JPH0992316A - 燃料電池発電装置の昇温方法 - Google Patents

燃料電池発電装置の昇温方法

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JPH0992316A
JPH0992316A JP7247081A JP24708195A JPH0992316A JP H0992316 A JPH0992316 A JP H0992316A JP 7247081 A JP7247081 A JP 7247081A JP 24708195 A JP24708195 A JP 24708195A JP H0992316 A JPH0992316 A JP H0992316A
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fuel
gas
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cell power
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JP7247081A
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Hideo Nishigaki
英雄 西垣
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】運転開始時の昇温時間を短縮することが可能な
燃料電池発電装置の昇温方法を提供する。 【解決手段】燃料電池発電装置1は、従来例に対して、
燃料ガス用の遮断弁21と、第1のバイパス路22と、
第1のバイパス路22に介挿された第1の遮断弁23
と、第2のバイパス路24と、第2のバイパス路24に
介挿された第2の遮断弁25とを追加して備えた燃料供
給系統2を用いるようにしている。第1のバイパス路2
2は、精製化原燃料ガス用の予熱器73と改質ガス冷却
器75との間の改質ガス7bの通流路と、遮断弁21と
原燃料用の予熱器71との間の燃料ガス7aの通流路と
を接続する。第2のバイパス路24は、CO変成器76
と遮断弁21との間の燃料ガス7aの通流路と、原燃料
予熱器71と燃料ガス予熱器77との間の燃料ガス7a
の通流路とを接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、炭化水素系の原燃料
より得られた水素リッチな燃料ガスおよび酸化剤ガスと
を反応ガスとして用いて電気化学的に発電を行う燃料電
池発電装置の起動時の昇温方法に係わり、その昇温に要
する時間が短縮されるように改良された昇温方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、水素と酸素とを利用して直
流電力を発生する発電装置の一つであり、すでによく知
られているとおり、他の発電装置と比較して、電気エネ
ルギーへの変換効率が高く,しかも,炭酸ガスや窒素酸
化物等の大気汚染物質の排出量が少ないことから、いわ
ゆるクリーン・エネルギー源として期待されている。そ
うして、燃料電池としては、使用される電解質の種類に
より、固体高分子電解質型,りん酸型,溶融炭酸塩型,
固体酸化物型などの各種の燃料電池が知られている。こ
の燃料電池を中核とする燃料電池発電装置には、燃料電
池が必要とする水素を多く含む燃料ガスを供給する装置
として、天然ガスやナフサ等の炭化水素系の原燃料か
ら、水蒸気を添加したうえで水素含有量の高い改質ガス
に改質する燃料改質器などを主要な機器として構成され
た燃料供給系統が付随されていることが一般である。こ
の燃料供給系統を構成している各種の装置には、触媒を
用いている装置が多いこともあり、燃料電池発電装置の
運転開始に当たっては、燃料供給系統に用いられている
後記する各種触媒にとって必要な温度にまで昇温させる
必要があるものである。
【0003】以下に、りん酸型燃料電池発電装置を例に
とり、燃料電池発電装置の従来例の構成とその昇温方法
について図6を用いて説明する。ここで図6は、従来例
の燃料電池発電装置の主要部を示すその構成図であり、
従来例の燃料電池発電装置の起動時の説明に必要な機器
類を主体に示している。図6において、9は、燃料電池
8と、燃料供給系統7と、酸化剤供給系統6と、不活性
ガスである窒素ガス5aを循環させる循環用装置である
ブロア5とを備えた燃料電池発電装置である。燃料電池
8は、燃料電極81と酸化剤電極82とを備えており、
燃料供給系統7から燃料電極81に供給された燃料ガス
7aと、酸化剤供給系統6から酸化剤電極82に供給さ
れた酸化剤ガスである空気6aとを、化学反応させるこ
とで直流電力を発生する。酸化剤供給系統6は、空気6
aを燃料電池8に供給するために、図示しないブロア,
コンプレッサーなどを備えている。
【0004】燃料供給系統7は、原燃料用の予熱器7
1、脱硫器72、精製化原燃料ガス用の予熱器73、改
質器74、改質ガス冷却器75、CO変成器76、燃料
ガス用の予熱器77、燃料ガス凝縮器78、燃料ガス気
水分離器79を主要機器として備えている。予熱器71
は、燃料ガス7aを加熱源として用いて、天然ガスやナ
フサ等の炭化水素系の燃料である原燃料91の脱硫器7
2の入口部における温度を、燃料電池8の発電運転時に
ほぼ一定値に保持するために設置されている。なおその
温度値は、脱硫触媒層721に充填されている脱硫触媒
の種類によって異なる値となるが、例えば、390
〔℃〕程度である。原燃料91の加熱度合いを調整する
ために、予熱器71の原燃料91に関する上流側に三方
調整弁711が設置されている。この三方調整弁711
は、脱硫器72の原燃料91の入口部に設置された原燃
