JP5479895B2 - Dnaポリメラーゼの保存及び使用のための両性イオン洗剤 - Google Patents

Dnaポリメラーゼの保存及び使用のための両性イオン洗剤 Download PDF

Info

Publication number
JP5479895B2
JP5479895B2 JP2009521833A JP2009521833A JP5479895B2 JP 5479895 B2 JP5479895 B2 JP 5479895B2 JP 2009521833 A JP2009521833 A JP 2009521833A JP 2009521833 A JP2009521833 A JP 2009521833A JP 5479895 B2 JP5479895 B2 JP 5479895B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
surfynol
detergent
polymerase
registered trademark
zwitterionic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009521833A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009544316A5 (ja
JP2009544316A (ja
Inventor
ホーリー・エイチ・ホッグレフェ
ジェフリー・ディー・フォックス
マイケル・ボーンズ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Agilent Technologies Inc
Original Assignee
Agilent Technologies Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agilent Technologies Inc filed Critical Agilent Technologies Inc
Publication of JP2009544316A publication Critical patent/JP2009544316A/ja
Publication of JP2009544316A5 publication Critical patent/JP2009544316A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5479895B2 publication Critical patent/JP5479895B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6844Nucleic acid amplification reactions
    • C12Q1/686Polymerase chain reaction [PCR]

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Detergent Compositions (AREA)

Description

本発明は、核酸の増幅に係り、特に、DNAポリメラーゼの保存及び使用のための両性イオン洗剤に関する。
核酸の増幅は、増幅された標的核酸を生成するための核酸ポリメラーゼを含有する反応混合物の温度サイクリングを伴う。例えば、この温度サイクリングプロセスは、反応混合物をオリゴヌクレオチド変性、プライマーアニーリング、及びプライマー伸長の反応温度に曝すポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で起こる。一般的に熱安定性ポリメラーゼは、これらの温度サイクリング反応における標的核酸配列を増幅するのに使用される。
特許文献1は、非イオン性洗剤NP−40及びTweenが、Taq DNAポリメラーゼを安定化することを開示している。
特許文献2は、反応混合物を加熱するのに、電磁エネルギーを熱エネルギーに変換する色素を利用して、増幅反応を行う方法を開示している。両性イオン界面活性剤を反応混合物に添加し、色素が核酸ポリメラーゼの機能を妨げるのを緩和する。
特許文献3は、高G+Cの核酸増幅を改善するのに、塩基対合を破壊する化合物(例えばDMSO)と組合せた両性イオンの使用を開示している。
米国特許第6,127,155号 米国特許公開第2003/0017567号 米国特許公開第2002/0168658号
本発明は、ポリメラーゼ、及び両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤を含む組成物、キット及び方法を提供する。具体的には、このような組成物、キット及び方法は、PCR、QPCR、シークエンシング及び突然変異生成に有用である。本発明は、両性イオン洗剤及び非洗浄性界面活性剤が安定性を増大させ、熱安定性ポリメラーゼの活性を高めるという驚くべき発見に一部基づく。
第1の態様において、本発明は、精製ポリメラーゼ、オリゴヌクレオチドプローブ、及び両性イオン洗剤を含む反応混合物を提供する。検出用ラベルがオリゴヌクレオチドプローブと操作可能に連結する。
別の態様において、本発明は、精製ポリメラーゼ、検出用ラベル及び2つ以上の両性イオン洗剤の組合せを含む反応混合物を提供する。幾つかの実施の形態では、検出用ラベルは、オリゴヌクレオチドプローブと操作可能に連結する。
別の態様において、本発明は、精製ポリメラーゼ、標識ヌクレオチド、及び両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤を含む反応混合物に関する。
別の態様において、反応混合物は、精製ポリメラーゼ、蛍光DNA結合色素、及び両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤を含み、当該蛍光DNA結合色素が、DNAと結合すると検出シグナルを生じる。
さらに別の態様において、本発明は、精製ポリメラーゼ及び両性イオン洗剤を有する保存組成物に関する。保存組成物は、検出用ラベルを含有しない。
さらに別の態様において、本発明は、精製ポリメラーゼ及び2つ以上の両性イオン洗剤の組合せを含む保存組成物を提供する。保存組成物は、検出用ラベルを含有しない。
別の態様において、本発明は、精製ポリメラーゼ、標識ヌクレオチド、及び両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤を含む保存組成物に関する。
別の態様において、本発明は、精製ポリメラーゼ、蛍光DNA結合色素、及び両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤を含む保存組成物に関し、当該蛍光DNA結合色素が、DNAと結合すると検出シグナルを生じる。
さらに別の態様において、本発明は、ヌクレオシド−5’−トリホスフェート、プライマー、プライマー伸長が起こり得る緩衝液、ポリメラーゼ、オリゴヌクレオチドプローブ及び両性イオン洗剤を含む反応混合物に関する。この態様では、オリゴヌクレオチドプローブは検出用ラベルと操作可能に連結する。
本発明は、本発明の組成物を含有するキットにも関する。一態様では、キットはポリメラーゼ及び両性イオン洗剤を含むが、検出用ラベルを含まない。
別の態様において、キットはポリメラーゼ及び2つ以上の両性イオン洗剤を含むが、検出用ラベルを含まない。
さらに別の態様において、キットはポリメラーゼ及び両性イオン洗剤を有する保存緩衝液を含む。保存緩衝液は、検出用ラベルを含有しない。
さらに別の態様において、本発明は、ポリメラーゼ及び2つ以上の両性イオン洗剤の組合せを有する保存緩衝液を含むキットを提供する。保存緩衝液は、検出用ラベルを含有しない。
幾つかの実施の形態のキットにおいて、PCRを行うために、両性イオン洗剤が、10×ストック反応緩衝液中に含まれる。
本発明は、本発明の組成物を利用する方法にも関する。一態様では、本発明は、ポリメラーゼの効率を増大させる方法を提供する。この方法は、標的核酸をポリメラーゼ、プライマー、オリゴヌクレオチドプローブ、検出用ラベル、dNTP及び両性イオン洗剤と混合することによって反応混合物を形成することを伴う。検出用ラベルは、オリゴヌクレオチドプローブと操作可能に連結する。幾つかの実施の形態では、反応混合物を熱サイクリングにかける。
別の態様において、本発明は、ポリメラーゼの効率を増大させる方法を提供する。反応混合物が、標的核酸をポリメラーゼ、検出用ラベル、プライマー、オリゴヌクレオチドプローブ、dNTP及び2つ以上の両性イオン洗剤の組合せと混合することによって形成される。幾つかの実施の形態では、反応混合物を熱サイクリングにかける。
