JP5482063B2 - 熱電変換素子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱電変換素子及びその製造方法に関する。
近年、廃棄されている熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電変換素子が関心を集めている。また、熱電変換素子は、電気エネルギーを用いた熱の移送のためにも用いられる。このように、熱電変換素子には、熱により発電する熱発電素子と、電気により熱を移送するペルチェ素子とが含まれる。これらの熱発電素子及びペルチェ素子の基本的な構造は同じである。
熱電変換素子の形成材料としては、従来種々の材料が開発されている。その中でも、熱電変換素子の形成材料として酸化物を用いたものは、低い毒性、資源の豊富さ及び優れた耐熱性等から注目されている。
この酸化物を用いた従来の熱電変換装置として、ブロック状のp型及びn型の酸化物熱電変換材料によって形成された熱電変換層が電極を介して交互に接続して形成されるものがある。熱電変換装置は、全体として、一対の電極層の間に熱電変換層が挟持されて形成される熱電変換素子が複数直列に接続されている。
図1は、従来の例による熱電変換素子の断面図を示す。熱電変換素子100は、酸化物によって形成される熱電変換層111が、一対の電極層112によって挟持されている。
酸化物熱電材料は、一般に発生する熱起電力が小さいので、発生した電気エネルギーを効率良く取り出すために、電極層の形成材料として電気抵抗が小さい材料が用いられる。この電極層の形成材料として、例えば、銀(Ag)が挙げられる。
特開2003−008087号公報 特開2003−258328号公報 特開2008−182025号公報 特開2005−136401号公報
しかしながら、酸化物熱電変換材料と銀等の電極層との密着性が低い場合があるので、電極層112と熱電変換層111との界面における接触抵抗が大きくなって、発生した電気エネルギーを効率良く取り出すことができないおそれがある。
熱電変換素子ではないが、酸化物圧電体層と電極層との密着性を向上する手法として、電極層内に圧電体の形成材料である酸化物を添加して、電極層と酸化物圧電体層との密着性を向上させることが提案されている。
この手法を熱電変換素子に対して適用して、電極層に酸化物熱電変換材料を添加した場合、酸化物熱電変換材料は、導電性はあるものの、電極層の形成材料である銀等の金属材料よりも電気抵抗が高いので、電極層の電気抵抗が添加前よりも増加する。従って、この手法を熱電変換素子に適用した場合には、発生した電気エネルギーの取り出し効率を、むしろ低下させてしまうおそれがある。
本明細書は、電極層と熱電変換層との間の電気抵抗が小さい熱電変換素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本明細書で開示する熱電変換素子の一形態によれば、熱電変換材料を含む熱電変換層と、金属材料を含む電極層と、上記熱電変換層と上記電極層との間に挟まれた密着層と、を有し、上記密着層は、上記熱電変換材料と、上記金属材料と、空隙と、を含む。
上述した本明細書に開示する熱電変換素子の一形態によれば、電極層と熱電変換層との間の電気抵抗が小さい。
本発明の目的及び効果は、特に請求項において指摘される構成要素及び組み合わせを用いることによって認識され且つ得られるだろう。
前述の一般的な説明及び後述の詳細な説明の両方は、例示的及び説明的なものであり、クレームされている本発明を制限するものではない。
従来の例による熱電変換素子の断面図である。 本明細書に開示する熱電変換素子の第1実施形態を示す断面図である。 本明細書に開示する熱電変換素子の第2実施形態を示す断面図である。 本明細書に開示する熱電変換素子の第3実施形態を示す断面図である。 (A)〜(C)は、本明細書に開示する熱電変換素子の製造方法の第1実施形態の製造工程(その1)を示す図である。 (A)〜(B)は、本明細書に開示する熱電変換素子の製造方法の第1実施形態の製造工程(その2)を示す図である。 (A)〜(B)は、本明細書に開示する熱電変換素子の製造方法の第1実施形態の製造工程(その3)を示す図である。 (A)〜(B)は、本明細書に開示する熱電変換素子の製造方法の第1実施形態の製造工程(その4)を示す図である。 (A)〜(B)は、本明細書に開示する熱電変換素子の製造方法の第1実施形態の製造工程(その5)を示す図である。 (A)〜(C)は、本明細書に開示する熱電変換素子の製造方法の第2実施形態の製造工程(その1)を示す図である。 (A)〜(B)は、本明細書に開示する熱電変換素子の製造方法の第2実施形態の製造工程(その2)を示す図である。 (A)〜(C)は、本明細書に開示する熱電変換素子の製造方法の第3実施形態の製造工程(その1)を示す図である。 (A)〜(B)は、本明細書に開示する熱電変換素子の製造方法の第3実施形態の製造工程(その2)を示す図である。 (A)〜(B)は、本明細書に開示する熱電変換素子の製造方法の第3実施形態の製造工程(その3)を示す図である。 本明細書に開示する熱電変換素子の製造方法の第3実施形態の製造工程(その4)を示す図である。 (A)〜(C)は、本明細書に開示する熱電変換素子の製造方法の第4実施形態の製造工程(その1)を示す図である。 (A)〜(B)は、本明細書に開示する熱電変換素子の製造方法の第4実施形態の製造工程(その2)を示す図である。 (A)〜(B)は、本明細書に開示する熱電変換素子の製造方法の第4実施形態の製造工程(その3)を示す図である。 (A)〜(B)は、本明細書に開示する熱電変換素子の製造方法の第4実施形態の製造工程(その4)を示す図である。 本明細書に開示する熱電変換素子の製造方法の第4実施形態の製造工程(その5)を示す図である。
以下、本明細書で開示する熱電変換素子の好ましい第1実施形態を、図面を参照して説明する。但し、本発明の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
図2は、本明細書に開示する熱電変換素子の第1実施形態を示す断面図である。
