JP5486333B2 - ヒンジ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば事務機器の本体に事務機器の原稿圧着板を開閉可能に連結する等、第一連結対象物に第二連結対象物を開閉可能に連結するヒンジに関する。
従来、複写機、ファクシミリ、スキャナー等、オフィスで使用される事務機器の多くは、その本体の上面に原稿読み取り部(コンタクトガラス)が設けられるとともに、当該原稿読み取り部を覆う原稿圧着板が設けられる。
原稿圧着板は、原稿読み取り部に載置された原稿を原稿読み取り部に密着させるとともに原稿読み取り部に対する原稿の位置を保持するものであり、一般的には原稿圧着板の端部がヒンジにより事務機器の本体の上面の端部に回動可能に連結される。
このような原稿圧着板は、原稿を原稿読み取り部に密着させるためにある程度の重量を要する。また、原稿圧着板に原稿自動送り装置(Auto Document Feeder;ADF)が設けられている場合、原稿圧着板の重量は更に増大する。
従って、従来の事務機器の本体と原稿圧着板とを連結するヒンジは、事務機器の本体に固定される取り付け部材と原稿圧着板に固定される支持部材との間にバネを介装し、当該バネの付勢力で原稿圧着板の重量を支えることにより、事務機器の本体に対する原稿圧着板の回動角度(開閉角度)を任意の角度で保持し、ひいては作業者が原稿圧着板を回動(開閉)させて原稿読み取り部へ原稿を載置する作業を容易にしている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
また、上記ヒンジの多くは事務機器の本体に対する原稿圧着板の回動角度が所定の閾値以下では回動角度が変化してもバネの圧縮量が同じとなるようにヒンジにおけるバネとの当接部(カム)の形状を工夫することにより、原稿圧着板を本体の上面に落下させ、原稿圧着板を完全に閉じる(原稿圧着板を本体の上面に当接させる)ことを可能とする。
しかし、原稿圧着板の重量が大きい場合、事務機器の本体に対する原稿圧着板の回動角度が所定の値以下となった時点で原稿圧着板が勢いよく落下し、事務機器の本体に衝突するおそれがある。
このような問題を解消するヒンジ(原稿圧着板開閉装置)としては、事務機器の本体に対する原稿圧着板の回動角度が所定の角度以下となった場合に流体ダンパーが作用することにより原稿圧着板の落下を緩やかにするものが知られている。例えば、特許文献2に記載の如くである。
しかし、特許文献2に記載のヒンジに設けられる流体ダンパーの構造は複雑であり、部品点数も多く、製造コストの観点から見て好ましくない。
流体ダンパーを用いずに原稿圧着板の落下を緩やかにするヒンジとしては、特許文献3から特許文献6に記載のヒンジが知られている。
特許文献3に記載のヒンジ(原稿圧着板開閉装置)は、事務機器の機器本体側に取り付けられる取付部材と、取付部材に回動可能に取り付けられるとともに原稿圧着板を支持する支持部材と、取付部材または支持部材のいずれか一方にスライド可能に収装されたスライダと、取付部材または支持部材のいずれか他方に設けられるとともにスライダと摺接するカム部材と、スライダをカム部材に圧接させて原稿圧着板の開成動作を制御する弾性部材と、を備え、スライダまたはカム部材のいずれか一方に嵌合凹部(溝)が設けられ、スライダまたはカム部材のいずれか他方に挿入凸部(凸条)が設けられ、嵌合凹部および挿入凸部の少なくとも一方に回転制御部(弾性変形しつつ当接する部分)が設けられる。
特許文献3に記載のヒンジが回動するとき、ある回動角度の範囲内では嵌合凹部と挿入凸部とが回転制御部において弾性変形しつつ当接し、嵌合凹部と挿入凸部との当接部分において摩擦力が発生する。
この摩擦力により、原稿圧着板を自重で閉じる方向に回動させようとするトルクの一部が相殺されるため、ヒンジの回動、ひいては原稿圧着板の落下が緩やかになる。
特許文献4に記載のヒンジは、本体(事務機器本体)または揺動体(原稿圧着板)の一方に取り付けられる筒状のケースと、本体または揺動体の他方に取り付けられ、ケースの互いに向き合う側壁に回転自在に支持される回転体と、回転体に形成され側壁と圧接し側壁を回転体の回転軸方向に押圧する圧接部と、回転体に形成されるカム部と、ケースに往復移動自在に収容されカム部と摺接する斜面を有するくさび体と、ケースに収容されくさび体を回転体側に付勢する弾性部材と、を備える。
特許文献4に記載のヒンジが回動するとき、ある回動角度の範囲内では圧接部と側壁とが弾性変形しつつ当接し、圧接部と側壁との当接部分において摩擦力が発生する。
この摩擦力により、揺動体(原稿圧着板)を自重で閉じる方向に回動させようとするトルクの一部が相殺されるため、ヒンジの回動、ひいては揺動体(原稿圧着板)の落下が緩やかになる。
特許文献5に記載のヒンジは、本体(事務機器本体)または揺動体(原稿圧着板)の一方に取り付けられる筒状のケースと、本体または揺動体の他方に取り付けられ、ケースの互いに向き合う側壁端部に回転自在に支持されるとともにカム部を有する回転体と、ケースに往復移動自在に収容され回動体が回動するとカム部と摺接する斜面を有するくさび体と、ケースに収容されくさび体を回転体側に付勢する弾性部材と、ケースの内壁の回動体の回動軸よりもくさび体側に形成され回動軸とほぼ平行な線分の平行移動軌跡に相当する凹に湾曲した摺接面と、回動体に形成され回動体が回動すると摺接面と摺接する摺接部と、を備える。
特許文献5に記載のヒンジが回動するとき、ある回動角度の範囲内では摺接部が弾性変形しつつ摺接面に当接し、摺接部と摺接面との当接部分において摩擦力が発生する。
この摩擦力により、揺動体(原稿圧着板)を自重で閉じる方向に回動させようとするトルクの一部が相殺されるため、ヒンジの回動、ひいては揺動体(原稿圧着板)の落下が緩やかになる。
特許文献6に記載のヒンジは、一対の軸孔を有する軸受壁部を有しスキャナー等のベースに取り付けられる固定側ヒンジ体と、上下方向に開閉回動自在に設置される開閉体に取り付けられる可動側ヒンジ体と、一対の軸孔および可動側ヒンジ体に挿通され可動側ヒンジ体を固定側ヒンジ体に回動可能に支持する支軸と、可動側ヒンジ体に当接する斜面を上端に有するとともに固定側ヒンジ体に上下摺動自在に内装されるくさび体と、固定側ヒンジ体に内装されるとともにくさび体を上方に付勢する圧縮コイルばねと、を具備する。
特許文献6に記載のヒンジの可動側ヒンジ体は、支軸周りに回動可能に枢着されたボス部と、ボス部の外周下部から突接され開閉体の開閉に伴い斜面に擦接して可動側ヒンジに開方向の回転トルクを作用する円弧状突起と、を有する。
特許文献6に記載のヒンジの固定側ヒンジ体の軸受壁部の上端縁は軸孔を中心とする凸円弧縁に形成され、凸円弧縁の円周方向一部には小さい突子が設けられる。
特許文献6に記載のヒンジのボス部の軸方向両端面の各外周側には張出壁が形成される。
特許文献6に記載のヒンジの張出壁の内面には、軸孔中心を円弧中心とする凹円弧状に形成されるとともに開閉体の開閉に伴い突子と擦接する摺動凹円弧面が形成される。
特許文献6に記載のヒンジの摺動凹円弧面の円周方向中間部には、摺動凹円弧面と同心円状にかつ摺動凹円弧面よりも少し高く形成される隆起段部が形成される。
特許文献6に記載のヒンジが回動するとき、ある回動角度の範囲内では突子が隆起段部に乗り上げ、突子が弾性変形しつつ隆起段部に当接し、突子と隆起段部との当接部分において摩擦力が発生する。
この摩擦力により、開閉体(原稿圧着板)を自重で閉じる方向に回動させようとするトルクの一部が相殺されるため、ヒンジの回動、ひいては開閉体(原稿圧着板)の落下が緩やかになる。
しかし、特許文献3から特許文献6までに記載のヒンジはいずれも、互いに当接する二つの部材が樹脂材料からなる(より詳細には、物性値(機械的性質)が似た材料同士が当接する)ことを前提としている。
そのため、当該二つの部材の当接部分に発生する摩擦力を大きくするために二つの部材の一方を他方に押し付ける力を大きく設定した場合には、当該二つの部材の当接部分における摩耗が激しくなり、ヒンジに十分な耐久性を持たせることが困難である。
より詳細には、特許文献3から特許文献6までに記載のヒンジを開く方向および閉じる方向に交互に回動させることを繰り返した場合、上記二つの部材の当接部分が摩耗して当該当接部分において所望の摩擦力が発生しなくなり、原稿圧着板が事務機器の本体に向かって勢いよく落下する場合がある。
特開2007−212910号公報 特開2006−133532号公報 特開2009−71804号公報 特開2005−299748号公報 特開2004−116208号公報 特開2001−98839号公報
本発明が解決しようとする課題は、第二連結対象物を第一連結対象物に対して緩やかかつ確実に閉じることが可能であり、かつ、耐久性に優れたヒンジを提供すること、である。
以下では、上記課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、
第一連結対象物に第二連結対象物を開閉可能に連結するヒンジであって、
前記第一連結対象物または前記第二連結対象物のいずれか一方に固定される第一ウイング部材と、
前記第一連結対象物または前記第二連結対象物のいずれか他方に固定され、前記第一ウイング部材に回動可能に連結され、カム部を有し、前記カム部にはダンパー孔およびダンパー溝が形成され、前記カム部のうち少なくとも前記ダンパー孔の周囲となる部分および前記ダンパー溝の周囲となる部分は樹脂材料からなる第二ウイング部材と、
前記第一ウイング部材に支持されつつ、前記第二ウイング部材に接近する方向および前記第二ウイング部材から離間する方向に移動可能なスライド部材と、
前記スライド部材を前記第二ウイング部材に接近する方向に付勢して前記スライド部材を前記カム部に当接させることにより、前記第二連結対象物が前記第一連結対象物に対して開く方向に回動するように前記第二ウイング部材にトルクを付与する付勢部材と、
金属材料からなり、中途部が前記ダンパー孔に貫装され、両端部が前記第一ウイング部材に支持される第一ダンパーピン部材と、
金属材料からなり、一端部が前記第一ウイング部材に支持され、他端部が前記ダンパー溝に収容される第二ダンパーピン部材と、
を具備し、
前記ダンパー孔は、
前記カム部を前記第一ウイング部材に対する前記第二ウイング部材の回動軸の軸線方向に貫通するとともに前記回動軸の周方向に延びる円弧状の長孔であり、
前記ダンパー孔の幅は、
前記回動軸の周方向における中途部において前記第一ダンパーピン部材の外径よりも小さく、
前記ダンパー溝は、
前記カム部の周面に開口するとともに前記回動軸の周方向に延びる溝であり、
前記ダンパー溝の幅は、
前記回動軸の周方向における中途部において前記第二ダンパーピン部材の外径よりも小さいものである。
請求項2においては、
前記カム部において前記回動軸および前記ダンパー孔により挟まれる位置であって前記ダンパー孔においてその幅が前記第一ダンパーピン部材の外径よりも小さい部分に対応する位置、または、前記カム部において前記ダンパー孔を越えて前記回動軸の反対側となる位置であって前記ダンパー孔においてその幅が前記第一ダンパーピン部材の外径よりも小さい部分に対応する位置には、前記カム部を前記回動軸の軸線方向に貫通する変形逃がし孔が形成され、
前記カム部のうち前記ダンパー孔および前記変形逃がし孔により挟まれる部分は樹脂材料からなるものである。
請求項3においては、
前記第二ダンパーピン部材は、
スプリングピンまたはすりわりピンである。
本発明は、第二連結対象物を第一連結対象物に対して緩やかかつ確実に閉じることが可能であり、かつ、耐久性に優れる、という効果を奏する。