別の態様において、本発明は、保存組成物を調製する方法に関する。保存組成物は、最適な緩衝液中でポリメラーゼと両性イオン洗剤とを混合することによって形成される。保存緩衝液は検出用ラベルを含有しない。
さらに別の態様において、本発明は、保存組成物を調製する方法に関する。保存組成物は、最適な緩衝液中でポリメラーゼと2つ以上の両性イオン洗剤の組合せとを混合することによって形成される。保存緩衝液は検出用ラベルを含有しない。
別の態様において、本発明は、ポリメラーゼの効率を増大させる方法を提供する。この方法は、標的核酸、ポリメラーゼ、プライマー、dNTP及び両性イオン洗剤を含む反応混合物を形成することによって行われる。反応混合物は検出用ラベルを含有しない。幾つかの実施の形態では、反応混合物を熱サイクリングにかける。
さらに別の態様において、本発明は、ポリメラーゼの効率を増大させる方法に関する。この方法は、標的核酸、ポリメラーゼ、プライマー、dNTP及び2つ以上の両性イオン洗剤の組合せを含む反応混合物を形成することによって行われる。反応混合物は検出用ラベルを含有しない。幾つかの実施の形態では、反応混合物を熱サイクリングにかける。
さらに別の態様において、本発明は、標的核酸を検出する方法に関する。この方法は、ポリメラーゼ、プライマー、両性イオン洗剤、dNTP及び検出用ラベルを含む反応混合物を形成すること;反応混合物を、標的を増幅させる核酸増幅反応条件に曝すこと;並びに検出用ラベルから生じたシグナルを検出することを含む。検出用ラベルから生じたシグナルは、サンプル中の標的の存在及び/又は量の指標となる。
さらに別の態様において、本発明は、標的核酸を検出する方法に関する。この方法は、ポリメラーゼ、プライマー、両性イオン洗剤、dNTP及び相互作用するラベル対と操作可能に連結するオリゴヌクレオチドプローブを含む反応混合物を形成すること;反応混合物を、標的を増幅させる核酸増幅反応条件に曝すこと;並びに相互作用するラベル対の成員から生じたシグナルを検出することを含む。生じたシグナルは、サンプル中の標的の存在及び/又は量の指標となる。
上記態様はいずれも、両性イオン洗剤の代わりに非洗浄性界面活性剤と共に使用され得る。好適な非洗浄性界面活性剤は本明細書中に記載され、また当該技術分野で既知であり、例えば、Air ProductsのSurfynol界面活性剤シリーズ(Surfynol 104、Surfynol 420、Surfynol 440、Surfynol 465、Surfynol 485、Surfynol 504、Surfynol PSAシリーズ、Surfynol SEシリーズ、Dynol 604、Surfynol DFシリーズ、Surfynol CTシリーズ、及びSurfynol EPシリーズ、例えばSurfynol 104シリーズ(104、104A、104BC、104DPM、104E、104H、104NP、104PA、104PG50、104S)、及びSurfynol 2502)が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるわけではない。
個々の両性イオン洗剤が、PCR反応においてPfu融合DNAポリメラーゼの活性を高めることを示す図である。 両性イオン洗剤の組合せが、Pfu融合DNAポリメラーゼの活性を高めることを示す図である。 両性イオン洗剤の組合せが、Pfu融合DNAポリメラーゼの活性を高めることをさらに示す図である。 両性イオン洗剤が、Pfu DNAポリメラーゼの保存安定性を高めることを示す図である。 個々の両性イオン洗剤が、Pfu DNAポリメラーゼの活性を高めることを示す図である。 両性イオン洗剤が、加速安定性試験においてPfu融合DNAポリメラーゼを安定化することを示す図である。 両性イオン洗剤が、Pfu融合DNAポリメラーゼによるQPCR増幅を高めることを示す図である。 両性イオン洗剤が、Pfu融合DNAポリメラーゼによるQPCR増幅を高めることをさらに示す図である。 Surfynol 465が、Pfu DNAポリメラーゼの活性を高めることを示す図である。
本発明は、ポリメラーゼ及び両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤を含む組成物、キット及び方法を提供する。このような組成物及び方法は、熱サイクリング反応(例えばPCR)におけるDNAポリメラーゼの保存及び使用に有用である。本発明は、両性イオン洗剤及び非洗浄性界面活性剤が安定性を増大させ、熱安定性DNAポリメラーゼの活性を高めるという驚くべき発見に少なくとも一部基づく。例えば、PCR増幅反応が、1つ又は複数の両性イオン洗剤(例えば、CHAPS、CHAPSO、Anzergent 3−10、及びAnzergent 3−12)又は非洗浄性界面活性剤(例えば、Surfynol 465)を含有する緩衝液中で行われると、産物収量が劇的に高くなる。同様に、両性イオン洗剤及び非洗浄性界面活性剤によって増幅効率が高くなれば、全蛍光が高くなり、二本鎖DNAの形成をモニタリングする、熱安定性DNAポリメラーゼ及びSYBRグリーンを利用するQPCR反応においてCt値になるのが早くなる。
両性イオン洗剤及び非洗浄性界面活性剤
一態様において、本発明は、ポリメラーゼ及び両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤を有する保存組成物及び反応組成物に関する。一般的に、反応混合物は、核酸合成反応を行うのに必要な成分を全て含む。保存混合物は、核酸合成反応を行うのに必要な成分を全て含んでも、又は含んでいなくてもよい。
ポリメラーゼは、両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤を含む保存緩衝液中で保存し得る。本明細書中の以下で記載される本発明のポリメラーゼは、商業的に入手しても、又は当業者に既知の方法で生成してもよい。保存緩衝液及び反応緩衝液は、用いられる両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤をそれぞれ約0.001%〜5%(体積/体積)含んでいてもよい。
本明細書で使用されるように、「両性イオン洗剤」は、両性イオン性を示す(例えば、正味電荷を保持せず、伝導度及び電気泳動移動度を失い、イオン交換樹脂と結合せず、タンパク質間相互作用を破壊する)洗剤を表し、CHAPS及びZwittergent(登録商標)(Calbiochem, San Diego, CA)及びAnzergent(登録商標)(Anatrace, Inc.; Maumee, OH)という商品名で販売されるスルホベタインが挙げられるが、これらに限定されない。特に好適な洗剤は当該技術分野で既知であり、以下に記載される。
概して、両性イオン洗剤は一般式:

を有し得る。
本発明の実施に際して使用される両性イオン洗剤としては、化学名:n−テトラデシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネート、n−オクチル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネート、n−デシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネート、及びn−ドデシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネートを有する、商品名:Zwittergent(登録商標)及びAnzergent(登録商標)で販売されているものが挙げられる。本発明の洗剤は、例えば、商品名:Anzergent 3−14、分析グレード;Anzergent 3−8、分析グレード;Anzergent 3−10、分析グレード;Anzergent 3−12、分析グレード(又はそれぞれ、zwittergent 3−8、zwittergent 3−10、zwittergent 3−12及びzwittergent 3−14)、CHAPS、CHAPSO、Apo10及びApo12で購入することができる。
本発明を実施するのに好ましい両性イオン洗剤としては、CHAPS、CHAPSO、Anzergent 3−10及びAnzergent 3−12が挙げられる。