料91用の温度検出器723の温度出力を基にした,図
示しない制御装置または調整器などが出力した信号によ
ってその弁開度を制御される。脱硫器72は、原燃料9
1中の硫黄分を除去する脱硫触媒層721を有して、硫
黄分が除去された精製化原燃料ガス91aを得るための
装置であり、脱硫触媒層721用の温度検出器722を
有している。
【0005】予熱器73は、改質ガス7bを加熱源とし
て、水蒸気92が添加された精製化原燃料ガス91aを
加熱するための装置である。精製化原燃料ガス91aの
加熱度合いを調整するために、精製化原燃料ガス91a
の通流路に関して予熱器73と並列に、二方調整弁73
1が設置されている。この二方調整弁731は、改質器
74の精製化原燃料ガス91aの入口部に設置された図
示しない温度検出器の温度出力を基にして,三方調整弁
711と同様に制御装置または調整器などが出力した信
号によってその弁開度を制御される。改質器74は、水
蒸気92が添加された精製化原燃料ガス91aを水素リ
ッチな改質ガス7bに改質する図示を省略した改質触媒
が収納された改質管741と、改質管741,したがっ
て改質触媒を加熱するための高温のガスを生成するバー
ナ742とを有している。改質管741に収納された改
質触媒によって行われる改質反応は、周知のごとく吸熱
反応であるので、この吸熱量を補うために改質管741
は加熱される必要があり、このために設置されているの
がバーナ742である。
【0006】予熱器73の改質ガス7bに関する出口部
には、この部位の改質ガス7bの温度を検出する改質ガ
ス7b用の温度検出器732が設置されている。改質ガ
ス冷却器75は、冷却用媒体93を用いて、CO変成器
76の入口部の改質ガス7bの温度をほぼ一定値に保持
するために設置されている。なおその温度値は、CO変
成器76に用いられている図示しない変成触媒によって
異なる値となるが、例えば、360〔℃〕程度である。
冷却用媒体93としては、その温度・流量が適切である
ならば、燃料電池発電装置9が持つ適宜の流体を使用す
ることができる。改質ガス冷却器75による改質ガス7
bの冷却度合いを調整するために、冷却水93に関する
上流側に三方調整弁751が設置されている。この三方
調整弁751は、CO変成器76の改質ガス7bの入口
部に設置された図示しない温度検出器の温度出力を基に
して,三方調整弁711と同様に制御装置または調整器
など出力した信号によってその弁開度を制御される。
【0007】CO変成器76は、一酸化炭素(CO)を
二酸化炭素に変成する変成触媒層を有して、改質ガス7
bに含まれるCOを除去して燃料ガス7aを得るための
装置である。CO変成器76の燃料ガス7aの出口部に
は、この部位の燃料ガス7aの温度を検出する燃料ガス
7a用の温度検出器761が設置されている。予熱器7
7は、予熱器77に流入する燃料ガス7aを加熱源とし
て、燃料ガス気水分離器79を通過した燃料ガス7aを
加熱するための装置である。前記のごとく精製化原燃料
ガス91aを改質ガス7bに改質するために水蒸気92
が添加されるが、このために燃料ガス7a中には水蒸気
が過剰に存在している。この過剰な水蒸気を除去するた
めの装置が燃料ガス凝縮器78であり、冷却水94によ
って燃料ガス7aを冷却することで、過剰な水蒸気を凝
縮させて液化する。燃料ガス気水分離器79は、凝縮水
を含む燃料ガス7aから凝縮水を除去するための装置で
ある。凝縮水を除去された燃料ガス7aは予熱器77で
加熱された後、遮断弁83を介して燃料電池8に供給さ
れる。
【0008】燃料電池発電装置9の起動時に行われる必
要のある燃料供給系統7の昇温操作においては、燃料供
給系統7は、原燃料91,水蒸気92の供給経路のそれ
ぞれに設置された遮断弁712,733と、遮断弁83
とを閉弁することで、他の機器類から切り離された状態
にされる。この状態において、燃料供給系統7とブロア
5を主体とする不活性ガス循環系統には、図示しない窒
素ガス供給源から窒素ガス5aが供給され、この窒素ガ
ス5aはその供給管路を封止されることで燃料供給系統
7と不活性ガス循環系統内に封入される。ブロア5とし
ては、燃料電池発電装置9の製造原価を低減するため
に、低温仕様のものが採用されるのが一般である。不活
性ガス循環系統は、この事例の場合には、遮断弁712
と三方調整弁711との中間点と,燃料ガス気水分離器
79との間を接続し,ブロア5を介挿した循環路51
と、窒素ガス5aに関してブロア5の下流部と,水蒸気
92の合流点と予熱器73との中間点との間を接続する
循環分岐路52とを備えている。この事例の燃料供給系
統7では、精製化原燃料ガス91aの通流路に関する水
蒸気92の合流点の上流側と下流側とで,燃料電池発電
装置9の発電運転時の流体流量が異なり、下流側の方が
多量であるので、上流側の配管の口径や機器類の容積を
下流側よりも小さく設定されている。循環分岐路52を
備えた理由はこのことに対応するためである。水蒸気9
2の合流点の上流側の配管の口径や機器類の容積を、下
流側と同様の口径や容積とした事例も知られており、こ
の場合には循環分岐路52の設置を省いた事例も知られ
ている。
【0009】燃料供給系統7と不活性ガス供給系統とに
封入された窒素ガス5aは、ブロア5によって燃料供給
系統7と不活性ガス供給系統内を循環する。その際に窒
素ガス5aは、燃料電池発電装置9の発電運転時におけ
る、原燃料91,精製化原燃料ガス91a,改質ガス7
bおよび燃料ガス7aが通流する順序にほぼ従って、燃
料供給系統7内を通流する。そうして、窒素ガス5a
は、改質器74が有している改質管741内を通流する
際に、バーナ742により生成された高温のガスによっ
て加熱されて高温化される。この高温となった窒素ガス
