JP5486033B2 - 有機薄膜トランジスタ装置及びその製造方法 - Google Patents

有機薄膜トランジスタ装置及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数の有機薄膜トランジスタからなる有機薄膜トランジスタ装置及びその製造方法に関する。
液晶表示装置、有機エレクトロルミネセンス表示装置(以下、有機EL表示装置と称する)、電気泳動表示装置等のいわゆるフラットパネルディスプレイ(FPD)では、アクティブマトリクス駆動方式のディスプレイが主流となっている。かかるディスプレイは、画素毎に薄膜トランジスタ(以下、TFTと称する)により構成された駆動部が設けられている。アクティブマトリクス駆動方式のディスプレイによれば、画面輝度の均一性や画面書き換え速度などを確保することができるようになる。
ここでTFTは、通常、ガラス基板上に成膜された金属薄膜からなるゲート電極と、該ゲート電極を覆うゲート絶縁膜と、該ゲート絶縁膜上で離間して対向する1対のソース/ドレイン電極と、該ソース/ドレイン電極間のチャネルとなる半導体層と、を順に形成して構成されている。半導体層は、a−Si(アモルファスシリコン)、p−Si(ポリシリコン)等の無機材料からなっている。
かかる構成のTFTを用いるFPDの製造には通常、CVD(化学蒸着)、スパッタリングなどの真空系設備や高温処理工程を要する薄膜形成工程に加えて、精度の高いフォトリソグラフ工程が必要とされる。従って、設備コスト、ランニングコストの負荷が非常に大きくなっている。
そこで、有機化合物からなる半導体層を用いた有機薄膜トランジスタ(以下、有機TFTと称する)の研究開発が行われている(特許文献1参照)。有機TFTの作製にあたり、有機半導体層の成膜方法としては、該半導体層の有機化合物が低分子系材料であれば真空蒸着法を、高分子系材料であれば印刷法を用いることが一般的である。しかし、トランジスタの半導体層に有機材料を用いる利点、すなわち(1)半導体層を作製する際に真空状態を形成しなくても良いということ、(2)半導体層の作製を低温プロセスで行うことができる故、樹脂基板が使用できること、などを最大限に活用するため、印刷法を用いた有機TFTの製造が試みられている。かかる製造方法のひとつの手法として、インクジェット法がある。
ここで、インクジェット法は、細いノズルから有機半導体層を構成する有機材料を含む微小液滴を、電気信号により制御しながら被成膜体に向けて噴出させて、所望の形状の薄膜を形成する方法である。なお、被成膜体には、所望の形状、すなわち有機TFTの半導体層の形状に対応する開口を有する撥水性のバンクが予め設けられており、当該開口に向けて噴出された該液滴は、該バンクによってはじかれて、当該開口内に配置される。
特開2002−343578号公報
上記の如き構成の有機TFTで、FPDをアクティブマトリクス駆動させる場合、画素毎に複数の有機TFTが必要となる場合がある。例えば、有機EL表示装置を構成する有機エレクトロルミネセンス素子(以下、有機EL素子と称する)の場合、該有機EL素子をアクティブマトリクス駆動するには、スイッチングトランジスタとドライビングトランジスタの最低2つ以上の有機TFTが有機EL素子毎に必要となる。従って、インクジェット法を用いる場合、有機TFT毎に開口を有するバンクを形成する必要がある。
ここで、表示装置における画素サイズが小さくなるに従って、各有機TFTの大きさおよび間隔も小さくなる。その結果、有機TFT毎に有機半導体層を作製することは困難となる。すなわち、インクジェットのノズルから噴出された液滴の着弾精度(〜10μm程度)に比べて、有機TFTの大きさおよび間隔が小(数μmオーダー)となると、インクジェット法による成膜が非常に困難となる。
本発明は、上記した問題が1例として挙げられる諸問題を解決する手段を提供することを目的とする。
請求項1記載の有機TFT装置は、基板と、前記基板上のトランジスタ領域に配置されかつ各々がゲート電極上のゲート絶縁膜上に形成されたソース電極およびドレイン電極を有する複数の有機薄膜トランジスタと、を含む有機薄膜トランジスタ装置であって、前記トランジスタ領域を取り囲む単一の開口を有するバンクと、前記バンクによって画定されかつ前記複数の有機薄膜トランジスタのチャネルを形成する単一の有機半導体層と、を含み、前記バンクは、前記ソース電極および前記ドレイン電極の一部の上に接するように配置されていることを特徴とする。