本発明に係るヒンジの第一実施形態を具備する複合機を示す右側面図。 本発明に係るヒンジの第一実施形態を示す斜視図。 同じく本発明に係るヒンジの第一実施形態を示す斜視図。 本発明に係るヒンジの第一実施形態を示す右側面図。 回動角度θ=0°のとき(原稿圧着板が閉じているとき)の本発明に係るヒンジの第一実施形態を示す右側面断面図。 本発明に係るヒンジの第一実施形態のケース部材を示す斜視図。 同じく本発明に係るヒンジの第一実施形態のケース部材を示す斜視図。 本発明に係るヒンジの第一実施形態の回動部材を示す斜視図。 本発明に係るヒンジの第一実施形態の回動部材を示す右側面断面図。 (a)本発明に係るヒンジの第一実施形態および第二実施形態の回動ピンを示す斜視図、(b)本発明に係るヒンジの第一実施形態のダンパーピンを示す斜視図。 本発明に係るヒンジの第一実施形態のスライダおよび本発明に係るヒンジの第二実施形態のスライダを示す斜視図。 回動角度θ=60°のとき(原稿圧着板が開いているとき)の本発明に係るヒンジの第一実施形態を示す右側面断面図。 回動角度θ=16°のときの本発明に係るヒンジの第一実施形態を示す右側面断面図。 回動角度θ=8°のときの本発明に係るヒンジの第一実施形態を示す右側面断面図。 本発明に係るヒンジの第一実施形態の回動角度θとダンパー孔の幅W1(θ)との関係を示す図。 本発明に係るヒンジの第一実施形態の回動部材の別実施形態を示す右側面断面図。 本発明に係るヒンジの第一実施形態のダンパーピンの別実施形態を示す右側面断面図。 本発明に係るヒンジの第二実施形態を具備する複合機を示す右側面図。 本発明に係るヒンジの第二実施形態を示す斜視図。 同じく本発明に係るヒンジの第二実施形態を示す斜視図。 本発明に係るヒンジの第二実施形態を示す右側面図。 回動角度θ=0°のとき(原稿圧着板が閉じているとき)の本発明に係るヒンジの第二実施形態を示す右側面断面図。 本発明に係るヒンジの第二実施形態のケース部材を示す斜視図。 同じく本発明に係るヒンジの第二実施形態のケース部材を示す斜視図。 本発明に係るヒンジの第二実施形態の回動部材を示す斜視図。 本発明に係るヒンジの第二実施形態のカム面およびダンパー溝を示す展開模式図。 (a)本発明に係るヒンジの第二実施形態のピン固定部材を示す右側面断面図、(b)本発明に係るヒンジの第二実施形態のピン固定部材を示す正面図、(c)本発明に係るヒンジの第二実施形態のピン固定部材を示す背面図。 本発明に係るヒンジの第二実施形態のダンパーピンを示す斜視図。 回動角度θ=60°のとき(原稿圧着板が開いているとき)の本発明に係るヒンジの第二実施形態を示す右側面断面図。 回動角度θ=16°のときの本発明に係るヒンジの第二実施形態を示す右側面断面図。 回動角度θ=8°のときの本発明に係るヒンジの第二実施形態を示す右側面断面図。 本発明に係るヒンジの第二実施形態の回動角度θとダンパー溝の幅W2(θ)との関係を示す図。 本発明に係るヒンジの第二実施形態のダンパーピンの別実施形態を示す斜視図。
以下では、図1から図16までを用いて本発明に係るヒンジの第一実施形態であるヒンジ100について説明する。
図1に示す如く、ヒンジ100は複合機11の本体12に原稿圧着板13を回動可能に連結し、ひいては本体12に原稿圧着板13を開閉可能に連結する。
複合機11は事務機器の実施の一形態である。複合機11は本体12および原稿圧着板13を具備する。
本体12は本発明に係る第一連結対象物の実施の一形態である。
本実施形態の本体12は原稿読み取り装置、制御装置、印刷装置、表示装置および入力装置を具備する。
本実施形態の原稿読み取り装置は本体12の上面に配置される。原稿読み取り装置は本体12の上面に載置された原稿を読み取る(原稿の画像情報を生成する)。
本実施形態の制御装置は複合機11の各部の動作、より詳細には原稿読み取り装置、印刷装置およびADFの動作を制御する。
また、制御装置は原稿読み取り装置が生成した画像情報および本体12に接続された回線(インターネット回線等)を通じて取得した画像情報を記憶することが可能である。
本実施形態の印刷装置は原稿読み取り装置の下方に配置される。印刷装置は制御装置が記憶した画像情報に基づいて紙に画像を印刷する。
本実施形態の表示装置は例えば液晶パネルからなり、複合機11の動作状況等に係る情報を表示する。
本実施形態の入力装置は例えばボタン、スイッチ等からなり、作業者が複合機11に対する指示等を入力する際に操作するものである。表示装置および入力装置は本体12の上面前端部に配置される。
原稿圧着板13は本発明に係る第二連結対象物の実施の一形態である。
原稿圧着板13は原稿読み取り装置の上に載置された原稿を原稿読み取り装置に向かって押さえつける(圧着する)ことにより、原稿読み取り装置が原稿を読み取る際に原稿が動く(原稿読み取り装置との相対的な位置が変化する)ことを防止する。
本実施形態の原稿圧着板は読取前原稿収容トレイ、ADF(Auto Document Feeder)および読取後原稿収容トレイを具備する。
本実施形態のADFは読取前原稿収容トレイに積層状態で収容された複数枚の原稿を一枚ずつ順に取り出して原稿読み取り装置の上の所定の読取位置に載置し、原稿読み取り装置による原稿の読み取りが終了した後、当該読取位置に載置された原稿を読取後原稿収容トレイに搬送する。
「事務機器」は、少なくとも原稿を読み取る(原稿の画像情報を取得する)機能を具備する装置を指す。
事務機器の具体例としては、(a)原稿を読み取る機能および読み取った原稿に係る画像情報を他の機器(例えば、パーソナルコンピュータ)に送信する機能を具備するスキャナー、(b)原稿を読み取る機能、読み取った原稿に係る画像情報を通信回線を介して他の機器に送信する機能および他の機器から取得した画像情報をプリントアウトする機能を具備するファクス、(c)原稿を読み取る機能および読み取った原稿に係る画像情報をプリントアウトする機能を具備するコピー機、(d)上記スキャナー、ファクス、およびコピー機としての機能を兼ねる複合機、等が挙げられる。
本実施形態における「原稿圧着板13が(本体12に対して)閉じている状態」は、原稿圧着板13の下面が本体12の上面に当接した状態、または、原稿圧着板13の下面が本体12の上面に当接していないが本体12の上面に近い位置で互いに概ね平行となるように配置された状態を指す(図1において実線で描かれた原稿圧着板13を参照)。
また、「原稿圧着板13が(本体12に対して)開いている状態」は、原稿圧着板13が本体12に対して回動することにより、原稿圧着板13の下面および本体12の上面(本実施形態の場合は特に、原稿圧着板13の下面前端部および本体12の上面前端部)が離間した状態を指す(図1において二点鎖線で描かれた原稿圧着板13を参照)。
本実施形態のヒンジ100は複合機11の本体12に原稿圧着板13を回動可能に連結する用途に用いられるが、本発明に係るヒンジの用途はこれに限定されない。
すなわち、本発明に係るヒンジは、「二つの部材の一方の部材(第一連結対象物)に他方の部材(第二連結対象物)を開閉可能に連結する用途」に広く適用可能である。
本発明に係るヒンジが適用される他の用途の具体例としては、事務機器の本体にトナーカートリッジを交換するためのハッチ(蓋)を開閉可能に連結する用途、自動車の車体にボンネットを開閉可能に連結する用途、便器に便座を開閉可能に連結する用途、等が挙げられる。
以下では、ヒンジ100を構成する各部材について説明する。
なお、以下では便宜上、ヒンジ100が複合機11に取り付けられ、かつ、原稿圧着板13が本体12に対して閉じているときの複合機11の上下方向、前後方向および左右方向を基準として(原稿圧着板13が本体12に対して閉じているときの複合機11の上下方向、前後方向および左右方向がそれぞれヒンジ100の上下方向、前後方向および左右方向に対応するものとして)説明する。
図2から図5までに示す如く、ヒンジ100はケース部材110、回動部材120、回動ピン130、スライダ140、バネ150およびダンパーピン160を具備する。
以下では、図1、図2、図3、図5、図6および図7を用いてケース部材110について説明する。
ケース部材110は本発明に係る第一ウイング部材の実施の一形態である。
本実施形態のケース部材110は金属板を適宜折り曲げることにより成形される。
図6および図7に示す如く、ケース部材110は後板111、左側板112、右側板113、前板114L・114R、底板115・116L・116R、前上カバー板117、前下カバー板118および後上カバー板119L・119Rを具備する。
図6に示す如く、後板111はケース部材110の後部を成す板状の部材である。
後板111は前後一対の板面を有する。後板111の形状は背面視で上下方向に長い概ね長方形である。
後板111の上下中途部には突起111aが形成される。突起111aは後板111の後方に突出する。本実施形態では、後板111にプレス加工を施すことにより後板111の上下中途部を後方に塑性変形させ、当該後方に塑性変形した部分を突起111aと成す。
図7に示す如く、左側板112はケース部材110の左側部を成す板状の部材である。
左側板112は左右一対の板面を有する。左側板112の形状は側面視で上下方向に長い概ね長方形であるが、より厳密には左側板112の上半部の幅(前後方向の長さ)は左側板112の下半部の幅(前後方向の長さ)よりもやや大きい。
左側板112の下半部かつ後端部となる部分は後板111の左端部に繋がっている。本実施形態では、一枚の金属板を直角に折り曲げることにより後板111および左側板112が形成される。
左側板112の上端部かつ後端部となる位置には、左側板112の左右一対の板面を貫通する貫通孔112aが形成される。
左側板112の上端部かつ前端部となる位置には、左側板112の左右一対の板面を貫通する貫通孔112bが形成される。
左側板112の上下中途部には突起112cが形成される。突起112cは左側板112の左側方に突出する。本実施形態では、左側板112にプレス加工を施すことにより左側板112の上下中途部を左側方に塑性変形させ、当該左側方に塑性変形した部分を突起112cと成す。
図6に示す如く、右側板113はケース部材110の右側部を成す板状の部材である。
右側板113は左右一対の板面を有する。右側板113の形状は側面視で上下方向に長い概ね長方形であるが、より厳密には右側板113の上半部の幅(前後方向の長さ)は右側板113の下半部の幅(前後方向の長さ)よりもやや大きい。
右側板113の下半部かつ後端部となる部分は後板111の右端部に繋がっている。本実施形態では、一枚の金属板を直角に折り曲げることにより後板111および右側板113が形成される。
右側板113の上端部かつ後端部となる位置には、右側板113の左右一対の板面を貫通する貫通孔113aが形成される。
右側板113の上端部かつ前端部となる位置には、右側板113の左右一対の板面を貫通する貫通孔113bが形成される。
右側板113の上下中途部には突起113cが形成される。突起113cは右側板113の右側方に突出する。本実施形態では、右側板113にプレス加工を施すことにより右側板113の上下中途部を右側方に塑性変形させ、当該右側方に塑性変形した部分を突起113cと成す。
図7に示す如く、前板114L・114Rはケース部材110の前部を成す板状の部材である。前板114L・114Rは前後一対の板面を有する。
前板114Lの形状は正面視で上下方向に長い概ね長方形である。前板114Rの形状は正面視で上下方向に長い長方形の右上隅部分を斜めに切除した形状である。
前板114Lの左端部は左側板112の前端部に繋がっている。本実施形態では、一枚の金属板を直角に折り曲げることにより前板114Lおよび左側板112が形成される。
前板114Rの右端部は右側板113の前端部に繋がっている。本実施形態では、一枚の金属板を直角に折り曲げることにより前板114Rおよび右側板113が形成される。
前板114Lおよび前板114Rの前後方向の位置は同じである。すなわち、前板114Lの後側の板面および前板114Rの後側の板面は同一平面上に配置される。
前板114Lの右端部と前板114Rの左端部とは離間している。すなわち、前板114Lの右端部と前板114Rの左端部との間には隙間が形成される。
図6に示す如く、底板115・116L・116Rはケース部材110の底部(下端部)を成す板状の部材である。底板115・116L・116Rは上下一対の板面を有する。
底板115の形状は底面視で概ね正方形である。底板115の後端部には突起115aが形成される。突起115aは底板115の後方に突出する。突起115aの形状は底面視で前後方向にやや長い概ね長方形である。
底板115の左後端部は後板111の左下端部に繋がっており、底板115の右後端部は後板111の右下端部に繋がっている。本実施形態では、一枚の金属板に切り込みを入れ、当該切り込みの両端部を通る線を折り線として直角に折り曲げることにより底板115および後板111が形成される。なお、上記切り込みおよび折り線で囲まれる部分が突起115aを成す。
底板116L・116Rの形状は前後方向に長い概ね長方形である。底板116Lの左端部は左側板112の下端部に繋がっており、底板116Rの右端部は右側板113の下端部に繋がっている。本実施形態では、一枚の金属板を直角に折り曲げることにより底板116Lおよび左側板112が形成され、当該金属板の別の部分を直角に折り曲げることにより底板116Rおよび右側板113が形成される。