5aが燃料供給系統7の主要部を循環することによっ
て、燃料供給系統7を構成する機器,配管類は順次昇温
していくこととなる。すなわち、高温の窒素ガス5aは
改質器74から流出し、予熱器73と改質ガス冷却器7
5とを順次通流した後、CO変成器76に導入され、C
O変成器76を構成している図示しない金属製の容器と
この容器内に充填されている変成触媒を加熱する。な
お、改質ガス冷却器75に用いられる冷却用媒体93
は、昇温操作の初期においては、改質ガス冷却器75に
通流する窒素ガス5aの温度が低いため、三方調整弁7
51によって全量が改質ガス冷却器75をバイパスされ
る。CO変成器76から流出した窒素ガス5aは、その
後に予熱器71に導入され、予熱器71の原燃料91の
通流路内を通流するまだ低温の窒素ガス5aを加熱す
る。
【0010】これにより加熱された窒素ガス5aは、予
熱器71の原燃料91の通流路内を通流して脱硫器72
に導入され、脱硫器72を構成している図示しない金属
製の容器,脱硫触媒層721に充填されている脱硫触媒
を加熱する。脱硫器72から流出した窒素ガス5aの全
量は、全開状態に設定されている二方調整弁731中を
通流し、予熱器73に対してはバイパスされる。これ
は、改質器74から流出した直後のまだ高温の窒素ガス
5aの持つ熱量が、加熱脱硫器72から流出して低温と
なった窒素ガス5aによって奪われるのを回避するため
である。予熱器71の燃料ガス7aの通流路から流出し
たまだ高温の窒素ガス5aは、燃料ガス凝縮器78を通
流する際に冷却されて低温状態となり、この低温の窒素
ガス5aがブロア5に還流されることになるのである。
なお、ブロア5を含む窒素ガス5aの循環路51,循環
分岐路52は、燃料電池発電装置9の昇温が完了する
と、燃料供給系統7との接続部に設置された図示しない
遮断弁を閉弁することで、燃料供給系統7から切り離さ
れることになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術によ
る燃料電池発電装置、例えば、燃料電池発電装置9は、
前述した昇温方法によってその運転開始に当たり、改質
器74で生成される高温のガスを利用して燃料供給系統
7の昇温を行うことができている。しかし、この昇温方
法には次記する問題点が見出されている。すなわち、改
質器74で加熱された窒素ガス5aが持つ熱量は、CO
変成器76と脱硫器72に対して熱的にシリースに与え
られているために、先ずCO変成器76が加熱され、そ
の次に脱硫器72が加熱される順序になっている。した
がって、燃料供給系統7の昇温完了までの時間は、脱硫
器72の昇温に要する時間によって決められている。
【0012】また、燃料電池発電装置9の運転が停止さ
れてから短い時間(例えば、1〜3日程度.)の後に運
転を再開する場合には、CO変成器76と脱硫器72
は、発電運転時の温度よりも低下してはいるが、まだ高
温状態を保っている。しかし、熱容量の小さい予熱器7
1などの熱交換器や配管類の温度はすでに常温レベルに
まで低下している。この状態で窒素ガス5aを循環させ
ると、改質器74で加熱された窒素ガス5aが持つ熱量
は、先ずこれら熱交換器,配管類の昇温に消費されてし
まうので、CO変成器76,脱硫器72には高温の窒素
ガス5aが導入されないことになる。このために、運転
再開時の場合には、CO変成器76,脱硫器72の温度
は、時間の経過に対していったん低下し、その後に徐々
に上昇を始めることになる。すなわち、脱硫器72の温
度上昇の遅れが一層助長されることになるのである。
【0013】図7はこのような事例の場合の昇温状態を
示している。ここで図7は、図6に示した燃料電池発電
装置の運転再開時における脱硫触媒層の昇温経過を示す
グラフである。図7を参照すると、燃料電池発電装置9
の昇温操作は時刻t0 で開始され、昇温操作の開始後、
脱硫器72の脱硫触媒層721の温度は、前記の理由に
よりいったん低下している。その後、改質器74の昇
温、CO変成器76の昇温により、CO変成器76の燃
料ガス7aに関する出口部における窒素ガス5aの温度
が上昇するのに伴って、脱硫触媒層721の温度はよう
やく上昇に転じている。したがって、燃料電池発電装置
9における昇温の完了時刻は、時刻t9 まで要すること
になり、長い昇温時間を要しているのである。
【0014】この発明は、前述の従来技術の問題点に鑑
みなされたものであり、その目的は、運転開始時の昇温
時間を短縮することが可能な燃料電池発電装置の昇温方
法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明では前述の目的
は、 1)炭化水素系の原燃料を基にして生成された水素リッ
チな燃料ガスを供給する燃料ガス供給系統と、酸化剤ガ
スを供給する酸化剤供給系統と、前記の燃料ガスおよび
酸化剤ガスを反応ガスとして用いて電気化学的に発電を
行う燃料電池と、燃料電池発電装置の起動時に熱媒とし
て用いる不活性ガスを燃料ガス供給系統に循環させる循
環用装置とを備え、燃料ガス供給系統は、原燃料中の硫
黄分を除去して精製化原燃料ガスを得る脱硫器と、精製
化原燃料ガスを水素リッチな改質ガスに改質する改質触
媒が収納された改質管と,改質管を加熱するための高温
のガスを生成するバーナとを持つ改質器と、改質ガスに
含まれるCOを除去して燃料ガスを得るCO変成器と、
燃料ガスを加熱源として原燃料を加熱する原燃料用の予
熱器とを有してなる燃料電池発電装置の、前記のバーナ
で生成される高温のガスによって改質管内で加熱された
不活性ガスを用いて行うその起動時の昇温方法であっ
て、改質管内において加熱された不活性ガスを、燃料電
池発電装置の起動開始時においては、異なる通流路によ