本明細書で使用されるように、「非洗浄性界面活性剤」は、表面張力を低下させ、表面を浸潤させるのを助けるが、清浄力(洗浄力)を有しない組成物を表す。「洗剤」は、洗剤分子の比較的小さい親水性頭部基を親水性溶媒(通常、水)に向かって、及び疎水性尾部(直鎖アルキル若しくは環式及び/又は多環式のいずれかの多くの炭素間結合)を疎水性ミセル内部に向かって配向させることによって形成されたミセル内部に汚れ及び油を閉じ込めることによって清浄力を保持する。これに対して、非洗浄性界面活性剤は、比較的小さい疎水性頭部、及び2つの長い親水性エチレンオキシド尾部を有する分子である。非洗浄性界面活性剤は、より表面張力が低く、ミセル形成及び洗浄することができない。
本発明の実施に際して使用される非洗浄性界面活性剤としては、商品名:Surfynol 104、Surfynol 420、Surfynol 440、Surfynol 465、Surfynol 485、Surfynol 504、Surfynol PSAシリーズ、Surfynol SEシリーズ、Dynol 604、Surfynol DFシリーズ、Surfynol CTシリーズ、及びSurfynol EPシリーズ、例えばSurfynol 104シリーズ(104、104A、104BC、104DPM、104E、104H、104NP、104PA、104PG50、104S)、及びSurfynol 2502で販売されているものが挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるわけではない。非洗浄性界面活性剤は商業メーカー(例えば、airproducts.comのワールドワイドウェブ上)から容易に入手可能である。
本発明の実施に際して使用される非洗浄性界面活性剤としては、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、及び/又はブチレンオキシド(BO)を同分子に重合させることにより製造される、非イオン界面活性剤のDOWFAXシリーズが挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるわけではない。例えば、商品名:DOWFAX 63N10、DOWFAX 63N13、DOWFAX 63N30、DOWFAX 63N40、DOWFAX 81N13、DOWFAX 81N15、DOWFAX 92N20、DOWFAX 100N15、DOWFAX EM−51、DOWFAX 20A42、DOWFAX 20A64、DOWFAX 20A612、DOWFAX 20B102、DOWFAX DF−101、DOWFAX DF−111、DOWFAX DF−112、DOWFAX DF−113、DOWFAX DF−114、DOWFAX DF−117、DOWFAX WP−310、DOWFAX 50C15、DOWFAX DF−121、DOWFAX DF−122、DOWFAX DF−133、DOWFAX DF−141、DOWFAX DF−142、DOWFAX DF−16(Dow Chemical Company, Midland, Michigan)で販売されているものが挙げられる。
本発明の実施に際して使用される非洗浄性界面活性剤としては、一般構造(CO)(CO)(CO)H を有するPLURONIC(登録商標)ブロック共重合体界面活性剤シリーズが挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるわけではない。例えば、商品名:PLURONIC(登録商標)ブロック共重合体界面活性剤シリーズ(L35、P65、P75、P85、P103、P104、P105、F108)(BASF Corporation; Mount Olive, NJ)で販売されているものが挙げられる。
他の非洗浄性界面活性剤としては、ジメチルエチルアンモニウム−1−プロパンスルホネート、3−(1−ピリジノ)−1−プロパンスルホネート、ジメチル−2−ヒドロキシエチル−1−プロパンスルホネート、3−(1−メチルピペリジニウム)−1−プロパンスルホネート、N−メチル−N−(3−スルホプロピル)モルホリニウム及びジメチルベンジルアンモニウム−1−プロパンスルホネートが挙げられる。
両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤は、所望の結果を誘導する(例えば、熱安定性DNAポリメラーゼを安定化する及び/又はその活性を高める)のに効果的な量で使用される。組成物及び方法における使用に対する両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤の最適濃度は、ポリメラーゼ間で異なることが多い。当業者は、特定のポリメラーゼによる使用に対する両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤の最適濃度を求めるのに、定期試験を行ってもよい。例えば、洗剤の濃度のみが異なる(例えば0.05%〜1%のAnzergent 3−10)一連のPCR反応を実施することができる。したがって、当該技術分野で既知であり、本明細書に記載される方法で増幅産物を検出及び/又は定量することによって、ポリメラーゼ活性を求めることができる(例えば、増幅産物のリアルタイムPCR又はゲル電気泳動による定量、実施例1〜実施例5を参照されたい)。ポリメラーゼによる使用に対する両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤の最も効果的な濃度は、最も多くの増幅産物が得られる濃度である。
同様に、上記のアッセイを行い、試験両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤を含む組成物で生成される増幅産物の量と、全く界面活性剤を含まない陰性対照の増幅産物の量とを比較することによって、増幅反応におけるこれらの有効性に関して、試験両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤を評価することができる。
保存組成物中のポリメラーゼの安定化における両性イオン界面活性剤及び非洗浄性界面活性剤の有効性を同様の方法で評価することができる。例えば、−20℃で或る期間(例えば1週間)、両性イオン界面活性剤又は非洗浄性界面活性剤でポリメラーゼを保存することによって、保存安定性試験を実施し得る。それから、上記のように標的核酸を増幅する能力に関してポリメラーゼを評価する。代替的に、ポリメラーゼ、及び試験両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤を6時間95℃に曝す、加速安定性試験を実施し得る。それから、標的核酸を増幅する能力に関してポリメラーゼを評価し、両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤を用いた反応における増幅産物の量と、界面活性剤を含まない反応混合物中の増幅産物の量との比較を行う。試験界面活性剤を用いると、増幅産物が界面活性剤を含まない反応よりも多くなる場合、両性イオン洗剤/非洗浄性界面活性剤は、保存組成物中でポリメラーゼを安定化させるという点で効果的である(実施例3を参照されたい)。
一実施形態において、両性イオン洗剤はCHAPSである。さらなる実施形態では、CHAPSは、全組成物の約0.05%〜1.0%(体積/体積)の濃度で存在する。さらなる実施形態では、CHAPSは、全組成物の約0.2%〜0.8%(体積/体積)の濃度で存在する。またさらなる実施形態では、CHAPSは、全組成物の約0.2%〜0.4%(体積/体積)の濃度で存在する。
別の実施形態において、CHAPSOは、全組成物の約0.05%〜1.0%(体積/体積)の濃度で存在する。さらに別の実施形態では、CHAPSOは、全組成物の約0.1%〜0.4%(体積/体積)の濃度で存在する。さらなる実施形態では、CHAPSOは、全組成物の約0.15%〜0.35%(体積/体積)の濃度で存在する。
さらに別の実施形態において、Anzergent 3−10は、全組成物の約0.1%〜1.0%(体積/体積)の濃度で存在する。さらなる実施形態において、Anzergent 3−10は、全組成物の約0.4%〜0.8%(体積/体積)の濃度で存在する。
さらに別の実施形態において、Anzergent 3−12は、全組成物の約0.05%〜1.0%(体積/体積)の濃度で存在する。さらに別の実施形態において、Anzergent 3−12は、全組成物の約0.1%〜0.4%(体積/体積)の濃度で存在する。さらなる実施形態において、Anzergent 3−12は、全組成物の約0.1%〜0.2%(体積/体積)の濃度で存在する。
