JP5200883B2 - 熱発電デバイス - Google Patents

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Description

本発明は熱エネルギーから電気エネルギーへの変換を行う熱発電デバイスに関する。
熱発電は、物質の両端に印加された温度差に比例して起電力が生じるゼーベック効果を利用し、熱エネルギーを直接電気エネルギーに変換する技術である。この技術は、僻地用電源、宇宙用電源、軍事用電源等で実用化されている。
従来の熱発電デバイスは、キャリアの符号が異なるp型半導体とn型半導体を組み合わせ、熱的に並列に、かつ電気的に直列につないだ、いわゆるπ型構造と呼ばれる構成となっている。
熱電変換デバイスに用いられる熱電変換材料の性能は、性能指数Zまたは絶対温度をかけて無次元化された性能指数ZTで評価される事が多い。ZTは、物質のS=ゼーベック係数、ρ=電気抵抗率、κ=熱伝導率、を用いて、ZT=ST/ρκで記述される量である。また一方で、ゼーベック係数Sと電気抵抗率ρだけを考慮したS/ρはパワーファクターと呼ばれ、温度差を一定とした場合の熱電材料の発電性能の良否を決定する基準となる。
現在、熱電変換材料として実用化されているBiTe系材料は、ZTが1程度、パワーファクターが40〜50μW/cmKであり、現状では比較的高い特性を持つ。しかし、それでも通常のπ型のデバイス構成にした場合には発電性能はあまり高くなく、より多くの用途においては実用化されていない。
一方、π型以外のデバイス構成として、自然に、又は、人工的に作られた積層構造における熱電気特性の異方性を利用したものが古くから提案されている(非特許文献1を参照)。
しかし、非特許文献1によれば、このようなデバイスではZTの改善が見られないことから、熱発電用途ではなく主に赤外線センサなど測定用途への応用が想定された開発が行われている。
そういった中、本発明者らは金属と熱電材料であるBiからなる異種材料の積層構造における熱電気特性の異方性を利用したデバイスにおいて、パワーファクターが、Bi単独、あるいは優れた熱電材料とされるBiTeのパワーファクターを大きく上回ることを見いだした。具体的には、積層体における各材料の厚さの比と積層方向の傾斜角度を適切に選択することによって、本発明者らのデバイスのパワーファクターが、Bi等の熱電材料のパワーファクターを大きく上回ることを見出した。本発明者らは、これを利用した熱発電デバイスを発明した(特許文献1)。
特許第4078392号公報 THERMOELECTRICS HANDBOOK,Chapter 45,CRC Press(2006)
前述の通り、従来のπ型構造をとる熱発電デバイスでは、多くの用途において充分なだけの発電性能を得ることができない。
本発明は異種材料の積層構造における熱電気特性の異方性を利用した、高い発電特性を有する新しい熱発電デバイスを提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の熱発電デバイスは、互いに対向して配置された第1電極および第2電極と、前記第1および第2電極に挟まれ、前記第1および第2電極の双方に電気的に接続され、かつ、前記第1および第2電極が対向する方向に対して直交する積層方向に対して、金属と電気絶縁体とを有する第1金属層、Bi層、金属と電気絶縁体とを有する第2金属層の順に積層された層で構成される積層体と、を備え、前記第1および第2金属層における前記電気絶縁体は、それぞれ、前記金属が前記Bi層と接する面と対向する面に接し、前記金属との接続面の角度が、前記第1および第2電極が対向する方向に対して角度θ傾斜する状態で、前記第1および第2電極が対向する方向に対して周期的、又は、周期的に近い配置がされ、かつ、互いに半周期、又は、半周期近くずれて配置され、前記第1金属層における前記電気絶縁体の前記積層方向の長さは、前記第1金属層の長さ以上、かつ、前記第1金属層、前記Bi層および前記第2金属層の合計の長さ未満であり、前記第2金属層における前記電気絶縁体の前記積層方向の長さは、前記第2金属層の長さ以上、かつ、前記第1金属層、前記Bi層および前記第2金属層の合計の長さ未満であるように構成される。