ってCO変成器と原燃料用の予熱器とに通流させ、起動
の途中から、CO変成器を経由して原燃料用の予熱器に
通流させてなる昇温方法とすること、により達成され
る。
【0016】そうして、起動開始時に、改質器において
加熱された不活性ガスは、互いに異なる通流路を介して
CO変成器と原燃料用の予熱器とに通流させることで、
CO変成器の昇温と、原燃料用の予熱器を介する脱硫器
の昇温とが互いに独立して行われることになる。これに
より、シリースに行われていた従来の昇温操作に対し
て、その昇温時間が短縮される。また、 2)前記1項に記載の方法において、燃料電池発電装置
が備える燃料ガス供給系統は、改質ガスを加熱源として
精製化原燃料ガスを加熱する精製化原燃料ガス用の予熱
器と、原燃料用の予熱器によって加熱された原燃料の温
度を検出する原燃料用の温度検出器と、脱硫器が持つ脱
硫触媒層の温度を検出する脱硫触媒層用の温度検出器
と、精製化原燃料ガス用の予熱器を通過した直後の改質
ガスの温度を検出する改質ガス用の温度検出器と、CO
変成器の出口部における燃料ガスの温度を検出する燃料
ガス用の温度検出器と、CO変成器と原燃料用の予熱器
との間の燃料ガスの通流路に介挿される燃料ガス用の遮
断弁と、精製化原燃料ガス用の予熱器とCO変成器との
間の改質ガスの通流路と,燃料ガス用の遮断弁と原燃料
用の予熱器との間の燃料ガスの通流路とを接続する第1
のバイパス路と、第1のバイパス路に介挿された第1の
遮断弁と、CO変成器と燃料ガス用の遮断弁との間の燃
料ガスの通流路と,原燃料用の予熱器と燃料電池との間
の燃料ガスの通流路とを接続する第2のバイパス路と、
第2のバイパス路に介挿された第2の遮断弁とを有し、
燃料ガス用の遮断弁は閉弁状態とし,第1および第2の
遮断弁は開弁状態として昇温を開始し、燃料ガス用の温
度検出器により得られる温度値が原燃料用の温度検出器
および脱硫触媒層用の温度検出器により得られる温度値
よりも高温となった時点で,燃料ガス用の遮断弁を開弁
状態に,第1および第2の遮断弁を閉弁状態に切り換え
て昇温を続行する昇温方法とすること、により達成され
る。
【0017】そうして、起動開始時においては、燃料ガ
ス用の遮断弁を閉弁状態とし,第1および第2の遮断弁
を開弁状態とすることで、改質器で加熱された不活性ガ
スは改質器以降を、改質器→第1のバイパス路→原燃料
用の予熱器→不活性ガスの循環用装置の経路と、改質器
→CO変成器→第2のバイパス路→不活性ガスの循環用
装置の経路との、その主要部が改質器で加熱された不活
性ガスに関して互いに並列に配置された異なる経路で通
流されることになる。なお、改質器で加熱された不活性
ガスが原燃料用の予熱器を通流することで、原燃料用の
予熱器の原燃料の通流路内を通流するまだ低温の不活性
ガスを加熱する。これにより加熱された不活性ガスは、
原燃料の通流路内を通流して脱硫器に導入されて脱硫器
加熱するが、このことについては従来技術の場合と同様
である。
【0018】燃料ガス用の温度検出器により得られる温
度値が、原燃料用の温度検出器および脱硫触媒層用の温
度検出器により得られる温度値よりも高温となること
は、CO変成器などを通流後の不活性ガスを原燃料用の
予熱器に通流させても、原燃料用の予熱器の原燃料の通
流路内を通流するまだ低温の不活性ガスの加熱に有効で
あることになるので、この時点で、改質器で加熱された
不活性ガスの全量を、その循環経路を従来技術の場合と
同様な経路に切り換えて燃料ガス供給系統内を通流させ
るのである。また、 3)前記1項または2項に記載の方法において、燃料電
池発電装置が備える燃料ガス供給系統は、第1の遮断弁
に代えて,原燃料用の温度検出器により得られる温度値
が予め定められた目標値となるように弁開度を調整され
る調整弁を有し、燃料ガス用の遮断弁は閉弁状態とし,
第2の遮断弁は開弁状態とし,原燃料用の温度検出器に
より得られる温度値が前記の目標値となるように調整弁
の弁開度を制御することでその昇温を開始する昇温方法
とすること、により達成される。
【0019】そうして、原燃料用の温度検出器が設置さ
れている部位に通流される不活性ガスの温度が低温であ
る場合には、調整弁,すなわち,第1のバイパス路を通
流する加熱された不活性ガスの流量は増大される。これ
により、前記の部位の不活性ガスの温度が低温であるほ
ど、加熱された不活性ガスにより原燃料用の予熱器に与
えられる加熱量が増大され、脱硫器の昇温時間を短縮す
ることが可能となる。さらにまた、 4)前記1項から3項までのいずれかに記載の方法にお
いて、燃料電池発電装置は、原燃料用の予熱器よりも上
流側の原燃料の通流路と循環用装置との間の不活性ガス
の循環路に設置されて高温の流体を熱源として不活性ガ
スを加熱する不活性ガス用の予熱器を有し、第1の遮断
弁および燃料ガス用の遮断弁は閉弁状態とし,第2の遮
断弁は開弁状態として昇温を開始し、改質ガス用の温度
検出器により得られる温度値が原燃料用の温度検出器お
よび脱硫触媒層用の温度検出器により得られる温度値よ
りも高温となった時点においては、第1の遮断弁を閉弁
状態から開弁状態に切り換えて昇温を続行する昇温方法
とすること、により達成される。
【0020】そうして、不活性ガス循環系統に使用され
る循環用装置が低温仕様のものである場合には、改質器
で加熱された不活性ガスは、循環用装置に戻る前に低温
仕様の循環用装置に支障を与えることがない温度にまで
低下させる必要があることを前述した。低温仕様の循環
用装置が採用された燃料電池発電装置では、不活性ガス
を改質器で加熱していても、循環用装置から燃料ガス供
給系統に供給される不活性ガスの温度は、常にほぼ一定
値を持つ低温であることになる。このことが、燃料電池
発電装置の昇温時間の短縮を阻害している場合にも有効