本実施形態の熱電変換素子10は、図2に示すように、一つの熱電変換層11と、一対の電極層12と、一対の密着層13と、を有する。熱電変換素子10は、一方の電極層12上に一方の密着層13が配置され、この一方の密着層13上に熱電変換層11が配置され。そして、この熱電変換層11上に、更に、他方の密着層13が配置され、この他方の密着層13上に他方の電極層12が配置される。各密着層13は、熱電変換層11と電極層12との間に挟まれている。
熱電変換層11は、形成材料として熱電変換材料を含む。この熱電変換材料としては、熱エネルギーを用いた発電又は電気エネルギーを用いた熱の移送を行う材料であれば特に制限無く用いることができる。熱電変換材料としては、例えば、酸化物又は化合物半導体が挙げられる。特に、熱電変換素子10の耐熱性の観点からは、熱電変換材料として酸化物を用いることが好ましい。また、酸化物は、人体への毒性が低く、材料の資源も豊富である。この酸化物としては、例えば、Ca3CO49が挙げられる。
各電極層12は、形成材料として金属材料を含む。この金属材料としては、導電性を有する限り、金属の種類には特に制限なく用いることができるが、特に、熱電変換層11で発生した電気エネルギーを効率良く取り出す上で、電気抵抗の低い金属が好ましい。電気抵抗が低く且つコストが高くない金属材料として、例えば銀(Ag)が挙げられる。
次に、密着層13について、以下に詳述する。
密着層13は、熱電変換層11及び電極層12とそれぞれ高い密着性を有しており、熱電変換層11と電極層12との間の電気抵抗を低減する。また、密着層13は、熱電変換層11と電極層12との間に介在して、熱電変換層11と電極層12との間の結合強度を高める。
密着層13は、熱電変換層11の形成材料である熱電変換材料を主成分とする。また、密着層13は、電極層12の形成材料である金属材料によって形成される複数の導電性粒子15、及び空隙としての複数の気孔14を含む。密着層13では、上記熱電変換材料内に、導電性粒子15及び気孔14が分散している。
密着層13を形成する熱電変換材料は、熱電変換層11との界面において、同じ形成材料によって形成される熱電変換層11と一体に結合している。
次に、密着層13内の導電性粒子15について、以下に詳述する。
熱電変換素子10では、密着層13内の導電性粒子15は、層の厚さ方向に均一に分布している。また、密着層13内の導電性粒子15は、層の面方向にも均一に分布している。密着層13は、複数の導電性粒子15が分散しているので、密着層13の全体としての電気抵抗が、熱電変換材料の電気抵抗よりも低減している。
また、密着層13内の導電性粒子15の一部は、図2に示すように、電極層12と密着層13との界面に分布している。この界面に位置する導電性粒子15は、同じ金属材料によって形成され且つ隣接する電極層12と、電気的に接触し且つ結合している。その結果、電極層12と密着層13との実質的な接触面積が増加して、密着層13と電極層12との密着性を高めて結合を強めると共に、密着層13と電極層12との間の電気抵抗を低減する。
従って、上述したように密着層13と結合している熱電変換層11は、密着層13を介して、電極層12との間の電気抵抗が低減し、且つ電極層12との間の結合が強められる。
導電性粒子15は、不定形状、球形状、楕円体形状、等方性形状、異方性形状等各種の形状を有し得る。
また、密着層13は、熱電変換素子10の製造時において電極層12と密着層13との界面に露出していた気孔内に電極層12の形成材料が充填されて形成された導電性粒子16を含む。この導電性粒子16は、電極層12に対して、いわゆるアンカー効果をもたらす。導電性粒子16は、電極層12と密着層13との界面に露出しているので、上述した導電性粒子15と同様の働きを有する。
次に、密着層13内の気孔14について、以下に詳述する。
気孔14は、他の気孔とは連通してなく、独立していることが好ましい。気孔14は、周囲の熱電変換材料よりも熱伝導度が低い。密着層13は、複数の気孔14が分散しているので、密着層13の全体としての熱伝導度が、熱電変換材料の熱伝導度よりも低減する。従って、熱電変換素子10では、一対の電極層12間の断熱性が高いので、一対の電極層12間の温度差を大きくすることができる。
密着層13の断熱性は、気孔14の配置によって調整することができる。例えば、気孔14を、層の厚さ方向に偏在させるか、又は、層の面方向に偏在させることによって、密着層13の断熱性を調整することができる。
本実施形態の熱電変換素子10では、密着層13内の気孔14が、層の厚さ方向に均一に分布している。また、密着層13内の気孔14も、層の面方向に均一に分布している。
しかし、求められる密着層13への断熱性に応じて、導電性粒子15を密着層13の層の厚さ方向に不均一に分布させても良い。また、導電性粒子15を密着層13の層の面方向に不均一に分布させても良い。
気孔14は、不定形状、球形状、楕円体形状、等方性形状、異方性形状等の各種の形状を有し得る。
密着層13の厚さは、電極層12、又は熱電変換層11の厚さ、又は熱電変換素子10に求められる熱電特性に応じて適宜設定される。密着層13の厚さは、例えば、10〜100μmとすることができる。
密着層13内の導電性粒子15の濃度は、5〜50体積%、特に10〜30体積%であることが好ましい。密着層13内に均一に分散した導電性粒子15の濃度が5体積%以上であることによって、電極層12と密着層13との界面に導電性粒子15の一部を分布させられるので、電極層12と密着層13との間の電気抵抗を低減し且つ結合を強められる。また、密着層13内の導電性粒子15の濃度が50体積%よりも高いと、気孔14の濃度にもよるが、密着層13内の熱電変換材料の濃度が減少して、熱電変換層11と密着層13との結合が十分ではなくなるおそれがある。
密着層13内の気孔14の濃度は5〜50体積%であることが好ましい。密着層13内の気孔の濃度が5体積%以上であることによって、密着層13の断熱性を有効に発現させることができる。また、密着層13内に均一に分散した気孔の濃度が5体積%以上であることによって、熱電変換素子の製造時に、電極層12と密着層13との界面に気孔の一部を露出させて、電極層14の一部を気孔内に充填させることができる。一方、密着層13内の気孔14の濃度が50体積%よりも高いと、密着層13の機械的強度が低下するおそれがある。