本発明の熱発電デバイスによれば、第1および第2金属層を構成する金属と電気絶縁体の接続面と第1および第2電極の対向方向とがなす傾斜角度θ、第1および第2金属層における電気絶縁体を配置する周期と第1および第2金属層の厚みの比、前記電気絶縁体を配置する周期とBi層の厚みの比、を適切に選択することで構成材料単独の性能を大きく超える高い発電特性が得られる。これにより従来の性能を超える熱発電が可能となり、実用的な熱発電デバイスが実現する。すなわち熱と電気とのエネルギー変換の応用を促進させるものであり、本発明の工業的価値は高い。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1から図3は、本発明の実施の形態1における熱発電デバイスの構成を示した図である。なお、図1は、熱発電デバイスの斜視図であり、図2は、熱発電デバイスの正面図であり、図3は、熱発電デバイスの平面図である。
図1に示すように、対向するように配置された第1電極11と第2電極12によって積層体を挟むように熱発電デバイスが構成されている。積層体は第1金属層13、Bi層15,第2金属層14の順に電気的に接続されており、積層体の積層方向Zは電極の対向方向Xに対して直交している。第1金属層13、第2金属層14はそれぞれ金属16と電気絶縁体17とが周期的に接続されており、Bi層15はBiと電気絶縁体17が一部接続されている。
図2の正面図に示したように各々の接続面の方向21は電極の対向方向Xに対して角度θだけ傾斜している。また電気絶縁体17の配置は、図3の平面図に示したように、同一の距離周期(図2のx)を設けて配置されている。それとともに、第1金属層における電気絶縁体17間の距離周期と、第2金属層における電気絶縁体17間の距離周期とは、互いに半周期ずれた構造である。
積層体の積層方向(図1のZ)における電気絶縁体17の深さは金属層の厚さ以上であれば良く、図3のように片側の金属層とBi層の厚さを合わせた長さに等しいことが好ましい。また、図4のように電気絶縁体がBi層の一部だけに入り込む形になっていても良い。さらに、図5のように積層構造体全体が電気絶縁体によって完全に分断されない限りにおいて、電気絶縁体が他方の面の金属に一部到達していても良い。
このように構成された熱発電デバイスを駆動する際に温度差を印加する方向、すなわち温度勾配が生じる方向Yは、図1に示すように電極の対向方向Xに対して直交している。そして、発生した電力は第1電極11と第2電極12を介して取り出される。具体的には図6に示したように、熱発電デバイス61の電極を配置しない一方の面に高温部62を、他方の面に低温部63を密着させて熱発電デバイスに対して温度差を印加する。この構成において、温度勾配が生じる方向Yは図6に示したように電極の対向方向に対して垂直となる。
π型構造を有する従来の熱発電デバイスでは、温度差を印加する方向に対して平行方向だけに起電力が生じ、垂直方向に起電力が生じることは無い。詳細は後述する実施例で述べるが、本発明者等は様々な条件を検討し最適化することにより、所定条件と、熱発電性能との関係を詳細に検討していく過程で、予想外に大きな熱発電性能が得られることを見出した。より具体的には、金属16と電気絶縁体17の接続面の方向21と電極の対向方向Xとがなす角度と熱発電性能の関係について検討した。また、第1および第2金属層において電気絶縁体17を配置する周期と金属層の厚みの比と熱発電性能の関係について検討した。また、前記周期とBi層15の厚みの比、と熱発電性能の関係について検討した。
本発明の熱発電デバイスにおける第1電極11および第2電極12は電気伝導の良い材料であれば特に限定されない。具体的にはCu、Ag、Mo、W、Al、Ti、Cr、Au、Pt、In等の金属またはTiN、スズ添加酸化インジウム(ITO)、SnO等の窒化物または酸化物が良い。また、はんだや導電性ペーストを用いることもできる。
