCVD法を用いた場合、以下のような問題が発生する。気相中のプラズマ反応であるため、パーティクルが多い、ステップカバレッジが低い。膜にプラズマストレスが導入される理想的な膜の密度(2.2g/cm2)、組成(Si:O=1:2)を実現するためのプロセスウィンドウ(製膜温度、ガス圧力、ガス流量、対向間電極距離など)が狭い。パーティクルが多いので、頻繁に製膜室の清浄化を行う必要がある。
以上の問題を軽減するため、安全性の高い反応ガスを用い、製膜条件を容易に設定でき、パーティクルの発生を抑える製膜方法として、Si−O及びSi−H結合を有する有機シリコン材料(SiH4より取り扱いが容易)とオゾンを含む混合ガス中での熱CVDプロセスが提案されている。特許文献1に開示された製膜法は、TMS(Trimethoxysilane)、TES(Triethoxysilane)、TEOS(Tetraethylorthosilicate)とオゾンガスを用いた常圧下での熱CVDにより、400℃で良好なステップカバレッジを有するSiO2膜の堆積に成功している。但し、オゾンは熱分解性のガスであり、オゾンガスは膜質に大きく影響を与えるのでキャリアガスである窒素によってオゾンガスが十分に低く安定に存在しうる濃度まで希釈される。これにより、オゾンガスの有効供給、基板表面近傍での均一なCVD反応の発生、均一な膜の堆積を実現している。
しかしながら、用いるオゾンガスのオゾン濃度が高い程、膜中に存在する炭化水素などの不純物の濃度が低下し、耐吸湿性がよくなり、絶縁特性がよくなり、リーク電流が小さくなることが知られている(特許文献2)。
一方、オゾン雰囲気に紫外光を照射することで光吸収により酸素原子を生成させることで、オゾンとは直接反応しないCVDソースガスとのCVD反応を起こし、400℃より低温でも(HDMSガスをCVDソースガスとして用いた場合は200℃で)高品質な酸化膜が形成できることが知られている。
また、上記のような手法で製膜したCVD膜も、膜生成後のポスト熱処理によりさらに膜質を向上させることができる。膜中に導入された不純物の脱ガスは膜自身の温度を上げることでよってのみ膜中からの排除が実現できる場合もあるからである。例えば、H2ガスを含む雰囲気での450℃前後のアニール処理により、膜と界面の特性(例えば接触抵抗)を向上させることができる。水素原子は膜中において拡散しやすいからである。
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特開平8−31815号公報 特開平5−259155号公報 特開2009−281943号公報
上記の水素アニールの場合、水素原子の発生、膜中の拡散を起こし膜質を改善するには、400℃程度の温度が必要である。水素以外の活性種、例えば、酸素原子を膜中に拡散させ、膜中の不純物を酸化、脱ガスし、未結合部を酸素原子で終端、強い結合を生成させることで、同様に膜質を向上させることはできる。しかしながら、酸素原子を高濃度に発生するにはプラズマの利用、つまり、数eV以上の高いエネルギーを有する酸素原子、波長200nm以下の紫外線(6eV以上のエネルギーを有する光子)が必要である。
例えば、シリコン基板上に生成したシリコン酸化膜を改善する場合、シリコン酸化膜とシリコンの界面には図9に示すような結合エネルギーの小さい弱い結合が多数存在している(非特許文献2)。これらエネルギーより高いエネルギーの供給により、これら結合が不必要に切断され、界面の膜質が劣化することが懸念されるため、できるだけ膜質改善に用いる活性種のエネルギー(分子、原子の運動エネルギーや光子のエネルギー)は小さいほうが望ましい。
また、高濃度オゾンガスを原料材料として、波長250nm(光エネルギー5eV)の紫外線を照射することで、同様の高密度の酸素原子を作成、供給することができる。この場合は、上記プラズマの利用時に発生していた5eV以上の運動エネルギーを有する分子、原子、5eV以上のエネルギーを有する光子をもちいないため、膜へのエネルギー損傷の影響を低減させることができると期待される。