請求項7記載の有機TFT装置の製造方法は、基板と、前記基板上のトランジスタ領域に配置されかつ各々がゲート電極上のゲート絶縁膜上に形成されたソース電極およびドレイン電極を有する複数の有機薄膜トランジスタと、を含む有機薄膜トランジスタ装置の製造方法であって、前記トランジスタ領域に複数のゲート電極を形成する工程と、前記複数のゲート電極の各々の上に複数のゲート絶縁膜を形成する工程と、前記複数のゲート絶縁膜の各々の上に互いに離間して対向するソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、前記トランジスタ領域を取り囲む単一の開口を有しかつ前記ソース電極および前記ドレイン電極の一部の上に接するバンクを形成する工程と、前記バンクに囲まれた領域内にインクジェット法を用いて前記複数の有機薄膜トランジスタのチャネルとなる単一の有機半導体層を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明による有機TFT装置を有する有機EL表示装置の部分拡大平面図である。 本発明による有機TFT装置を有する有機EL表示装置のサブピクセルを示す平面図である。 図2のA‐A線断面図である。 本発明による有機TFT装置を有する有機EL表示装置のサブピクセルの構成を示す回路図である。 本発明による有機TFT装置を有する有機EL表示装置のサブピクセルの動作を示すタイミングチャートである。 本発明による有機TFT装置を有する有機EL表示装置のサブピクセルの製造工程を説明するための平面図である。 本発明による有機TFT装置を有する有機EL表示装置のサブピクセルの製造工程を説明するための平面図である。 本発明による有機TFT装置を有する有機EL表示装置のサブピクセルの製造工程を説明するための平面図である。 本発明による有機TFT装置を有する有機EL表示装置のサブピクセルの製造工程を説明するための平面図である。 本発明による有機TFT装置を有する有機EL表示装置のサブピクセルの製造工程を説明するための平面図である。 本発明による有機TFT装置を有する有機EL表示装置のサブピクセルの製造工程を説明するための平面図である。 本発明による有機TFT装置を有する有機EL表示装置のサブピクセルの製造工程を説明するための平面図である。 本発明による有機TFT装置を有する有機EL表示装置のサブピクセルの製造工程を説明するための平面図である。 本発明による有機TFT装置を有する有機EL表示装置のサブピクセルの変形例を示す平面図である。
以下、本発明による有機TFT装置の一例として、有機EL素子をアクティブマトリクス駆動せしめる有機TFT装置について添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に示す如く、複数の有機TFTを備えたアクティブマトリクス駆動方式の有機EL表示装置1は、基板2と、基板2上にマトリックス配置された複数のピクセル部3を含んでいる。ピクセル部3は、各々赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の3原色を各々発する3つのサブピクセル(3R,3G,3B)からなっており、ピクセル部3においてサブピクセル(3R,3G,3B)は並置されている。
サブピクセル(3R,3G,3B)はそれぞれ有機EL素子(図1において図示せず)を含んでいる。なお、サブピクセルの一例として、図2に示す如く、赤色(R)の光を発する有機EL素子4を含むサブピクセル3Rを用いて説明する。また、説明を簡単にするために、図2において、サブピクセル3Rを構成する構成素子に接続する配線は図示することを省略する。
有機EL素子4は、陽極および陰極となる第1の表示電極(図2中、図示せず)及び第2の表示電極5と、該第1及び第2の表示電極の間に挟持されている有機機能層(図2中、図示せず)と、を有しており、基板2から、該第1の表示電極、該有機機能層、第2の表示電極5の順に配置されて構成されている。該有機機能層は、正孔と電子との再結合によって発光し得る発光層(図示せず)を含んでいる。また、該有機機能層には、該発光層への正孔及び電子の注入性及び輸送性を高めるための、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び/又は電子注入層が任意に設けられている。
有機EL素子4の近傍には有機EL素子4を駆動せしめる駆動部6が設けられており、駆動部6はキャパシタ7を含んでいる。キャパシタ7は、第1のキャパシタ電極(図2中、図示せず)及び第2のキャパシタ電極8と、該第1及び第2のキャパシタ電極の間に挟持されているキャパシタ絶縁膜(図2中、図示せず)と、からなっている。
また、サブピクセル3Rにおいて、有機EL素子4及びキャパシタ7の近傍には、トランジスタ領域9が設けられている。ここでトランジスタ領域9とは複数の有機TFT(10〜13)が配置される基板上の領域をいい、図2中に示す如きトランジスタ領域9には4つの有機TFT(10〜13)が形成されている。なお、図示しないものの、基板上には複数のトランジスタ領域が設けられていても良い。4つの有機TFT(10〜13)は、トランジスタ領域9による平面に並べて配置されており、かかる複数の有機TFT(10〜13)は有機TFT装置14を形成している。また、4つの有機TFT(10〜13)は、キャパシタ7と共に、有機EL素子4の駆動部6を構成している。なお、4つの有機TFT(10〜13)は、それぞれスイッチングトランジスタ若しくはドライビングトランジスタとして作用し、詳細は後述する。
トランジスタ領域9には、これを取り囲む単一の開口15を有するバンク16が形成されている。すなわち、バンク16によって複数の有機TFT(10〜13)が囲まれている。バンク16は、有機TFT(10〜13)のチャネルを形成する単一の有機半導体層17を画定しており、かかる有機半導体層17は、複数の有機TFT(10〜13)に対して共通の半導体層となっている。バンクの開口15の形状は、複数の有機TFT(10〜13)の配置状態に対応している。