な昇温方法が、この4項に記載の方法である。すなわ
ち、循環用装置から燃料ガス供給系統に供給される不活
性ガスは、まず不活性ガス用の予熱器に導入されて高温
の流体によって加熱されることになるが、それ以降の燃
料ガス供給系統の通流経路は、前記の2項または3項の
場合と同様である。これによって、温度が上昇された不
活性ガスが不活性ガス用の予熱器以降の燃料ガス供給系
統に供給されるので、例えば、低温仕様の循環用装置が
採用された燃料電池発電装置であっても、昇温時間の短
縮が可能となるのである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明におい
て、図6に示した従来例の燃料電池発電装置と同一部分
には同じ符号を付し、その説明を省略する。また、以後
の説明に用いる図中には、図6で付した符号について
は、代表的な符号のみを記した。
【0022】実施例1;図1は、請求項1,2に対応す
るこの発明の一実施例による燃料電池発電装置の主要部
を示すその構成図であり、燃料電池発電装置の起動時の
説明に必要な機器類を主体に示している。図1におい
て、1は、図6に示した従来例による燃料電池発電装置
9に対して、燃料供給系統7に替えて燃料供給系統2を
用いるようにした燃料電池発電装置である。燃料供給系
統2は、従来例に燃料供給系統7に対して、燃料ガス用
の遮断弁21と、第1のバイパス路22と、第1のバイ
パス路22に介挿された第1の遮断弁23と、第2のバ
イパス路24と、第2のバイパス路24に介挿された第
2の遮断弁25とを追加して備えている。第1のバイパ
ス路22は、精製化原燃料ガス用の予熱器73と改質ガ
ス冷却器75との間の改質ガス7bの通流路と、遮断弁
21と原燃料用の予熱器71との間の燃料ガス7aの通
流路とを接続する。第2のバイパス路24は、CO変成
器76と遮断弁21との間の燃料ガス7aの通流路と、
予熱器71と燃料ガス用の予熱器77との間の燃料ガス
7aの通流路とを接続する。第1のバイパス路22と第
2のバイパス路24とに分配される窒素ガス5aの配分
比率を調整するために、バイパス路22またはバイパス
路24に、いずれも図示しないオリフィス,絞り弁など
を設置してもよい。
【0023】前記の構成を持つこの発明になる燃料電池
発電装置1の起動時に行われる燃料供給系統2の昇温操
作は、次記する点が、従来例の燃料電池発電装置9の場
合と異なっている。すなわち、燃料電池発電装置1にお
いては、先ず、遮断弁21を閉弁された状態とし、か
つ、遮断弁23,25を開弁された状態として昇温操作
が開始される。そうして、温度検出器761により得ら
れる温度値が、温度検出器723および温度検出器72
2により得られる温度値よりも高温となった時点で、遮
断弁21を開弁された状態に、遮断弁23,25を閉弁
された状態にそれぞれ切り換えて、改質器74で加熱さ
れた窒素ガス5aの循環経路を従来例の燃料電池発電装
置9の場合と同等したうえで、昇温操作が続行される。
【0024】燃料電池発電装置1の起動開始時において
は、前記の昇温操作することで、前述の課題を解決する
ための手段の項で説明したように、窒素ガス5aの改質
器74以降の経路は、改質器74→第1のバイパス路2
2→予熱器71→ブロア5の経路と、改質器74→CO
変成器76→第2のバイパス路24→ブロア5の経路と
の、その主要部が改質器74で加熱された窒素ガス5a
に関して互いに並列に配置された異なる経路で通流され
ることになる。したがって、予熱器71を経由しての脱
硫器72の加熱と、CO変成器76の加熱とが同時に平
行して進行されることになる。また、CO変成器76な
どを通流して温度が低下した窒素ガス5aが、予熱器7
1に通流することがないので、このことからも脱硫器7
2の加熱が促進されることになる。したがって、燃料電
池発電装置1では、従来例の燃料電池発電装置9の場合
よりも、運転開始時における昇温時間が短縮されること
になるのである。
【0025】燃料電池発電装置1において、運転の再開
を行なった場合の脱硫触媒層721の昇温状態に関し
て、図2を用いて説明する。ここで、図2は、図1に示
した燃料電池発電装置の運転再開時における脱硫触媒層
の昇温経過を示すグラフである。図2を参照すると、燃
料電池発電装置1の昇温操作は時刻t0 で開始され、昇
温操作の開始後、脱硫器72の脱硫触媒層721の温度
は、バイパス路22などの温度が常温レベルにまで低下
しているので、いったん低下はする。しかし、バイパス
路22などは、その熱容量が小さいので、改質器74で
加熱された窒素ガス5aによって加熱されて、短時間の
後にその温度を回復する。このために、従来例の場合の
図7と比較すると、図2では脱硫触媒層721の温度の
低下度が小さく、かつ、短時間で上昇に転じている。そ
うして、時刻t11で遮断弁21を開弁状態に,遮断弁2
3,25を閉弁状態にそれぞれ切り換える操作が行われ
ている。時刻t11以降は従来例の場合と同様に、改質器
74で加熱された窒素ガス5aの全量が予熱器71に導
入され、図7の場合のt7 よりも短い経過時間の後に、
時刻t12において、燃料電池発電装置1の昇温を完了す
ることができている。
【0026】実施例2;図3は、請求項1〜3に対応す
るこの発明の一実施例による燃料電池発電装置の主要部
を示すその構成図であり、燃料電池発電装置の起動時の
説明に必要な機器類を主体に示している。図3におい
て、図1に示した請求項1,2に対応するこの発明の一
実施例による燃料電池発電装置と同一部分には同じ符号
を付し、その説明を省略する。図3において、1Aは、
図1に示したこの発明による燃料電池発電装置1に対し
て、燃料供給系統2に替えて燃料供給系統3を用いるよ
うにした燃料電池発電装置である。燃料供給系統3は、