第1金属層13および第2金属層14を構成する金属16は熱伝導率が高く、かつ電気抵抗率が小さいものが良い。具体的にはCu、Ag、Au、Alあるいはこれらの材料からなる合金であるが、この中でもCu、Ag、Auが好ましく、CuとAgが特に好ましい。
電気絶縁体17は電気的な絶縁体であれば特に限定されない。具体的にはSiO、Al2O、ZrO、Taなどの酸化物、Siなどの窒化物、エポキシなどの樹脂などが良い。また電気絶縁体17は空気、窒素などの気体または真空であっても良い。
本発明の熱発電デバイスの作製方法の一例について図7を参照しながら説明する。
第1金属層13、第2金属層14、およびBi層15からなる3層の積層体は、例えばBiの長方形状の板を2枚の長方形状の金属板で挟んで加熱および圧着を行って作製することができる(図7のS1)。
次に、3層の積層構造体に刃物などによって溝加工を施す(図7のS2)。この際、溝の長手方向が積層構造体の長辺に対して予め傾斜するように加工を行っても良い。また、任意の方向に溝加工を行い、後に切削加工によって積層構造体を切り出し、外形線と溝のなす傾斜角度を調整しても良い。溝加工は積層構造体両面からそれぞれ行うが、この際両面における溝の位置の周期は同一周期とし、かつ溝の位置は、両面間で互いに半周期ずれるように配置する。溝の深さは各々の溝によって金属16を完全に分断されるように、金属16の厚さ以上であることが必要である。
次に、溝部に電気絶縁体の粉体を含むペーストを充填した後に、熱処理などにより固化させたり、液状の樹脂を充填した後に乾燥させることによって溝部に電気絶縁体17を形成することができる(図7のS3)。
次に、積層体のX方向に対向する両側面に第1電極11および第2電極12を作製することによって、本発明の熱発電デバイスを作製することができる(図7のS4)。
第1電極11および第2電極12の作製方法は、蒸着法、スパッタ法などの気相成長の他に、導電性ペーストの塗布、めっき、溶射、はんだによる接合など様々な方法を用いることができる。
本デバイスを構成する積層体における電気絶縁体17が配置される周期xと第1金属層13および第2金属層14の厚みの比(周期x:金属層)は、20:1から1:1の範囲にあることが好ましく、10:1から2.5:1の範囲にあることがより好ましい。また電気絶縁体17が配置される周期xとBi層15の厚みの比(周期x:層)は、100:1から5:1の範囲にあることが好ましく、50:1から10:1の範囲にあることがより好ましい。この理由は、後述する実施例2からも理解されるように、この範囲外であると、パワーファクター(S/ρ)の値が十分大きくならないからである。
また、電気絶縁体17の接続面の方向21と電極の対向方向18とがなす角度θは、20°から60°の範囲にあるように作製することが好ましく、20°から50°であることがより好ましい。この理由は、後述する実施例1からも理解されるように、20°未満または60°を超えると、パワーファクター(S/ρ)の値が十分大きくならないからである。
本発明の熱発電デバイスの作製方法は、本デバイス構造を実現する手法であれば特に上記方法に限定されるものではない。例えば長方形状の熱電材料の板の両面に、平行四辺形状の金属板を一定の間隔を保ちながら周期的に接着することによって図7のS2に示したような積層体を作製し、さらに後工程を加えることによって本発明の熱発電デバイスを作製することも可能である。
(実施の形態2)
図8は本発明の実施の形態2における熱発電デバイスの構成を示した図である。
図8で示したのは、実施の形態1と同様の手順で作製される板状の積層体を、接続電極81を介して電気的に接続して平板状に構成したものである。このように構成される熱発電デバイスを用いて適用面積を大きくすることにより、全体としてより多くの発電量を得ることができる。