図3に示す如く、トランジスタ領域9において、基板2上にはゲート電極18が配置されている。基板2はガラスからなり、ゲート電極18はタンタル(Ta)からなる導電性薄膜によって構成されている。なお、基板2は、ガラス基板に限定されず、樹脂基板、ガラスとプラスティックの貼り合せ基板でもよい。また、本明細書において、基板とは有機EL素子及び有機TFTを担持する部材をいい、ガラス及び/又は樹脂等の基材の表面にアルカリバリア膜及び/またはガスバリア膜等の構造物が形成されているものも含むものとする。ゲート電極18は、充電制御線および走査線(いずれも図3中、図示せず)に接続されている。ゲート電極18上には、ゲート絶縁膜19が設けられている。ゲート絶縁膜19は、酸化タンタル(Ta25)からなり、ゲート電極18のTaを陽極酸化することによって形成することができる。
ゲート絶縁膜19上にはソース電極20及びドレイン電極21が設けられており、ソース電極20およびドレイン電極21は、ゲート絶縁膜19上において離間して互いに対向している。ソース電極20およびドレイン電極21は、クロム(Cr)を接着層とした金(Au)からなる金属薄膜(Cr/Au)からなる。なお、ソース電極20およびドレイン電極21は、データ線及び電源線(いずれも図3中、図示せず)に接続されている。
上記の如きゲート電極18、ゲート絶縁膜19、ソース電極20及びドレイン電極21を含むトランジスタ領域9において、当該領域を取り囲む単一の開口15を有するバンク16が形成されている。バンク16は、ソース電極20およびドレイン電極21の一部の上に配置されている。バンク16は、絶縁性のフッ素系感光樹脂からなる。
ソース電極20およびドレイン電極21の上には、バンク16によって画定された単一の有機半導体層17が設けられており、有機半導体層17はトランジスタ領域9における複数の有機TFT(10〜13)に対して共通の半導体層となっている。有機半導体層17は、ゲート絶縁膜19上においてソース電極20及びドレイン電極21間の隙間にも配置されている。かかる隙間領域において、有機半導体層17は、ゲート絶縁膜19と接しかつゲート電極18とはゲート絶縁膜19を介して対向している。当該隙間領域における有機半導体層17は、有機TFT(10〜13)のチャネルとなり得る。以上のことから、バンク16は、トランジスタ領域9を画定する。ここで、有機半導体層17は、半導体特性を示す有機材料からなり、例えばポリ(3‐ヘキシルチオフェン)(P3HT)からなる。なお、有機半導体層17は、複数の半導体特性材料からなることとしても良く、また積層体からなることとしても良い。
トランジスタ領域9の近傍に配置された有機EL素子4は、基板2から第1の表示電極22、有機機能層23、第2の表示電極5の順に配置されて構成されている。第1の表示電極22は、有機EL素子の近傍に配置されている有機TFT12のドレイン電極21に接続されている。
なお、図示していないものの、上記の如き構成の有機EL表示装置のピクセル部は、皿状の封止キャップもしくは封止膜によって封止されており、有機EL素子が大気中の水分及び酸素と接しないようになっている。
上記の如き構成のサブピクセルは、図4に示す如き回路図によってその構成を示すことができる。サブピクセル内には、有機EL素子4、第1乃至第4の有機TFT(10〜13)、及びキャパシタ7が設けられている。キャパシタ7は、データ線A1を介して供給されたデータ信号に応じた電荷を保持して、有機EL素子4の発光の階調を調節する。換言すれば、キャパシタ7は、データ線A1に流れる電流に応じた電圧を保持する。有機EL素子4は、フォトダイオードと同様の電流駆動型の発光素子であることから、ここではダイオードの記号で描かれている。
第1の有機TFT10のソースSは、第2及び第4の有機TFT(11,13)のドレインD並びに第3の有機TFT12のソースSとそれぞれ接続している。第1の有機TFT10のドレインDは、第4の有機TFT13のゲートGに接続されている。キャパシタ7は、第4の有機TFT13のソースSとゲートGとの間に接続されている。また、第4の有機TFT13のソースSは、電源線24に接続されており、電源線24には駆動電圧VDDが供給されている。有機EL素子4は、その陽極となる第1の表示電極22(図3参照)が第3の有機TFT12のドレインDに接続され陰極となる第2の表示電極5が接地されている。
第1の有機TFT10と第2の有機TFT11のゲートGは、キャパシタ7への充電を制御する充電制御線B1に共通に接続され、データ書込み用の充電信号が入力される。また、第3の有機TFT12のゲートGは、走査線C1に接続され、発光期間設定用の走査信号が入力される。
第1の有機TFT10と第2の有機TFT11は、キャパシタ7に電荷を蓄積する際に使用されるスイッチングトランジスタである。第3の有機TFT12は、有機EL素子4の発光期間においてオン状態に保たれるスイッチングトランジスタである。また、第4の有機TFT13は、有機EL素子4に流れる電流値を制御するためのドライブトランジスタである。第4の有機TFT13の電流値は、キャパシタに保持される電荷量によって制御される。