しかし、図9に示したように、5eV以下の結合エネルギーを有する弱い結合も多数存在するため、高濃度オゾンと紫外光とを用いた膜に改質方法においても、光ダメージを最小限にするプロセスの開発が求められる。
そこで、前記課題を解決するための本発明の酸化膜改質方法は、処理炉内の基板にオゾンガスを供給すると共に当該基板に紫外光を照射して当該基板上の酸化膜を改質する酸化膜改質方法において、前記改質が開始されてからの前記処理炉から排出されたオゾンガスのオゾン濃度の上昇を検出し、この検出したオゾン濃度の上昇速度の変化に基づき紫外光の照射を制御する。
本発明の酸化膜改質装置の態様としては、基板にオゾンガスを供給すると共に紫外光を照射して当該基板上の酸化膜を改質する酸化膜改質装置であって、格納された基板に対してオゾンガスが供給される共に紫外光が照射される処理炉と、前記改質が開始されてからの前記処理炉から排出されたオゾンガスのオゾン濃度の上昇を検出し、この検出したオゾン濃度の上昇速度の変化に基づき紫外光の照射を制御する制御手段とを備える。
以上の発明によれば紫外光による基板のダメージを最小限に抑えながら基板の酸化膜の改質を行える。
発明の実施形態に係る処理炉を示した構成図。 CVD膜の定電圧ストレス(TDDB)に対する耐性の変化を評価した特性図。 紫外光とオゾンを併用したアニール処理によるHTO膜の比誘電率の経時的変化を示した特性図。 HTO膜とシリコン基板の界面での界面準位密度を示した特性図。 (a)オゾンと紫外光を併用した処理によるHTO膜の膜質の変化をバファードフッ酸によるエッチング耐性の変化を示した特性図,(b)X線光電子分光(XPS)によるSi2p信号のピーク位置、半値幅で評価した特性図。 紫外光とオゾンを併用した処理によるアニールの効果の模式図。 アニールに供された基板の下流側でのオゾン濃度の経時的変化を示した特性図。 熱流体化学反応シミュレーションで得た処理基板表面でのオゾンの解離率とオゾン濃度分布を示した特性図。 シリコン酸化膜とシリコン界面近傍に存在する弱い結合を説明した説明図。
以下、発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[概要]
本実施形態の基板の改質プロセスは、基板上のCVD膜のオゾンと紫外光による改質が開始されてからの前記基板に供された後のオゾンガスのオゾン濃度の上昇を検出し、この検出したオゾン濃度の上昇速度の変化に基づき紫外光の照射を制御する。特に、前記オゾン濃度の上昇速度をリアルタイムで検出することで、紫外光による基板のダメージが基板の酸化膜の及び基板の下地(酸化膜との界面)に導入され始める負の効果が大きくなるタイミングを把握できるようになっている。
[装置の構成]
図1に示された本実施形態に係る酸化膜改質装置1は処理炉2とオゾン供給装置3と光源4とオゾン濃度計5とドライポンプ6と制御部7とを備える。
処理炉2はオゾンと紫外光による酸化膜の改質に供される基板11を格納する。処理対象の基板11としてはシリコン基板に製膜されたシリコン酸化膜や金属酸化膜等が例示される。基板11はサセプタ8上に保持されている。サセプタ8はSiCコートされた加熱ステージ9によって必要に応じて所定の温度に加熱が可能となっている。そのためにサセプタ8には温度を検知するための熱電対が付帯されている。熱電対によって検知された温度は制御部7によるステージ9の加熱制御に供される。
オゾン供給装置3は処理炉2にオゾンガスを供給する。オゾン供給装置3としてはオゾンガスボンベまたはオゾン発生装置が挙げられる。オゾンガスとしてはオゾン濃度が100%のものが例示される。オゾン濃度100%のオゾンガスを供給するオゾン発生装置としては例えば明電舎製のピュアオゾンジェネレーター(MPOG−SM1C1)が挙げられる。尚、オゾン供給装置3が具備される処理炉2のガス供給系の配管はその材料としてオゾンによる腐食を防止するためにSUS316Lが適用され、さらに配管の内面は適宜に電界研磨処理される。
光源4は処理炉2内の基板11に対して紫外光を照射するための光源である。処理炉1の天井部8は光源4から照射された紫外光を導入できるように石英ガラスに例示される光透過性の材料によって構成されている。光源4は半導体製造分野に採用されている高圧水銀ランプ等に例示される周知の紫外光光源を適用すればよい。