密着層13内の熱電変換材料の濃度は、例えば、45〜90体積%、特に50〜90体積%とすることが好ましい。
導電性粒子15の平均粒径は、密着層13の厚さよりも、特に密着層13の半分の厚さよりも、小さいことが好ましい。導電性粒子15の粒径は、例えば、数μm以下とすることができる。ここで、導電性粒子15の粒径は、導電性粒子15と同じ体積を有する球の直径を意味する。
気孔14の平均粒径は、密着層13の厚さよりも、特に密着層13の半分の厚さよりも、小さいことが好ましい。気孔14の粒径は、例えば、数μm以下とすることができる。ここで、気孔14の粒径は、気孔14と同じ体積を有する球の直径を意味する。
上述した本実施形態の熱電変換素子10によれば、電極層12と熱電変換層11との間に密着層13が介在しているので、電極層12と熱電変換層11との間の電気抵抗が小さく且つ結合強度が高い。従って、熱電変換素子10は、発生した電気エネルギーを効率良く取り出すことができる。また、熱電変換素子10は、電気エネルギーが供給されて、熱を効率良く移送することができる。
次に、本明細書に開示する第2及び第3実施形態の発電システムを、図面を参照しながら以下に説明する。第2及び第3実施形態について特に説明しない点については、上述の第1実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図3及び図4において、図2と同じ構成要素に同じ符号を付してある。
図3は、本明細書に開示する熱電変換素子の第2実施形態を示す断面図である。
本実施形態の熱電変換素子10は、密着層13中の上記金属材料によって形成される導電性粒子15が、熱電変換層11側よりも、電極層12側に多く偏在している。導電性粒子15が、密着層13内の電極層12側に、特に密着層13と電極層12との界面に露出するように分布することによって、密着層13と電極層12との密着性を高めて結合を強めると共に、密着層13と電極層12との間の電気抵抗を低減できる。
上述した観点から、密着層13の厚さ方向に対して電極層12側の半分の部分に分布する導電性粒子15の割合は、密着層13内に分散した全導電性粒子15に対して、60〜95%、特に80〜90%であることが好ましい。
また、熱電変換素子10では、密着層13中の空隙としての気孔14が、電極層12側よりも、熱電変換層11側に多く偏在している。気孔14が、熱電変換層11側に多く偏在することによって、密着層13の厚さ方向に対して熱電変換層11と隣接する部分に、断熱性の高い部分が形成される。この断熱性の高い部分の存在によって、電極層12から熱電変換層11への熱の伝導を大きく抑制することができる。
上述した観点から、密着層13の厚さ方向に対して熱電変換層11側の半分の部分に分布する気孔14の割合は、密着層13内に分散した気孔14の内、60〜95%、特に80〜90%であることが好ましい。
熱電変換素子10のその他の構造は、上述した第1実施形態と同様である。
上述した本実施形態の熱電変換素子10によれば、密着層13と電極層12との密着性が更に高められており、密着層13と電極層12との結合強度が高められると共に、密着層13と電極層12との間の電気抵抗が更に低減される。
また、熱電変換層11は、発生した電気エネルギーを更に効率良く取り出すことができる。また、熱電変換素子10は、電気エネルギーが供給されて、熱を更に効率良く移送することができる。
図4は、本明細書に開示する熱電変換素子の第3実施形態を示す断面図である。
本実施形態の熱電変換素子10は、密着層13内の空隙として、密着層13の厚さ方向に延びる複数の気孔17a、17bを複数有している。気孔17a、17bは、縦長形状を有している。気孔17a、17bは、例えば、円柱形状、多角形柱形状等の柱形状を有する。本実施形態では、気孔17a、17bは、円柱形状を有している。
気孔17a、17bの平均直径は、例えば、数十μm、好ましくは10〜90μm、とすることができる。
気孔17aは、密着層13と熱電変換層11との界面から密着層13の内方に向かって延びている。気孔17aの長さは、密着層13に求められる断熱性等によって、適宜設定される。本実施形態では、気孔17aの長さは、密着層13の厚さの半分である。
気孔17bは、密着層13と電極層12との界面から密着層13の内方に向かって延びている。気孔17bの長さは、密着層13に求められる断熱性等によって、適宜設定される。本実施形態では、気孔17bの長さは、密着層13の厚さの半分である。
気孔17bは、電極層12と密着層13との界面に露出した部分の中に電極層12の形成材料が充填されて形成された導電性粒子18を有する。
気孔17a及び気孔17bは、密着層13の層の面方向に均一に分布している。
気孔17aと気孔17bとは、互いに接続しないことが、密着層13の断熱性を低下させない上で好ましい。
熱電変換素子10のその他の構造は、上述した第1実施形態と同様である。
上述した本実施形態の熱電変換素子10によれば、上述した第1実施形態と同様の効果が奏される。
なお、上述した第3実施形態では、気孔17a、17bは、密着層13の層の面方向に均一に分布していたが、気孔17a、17bは、密着層13の層の面方向に均一に分布していなくても良い。例えば、気孔17a、17bは、密着層13の層の面方向において、外側の部分に偏在させても良いし、又は、内側の部分に偏在させても良い。
次に、上述した熱電変換素子の好ましい製造方法の第1実施形態を、図5〜図9を参照して、以下に説明する。
まず、図5(A)に示すように、熱電変換材料粉末、金属粒子、及び樹脂粒子を含むグリーンシート20aが複数形成され、これらのグリーンシート20aが積層されて、第2のグリーンシート20が形成される。第2のグリーンシート20の所望の厚さに応じて、積層されるグリーンシート20aの数が決定される。グリーンシート20aの厚さは、例えば、10〜100μmとされる。
グリーンシート20aは、樹脂粒子と、金属粒子と、主成分である熱電変換材料粉末と、これらを結合するバインダである樹脂と、バインダを溶解する有機溶剤等を用いて形成される。そして、樹脂粒子は、有機溶剤に対して不溶性であるか、又はバインダよりも有機溶剤に対して溶解度が低いことが好ましい。
