JP5481380B2 - 冶金粉末組成物及び製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄基粉末に関するものである。本発明は、特に、弁座挿入体(バルブ・シート・インサート)(VSI)などの耐摩耗性製品の製造に適した粉末およびこの粉末から作製される部材に係るものである。
高い耐摩耗性を有する製品は広く使用されており、既存の製品と同じ性能又は既存の製品よりもよい性能を有するより安価な製品が絶えず必要とされている。弁座挿入体だけでも、毎年10億個を超える量の部材が製造されている。
高耐摩耗性を有する製品の製造は、たとえば、炭化物の形態の炭素を含む、鉄又は鉄基粉末などの粉末を基にできる。
炭化物は、非常に硬く、高い融点を有し、その特徴により炭化物は多くの用途において高耐摩耗性を有する。この耐摩耗性のために、ドリル、旋盤、弁座挿入体などの用途向けの鋼などの高耐摩耗性を必要とする、たとえば高速度鋼(HSS)などの鋼の成分として、多くの場合、炭化物は望ましいものである。
燃焼機関のVSIは、作動時に弁がシリンダ・ヘッドと接触するところに挿入されるリングである。VSIは、シリンダ・ヘッド上で、弁によって引き起こされる摩耗を抑制するために使用される。これは、弁を摩耗することなく、シリンダ・ヘッドの材料よりも摩耗に耐えることのできる材料をVSIに使用することにより行われる。VSIに使用される材料は、鋳造材料であるか、又は、より一般的にはプレス成型され焼結された粉末冶金(PM)材料である。
粉末冶金を用いて弁座挿入体を製造することにより、VSIの組成の柔軟性を大きくし、非常に費用効果のよい製品が提供される。PM弁座挿入体を作製する方法は、最終的な部材に必要な全ての成分を含む混合体の調製から始まる。粉末混合体は、最も一般的には、最終的な部材においてマトリックスとなる鉄又は低合金の粉末と、大なり小なりマトリックス材料中へ拡散し、強度及び硬度を向上させるC、Cu、Ni、Coなどの基本的な合金元素を含む。炭化物を含むさらに硬い相の材料及び同様の相が、合金の耐摩耗性を増大させるために添加できる。完成品を機械加工する場合の工具の摩耗を低減させるように添加される切削性向上剤、並びにエンジンへの使用中潤滑を助ける固体潤滑剤を有することも一般的である。さらに、全ての圧縮及び圧縮された部材の排出を助けるために蒸発潤滑剤が加えられる。Powder Metallurgy社によって製造された既知のVSI材料は、炭化物を含むマトリックス材料として高速度鋼粉末を基材にしている。通常、使用される全ての粉末は、180μm未満の粒子サイズを有する。混合体の平均粒子サイズは、通常、混合体の流れを容易にして、生産を容易にするために、50μm〜100μmである。合金化及び潤滑のための添加剤は、多くの場合、粉末混合体及び仕上がった部材の中での合金元素の分布を改善するために、マトリックス粉末と比較して粒子サイズが細かい。
次に、粉末混合体が、VSIリングの形状を有する工作機械の空洞部に送り込まれる。400MPa〜900MPaの軸線方向の圧力が印加され、その結果、6.4g/cm〜7.3g/cmの密度を有する最終的な形状に近い金属製のVSI部材になる。いくつかの場合では、高価な合金元素の使用を減らすために二重圧縮が用いられる。二重圧縮では、2つの異なる粉末混合体が使用される。弁に面するVSIの摩耗表面を作る優れた摩耗特性を有するより高価なものと、部材の所望の高さを与えるためのより安価なものである。圧縮後は、個々の粒子は冷間圧接によってゆるく結合されているだけであり、個々の粒子を互いに拡散させ、合金元素を分散させるために、次の焼結操作が必要である。焼結は、通常、1120℃〜1150℃の温度で行われるが、通常は窒素及び水素を主体とする還元雰囲気中では、最高1300℃の温度が使用可能である。焼結時又は焼結後に、硬度及び強度を増大させ、熱伝導率及び摩耗特性をも改善するために、部材の孔に銅を含浸できる。多くの場合、最終の特性に達するように、続いて熱処理が行われる。VSIの所望の幾何学的精度を達成するために、所望のサイズに機械加工される。多くの場合、VSIがシリンダ・ヘッドに取り付けられた後、最終の機械加工が行われる。最終の機械加工は、VSI及び逆になった弁の外形を与えるために、およびわずかに寸法を変化させるために行われる。
高耐摩耗性を有する従来の鉄基粉末の例は、たとえば、微細に分散した炭化物を有する工具鋼粉末を含む粉末混合体に関する米国特許第6,679,932号、及びステンレス鋼粉末に関する米国特許第5,856,625号に開示される。
