JP5481948B2 - ハードディスク装置 - Google Patents

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本発明は、記憶媒体として用いられるハードディスクを複数搭載したハードディスク装置に関し、特に振動吸収性を損なうこと無く、優れた組み立て性を有したハードディスク装置に関するものである。
ハードディスクは振動により性能劣化が発生するため、振動を抑えることが重要である。一方、複数のハードディスクを搭載したハードディスク装置においては、信頼性或いはメンテナンス性の観点より、ハードディスクを容易に着脱可能とする構成が必要とされる。そのため、装置本体を構成する筐体とハードディスクとの間には隙間が存在し、ハードディスクは筐体に対して確実に固定された状態とはなっておらず、十分にハードディスクの振動が抑えられているとは言い難かった。
これに対し、ハードディスクの振動を抑えるための技術は様々存在し、例えば下記特許文献1に示すように振動エネルギーを熱エネルギーに変換可能な振動吸収材を用いた技術が知られている。
特開2004−128396号公報
しかしながら、上記特許文献1においては、筐体内に収容されたハードディスクは、筐体の外側から補助具を介して螺子止めされている。そのため、ハードディスクを筐体内に組み込む際、或いは筐体内から取り外す際に手間がかかるという問題があった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、振動吸収性が損なわれることなく、優れた組み立て性を備えたハードディスク装置を提供することを目的の一つとしている。
本発明のハードディスク装置は、上記課題を解決するために、複数のハードディスクと、前記複数のハードディスクの各々を保持する複数の保持部と、前記保持部に保持された前記複数のハードディスクが着脱可能に収容される本体部と、を備え、前記保持部と前記ハードディスクとの間には、前記保持部側から順に振動吸収部材と前記保持部よりも剛性の高い剛性部材とが設けられ、前記保持部は、前記ハードディスクを挟持するアーム部を有し、前記アーム部と前記ハードディスクとの間に前記振動吸収部材及び前記剛性部材が設けられ、前記ハードディスクは、前記アーム部と対向する面が凹凸形状を有しており、前記振動吸収部材及び前記剛性部材は、ねじにより前記アーム部とともに前記ハードディスクの前記凹凸形状の凸部に固定されていることを特徴とする。
本発明によれば、保持部が振動により変位した際、振動吸収部材の保持部側の面が変形し、剛性部材側の面が静止した状態となる。このとき、振動吸収部材には圧縮と引張りの力が作用することで振動エネルギーが良好に吸収される。また、保持部を介してハードディスクを本体部から容易に着脱可能となるため、優れた組み立て性を得ることができる。したがって、振動吸収性を損なわれることなく、組み立て性に優れたハードディスク装置を提供できる。また、ハードディスクと振動吸収部材との間に剛性部材が配置されるので、ハードディスクの取付面の形状に影響されることなく、良好な振動吸収特性を得ることができる。
ハードディスク装置の一部を分解した斜視構成図。 ディスクユニットを装置本体内に実装した状態における要部の断面構成図。 拘束板が存在しない場合の振動吸収概念モデル図。 本実施形態に係る構成における振動吸収概念モデル図。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は本実施形態に係るハードディスク装置の一部を分解した斜視構成図である。
図1に示すように、ハードディスク装置200は、記憶媒体である複数のディスクユニット100と、複数のディスクユニット100を着脱可能に収容する装置本体(本体部)210とを備えている。ここで、ディスクユニット100とは、ハードディスク120と該ハードディスク120を保持するキャリア(保持部材)101とを含むものである。
ハードディスク120はキャリア101にねじ112によって固定されている。また、キャリア101の側面には、ハードディスク120を挟持するキャリアアーム(アーム部)104が一体に成形されている。このようにハードディスク120は、キャリア101によって両側面が確実に保持されたものとなっている。
キャリア101のキャリアアーム104とハードディスク120との間には、振動吸収体(振動吸収部材)110と、後述するように振動吸収体110の振動吸収効果を高めるための拘束板(剛性部材)111が設けられている。振動吸収体110と拘束板111は、ねじ112によりハードディスク120と共に固定される構造となっている。
本実施形態においては、振動吸収体110の振動吸収効果を高めるため、キャリアアーム104の材料として剛性の低いプラスチック材料を使用し、拘束板111としては剛性の高い金属材料を使用している。
装置本体210には、ディスクユニット100を着脱する際にガイドの役割をする溝202が設けられている。ディスクユニット100は、キャリアアーム104が溝202に沿って装置本体210内に挿入されることで、最終的にハードディスク120の不図示のコネクタが装置本体210に設けられた基板211のコネクタ212と接続される構造となっている。このように本実施形態においては、ディスクユニット100は、装置本体210の前方側から挿入可能とされており、且つ引き出すことができるようになっている。
また、キャリア101にはイジェクタ102が設けられており、このイジェクタ102を回転させることで、ディスクユニット100における挿入動作或いは抜去動作を補助できるようにしている。また、イジェクタ102は、ディスクユニット100が装置本体210に実装された状態ではキャリア101に設けられたストッパ103によりロックされる構造となっている。また、ディスクユニット100が装置本体210に実装された状態においては振動等によりイジェクタ102が回転動作しないようになっている。
また、キャリア101の側面には突起105が設けられている。具体的に、突起105はキャリア101が溝202内に挿入された状態において、溝202の内壁面に接触するようにキャリア101の両側面に設けられている。
図2はディスクユニット100を装置本体210内に実装した状態における要部の断面構成を示す図である。
図2に示されるように、装置本体210に実装されたディスクユニット100は、装置本体210に設けられた溝202とキャリア101に設けられた突起105とが当接している。すなわち、ディスクユニット100は、コネクタ212とキャリア101の両側面に設けられた突起105との合計3点で支持されるようになっている。
また、キャリアアーム104と溝202(装置本体210)の内壁面との間には、突起105の高さ分の隙間131が存在している。これにより、ハードディスク120から伝播された振動エネルギーによってキャリアアーム104が振動したとしても、キャリアアーム104が装置本体210に接触することが無く、自由振動するようになっている。
これにより装置本体の外部からの振動がディスクユニット100に与える影響を抑えることが可能となっている。
また、本実施形態に係るハードディスク120は、図2中、符号132で示されるようにねじ112の取付部が他の部分に比べて突出した状態、すなわち凹凸形状を有している。このような取付面を有するハードディスク120を用いる場合、拘束板111が存在しないと、振動吸収体110がハードディスク120に密着しないため、振動吸収効果を得ることができない。これに対し、本実施形態によれば、振動吸収体110とハードディスク120との間に剛性を有する拘束板111が存在するので、ハードディスク120の表面形状(凹凸形状の有無)によらず、振動吸収体110による振動吸収効果を確実に得られるようになっている。
続いて、本発明の効果について説明する。
まず、振動吸収構造の概念をモデル図により説明する。
図3は拘束板111が存在しない場合の振動吸収概念モデル図である。図3に示されるように、振動によりキャリアアーム104が変形すると振動吸収体110も同様に変形する。このとき、拘束板111が設けられていないと、振動吸収体110に生じる圧縮や引っ張りなどの力が小さく、振動吸収体110による振動エネルギーを熱エネルギーなどの他のエネルギーに変換する効果をほとんど得ることができない。
したがって、振動吸収体110が振動エネルギーを吸収するためには、振動吸収体110の片側においてキャリアアーム104などの振動による変形を生じさせ、反対面は振動吸収体110を保持することが重要である。
図4(a)はキャリアアーム104に振動吸収体110が設けられ、さらに拘束板111が設けられた本実施形態に係る構成における振動吸収概念モデル図を示すものであり、図4(b)は振動吸収体110が振動吸収する概念を示したモデル図である。
キャリアアーム104には、装置本体210と反対面に振動吸収体110が設けられ、さらに、この振動吸収体110を補助する拘束板111が設けられている。これにより、ハードディスク120からねじ112を経由してキャリアアーム104へ振動エネルギーが伝播され、キャリアアーム104が振動により変位し、キャリアアーム104に取り付けられている振動吸収体110が同様に変位しようとする。
ここで、振動吸収体110のキャリアアーム104と反対面には剛性の強い金属により成形された拘束板111が取り付けられているため、振動吸収体110はキャリアアーム104側の面が変形し、その反対面が拘束板111により静止される。したがって、振動吸収体110には圧縮や引っ張りなどの力が発生した状態となる。
以上述べたように、本実施形態のハードディスク装置200においては、キャリアアーム104に伝播された振動エネルギーを振動吸収体110によって熱エネルギーなどの別のエネルギーに変換し、結果として振動エネルギーを吸収することができる。
また、各ディスクユニット100が装置本体210に対して容易に着脱可能とされるため、優れた組み立て性を備えたものとなる。また、上述のように拘束板111を用いることで、ハードディスク120の取付面の形状に影響されることなく、信頼性の高い振動吸収性を得ることができる。
したがって、振動吸収性が損なわれることなく、優れた組み立て性を有したハードディスク装置200を提供できる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
120…ハードディスク、101…キャリア(保持部)、104…キャリアアーム(アーム部)、105…突起、110…振動吸収体(振動吸収部材)、200…ハードディスク装置、202…溝、210…装置本体(本体部)