本実施形態では、熱電変換材料粉末として、酸化物であるCa3CO49を用いた。バインダとして、ポリビニルブチラール(PVB)を用いた。金属粒子として、銀粒子を用いた。樹脂粒子として、ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子を用いた。なお、図5(A)では、熱電変換材料粉末、金属粒子、樹脂粒子、バインダ及び有機溶剤は図示されていない。なお、樹脂粒子の形成材料としては、バインダ及び有機溶剤との関係にもよるが、PVBを用いることもできる。
次に、図5(B)に示すように、第2のグリーンシート20に含まれる熱電変換材料粉末と同じ熱電変換材料粉末を含むグリーンシート21aが複数形成される。そして、これらのグリーンシート21aが、第2のグリーンシート20上に積層されて、第1のグリーンシート21が形成される。第1のグリーンシート21の所望の厚さに応じて、積層されるグリーンシート21aの数が決定される。グリーンシート21aの厚さは、例えば、10〜100μmとされる。
グリーンシート21aは、上記熱電変換材料粉末と、バインダと、有機溶剤等を含む。本実施形態では、バインダとして、PVBを用いた。なお、図5(B)では、熱電変換材料粉末、バインダ及び有機溶剤は図示されていない。
次に、図5(C)に示すように、更に、別のグリーンシート20aが複数形成され、これらのグリーンシート20aが第1のグリーンシート21上に積層されて、別の第2のグリーンシート20が形成される。
次に、図6(A)に示すように、積層された第2のグリーンシート20と第1のグリーンシート21と別の第2のグリーンシート20とが、加熱及び加圧されることにより第1積層体22が形成される。この加熱温度は、樹脂粒子15が熱分解する温度よりも低い温度とする。本実施形態では、加熱温度を100℃とし、圧力を30MPaとした。
加熱及び加圧された第1のグリーンシート21では、複数のグリーンシート21aが一体となる。また、加熱及び加圧された第2のグリーンシート20でも、複数のグリーンシート20aが一体となる。第2のグリーンシート20内には、複数の金属粒子15及び複数の樹脂粒子23が分散している。
次に、図6(B)に示すように、第1の温度で第1積層体22が加熱されることにより、樹脂粒子23が熱分解して、第1積層体22中の樹脂粒子23の部分に空隙としての気孔14が形成される。この工程において、樹脂粒子23が熱により分解して消失する。この工程は、いわゆる脱脂工程である。
この工程の加熱温度は、樹脂粒子23が熱分解する温度よりも、若干高い温度(例えば、5℃〜10℃高い温度)とすることが好ましい。また、この加熱によって、第1積層体22中のバインダも熱により分解して消失する。本実施形態では、第1積層体22は、大気中で、温度が500℃で、4時間の間、加熱された。
次に、図7(A)に示すように、第1の温度よりも高い第2の温度で第1積層体22が焼結されることにより、第1積層体22の第1のグリーンシート21を含んだ部分から、焼結した熱電変換層11が形成される。また、熱電変換層11が形成されるのと同時に、第1積層体22の第2のグリーンシート20を含んだ部分から、金属粒子15及び気孔14を有する焼結した密着層13が形成される。
本実施形態では、第1積層体22は、大気中で、温度が930℃で、24時間の間、焼結された。
次に、図7(B)に示すように、2つの密着層13の露出した表面が研磨される。この研磨によって、密着層13の表面の一部が除去される結果、気孔14の中には、密着層13の表面に露出するものが現れる。また、この研磨によって、密着層13の表面のうねり等が平坦化される。
次に、図8(A)に示すように、密着層13の研磨された表面に、金属粒子15を形成する金属により形成された薄膜24が蒸着される。この時、密着層13の表面に露出する気孔14内に薄膜24を形成する金属が充填されて、導電性粒子16が形成される。なお、密着層13の表面に露出する気孔14内すべてに、薄膜24を形成する金属が充填されて無くても良い。
薄膜24の蒸着方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、化学蒸着法等を用いることができる。
薄膜24は、少なくとも、密着層13の表面に露出した気孔14内を充填した上で、密着層13の全面を覆う程度に形成されることが好ましい。本実施形態では、金属粒子と同じ銀を用いて、約400nmの厚さを有する薄膜24が形成された。
次に、図8(B)に示すように、薄膜24上に、金属粒子15を形成する金属と同じ金属粉を含むペースト25を塗布して第2積層体26が形成される。ペースト25の塗布の方法としては、スクリーン印刷法等の印刷法を用いることができる。
本実施形態では、ペースト25の厚さは1〜5μmとした。
次に、図9(A)に示すように、第2積層体26が焼成されて、密着層13の表面に、薄膜24とペースト26とが一体となった電極層12が形成される。電極層12は、金属粒子15を形成する金属を含む。本実施形態では、第2積層体26は、大気中で、温度が900℃で焼成された。
そして、図9(B)に示すように、ダイシングソー等を用いて、第2積層体26が所定の大きさに切断されて、個々の熱電変換素子10が形成される。なお、第2積層体26を切断せずに、そのままで熱電変換素子10としても良い。
上述した本実施形態の熱電変換素子の製造方法によれば、上述した第1実施形態の熱電変換素子10が形成される。ここで、密着層13内の金属粒子15は、図2に示す熱電変換素子10の導電性粒子15に対応する。本実施形態は、特に、密着層13の厚さが数十μmよりも厚い熱電変換素子10を形成することに適している。
次に、上述した熱電変換素子の好ましい製造方法の第2実施形態を、図10〜図11を参照して、以下に説明する。
まず、図10(A)に示すように、熱電変換材料粉末を含むグリーンシート21aが複数形成され、これらのグリーンシート21aが積層されて、第1のグリーンシート21が形成される。
グリーンシート21aは、熱電変換材料粉末と、バインダと、有機溶剤等を含む。本実施形態では、バインダとして、PVBを用いた。なお、図10(A)では、熱電変換材料粉末、バインダ及び有機溶剤は図示されていない。
