JP5480684B2 - 水素含有ガス生成装置の起動時運転方法 - Google Patents
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Description
更に、特許文献1には、水素含有ガス生成装置を起動するとき、水素濃度が低い水素含有ガスが脱硫器に流入することを嫌って、水素含有ガスのリサイクルを休止することが記載されている。
前記水素含有ガス生成装置の起動時に、
前記水素含有ガス合流箇所及び前記原燃料分流箇所よりも下流側であり且つ前記脱硫器よりも上流側の前記原燃料供給路に設けられる第1弁を閉止し、及び、前記水素含有ガス分流箇所よりも下流側の前記水素含有ガス供給路に設けられる第2弁を閉止し、及び、前記原燃料分流路を開放して前記燃焼器に原燃料を供給して前記燃焼器で前記原燃料を燃焼させる昇温工程と、
前記昇温工程によって前記改質器を設定起動温度以上に昇温した後、前記第1弁を開放して前記原燃料を前記脱硫器及び前記改質器に流入させて前記改質器において前記水素含有ガスの生成を開始するガス生成開始工程と、
前記ガス生成開始工程によって前記水素含有ガス供給路の圧力を設定始動圧力まで昇圧した後、前記第2弁を開放して前記水素含有ガス生成装置の外部に前記水素含有ガスを供給するガス供給開始工程と、を含む点にある。
ところが、本特徴構成の昇温工程では、燃焼器で原燃料を燃焼させるために原燃料分流路を開放して燃焼器に原燃料を供給している間、水素含有ガス合流箇所及び原燃料分流箇所よりも下流側であり且つ脱硫器よりも上流側の原燃料供給路に設けられる第1弁が閉止され、及び、水素含有ガス分流箇所よりも下流側の水素含有ガス供給路に設けられる第2弁が閉止される。つまり、脱硫器の上流側の原燃料供給路に設けられる第1弁が閉止されることで、原燃料が脱硫器の上流側から脱硫器及び必要な昇温が未だ十分に行われていない改質器へ流入することを阻止できる。また、第2弁が閉止されることで、水素含有ガス生成装置の外部(例えば、燃料電池)にガスが流れ出さないようにできる。更に、第1弁及び第2弁が閉止されることで、リサイクルガス供給路が接続されている水素含有ガス分流箇所よりも上流側の原燃料供給路は第1弁で閉止され、下流側の水素含有ガス供給路は第2弁で閉止される。つまり、水素含有ガス分流箇所よりも上流側に向かってガスが流れることはできず、且つ、水素含有ガス分流箇所よりも下流側に向かってガスが流れることはできない。従って、水素含有ガス分流箇所に接続されているリサイクルガス供給路にガスが流れる(即ち、逆流する)ことはなく、脱硫されていない原燃料が改質器や一酸化炭素除去器へ流入することもない。
更に、昇温工程において、燃焼器に供給しようとしている原燃料が、リサイクルガス供給路の方へ流れてしまうことがないため、燃焼器への原燃料の供給量が相対的に減少してしまうといった問題も発生しない。その結果、燃焼器に対して十分な量の原燃料を供給して、燃焼器において着火不良や失火が発生しないようにできる。
従って、水素含有ガス生成装置の装置コストを抑えながらも、水素含有ガス生成装置を適正に起動できる起動時運転方法を提供できる。
ところが本特徴構成によれば、ガス供給開始工程の実施に先だってガス排出工程を実施することで、ガス生成開始工程の実施中に第2弁よりも上流側に滞留している水素純度の低い水素含有ガスがガス排出箇所から排出される。つまり、ガス供給開始工程を実施したときには、水素純度の高い水素含有ガスを水素含有ガス生成装置の下流側へ供給できる。
ところが本特徴構成によれば、リサイクルガス供給路が接続される水素含有ガス分流箇所は、改質器と一酸化炭素選択酸化器との間を接続する水素含有ガス供給路の途中に設けられる。つまり、リサイクルガス供給路を通して脱硫器に供給するガスは、一酸化炭素選択酸化器を通っていない。その結果、一酸化炭素選択酸化器の寿命が必要以上に短くなることが避けられる。
以下に図面を参照して第1実施形態の水素含有ガス生成装置の起動時運転方法について説明する。図1は、本発明に係る水素含有ガス生成装置の起動時運転方法が行われる第1実施形態の水素含有ガス生成装置の構成を示す図である。図示するように、水素含有ガス生成装置S1(S)では、原燃料供給路10を通して改質器4に原燃料が供給され、その原燃料が改質器4で水素を主成分とするガス(水素含有ガス)に改質される。そして、改質器4で生成された水素含有ガスが水素含有ガス供給路11を通して燃料電池1に供給される。
原燃料供給路10には、流量調節弁Vaが設けられ、水素含有ガス生成装置S1の系内に流入するガスの流量が調節される。例えば、制御部20が、電動式の流量調節弁Vaの開度を制御して、原燃料供給路10を通して水素含有ガス生成装置S1の系内に流入する原燃料の流量を調節する。