底板116Lおよび底板116Rの上下方向の位置は同じである。すなわち、底板116Lの上側の板面および底板116Rの上側の板面は同一平面上に配置される。
底板116Lの右端部と底板116Rの左端部とは離間している。すなわち、底板116Lの右端部と底板116Rの左端部との間には隙間が形成される。
本実施形態では、底板116Lの上側の板面は底板115の下側の板面の左半部に当接し、底板116Rの上側の板面は底板115の下側の板面の右半部に当接する。
従って、底板115に下向きの外力(本実施形態では、バネ150の付勢力)が作用した場合、底板115は後板111だけでなく、底板116Lおよび底板116R(ひいては左側板112および右側板113)により支持される。
図7に示す如く、前上カバー板117はケース部材110の前上端部を成す板状の部材である。前上カバー板117は回動部材120のカム部121の前方を覆う(図2および図5参照)。
前上カバー板117は前後一対の板面を有する。前上カバー板117の形状は正面視で上下方向にやや長い概ね長方形である。前上カバー板117の右端部は右側板113の右上端部に繋がっている。本実施形態では、一枚の金属板を直角に折り曲げることにより前上カバー板117および右側板113が形成される。前上カバー板117の上端部および下端部は前上カバー板117の上下中途部よりも後方に向かってやや傾斜するように折り曲げられる。
前下カバー板118はケース部材110の前下端部を成す板状の部材である。
前下カバー板118は前後一対の板面を有する。前下カバー板118の形状は正面視で左右方向に長い概ね長方形である。前下カバー板118の下端部は底板115の前端部に繋がっている。本実施形態では、一枚の金属板を直角に折り曲げることにより前下カバー板118および底板115が形成される。
図6に示す如く、後上カバー板119L・119Rはケース部材110の後上端部を成す板状の部材である。後上カバー板119L・119Rは回動部材120のカム部121の後方を覆う(図3および図5参照)。
後上カバー板119L・119Rは前後一対の板面を有する。後上カバー板119Lの形状は背面視で左辺が左右方向に対して垂直であり、かつ下辺が上辺よりも長い台形である。後上カバー板119Rの形状は背面視で右辺が左右方向に対して垂直であり、かつ下辺が上辺よりも長い台形である。
後上カバー板119Lの左端部は左側板112の後上端部に繋がっており、後上カバー板119Rの右端部は右側板113の後上端部に繋がっている。本実施形態では、一枚の金属板を直角に折り曲げることにより後上カバー板119Lおよび左側板112が形成され、当該金属板の別の部分を直角に折り曲げることにより後上カバー板119Rおよび右側板113が形成される。
図6および図7に示す如く、ケース部材110の内部、より詳細には後板111、左側板112、右側板113、前板114L・114R、底板115、前上カバー板117、前下カバー板118および後上カバー板119L・119Rに囲まれる部分には空間が形成される。
ケース部材110の内部に形成される空間は、ケース部材110の上部において開口する。
本実施形態では複合機11の本体12の上面後端部に形成された平面視長方形状の固定穴(不図示)にケース部材110を差し込むことにより、ケース部材110が本体12に固定される(図1参照)。
ケース部材110が上記固定穴に差しこまれたとき、前板114Lの前側の板面および前板114Rの前側の板面が固定穴の前側の内壁面に当接し、突起112cが固定穴の左側の内壁面に当接し、突起113cが固定穴の右側の内壁面に当接し、突起111aが固定穴の後側の内壁面に当接し、底板116Lの下側の板面および底板116Rの下側の板面が固定穴の底面に当接することにより、本体12に対するケース部材110、ひいてはヒンジ100の位置が定められる。
また、ケース部材110が上記固定穴に差しこまれたとき、突起115aは上記固定穴の後側の内壁面の下半部に形成された「上下方向に延びた溝」に係合する。
このように構成することにより、ヒンジ100に過負荷が作用した場合(例えば、分厚い原稿を原稿圧着板13で本体12の上面に押し付けた場合等)に本体12に対するケース部材110(ひいてはヒンジ100)の上下方向の移動を許容して当該過負荷を回避し、かつ、ヒンジ100(ひいては原稿圧着板13)が本体12から脱落することを防止することが可能である。
本実施形態のケース部材110は金属板を適宜折り曲げることにより成形されるが、本発明に係る第一ウイング部材はこれに限定されない。
より詳細には、第一ウイング部材は一つの部材からなるものに限定されず、複数の部材からなるもの(例えば、複数の部材をネジ、溶接等により相互に固定したもの)でも良い。
また、第一ウイング部材を構成する材料は金属材料に限定されず、第一ウイング部材に要求される強度を達成することが可能であれば他の材料で構成されても良い。
第一ウイング部材を構成する材料の具体例としては、金属材料の他、樹脂材料、金属材料と樹脂材料とを組み合わせたもの等が挙げられる。
以下では、図1、図8、図9および図10を用いて回動部材120について説明する。
回動部材120は本発明に係る第二ウイング部材の実施の一形態である。
本実施形態の回動部材120は樹脂材料を一体成形することにより製造される。
図8および図9に示す如く、回動部材120はカム部121および取り付け部122を有する。
カム部121は回動部材120の下半部を成す塊状の部分である。カム部121は左右一対の側面およびカム面121aを有する。カム面121aはカム部121の前面、下面および後面を成す曲面である。
カム部121の後上部には貫通孔121bが形成される。貫通孔121bはカム部121の左右一対の側面を貫通する。貫通孔121bには回動ピン130が貫装される(図9および図10の(a)参照)。
カム部121において貫通孔121bに対して概ね前下方となる位置にはダンパー孔121cが形成される。ダンパー孔121cはカム部121を貫通し、ダンパー孔121cの両端部はそれぞれカム部121の左右一対の側面に開口する。
ダンパー孔121cの内周面には突起121dが形成される。突起121dはダンパー孔121cの貫通方向(本実施形態では、左右方向)に延びた形状の突起(凸条)である。
カム部121においてダンパー孔121cを越えて貫通孔121b(回動ピン130)の反対側となる位置には変形逃がし孔121eが形成される。変形逃がし孔121eはカム部121の左右一対の側面を貫通する。
カム部121の詳細(貫通孔121b、ダンパー孔121cおよび変形逃がし孔121eの形状、これらの孔の相対的な位置関係等)については後述する。
取り付け部122は回動部材120の上半部を成す板状の部分である。
取り付け部122は上下一対の板面を有する。取り付け部122には貫通孔122a・122b・122c・122dが形成される。
貫通孔122aは取り付け部122の左後部において取り付け部122の上下一対の板面を貫通する孔である。貫通孔122aの形状は平面視でわずかに左右方向に延びた形状である。
貫通孔122bは取り付け部122の左前部において取り付け部122の上下一対の板面を貫通する孔である。貫通孔122bの形状は平面視で前後方向に延びた形状である。
貫通孔122cは取り付け部122の右後部において取り付け部122の上下一対の板面を貫通する孔である。貫通孔122cの形状は平面視で円形である。
貫通孔122dは取り付け部122の右前部において取り付け部122の上下一対の板面を貫通する孔である。貫通孔122dの形状は平面視で前後方向に延びた形状である。
本実施形態では貫通孔122a・122b・122c・122dにネジ(不図示)を貫装し、これらのネジを複合機11の原稿圧着板13の下面後端部に形成されたネジ孔(不図示)に螺装することにより、取り付け部122、ひいては回動部材120が原稿圧着板13に固定される(図1参照)。
また、貫通孔122a・122b・122dは長孔であることから、回動部材120に対して原稿圧着板13を固定する位置を容易に微調整することが可能である。
以下では、図2、図3、図5、図6、図7、図9および図10の(a)を用いて回動ピン130について説明する。
回動ピン130は本発明に係る回動軸の実施の一形態である。
図10の(a)に示す如く、回動ピン130は胴体部131および頭部132を有する。本実施形態の回動ピン130は金属材料からなる。より詳細には、本実施形態の回動ピン130はステンレス鋼の線材を圧延加工することにより製造される。
胴体部131は回動ピン130の胴体を成す略円柱形状の部分である。胴体部131の一端部(先端部)にはカシメ穴131aが形成される。
カシメ穴131aは胴体部131の一端部(先端部)の端面に形成された穴である。カシメ穴131aが形成されることにより、胴体部131の一端部(先端部)には薄肉の部分(略円筒形状の部分)が形成される。
頭部132は胴体部131の他端部(基端部)に繋がる略円盤形状の部分である。頭部132の外径(直径)は胴体部131の外径(直径)よりも大きい。
図2、図3、図5および図9に示す如く、回動ピン130の胴体部131はケース部材110の左側板112に形成された貫通孔112a(図6および図7参照)に貫装され、回動部材120のカム部121に形成された貫通孔121bに貫装され、ケース部材110の右側板113に形成された貫通孔113a(図6および図7参照)に貫装される。
貫通孔121bの内径(直径)は胴体部131の外径(直径)よりも僅かに小さく、かつ貫通孔112aおよび貫通孔113aの内径(直径)は胴体部131の外径(直径)よりも僅かに大きいので、回動ピン130は回動部材120に脱落不能(軸線方向に移動不能)かつ相対回転不能に固定されるとともにケース部材110に回動可能に軸支される。
従って、回動部材120は回動ピン130によりケース部材110に回動可能に連結され、ひいては、ヒンジ100により原稿圧着板13(の下面後端部)が本体12(の上面後端部)に回動可能に連結される。
胴体部131の一端部(先端部)に形成された薄肉の部分を回動ピン130の半径方向(軸線方向に垂直な方向)に押し広げるようにカシメる(塑性変形させる)ことにより、回動ピン130の一端部、すなわちカシメられた部分の外径(直径)は貫通孔113aの内径(直径)よりも大きくなる。また、頭部132の外径(直径)は貫通孔112aよりも大きい。
このように、胴体部131の一端部(先端部)をカシメることにより、回動ピン130をケース部材110に対して脱落不能に固定することが可能である。
本実施形態では回動ピン130をケース部材110および回動部材120に対して別体としたが、本発明はこれに限定されない。
すなわち、十分な強度を確保することが可能であり、かつ本発明に係る第二ウイング部材を本発明に係る第一ウイング部材に回動可能に連結することが可能であれば、本発明に係る回動軸を本発明に係る第一ウイング部材または第二ウイング部材と一体としても良い(本発明に係る回動軸を本発明に係る第一ウイング部材または第二ウイング部材と一体的に成形しても良い)。
以下では、図5および図11を用いてスライダ140について説明する。
スライダ140は本発明に係るスライド部材の実施の一形態である。
本実施形態のスライダ140は樹脂材料を一体成形することにより製造される。
図11の(a)および図11の(b)に示す如く、スライダ140は上面141、下面142、左面143、右面144、前面145および後面146を有する概ね直方体形状の部材である。
図11の(a)に示す如く、スライダ140には突起147が形成される。
突起147は左右方向に延びた形状の突起(凸条)であり、上面141の前後中途部から上方に突出する。
図11の(b)に示す如く、スライダ140にはバネ受け穴148が形成される。
バネ受け穴148は下面142に開口部を有し、上下方向に延びた穴である。バネ受け穴148の形状は底面視で円形である。バネ受け穴148は内周面および頂面を有する。
バネ受け穴148の頂面の中央部にはバネ150の位置を規制する(位置決めする)ための突起148aが形成される。
図5に示す如く、スライダ140はケース部材110の内部に収容される。
スライダ140がケース部材110の内部に収容されたとき、スライダ140の前面145は前板114L・114Rの後側の板面に当接し、後面146は後板111の前側の板面に当接し、左面143は左側板112の右側の板面に当接し、右面144は右側板113の左側の板面に当接する。