本デバイスにおける接続電極81は電気伝導の良い材料であれば特に限定されない。具体的にはCu、Ag、Mo、W、Al、Ti、Cr、Au、Pt、In等の金属またはTiN、スズ添加酸化インジウム(ITO)、SnO等の窒化物や酸化物が良い。また、はんだや導電性ペーストを用いることも可能である。作製方法は、蒸着法、スパッタ法などの気相成長の他にめっき、溶射など様々な方法を用いることができる。
このようにして作製される熱発電デバイスを駆動する際は、平板状のデバイスの一方の面に高温部、他方の面に低温部を密着して熱流を生じさせることによって温度差を印加する。熱流から本デバイスによって変換された電力は取り出し電極82を介して外部に取り出すことができる。
本実施の形態における熱発電デバイスを構成するにあたり、積層体は接続電極を介して電気的に直列に接続する他に、電気的に並列に接続しても良い。積層体を直列に接続すると電力を取り出す際の電圧が大きくなる。積層体を並列に接続すると、熱発電デバイス全体の内部抵抗を小さくすることの他に、電気的な接続が一部断線してもデバイス全体としての電気的な接続を保つことにも利点がある。すなわち、これら直列および並列接続を適切に組み合わせることによって、高い発電能力を有する熱発電デバイスを構成できる。
(実施例)
以下、本発明のより具体的な実施例を説明する。
(実施例1)
熱電材料と、幾つかの金属材料を用いて本発明の熱発電デバイスを作製した。熱電材料としてBiを用いた。また金属としてAu、Ag、Cu、Alを用いた。第1電極11および第2電極12にはAuを用いた。熱電材料と金属の積層体は、図3に示すような200mm×5mm×0.4mmの熱電材料からなる板材の両面に、200mm×5mm×2mmの金属板を熱圧着して得た。次に金属/熱電材料/金属の積層体の金属部分に両側から幅0.5mm、深さ2.4mm、かつ積層体の長辺に対する傾斜角度θが30°であるような溝加工をエンドミルによって行った。図1のxに対応する溝間の距離は10mmとし、溝は周期的に配置した。また、溝の位置は互いの面において半周期ずれるように配置した。
その後スパッタ法により長辺の両端にAuからなる電極を形成し、図1に示したような構造のデバイスを作製した。
作製した試料に対して発電性能の評価を行った。図6に示すように平板デバイスの片側をヒータで40℃に加熱し、もう片側を水冷で30℃に冷却して端子間の起電圧と電気抵抗を測定した。金属板に銅を用いて溝を30°傾斜させたデバイスの場合、起電圧8.7mVで抵抗は0.4mΩであった。これよりパワーファクターは106μW/cmKと見積もられた。同様の手順で、各金属材料を用いた傾斜角度の異なるデバイスの性能を測定したところ、表1の結果となった。
Figure 0005200883
以上の結果から、Alを除く各金属材料に関して傾斜角度が20°〜60°の時に、現在実用化されているBiTeを用いたπ型素子が有する約40μW/cmK以上の優れたデバイス特性が得られることが判った。特に金属材料として、AgあるいはCuを用いた場合、他の金属に比べて性能が高いことが確認された。Alにおいても傾斜角度が20°〜50°の時にBiTeと同等以上の性能が得られた。
(実施例2)
実施例1と同様の手法で、金属材料にCuとAgを用いて金属の厚みの異なる積層デバイスを構成した。熱電材料としてBiを用いた。溝の傾斜角度は30°、溝の間の距離10mmを周期とした。また、熱電材料の厚みは0.4mmに固定し、金属板の厚みを0.2mm、0.5mm、1mm、2mm、4mm、6mm、10mm、15mmと変化させて熱電材料との積層構造を作製した。デバイス外形は長さ200mm、幅5mmとした。金属に銅を用いた熱発電デバイスのパワーファクターの測定結果は表2のようになった。溝の周期とCuの厚みの比により性能が左右され、5:1付近で最も良い性能であることが確認された。またこの傾向は金属材料にAgを用いた場合についても同じ傾向であった。
Figure 0005200883
(実施例3)