流量調節弁Vaよりも下流側の原燃料供給路10には昇圧ポンプ5が設けられている。つまり、流量調節弁Vaから系内に流入した原燃料は昇圧ポンプ5によって吸引されて昇圧された上でその昇圧ポンプ5の下流側に送出される。
昇圧ポンプ5よりも下流側の原燃料供給路10に脱硫器2が設けられている。脱硫器2には脱硫剤が充填されており、原燃料供給路10を通して供給される炭化水素やアルコール等の原燃料の脱硫処理を行う。本実施形態において、原燃料は、メタンやプロパンなどの炭化水素を主成分とする原燃料ガスである。これら原燃料として用いられるメタンやプロパンなどは一般に都市ガスやLPGであり、例えばジメチルスルフィド(DMS)などの硫黄化合物が付臭剤として含まれている。よって、後段の改質器4に充填されている改質触媒や燃料電池1のセルを構成するアノードなどが硫黄化合物によって劣化することを避けるために、脱硫器2によってその硫黄化合物を除去する。また、原燃料ガスに水素を添加した水添脱硫を行うことで、脱硫剤の長寿命化を図ることができる。原燃料ガスに水素を添加するために利用するリサイクルガス供給路13の構成については後述する。
また、本実施形態では、リサイクルガス供給路13に遮断弁、調節弁、逆止弁、ブロアー、ポンプなどを設けていない。
昇温工程では、水素含有ガス合流箇所16及び原燃料分流箇所17よりも下流側であり且つ脱硫器2よりも上流側の原燃料供給路10に設けられる開閉弁(第1弁)Vbを閉止し、及び、水素含有ガス分流箇所18よりも下流側の水素含有ガス供給路11に設けられる開閉弁(第2弁)Veを閉止し、及び、原燃料分流路12を開放して燃焼器3に原燃料を供給して燃焼器3で原燃料を燃焼させることが実施される。
更に、昇温工程において、燃焼器3に供給しようとしている原燃料が、リサイクルガス供給路13の方へ流れ出すことがないため、燃焼器3への原燃料の供給量が相対的に減少してしまうといった問題も発生しない。その結果、燃焼器3に対して十分な量の原燃料を供給して、燃焼器3において着火不良や失火が発生しないようにできる。
ガス生成開始工程では、上記昇温工程によって改質器4を設定起動温度以上に昇温した後、開閉弁(第1弁)Vbを開放して原燃料を脱硫器2及び改質器4に流入させて改質器4において水素含有ガスの生成を開始することが行われる。
ガス供給開始工程では、上記ガス生成開始工程によって水素含有ガス供給路11の圧力を設定始動圧力まで昇圧した後、開閉弁(第2弁)Veを開放して水素含有ガス生成装置S1の外部に水素含有ガスを供給することが行われる。また、ガス供給開始工程の実施に先だって、ガス生成開始工程の実施中に第2弁よりも上流側に滞留しているガスを、第2弁よりも上流側の水素含有ガス供給路11に設けられるガス排出箇所19から排出するガス排出工程が行われる。更に、ガス供給開始工程の間も、燃焼器3に原燃料は供給され続けている。
第2実施形態の水素含有ガス生成装置S2は、燃焼器に対して、燃料電池のアノード排ガスが供給される点で上記第1実施形態の水素含有ガス生成装置S1と異なっている。以下に、第2実施形態の水素含有ガス生成装置S2について説明するが、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
第3実施形態の水素含有ガス生成装置S3は、一酸化炭素選択酸化器6が設けられていない点で上記実施形態と異なっている。以下に、第3実施形態の水素含有ガス生成装置S3について説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。
<1>
上記実施形態において、弁Vaが流量調節弁で構成される場合を例示したが、弁Vaの構成を改変してもよい。例えば、原燃料遮断機能を有する弁で弁Vaを構成してもよい。その場合、水素含有ガス生成装置Sの系内に流入するガスの流量調節は、昇圧ポンプ5とその昇圧ポンプ5と直列に接続された流量計(図示せず)とを用いて行うことができる。
上記実施形態において、弁の配置を変更してもよい。例えば、第3実施形態(図3)において、ガス排出路14に開閉弁Vdを設けなくてもよい。
上記実施形態において、一酸化炭素選択酸化器6を本発明の「一酸化炭素除去器」の一例として示したが、他の方式の一酸化炭素除去器を用いてもよい。例えば、一酸化炭素除去器として、一酸化炭素を選択的にメタン化する一酸化炭素選択メタン化器などを用いてもよい。
上記実施形態において、上述した昇温工程の前に別の工程を実施してもよい。例えば、上述した昇温工程の開始前に、水素含有ガス生成装置S内に原燃料ガスを供給して、水素含有ガス生成装置S内の圧力を高めた状態にしてもよい。