従って、スライダ140は、上下方向に移動(摺動)可能であるが、前後方向および左右方向に移動不能かつケース部材110に対して相対回転不能である。
このように、ケース部材110の内部に収容されたスライダ140は、ケース部材110に支持されつつ、上下方向、ひいてはケース部材110に回動可能に連結された回動部材120に接近する方向および回動部材120から離間する方向に移動することが可能である。
スライダ140がケース部材110の内部に収容されたとき、スライダ140の上面141および突起147は回動部材120(より詳細には、カム部121のカム面121a)に対向する。
以下では、図1および図5を用いてバネ150について説明する。
バネ150は本発明に係る付勢部材の実施の一形態である。
本実施形態のバネ150は金属製の(金属材料からなる)巻きバネであり、圧縮バネ(圧縮された状態で使用されるバネ)である。
図5に示す如く、バネ150はケース部材110の内部に収容される。
ケース部材110の内部に収容されたバネ150の一端部(下端部)は底板115の上側の板面に当接し、バネ150の他端部(上端部)はスライダ140のバネ受け穴148に挿入され、バネ受け穴148の頂面に当接する。
バネ150はスライダ140をケース部材110の開口部分(上端部)から突出する方向、すなわちケース部材110に回動可能に連結された回動部材120に接近する方向(本実施形態では上方)に付勢し、スライダ140の上面141に形成された突起147を回動部材120のカム部121のカム面121aに当接させる。
その結果、バネ150の付勢力(圧縮される方向に弾性変形したバネ150が元の形状に戻ろうとする力)はスライダ140を経て回動部材120に伝達され、回動部材120はケース部材110に対して右側面視で反時計回りに回動する方向に付勢され、原稿圧着板13は本体12に対して開く方向に付勢される(図1参照)。
このように、バネ150は原稿圧着板13が本体12に対して開く方向に回動するように回動部材120にトルクを付与する。
以下では、図2、図3、図5、図6、図7、図9および図10の(b)を用いてダンパーピン160について説明する。
ダンパーピン160は本発明に係るダンパーピン部材(第一ダンパーピン部材)の実施の一形態である。
図10の(b)に示す如く、ダンパーピン160は胴体部161および頭部162を有する。本実施形態のダンパーピン160は金属材料からなる。より詳細には、本実施形態のダンパーピン160はステンレス鋼の線材を圧延加工することにより製造される。
胴体部161はダンパーピン160の胴体を成す略円柱形状の部分である。胴体部161の一端部(先端部)にはカシメ穴161aが形成される。
カシメ穴161aは胴体部161の一端部(先端部)の端面に形成された穴である。カシメ穴161aが形成されることにより、胴体部161の一端部(先端部)には薄肉の部分(略円筒形状の部分)が形成される。
頭部162は胴体部161の他端部(基端部)に繋がる略円盤形状の部分である。頭部162の外径(直径)は胴体部161の外径(直径)よりも大きい。
図2、図3、図5および図9に示す如く、ダンパーピン160の胴体部161はケース部材110の左側板112に形成された貫通孔112b(図6および図7参照)に貫装され、回動部材120のカム部121に形成されたダンパー孔121cに貫装され、ケース部材110の右側板113に形成された貫通孔113b(図6および図7参照)に貫装される。
胴体部161の一端部(先端部)に形成された薄肉の部分をダンパーピン160の半径方向(軸線方向に垂直な方向)に押し広げるようにカシメる(塑性変形させる)ことにより、ダンパーピン160の一端部、すなわちカシメられた部分の外径(直径)は貫通孔113bの内径(直径)よりも大きくなる。また、頭部162の外径(直径)は貫通孔112bよりも大きい。
このように、胴体部161の一端部(先端部)をカシメることにより、ダンパーピン160をケース部材110に対して脱落不能に固定することが可能である。
本実施形態では、ダンパーピン160の胴体部161の中途部がダンパー孔121cに貫装され、胴体部161の両端部(基端部および先端部)がケース部材110に支持される。
このように構成することにより、ダンパーピン160の軸線に垂直な方向の力(後で詳述する胴体部161の外周面とカム部121のダンパー孔121cの内周面との当接部分において発生する摩擦力に起因する力)がダンパーピン160に作用した場合でも、ダンパーピン160はケース部材110に確実に支持され、ひいてはケース部材110に対するダンパーピン160の位置あるいは姿勢の変動を防止することが可能である。
本実施形態では、ダンパーピン160を構成する金属材料はステンレス鋼であるが、本発明に係るダンパーピン部材(第一ダンパーピン部材)を構成する金属材料はこれに限定されず、ある程度の強度(ダンパーピン部材(第一ダンパーピン部材)としての機能を果たし得る強度)を有する金属材料であれば他の金属材料でも良い。
本発明に係るダンパーピン部材(第一ダンパーピン部材)を構成する金属材料の例としては、種々の鉄鋼材料(軟鉄、ステンレス鋼等)、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金等が挙げられる。
以下では、図1、図5、図9、および図12から図15までを用いて原稿圧着板13を閉じるときのヒンジ100の挙動について説明する。
より詳細には、以下では、まず原稿圧着板13の回動角度θについて説明し、次に「フリーストップ領域」および「落下領域」について説明し、続いて原稿圧着板13の回動角度θ、ダンパー孔121cおよびダンパーピン160の関係について説明する。
(原稿圧着板13の回動角度θについて)
図5に示す如く、本実施形態では原稿圧着板13が完全に閉じているとき、すなわち原稿圧着板13の下面が本体12の上面に当接しているときの原稿圧着板13の回動角度θ(本体12に対する原稿圧着板13の回動角度θ)を「0°」とし、原稿圧着板13が開く方向に回動した場合に回動角度θが増加する(回動角度θが正になる)ように原稿圧着板13の回動角度θを定義する。
なお、本実施形態では原稿圧着板13が完全に開いたとき(回動角度θが最大になったとき)の原稿圧着板13の回動角度θは「60°」である。
(「フリーストップ領域」および「落下領域」について)
図1に示す如く、本実施形態では、原稿圧着板13の回動角度θが12°以上(θ≧12°)の場合には原稿圧着板13が「フリーストップ領域」に属し、原稿圧着板13の回動角度θが12°未満(0°≦θ<12°)の場合には原稿圧着板13が「落下領域」に属する。
本実施形態における「フリーストップ領域」は、(A)「原稿圧着板13の重量に起因して回動ピン130を中心として回動部材120に作用する回転力(トルク)」と(B)「バネ150の付勢力に起因して回動ピン130を中心として回動部材120に作用する回転力(トルク)」とが概ね平衡する領域である。
ここで、『本実施形態における「フリーストップ領域」では(A)の回転力と(B)の回転力とが概ね平衡する』としたのは、本実施形態における「フリーストップ領域」には、(α)「(A)の回転力と(B)の回転力とが完全に平衡する領域((A)−(B)=0が成立する領域)」だけでなく、(β)「(A)の回転力と(B)の回転力との間に差分があり((A)−(B)≠0)、かつカム面121aと突起147との当接部分に発生する摩擦力が当該差分を相殺可能な領域」も含まれるからである。なお、(A)の回転力と(B)の回転力との間の差分は正の値の場合も負の値の場合もあり得る。
原稿圧着板13が「フリーストップ領域」に属する状態で原稿圧着板13が閉じる方向(原稿圧着板13の回動角度θが小さくなる方向)に回動した場合、(A)の回転力は増大する。
これは、原稿圧着板13に作用する重力を回動ピン130の半径方向(側面視で原稿圧着板13の前端部と回動ピン130を結ぶ方向)の成分および周方向(側面視で半径方向に垂直な方向)の成分に分解した場合、原稿圧着板13の回動角度θが小さくなるほど周方向の成分、すなわち(A)の回転力が大きくなることによる。
一方、原稿圧着板13が「フリーストップ領域」に属する状態で原稿圧着板13が閉じる方向に回動した場合、図13に示す如く回動部材120がケース部材110に対して右側面視で時計回りに回動し、回動部材120のカム部121のカム面121aとスライダ140の突起147とが当接する位置が変化し、スライダ140は図12に示す場合に比べて下方に移動する(押し下げられる)。
スライダ140が下方に移動することにより、バネ150は圧縮され(バネ150の全長は小さくなり)、バネ150の付勢力が増大し、(B)の回転力が増大する。
その結果、原稿圧着板13が「フリーストップ領域」に属するとき、原稿圧着板13の回動角度θが変化しても(A)の回転力と(B)の回転力とが平衡する。
より厳密には、原稿圧着板13が「フリーストップ領域」に属するときには原稿圧着板13の回動角度θが変化しても(A)の回転力と(B)の回転力とが概ね平衡するように回動部材120(カム部121)およびスライダ140(突起147)の形状が予め設定される。
従って、原稿圧着板13が「フリーストップ領域」に属するときに作業者が原稿圧着板13から手を離した場合、原稿圧着板13の回動角度θは保持される。
本実施形態における「落下領域」は(A)の回転力が(B)の回転力よりも大きくなる領域である。より厳密には、本実施形態における「落下領域」は「(A)の回転力が(B)の回転力よりも大きく、かつカム面121aと突起147との当接部分に発生する摩擦力が(A)の回転力と(B)の回転力との差分を相殺不能な領域」である。
原稿圧着板13が「落下領域」に属するときに作業者が原稿圧着板13から手を離した場合、原稿圧着板13は自重(厳密には、(A)の回転力と(B)の回転力との差分)により閉じる方向に回動する。
本実施形態では、原稿圧着板13が「落下領域」に属するとき、原稿圧着板13の回動角度θが変化してもケース部材110に対するスライダ140の位置が変化しない。
より厳密には、原稿圧着板13が「落下領域」に属するときには原稿圧着板13の回動角度θが変化してもケース部材110に対するスライダ140の位置が変化しないように回動部材120(カム部121)およびスライダ140(突起147)の形状が予め設定される。
その結果、原稿圧着板13が「落下領域」に属するときには(B)の回転力は実質的にゼロとなり、(A)の回転力が(B)の回転力よりも大きくなる。
(原稿圧着板13の回動角度θ、ダンパー孔121cおよびダンパーピン160の関係)
図9に示す如く、ダンパー孔121cは、貫通孔121b、より詳細には貫通孔121bに貫装された回動ピン130(ケース部材110に対する回動部材120の回動軸であり、ひいては本体12に対する原稿圧着板13の回動軸)の周方向に延びる円弧状の長孔である。
言い換えれば、ダンパー孔121cは回動ピン130の軸線方向から見て回動ピン130の軸線を中心とする円周に沿って延びた形状を有する。
また、当該円周の半径は、ケース部材110に支持された回動ピン130の軸線(中心線)からダンパーピン160の軸線(中心線)までの距離と同じである。
従って、回動部材120がケース部材110に対して回動するとき、ダンパー孔121cに貫装されたダンパーピン160は、ダンパー孔121cの内部をダンパー孔121cの長手方向に(回動ピン130の周方向に)相対移動する。
図9に示す如く、本実施形態では、ダンパー孔121cの幅W1(θ)は、「原稿圧着板13の回動角度がθであるときに回動ピン130の軸線方向(ダンパーピン160の軸線方向)から見て回動ピン130の軸線(中心線)およびダンパーピン160の軸線(中心線)を通る直線1」と「ダンパー孔121cの内周面」とが交わる二つの点の間の距離として定義される。
従って、ダンパー孔121cの幅W1(θ)は原稿圧着板13の回動角度θの関数として表される(図15参照)。
図9および図15に示す如く、16°≦θ≦60°のとき(回動部材120がケース部材110に対して図12に示す位置から図13に示す位置までの間で回動するとき)、ダンパー孔121cの幅W1(θ)はダンパーピン160の外径(直径)Rdp1よりも僅かに大きく、ダンパーピン160の胴体部161の外周面はダンパー孔121cの内周面に当接しない。