Claims (3)

  1. 複数のハードディスクと、
    前記複数のハードディスクの各々を保持する複数の保持部と、
    前記保持部に保持された前記複数のハードディスクが着脱可能に収容される本体部と、を備え、
    前記保持部と前記ハードディスクとの間には、前記保持部側から順に振動吸収部材と前記保持部よりも剛性の高い剛性部材とが設けられ
    前記保持部は、前記ハードディスクを挟持するアーム部を有し、前記アーム部と前記ハードディスクとの間に前記振動吸収部材及び前記剛性部材が設けられ、
    前記ハードディスクは、前記アーム部と対向する面が凹凸形状を有しており、
    前記振動吸収部材及び前記剛性部材は、ねじにより前記アーム部とともに前記ハードディスクの前記凹凸形状の凸部に固定されていることを特徴とするハードディスク装置。
  2. 前記本体部は、前記アーム部を挿入可能な溝を有し、
    前記アーム部は、前記溝内に挿入された際に当該溝の内壁面に当接する突起を有し、
    前記突起は、前記アーム部が前記ねじにより前記ハードディスクに固定された位置に対し、前記溝に挿入される先端側と反対に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のハードディスク装置。
  3. 前記ねじは、前記ハードディスクに固定された状態において、ねじ頭部が前記アーム部の表面から露出しないことを特徴とする請求項1又は2に記載のハードディスク装置。
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