本発明での使用に適合性がある両性イオン洗剤を共に混合して、本発明での使用に必須な洗剤を提供することができることも想定される。一般的に、任意の2つの異なる両性イオン界面活性剤又は非洗浄性界面活性剤は、1:1、1:2、1:5、1:10、1:100、100:1、10:1、5:1又は2:1の比で存在し得る。例えば、組成物は、CHAPS及びAnzergent 3−12、CHAPS及びAnzergent 3−10、CHAPSO及びAnzergent 3−12、又はCHAPSO及びAnzergent 3−10の組合せを含み得る。
一実施形態において、CHAPSは約0.1%の濃度で存在し、Anzergent 3−12は0.1%〜0.5%の濃度で存在する。さらに別の実施形態では、CHAPSOは0.1%の濃度で存在し、Anzergent 3−10は0.05%〜0.5%の濃度で存在する。さらなる実施形態では、CHAPSOは0.1%の濃度で存在し、Anzergent 3−10は0.05%〜0.4%の濃度で存在する。さらに別の実施形態では、CHAPSOは0.05%〜0.1%の濃度で存在し、Anzergent 3−12は0.05%〜0.5%の濃度で存在する。さらなる実施形態では、CHAPSOは0.05%〜0.1%の濃度で存在し、Anzergent 3−12は0.05%〜0.4%の濃度で存在する。さらなる両性イオン洗剤濃度は実施例で示される。
一態様において、本発明は、ポリメラーゼ及び両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤を有する保存組成物に関する。別の態様では、本発明は、ポリメラーゼ及び2つ以上の両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤の組合せを含む保存組成物を提供する。これらの態様では、保存組成物は、検出用ラベルを含有しない。
一実施形態において、保存緩衝液は、トリスHCl又はトリスSOを含み、pHは約8〜10である。さらなる実施形態では、保存緩衝液は、50%(v/v)グリセロール、50mMのトリスHCl(pH8.2)、0.1mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、及び1mMのジチオスレイトールを含む。
別の実施形態において、保存緩衝液は、20mMのトリスHCl(pH8.8)、10mMのKCl、10mMの(NHSO、2mMのMgSO及び100ug/mlのBSAを含む。さらに別の実施形態では、保存緩衝液は、40mMのトリスSO(pH10)、15mMのKSO、8mMの(NHSO、及び2mMのMgSOを含む。さらに別の実施形態では、保存緩衝液は、30mMのトリスSO(pH10)、40mMのKSO、1.5mMの(NHSO、及び2mMのMgSOを含む。他の好適な保存緩衝液が本発明での使用に関して意図され、当該技術分野で既知である。
別の態様において、本発明は、精製ポリメラーゼ、標識ヌクレオチド、及び両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤を含む保存組成物に関する。一実施形態では、標識ヌクレオチドは単一の検出用ラベルを有する。例えば、単一の検出用ラベルはフルオロフォアであり得る。別の実施形態では、標識ヌクレオチドは、相互作用するラベル対を有する。好適な相互作用するラベル対は、消光因子及びフルオロフォアを含む。
別の態様において、本発明は、精製ポリメラーゼ、蛍光DNA結合色素、及び両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤を含む保存組成物に関し、当該蛍光DNA結合色素は、DNAと結合すると検出シグナルを生じる。好適なDNA結合色素は当該技術分野で既知であり、本明細書で記載される。例えば、DNA結合色素としては、SYBRグリーン又はEvaグリーンが挙げられるが、これらに限定されない。
別の態様において、本発明は、ポリメラーゼ及び両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤を含む反応混合物を提供する。反応緩衝液は、標的核酸の増幅に有用である。反応緩衝液は、用いられる両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤をそれぞれ約0.001%〜5%(体積/体積)(V/Vとも書く)を含む。
一態様において、本発明は、ポリメラーゼ、オリゴヌクレオチドプローブ、及び両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤を含む反応混合物を提供する。
別の態様において、本発明は、ポリメラーゼ、検出用ラベル、及び2つ以上の両性イオン洗剤若しくは非洗浄性界面活性剤の組合せ、又はそれらの組合せを含む反応混合物を提供する。
一実施形態において、検出用ラベルはオリゴヌクレオチドプローブと操作可能に連結する。
別の実施形態において、検出用ラベルは相互作用するラベル対を含む。
さらに別の態様において、本発明は、ヌクレオシド−5’−トリホスフェート、プライマー、プライマー伸長が起こり得る緩衝液、ポリメラーゼ、オリゴヌクレオチドプローブ及び両性イオン洗剤を含む反応混合物に関する。
一実施形態において、オリゴヌクレオチドプローブは検出用ラベルと操作可能に連結する。別の実施形態では、検出用ラベルは相互作用するラベル対を含む。
別の態様において、本発明は、精製ポリメラーゼ、標識ヌクレオチド、及び両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤を有する反応混合物に関する。一実施形態では、標識ヌクレオチドは単一の検出用ラベルを有する。例えば、単一の検出用ラベルはフルオロフォアであり得る。別の実施形態では、標識ヌクレオチドは、相互作用するラベル対を有する。好適な相互作用するラベル対は、消光因子及びフルオロフォアを含む。
別の態様において、反応混合物は、精製ポリメラーゼ、蛍光DNA結合色素、及び両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤を含み、当該蛍光DNA結合色素は、DNAと結合すると検出シグナルを生じる。好適なDNA結合色素は当該技術分野で既知であり、本明細書に記載される。例えば、DNA結合色素としては、SYBRグリーン又はEvaグリーンが挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態では、反応混合物はトリスHCl又はトリスSO、KCl又はKSO(pH約8.0〜pH10)、(NHSO及びMgSOを有する緩衝液を含む。さらなる実施形態では、反応混合物はトリスHCl(pH8.8)、KCl、(NHSO及びMgSOを含む。
別の実施形態では、反応緩衝液は20mMのトリスHCl(pH8.8)、10mMのKCl、10mMの(NHSO、2mMのMgSO及び100ug/mlのBSAを含む。また別の実施形態では、反応緩衝液は40mMのトリスSO(pH10)、15mMのKSO、8mMの(NHSO、及び2mMのMgSOを含む。さらに別の実施形態では、反応緩衝液は30mMのトリスSO(pH10)、40mMのKSO、1.5mMの(NHSO、及び2mMのMgSOを含む。
本発明の実施に際して有用な、さらなる保存緩衝液及び反応緩衝液は、当該技術分野で既知であり(例えば、2004年3月14日付で出願された米国特許公開第2005/0048530号、2006年6月15日付で出願された米国特許出願第11/152,773号、及び2006年1月6日付で出願された米国特許出願第60/757,120号(各々の開示全体が参照により本明細書中に援用される)に記載のもの)、また実施例に記載される。
例えば、組成物は、熱安定性DNAポリメラーゼ、米国特許出願第11/152,773号に記載される緩衝液(トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)又は同様のホスフィン化合物を含む)、及び非イオン性界面活性剤を含み得る。この実施形態では、非イオン性界面活性剤は、Surfynolシリーズの界面活性剤のような非洗浄性非イオン性界面活性剤である。
別の実施形態において、組成物は、熱安定性ポリメラーゼ、米国特許出願第60/757,120号に記載される緩衝液、両性イオン界面活性剤又は非洗浄性界面活性剤(例えば、Surfynolシリーズ)、及び硫酸カリウムと硫酸アンモニウムとを含む緩衝液(硫酸カリウム:硫酸アンモニウムのモル比が5:1〜50:1である)を含む。幾つかの実施形態では、硫酸カリウム濃度は、20mM〜50mMの範囲であり、硫酸アンモニウム濃度は、1mM〜5mMの範囲である。
本発明の組成物及び方法での使用に関する緩衝液は、特定のポリメラーゼに好適である。好適な緩衝液は当該技術分野で既知であり、ポリメラーゼの市販元で与えられる資料に記載されている。