より厳密には、ヒンジ100を構成する各部材の寸法誤差によってはダンパーピン160の胴体部161の外周面がダンパー孔121cの内周面に当接する場合もあるが、ダンパーピン160および回動部材120の間に大きな摩擦力が発生するほど強く当接することはない。
従って、16°≦θ≦60°のとき、ダンパーピン160が回動部材120の動作(回動部材120がケース部材110に対して回動すること)を阻害するような力を回動部材120に作用させることはない。
図9および図15に示す如く、0°<θ<16°のとき(回動部材120がケース部材110に対して図13に示す位置から図14に示す位置を経て図5に示す位置までの間で回動するとき)、ダンパー孔121cの内周面に突起121dが形成されているため、ダンパー孔121cの幅W1(θ)はダンパーピン160の外径(直径)Rdp1よりも小さくなる。
従って、図14に示す如く、0°<θ<16°のとき、ダンパーピン160の胴体部161の外周面がダンパー孔121cの内周面に当接し、回動部材120のカム部121のうちダンパーピン160の胴体部161の外周面に当接する部分の周囲に対応する部分(特に、回動部材120のカム部121のうち、ダンパー孔121cおよび変形逃がし孔121eにより挟まれるとともに突起121dの周囲となる部分)が弾性変形する。
そのため、0°<θ<16°のとき、ダンパーピン160の胴体部161の外周面とダンパー孔121cの内周面との当接部分には摩擦力が発生し、当該摩擦力が(A)の回転力と(B)の回転力との差分の一部を相殺するので、原稿圧着板13が閉じる方向に回動する速度が遅くなる(緩和される)。
その結果、原稿圧着板13は本体12の上面に柔らかく(強い衝撃を伴わずに)当接するので、原稿圧着板13は緩やかかつ確実に閉じられる。
なお、本実施形態では、回動角度θが0°または0°に非常に近い値であるとき(回動部材120がケース部材110に対して図5に示す位置、またはそのごく近傍となる位置に配置されるとき)にダンパー孔121cの幅W1(θ)がダンパーピン160の外径(直径)Rdp1よりも僅かに大きくなるように、ダンパー孔121cの形状(突起121dの形状)が定められる。
このように構成することにより、原稿圧着板13が閉じる方向に回動するとき、原稿圧着板13の下面が本体12の上面に当接するごく手前となる位置からは原稿圧着板13が本体12に向かって落下するので、強い衝撃を伴わずに原稿圧着板13の下面を確実に本体12の上面に当接させ、ひいては原稿圧着板13を本体12に対して確実に閉じることが可能である。
以上の如く、ヒンジ100は、
複合機11の本体12に原稿圧着板13を開閉可能に連結するヒンジであって、
本体12に固定されるケース部材110と、
原稿圧着板13に固定され、ケース部材110に回動可能に連結され、カム部121を有し、カム部121にはダンパー孔121cが形成され、樹脂材料からなる回動部材120と、
ケース部材110に支持されつつ、回動部材120に接近する方向および回動部材120から離間する方向に移動可能なスライダ140と、
スライダ140を回動部材120に接近する方向に付勢してスライダ140をカム部121に当接させることにより、原稿圧着板13が本体12に対して開く方向に回動するように回動部材120にトルクを付与するバネ150と、
金属材料からなり、中途部がダンパー孔121cに貫装され、両端部がケース部材110に支持されるダンパーピン160と、
を具備し、
ダンパー孔121cは、
カム部121を回動ピン130(本体12に対する原稿圧着板13の回動軸)の軸線方向に貫通するとともに回動ピン130の周方向に延びる円弧状の長孔であり、
ダンパー孔121cの幅W1(θ)は、
回動ピン130の周方向における中途部、より詳細には原稿圧着板13が閉じる手前(0°<θ<16°)のときにダンパーピン160の外周面に対向する部分(突起121dが形成されている部分)においてダンパーピン160の外径Rdp1よりも小さい。
このように構成することにより、原稿圧着板13を本体12に対して緩やかかつ確実に閉じることが可能である。
また、本実施形態では、原稿圧着板13を本体12に対して緩やかに閉じるための摩擦力を発生する二つの部材である回動部材120およびダンパーピン160のうち、回動部材120は樹脂材料からなり、ダンパーピン160は金属材料からなる。
このように構成することにより、(i)回動部材120およびダンパーピン160の両方が金属材料からなる場合および(ii)回動部材120およびダンパーピン160の両方が樹脂材料からなる場合、すなわち物性値(機械的性質)が似た材料同士が当接する場合に比べて、回動部材120とダンパーピン160とが当接する部分の摩耗を抑えることが可能である。
その結果、ヒンジ100の耐久性を向上させる(ヒンジ100を耐久性に優れたものとする)ことが可能である。また、これに付随して、ダンパーピン160の胴体部161の外周面とダンパー孔121cの内周面との当接部分から音(騒音)が発生することを抑えることが可能である。
仮に(i)回動部材120およびダンパーピン160の両方が樹脂材料からなる場合、ダンパーピン160の破損を防止するためには、本実施形態(回動部材120が樹脂材料からなるとともにダンパーピン160が金属材料からなる場合)に比べてダンパーピン160の外径を大きく設定しなければならない。
従って、(i)の場合には、カム部121の形状(大きさ)によっては(カム部121が小さい場合には)、構造体として回動部材120に要求される強度を確保しつつ、ダンパーピン160を貫装可能かつダンパーピン160の外周面に当接したときに所望の摩擦力を発生可能なダンパー孔121cをカム部121を形成することが困難となる場合がある。
本実施形態では、ダンパーピン160が、カム部121を回動部材120の回動軸の軸線方向(回動ピン130の軸線方向)に貫通するダンパー孔121cに貫装される。
そのため、ダンパーピン160の外周面がダンパー孔121cの内周面に当接するとき、ダンパーピン160の外周面とダンパー孔121cの内周面との当接部分の面積はカム部121の「回動部材120の回動軸の軸線方向における厚さ」に比例する。
スライダ140を経てカム部121に伝達されるバネ150の付勢力は原稿圧着板13の重量に起因して原稿圧着板13を閉じる方向に回動させようとするトルクを打ち消すためのものであるため、バネ150の付勢力はかなり大きな値に設定される場合がある。
カム部121の「回動部材120の回動軸の軸線方向における厚さ」は、バネ150の付勢力によりカム部121が破損することがないように、元々ある程度大きい値に設定される。
従って、カム部121の「回動部材120の回動軸の軸線方向における厚さ」を構造体として要求される厚さよりも大きい値に設定しなくてもダンパーピン160の外周面に当接したときに所望の摩擦力を発生させることが可能であり、カム部121、ひいてはヒンジ100の小型化(大型化の抑制)に寄与する。
本実施形態のヒンジ100は、小型化(大型化の抑制)の観点から特許文献4、特許文献5および特許文献6よりも優れている。
特許文献4の場合、圧接部と側壁との間の摩擦力を大きくするためには側壁を厚くしなければならないので、ヒンジの回動軸の軸線方向への大型化は避けられない。
特許文献5の場合、回動体に形成される摺接部は回動体のカム部の軸線方向に張り出すので、ヒンジの回動軸の軸線方向への大型化は避けられない。
特許文献6の場合、可動側ヒンジ体のボス部に形成される張出壁はヒンジの回動軸の軸線方向に張り出すので、ヒンジの回動軸の軸線方向への大型化は避けられない。
本実施形態では、ダンパー孔121cの幅W1(θ)は0°<θ<16°のときにダンパーピン160の外周面に対向する部分(突起121dが形成される部分)においてダンパーピン160の外径Rdp1よりも小さいが、本発明はこれに限定されない。例えば、突起121dの形状および形成される位置を変更することにより、ダンパー孔121cの幅W1(θ)が5°<θ<10°のときにダンパーピン160の外周面に対向する部分においてダンパーピン160の外径Rdp1よりも小さくなるようにしても良い。
このように、「ダンパー孔の幅がダンパーピン部材の外径よりも小さくなる部分」をダンパー孔のどの部分に配置するか、言い換えれば第一ウイング部材に対する第二ウイング部材の回動角度(第一連結対象物に対する第二連結対象物の開き具合)がどのような範囲にあるときにダンパーピン部材の外周面とダンパー孔の内周面との間で摩擦力を発生させるべきか、は本発明に係るヒンジの用途(第一連結対象物および第二連結対象物の形状、重量等)に応じて適宜選択されることが望ましい。
なお、第二連結対象物を第一連結対象物に対して緩やかかつ確実に閉じる観点から、「ダンパー孔の幅がダンパーピン部材の外径よりも小さくなる部分」は、ダンパー孔のうち「第二連結対象物を第一連結対象物に対して閉じたときにダンパー孔の内周面がダンパーピン部材に対向する部分に極力近い部分」に配置されることが望ましい。
言い換えれば、第一連結対象物に対して第二連結対象物が閉まる手前のとき(第二ウイング部材の回動角度がゼロに近い値であるとき)にダンパーピン部材の外周面とダンパー孔の内周面との間で摩擦力が発生するように、「ダンパー孔の幅がダンパーピン部材の外径よりも小さくなる部分」をダンパー孔の所定の位置に配置することが望ましい。
本実施形態では回動部材120の全体が樹脂材料からなるが、本発明はこれに限定されない。
すなわち、本発明の第二ウイング部材のカム部のうち少なくとも「カム部に形成されたダンパー孔の内周面とダンパーピン部材とが当接することにより弾性変形する部分」が樹脂材料で構成されていれば(樹脂材料からなっていれば)ダンパー孔の内周面とダンパーピン部材とが当接する部分に摩擦力を発生させることが可能であるので、カム部のうち少なくともダンパー孔の周囲となる部分が樹脂材料で構成されていれば(樹脂材料からなっていれば)良い。
本実施形態の回動部材120を構成する樹脂材料はポリアセタール(Polyacetal/Polyoxymethylene;POM)であるが、本発明に係るカム部のうちダンパー孔の周囲となる部分を構成する樹脂材料はこれに限定されず、ダンパー孔の内周面とダンパーピン部材とが当接したときに弾性変形し、ダンパー孔の内周面とダンパーピン部材との当接部分に摩擦力を発生させることが可能な樹脂材料であれば、他の樹脂材料でも良い。
なお、ダンパーピン部材の外周面とダンパー孔の内周面との隙間にグリス等の潤滑剤を塗布してダンパーピン部材およびカム部の摩耗をさらに抑制する観点からは、カム部のうちダンパー孔の周囲となる部分を構成する樹脂材料として「付着した潤滑剤に含まれる成分と反応して劣化することが無い樹脂材料」を選択することが望ましい。
本発明に係るカム部のうちダンパー孔の周囲となる部分を構成する樹脂材料の他の例としては、ポリアミド(Polyamide;PA)、ポリブチレンテレフタレート(Polybutyleneterephtalate;PBT)、ポリフェニレンスルファイド(Polyphenylenesulfide;PPS)等が挙げられる。
図9に示す如く、本実施形態では、カム部121においてダンパー孔121cを越えて回動ピン130(回動部材120の回動軸(回動中心))の反対側となる位置であってダンパー孔121cにおいてその幅がダンパーピン160の外径Rdp1よりも小さい部分(突起121dが形成される部分)に対応する位置に変形逃がし孔121eが形成される。
このように構成することは以下の利点を有する。
すなわち、カム部121においてダンパー孔121cと変形逃がし孔121eとで挟まれる部分、その中でも特にダンパー孔121cの幅がダンパーピン160の外径Rdp1よりも小さい部分(突起121dが形成される部分)に対応する部分は、ダンパーピン160の胴体部161の外周面とダンパー孔121cの内周面とが当接したときに弾性変形する部分である。
従って、当該部分の厚さを調整することにより、当該部分が弾性変形するために要する力、ひいてはダンパーピン160の胴体部161の外周面とダンパー孔121cの内周面との当接部分に発生する摩擦力の大きさを調整することが可能である。
なお、カム部121においてダンパー孔121cと変形逃がし孔121eとで挟まれる部分は、弾性変形可能とする観点から樹脂材料からなることが望ましい。
本実施形態では、変形逃がし孔121eが形成される位置がカム部121においてダンパー孔121cを越えて回動ピン130の反対側となる位置であるが、本発明はこれに限定されない。