W、V、Mo、Ti及びNbは強い炭化物形成元素であり、それにより、この元素は耐摩耗製品の製造にとって特に興味深いものになっている。Crは、別の炭化物形成元素である。しかしながら、これらの従来の炭化物形成金属のほとんどは高価であり、結果として、不都合にも高い価格の製品となる。したがって、粉末冶金産業においては、弁座挿入体(バルブ・シート)などの用途のために十分に耐摩耗性である、より安価な鉄基粉末又は高速度鋼の必要性が存在する。
クロムは、従来の粉末に使用されるこのような他の金属よりもかなり安く、より容易に入手可能な炭化物形成金属であり、高耐摩耗性を有する硬い相であるので、主な炭化物形成金属としてクロムを使用できることが望ましいであろう。このようにすれば、粉末及びしたがって圧縮製品が、より安価に製造できる。
通常、標準の高速度鋼の炭化物は非常に小さいが、本発明によると、少量のより細かくより硬い炭化物によって支持される十分な量の大きい炭化物が存在するならば、たとえば弁座の用途に、同等の有利な耐摩耗性を有する粉末が、主な炭化物形成金属としてクロムを用いて得られることが予想外にも示された。
米国特許第6,679,932号 米国特許第5,856,625号
したがって、本発明の目的は、高耐摩耗性を有する粉末冶金製品の製造のための安価な鉄基粉末を提供することである。
この目的、並びに下記の議論から明白な他の目的は、本発明によれば、10重量%以上18重量%未満のCrと、Mo、W、V及びNbのうちの少なくとも1つがそれぞれ0.5重量%〜5重量%と、0.5重量%〜2重量%、好ましくは0.7重量%〜2重量%、最も好ましくは1重量%〜2重量%のCとを含有する焼きなましされた予備合金化された水噴霧鉄基粉末によって達成され、この鉄基粉末は、10重量%未満のCrを含むマトリックスを有する。さらに、この鉄基粉末は、大きい炭化クロム及びより細かくより硬い炭化クロムを含む。
粉末中のCr量が多いと、たとえばM23型など大きい型の炭化物の形成を促進し、また、18重量%以上のCrでは、細かく硬い炭化クロムの含有量が低くなりすぎる。
本発明によると、上記の目的を達成するこの新規な粉末は、鉄基粉末粒子を得るために、10重量%以上18重量%未満のCr、Mo、W、V及びNbのうちの少なくとも1つがそれぞれ0.5重量%〜5重量%、並びに0.5重量%〜2重量%、好ましくは0.7重量%〜2重量%、最も好ましくは1重量%〜2重量%のCを含有する鉄基溶融物を水噴霧するステップと、粒子内に所望の炭化物を得るのに十分な温度で十分な時間だけ、粉末粒子を焼きなましするステップとを含む、鉄基粉末を製造する方法によって得ることができる。
好ましい実施例では、900℃〜1100℃の範囲の温度、及び、15時間〜72時間の範囲の焼きなまし時間が、粒子内に所望の炭化物を得るのに十分であると分かった。
OB1基のテスト材料の微細構造を示す図。 M3/2基のテスト材料の微細構造を示す図。
本発明の予備合金化された粉末は、10重量%以上18重量%未満のクロムと、モリブデン、タングステン、バナジウム及びニオブのうちの少なくとも1つがそれぞれ0.5重量%〜5重量%と、0.5重量%〜2重量%、好ましくは0.7重量%〜2重量%、最も好ましくは1重量%〜2重量%の炭素とを含み、残部は、鉄、任意選択の他の合金元素、及び不可避の不純物である。
予備合金化された粉末は、任意選択で、シリコンなどの他の合金元素を最高2重量%含有することができる。他の合金元素又は添加物も、任意選択で含有することができる。
非常に高価な炭化物形成金属であるニオブ及びチタンは本発明の粉末には必要ないことに特に留意されたい。
予備合金化された粉末は、好ましくは、40μm〜100μmの範囲、好ましくは約80μmの平均粒子サイズを有する。
好ましい実施例では、予備合金化された粉末は、12重量%〜17重量%のCr、たとえば15重量%〜17重量%のCr、たとえば16重量%のCrを含む。
好ましい実施例では、予備合金化された粉末は、12重量%以上18重量%未満のCr、1重量%〜3重量%のMo、1重量%〜3.5重量%のW、0.5重量%〜1.5重量%のV、0.2重量%〜1重量%のSi、1重量%〜2重量%のC、及び残部のFeを含む。
最も好ましい実施例では、予備合金化された粉末は、14重量%以上18重量%未満のCr、1重量%〜2重量%のMo、1重量%〜2重量%のW、0.5重量%〜1.5重量%のV、0.2重量%〜1重量%のSi、1重量%〜2重量%のC、及び残部のFeを含む。