上記の態様はいずれも、非洗浄性界面活性剤又は両性イオン洗剤を用いて実施されてもよい。好適な非洗浄性界面活性剤としては、Air ProductsのSurfynol界面活性剤シリーズ、Surfynol 104、Surfynol 420、Surfynol 440、Surfynol 465、Surfynol 485、Surfynol 504、Surfynol PSAシリーズ、Surfynol SEシリーズ、Dynol 604、Surfynol DFシリーズ、Surfynol CTシリーズ、及びSurfynol EPシリーズ、例えばSurfynol 104シリーズ(104、104A、104BC、104DPM、104E、104H、104NP、104PA、104PG50、104S)、及びSurfynol 2502が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるわけではない。非洗浄性界面活性剤は商業メーカー(例えば、airproducts.comのワールドワイドウェブ上)から容易に入手可能である。
ポリメラーゼ
両性イオン洗剤/非洗浄性界面活性剤を核酸ポリメラーゼと組合せて使用する。本明細書で使用されるように、「核酸ポリメラーゼ」又は「ポリメラーゼ」は、ヌクレオチドの重合を触媒する酵素を表す。一般的に、酵素は、核酸鋳型(テンプレート)配列とアニーリングするプライマーの3’末端で合成を開始させ、鋳型に沿って5’方向へと進む。「DNAポリメラーゼ」は、デオキシヌクレオチドの重合を触媒する。既知のDNAポリメラーゼとしては、例えば、パイロコッカス・フリオサス(Pyrococcus furiosus)(Pfu)DNAポリメラーゼ、大腸菌DNAポリメラーゼI、T7 DNAポリメラーゼ、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)(Tth)DNAポリメラーゼ、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)DNAポリメラーゼ、サーモコッカス・リトラリス(Thermococcus litoralis)(Tli)DNAポリメラーゼ(Vent DNAポリメラーゼとも称される)、サーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)(UlTma)DNAポリメラーゼ、サーマス・アクアティカス(Thermus aquaticus)(Taq)DNAポリメラーゼ、及びパイロコッカスGB−D(PGB−D)DNAポリメラーゼが挙げられる。
DNAポリメラーゼ及びその特性は、特に「DNA複製 第2版(DNA Replication 2nd edition)」Kornberg and Baker, W. H. Freeman, New York, N.Y.(1991)に詳述される。既知の従来のDNAポリメラーゼとしては、例えば、パイロコッカス・フリオサス(Pfu)DNAポリメラーゼ(Stratagene, La Jolla, California, USAにより提供されるLundberg et al., 1991, Gene 108:1)、バイロコッカス・ヴェッセイ(Pyrococcus woesei)(Pwo)DNAポリメラーゼ(Hinnisdaels et al., 1996, Biotechniques 20:186-8)、サーマス・サーモフィルス(Tth)DNAポリメラーゼ(Myers and Gelfand 1991, Biochemistry 30:7661)、バチルス・ステアロサーモフィルスDNAポリメラーゼ(Stenesh and McGowan, 1977, Biochim. Biophys. Acta 475:32)、サーモコッカス・リトラリス(Tli)DNAポリメラーゼ(Vent DNAポリメラーゼとも称される、Cariello et al., 1991, Polynucleotide Res. 19:4193、例えばNew England Biolabs, Beverly, Massachusetts, USAより入手可能)、9°Nm DNAポリメラーゼ、サーモトガ・マリティマ(Tma)DNAポリメラーゼ(Diaz and Sabino, 1998. Braz. J. Med. Res. 31:1239)、サーマス・アクアティカス(Taq)DNAポリメラーゼ(Chien et al., 1976, J. Bacteoriol. 127:1550)、パイロコッカス・コダカラエンシス(Pyrococcus kodakaraensis)KOD DNAポリメラーゼ(Takagi et al., 1997, Appl. Environ. Microbiol. 63:4504)、JDF−3 DNAポリメラーゼ(サーモコッカス種JDF−3由来、国際公開第01/32887号)、パイロコッカスGB−D(PGB−D)DNAポリメラーゼ(Deep−Vent DNAポリメラーゼとも称される、Juncosa-Ginesta et al., 1994, Biotechniques 16:820、例えばNew England Biolabs, Beverly, Massachusetts, USAより入手可能)、UlTma DNAポリメラーゼ(好熱菌サーモトガ・マリティマ由来、Diaz and Sabino, 1998, Braz. J. Med. Res. 31:1239、例えばPE Applied Biosystems, Foster City, California, USAより入手可能)、Tgo DNAポリメラーゼ(サーモコッカス・ゴルゴナリアス(Thermococcus gorgonarius)由来、例えば、Roche Molecular Biochemicals, Indianapolis, Indiana, USAより入手可能)、大腸菌DNAポリメラーゼI(Lecomte and Doubleday, 1983, Polynucleotide Res. 11:7505)、T7 DNAポリメラーゼ(Nordstrom et al., 1981, J. Biol. Chem. 256:3112)、及び古細菌DP1/DP2 DNAポリメラーゼII(Cann et al., 1998, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:14250-5)が挙げられる。
一実施形態において、ポリメラーゼは精製ポリメラーゼである。本明細書で使用されるように、「精製ポリメラーゼ」は、自然状態ではポリメラーゼと共にある成分から分離されたポリメラーゼを表す。
用語「核酸ポリメラーゼ」は逆転写酵素、例えば、限定されるものではないが、HIV、HTLV−I、HTLV−II、FeLV、FIV、SIV、AMV、MMTV、MoMuLV及び他のレトロウイルスに由来する逆転写酵素も包含する(詳細は、例えばLevin, 1997, Cell 88:5-8;Verma, 1977, Biochim. Biophys. Acta 473:1-38;Wu et al., 1975, CRC Crit. Rev. Biochem. 3:289-347参照)。
(例えばPCR技法中で)高温に曝した反応混合物における対象の組成物を使用する場合、熱安定性DNAポリメラーゼの使用が好ましい。本明細書で使用されるように、「熱安定性」は、酵素が高温でも活性があり、且つ約93℃〜約100℃の範囲の核酸二本鎖変性温度に耐性があるというような核酸ポリメラーゼの特性を表す。「活性がある」とは、二本鎖核酸の変性を起こすのに必要な時間、高温又は変性温度に曝したときに、酵素がプライマー伸長反応を行う能力を維持するという意味である。本明細書で使用される高温は約70℃〜約100℃の範囲を表す一方で、本明細書で使用される非高温は約35℃〜約50℃の範囲を表す。
本発明で使用され得る熱安定性DNAポリメラーゼとしては、Taq、Tne、Tma、Pfu、Tfl、Tth、Stoffel断片、VENT(商標)及びDEEPVENT(商標)DNAポリメラーゼ、KOD、Tgo、JDF3、並びにこれらの突然変異体、変異体及び誘導体が挙げられる(米国特許第5,436,149号、米国特許第4,889,818号、米国特許第4,965,18S号、米国特許第5,079,352号、米国特許第5,614,365号、米国特許第5,374,553号、米国特許第5,270,179号、米国特許第5,047,342号、米国特許第5,512,462号、国際公開第92/06188号、国際公開第92/06200号、国際公開第96/10640号、Barnes, W. M., Gene 112:29-35 (1992)、Lawyer, F. C., et al., PCR Meth. Appl. 2:275-287 (1993)、Flaman, J. -M, et al., Nuc. Acids Res. 22(15):3259-3260 (1994))。