例えば、図16に示す如く、カム部121において回動ピン130(回動部材120の回動軸(回動中心))およびダンパー孔121cにより挟まれる位置であってダンパー孔121cにおいてその幅がダンパーピン160の外径Rdp1よりも小さい部分(突起121fが形成される部分)に対応する位置に変形逃がし孔121gを形成しても良い。
本実施形態では変形逃がし孔121eはダンパー孔121cと同様、回動ピン130(本体12に対する原稿圧着板13の回動軸)の軸線方向にカム部121を貫通するとともに回動ピン130の周方向に延びる円弧状の長孔であるが、本発明に係る変形逃がし孔はこれに限定されず、他の形状(例えば、円形、楕円形、多角形等)でも良い。また、本発明に係る変形逃がし孔の数は一つに限定されず、複数であっても良い。
本実施形態では、ダンパーピン160の外周面がダンパー孔121cの内周面に当接することによりダンパーピン160の外周面とダンパー孔121cの内周面との当接部分に摩擦力が発生するが、本発明はこれに限定されない。
例えば、図17に示す如く、ダンパーピン160の胴体部161にスプリングピン165を貫装し、「スプリングピン165が貫装されたダンパーピン160」をダンパー孔121cに貫装しても良い。
本実施形態のスプリングピン165はいわゆる「スプリングピン」であり、ステンレス鋼板の板材に曲げ加工を施すことにより製造される。
図17に示す如く、スプリングピン165は外周面165aおよび内周面165bを有する概ね円筒形状の部材である。スプリングピン165にはスプリング溝165cが形成される。
スプリングピン165に形成されるスプリング溝165cはスプリングピン165の外周面165aおよび内周面165bを連通し、かつスプリング溝165cはスプリングピン165の一端面から他端面まで切り通される。
スプリングピン165は、スプリング溝165cの幅を変化させることにより、スプリングピン165の半径方向(軸線方向に垂直な方向)に弾性変形することが可能である。
図17に示す実施形態では、ダンパー孔121cの幅W1(θ)は回動角度θの値に関わらずダンパーピン160の外径(直径)Rdp1’よりも大きい(W1(θ)>Rdp1’)。
また、スプリングピン165の内径Rspiはダンパーピン160(胴体部161)の外径Rdp1’よりも大きい(内径Rspi>Rdp1’)。
さらに、0°<θ<16°のとき、ダンパー孔121cの幅W1(θ)はスプリングピン165の外径Rspoよりも小さくなる(W1(θ)<Rspo;0°<θ<16°)。
従って、0°<θ<16°のとき、ダンパーピン160の胴体部161に貫装されているスプリングピン165の外周面165aがダンパー孔121cの内周面に当接し、スプリングピン165、および回動部材120のカム部121のうちスプリングピン165の外周面165aに当接する部分の周囲に対応する部分(特に、回動部材120のカム部121のうち、ダンパー孔121cおよび変形逃がし孔121eにより挟まれるとともに突起121dの周囲となる部分)、が弾性変形する。
そのため、0°<θ<16°のとき、ダンパーピン160の胴体部161に貫装されているスプリングピン165の外周面165aとダンパー孔121cの内周面との当接部分には摩擦力が発生し、当該摩擦力が(A)の回転力と(B)の回転力との差分の一部を相殺するので、原稿圧着板13が閉じる方向に回動する速度が遅くなる(緩和される)。
その結果、原稿圧着板13は本体12の上面に柔らかく(強い衝撃を伴わずに)当接するので、原稿圧着板13は緩やかかつ確実に閉じられる。
図17に示す如くスプリングピン165をダンパーピン160に貫装した場合、回動部材120のカム部121のうちスプリングピン165の外周面165aに当接する部分の周囲に対応する部分だけでなく、スプリングピン165も弾性変形するので、カム部121においてスプリングピン165の外周面165aに当接する部分の周囲に対応する部分が弾性変形するときの変形量を大きく設定することが困難な場合(例えば、回動部材120の構造体としての強度を達成するために回動部材120を構成する材料として硬い(弾性定数が比較的大きい)樹脂材料を用いなければならない場合)でも、スプリングピン165の外周面165aとダンパー孔121cの内周面とが当接する部分の摩耗を抑えつつ摩擦力を発生させることが可能である。
本実施形態ではケース部材110が複合機11の本体12に固定され、回動部材120が原稿圧着板13に固定されるが、本発明はこれに限定されない。
例えば、本体12および原稿圧着板13の形状によっては、ケース部材110が原稿圧着板13に固定され、回動部材120が本体12に固定されても良い。
このように、本発明に係る第一ウイング部材が第一連結対象物または第二連結対象物のいずれか一方に固定され、本発明に係る第二ウイング部材が第一連結対象物または第二連結対象物のいずれか他方(第一連結対象物または第二連結対象物のうち、第一ウイング部材が固定されなかった部材)に固定されれば良い。
本実施形態では「フリーストップ領域」から「落下領域」に移行するときの回動角度θ1は、ダンパーピン部材の外周面とダンパー孔の内周面とが当接しない状態から当接する状態に移行する(第二連結対象物を閉じる方向に回動させた場合にダンパーピン部材の外周面とダンパー孔の内周面との当接部分に摩擦力が発生し始める)ときの回動角度θ2とは異なり、θ1<θ2の関係が成立する(本実施形態では、θ1=12°かつθ2=16°)が、本発明はこれに限定されない。
すなわち、第二連結対象物を第一連結対象物に対して緩やかかつ確実に閉じることが可能であれば、θ1=θ2となってもθ1>θ2となっても良い。すなわち、θ1およびθ2の大小関係は、本発明に係るヒンジの用途に応じて適宜選択されることが望ましい。
以下では、図18から図32までを用いて本発明に係るヒンジの第二実施形態であるヒンジ200について説明する。
図18に示す如く、ヒンジ200は複合機21の本体22に原稿圧着板23を回動可能に連結し、ひいては本体22に原稿圧着板23を開閉可能に連結する。
複合機21は事務機器の実施の一形態である。複合機21は本体22および原稿圧着板23を具備する。
本体22は本発明に係る第一連結対象物の実施の一形態である。
原稿圧着板23は本発明に係る第二連結対象物の実施の一形態である。
本実施形態の本体22および原稿圧着板23の基本的な構造、ひいては複合機21の基本的な構造は図1に示す複合機11の基本的な構造と同じであることから、複合機21、本体22および原稿圧着板23についての詳細な説明を省略する。
以下では、ヒンジ200を構成する各部材について説明する。
なお、以下では便宜上、ヒンジ200が複合機21に取り付けられ、かつ、原稿圧着板23が本体22に対して閉じているときの複合機21の上下方向、前後方向および左右方向を基準として(原稿圧着板23が本体22に対して閉じているときの複合機21の上下方向、前後方向および左右方向がそれぞれヒンジ200の上下方向、前後方向および左右方向に対応するものとして)説明する。
図19から図22までに示す如く、ヒンジ200はケース部材210、回動部材220、回動ピン230、スライダ240、バネ250、ピン固定部材271およびダンパーピン272を具備する。
以下では、図18、図23および図24を用いてケース部材210について説明する。
ケース部材210は本発明に係る第一ウイング部材の実施の一形態である。
本実施形態のケース部材210は金属板を適宜折り曲げることにより成形される。
図23および図24に示す如く、ケース部材210は後板211、左側板212、右側板213、前板214L・214R、底板215・216L・216R、前上カバー板217、前下カバー板218および後上カバー板219L・219Rを具備する。
後板211には突起211aが形成される。左側板212には貫通孔212a、貫通孔212bおよび突起212cが形成される。右側板213には貫通孔213a、貫通孔213bおよび突起213cが形成される。底板215には突起215aが形成される。
本実施形態では複合機21の本体22の上面後端部に形成された平面視長方形状の固定穴(不図示)にケース部材210を差し込むことにより、ケース部材210が本体22に固定される(図18参照)。
以下では便宜上、ケース部材210について図6および図7に示すケース部材110と相違する点を説明し、ケース部材110と共通する点についての詳細な説明を省略する。
図24に示す如く、ケース部材210の前上カバー板217にはネジ孔217aが形成される。ネジ孔217aは前上カバー板217の前後一対の板面を貫通する孔であり、ネジ孔217aの内周面には雌ネジが形成される。
以下では、図18、図25および図26を用いて回動部材220について説明する。
回動部材220は本発明に係る第二ウイング部材の実施の一形態である。
本実施形態の回動部材220は樹脂材料を一体成形することにより製造される。
図25に示す如く、回動部材220はカム部221および取り付け部222を有する。
カム部221は左右一対の側面およびカム面221aを有する。カム面221aは本発明に係るカム部の周面の実施の一形態である。カム部221には貫通孔221bが形成される。取り付け部222には貫通孔222a・222b・222c・222dが形成される。
本実施形態では貫通孔222a・222b・222c・222dにネジ(不図示)を貫装し、これらのネジを複合機21の原稿圧着板23の下面後端部に形成されたネジ孔(不図示)に螺装することにより、取り付け部222、ひいては回動部材220が原稿圧着板23に固定される(図18参照)。
以下では便宜上、回動部材220について図8および図9に示す回動部材120と相違する点を説明し、回動部材120と共通する点についての詳細な説明を省略する。
図25の(b)および図26に示す如く、回動部材220のカム部221にはダンパー溝221cが形成される。ダンパー溝221cはカム部221に形成された回動ピン230(ケース部材210に対する回動部材220の回動軸であり、ひいては本体22に対する原稿圧着板23の回動軸)の周方向に延びる溝であり、カム面221aに開口する。
ダンパー溝221cは左右一対の内壁面および当該一対の内壁面を繋ぐ底面を有する。
ダンパー溝221cの左右一対の内壁面のうち、回動ピン230の周方向における中途部には突起221d・221dが形成される。
以下では、図10の(a)、図19、図20および図22を用いて回動ピン230について説明する。
回動ピン230は本発明に係る回動軸の実施の一形態である。
図10の(a)に示す如く、回動ピン230は胴体部231および頭部232を有する。
本実施形態の回動ピン230は金属材料からなる。より詳細には、本実施形態の回動ピン230はステンレス鋼の線材を圧延加工することにより製造される。胴体部231にはカシメ孔231aが形成される。
図19、図20および図22に示す如く、回動部材220は回動ピン230によりケース部材210に回動可能に連結され、ひいては、ヒンジ200により原稿圧着板23(の下面後端部)が本体22(の上面後端部)に回動可能に連結される。
本実施形態の回動ピン230の基本的な構造は図10の(a)に示す回動ピン130の基本的な構造と同じであるため、回動ピン230についての詳細な説明を省略する。
以下では、図11および図22を用いてスライダ240について説明する。
スライダ240は本発明に係るスライド部材の実施の一形態である。
本実施形態のスライダ240は樹脂材料を一体成形することにより製造される。
図11に示す如く、スライダ240は上面241、下面242、左面243、右面244、前面245および後面246を有する概ね直方体形状の部材である。スライダ240には突起247およびバネ受け穴248が形成され、バネ受け穴248の頂面には突起248aが形成される。
図22に示す如く、スライダ240はケース部材210の内部に収容される。
ケース部材210の内部に収容されたスライダ240は、ケース部材210に支持されつつ、上下方向、ひいてはケース部材210に回動可能に連結された回動部材220に接近する方向および回動部材220から離間する方向に移動することが可能である。
スライダ240がケース部材210の内部に収容されたとき、スライダ240の上面241および突起247は回動部材220(より詳細には、カム部221のカム面221a)に対向する。
以下では、図18および図22を用いてバネ250について説明する。