別の最も好ましい実施例では、予備合金化された粉末は、12重量%以上15重量%未満のCr、1重量%〜2重量%のMo、2重量%〜3重量%のW、0.5重量%〜1.5重量%のV、0.2重量%〜1重量%のSi、1重量%〜2重量%のC、及び残部のFeを含む。
好ましい実施例では、大きい炭化クロムは、M23型(M=Cr、Fe、Mo、W)のものである。すなわち、主な炭化物形成元素としてのCrの他にFe、Mo、及びWのうちの1つ又は複数が存在できる。
好ましい実施例では、より細かくより硬い炭化クロムは、M型(M=Cr、Fe、V)のものである。すなわち、主な炭化物形成元素としてのクロムの他にFe及びVのうちの1つ又は複数が存在できる。両型の炭化物は、また、上記の特定の炭化物形成元素以外のものを少量含むことができる。粉末は、上記の炭化物の型以外のものをさらに含むことができる。
本発明の粉末の大きい炭化物は、好ましくは、8μm〜45μmの範囲、より好ましくは8μm〜30μmの範囲の平均サイズ、約1100マイクロビッカース〜1300マイクロビッカース硬さを有し、好ましくは全粉末の10体積%〜30体積%をなす。
本発明の粉末のM型のより小さい炭化物は、M23型の大きい炭化物よりもより小さくより硬い。本発明の粉末のより小さい炭化物は、好ましくは、8μm未満の平均サイズ、約1400マイクロビッカース〜1600マイクロビッカース硬さを有し、好ましくは全粉末の3体積%〜10体積%をなす。
炭化物は不規則な形状を有するので、「サイズ」とは顕微鏡で測定された最も長い伸展長により規定される。
これらの大きい炭化物を得るために、予備合金化された粉末は、好ましくは真空下で、より長い焼きなましを行う。焼なましは、好ましくは、900℃〜1100℃の範囲で、最も好ましくは約1000℃で行われ、この温度では、予備合金化された粉末のクロムが炭素と反応し、炭化クロムを形成する。
焼なましの間、新しい炭化物が形成及び成長し、既存の炭化物は、クロムと炭素の反応によって成長し続ける。所望のサイズの炭化物を得るために、焼なましは、好ましくは15時間〜72時間、より好ましくは48時間を超えて継続される。焼なましの継続時間がより長いと、炭化物粒子はより大きく成長する。しかしながら、長時間続くと、焼なましは多くのエネルギーを消費し、生産の流れのボトル・ネックになり得る。したがって、大きい炭化クロムの平均的な炭化クロムの粒子サイズは約20μm〜30μmが最適であり得るが、優先事項次第で、大きい炭化クロムの平均的な炭化クロムの粒子サイズが約10μmで焼なましを早め終了することが経済的見地からより都合がよいことがある。
焼きなまし温度から、好ましくは12時間を超えて、非常にゆっくりと冷却される。より大量の炭化物はより低い温度において熱力学的に安定であるため、ゆっくりした冷却によって炭化物がさらに成長できる。また、ゆっくりと冷却することにより、マトリックスは確実にフェライトになる。これは粉末の圧縮性にとって重要である。
また、粉末を焼きなましすることは、炭化物の成長以外の他の利点を有する。
焼なましの間、また、マトリックスの粒子が成長し、水噴霧の結果として得られる粉末粒子の固有の応力が緩和される。これらの要因は、粉末の硬さを減少させ、圧縮をより容易して、たとえばより高い圧縮性を粉末に与える。
焼なまし時には、粉末の炭素及び酸素の含有量が調整できる。通常、酸素含有量を低く保つことが望ましい。焼なまし時に、炭素は酸素と反応して気体の酸化炭素を形成し、それにより粉末の酸素含有量が減少する。予備合金化された粉末自体の中に、炭化物の形成及び酸素含有量の低減の両方のための十分な炭素がない場合、追加の炭素を、グラファイト粉末の形態で、焼なましのために加えることができる。
予備合金化された粉末のクロムの多くが焼なまし時にマトリックスから炭化物へと移るので、結果として生じる焼きなましされた粉末のマトリックスは、マトリックスの10重量%未満、好ましくは9重量%未満、最も好ましくは8重量%未満の固溶クロム量を有する。このため、粉末はステンレスではない。
粉末のマトリックスの組成は、焼結時にフェライトがオーステナイトに変化するように構成される。それによって、オーステナイトは焼結の後、冷却によりマルテンサイトに変化することができる。マルテンサイト・マトリックス中の大きい炭化物とより小さくより硬い炭化物との組み合わせが、プレス成型され焼結された部材の良好な耐摩耗性を与える。