一実施形態において、熱安定性DNAポリメラーゼは、Pfu DNAポリメラーゼ又はTaq DNAポリメラーゼである。さらなる実施形態において、熱安定性DNAポリメラーゼは、V93位に変異を有するPfu DNAポリメラーゼであり、このポリメラーゼはエキソヌクレアーゼ欠損である(例えば、Pfu V93、exo)。Pfu V93、exo DNAポリメラーゼを作製及び使用する方法は、2002年11月18日に出願された米国特許出願第10/298,680号に記載され、その全体が参照により本明細書中に援用される。別の実施形態では、ポリメラーゼは、ポリメラーゼ活性を有する融合タンパク質である(例えば、2005年7月15日に出願された米国特許出願第60/699,937号及び2004年3月14日に出願された米国特許公開第2005/0048530号(両方ともその全体が参照により本明細書中に援用される)に記載されたPfu DNAポリメラーゼ−Sso7)。
用途
本明細書に記載される両性イオン洗剤/非洗浄性界面活性剤及びポリメラーゼ組成物は、ポリメラーゼが使用されることが既知のいずれの用途(例えば核酸増幅、PCR、QPCR、シークエンシング突然変異生成)で使用してもよい。
本明細書で使用されるように、「核酸増幅」は、核酸配列のさらなるコピーの産生を表し、一般的に当該技術分野で既知のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)又はリガーゼ連鎖反応(LCR)技術を用いて行う(Dieffenbach, C. W. and G. S. Dveksler(1995)「PCRプライマー、実験マニュアル(PCR Primer, a Laboratory Manual)」, Cold Spring Harbor Press, Plainview, N. Y.)。
本明細書で使用されるように、「ポリメラーゼ連鎖反応」又は「PCR」という用語は、特定のポリヌクレオチド鋳型(テンプレート)配列を増幅するin vitro方法を表す。PCR技法は、多くの刊行物、例えばM. J. McPherson, et al.「PCR:実践的アプローチ(PCR: A Practical Approach)」IRL Press (1991)、Innis, et al.「PCRプロトコル:方法及び利用の手引(PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications)」Academic Press (1990)、及びH. A. Erlich「PCR技術:DNA増幅の原理及び応用(PCR Technology: Principles and Applications for DNA Amplification)」Stockton Press (1989)に記載されている。PCRは多くの米国特許、例えば米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号、同第4,800,159号、同第4,965,188号、同第4,889,818号、同第5,075,216号、同第5,079,352号、同第5,104,792号、同第5,023,171号、同第5,091,310号、及び同第5,066,584号(各々が参照により本明細書中に援用される)にも記載されている。
本発明で与えられる利点を容易に理解できるように、PCRの概要が与えられる。PCR反応は、一連の反復温度サイクルを伴い、典型的には50ul〜100ulの容量で行われる。反応混合物は、dNTP(各4つのデオキシヌクレオチド、dATP、dCTP、dGTP、及びdTTP)、プライマー、緩衝液、DNAポリメラーゼ、及びポリヌクレオチド鋳型を含む。PCRには、増幅する二本鎖標的ポリヌクレオチド配列とハイブリダイズする2つのプライマーが必要である。PCRでは、この二本鎖標的配列を変性させ、変性された標的のそれぞれの鎖に1つのプライマーをアニーリングする。プライマーは、互いに取り除かれた部位で、及び1つのプライマーの伸長産物がその相補体から分離すると、他のプライマーとハイブリダイズすることができるような方向で標的ポリヌクレオチドとアニーリングする。所定のプライマーが標的配列とハイブリダイズすると、そのプライマーは、DNAポリメラーゼの作用により伸長する。それから、標的配列から伸長産物を変性させ、このプロセスが繰り返される。
このプロセスの連続サイクルにおいて、前のサイクルで産生された伸長産物は、DNA合成の鋳型(テンプレート)として働く。第2のサイクルが始まると、増幅産物は対数速度で集積し始める。増幅産物は、第1のプライマーの配列(最終的に第2のプライマーに相補的な配列が続く)を含有する第1の鎖、及び第1の鎖と相補的な第2の鎖を含む別々の二本鎖DNA分子である。
一態様において、本発明は、ポリメラーゼの効率を増大させる方法を提供する。この方法は、標的核酸をポリメラーゼ、プライマー、オリゴヌクレオチドプローブ、検出用ラベル、dNTP及び両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤と混合することによって反応混合物を形成することを伴う。一実施形態では、検出用ラベルは、オリゴヌクレオチドプローブと操作可能に連結する。さらなる実施形態では、反応混合物を熱サイクリングにかける。熱サイクリングは、或る期間、2つ以上の異なるインキュベート温度に反応混合物を曝すことである。例としては、核酸増幅反応の変性(例えば、1分間、95℃)相及びアニーリング/伸長(30秒間、65℃)相がある。
別の態様において、本発明は、標的核酸をポリメラーゼ、検出用ラベル、プライマー、オリゴヌクレオチドプローブ、dNTP及び2つ以上の両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤の組合せと混合して反応混合物を形成することによって、ポリメラーゼの効率を増大する方法を提供する。一実施形態では、反応混合物を熱サイクリングにかける。
別の態様において、本発明は、ポリメラーゼの効率を増大する方法を提供する。この方法は、標的核酸、ポリメラーゼ、プライマー、dNTP、及び両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤を含む反応混合物を形成することによって行われる。この実施形態では、反応混合物は検出用ラベルを含有しない。さらなる実施形態では、反応混合物を熱サイクリングにかける。
さらに別の態様において、本発明は、標的核酸、ポリメラーゼ、プライマー、dNTP、及び2つ以上の両性イオン洗剤若しくは非洗浄性界面活性剤の組合せ、又はそれらの組合せを含む反応混合物を形成することによってポリメラーゼの効率を増大する方法に関する。反応混合物は検出用ラベルを含有しない。一実施形態では、反応混合物を熱サイクリングにかける。
さらに別の態様において、本発明は、標的核酸、精製ポリメラーゼ、プライマー、検出用ラベル、ヌクレオシド−5’−トリホスフェート、及び両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤を含む反応混合物を形成することによってポリメラーゼの効率を増大する方法に関する。一実施形態では、検出用ラベルは標識ヌクレオチドである。さらなる実施形態では、標識ヌクレオチドは単一の検出用ラベルを有する。例えば、単一の検出用ラベルはフルオロフォアであり得る。別の実施形態では、標識ヌクレオチドは、相互作用するラベル対を有する。好適な相互作用するラベル対は、消光因子及びフルオロフォアを含む。
別の実施形態において、検出用ラベルは、蛍光DNA結合色素(当該蛍光DNA結合色素は、DNAと結合すると検出シグナルを生じる)である。好適なDNA結合色素は当該技術分野で既知であり、本明細書に記載される。例えば、例えば、DNA結合色素としては、SYBRグリーン又はEvaグリーンが挙げられるが、これらに限定されない。
別の態様において、本発明は、標的核酸を検出する方法を提供する。この方法は、ポリメラーゼ、プライマー、両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤、dNTP及び検出用ラベルを含む反応混合物を形成すること;反応混合物を、標的を増幅させる核酸増幅反応条件に曝すこと;並びに検出用ラベルから生じたシグナルを検出することを含む。検出用ラベルから生じたシグナルは、サンプル中の標的の存在及び/又は量の指標となる。一実施形態では、反応混合物はオリゴヌクレオチドプローブをさらに含む。またさらなる実施形態では、オリゴヌクレオチドプローブ及び検出用ラベルは操作可能に連結する。別の実施形態では、検出用ラベルは、挿入検出用ラベル(例えばSYBRグリーン)である。