図5は、サブピクセルの動作を示すタイミングチャートである。ここでは、充電制御線B1を介して入力される充電信号、走査線C1を介して入力される走査信号と、データ線A1を介して入力されるデータ信号(データ電流値I)と、有機EL素子に流れる電流値IELとが示されている。
又、Tcは1フレーム期間であって、全ての走査線が一巡して選択され終わる期間である。Tprはプログラム期間であって、有機EL素子の発光階調をサブピクセル内に設定する期間であり、充電制御線B1を介して入力されるデータ書込み用の充電信号によって決定される。Telは発光期間であって、有機EL素子が発光する期間であり、走査線C1を介して入力される発光期間設定用の走査信号によって決定される。
プログラム期間Tprでは、データ線駆動回路(図示せず)からデータ線A1上に発光階調に応じたデータ信号を出力しながら、充電制御線駆動回路(図示せず)から充電制御線B1上にHレベルの充電信号が出力される。すると、第1及び第2の有機TFT(10,11)がオン状態になる。このとき、該データ線駆動回路(図示せず)は、発光階調に応じたデータ電流値Iを流す可変定電流源として機能する。そして、キャパシタ7には、データ電流値Iに対応した電荷が保持され、プログラム期間Tprは終了する。この結果、第4の有機TFT13のソース/ゲート間には、キャパシタ7に記憶された電圧が印加される。
プログラム期間Tprが終了すると、充電信号がLレベルとなり、第1の有機TFT10と第2の有機TFT11がオフ状態となる。また、該データ線駆動回路(図示せず)はその画素回路のためのデータ信号(電流値I)の供給を停止する。
続いて、発光期間Telでは、充電信号をLレベルに維持して第1及び第2の有機TFT10,11をオフ状態に保ったまま、走査線駆動回路(図示せず)から走査線C1にHレベルの走査信号を出力して第3の有機TFT12をオン状態に設定する。
キャパシタ7には、データ信号(データ電流値I)に対応した電荷が予め保持されている。従って、第4の有機TFT13にはデータ電流値Iとほぼ同じ電流が流れ、その電流は第3の有機TFT12を介して有機EL素子4に流れる。その結果、有機EL素子4は、発光期間Telの間、データ信号(データ電流値I)に応じた階調で発光する。
次に、上記の如き構成の有機TFT装置を有する有機EL表示装置の製造方法について説明する。なお、サブピクセルの大きさを180μm×60μmとし、有機EL素子における開口率は30%、有機TFTの数を4つとする場合について説明するものの、大きさはこれに限定されない。
まず、無アルカリガラスからなるガラス基板上にタンタル(Ta)薄膜を成膜した後、反応性イオンエッチング(RIE)を用いて、図6に示す如きTa薄膜のパターンを作製する。かかるTa薄膜パターンはゲート電極18、充電制御線B1、走査線C1及び第1のキャパシタ電極25を含んでいる。また、該Ta薄膜パターンは、ゲート電極18同士を電気的に接続するブリッジ部26を含んでいる。なお、ゲート電極18は、トランジスタ領域9(図6中、一点鎖線で示す。以下、図7〜図10において同様)内に設けられている。
当該Ta薄膜パターンに対して陽極酸化を行って、Ta薄膜の表面に酸化タンタル(Ta25)膜が作製される。図7に示す如く、Ta25膜は、ゲート電極18の上ではゲート絶縁膜19となり、第1のキャパシタ電極25の上においてはキャパシタ絶縁膜27となる。なお、Ta薄膜にブリッジ部26が含まれていることによって、Ta薄膜に対する陽極酸化を一回の工程で実施することができる。ここで、Ta膜厚は100nm、Ta25膜厚は150nmとする。
次に、図8に示す如く、基板上にインジウム亜鉛酸化物(IZO)膜を作製した後にリフトオフ法を用いて、有機EL素子の第1の表示電極22となるIZOパターン薄膜を形成する。なお、第1の表示電極22の大きさは30μm×110μmであり、膜厚は110nmとする。
反応性イオンエッチングを用いて、Ta薄膜のブリッジ部26を除去して、ブリッジ部26によって接続されたゲート電極同士を電気的に切断する。さらに、図9に示す如く、第1のキャパシタ電極25とゲート電極18との間のTa25薄膜にスルーホール28が設けられる。
続いて、クロム(Cr)を接着層とした金(Au)をマグネトロンスパッタ法で形成し、リフトオフ法を用いて図10に示す如きパターンのCr/Au金属膜を形成する。かかるCr/Au金属膜は、ソース電極20及びドレイン電極21、データ線A1及び電源線24を構成する。なお、第1の表示電極22の近傍に設けられた第3の有機TFT12のドレイン電極21は、第1の表示電極22に接続されている。なお、Cr膜の膜厚は5nm、Au膜厚は100nmとする。
また、ソース電極20およびドレイン電極21は、最終的に作製される有機TFTのチャネル長が2μmとなるように形成する。また、4つの該有機TFTのうち、チャネル幅を40μmとしたものを2つ、チャネル幅を150μmとしたものを2つ作製する。
図11に示す如く、サブピクセルにおけるトランジスタ領域9を囲みかつ単一の開口15を有するバンク16を形成する。バンク16はフッ素系感光樹脂を用いて形成され、フォトマスクを用いてバンク16のパターンが形成される。バンク16の開口15の大きさは、20μm×170μm、バンク16の高さは3μmとする。
