JP5481254B2 - 車両 - Google Patents
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Description
装置内部には、蒸発燃料を吸着する活性炭等が充填されている。蒸発燃料をエンジン側に供給する方法としては、始動したエンジンの負圧を利用しており、この負圧によりキャニスタ側に設けたドレンパイプを介して外気から空気を吸入し、蒸発燃料を脱離させてエンジン側に供給する方式となっている。そして、このドレンパイプにおいては、通常、その先端開口は、特許文献1に開示されているように、車両下方に向って開口している。この下方に向って開口している構造により、水の浸入がし難いように構成されている。
しかしながら、車体フレームは密閉構造ではなく、水中を走行すると、ドレンパイプから水が浸入する可能性が高かった。
また、水の浸入をさけるべく車体フレームの特定の場所に配管しようとすると、ドレンパイプが長くなってしまう。また、ドレンパイプが長くなると、その取り回しや固定に余分な構造が必要になるという問題もあった。
また、請求項1に記載の発明によれば、凹状部の凹部側壁との間に一部開口する空隙部を形成するように、下向き開口部を車体下方より塞ぐ係止部材が設けられた構成であるので、空隙部によって空気の通路が確保されつつ係止部材の本体によって水浸入が効果的に抑制される。
また、請求項1に記載の発明によれば、ドレンパイプは配管支持部において係止部材内に導入されて保持され、さらに、ドレンパイプの先端部が凹状部の上部奥で上を向いて所定位置に接続される。
なお、車体カバーとは、例えば上記のフロントフェンダー2、リヤフェンダ14、フロント荷台16、乗車シート17、リヤ荷台18、ステップフロア19や補機類カバー等を上げることができるが、本発明においては、単に車体を覆うための構造部品にかぎるものではなく、補機類を保持する部材や補機類そのものをも含めた広義の車体構造物を意味するものである。
図3に示すように、車体フレーム30は、車両前後方向に延びて後部が上方へ湾曲している、左右一対のメインフレーム31L、31R(Lは乗員から見て左を示し、Rは同右を示す添え字である。以下同じ)と、メインフレーム31L、31Rの前部から上方に延びるパイプ又はフレームで構成され前輪懸架装置を支持する、左右の前輪懸架支持部32L,32Rと、左の前輪懸架支持部32Lから右の前輪懸架支持部32Rへ車幅方向へ渡されている第1クロス部33と、左のメインフレーム31Lの後部から右のメインフレーム31Rの後部へ車幅方向へ渡されている第2クロス部34と、前端が第1クロス部33に取り外し可能に取付けられ、後端が第2クロス部34に取り外し可能に取付けられているアッパテンションパイプ35と、メインフレーム31L,31Rの後部上部から車両後方へ延びる左右一対のリヤパイプ36L,36Rと、一方のメインフレーム31Lの後部中間部から斜めに一方のリヤパイプ36Lまで延ばされた一方のリヤサブパイプ37Lと、他方のメインフレーム31Rの後部中間部から斜めに一方のリヤパイプ36Rまで延ばされた一方のリヤサブパイプ37Rと、からなる。リヤサブパイプ37L,37Rは、リヤパイプ36L,36Rを補強する補強ステーである。
他方のリヤサブパイプ37Rは、図4に示すように、他方のメインフレーム31R及び他方のリヤパイプ36Rに取り外し可能に締結されている。
そのために、例えば、他方のメインフレーム31Rの中間部から車両後方へ前部ステー38を延ばす。この前部ステー38は面が車両側方から見ることのできるプレートである。他方のリヤサブパイプ37Rの後部から下へ後部ステー39を延ばす。この後部ステー39は面が車両前方から見ることのできるプレートである。
また、後部ステー39の前面にリヤサブパイプ37Rの後端を当てると、リヤサブパイプ37Rに車両後方へ外力が作用した場合に、この外力は後部ステー39の前面で効果的に支承される。
図5に示すように、右のリヤサブパイプ37Rの立ち下がり部分は、ほぼメインパイプ31Rに平行に下っている。