オゾン濃度計5は処理炉2の下流側において絶対濃度の1%の変化を検出するために有効数字2桁以上でオゾン濃度を測定できる仕様のオゾン濃度計が適用される。特にリアルタイム計測を実現するためにオゾン分子のみが酸素原子その他のガス吸収度に比べ高い感度を有する波長250nm付近の紫外光の吸光を利用した吸光方式のものが適用される。オゾン濃度計5の濃度測定部の圧力、吸収セル長はオゾンの絶対濃度の1%の変化を検出できるように最適化される。また、この吸光方式に加えて、高精度なオゾン濃度の測定が可能なオゾン完全分解法による酸素原子への完全分解による圧力変化から濃度を推定するシステム等の濃度計測システムが適宜に組み込まれる。尚、オゾン完全分解法には例えば熱、紫外光、電流アーク等が適用される。
ドライポンプ6は処理炉2内のガスを排気するためのポンプである。ドライポンプ6は半導体製造分野に採用されている周知のポンプを適用すればよい。
制御部7はオゾン供給装置3と光源4とオゾン濃度計5とドライポンプ6を制御する。具体的には処理炉2の排気系のオゾン濃度すなわちオゾン濃度計5によって検出されたオゾン濃度の経時的変化に基づきオゾン供給装置3と光源4とオゾン濃度計5とドライポンプ6とを制御する。例えば、前記オゾン濃度の上昇速度(例えば10秒程度の時間帯におけるオゾン濃度の平均上昇変化率)に基づき紫外光の照射を制御する。より具体的には、制御部7は、改質が開始されてからの前記基板に供された後のオゾンガスのオゾン濃度の上昇を検出し、その後、この上昇速度の低下を検出した時点で基板11に対する紫外光の照射を停止するように光源4を制御する。そして、オゾン供給装置3とドライポンプ6のみの動作を制御して処理炉2に供されるオゾンガスの流量を調節する。
図1を参照しながら酸化改質装置1の動作例について説明する。先ず、処理炉2内において基板11がサセプタ8に置かれると、加熱プレート9による加熱によって基板11が所定温度に設定される。そして、オゾン供給装置3、ドライポンプ6が作動すると共に基板11に対しては光源5からの紫外光が天井部10を介して照射される。処理炉2から排出されたガスはそのオゾン濃度がオゾン濃度計5によって経時的に測定される。計測されたオゾンガス濃度は制御部7に供される。制御部7はオゾン濃度の上昇速度の変化を検出すると光源5の動作を制御する。具体的には、改質が開始されてからの前記基板に供された後のオゾンガスのオゾン濃度の上昇を検出する。その後、このオゾン濃度の上昇速度の低下を検出すると、この時点で基板11に対する紫外光の照射を停止させるように光源4を制御する。以上の制御によって紫外光による基板11表面のダメージを最小限に抑えながら基板11の酸化膜の改質を行える。
[本実施形態の効果]
酸化膜改質装置1によれば、オゾンガスと紫外光を併用した基板表面の改質系に供されたガスのオゾン濃度の経時的な変化を計測することで、膜質の改善が進んでいる時間帯と光子により膜と下地の界面が劣化している時間帯を区別できる。これにより、基板の酸化膜の改質効果を最大にする最適な処理時間を確定できる。そして、このタイミングを把握することで、所定の処理時間以降のオゾン供給装置3、光源4、ドライポンプ5の動作スケジュールの最適化が実現する。特に、前記改質が開始されてからの基板11に供された後のオゾンガスのオゾン濃度上昇速度を検出し、その後、この上昇速度の低下を検出した時点で基板11に対する紫外光の照射を停止させることで基板11表面の紫外光による光ダメージを軽減できる。
[実施例]
以下に酸化膜改質装置1の実施例について説明する。
オゾン供給装置3にはオゾン濃度100%のオゾンガスの供給が可能な明電舎製のピュアオゾンジェネレーター(MPOG−SM1C1)を用いた。処理炉2のガス供給系の配配管はSUS316L製の配管であってその内面が電界研磨処理されたものを採用した。処理炉2内の材質は高温部、室温部、いずれも自身の表面でのオゾンの分解率が無視できるほどの小さいものを適用した。そして、処理炉2の排気系のオゾン濃度をオゾン濃度計5によってリアルタイムで計測した。オゾン濃度計5には特許文献3に開示されたオゾン濃度測定方法とその装置のオゾン濃度測定原理及び仕様に基づき作製されたオゾン濃度計を用いた。改質処理に供する基板11にはHTO膜(膜厚8nm)が形成された8インチのシリコンウェハ(ルネサステクノジー製)を用いた。