さらに別の態様において、本発明は、標的核酸を検出する方法に関する。この方法は、ポリメラーゼ、プライマー、両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤、dNTP及び相互作用するラベル対と操作可能に連結するオリゴヌクレオチドプローブを含む反応混合物を形成すること;反応混合物を、標的を増幅させる核酸増幅反応条件に曝すこと;並びに相互作用するラベル対の成員から生じたシグナルを検出することを含む。生じたシグナルは、サンプル中の標的の存在及び/又は量の指標となる。
本明細書で使用されるように、「核酸増幅反応条件」は、核酸増幅を行うことが可能な、好ましくは核酸増幅を行うのに最適な、緩衝液、温度設定、インキュベート工程及び時間を表す。増幅は、特定の核酸配列の数の増加を意味し、ポリメラーゼ連鎖反応又はリガーゼ連鎖反応のin vitro方法(これらに限定されない)によって達成され得る。このような反応条件は当該技術分野で既知であり、本明細書に記載される。核酸反応条件はPCR反応条件を包含する。
一実施形態において、反応混合物を、核酸増幅反応条件に曝す工程は、標的核酸が変性するように、反応混合物を熱循環サンプルブロックで加熱する工程を含む。
一実施形態において、増幅反応中に5’ヌクレアーゼによってオリゴヌクレオチドプローブを切断する。またさらなる実施形態では、プローブが切断されると、相互作用するラベル対の成員が分離し、検出シグナルを生じる。このような方法は、当該技術分野で既知であり、米国特許第6,528,254号、同第6,548,250号及び同第5,210,015号(それぞれその全体が参照により本明細書中に援用される)に記載される。
別の態様において、両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤を突然変異生成反応に使用する。例えば、両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤は、QUICKCHANGE部位特異的突然変異生成キット(Stratageneのカタログ番号200518)におけるTriton X100の代わりに使用してもよい。
ラベル
本発明は検出用ラベルを含むことが多くなることを意図する。検出用ラベルは、プローブと操作可能に連結するか(例えば、FAM及びBHQ2)、溶液中に遊離状態で与えられるか(例えば、蛍光DNA結合色素、SYBRグリーン)、又はヌクレオチド前駆体と操作可能に連結してもよい。
標的ポリヌクレオチドの増幅及び定量(例えば、PCR)における標識プローブの使用は、多くの参考文献(例えばInnis et al.,編「PCRプロトコル(PCR Protocols)」(Academic Press, New York, 1989)、Sambrook et al.,「分子クローニング、第2版(Molecular Cloning, Second Edition)」(Cold Spring Harbor Laboratory, New York, 1989)(これらの全てが参照により本明細書中に援用される)に記載されている。
本明細書で使用されるように、「プローブ」又は「オリゴヌクレオチドプローブ」という用語は、ストリンジェントなハイブリダイズ条件下で検出される核酸配列と安定してハイブリダイズするように、その検出される核酸配列と部分的又は完全に相補的な配列を有する一本鎖オリゴヌクレオチドを表す。プローブは、プローブ配列がストリンジェントなハイブリダイズ条件下でプローブの所望の特異性を実質的に変えなければ、標的配列に対して相補的ではない領域を有してもよいが、有しなくてもよい。
幾つかの実施形態において、プローブは、「ラベル」と操作可能に連結する。本明細書で使用されるように、「ラベル」という用語は、検出(好ましくは定量)シグナルを与えるのに使用することができ、且つ核酸と操作可能に連結することができる任意の原子又は分子を表す。ラベルは、蛍光、放射能、比色分析、重量測定、X線回折又は吸収、磁性、酵素活性、質量分析、結合親和性、及びハイブリダイズ高周波等によって検出可能なシグナルを与え得る。
さらなる実施形態において、プローブは、相互作用するラベル対と操作可能に連結する。本明細書で使用されるように、語句「相互作用するラベル対」及び語句「相互作用ラベル対」及び語句「第1の成員及び第2の成員」は、物理的に、光学的に、又はそうでなければ検出シグナルによってそれらが近接していることが検出されるような様式で相互作用する分子対を表す。「相互作用ラベル対」の例としては、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)(Stryer, L. Ann. Rev. Biochem. 47, 819-846, 1978)、シンチレーション近接アッセイ(SPA)(Hart and Greenwald, Molecular Immunology 16:265-267, 1979、米国特許出願第4,658,649号)、発光共鳴エネルギー移動(LRET)(Mathis, G. Clin. Chem. 41, 1391-1397. 1995)、直接焼き入れ(Tyagi et al., Nature Biotechnology 16, 49-53, 1998)、化学発光エネルギー移動(CRET)(Campbell, A. K., and Patel, A. Biochem. J. 216, 185-194, 1983)、生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)(Xu, Y., Piston D. W., Johnson, Proc. Natl. Acad. Sc., 96, 151-156, 1999)、又はエキシマー生成(Lakowicz, J. R.「蛍光分光法の原理(Principles of Fluorescence Spectroscopy)」Kluwer Academic/Plenum Press, New York, 1999)での使用に好適なラベルが挙げられるが、これらに限定されない。
ラベル対は、本発明のオリゴヌクレオチドプローブと共有結合又は非共有結合することができる。
本発明に有用な相互作用ラベル対は、FRET−適合性検出用ラベル対又は消光因子−検出用ラベル対を含むことができる。一実施形態では、この対はフルオロフォア−消光因子対を含む。
広範な種類の蛍光体、例えば、限定されるものではないが、5−FAM(5−カルボキシフルオレセインとも呼ばれる;Spiro(イソベンゾフラン−1(3H)、9’−(9H)キサンテン)−5−カルボン酸、3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキソ−6−カルボキシフルオレセイン)とも呼ばれる;5−ヘキサクロロ−フルオレセイン([4,7,2’,4’,5’,7’−ヘキサクロロ−(3’,6’−ジピバロイル−フルオレセイニル)−6−カルボン酸]);6−ヘキサクロロ−フルオレセイン([4,7,2’,4’,5’,7’−ヘキサクロロ−(3’,6’−ジピバロイルフルオレセイニル)−5−カルボン酸]);5−テトラクロロ−フルオレセイン([4,7,2’,7’−テトラ−クロロ−(3’,6’−ジピバロイルフルオレセイニル)−5−カルボン酸]);6−テトラクロロ−フルオレセイン([4,7,2’,7’−テトラクロロ−(3’,6’−ジピバロイルフルオレセイニル)−6−カルボン酸]);5−TAMRA(5−カルボキシテトラメチルローダミン;キサンチリウム、9−(2,4−ジカルボキシフェニル)−3,6−ビス(ジメチル−アミノ);6−TAMRA(6−カルボキシテトラメチルローダミン;キサンチリウム、9−(2,5−ジカルボキシフェニル)−3,6−ビス(ジメチルアミノ);EDANS(5−((2−アミノエチル)アミノ)ナフタレン−1−スルホン酸);1,5−IAEDANS(5−((((2−ヨードアセチル)アミノ)エチル)アミノ)ナフタレン−1−スルホン酸);DABCYL(4−((4−(ジメチルアミノ)フェニル)アゾ)安息香酸)Cy5(インドジカルボシアニン−5)Cy3(インド−ジカルボシアニン−3);及びBODIPY FL(2,6−ジブロモ−4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−プロピオン酸)、Quasar−670(Biosearch Technologies)、CalOrange(Biosearch Technologies)、Rox、並びにこれらの好適な誘導体を使用することができる。