バンク16を作製した後、図12に示す如く、インクジェット法を用いて、バンク16に囲まれた領域に単一の有機半導体層17を作製する。有機半導体層17は、半導体特性を有する有機材料であるP3HTからなる。インクジェット法において、インクジェットノズル(図示せず)から吐出される液滴はバンク16によってはじかれて開口15内に配置され、バンク16によって囲まれた領域内に該液滴によって形成された有機半導体層17が形成される。かかる単一の有機半導体層17は、複数の有機TFTに対してチャネルを形成する。
有機半導体層17を作製した後、シャドーマスク(図示せず)を用いた真空蒸着法を用いて、第1の表示電極22上に、発光層(図示せず)を含む有機機能層23(図3参照)及び第2の表示電極5を順に作製し、図13に示す如き有機EL素子4を形成する。有機機能層23は、低分子材料からなる。最後に皿状の封止キャップを用いて封止を行い、有機EL表示装置として完成した。
上記の如き有機TFT装置を含む有機EL表示装置において、有機TFTを駆動させたところ、有機EL素子の発光が確認できた。
複数の有機TFTに対して単一の開口を有するバンクを形成することによって、バンクの開口の大きさを大とすることができることから、有機TFTの大きさ及び有機TFT間の間隔が小であっても、インクジェット法を用いた有機半導体層の作製ができる。すなわち、インクジェットの液滴の着弾精度よりも小なる大きさ(チャネル幅)の有機TFTを狭い領域において複数個作製することができる。また、有機TFT毎にバンクを作製することがないことから、有機TFT装置の作製工程を単純化することができて、結果的に歩留まりを向上させることができる。
なお、上記した実施例において、ゲート電極としてTa、ソース電極及びドレイン電極としてCr/Auを用いたが、その材料は特に限定されることはなく、十分な導電性があればよい。すなわち、Pt、Au、W、Ru、Ir、Al、Sc、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Rh、Pd、Ag、Cd、Ln、Sn、Ta、Re、Os、Tl、Pb、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等の金属単体もしくは積層もしくはその化合物でも良い。また、ITO、IZOのような金属酸化物類、ポリアニリン類、ポリチオフェン類、ポリピロール類などの共役性高分子化合物を含む有機導電材料でもよい。
また、上記した実施例では、ゲート電極としてTa、ゲート絶縁膜としてTaを陽極酸化して作製されたTa25を用いているものの、ゲート電極材料としては陽極酸化可能な金属であれば何でも良く、Al、Mg、Ti、Nb、Zr等の単体もしくはそれらの合金を陽極酸化してゲート絶縁膜としてもよい。
さらに、ゲート絶縁膜として、陽極酸化を用いずとも無機材料、有機材料のいずれの絶縁物も使用できる。例えばLiOx、LiNx、NaOx、KOx、RbOx、CsOx、BeOx、MgOx、MgNx、CaOx、CaNx、SrOx、BaOx、ScOx、YOx、YNx、LaOx、LaNx、CeOx、PrOx、NdOx、SmOx、EuOx、GdOx、TbOx、DyOx、HoOx、ErOx、TmOx、YbOx、LuOx、TiOx、TiNx、ZrOx、ZrNx、HfOx、HfNx、ThOx、VOx、VNx、NbOx、TaOx、TaNx、CrOx、CrNx、MoOx、MoNx、WOx、WNx、MnOx、ReOx、FeOx、FeNx、RuOx、OsOx、CoOx、RhOx、IrOx、NiOx、PdOx、PtOx、CuOx、CuNx、AgOx、AuOx、ZnOx、CdOx、HgOx、BOx、BNx、AlOx、AlNx、GaOx、GaNx、InOx、TiOx、TiNx、SiNx、GeOx、SnOx、PbOx、POx、PNx、AsOx、SbOx、SeOx、TeOxなどの金属酸化物でも、LiAlO2、Li2SiO3、Li2TiO3、Na2Al2234、NaFeO2、Na4SiO4、K2SiO3、K2TiO3、K2WO4、Rb2CrO4、Cs2CrO4、MgAl24、MgFe24、MgTiO3、CaTiO3、CaWO4、CaZrO3、SrFe1219、SrTiO3、SrZrO3、BaAl24、BaFe1219、BaTiO3、Y3Al512、Y3Fe512、LaFeO3、La3Fe512、La2Ti27、CeSnO4、CeTiO4、Sm3Fe512、EuFeO3、Eu3Fe512、GdFeO3、Gd3Fe512、DyFeO3、Dy3Fe512、HoFeO3、Ho3Fe512、ErFeO3、Er3Fe512、Tm3Fe512、LuFeO3、Lu3Fe512、NiTiO3、Al2TiO3、FeTiO3、BaZrO3、LiZrO3、MgZrO3、HfTiO4、NH4VO3、AgVO3、LiVO3、BaNb26、NaNbO3、SrNb26、KTaO3、NaTaO3、SrTa26、CuCr24、Ag2CrO4、BaCrO4、K2MoO4、Na2MoO4、NiMoO4、BaWO4、Na2WO4、SrWO