燃料供給系統2に対して第1の遮断弁23に替えて、温
度検出器723により得られる温度値が予め定められた
目標値となるように弁開度を調整される,調整弁31を
用いるようにしている。なお、前記の予め定められた目
標値は、脱硫器72の脱硫触媒層721に充填されてい
る脱硫触媒の種類によって異なる値となるが、例えば、
390〔℃〕程度である。したがって、温度検出器72
3に対応する操作端は、燃料電池発電装置1Aの場合に
は、昇温操作時には調整弁31であり、発電運転時には
三方調整弁711である。制御の際の干渉の発生を避け
るためには、昇温操作時と発電運転時とに対応して、温
度検出器723に対応する操作端を切り換えるようにす
ることが好ましいことになる。
【0027】前記の構成を持つ燃料電池発電装置1Aの
起動時に行われる燃料供給系統3の昇温操作は、次記す
る点が、この発明になる燃料電池発電装置1の場合と異
なっている。すなわち、燃料電池発電装置1Aにおいて
は、先ず、遮断弁21を閉弁状態とし、かつ、遮断弁2
3を開弁状態として昇温操作が開始される。その際、全
体が常温状態での運転開始であるか、または、再開運転
であるかなどによって温度検出器723が設置されてい
る部位に通流する窒素ガス5aの温度が異なるので、調
整弁31の弁開度は異なることになる。しかしながら、
一般に低温であることが多い昇温操作の開始時には、調
整弁31の弁開度は増大されることになるので、第1の
バイパス路22に通流する改質器74で加熱された窒素
ガス5aの流量が、前述の実施例1の場合よりも増大さ
れる。これにより、脱硫器72の昇温時間を、実施例1
の場合よりも短縮することが可能となるのである。
【0028】なお、温度検出器723により得られる温
度値が予め定められた目標値に到達した場合には、調整
弁31の弁開度が大幅に絞られるように設定すること
で、脱硫器72とCO変成器76の昇温時間をほぼ同等
にすることも可能となる。そうして、温度検出器761
により得られる温度値が、温度検出器723および温度
検出器722により得られる温度値よりも高温となった
時点で、遮断弁21を開弁された状態に、遮断弁23を
閉弁された状態にそれぞれ切り換え、調整弁31は全閉
状態とされて、改質器74で加熱された窒素ガス5aの
循環経路を従来例の燃料電池発電装置9の場合と同等に
したうえで、昇温操作が続行される。このことは、燃料
電池発電装置1の場合と同一である。
【0029】実施例3;図4は、請求項1〜4に対応す
るこの発明の一実施例による燃料電池発電装置の主要部
を示すその構成図であり、燃料電池発電装置の起動時の
説明に必要な機器類を主体に示している。図4におい
て、図1に示した請求項1,2に対応するこの発明の一
実施例による燃料電池発電装置と同一部分には同じ符号
を付し、その説明を省略する。図4において、1Bは、
図1に示したこの発明による燃料電池発電装置1に対し
て、不活性ガス用の予熱器4を追加して備えるようにし
た燃料電池発電装置である。不活性ガス用の予熱器4
は、ブロア5から流出された低温の窒素ガス5aを、高
温の流体95を熱源として加熱する装置であり、原燃料
用の予熱器71と遮断弁712の中間の原燃料91の通
流路と、ブロア5との間の循環路51に設置される。高
温の流体95としては、その温度・流量が適切であるな
らば、燃料電池発電装置1Bが持つ適宜の流体を使用す
ることができる。そうして、燃料電池発電装置1Bの場
合には、燃料供給系統2は、第1の遮断弁23は温度検
出器732の温度出力を基にした,図示しない制御装置
または調整器などが出力した信号によってその弁開度を
制御される。
【0030】前記の構成を持つ燃料電池発電装置1Bの
起動時に行われる燃料供給系統2の昇温操作は、次記す
る点が、この発明になる燃料電池発電装置1の場合と異
なっている。すなわち、燃料電池発電装置1Bにおいて
は、燃料供給系統2は、先ず、遮断弁21と遮断弁23
を閉弁状態とし、かつ、遮断弁25を開弁状態として昇
温操作が開始される。その際、燃料供給系統2には、前
記したように、予熱器4により加熱された窒素ガス5a
が導入されることになる。そうして、温度検出器732
により得られる温度値が、温度検出器723および温度
検出器722により得られる温度値よりも高温となった
時点で、遮断弁23を開弁された状態に切り換え、改質
器74で加熱された窒素ガス5aの循環経路を、この発
明による燃料電池発電装置1における昇温操作の開始時
点の状態と同一にされて昇温操作が続行される。
【0031】昇温開始時の昇温操作を前記のようにする
のは、燃料電池発電装置1Bでは燃料供給系統2に導入
される窒素ガス5aが予熱器4により加熱されているの
で、料供給系統2に導入される窒素ガス5aの温度は、
改質器74で加熱された窒素ガス5aが持つ,昇温開始
直後のまだ低温の燃料供給系統2の管路などを通流した
後の温度よりも高温である場合が、十分に有り得るため
である。このようにすることで、予熱器4で加熱された
高温の窒素ガス5aは、高温状態を維持して脱硫器72
に導入され、脱硫器72を構成している金属製の容器,
脱硫触媒層721に充填されている脱硫触媒を急速に加
熱する。この場合の脱硫器72の到達温度は、流体95
が持つ温度に依存する。
【0032】温度検出器732により得られる温度値
が、温度検出器723および温度検出器722により得
られる温度値よりも高温になったことは、改質器74で
加熱された窒素ガス5aを予熱器71に導入すること
で、脱硫器72に導入される窒素ガス5aをより高温に
することができることを意味する。このために、この温
度条件においては、改質器74で加熱された窒素ガス5
aの一部を、第1のバイパス路22を介して予熱器71