本発明の焼きなましされた粉末は、高耐摩耗性を有する製品を製造するために、圧縮及び焼結の前に、鉄基粉末、グラファイト、蒸発潤滑剤、固体潤滑剤、可削性向上剤などのような他の粉末成分とも混合できる。たとえば、本発明の粉末を純粋な鉄粉末及びグラファイト粉末と混合するか、又はステンレス鋼粉末と混合してもよい。圧縮を容易にし、焼結時に蒸発するワックス、ステアリン酸塩、金属石鹸などの潤滑剤、並びに、焼結製品の使用時の摩擦を減らし、また、該製品の切削性を向上できるMnS、CaF、MoSなどの固体潤滑剤が添加できる。また、他の切削性向上剤、並びに粉末冶金学の分野の他の従来の添加剤が添加できる。
その優れた圧縮性のために、得られた混合体は、面取りされた逆になった弁の外形を有する最終的な形状に近いVSI部材への圧縮によく適している。
「実例1」
16.0重量%のCr、1.5重量%のMo、1.5重量%のW、1重量%のV、0.5重量%のSi、1.5重量%のC、及び残部のFeの溶融体が水噴霧され、予備合金化された粉末を形成した。次に、得られた粉末は、1000℃で約48時間真空焼きなましされる。合計焼なまし時間は約60時間である。その後、粉末粒子は、フェライト・マトリックス中に、約10μmの平均粒子サイズのM23型の炭化物約20体積%と、平均粒子サイズ約3μmのM型の炭化物約5体積%とを含んでいた。
得られた粉末(以後OB1と称する)は、0.5重量%のグラファイト及び0.75重量%の蒸発潤滑剤と混合された。混合体は、700MPaの圧力で圧縮されてテスト棒にされた。得られた試料は、90N/10Hの雰囲気中で1120℃の温度で焼結された。焼結後、試料は、液体窒素中で極低温冷却され、次に、550℃で焼き戻しされた。
既知のHSS粉末M3/2を主体とする同様の混合体が調製され、テスト棒が、上述の工程と同じ工程を使用して作製された。
両テスト棒は、ビッカーズ法による硬さ試験を受けた。高温硬度が、3つの異なる温度(300℃/400℃/500℃)でテストされた。結果は以下の表に要約される。
Figure 0005481380
OB1テスト材料の微細構造(図1を参照)は、マルテンサイト・マトリックス中に、大きい炭化物と小さい炭化物の所望の混合体を含んでいる。参考材料は、同様の微細構造(図2を参照)を有するが、OB1材料よりも小さい炭化物を有している。
OB1材料は、M3/2材料よりもいくぶん高い気孔率を有する。それにより、OB1の微小硬さはM3/2の微小硬さよりも大きいが、OB1の硬さ値(HV5)がM3/2の硬さ値よりも小さい理由が説明される。通常、PMのVSI部材の製造においては、気孔は、焼結時に銅の含浸によって排除される。したがって、このような影響は無視することができる。これに照らせば、OB1材料の硬さ値は、M3/2参考材料の硬さ値に相当し、これは、この材料が、相当する耐摩耗性を有するはずであるということを示している。特に、高温で硬度を維持することは、VSIの用途における耐摩耗性にとって重要である。高温硬度テストの結果は、OB1材料がこれらの必要条件を満たすことを示している。
「実例2」
14.5重量%のCr、1.5重量%のMo、2.5重量%のW、1重量%のV、0.5重量%のSi、1.5重量%のC、及び残部のFeの溶融物が水噴霧され、予備合金化された粉末を形成した。得られた粉末は、次に、1000℃で約48時間真空焼きなましされた。合計焼なまし時間は約60時間である。その後、粉末粒子は、フェライト・マトリックス中に、約10μmの平均粒子サイズのM23型の炭化物約20体積%と、平均粒子サイズ約3μmのM型の炭化物約5体積%とを含んでいた。
この粉末を0.5重量%のグラファイト及び0.75重量%の蒸発潤滑剤と混合して加工し、実例1と同じやり方でテスト棒を製作し、その結果、図1の微細構造と非常に似た微細構造となった。

Claims (20)

  1. 10重量%以上18重量%未満のCr、
    Mo、W、V及びNbのうちの少なくとも1つを、それぞれ0.5重量%〜5重量%
    .5重量%〜2重量%のC、および
    0%〜2%のSiを含み、
    残部がFeおよび不可避不純物からなる焼きなましされた予備合金化された水噴霧鉄基粉末において、
    前記鉄基粉末が、10重量%未満のCrを含有するマトリックスを有し、前記鉄基粉末が、8μm〜45μmの平均サイズおよび1100〜1300マイクロビッカース硬さを有する大きい炭化クロム並びに8μm未満の平均サイズおよび1400〜1600マイクロビッカース硬さを有するより小さくより硬い炭化クロムを含む、鉄基粉末。