実施例1と同様の手法で、金属材料にCuとAgを用いて熱電材料の厚みの異なる積層デバイスを構成した。熱電材料としてBiを用いた。溝の傾斜角度は30°、溝の周期は10mm、金属材料の厚みは2mmに固定し、熱電材料板の厚みを0.04mm、0.1mm、0.2mm、0.4mm、0.8mm、1mm、2mm、3mmと変化させて金属との積層構造を作製した。デバイス外形は長さ200mm、高さ5mmとした。金属に銅を用いた熱発電デバイスのパワーファクターの測定結果は表3のようになった。溝の周期と熱電材料の厚みの比により性能が左右され、25:1付近で最も良い性能であることが確認された。またこの傾向は金属材料にAgを用いた場合についても同じ傾向であった。
Figure 0005200883
(実施例4)
実装面積をより広くし、さらに多くの発電量を得るために、金属材料、接続電極81、取り出し電極82としてCuを用いた、図8に示したような熱発電デバイスを作製した。
Cuと熱電材料のBiからなる積層体は実施例1と同様の手順で作製した。まず200mm×5mm×0.4mmのBiからなる板材の両面に、200mm×5mm×2mmのCu板を熱圧着して得た。次に金属/熱電材料/金属の積層体の金属部分に両側から幅0.5mm、深さ2.4mm、かつ積層体の長辺に対する傾斜角度θが30°であるような溝加工をエンドミルによって行った。図1のxに対応する溝の周期は10mmとし、溝の位置は互いの面において半周期ずれるように配置した。
上記の工程で同様の積層体を計15個作製した。また、接続電極81および取り出し電極82のCuは厚さ0.5mmの板を使用した。
作製した15個の積層体を1mm間隔で配列し、接続電極81および取り出し電極82を50μm厚のIn箔を用い加熱および加圧することによって電気的接続を行った。この際、熱流による起電力が相殺されないよう、図8に示したように隣り合う積層体の傾斜構造は互いに逆向きになるように配置した。そして、隣り合う積層体の間の隙間と積層体の溝部を樹脂で充填することで、約200mm×80mm×5mmの平板状の熱発電デバイスを作製した。取り出し電極82間の抵抗値を測定したところ、7mΩであった。
以上の手順で作製した本実施例の熱発電デバイスの発電特性を評価した。本デバイスの200mm×80mmの片面を、アルミナ板を介して水冷することで低温部とした。本デバイスの他方の面に高温部となるセラミックヒーターを密着させた。このような構成で低温部を25℃、高温部を40℃に保持したところ、開放端起電力は0.2Vとなり、パワーファクターを見積もると96μW/cmKという高い値が得られた。この結果、本デバイスから最大1.4Wの電力を取り出すことができた。
以上より、本発明にかかる熱発電デバイスは、優れた発電特性を有しており、自動車や工場から排出される排ガスなどの熱を用いた発電機として利用可能である。
また、小型の携帯発電機などの用途にも応用できる。
本発明は、本発明は熱エネルギーから電気エネルギーへの変換を行う熱発電デバイスに利用可能である。
本発明の実施の形態1における熱発電デバイスの構成を示した図 本発明の実施の形態1における熱発電デバイスの正面図 本発明の実施の形態1における熱発電デバイスの平面図 本発明の実施の形態1における熱発電デバイスの平面図 本発明の実施の形態1における熱発電デバイスの平面図 本発明の実施の形態1における熱発電デバイスを駆動する際の構成を示した図 本発明の実施の形態1における熱発電デバイスの製造工程を示した図 本発明の実施の形態2における熱発電デバイスの構成を示した図
符号の説明
11 第1電極
12 第2電極
13 第1金属層
14 第2金属層
15 Bi層
16 金属
17 電気絶縁体
21 接続面の方向
61 熱発電デバイス
62 高温部
63 低温部
64 温度勾配が生じる方向
81 接続電極
82 取り出し電極

Claims (24)

  1. 熱発電デバイスに温度差を発生させて前記デバイスから電力を得る、熱発電デバイスを用いた発電方法であって、
    前記デバイスは、
    互いに対向して配置された第1電極および第2電極と、