改質の処理条件は次の通りとした。
オゾンガス流量:200sccm
処理圧力:50Pa
処理温度:200℃
紫外光光源:高圧水銀ランプ
紫外光強度:240mW/cm2(ウシオ電機製UIT−250による評価値)
図2に本実施例に係るCVD膜(HTO膜、膜厚8mm)が製膜された基板11に対して高濃度オゾンガス(オゾン濃度100%)と紫外光を供して基板11のCVD膜の定電圧ストレス(TDDB)に対する耐性の変化を評価した結果を示した。この特性図において、横軸はCVD膜に対する一定値の電界(11MV/cm)の印加によって破壊(漏れ電流密度:10-4A/cm2以上になる)に至るまでの注入電荷量(漏れ電流の破壊時間までの時間積分)である(Qbd[単位:C])。縦軸は不良率(全サンプル(基板)に破壊に至ったサンプルの割合)である。特性図によると、紫外光とオゾンガスを併用した処理を3分実施することにより、膜の信頼性が向上するが、窒素雰囲気で紫外光の照射を実施した場合(紫外光からの光子をそのまま基板に供した場合)、逆に信頼性が低下した。但し、オゾンと紫外光の併用処理にて酸素原子を供給し信頼性を向上させた場合においても処理時間を3分から15分にした場合のグラフの傾きが緩やかになっていることから分かるようにサンプル間のばらつきが増大している。
図3に紫外光とオゾンを併用したアニール処理によるHTO膜の比誘電率の経時的変化を示した。比誘電率εは図示された式によって算出した。オゾンと紫外光を併用した一定時間のアニール処理を実施した場合、比誘電率は一度(アニール開始から3分の時点で)増大するが、その後減少する傾向となった。
図4に容量電圧測定(C−V)法によってHTO膜とシリコン基板の界面での界面準位密度を測定した結果を示す。窒素ガスと紫外光を併用した処理では、HTO膜のValenceバンド側に準位が形成されていることが確認できる。また、オゾンと紫外光の併用処理においても、長時間処理(=15分処理)では若干界面準位が増大した。図4右の特性図に示すように、Valenceバンド端近傍の準位の増大はHTO膜とシリコンの界面のSi−Siダングリングボンドの歪(結合距離が伸びること)で起こることが報告されている(非特許文献3)。すなわち、紫外光の照射により、界面に歪が導入されていると予想される。また、オゾン雰囲気においても長時間の処理においては界面への紫外光照射ダメージに注意を要すること示される。
図5(a)にオゾンと紫外光を併用した処理によるHTO膜の膜質の変化をバファードフッ酸によるエッチング耐性の変化を示した。図5(b)にX線光電子分光(XPS)によるSi2p信号のピーク位置、半値幅で評価した結果を示した。オゾンと紫外光を併用した処理によりHTO膜の表面側のエッチング耐性が向上しており、これはXPSによる評価と比較すると、HTO膜内のシリコン原子は理想的な状態(+4価、平均して周りに2個の酸素原子が存在)に比べ過剰にプラスを帯びていたことが確認された。このシリコン原子が膜外に排出されて理想的なSiO2膜に近づいたことを意味する。これはSi原子周りの過剰な負イオン、その他不純物が減少したことによるものと考えられる。
図6に以上の結果に基づく紫外光とオゾンを併用した処理によるアニールの効果を模式的に示した。処理時間が短い間は紫外光とオゾンの相互作用で生成する酸素原子による膜の改質効果(特に膜の表面側、不純物の脱ガス、酸素欠損サイトでの酸素での終端)等の有効な効果がある。一方で処理時間が長くなるにつれ紫外光が膜を透過し次第に下地シリコンとの界面に到達し、これが界面に誘電率の低いダメージ層を形成したというモデルが考えられる。界面では欠陥準位が増大する結果、電荷がこの準位にトラップされやすくなり、見かけ上、膜のイオン性が低下し、膜の誘電率の低下として検出されたものと考えられる。