  2. Cが0.7重量%〜2重量%である請求項1に記載された鉄基粉末。
  3. Cが1重量%〜2重量%である請求項1に記載された鉄基粉末。
  4. 大きい炭化クロムの平均サイズが8μm〜30μmである、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載された鉄基粉末。
  5. 10体積%〜30体積%の大きい炭化クロムと、3体積%〜10体積%のより小さくより硬い炭化クロムとを含む、請求項1から請求項までのいずれか一項に記載された鉄基粉末。
  6. 前記マトリックスがステンレスでない、請求項1から請求項までのいずれか一項に記載された鉄基粉末。
  7. 重量平均粒子サイズ40μm〜100μmを有する、請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載された鉄基粉末。
  8. 12重量%以上18重量%未満のCr、1重量%〜3重量%のMo、1重量%〜3.5重量%のW、0.5重量%〜1.5重量%のV、0.2重量%〜1重量%のSi、1重量%〜2重量%のCを含み、残部Feおよび不可避不純物からなる、請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載された鉄基粉末。
  9. 12重量%以上15重量%未満のCr、1重量%〜2重量%のMo、2重量%〜3重量%のW、0.5重量%〜1.5重量%のV、0.2重量%〜1重量%のSi、1重量%〜2重量%のCを含み、残部Feおよび不可避不純物からなる、請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載された鉄基粉末。
  10. 14重量%以上18重量%未満のCr、1重量%〜2重量%のMo、1重量%〜2重量%のW、0.5重量%〜1.5重量%のV、0.2重量%〜1重量%のSi、1重量%〜2重量%のCを含み、残部Feおよび不可避不純物からなるむ、請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載された鉄基粉末。
  11. 前記大きい炭化クロムがM23型であり、ここでM=Cr、Fe、Mo、Wである、請求項1に記載された鉄基粉末。
  12. 前記より小さくより硬い炭化クロムがM型であり、ここでM=Cr、Fe、Vである、請求項1に記載された鉄基粉末。
  13. 10重量%未満のCrを含有するマトリックスを有する鉄基粉末を製造する方法において、
    鉄基粉末粒子を得るために、10重量%以上18重量%未満のCrと、Mo、W、V及びNbのうちの少なくとも1つをそれぞれ0.5重量%〜5重量%と、0.5重量%〜2重量%のCと、0%〜2%のSiとを含み、残部がFeおよび不可避不純物からなる鉄基溶融物を水噴霧するステップと、
    前記粒子内に、8μm〜45μmの平均サイズおよび1100〜1300マイクロビッカース硬さを有する大きい炭化クロム並びに8μm未満の平均サイズおよび1400〜1600マイクロビッカース硬さを有するより小さくより硬い炭化クロムを得るのに十分な温度および十分な時間で、前記粉末粒子を焼きなましするステップとを含む、鉄基粉末を製造する方法。
  14. Cが0.7重量%〜2重量%である請求項13に記載された鉄基粉末を製造する方法。
  15. Cが1重量%〜2重量%である請求項13に記載された鉄基粉末を製造する方法。
  16. 少なくとも、請求項1に記載された鉄基粉末から製造される、プレス成型され焼結された部材。
  17. C含有量の一部が焼結時に合金化される、請求項16に記載されたプレス成型され焼結された部材。
  18. 前記プレス成型され焼結された部材が、
    請求項1に記載された鉄基粉末と、
    鉄基粉末、黒鉛、蒸発潤滑剤、固体潤滑剤、可削性向上剤のうちの少なくとも1つと
    を含む粉末組成物から製造される、請求項16に記載されたプレス成型され焼結された部材。
  19. 前記プレス成型され焼結された部材が、弁座挿入体である、請求項16から請求項18までのいずれか一項に記載されたプレス成型され焼結された部材。
  20. 圧縮時に形成された逆になった弁の外形を有する面取りされた嵌合面を備える、請求項19に記載されたプレス成型され焼結された部材。
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