    前記第1および第2電極に挟まれ、前記第1および第2電極の双方に電気的に接続され、かつ、前記第1および第2電極が対向する方向に対して直交する積層方向に、金属と電気絶縁体とを有する第1金属層、Bi層、金属と電気絶縁体とを有する第2金属層の順に積層された層で構成される積層体と、を備え、
    前記第1および第2金属層における前記電気絶縁体は、それぞれ、前記金属が前記Bi層と接する面と対向する面に接し、前記金属との接続面の角度が、前記第1および第2電極が対向する方向に対して角度θ傾斜する状態で、前記第1および第2電極が対向する方向に対して周期的、又は、周期的に近い配置がされ、かつ、互いに半周期、又は、半周期近くずれて配置され、
    前記第1金属層における前記電気絶縁体の前記積層方向の長さは、前記第1金属層の長さ以上、かつ、前記第1金属層、前記Bi層および前記第2金属層の合計の長さ未満であり、
    前記第2金属層における前記電気絶縁体の前記積層方向の長さは、前記第2金属層の長さ以上、かつ、前記第1金属層、前記Bi層および前記第2金属層の合計の長さ未満であり、
    前記第1および第2電極が対向する方向と前記積層方向とに対して直交する方向に温度差を印加することによって、前記第1および前記第2電極を介して電力を取り出す、発電方法。
  2. 前記金属と前記電気絶縁体とがなす接続面が、前記第1および第2電極が対向する方向に対してなす角度θが20°以上60°以下である、
    請求項1に記載の熱発電デバイスを用いた発電方法。
  3. 前記角度θが20°以上50°以下である、
    請求項1に記載の熱発電デバイスを用いた発電方法。
  4. 前記金属が、Al、Cu、Ag、またはAuを含む、
    請求項1に記載の熱発電デバイスを用いた発電方法。
  5. 前記金属が、Cu、Ag、またはAuを含む、
    請求項1に記載の熱発電デバイスを用いた発電方法。
  6. 前記金属が、CuまたはAgを含む、
    請求項1に記載の熱発電デバイスを用いた発電方法。
  7. 前記第1および第2金属層において前記電気絶縁体が設けられる周期と前記第1金属層および前記第2金属層の厚みとの比が20:1から1:1までの範囲内にあり、
    第1および第2金属層において前記電気絶縁体が設けられる周期と前記Bi層の厚みとの比が100:1から5:1までの範囲内にある、
    請求項1に記載の熱発電デバイスを用いた発電方法。
  8. 前記第1および第2金属層において前記電気絶縁体が設けられる周期と前記第1金属層および前記第2金属層の厚みとの比が10:1から2.5:1までの範囲内にあり、
    前記第1および第2金属層において前記電気絶縁体が設けられる周期と前記Bi層の厚みとの比が50:1から10:1までの範囲内にある、
    請求項1に記載の熱発電デバイスを用いた発電方法。
  9. 前記デバイスのパワーファクターが70(μW/(cm・K))以上である請求項1に記載の熱発電デバイスを用いた発電方法。
  10. 前記第1および第2金属層における前記金属が、Al、Cu、AgまたはAuを含み、
    前記第1および第2金属層において前記電気絶縁体が設けられる周期と前記第1金属層および前記第2金属層の厚みとの比が20:1から1:1までの範囲内にあり
    前記第1および第2金属層において前記電気絶縁体が設けられる周期と前記Bi層の厚みとの比が100:1から5:1までの範囲内にある、
    請求項2に記載の熱発電デバイスを用いた発電方法。
  11. 前記第1および第2金属層における前記金属が、CuまたはAgを含み、
    前記第1および第2金属層において前記電気絶縁体が設けられる周期と前記第1金属層および前記第2金属層の厚みとの比が10:1から2.5:1までの範囲内にあり、
    前記第1および第2金属層において前記電気絶縁体が設けられる周期と前記Bi層の厚みとの比が50:1から10:1までの範囲内にある、
    請求項3に記載の熱発電デバイスを用いた発電方法。
  12. 前記デバイスのパワーファクターが70(μW/(cm・K))以上である請求項11に記載の熱発電デバイスを用いた発電方法。