バネ250は本発明に係る付勢部材の実施の一形態である。
本実施形態のバネ250は金属製の(金属材料からなる)巻きバネであり、圧縮バネ(圧縮された状態で使用されるバネ)である。
図22に示す如く、バネ250はケース部材210の内部に収容される。
ケース部材210の内部に収容されたバネ250の一端部(下端部)は底板215の上側の板面に当接し、バネ250の他端部(上端部)はスライダ240のバネ受け穴248に挿入され、バネ受け穴248の頂面に当接する。
バネ250はスライダ240をケース部材210の開口部分(上端部)から突出する方向、すなわちケース部材210に回動可能に連結された回動部材220に接近する方向(本実施形態では上方)に付勢し、スライダ240の上面241に形成された突起247を回動部材220のカム部221のカム面221aに当接させる。
その結果、バネ250の付勢力(圧縮される方向に弾性変形したバネ250が元の形状に戻ろうとする力)はスライダ240を経て回動部材220に伝達され、回動部材220はケース部材210に対して右側面視で反時計回りに回動する方向に付勢され、原稿圧着板23は本体22に対して開く方向に付勢される(図18参照)。
このように、バネ250は原稿圧着板23が本体22に対して開く方向に回動するように回動部材220にトルクを付与する。
以下では、図22、図24および図27を用いてピン固定部材271について説明する。
図27の(a)に示す如く、ピン固定部材271は頭部271a、鍔部271bおよび胴体部271cを有し、これらが順に積層した形状を有する。本実施形態のピン固定部材271は金属材料からなる。
頭部271aはピン固定部材271の頭部を成す六角柱形状の部分である。頭部271aに工具(メガネレンチ、トルクレンチ等)を嵌合することにより、作業者はピン固定部材271をピン固定部材271の中心線を中心として回転させることが可能である。
鍔部271bは頭部271aに連なる円盤形状の部分である。
胴体部271cはピン固定部材271の胴体を成す円柱形状の部分であり、鍔部271bに連なる。胴体部271cの外周面には雄ネジ271dが形成される。胴体部271cにはピン固定孔271eが形成される。ピン固定孔271eは胴体部271cの後端面に開口する穴である。
図22および図24に示す如く、ピン固定部材271の胴体部271cをケース部材210の前上カバー板217に形成されたネジ孔217aに螺装する(工具で締め付ける)ことにより、ピン固定部材271はケース部材210に固定される。
図22に示す如く、ピン固定部材271がケース部材210に固定されたとき、胴体部271cの後端面、ひいてはピン固定孔271eは、ケース部材210に回動可能に連結された回動部材220のカム部221のカム面221a、より詳細にはカム面221aに形成されたダンパー溝221cに対向する。
以下では、図22および図28を用いてダンパーピン272について説明する。
ダンパーピン272は本発明に係るダンパーピン部材(第二ダンパーピン部材)の実施の一形態である。
本実施形態のダンパーピン272はいわゆる「スプリングピン」であり、ステンレス鋼板の板材に曲げ加工を施すことにより製造される。
図28に示す如く、ダンパーピン272は外周面272aおよび内周面272bを有する概ね円筒形状(外形が概ね円柱形状)の部材である。ダンパーピン272にはスプリング溝272cが形成される。
スプリング溝272cはダンパーピン272の外周面272aおよび内周面272bを連通し、かつスプリング溝272cはダンパーピン272の一端面から他端面まで切り通される。
ダンパーピン272は、スプリング溝272cの幅を変化させることにより、ダンパーピン272の半径方向(軸線方向に垂直な方向)に弾性変形することが可能である。
図22に示す如く、ダンパーピン272の一端部(前端部)は、ケース部材210に固定されたピン固定部材271のピン固定孔271eに嵌装される。
また、ダンパーピン272の一端部(前端部)がケース部材210に固定されたピン固定部材271のピン固定孔271eに嵌装されたとき、ダンパーピン272の他端部(後端部)はダンパー溝221cに収容される。
なお、本実施形態では、ダンパーピン272の一端部(前端部)がケース部材210に固定されたピン固定部材271のピン固定孔271eに嵌装されたときにダンパーピン272の他端部(後端部)がダンパー溝221cの底面に当接しないように、ダンパーピン272の軸線方向の長さが定められる。
ダンパーピン272の一端部(前端部)がピン固定孔271eに嵌装されることにより、ダンパーピン272は(ピン固定部材271を介して)ケース部材210に支持される。
その結果、ダンパーピン272の軸線に垂直な方向の外力(本実施形態の場合、ダンパーピン272の外周面272aとダンパー溝221cの左右一対の内壁面との当接部分に発生する摩擦力)がダンパーピン272に作用してもダンパーピン272はピン固定孔271eから脱落しない。
以下では、図18、図22、図26、および図29から図32までを用いて原稿圧着板23を閉じるときのヒンジ200の挙動について説明する。
より詳細には、以下では、まず原稿圧着板23の回動角度θについて説明し、次に「フリーストップ領域」および「落下領域」について説明し、続いて原稿圧着板23の回動角度θ、ダンパー溝221cおよびダンパーピン272の関係について説明する。
(原稿圧着板23の回動角度θについて)
図22に示す如く、本実施形態では原稿圧着板23が完全に閉じているとき、すなわち原稿圧着板23の下面が本体22の上面に当接しているときの原稿圧着板23の回動角度θ(本体22に対する原稿圧着板23の回動角度θ)を「0°」とし、原稿圧着板23が開く方向に回動した場合に回動角度θが増加する(回動角度θが正になる)ように原稿圧着板23の回動角度θを定義する。
なお、本実施形態では原稿圧着板23が完全に開いたとき(回動角度θが最大になったとき)の原稿圧着板23の回動角度θは「60°」である。
(「フリーストップ領域」および「落下領域」について)
図18に示す如く、本実施形態では、原稿圧着板23の回動角度θが12°以上(θ≧12°)の場合には原稿圧着板23が「フリーストップ領域」に属し、原稿圧着板23の回動角度θが12°未満(0°≦θ<12°)の場合には原稿圧着板23が「落下領域」に属する。
本実施形態の「フリーストップ領域」および「落下領域」は、図1から図17までに示すヒンジ100における「フリーストップ領域」および「落下領域」と同様であるため、詳細な説明を省略する。
(原稿圧着板23の回動角度θ、ダンパー溝221cおよびダンパーピン272の関係)
図22、図26、および図29から図31までに示す如く、回動部材220がケース部材210に対して回動するとき、ダンパーピン260はその他端部(後端部)がダンパー溝221cに収容された状態を保持しつつ、ダンパー溝221cに沿って回動部材220(カム部221)に対して相対移動する。
図26に示す如く、本実施形態では、ダンパー溝221cの幅W2(θ)は、「原稿圧着板23の回動角度がθであるときにダンパー溝221cの左右一対の内壁面のうちダンパーピン272の他端部(後端部)に対応する(対向する)部分の間の距離(回動ピン230の軸線方向の距離)」として定義される。
従って、ダンパー溝221cの幅W2(θ)は原稿圧着板23の回動角度θの関数として表される(図32参照)。
図26および図32に示す如く、16°≦θ≦60°のとき(回動部材220がケース部材210に対して図29に示す位置から図30に示す位置までの間で回動するとき)、ダンパー溝221cの幅W2(θ)はダンパーピン272の外径(直径)Rdp2よりも僅かに大きく、ダンパーピン272の外周面272aの他端部はダンパー溝221cの内周面に当接しない。
より厳密には、ヒンジ200を構成する各部材の寸法誤差によってはダンパーピン272の外周面272aの他端部がダンパー溝221cの内周面に当接する場合もあるが、ダンパーピン272および回動部材220の間に大きな摩擦力が発生するほど強く当接することはない。
従って、16°≦θ≦60°のとき、ダンパーピン27が回動部材220の動作(回動部材220がケース部材210に対して回動すること)を阻害するような力を回動部材220に作用させることはない。
図26および図32に示す如く、0°<θ<16°のとき(回動部材220がケース部材210に対して図30に示す位置から図31に示す位置を経て図22に示す位置までの間で回動するとき)、ダンパー溝221cの左右一対の内壁面に突起221d・221dが形成されているため、ダンパー溝221cの幅W2(θ)はダンパーピン272の外径(直径)Rdp2よりも小さくなる。
従って、0°<θ<16°のとき、ダンパーピン272の外周面272aの他端部がダンパー溝221cの左右一対の内壁面に当接し、ダンパーピン272の他端部、および回動部材220のカム部221のうちダンパーピン272の外周面272aの他端部に当接する部分の周囲に対応する部分が弾性変形する。
そのため、0°<θ<16°のとき、ダンパーピン272の外周面272aの他端部とダンパー溝221cの左右一対の内壁面との当接部分には摩擦力が発生し、当該摩擦力が「原稿圧着板23の重量に起因して回動ピン230を中心として回動部材220に作用する回転力(トルク)」と「バネ250の付勢力に起因して回動ピン230を中心として回動部材220に作用する回転力(トルク)」との差分の一部を相殺するので、原稿圧着板23が閉じる方向に回動する速度が遅くなる(緩和される)。
その結果、原稿圧着板23は本体22の上面に柔らかく(強い衝撃を伴わずに)当接するので、原稿圧着板23は緩やかかつ確実に閉じられる。
なお、本実施形態では、回動角度θが0°または0°に非常に近い値であるとき(回動部材220がケース部材210に対して図22に示す位置、またはそのごく近傍となる位置に配置されるとき)にダンパー溝221cの幅W2(θ)がダンパーピン272の外径(直径)Rdp2よりも僅かに大きくなるように、ダンパー溝221cの形状(突起221dの形状)が定められる。
このように構成することにより、原稿圧着板23が閉じる方向に回動するとき、原稿圧着板23の下面が本体22の上面に当接するごく手前となる位置からは原稿圧着板23が本体22に向かって落下するので、強い衝撃を伴わずに原稿圧着板23の下面を確実に本体22の上面に当接させ、ひいては原稿圧着板23を本体22に対して確実に閉じることが可能である。
以上の如く、ヒンジ200は、
複合機21の本体22に原稿圧着板23を開閉可能に連結するヒンジであって、
本体22に固定されるケース部材210と、
原稿圧着板23に固定され、ケース部材210に回動可能に連結され、カム部221を有し、カム部221にはダンパー溝221cが形成され、樹脂材料からなる回動部材220と、
ケース部材110に支持されつつ、回動部材120に接近する方向および回動部材120から離間する方向に移動可能なスライダ140と、
スライダ240を回動部材220に接近する方向に付勢してスライダ240をカム部221に当接させることにより、原稿圧着板23が本体22に対して開く方向に回動するように回動部材220にトルクを付与するバネ250と、
金属材料からなり、一端部が(ピン固定部材271を介して)ケース部材210に支持され、他端部がダンパー溝221cに収容されるダンパーピン272と、
を具備し、
ダンパー溝221cは、
カム部221の周面(本実施形態の場合、カム面221a)に開口するとともに回動ピン230(本体22に対する原稿圧着板23の回動軸)の周方向に延びる溝であり、
ダンパー溝221cの幅W2(θ)は、
回動ピン230の周方向における中途部、より詳細には原稿圧着板23が閉じる手前(0°<θ<16°)のときにダンパーピン272の外周面272aの他端部に対向する部分(突起221d・221dが形成されている部分)においてダンパーピン272の外径Rdp2よりも小さい。
このように構成することにより、原稿圧着板23を本体22に対して緩やかかつ確実に閉じることが可能である。
また、本実施形態では、原稿圧着板23を本体22に対して緩やかに閉じるための摩擦力を発生する二つの部材である回動部材220およびダンパーピン272のうち、回動部材220は樹脂材料からなり、ダンパーピン272は金属材料からなる。