具体的には、図1の水素含有ガス生成装置S1を用いて説明すると、制御部20は、上記昇温工程の前に、水素含有ガス生成装置S1の昇圧工程を実施する。
昇圧工程を以下に説明する。流量調節弁Vaを開弁し、昇圧ポンプ5を動作させて、水素含有ガス生成装置S1の系内に原燃料を所定時間流入させる。このとき、制御部20は、開閉弁(第1弁)Vbを開弁し、開閉弁Vc及び開閉弁(第2弁)Ve及び開閉弁Vdを閉弁させている。その結果、水素含有ガス生成装置S内の開閉弁Vb及び開閉弁Vcの上流側の圧力、並びに、開閉弁Vbと開閉弁(第2弁)Ve及び開閉弁Vdとの間の圧力、並びに、リサイクルガス供給路13の圧力が高まる。当該箇所の圧力が高まった後、開閉弁Vb及びVaを閉止する。つまり、水素含有ガス生成装置S1内の圧力が高まった状態で保持する。以上が昇圧工程である。
昇圧工程の次に、制御部20は、開閉弁Vcを開弁して(開閉弁(第1弁)Vb及び開閉弁(第2弁)Ve及び開閉弁Vdは閉弁させたまま)、原燃料が供給される燃焼器3を燃焼作動させる(昇温工程)。これにより、昇圧工程開始前に水素含有ガス生成装置S内の圧力が原燃料供給圧よりも低くなっていたとしても、昇圧工程を実施することで、水素含有ガス合流箇所16での圧力が水素含有ガス分流箇所18での圧力よりも高くなることがないため、燃焼器3へ原燃料を供給開始する段階ではリサイクルガス供給路13に原燃料が流れる(逆流する)ことを確実に防止できる(即ち、燃焼器3へ原燃料を確実に供給できる)ため、燃焼器3の着火不良や着火失敗が発生しないようにできる。
2 脱硫器
3 燃焼器
4 改質器
6 一酸化炭素選択酸化器
10 原燃料供給路
11 水素含有ガス供給路
12 原燃料分流路
13 リサイクルガス供給路
14 ガス排出路
15 アノード排ガス路
16 水素含有ガス合流箇所
17 原燃料分流箇所
18 水素含有ガス分流箇所
19 ガス排出箇所
S(S1、S2、S3) 水素含有ガス生成装置
Vb 弁(第1弁)
Ve 弁(第2弁)
Claims (4)
- 原燃料供給路を通して供給される原燃料の脱硫処理を行う脱硫器と、前記脱硫器で脱硫処理された前記原燃料を改質して水素を主成分とする水素含有ガスを生成する改質器と、前記原燃料供給路の途中の原燃料分流箇所から分岐した原燃料分流路を通して供給される原燃料を燃焼して、前記改質器を加熱するための燃焼熱を放出する燃焼器と、前記改質器で生成された前記水素含有ガスが流通する水素含有ガス供給路の途中の水素含有ガス分流箇所と前記脱硫器よりも上流側の前記原燃料供給路の途中の水素含有ガス合流箇所とを接続して前記水素含有ガスの一部を前記原燃料供給路に流入させるリサイクルガス供給路と、を備える水素含有ガス生成装置の起動時運転方法であって、
前記水素含有ガス生成装置の起動時に、
前記水素含有ガス合流箇所及び前記原燃料分流箇所よりも下流側であり且つ前記脱硫器よりも上流側の前記原燃料供給路に設けられる第1弁を閉止し、及び、前記水素含有ガス分流箇所よりも下流側の前記水素含有ガス供給路に設けられる第2弁を閉止し、及び、前記原燃料分流路を開放して前記燃焼器に原燃料を供給して前記燃焼器で前記原燃料を燃焼させる昇温工程と、
前記昇温工程によって前記改質器を設定起動温度以上に昇温した後、前記第1弁を開放して前記原燃料を前記脱硫器及び前記改質器に流入させて前記改質器において前記水素含有ガスの生成を開始するガス生成開始工程と、
前記ガス生成開始工程によって前記水素含有ガス供給路の圧力を設定始動圧力まで昇圧した後、前記第2弁を開放して前記水素含有ガス生成装置の外部に前記水素含有ガスを供給するガス供給開始工程と、を含む水素含有ガス生成装置の起動時運転方法。 - 前記ガス供給開始工程の実施に先だって、前記ガス生成開始工程の実施中に前記第2弁よりも上流側に滞留しているガスを、前記第2弁よりも上流側の前記水素含有ガス供給路に設けられるガス排出箇所から排出するガス排出工程を含む請求項1記載の水素含有ガス生成装置の起動時運転方法。
- 前記ガス排出箇所から排出されたガスを前記燃焼器に供給する請求項2記載の水素含有ガス生成装置の起動時運転方法。
- 前記水素含有ガス生成装置は、前記改質器で生成された前記水素含有ガスに含まれる一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去器を備え、前記水素含有ガス分流箇所は、前記改質器と前記一酸化炭素除去器との間を接続する前記水素含有ガス供給路の途中に設けられる請求項1〜3の何れか一項に記載の水素含有ガス生成装置の起動時運転方法。
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