以上のことから膜の改質に紫外光とオゾンの併用処理を行うにあたり、膜質が向上できる最適な処理時間があることが示唆される。図1に示した処理炉2内で処理を行いながら、処理炉2の排気ガスのオゾン濃度を計測した。図7に示しされたオゾン濃度の経時的変化のように、処理開始から3分間程度は処理時間の増大と共に排気ガスのオゾン濃度が増大することが確認された。その後、オゾン濃度の時間的平均変化率は初期(処理開始から3分間)の変化率と比べて小さくなったことが確認された。これは処理の初期だけオゾンが余分に分解したことを示す。図6のモデルと比較すると、初期の余分なオゾンの分解はHTO膜の表面にオゾンの反応サイトがあることに対応していると考えられる。
図8にオゾンの基板表面での解離率(下記式の反応定数k)を変動させたときのガスの流れに沿った上流側から下流側に向けたオゾン濃度の変化を熱化学シミュレータ(CDAJ製,STAR−CD)で計算した結果を示す。
3+SiO2(基板表面)→O2+O(基板表面)+SiO2(基板表面)
処理表面でのオゾンの解離率kが3%(0.03)程度ある表面が活性な状態である場合には、表面の反応性の僅かな変化、例えばオゾンが表面に衝突したときのオゾンの分解率の0.1%の変化で検出できるほどの下流側のオゾン濃度の低下が検出できることを意味している。したがって、図7で示した初期のオゾン濃度の経時的な変化は基板表面の活性度が時間的に次第に低下し、3〜4分程度以降はある程度な状態(不活性な状態)になったと示すものと考えられる。図7の特性図における不活性な状態は最も酸素原子によるアニールが効果的に実施されたタイミングを示し、それ以上の処理においては、オゾン濃度計測で敏感に把握できる表面状態、表面の活性度は変化がない。オゾン濃度計測では検出できない深い箇所(具体的にはHTO膜とシリコンの界面)に悪影響を及ぼしていると予測される。
以上の実施例によれば、基板の下流側のオゾン濃度の変化をリアルタイムで計測し、オゾンと紫外光による改質処理をオゾン濃度の時間的な変化が変わる時間帯までに行うことで最大の酸化膜の改質と光ダメージの軽減が両立できることが示された。そして、例えばオゾン濃度の時間的な挙動が変化したタイミングを検知し、その後は紫外光の照射を停止してオゾンのみで処理温度を変えて処理する等のプロセス制御に用いることもできる。
尚、実施例はHTO膜の改質の例であるが、金属酸化膜等の紫外光とオゾンとによる併用処理による改質の際にも同様に下流側のオゾン濃度は表面領域(表面2〜3nm程度内)のオゾン(酸素原子)との反応性を反映した挙動を示すことが確認されている。その他の材質の際の膜の改質度の評価法にも本発明に係るリアルタイムオゾン濃度計測システムは適用できる。
1…酸化膜改質装置
2…処理炉
3…オゾン供給装置
4…光源
5…オゾン濃度計
6…ドライポンプ
7…制御部(制御手段)

Claims (4)

  1. 処理炉内の基板にオゾンガスを供給すると共に当該基板に紫外光を照射して当該基板上の酸化膜を改質する酸化膜改質方法において、
    前記改質が開始されてからの前記処理炉から排出されたオゾンガスのオゾン濃度の上昇を検出し、この検出したオゾン濃度の上昇速度の変化に基づき紫外光の照射を制御すること
    を特徴とする酸化膜改質方法。
  2. 前記オゾン濃度の上昇速度の低下が検出された時点で前記基板に対する紫外光の照射を停止することを特徴とする請求項1に記載の酸化膜改質方法。
  3. 基板にオゾンガスを供給すると共に紫外光を照射して当該基板上の酸化膜を改質する酸化膜改質装置であって、
    格納された基板に対してオゾンガスが供給される共に紫外光が照射される処理炉と、
    前記改質が開始されてからの前記処理炉から排出されたオゾンガスのオゾン濃度の上昇を検出し、この検出したオゾン濃度の上昇速度の変化に基づき紫外光の照射を制御する制御手段と
    を備えたこと
    を特徴とする酸化膜改質装置。
  4. 前記制御手段は前記オゾン濃度の上昇速度の低下を検出した時点で前記基板に対する紫外光の照射を停止させること
    を特徴とする請求項3に記載の酸化膜改質装置。
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