このように構成することにより、(i)回動部材220およびダンパーピン272の両方が金属材料からなる場合および(ii)回動部材220およびダンパーピン272の両方が樹脂材料からなる場合、すなわち物性値(機械的性質)が似た材料同士が当接する場合に比べて、回動部材220とダンパーピン272とが当接する部分の摩耗を抑えることが可能である。
その結果、ヒンジ200の耐久性を向上させる(ヒンジ200を耐久性に優れたものとする)ことが可能である。また、これに付随して、ダンパーピン272の外周面272aの他端部とダンパー溝221cの左右一対の内壁面との当接部分から音(騒音)が発生することを抑えることが可能である。
本実施形態では、ダンパー溝221cの幅W2(θ)は0°<θ<16°のときにダンパーピン272の外周面272aの他端部に対向する部分(突起221d・221dが形成される部分)においてダンパーピン272の外径Rdp2よりも小さいが、本発明はこれに限定されない。例えば、突起221d・221dの形状および形成される位置を変更することにより、ダンパー溝221cの幅W2(θ)が5°<θ<10°のときにダンパーピン272の外周面272aの他端部に対向する部分においてダンパーピン272の外径Rdp2よりも小さくなるようにしても良い。
本実施形態では回動部材220の全体が樹脂材料からなるが、本発明はこれに限定されない。
すなわち、本発明の第二ウイング部材のカム部のうち少なくとも「カム部に形成されたダンパー溝の一対の内壁面とダンパーピン部材とが当接することにより弾性変形する部分」が樹脂材料で構成されていれば(樹脂材料からなっていれば)ダンパー溝の一対の内周面とダンパーピン部材とが当接する部分に摩擦力を発生させることが可能であるので、カム部のうち少なくともダンパー溝の周囲となる部分が樹脂材料で構成されていれば(樹脂材料からなっていれば)良い。
本実施形態の回動部材220を構成する樹脂材料はポリアセタール(Polyacetal/Polyoxymethylene;POM)であるが、本発明に係るカム部のうちダンパー孔の周囲となる部分を構成する樹脂材料はこれに限定されず、ダンパー溝の一対の内壁面とダンパーピン部材とが当接したときに弾性変形し、ダンパー溝の一対の内壁面とダンパーピン部材との当接部分に摩擦力を発生させることが可能な樹脂材料であれば、他の樹脂材料でも良い。
なお、ダンパーピン部材の外周面とダンパー溝の一対の内壁面との隙間にグリス等の潤滑剤を塗布してダンパーピン部材およびカム部の摩耗をさらに抑制する観点からは、カム部のうちダンパー溝の周囲となる部分を構成する樹脂材料として「付着した潤滑剤に含まれる成分と反応して劣化することが無い樹脂材料」を選択することが望ましい。
本発明に係るカム部のうちダンパー溝の周囲となる部分を構成する樹脂材料の他の例としては、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルファイド等が挙げられる。
また、本実施形態では、ダンパーピン272の外周面272aの他端部とダンパー溝221cの左右一対の内壁面とが当接するとき、カム部221において左右一対の内壁面の周囲となる部分だけでなく、ダンパーピン272の他端部も弾性変形する。
このように構成することにより、カム部221において左右一対の内壁面の周囲となる部分が弾性変形するときの変形量を大きく設定することが困難な場合(例えば、回動部材220の構造体としての強度を達成するために回動部材220を構成する材料として硬い(弾性定数が比較的大きい)樹脂材料を用いなければならない場合)でも、ダンパーピン272の外周面272aの他端部とダンパー溝221cの左右一対の内壁面とが当接する部分の摩耗を抑えつつ摩擦力を発生させることが可能である。
本実施形態ではダンパーピン272はピン固定部材271を介してケース部材210に支持される。また、ピン固定部材271はケース部材210の前上カバー板217に形成されるネジ孔217aに螺装される。ネジ孔217aは前上カバー板217を前後方向(ケース部材210に回動可能に連結された回動部材220のカム部221に接近する方向およびカム部221から離間する方向)に貫通する。
このように構成することは、以下の利点を有する。
ピン固定部材271を前後方向の軸を中心として回転させた場合、ピン固定部材271、ひいてはピン固定部材271のピン固定孔271eに一端部が嵌装されたダンパーピン272は前後方向(ケース部材210に回動可能に連結された回動部材220のカム部221に接近する方向およびカム部221から離間する方向)に移動するので、ダンパーピン272の他端部のうちダンパー溝221cに収容される部分の長さを変更することが可能である。
ダンパーピン272の他端部のうちダンパー溝221cに収容される部分の長さを変更することにより、ダンパーピン272の外周面272aの他端部とダンパー溝221cの左右一対の内壁面との当接部分の面積、ひいては当該部分に発生する摩擦力を変更(調整)することが可能である。
本実施形態のダンパーピン272はいわゆるスプリングピンであるが、本発明に係るダンパーピン部材(第二ダンパーピン部材)はこれに限定されない。
例えば、本実施形態のダンパーピン272に代えて図33に示すダンパーピン282を用いても良い。
図33に示すダンパーピン282はいわゆる「すりわりピン」である。
ダンパーピン282はステンレス鋼からなり、外周面282aおよび一対の端面282b・282cを有する概ね円柱形状の部材である。
ダンパーピン282にはすりわり溝282dが形成される。すりわり溝282dは端面282cからダンパーピン282の前後中途部までダンパーピン282の軸線方向に切り下げた形状の溝であり、一対の内壁面およびこれらの内壁面を繋ぐ底面を有する。
すりわり溝282dが形成されることにより、ダンパーピン282の後端部(端面282cからダンパーピン282の前後中途部までの部分であり、すりわり溝282dにより左右に二分割された部分)はすりわり溝282dの幅を変更するように弾性変形することが可能である。
ダンパーピン282の前端部(端面282bを有する方の端部)をケース部材210に固定されたピン固定部材271のピン固定孔271eに嵌装し、ダンパーピン282の後端部をダンパー溝221cに収容することにより、ダンパーピン282の外周面282aの後端部(他端部)とダンパー溝221cの左右一対の内壁面とが当接するとき、ダンパーピン282の他端部が弾性変形し、ダンパーピン282の外周面282aの後端部(他端部)とダンパー溝221cの左右一対の内壁面との当接部分に摩擦力を発生させることが可能である。
なお、ダンパーピン282を効果的に弾性変形させる観点から、ダンパーピン282は、ダンパー溝221cに収容されたダンパーピン282の後端部に形成されるすりわり溝282dの一対の内壁面が回動ピン230の軸線方向に対して垂直となるように配置されることが望ましい。
本実施形態のダンパーピン272、およびその別実施形態であるダンパーピン282はいずれもステンレス鋼からなるが、本発明に係るダンパーピン部材(第二ダンパーピン部材)はこれに限定されず、ダンパーピン部材(第二ダンパーピン部材)とダンパー溝の一対の内壁面とが当接したときに弾性変更可能であり、ダンパーピン部材(第二ダンパーピン部材)とダンパー溝の一対の内壁面との当接部分に摩擦力を発生させることが可能であれば他の金属材料でも良い。
本発明に係るダンパーピン部材(第二ダンパーピン部材)を構成する金属材料の例としては、種々の鉄鋼材料(軟鉄、ステンレス鋼等)、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金等が挙げられる。
本実施形態では、ダンパー溝221cはカム部221のカム面221aに開口するが、本発明はこれに限定されない。
すなわち、本発明に係る「カム部の周面」は、「カム面(カム部が有する面のうち概ね回動軸に平行な直線の軌跡として表される面であって、スライド部材と当接する面)」だけでなく、「カム部が有する面のうち概ね回動軸に平行な直線の軌跡として表される面であってスライド部材と当接しない面」でも良い。
本実施形態ではケース部材210が複合機21の本体22に固定され、回動部材220が原稿圧着板23に固定されるが、本発明はこれに限定されない。
例えば、本体22および原稿圧着板23の形状によっては、ケース部材210が原稿圧着板23に固定され、回動部材220が本体22に固定されても良い。
本発明に係るヒンジの第一実施形態であるヒンジ100は「ダンパー孔121cが形成されたカム部121を有する回動部材120」および「ダンパー孔121cに貫装されるダンパーピン160」を具備し、本発明に係るヒンジの第二実施形態であるヒンジ200は「ダンパー溝221cが形成されたカム部221を有する回動部材220」および「他端部がダンパー溝221cに収容されるダンパーピン272」を具備するが、本発明はこれに限定されない。
すなわち、本発明に係るヒンジは、本発明に係るヒンジの第一実施形態および第二実施形態の特徴を併せ持つもの(「ダンパー孔およびダンパー溝が形成されたカム部を有する第二ウイング部材」、「ダンパー孔に貫装される第一ダンパーピン部材」、および「他端部がダンパー溝に収容される第二ダンパーピン部材」を具備するもの)であっても良い。
11 複合機(事務機器)
12 本体(第一連結対象物)
13 原稿圧着板(第二連結対象物)
100 ヒンジ(第一実施形態)
110 ケース部材(第一ウイング部材)
120 回動部材(第二ウイング部材)
121 カム部
121c ダンパー孔
130 回動ピン(回動軸)
140 スライダ(スライド部材)
150 バネ(付勢部材)
160 ダンパーピン((第一)ダンパーピン部材)

Claims (3)

  1. 第一連結対象物に第二連結対象物を開閉可能に連結するヒンジであって、
    前記第一連結対象物または前記第二連結対象物のいずれか一方に固定される第一ウイング部材と、
    前記第一連結対象物または前記第二連結対象物のいずれか他方に固定され、前記第一ウイング部材に回動可能に連結され、カム部を有し、前記カム部にはダンパー孔およびダンパー溝が形成され、前記カム部のうち少なくとも前記ダンパー孔の周囲となる部分および前記ダンパー溝の周囲となる部分は樹脂材料からなる第二ウイング部材と、
    前記第一ウイング部材に支持されつつ、前記第二ウイング部材に接近する方向および前記第二ウイング部材から離間する方向に移動可能なスライド部材と、
    前記スライド部材を前記第二ウイング部材に接近する方向に付勢して前記スライド部材を前記カム部に当接させることにより、前記第二連結対象物が前記第一連結対象物に対して開く方向に回動するように前記第二ウイング部材にトルクを付与する付勢部材と、
    金属材料からなり、中途部が前記ダンパー孔に貫装され、両端部が前記第一ウイング部材に支持される第一ダンパーピン部材と、
    金属材料からなり、一端部が前記第一ウイング部材に支持され、他端部が前記ダンパー溝に収容される第二ダンパーピン部材と、
    を具備し、
    前記ダンパー孔は、
    前記第一ウイング部材に対する前記第二ウイング部材の回動軸の軸線方向に前記カム部を貫通するとともに前記回動軸の周方向に延びる円弧状の長孔であり、
    前記ダンパー孔の幅は、
    前記回動軸の周方向における中途部において前記第一ダンパーピン部材の外径よりも小さく、
    前記ダンパー溝は、
    前記カム部の周面に開口するとともに前記回動軸の周方向に延びる溝であり、
    前記ダンパー溝の幅は、
    前記回動軸の周方向における中途部において前記第二ダンパーピン部材の外径よりも小さい、
    ヒンジ。
  2. 前記カム部において前記回動軸および前記ダンパー孔により挟まれる位置であって前記ダンパー孔においてその幅が前記第一ダンパーピン部材の外径よりも小さい部分に対応する位置、または、前記カム部において前記ダンパー孔を越えて前記回動軸の反対側となる位置であって前記ダンパー孔においてその幅が前記第一ダンパーピン部材の外径よりも小さい部分に対応する位置には、前記カム部を前記回動軸の軸線方向に貫通する変形逃がし孔が形成され、
    前記カム部のうち前記ダンパー孔および前記変形逃がし孔により挟まれる部分は樹脂材料からなる、
    請求項1に記載のヒンジ。
  3. 前記第二ダンパーピン部材は、
    スプリングピンまたはすりわりピンである、
    請求項1または請求項2に記載のヒンジ。
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