4、MnCr24、MnFe24、MnTiO3、MnWO4、CoFe24、ZnFe24、FeWO4、CoMoO4、CuTiO3、CuWO4、Ag2MoO4、Ag2WO4、ZnAl24、ZnMoO4、ZnWO4、CdSnO3、CdTiO3、CdMoO4、CdWO4、NaAlO2、MgAl24、SrAl24、Gd3Ga512、InFeO3、MgIn24、Al2TiO5、FeTiO3、MgTiO3、Na2SiO3、CaSiO3、ZrSiO4、K2GeO3、Li2GeO3、Na2GeO3、Bi2Sn39、MgSnO3、SrSnO3、PbSiO3、PbMoO4、PbTiO3、SnO2‐Sb23、CuSeO4、Na2SeO3、ZnSeO3、K2TeO3、K2TeO4、Na2TeO3、Na2TeO4などの金属複合酸化物でも、FeS、Al23、MgS、ZnSなどの硫化物、LiF、MgF2、SmF3などのフッ化物、HgCl、FeCl2、CrCl3などの塩化物、AgBr、CuBr、MnBr2などの臭化物、PbI2、CuI、FeI2などのヨウ化物、またはSiAlONなどの金属酸化窒化物でも有効である。また、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール、などポリマー系材料でも有効である。また、ゲート絶縁膜表面をOTS(オクタデシルトリクロロシラン)、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)などで疎水処理を行っても良い。
さらにまた、上記実施例において、バンク材料として、フッ素系感光樹脂を用いているものの、絶縁性の高い材料であれば有機、無機に限られない。また、バンクの高さも上記実施例では3μmとしているもののこれに限定されず、バンクの開口内に着弾した液滴がバンクを超えて溢れ出ることがなければどのような高さでも良い。
また、バンクのパターン形成方法も上記実施例では、感光性樹脂を用いたフォトリソ技術を用いているものの、例えば反応性イオンエッチング(RIE)を使用するドライプロセスであっても良い。また、バンク材料が撥水性材料であれば好ましいものの、バンクを作製した後に、バンク表面に撥水処理を施しても良い。
さらに、上記実施例において、有機TFTの有機半導体材料としてP3HTを使用しているものの、これに限られず、半導体特性を示す有機材料であれば良い。例えば高分子材料では、上述した低分子化合物の構造がポリエチレン鎖、ポリシロキサン鎖、ポリエーテル鎖、ポリエステル鎖、ポリアミド鎖、ポリイミド鎖等の高分子の主鎖中に用いられた物あるいは側鎖としてペンダント状に結合したもの、もしくはポリパラフェニレン等の芳香族系共役性高分子、ポリアセチレン等の脂肪族系共役性高分子、ポリピノールやポリチオフェン等の複素環式共役性高分子、ポリアニリン類やポリフェニレンサルファイド等の含ヘテロ原子共役性高分子、ポリ(フェニレンビニレン)やポリ(アニーレンビニレン)やポリ(チェニレンビニレン)等の共役性高分子の構成単位が交互に結合した構造を有する複合型共役系高分子等の炭素系共役高分子が用いられる。また、ポリシラン類やジシラニレンアリレンポリマー類、(ジシラニレン)エテニレンポリマー類、(ジシラニレン)エチニレンポリマー類のようなジシラニレン炭素系共役性ポリマー構造などのオリゴシラン類と炭素系共役性構造が交互に連鎖した高分子類などが用いられる。他にもリン系、窒素系等の無機元素からなる高分子鎖でも良く、さらにフタロシアナートポリシロキサンのような高分子鎖の芳香族系配位子が配位した高分子類、ペリレンテトラカルボン酸のようなペリレン類を熱処理して縮環させた高分子類、ポリアクリロニトリルなどのシアノ基を有するポリエチレン誘導体を熱処理して得られるラダー型高分子類、さらにペロブスカイト類に有機化合物がインターカレートした複合材料を用いてもよい。また低分子系材料ではフタロシアニン系誘導体、ナフタロシアニン系誘導体、アゾ化合物系誘導体、ペリレン系誘導体、インジゴ系誘導体、キナクリドン系誘導体、アントラキノン類などの多環キノン系誘導体、シアニン系誘導体、フラーレン類誘導体、あるいはインドール、カルバゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、オキサアジアゾール、ピラゾリン、チアチアゾール、トリアゾールなどの含窒素環式化合物誘導体、ヒドラジン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、スチルベン類、アントラキノンジフェノキノン等のキノン化合物誘導体、アントラセン、ビレン、フェナントレン、コロネンなどの多環芳香族化合物誘導体などでも良いし、官能基の付与等によって溶媒に可溶なものであっても良い。
上記実施例において、有機EL素子は、第1の表示電極及び基板を介して外部に光を取り出すボトムエミッション型の素子として説明しているもののこれに限定されず、第2の表示電極を介して光を外部に取り出すトップエミッション型の素子としても良い。
また、上記実施例において、有機TFT装置は、有機EL表示装置に使用しているもののこれに限定されず、液晶表示装置及び電気泳動表示装置等のアクティブ駆動方式が使用できる表示装置に用いることができる。