次に、図10(B)に示すように、第1のグリーンシート21が、加熱及び加圧されることにより、複数のグリーンシート21aが一体化される。本実施形態では、加熱温度を100℃とし、圧力を30MPaとした。
そして、第1の温度で第1のグリーンシート21aが加熱される。この工程は、いわゆる脱脂工程である。また、この工程によって、第1のグリーンシート21a中のバインダも熱により分解して消失する。本実施形態では、第1のグリーンシート21aは、大気中で、温度が500℃で、4時間の間、加熱された。
次いで、図10(C)に示すように、第1の温度よりも高い第2の温度で第1のグリーンシート21が焼結されることにより、第1のグリーンシート21から、焼結した熱電変換層11が形成される。本実施形態では、第1のグリーンシート21は、大気中で、温度が930℃で、24時間の間、焼結された。
次いで、図11(A)に示すように、熱電変換層11の2つの表面それぞれに、グリーンシート21に含まれるのと同じ熱電変換材料粉末(図示せず)、金属粒子15、及び樹脂粒子23を含むペースト30が塗布されて、ペースト30が塗布された熱電変換層11である積層体31が形成される。ペースト30の塗布は、例えば、スクリーン印刷法等の印刷法を用いることができる。ペースト30は、上記熱電変換材料粉末を主成分とする。
次いで、図11(B)に示すように、第3の温度で、積層体31が焼結されることにより、樹脂粒子23が熱分解されて、ペースト30中の樹脂粒子23の部分に空隙としての気孔14が形成される。また、気孔14の形成と同時に、熱電変換層11の表面に金属粒子15及び気孔14を含む焼結された密着層13が形成される。本実施形態では、積層体31は、大気中で、温度が930℃で焼結された。
なお、図11(A)に示す工程と図11(B)に示す工程との間に、図6(B)に示す脱脂工程を加えても良い。このように、第1積層体31が、脱脂工程において、樹脂粒子23が熱分解されて気孔14が形成された後、焼結されても良い。
そして、密着層13が形成された熱電変換素子11は、図7(B)〜図9(B)に示すのと同様の工程を経て、密着層13の研磨、電極層12の形成等が行われて、個々の熱電変換素子10が形成される。
上述した本実施形態の熱電変換素子の製造方法によれば、上述した第1実施形態の熱電変換素子10が形成される。本実施形態は、特に、密着層13の厚さが数十μm程度、好ましくは10〜90μm、の熱電変換素子10を形成することに適している。
次に、上述した熱電変換素子の好ましい製造方法の第3実施形態を、図12〜図15を参照して、以下に説明する。
まず、図12(A)に示すように、主成分である熱電変換材料粉末、金属粒子、及び樹脂粒子を含むグリーンシート41aが複数形成され、これらのグリーンシート41aが積層されて、第4のグリーンシート41が形成される。
グリーンシート41aは、樹脂粒子と、金属粒子と、熱電変換材料粉末と、これらを結合するバインダと、バインダを溶解する有機溶剤等を用いて形成される。なお、図12(A)では、熱電変換材料粉末、金属粒子、樹脂粒子、バインダ及び溶剤は図示されていない。
第4のグリーンシート41内の金属粒子の濃度は、20〜50体積%であることが好ましい。また、第4のグリーンシート41内の樹脂粒子の濃度は、10体積%以下であることが好ましい。
次に、図12(B)に示すように、主成分である熱電変換材料粉末、金属粒子、及び樹脂粒子を含むグリーンシート40aが複数形成され、これらのグリーンシート40aが、第4のグリーンシート41上に積層されて、第3のグリーンシート40が形成される。グリーンシート41に含まれる熱電変換材料粉末、金属粒子、及び樹脂粒子は、グリーンシート41に含まれるものと同じである。
グリーンシート40aは、上記樹脂粒子と、上記金属粒子と、上記熱電変換材料粉末と、これらを結合するバインダと、バインダを溶解する有機溶剤等を用いて形成される。なお、図12(B)では、熱電変換材料粉末、金属粒子、樹脂粒子、バインダ及び溶剤は図示されていない。
第3のグリーンシート40内の金属粒子の濃度は、10体積%以下であることが好ましい。また、第3のグリーンシート40内の樹脂粒子の濃度は、20〜50体積%であることが好ましい。
このように、第3のグリーンシート40には、樹脂粒子が、第4のグリーンシート41よりも多く含まれる。また、第4のグリーンシート41には、金属粒子が、第3のグリーンシート40よりも多く含まれる。
次に、図12(C)に示すように、第3及び第4のグリーンシート40a、41aに含まれる熱電変換材料粉末と同じ熱電変換材料粉末を含むグリーンシート21aが複数形成される。そして、これらのグリーンシート21aが、第3のグリーンシート40上に積層されて、第1のグリーンシート21が形成される。
グリーンシート21aは、上記熱電変換材料粉末と、バインダと、有機溶剤等を含む。なお、図12(C)では、熱電変換材料粉末、バインダ及び有機溶剤は図示されていない。
次に、図13(A)に示すように、別のグリーンシート40aが複数形成され、これらのグリーンシート40aが、第1のグリーンシート21上に積層されて、別の第3のグリーンシート40が形成される。
次に、図13(B)に示すように、別のグリーンシート41aが複数形成され、これらのグリーンシート41aが、第3のグリーンシート40上に積層されて、別の第4のグリーンシート41が形成される。
次に、図14(A)に示すように、積層された第4のグリーンシート41と第3のグリーンシート40と第1のグリーンシート20と第3のグリーンシート40と第4のグリーンシート41とが、加熱及び加圧されることにより第1積層体42が形成される。この加熱温度は、樹脂粒子15が熱分解する温度よりも低い温度とする。本実施形態では、加熱温度を100℃とし、圧力を30MPaとした。
加熱及び加圧された第4のグリーンシート41では、複数のグリーンシート41aが一体となる。また、加熱及び加圧された第3のグリーンシート40でも、複数のグリーンシート40aが一体となる。第4のグリーンシート41内には、複数の金属粒子15及び複数の樹脂粒子23が分散している。同様に、第3のグリーンシート40内にも、複数の金属粒子15及び複数の樹脂粒子23が分散している。