に導入するのである。なお、温度検出器761により得
られる温度値が、温度検出器723および温度検出器7
22により得られる温度値よりも高温となった時点で、
遮断弁21を開弁された状態に、遮断弁22,23を閉
弁された状態にそれぞれ切り換え、改質器74で加熱さ
れた窒素ガス5aの循環経路を従来例の燃料電池発電装
置9の場合と同等にしたうえで、昇温操作が続行される
ことは、燃料電池発電装置1の場合と同一である。
【0033】燃料電池発電装置1Bにおいて、運転の再
開を行なった場合の脱硫触媒層721の昇温状態に関し
て、図5を用いて説明する。ここで、図5は、図4に示
した燃料電池発電装置の運転再開時における脱硫触媒層
の昇温経過を示すグラフである。図5を参照すると、燃
料電池発電装置1Bの昇温操作は時刻t0 で開始され、
昇温操作の開始後、予熱器4で加熱された高温の窒素ガ
ス5aが脱硫器72に導入されるので、脱硫器72の脱
硫触媒層721の温度は、従来例や実施例1の場合のよ
うにいったん低下する現象は現れない。むしろ、流体9
5の温度に対応した温度レベルにまで急速に上昇する。
そうして、時刻t31で遮断弁22を、閉弁状態から開弁
状態に切り換える操作が行われて(この結果、遮断弁2
2,24が共に開弁状態にあり、遮断弁21は閉弁状態
にある。)、改質器74で加熱された窒素ガス5aの一
部を予熱器71に導入して、脱硫触媒層721の昇温を
加速する。さらに、時刻t32で遮断弁21を開弁状態
に,遮断弁23,25を閉弁状態にそれぞれ切り換える
操作が行われて、以降は実施例1や従来例の場合と同様
に、改質器74で加熱された窒素ガス5aの全量を予熱
器71に導入し、図2の場合のt12よりもさらに短い経
過時間の後に、時刻t33において、燃料電池発電装置1
Bの昇温を完了することができている。
【0034】実施例3における今までの説明では、燃料
電池発電装置1Bは燃料供給系統2を備えるとしてきた
が、これに限定されるものではなく、例えば、燃料供給
系統3を備える場合であってもよいものである。実施例
1〜3における今までの説明では、燃料電池発電装置1
〜1Bが備える窒素ガス5aの循環系統は循環分岐路5
2を備えるとしてきたが、これに限定されるものではな
く、従来の技術の項で述べたように燃料供給系統の構成
によっては、循環分岐路52をかならずしも備える必要
は無く、その場合であってもこの発明による作用・効果
は有効に発揮されるものである。
【0035】また、実施例1〜3における今までの説明
では、燃料電池発電装置1〜1Bが備える燃料供給系統
2〜4は1台のみのCO変成器76を備えるとしてきた
が、これに限定されるものではなく、例えば、燃料ガス
7a中のCOの濃度を一層低減させるために燃料供給系
統が備えるCO変成器の台数は複数としてもよいもので
ある。この場合には、第1のバイパス路22は、改質ガ
ス7aに関して最も上流にあるCO変成器の、改質ガス
7aの入口部から分岐されることがよい。なお、CO変
成器を複数台数備える場合には、それぞれのCO変成器
に充填される変成触媒の種類を異ならせることが、燃料
ガス7a中のCOの濃度を低減するうえで有効なもので
ある。その場合には、変成触媒の種類が異なることで、
それぞれのCO変成器の最適動作温度も異なってくるこ
とが有り得るが、その場合であってもこの発明による作
用・効果は有効に発揮されるものである。
【0036】
【発明の効果】この発明においては、前記の課題を解決
するための手段の項で述べた方法とすることにより、次
記する効果を奏する。 課題を解決するための手段の項の第1項,第2項によ
る方法とすることにより、CO変成器と、脱硫器との昇
温が互いに独立して行われることになり熱的にシリース
に行われていた従来の昇温操作に対して、その昇温時間
を短縮することが可能となる。また、 課題を解決するための手段の項の第1項〜第3項によ
る方法とすることにより、原燃料用の温度検出器が設置
されている部位に通流される不活性ガスの温度が低温で
ある場合には、第1のバイパス路を通流する加熱された
不活性ガスの流量が増大されることで、前記の項によ
る場合よりもさらに昇温時間を短縮することが可能とな
る。さらにまた、 課題を解決するための手段の項の第1項〜第4項によ
る方法とすることにより、燃料ガス供給系統に導入され
る不活性ガスは、不活性ガス用の予熱器によって加熱さ
れているので、窒素ガス循環系統に使用される循環用装
置が低温仕様のものである場合であっても、前記の
項,項による効果を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1,2に対応するこの発明の一実施例に
よる燃料電池発電装置の主要部を示すその構成図
【図2】図1に示した燃料電池発電装置の運転再開時に
おける脱硫触媒層の昇温経過を示すグラフ
【図3】請求項1〜3に対応するこの発明の一実施例に
よる燃料電池発電装置の主要部を示すその構成図
【図4】請求項1〜4に対応するこの発明の一実施例に
よる燃料電池発電装置の主要部を示すその構成図
【図5】図4に示した燃料電池発電装置の運転再開時に
おける脱硫触媒層の昇温経過を示すグラフ
【図6】従来例の燃料電池発電装置の主要部を示すその
構成図
【図7】図6に示した燃料電池発電装置の運転再開時に
おける脱硫触媒層の昇温経過を示すグラフ
【符号の説明】
1 燃料電池発電装置 2 燃料供給系統 21 遮断弁 22 バイパス路 23 遮断弁 24 バイパス路 25 遮断弁 7a 燃料ガス 7b 改質ガス 71 予熱器 73 予熱器 75 改質ガス冷却器 76 CO変成器 77 予熱器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化水素系の原燃料を基にして生成された