一方、左のリヤサブパイプ37Lは、車幅方向内側(車幅中心側)に張り出すように湾曲形成されている。この湾曲部46に左の補機類支持部47Lが、少なくとも1個、車幅方向内側に張り出すように設けられている。
この左の補機類支持部47Lに対応する右の補機類支持部47Rが、右のリヤサブパイプ37Rに設けられている。
また、左のメインフレーム31Lの後部から右のメインフレーム31Rの後部に渡したクロス部(第2クロス部34)に、タンク支持穴48が設けられている。このタンク支持穴48は車両後方へ開口している。
本実施形態では、燃料タンク50およびその周辺のものを例に説明するが、補機類はエアクリーナ、バッテリや電装品などの大型の車載部品であれば種類は問わない。
図6に示すように、一方のリヤサブパイプ37Lには、燃料タンク50の左側面51をカバーする第1補機カバー52が取付けられている。
このような燃料タンク50は、右フランジ56Rと右の補機類支持部47R(図5参照)とをボルト57で締結することにより、他方のリヤサブパイプ37Rに予め取付けられる。
同時に燃料タンク50の右側面58、底面、後面59をカバーする第2補機カバー61も他方のリヤサブパイプ37Rに予め取付けられる。
結果、第1補機カバー52が第2補機カバー61と合体して、1個の補機カバーが完成し、この補機カバーで、燃料タンク50の底面、後面、左側面、右側面がカバーされる。
更には、燃料ポンプ54から、燃料供給パイプ63が、キャニスタ64の車幅右側方を通り、左のリヤパイプ36Lの車幅右側方を通ってエンジンに向かう。
一方のリヤサブパイプ37Lは、湾曲部46が車両平面視で一方のリヤパイプ37Lより車体中心側に位置するように車幅方向内側に湾曲形成されている。そのため、図6に示されるように、平面視で、上位の一方のリヤパイプ36Lに妨げられることなく、一方のリヤサブパイプ37Lを視認することができる。このような一方のリヤサブパイプ37Lに補機類支持部47Lが設けられているため、図6に示すように、この補機類支持部47Lに上方からボルト62を挿入し、締結することが可能となる。
他方のリヤサブパイプ37Rに補機類を予め取付けると共に、第2補機カバー61を予め取付けることにより、他方のリヤサブパイプ37Rを、メインフレーム及びリヤパイプに取付けるだけで、補機カバーの取付けが完了する。
燃料タンク50はその前部が、突状ボス55を車体側のタンク支持穴48に嵌合するだけで、車体側に容易に固定される。
車幅方向内側に湾曲させた湾曲部46の車幅方向外側に、排気管又は消音器66を配置するため、車幅の増加を抑えることができる。
キャニスタ64が、一方のリヤパイプ36Lに取付けられているため、他方のリヤサブパイプ37Rと共に補機類を外したときに、キャニスタ64が外される心配はない。併せて、キャニスタ64は第1補機カバー52でカバーされているため、外され難く、誤って外される心配はない。
この係止部材80は、図7、図12および図13に示されているように、キャニスタ64の直ぐ後方の位置に配置されている。
本実施形態においては、その取付け場所は、図11に示すように、荷台板77の裏側となっている。荷台板77の裏側には、荷台板77の裏面の水平壁を天井面70aとし且つ裏面の補強リブ77a,77bを凹部側壁70bとして下向き開口部70eを車両下方に向けて構成される凹状部70に係止部材80が嵌合係止される構造である。
なお、係止部材80は、その材質としては特に制限するものではないが、合成樹脂や硬質ゴム等により一体成形されている構造が好適である。
さらに、配管支持部81は、側壁延出部80cと同じ方向で更に大きく延出した張出壁81b,81dに把持部81aが設けられた構成である。また、位置決め爪82aは、円筒部82の上縁から円筒内方に若干出っ張るように形成されている。また、配管支持部81とは反対側には、係止フランジ80eが形成されている。
このような構成であると、その取付けに際しては、例えば、荷台板77の下方側から、係止部材80(ドレンパイプ69は取付けられた状態)を、図12に示す矢印A方向に押し込む。このとき、側壁部80bが若干撓み、係止爪80dが凹部側壁70bに設けられた係合穴70d内に入り込み、また、係止フランジ80eが凹部側壁70bの先端に当接して取付けが完了する。