次に、図14(B)に示すように、第1の温度で第1積層体42が加熱されることにより、樹脂粒子23が熱分解して、第1積層体42中の樹脂粒子23の部分に空隙としての気孔14が形成される。この工程において、樹脂粒子23が熱により分解して消失する。この工程は、いわゆる脱脂工程である。
この工程の加熱温度は、樹脂粒子23が熱分解する温度よりも、若干高い温度(例えば、5℃〜10℃高い温度)とすることが好ましい。また、この加熱によって、第1積層体42中のバインダも熱により分解して消失する。本実施形態では、第1積層体42は、大気中で、温度が500℃で、4時間の間、加熱された。
次に、図15に示すように、第1の温度よりも高い第2の温度で第1積層体42が焼結されることにより、第1積層体42の第1のグリーンシート21を含んだ部分から、焼結した熱電変換層11が形成される。また、熱電変換層11が形成されるのと同時に、第1積層体42の第3のグリーンシート40を含んだ部分から、金属粒子15及び気孔14を有する焼結した密着層13aが形成される。同様に、熱電変換層11が形成されるのと同時に、第1積層体42の第4のグリーンシート41を含んだ部分から、金属粒子15及び気孔14を有する焼結した密着層13bが形成される。
熱電変換素子11と、密着層13aと、密着層13bとは、同じ熱電変換材料を主成分として含んでいるので、上記焼結によって、3つの層の熱電変換材料が、それぞれ、層の界面において焼結して一体となる。
本実施形態では、第1積層体42は、大気中で、温度が930℃で、24時間の間、焼結された。
そして、密着層13a、13bが形成された熱電変換素子11は、図7(B)〜図9(B)に示すのと同様の工程を経て、密着層13の研磨、電極層12の形成等が行われて、個々の熱電変換素子10が形成される。
上述した本実施形態の熱電変換素子の製造方法によれば、上述した第2実施形態の熱電変換素子10が形成される。図15における密着層13aと密着層13bとの積層体が、図3の熱電変換素子の密着層13に対応する。
次に、上述した熱電変換素子の好ましい製造方法の第4実施形態を、図16〜図20を参照して、以下に説明する。
まず、図16(A)に示すように、主成分である熱電変換材料粉末(図示せず)、及び金属粒子15を含むグリーンシート20aが複数形成される。
次に、図16(B)に示すように、それぞれのグリーンシート20aが、パンチングされて、層の厚さ方向に延びる複数の貫通する孔50が形成される。孔50は、グリーンシート20aの面方向において均一にランダムに形成されることが好ましい。また、グリーンシート20aの各孔50は、他のグリーンシート20aと積層された際に、他のグリーンシート20aにおける孔50と重ならないように、形成されることが好ましい。本実施形態では、孔50として、グリーンシート20aを貫通する円柱形状の孔が形成された。
次に、図16(C)に示すように、複数のグリーンシート20aが積層されて、第2のグリーンシート20が形成される。隣接するグリーンシート20aにおける孔50は、互いに重ならないことが好ましい。
そして、第2のグリーンシート20に含まれる熱電変換材料粉末と同じ熱電変換材料粉末を含むグリーンシート21aが複数形成され、これらのグリーンシート21aが、第2のグリーンシート20上に積層されて、第1のグリーンシート21が形成される。
次に、図17(A)に示すように、第1のグリーンシート21上に、別の第2のグリーンシートが複数積層されて、別の第2のグリーンシート20が形成される。
次に、図17(B)に示すように、積層された第2のグリーンシート20と第1のグリーンシート21と別の第2のグリーンシート20とが、加熱及び加圧されることにより第1積層体51が形成される。本実施形態では、加熱温度を100℃とし、圧力を30MPaとした。
そして、第1積層体51は、加熱されて脱脂される。この脱脂工程では、第1のグリーンシート21及び第2のグリーンシート20中に含まれているバインダが熱によって分解される。本実施形態では、第1積層体51は、大気中で、温度が500℃で、4時間の間、加熱された。
次に、図18(A)に示すように、第1積層体51が焼結されて、第1のグリーンシート21及び第2のグリーンシート20が焼結される。そして、第1積層体51の第1のグリーンシート21を含んだ部分から、焼結した熱電変換層11が形成される。また、熱電変換層11が形成されるのと同時に、第1積層体51の第2のグリーンシート20を含んだ部分から、金属粒子15及び孔50を有する焼結した密着層13が形成される。密着層13内の孔50は、図4の熱電変換素子10における空隙としての気孔17a、17bに対応する気孔17となる。
本実施形態では、第1積層体51が、大気中で、温度が930℃で、24時間の間、焼結された。
そして、2つの密着層13の露出した表面が研磨される。この研磨によって、密着層13の表面のうねり等が平坦化される。
次に、図18(B)に示すように、密着層13の研磨された表面に、金属粒子15を形成する金属により形成された薄膜24が蒸着される。この時、密着層13の表面に露出する孔50内に薄膜24の一部が充填されて、導電性粒子16が形成される。
薄膜24の蒸着方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、化学蒸着法等を用いることができる。
薄膜24は、少なくとも、密着層13の表面に露出した孔17の表面側の部分を充填した上で、密着層13の全面を覆う程度に形成されることが好ましい。本実施形態では、金属粒子と同じ銀を用いて、約400nmの厚さを有する薄膜24が形成された。
次に、図19(A)に示すように、薄膜24上に、金属粒子15を形成する金属と同じ金属粉を含むペースト25を塗布して第2積層体52が形成される。ペースト25の塗布の方法としては、スクリーン印刷法等の印刷法を用いることができる。
本実施形態では、ペースト25の厚さは1〜5μmとした。
次に、図19(B)に示すように、第2積層体52が焼成されて、密着層13の表面に、薄膜24とペースト26とが一体となった電極層12が形成される。電極層12は、金属粒子15を形成する金属を含む。本実施形態では、第2積層体52は、大気中で、温度が900℃で焼成された。