変形例として、図14に示す如き構成の有機TFT装置の説明を行う。図14は有機EL表示装置のサブピクセル3Rを示しており、変形例の有機TFT14構造は、有機EL素子4の駆動部6を構成している。有機TFT装置は、基板上のトランジスタ領域9に設けられており、トランジスタ領域9に設けられた複数の有機TFT(10〜13)のうち、互いに隣り合っている有機TFT同士の間に隔壁29が設けられている。隔壁29は、有機TFT間にリーク電流が流れることを防止するためのものであり、バンク16の開口15内の領域を仕切って当該トランジスタ領域9を複数の領域に画定するものではない。隔壁29は、バンク16と同様に絶縁性材料からなり、例えばフッ素系感光樹脂からなる。その他の構成は、上記した実施例とほぼ同様の構成である。
互いに隣り合う有機TFT間において流れるリーク電流とは、隣り合う別個の有機TFTの間に存在する有機半導体材料を介して当該有機TFTの間を流れる電流をいい、有機TFT毎の印加電圧、有機半導体層の材料特性及び有機TFT間の距離等の種々の要因に応じて生じ得る。特に、表示装置の解像度が高くなるに従って、有機TFT間の間隔が短くなることから、かかる問題が生じるおそれがある。従って、互いに隣り合う有機TFTの間に隔壁を作製することによって、当該有機TFT間にリーク電流が流れること防止することができる。
図14に示す如き構成のサブピクセル3Rを有する有機EL表示装置を作製した。作製手順は、基本的に、上記した実施例の作製方法(図6乃至図13参照)とほぼ同様である。なお、サブピクセル3Rの大きさは、180μm×60μmとし、有機EL素子4における開口率を30%とした。また、トランジスタ領域9における複数の有機TFT(10〜13)は、それぞれのチャネル長を2μmとした。また、第1及び第2の有機TFT(10,11)のチャネル幅は40μmとし、第3及び第4の有機TFT(12,13)のチャネル幅は150μmとした。
(1) ゲート電極及びゲート絶縁膜の形成…無アルカリガラス基板上にTa薄膜を成膜した後、反応性イオンエッチング法を用いてTa薄膜のパターンを形成した。当該パターンTa薄膜をゲート電極とした。かかるTa薄膜に陽極酸化を施して、表面に酸化膜(Ta25膜)を作製した。このTa25膜をゲート絶縁膜とした。なお、Ta膜厚は100nm、Ta25膜厚は150nmであった。
(2)第1の表示電極の形成…IZO膜をマグネトロンスパッタ法により作製した後、リフトオフ法でIZO膜にパターンを形成した。当該パターンIZO薄膜を有機EL表示素子の陽極とした。なお、該パターンIZO薄膜の膜厚は110nmであった。
(3)ソース電極及びドレイン電極の作製…マグネトロンスパッタ法により、クロム(Cr)薄膜及び金(Au)薄膜を作製した後、リフトオフ法を用いて当該Cr/Au薄膜にパターンを形成した。かかる工程によって、ゲート絶縁膜上で互いに離間して対向するソース電極及びドレイン電極を作製した。なお、Cr薄膜の膜厚は5nm、Au薄膜の膜厚は100nmとした。また、互いに隣り合っている有機TFT間の距離を2μmとした。すなわち、互いに隣り合っている有機TFTの各有機TFTのソース電極及びドレイン電極の組み合わせにおいて、当該組み合わせの間のうち互いに最も近い電極間の距離を2μmとした。
(4)バンクおよび隔壁の形成…スピンコート法を用いて未感光のフッ素系感光性樹脂液を配置した後、フォトマスクを用いて露光して現像し、バンクと隔壁とを形成した。バンクはトランジスタ領域を囲みかつ1つの開口を有するように形成し、隔壁は有機TFTのうち隣り合うもの同士が形成されるべき位置の間に形成した。バンクの開口の大きさは、20μm×170μmであった。また、隔壁は幅4μm、長さ160μmであった。さらにバンク及び隔壁の高さは3μmであった。
(5)有機半導体層の形成…インクジェット法を用いて、上記の如きバンクに囲まれた領域に有機半導体層を形成した。具体的には、インク吐出ノズルから吐出された液滴をバンクの開口内に向かうように噴出して、有機半導体層を形成した。なお、有機半導体層を構成する有機半導体材料としてP3HTを用い、P3HTの溶液をインクジェット法に使用するインクとした。
(6)有機EL素子の形成および封止…真空蒸着法を用いて、第1の表示電極上に有機機能層及び第2の表示電極を順に形成して、有機EL素子を作製した。さらに、皿状の封止キャップを用いて有機EL素子及び有機TFTを封止して、有機EL表示装置とした。
上記の如き手順によって作製された有機EL表示装置を駆動せしめて、有機TFT間のリーク電流を測定した。なお、比較例として、トランジスタ領域内に隔壁がない有機EL表示装置も作製した。ここで、比較例の有機EL表示装置は、上記した手順のうちのバンク及び隔壁の形成工程を、隔壁を形成しないでバンクのみを形成する工程としたほかは、同様の手順で作製した。実施例及び比較例の何れの有機EL表示装置においても、互いに隣り合う有機TFTのうち、隣り合っている電極間に30Vの電圧を印加した。
互いに隣り合う有機TFT間を流れるリーク電流の電流値は、実施例が1.6×10‐10Aであったのに対して、比較例の電流値は5.8×10‐7Aであった。かかる結果より、隣り合う有機TFT間に隔壁を設けることによって、リーク電流が低減することが確認できた。