このように構造が簡単で、かつ係止部材80を凹状部70に押し込むように操作するだけで、簡単に組み付けができる。
ドレンパイプ69は、係止部材80の円筒部82に嵌合して位置決めされ、さらに配管支持部81においてしっかり保持され接続されている。
また、図13に示すような状態であると、不整地走行車両で水中走行をする場合において、水面が上昇してきても凹状部70に空気が閉じ込められる。したがって、ドレンパイプ69への急激な水浸入を抑制できる。
また、ドレンパイプ69から空気が吸気されても空隙部75が流路抵抗となるので、水の浸入を抑制できる。さらに、ドレンパイプ69を上方に向けて延出させて支持していることにより、凹状部70内でのドレンパイプ69の開口69aまでの高さを確保し水浸入を抑制できる。
30 車体フレーム
50 燃料タンク
64 キャニスタ
67 チャージ配管
68 パージ配管
69 ドレンパイプ
70 凹状部
80 係止部材
Claims (5)
- 車体を構成する車体フレームと、前記車体フレームに取り付けられる燃料を貯留する燃料タンク(50)と、前記燃料タンク(50)からの蒸発燃料を一時的に貯留するキャニスタ(64)と、前記燃料タンク(50)と前記キャニスタ(64)とを繋いで燃料タンク内の蒸発燃料を前記キャニスタ(64)へ導くチャージ配管(67)と、前記キャニスタ(64)と内燃機関の吸気系とを繋ぐパージ配管(68)と、前記キャニスタ(64)と外気とを繋ぐドレンパイプ(69)と、車体を覆う車体カバーを有する車両(10)において、
前記ドレンパイプ(69)の開口部(69a)を、前記車体カバーに設けた有底筒状で車体下向きの下向き開口部(70e)を有する凹状部(70)に車体上向きに開口するように保持し、
前記凹状部(70)の凹部側壁(70b)との間に一部開口する空隙部(75)を形成して、前記開口部(70e)を車体下方より塞ぐ係止部材(80)が設けられ、
前記係止部材(80)は、前記凹状部(70)の天井面(70a)と対向する板状部(80a)と、該板状部(80a)の縁部から前記凹部側壁(70b)に沿うように延びる側壁部(80b)と、前記側壁部(80b)に一体に設けられた側壁延出部(80c)と、前記ドレンパイプ(69)を係止部材導入部分で支持する配管支持部(81)と、前記板状部(80a)で前記天井面(70a)に向かって突出して前記ドレンパイプ(69)の先端部(69a)が嵌合され且つ該ドレンパイプ(69)を位置決め係止する位置決め爪(82a)を備える円筒部(82)と、を有し、
前記配管支持部(81)は前記係止部材(80)の前方に設けられ、下方に向けて更に大きく延出した張出壁(81b,81d)を有し、
前記凹部側壁(70b)と前記張出璧(81b,81d)との間に前記空隙部(75)が配置されたことを特徴とする車両(10)。 - 前記側壁部(80b)に前記凹状部(70)に設けられた係止部(70c)に係合する係止爪(80d)が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の車両(10)。
- 前記凹状部(70)は、荷台板(77)の裏面の水平壁を前記天井面(70a)とし且つ裏面の補強リブ(77a,77b)を前記凹部側壁(70b)として構成され、前記凹状部(70)に前記係止部材(80)が嵌合係止されることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両(10)。
- 前記空隙部(75)は、前記キャニスタ(64)に対して車両前面視において後方でオーバーラップする位置に配置されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の車両(10)。
- 前記荷台板(77)の位置は、乗車シート(17)の後方延長線上または後方延長線の上方に荷台上面が位置するように構成されたことを特徴とする請求項3に記載の車両(10)。
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