  13. いに対向して配置された第1電極および第2電極と、
    前記第1および第2電極に挟まれ、前記第1および第2電極の双方に電気的に接続され、かつ、前記第1および第2電極が対向する方向に対して直交する積層方向に対して、金属と電気絶縁体とを有する第1金属層、Bi層、金属と電気絶縁体とを有する第2金属層の順に積層された層で構成される積層体と、を備え、
    前記第1および第2金属層における前記電気絶縁体は、それぞれ、前記金属が前記Bi層と接する面と対向する面に接し、前記金属との接続面の角度が、前記第1および第2電極が対向する方向に対して角度θ傾斜する状態で、前記第1および第2電極が対向する方向に対して周期的、又は、周期的に近い配置がされ、かつ、互いに半周期、又は、半周期近くずれて配置され、
    前記第1金属層における前記電気絶縁体の前記積層方向の長さは、前記第1金属層の長さ以上、かつ、前記第1金属層、前記Bi層および前記第2金属層の合計の長さ未満であり、
    前記第2金属層における前記電気絶縁体の前記積層方向の長さは、前記第2金属層の長さ以上、かつ、前記第1金属層、前記Bi層および前記第2金属層の合計の長さ未満である、熱発電デバイス。
  14. 前記金属と前記電気絶縁体とがなす接続面が、前記第1および第2電極が対向する方向に対してなす角度θが20°以上60°以下である、
    請求項13に記載の熱発電デバイス。
  15. 前記角度θが20°以上50°以下である、
    請求項13に記載の熱発電デバイス。
  16. 前記金属が、Al、Cu、Ag、またはAuを含む、
    請求項13に記載の熱発電デバイス。
  17. 前記金属が、Cu、Ag、またはAuを含む、
    請求項13に記載の熱発電デバイス。
  18. 前記金属が、CuまたはAgを含む、
    請求項13に記載の熱発電デバイス。
  19. 前記第1および第2金属層において前記電気絶縁体が設けられる周期:前記第1金属層および前記第2金属層の厚みの比が20:1から1:1までの範囲内にあり、
    かつ前記第1および第2金属層において前記電気絶縁体が設けられる周期:前記Bi層の厚みの比が100:1から5:1までの範囲内にある、
    請求項13に記載の熱発電デバイス。
  20. 前記第1および第2金属層において前記電気絶縁体が設けられる周期:前記第1金属層および前記第2金属層の厚みの比が10:1から2.5:1までの範囲内にあり、
    かつ前記第1および第2金属層において前記電気絶縁体が設けられる周期:前記Bi層の厚みの比が50:1から10:1までの範囲内にある、
    請求項13に記載の熱発電デバイス。
  21. 前記デバイスのパワーファクターが70(μW/(cm・K))以上である請求項13に記載の熱発電デバイス。
  22. 前記第1および第2金属層における前記金属が、Al、Cu、AgまたはAuを含み、
    前記第1および第2金属層において前記電気絶縁体が設けられる周期:前記第1金属層および前記第2金属層の厚みの比が20:1から1:1までの範囲内にあり、
    かつ前記第1および第2金属層において前記電気絶縁体が設けられる周期:前記Bi層の厚みの比が100:1から5:1までの範囲内にある、
    請求項14に記載の熱発電デバイス。
  23. 前記第1および第2金属層における前記金属が、CuまたはAgを含み、
    前記第1および第2金属層において前記電気絶縁体が設けられる周期:前記第1金属層および前記第2金属層の厚みの比が10:1から2.5:1までの範囲内にあり、
    かつ前記第1および第2金属層において前記電気絶縁体が設けられる周期:前記Bi層の厚みの比が50:1から10:1までの範囲内にある、
    請求項15に記載の熱発電デバイス。
  24. 前記デバイスのパワーファクターが70(μW/(cm・K))以上である請求項23に記載の熱発電デバイス。
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