なお、上記した何れの実施例においても、有機TFTは、基板上にゲート電極を設けたボトムゲート構造を用いて説明しているものの、トップゲート構造としても良い。すなわち、有機TFTは、基板からソース/ドレイン電極、有機半導体層、ゲート絶縁膜、ゲート電極を順に作製して形成することとしても良い。ここで、バンクは、ソース/ドレイン電極を作製した後にトランジスタ領域を囲んで形成される。有機半導体層は、上記したボトムゲート構造の有機TFTと同様に、インクジェット法を用いて作製することができて、バンクによって画定される。
基板と、該基板上のトランジスタ領域に配置された複数の有機TFTと、を含む有機TFT装置であって、該トランジスタ領域を取り囲む単一の開口を有するバンクと、該バンクによって画定されかつ該有機TFTのチャネルを形成する単一の有機半導体層と、を含むことを特徴とする本発明による有機TFT装置によれば、インクジェット法を用いて有機TFT装置を作製する際に有機TFT毎にバンクを設ける必要がない故、有機TFTの各々の大きさ及び有機TFT間の間隔が狭くなっても有機TFT装置を作製することができる。
基板と、該基板上のトランジスタ領域に配置された複数の有機TFTと、を含む有機薄膜TFT装置の製造方法であって、該トランジスタ領域に複数のゲート電極を形成する工程と、該ゲート電極の各々の上にゲート絶縁膜を形成する工程と、該ゲート絶縁膜の各々の上に互いに離間して対向するソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、該トランジスタ領域を取り囲む単一の開口を有するバンクを形成する工程と、該バンクに囲まれた領域内にインクジェット法を用いて該有機TFTのチャネルとなる単一の有機半導体層を形成する工程と、を含むことを特徴とする本発明による有機TFTの製造方法によれば、有機TFT毎にバンクを設ける必要がない故、作製工程を単純化することができるだけでなく、有機TFTの各々の大きさ及び有機TFT間の間隔が狭くなっても、インクジェット法を用いて有機TFTを作製することができる。
1 有機EL表示装置
2 基板
3 ピクセル部
3R,3G,3B サブピクセル
4 有機EL素子
7 キャパシタ
9 トランジスタ領域
10 第1の有機TFT
11 第2の有機TFT
12 第3の有機TFT
13 第4の有機TFT
14 有機TFT装置
15 開口
16 バンク
17 有機半導体層
18 ゲート電極
19 ゲート絶縁膜
20 ソース電極
21 ドレイン電極
29 隔壁

Claims (6)

  1. 板上のトランジスタ領域に配置されかつ各々がゲート電極上のゲート絶縁膜上に形成されたソース電極およびドレイン電極を有する複数の有機薄膜トランジスタと
    前記トランジスタ領域を取り囲む単一の開口を有するバンクと、
    前記バンクによって画定されかつ前記複数の有機薄膜トランジスタのチャネルを形成する単一の有機半導体層と、を備え
    前記バンクは、前記ソース電極および前記ドレイン電極の一部の上に接するように配置されており、
    隣接する前記有機薄膜トランジスタの間に配置された隔壁を有することを特徴とする有機薄膜トランジスタ装置。
  2. 前記有機半導体層はインクジェット法を用いて成膜されていることを特徴とする請求項1記載の有機薄膜トランジスタ装置。
  3. 請求項1乃至の何れかに記載の有機薄膜トランジスタ装置を有する有機EL表示装置。
  4. 請求項1乃至の何れか1に記載の有機薄膜トランジスタ装置を有することを特徴とする電気泳動表示装置。
  5. 請求項1乃至の何れか1に記載の有機薄膜トランジスタ装置を有することを特徴とする液晶表示装置。
  6. 有機薄膜トランジスタ装置の製造方法であって、
    前記有機薄膜トランジスタ装置は、基板と、前記基板上のトランジスタ領域に配置されかつ各々がゲート電極上のゲート絶縁膜上に形成されたソース電極およびドレイン電極を有する複数の有機薄膜トランジスタを備え、
    前記トランジスタ領域に複数のゲート電極を形成する工程と、
    前記複数のゲート電極の各々の上に複数のゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記複数のゲート絶縁膜の各々の上に互いに離間して対向するソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
    前記トランジスタ領域を取り囲む単一の開口を有しかつ前記ソース電極および前記ドレイン電極の一部の上に接するバンクを形成する工程と、
    前記バンクに囲まれた領域内にインクジェット法を用いて前記複数の有機薄膜トランジスタのチャネルとなる単一の有機半導体層を形成する工程と、を備え、
    前記バンクを形成する工程は、隣接する前記有機薄膜トランジスタの間に隔壁を形成する工程を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタ装置の製造方法。
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