そして、図20に示すように、ダイシングソー等を用いて、第2積層体52が所定の大きさに切断されて、個々の熱電変換素子10が形成される。なお、第2積層体52を切断せずに、そのままで熱電変換素子10としても良い。
上述した本実施形態の熱電変換素子の製造方法によれば、上述した第3実施形態の熱電変換素子10が形成される。図19における熱電変換層11と隣接する孔17が、図4の気孔17aに対応し、図19における電極層12と隣接する孔17が、図4の気孔17bに対応する。
本発明では、上述した各実施形態の熱電変換素子及び製造方法は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
例えば、複数の熱電変換素子10が直列に接続されて、熱により発電する熱発電素子、又は電気により熱を移送するペルチェ素子として用いられても良い。
ここで述べられた全ての例及び条件付きの言葉は、読者が、発明者によって寄与された発明及び概念を技術を深めて理解することを助けるための教育的な目的を意図する。ここで述べられた全ての例及び条件付きの言葉は、そのような具体的に述べられた例及び条件に限定されることなく解釈されるべきである。また、明細書のそのような例示の機構は、本発明の優越性及び劣等性を示すこととは関係しない。本発明の実施形態は詳細に説明されているが、その様々な変更、置き換え又は修正が本発明の精神及び範囲を逸脱しない限り行われ得ることが理解されるべきである。
以上の上述した各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
熱電変換材料を含む熱電変換層と、
金属材料を含む電極層と、
前記熱電変換層と前記電極層との間に挟まれた密着層と、
を有し、
前記密着層は、前記熱電変換材料と、前記金属材料と、空隙と、を含むことを特徴とする熱電変換素子。
(付記2)
前記密着層中には、前記金属材料及び前記空隙が分散しており、
前記密着層中の前記金属材料が、前記熱電変換層側よりも、前記電極層側に多く偏在し、前記密着層中の前記空隙が、前記電極層側よりも、前記熱電変換層側に多く偏在することを特徴とする付記1に記載の熱電変換素子。
(付記3)
前記密着層内の前記金属材料は、層の厚さ方向に均一に分布していることを特徴とする付記1に記載の熱電変換素子。
(付記4)
前記密着層内の前記空隙は、層の厚さ方向に均一に分布していることを特徴とする付記3に記載の熱電変換素子。
(付記5)
前記熱電変換材料は酸化物であることを特徴とする付記1〜4の何れか一項に記載の熱電変換素子。
(付記6)
前記熱電変換材料はCa3CO49であり、前記金属材料はAgであることを特徴とする付記5に記載の熱電変換素子。
(付記7)
前記密着層は、前記金属材料によって形成される導電性粒子と、前記空隙としての気孔とを有し、前記熱電変換材料内に、前記導電性粒子及び前記気孔が分散していることを特徴とする付記1〜5の何れか一項に記載の熱電変換素子。
(付記8)
前記密着層内の前記金属材料の一部は、前記電極層と前記密着層との界面に分布していることを特徴とする付記1〜6の何れか一項に記載の熱電変換素子。
(付記9)
前記密着層内の前記金属材料の濃度は5〜50体積%であることを特徴とする付記1〜7の何れか一項に記載の熱電変換素子。
(付記10)
前記密着層内の前記空隙の濃度は5〜50体積%であることを特徴とする付記1〜8の何れか一項に記載の熱電変換素子。
(付記11)
前記密着層は、前記熱電変換材料を主成分とすることを特徴とする付記1〜9の何れか一項に記載の熱電変換素子。
(付記12)
前記密着層内の前記金属材料及び前記空隙は、層の面方向に均一に分布していることを特徴とする付記1〜10の何れか一項に記載の熱電変換素子。
(付記13)
一つの前記熱電変換層と、
一対の前記電極層と、
一対の前記密着層と、
を有し、
一方の前記電極層上に一方の前記密着層が配置され、
一方の前記密着層上に前記熱電変換層が配置され、
前記熱電変換層上に他方の前記密着層が配置され、
他方の前記密着層上に他方の前記電極層が配置されることを特徴とする付記1〜11の何れか一項に記載の熱電変換素子。
(付記14)
熱電変換材料粉末を含む第1のグリーンシートを形成する工程と、
前記熱電変換材料粉末、金属粒子、及び樹脂粒子を含む第2のグリーンシートを形成する工程と、
前記第1のグリーンシートと前記第2のグリーンシートとを積層し、加熱及び加圧することにより積層体を形成する工程と、
第1の温度で前記積層体を加熱することにより、前記樹脂粒子を分解させて、前記積層体中の前記樹脂粒子の部分に空隙を形成する工程と、
前記第1の温度よりも高い第2の温度で前記積層体を焼結することにより、前記積層体の前記第1のグリーンシートを含んだ部分から熱電変換層を形成すると同時に、前記積層体の前記第2のグリーンシートを含んだ部分から前記金属粒子及び前記空隙を有する密着層を形成する焼結工程と、
前記密着層の表面に、前記金属粒子を形成する金属を含む電極層を形成する工程と、
を有することを特徴とする熱電変換素子の製造方法。
(付記15)
前記第2のグリーンシートは、前記樹脂粒子と、前記金属粒子と、前記熱電変換材料粉末と、これらを結合するバインダと、前記バインダを溶解する溶剤とを用いて形成されており、
前記樹脂粒子は、前記溶剤に対して不溶性であるか、又は前記バインダよりも前記溶剤に対して溶解度が低いことを特徴とする付記12に記載の熱電変換素子の製造方法。
(付記16)
前記電極層を形成する工程は、
前記密着層の表面に、前記金属粒子を形成する金属により形成された薄膜を蒸着する工程と、
前記薄膜上に、前記金属粒子を含むペーストを塗布して第2積層体を形成する工程と、
前記第2積層体を焼成する焼成工程と、
を有することを特徴とする付記12又は13に記載の熱電変換素子の製造方法。
(付記17)
前記薄膜を蒸着する工程では、
前記密着層の表面に露出する空隙内に前記薄膜の一部を充填する工程を有することを特徴とする付記16に記載の熱電変換素子の製造方法。
(付記18)