    水素リッチな燃料ガスを供給する燃料ガス供給系統と、
    酸化剤ガスを供給する酸化剤供給系統と、前記の燃料ガ
    スおよび酸化剤ガスを反応ガスとして用いて電気化学的
    に発電を行う燃料電池と、燃料電池発電装置の起動時に
    熱媒として用いる不活性ガスを燃料ガス供給系統に循環
    させる循環用装置とを備え、燃料ガス供給系統は、原燃
    料中の硫黄分を除去して精製化原燃料ガスを得る脱硫器
    と、精製化原燃料ガスを水素リッチな改質ガスに改質す
    る改質触媒が収納された改質管と,改質管を加熱するた
    めの高温のガスを生成するバーナとを持つ改質器と、改
    質ガスに含まれるCOを除去して燃料ガスを得るCO変
    成器と、燃料ガスを加熱源として原燃料を加熱する原燃
    料用の予熱器とを有してなる燃料電池発電装置の、前記
    のバーナで生成される高温のガスによって改質管内で加
    熱された不活性ガスを用いて行うその起動時の昇温方法
    であって、 改質管内において加熱された不活性ガスを、燃料電池発
    電装置の起動開始時においては、異なる通流路によって
    CO変成器と原燃料用の予熱器とに通流させ、起動の途
    中から、CO変成器を経由して原燃料用の予熱器に通流
    させてなることを特徴とする燃料電池発電装置の昇温方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の燃料電池発電装置の昇温
    方法において、 燃料電池発電装置が備える燃料ガス供給系統は、改質ガ
    スを加熱源として精製化原燃料ガスを加熱する精製化原
    燃料ガス用の予熱器と、原燃料用の予熱器によって加熱
    された原燃料の温度を検出する原燃料用の温度検出器
    と、脱硫器が持つ脱硫触媒層の温度を検出する脱硫触媒
    層用の温度検出器と、精製化原燃料ガス用の予熱器を通
    過した直後の改質ガスの温度を検出する改質ガス用の温
    度検出器と、CO変成器の出口部における燃料ガスの温
    度を検出する燃料ガス用の温度検出器と、CO変成器と
    原燃料用の予熱器との間の燃料ガスの通流路に介挿され
    る燃料ガス用の遮断弁と、精製化原燃料ガス用の予熱器
    とCO変成器との間の改質ガスの通流路と,燃料ガス用
    の遮断弁と原燃料用の予熱器との間の燃料ガスの通流路
    とを接続する第1のバイパス路と、第1のバイパス路に
    介挿された第1の遮断弁と、CO変成器と燃料ガス用の
    遮断弁との間の燃料ガスの通流路と,原燃料用の予熱器
    と燃料電池との間の燃料ガスの通流路とを接続する第2
    のバイパス路と、第2のバイパス路に介挿された第2の
    遮断弁とを有し、燃料ガス用の遮断弁は閉弁状態とし,
    第1および第2の遮断弁は開弁状態として昇温を開始
    し、燃料ガス用の温度検出器により得られる温度値が原
    燃料用の温度検出器および脱硫触媒層用の温度検出器に
    より得られる温度値よりも高温となった時点で,燃料ガ
    ス用の遮断弁を開弁状態に,第1および第2の遮断弁を
    閉弁状態に切り換えて昇温を続行することを特徴とする
    燃料電池発電装置の昇温方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の燃料電池発電装
    置の昇温方法において、 燃料電池発電装置が備える燃料ガス供給系統は、第1の
    遮断弁に代えて,原燃料用の温度検出器により得られる
    温度値が予め定められた目標値となるように弁開度を調
    整される調整弁を有し、燃料ガス用の遮断弁は閉弁状態
    とし,第2の遮断弁は開弁状態とし,原燃料用の温度検
    出器により得られる温度値が前記の目標値となるように
    調整弁の弁開度を制御することでその昇温を開始するこ
    とを特徴とする燃料電池発電装置の昇温方法。
  4. 【請求項4】請求項1から3までのいずれかに記載の燃
    料電池発電装置の昇温方法において、 燃料電池発電装置は、原燃料用の予熱器よりも上流側の
    原燃料の通流路と循環用装置との間の不活性ガスの循環
    路に設置されて高温の流体を熱源として不活性ガスを加
    熱する不活性ガス用の予熱器を有し、第1の遮断弁およ
    び燃料ガス用の遮断弁は閉弁状態とし,第2の遮断弁は
    開弁状態として昇温を開始し、改質ガス用の温度検出器
    により得られる温度値が原燃料用の温度検出器および脱
    硫触媒層用の温度検出器により得られる温度値よりも高
    温となった時点においては、第1の遮断弁を閉弁状態か
    ら開弁状態に切り換えて昇温を続行することを特徴とす
    る燃料電池発電装置の昇温方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006066112A (ja) * 2004-08-25 2006-03-09 Toyota Motor Corp 燃料電池システム
JP2010155781A (ja) * 2010-04-12 2010-07-15 Panasonic Corp 水素生成装置
JP2011195391A (ja) * 2010-03-19 2011-10-06 Osaka Gas Co Ltd 水素含有ガス生成装置の起動時運転方法
JP2017077999A (ja) * 2015-10-21 2017-04-27 大阪瓦斯株式会社 水素含有ガス生成装置

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