前記第2のグリーンシートは、前記熱電変換材料粉末、前記金属粒子、及び前記樹脂粒子を含む第3のグリーンシート上に、前記熱電変換材料粉末、前記金属粒子、及び前記樹脂粒子を含む第4のグリーンシートが積層されて形成されており、
前記第3のグリーンシートには、前記樹脂粒子が、前記第4のグリーンシートよりも多く含まれており、
前記第4のグリーンシートには、前記金属粒子が、前記第3のグリーンシートよりも多く含まれていることを特徴とする付記12〜17の何れか一項に記載の熱電変換素子の製造方法。
(付記19)
熱電変換材料粉末及び有機成分を含むグリーンシートを形成する工程と、
前記グリーンシートを加熱及び加圧する工程と、
次いで、第1の温度で前記グリーンシートを加熱することにより、前記グリーンシートに含まれた前記有機成分を揮発させる工程と、
次いで、前記第1の温度よりも高い第2の温度で前記グリーンシートを焼結することにより、前記グリーンシートから熱電変換層を形成する工程と、
前記熱電変換層の表面に、前記熱電変換材料粉末、金属粒子、及び樹脂粒子を含むペーストを塗布する工程と、
第3の温度で、前記ペーストが塗布された前記熱電変換層を焼結することにより、前記樹脂粒子を分解して、前記ペースト中の前記樹脂粒子の部分に空隙を形成すると同時に、前記熱電変換層の表面に前記金属粒子及び前記空隙を含む密着層を形成する工程と、
前記密着層の表面に、前記金属粒子を形成する金属を含む電極層を形成する工程と、
を有することを特徴とする熱電変換素子の製造方法。
(付記20)
熱電変換材料粉末を含む第1のグリーンシート上に、前記熱電変換材料粉末及び金属粒子を含み且つ厚さ方向に延びる複数の孔を有する第2のグリーンシートを積層して、第1積層体を形成する工程と、
前記第1積層体を焼結し、前記第1のグリーンシート及び前記第2のグリーンシートを焼結する焼結工程と、
前記第1積層体の焼結された前記第2のグリーンシート上に、前記金属粒子を形成する金属を含む電極層を形成する工程と、
を有することを特徴とする熱電変換素子の製造方法。
10 熱電変換素子
11 熱電変換層
12 電極層
13 密着層
14 気孔(空隙)
15 導電性粒子(金属材料)
16 導電性粒子(金属材料)
17、17a、17b 気孔(空隙)
18 導電性粒子(金属材料)
20 第2のグリーンシート
20a グリーンシート
21 第1のグリーンシート
21a グリーンシート
22 第1積層体(積層体)
23 樹脂粉末の粒子
24 薄膜
25 ペースト
26 第2積層体
30 ペースト
31 積層体
40 第3のグリーンシート
40a グリーンシート
41 第4のグリーンシート
41a グリーンシート
42 第1積層体
50 孔
51 第1積層体
52 第2積層体

Claims (5)

  1. 熱電変換材料を含む熱電変換層と、
    金属材料を含む電極層と、
    前記熱電変換層と前記電極層との間に挟まれた密着層と、
    を有し、
    前記密着層は、前記熱電変換材料と、前記金属材料と、空隙と、を含み、
    前記密着層中には、前記金属材料及び前記空隙が分散しており、
    前記密着層中の前記金属材料が、前記熱電変換層側よりも、前記電極層側に多く偏在し、前記密着層中の前記空隙が、前記電極層側よりも、前記熱電変換層側に多く偏在し、
    前記密着層内の前記金属材料の濃度は5〜50体積%であることを特徴とする熱電変換素子。
  2. 前記密着層内の前記金属材料は、前記電極層と前記密着層との界面に分布していることを特徴とする請求項1に記載の熱電変換素子。
  3. 熱電変換材料粉末を含む第1のグリーンシートを形成する工程と、
    前記熱電変換材料粉末、金属粒子、及び樹脂粒子を含む第2のグリーンシートを形成する工程と、
    前記第1のグリーンシートと前記第2のグリーンシートとを積層し、加熱及び加圧することにより積層体を形成する工程と、
    第1の温度で前記積層体を加熱することにより、前記樹脂粒子を分解させて、前記積層体中の前記樹脂粒子の部分に空隙を形成する工程と、
    前記第1の温度よりも高い第2の温度で前記積層体を焼結することにより、前記積層体の前記第1のグリーンシートを含んだ部分から熱電変換層を形成すると同時に、前記積層体の前記第2のグリーンシートを含んだ部分から前記金属粒子及び前記空隙を有する密着層を形成する焼結工程と、
    前記密着層の表面に、前記金属粒子を形成する金属を含む電極層を形成する工程と、
    を有することを特徴とする熱電変換素子の製造方法。
  4. 前記第2のグリーンシートは、前記熱電変換材料粉末、前記金属粒子、及び前記樹脂粒子を含む第3のグリーンシート上に、前記熱電変換材料粉末、前記金属粒子、及び前記樹脂粒子を含む第4のグリーンシートが積層されて形成されており、
    前記第3のグリーンシートには、前記樹脂粒子が、前記第4のグリーンシートよりも多く含まれており、
    前記第4のグリーンシートには、前記金属粒子が、前記第3のグリーンシートよりも多く含まれていることを特徴とする請求項に記載の熱電変換素子の製造方法。
  5. 熱電変換材料粉末及び有機成分を含むグリーンシートを形成する工程と、
    前記グリーンシートを加熱及び加圧する工程と、
    次いで、第1の温度で前記グリーンシートを加熱することにより、前記グリーンシートに含まれた前記有機成分を揮発させる工程と、
    次いで、前記第1の温度よりも高い第2の温度で前記グリーンシートを焼結することにより、前記グリーンシートから熱電変換層を形成する工程と、
    前記熱電変換層の表面に、前記熱電変換材料粉末、金属粒子、及び樹脂粒子を含むペーストを塗布する工程と、
    第3の温度で、前記ペーストが塗布された前記熱電変換層を焼結することにより、前記樹脂粒子を分解して、前記ペースト中の前記樹脂粒子の部分に空隙を形成すると同時に、前記熱電変換層の表面に前記金属粒子及び前記空隙を含む密着層を形成する工程と、
    前記密着層の表面に、前記金属粒子を形成する金属を含む電極層を形成する工程と、
    を有することを特徴とする熱電変換素子の製造方法。
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