本明細書で使用されるように、「消光因子」という用語は、蛍光ドナーと結合するか又は蛍光ドナーに近接すると、その蛍光ドナーからの発光を低減することができる、発色分子又は化合物の一部を表す。蛍光共鳴エネルギー移動、光誘導性電子移動、項間交差の常磁性増強、デクスター交換結合、及び暗複合体(dark complexes)の形成等の励起子結合を含む幾つかの機構のいずれかによって、消光が起こり得る。フルオロフォアによって発せられた蛍光が、消光因子非存在下での蛍光に比べて少なくとも10%、例えば、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.9%又はそれ以上低減すると、蛍光が「消光」する。
消光因子は、アッセイで使用される励起フルオロフォアからの蛍光発光を少なくとも1つ消光させることができる任意の物質であり得る。以下の参考文献で例示されるように、特定のプローブに適切なレポーター−消光因子対を選択するための入手可能な実践的指針が文献中に数多く存在する。Clegg (1993, Proc. Natl. Acad. Sci., 90:2994-2998);Wu et al. (1994, Anal. Biochem., 218:1-13);Pesce et al.,編「蛍光分光法(Fluorescence Spectroscopy)」(1971, Marcel Dekker, New York);White et al.「蛍光分析:実践的アプローチ(Fluorescence Analysis: A Practical Approach)」(1970, Marcel Dekker, New York)等。文献には、蛍光分子及び色原体分子並びにレポーター−消光因子対の選択に関連するそれらの光学特性の完全なリストを提供する引用文献、例えば、Berlman「芳香族分子の蛍光スペクトルハンドブック 第2版(Handbook of Fluorescence Spectra of Aromatic Molecules, 2nd Edition)」(1971, Academic Press, New York);Griffiths「有機分子の色と構造(Colour and Constitution of Organic Molecules)」(1976, Academic Press, New York);Bishop,編「指標(Indicators)」(1972, Pergamon Press, Oxford);Haugland「蛍光プローブと研究用化学物質ハンドブック(Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals (1992 Molecular Probes, Eugene);Pringsheim「蛍光及び燐光(Fluorescence and Phosphorescence)」(1949, Interscience Publishers, New York)(これらの全てが参照により本明細書中に援用される)も含まれる。さらに、以下の参考文献(例えばHaugland(上述)、Ullman et al.、米国特許第3,996,345号、Khanna et al.、米国特許第4,351,760号(全て参照により本明細書中に援用される)によって例示されるように、オリゴヌクレオチドに付加することができる一般的な反応基を介した共有結合のために、レポーター及び消光因子分子を誘導体化するための、広範囲に及ぶ指針が文献中に存在する。
市販の消光因子の多くが当該技術分野で既知であり、DABCYL、BHQ−1、BHQ−2、及びBHQ−3が挙げられるが、これらに限定されない。BHQ(「ブラックホールクエンチャ」)消光因子は、ハイブリダイズが起こるまで蛍光を抑える新規の暗消光因子群である。さらに、これらの新規の消光因子は自然状態で蛍光を有せず、他の消光因子に見られるバックグラウンド問題が事実上排除される。BHQ消光因子は、ほとんど全てのレポーター検出用ラベルを消光するのに使用することができ、例えばBiosearch Technologies, Inc(Novato, CA)から市販されている。
多くの検出用ラベルと、オリゴヌクレオチドとの結合に適切な結合方法が、多くの参考文献(例えば、Marshall, Histochemical J., 7:299-303(1975)、Menchen et al.、米国特許第5,188,934号、Menchen et al.、欧州特許出願第87310256.0号、及びBergot et al.、国際特許出願第PCT/US90/05565号に記載されている。全てが参照により本明細書中に援用される。
幾つかの実施形態において、本発明の組成物は検出用ラベルを含む。検出用ラベルは、標的核酸の存在又は量の指標となるシグナルを生じる任意の検出用ラベルであり得る。このような検出用ラベルは当該技術分野で既知であり、上記される。本発明に有用な検出用ラベルは、SYBRグリーン及びFAM等の蛍光検出用ラベルを含む。一実施形態では、ラベルは、反応混合物を加熱するために、電磁エネルギーを熱エネルギーに変換しない(例えば、米国特許公開第2003/0017567号(その全体が参照により本明細書中に援用される)に記載されるように)。
一実施形態において、ラベルはヌクレオチドと操作可能に連結する。一実施形態では、標識ヌクレオチドは、2003年4月4日に出願された米国特許公開第2004/0014096号(その全体が参照により本明細書中に援用される)に記載されるように、二重標識ヌクレオチドである。二重標識ヌクレオチドは、蛍光ラベル及びこの蛍光ラベルの消光因子を含む。
他の好適な二重標識ヌクレオチドは、例えばRosenblum et al.(1997, Nucleic Acids Research, 25: 4500)で教示されたものを含む。Rosenblum et al.は、核酸塩基と結合した蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)色素対を含むヌクレオチド類似体の使用を教示している。1つの色素の励起スペクトル内であり、他の色素の励起スペクトル内ではない波長の光にヌクレオチド類似体を接触させることによって、このような類似体の成長ポリヌクレオチド鎖への組み込みを検出する。それから順に、励起フルオロフォアによって発せられた光は第2の色素を励起し、そこから蛍光発光が検出される。さらに、Williams(米国特許出願公開第20010018184号)は、フルオロフォアがポリホスフェート部のγ−ホスフェートと結合し、消光因子がヌクレオチド類似体の他の部分と、好ましくはピリミジン塩基の5’炭素及びデアザプリン塩基の7’炭素と結合する、二重標識ヌクレオチド類似体を教示している。Williamsによって教示された類似体の成長ポリヌクレオチド鎖への組み込みの際に、蛍光部と結合するホスフェート基が切断され、蛍光部と消光因子とを分離することによって、蛍光部が検出シグナルを発するのを可能にする。
キット
本発明は、本明細書に記載されるように、両性イオン洗剤/非洗浄性界面活性剤及びポリメラーゼを有する、新規の組成物及び方法を提供することを目的としている。本明細書中で本発明は、対象の組成物の1つ又は複数のコンテナ、及び幾つかの実施形態ではポリヌクレオチド合成(PCR、シークエンシング及び突然変異生成における合成を含む)に使用される様々な試薬のコンテナを有するパッケージ単位を含むキットフォーマットも意図する。キットは、以下の要素:ポリヌクレオチド前駆体(例えば、ヌクレオシドトリホスフェート)、プライマー、プローブ、緩衝液、取扱説明書、標識ヌクレオチド、挿入色素及び対照の1つ又は複数を含有してもよい。キットは、本発明による方法を行うのに好適な割合で共に混合した試薬のコンテナを含んでいてもよい。試薬コンテナは、本方法を行う際に測定工程が省かれる単位量で試薬を含有することが好ましい。本発明による1つのキットは、染色ゲルからのPCR産物収量の定量のために、DNA収量標準も含有する。一実施形態ではキットは、熱安定性ポリメラーゼ、両性イオン界面活性剤又は非洗浄性界面活性剤、及びポリヌクレオチド前駆体を含むマスターミックス試薬を含む。
一実施形態において、キットは、ポリメラーゼ及び両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤を有する保存緩衝液及び/又は反応緩衝液を含む。保存緩衝液は検出用ラベルを含有しない。
別の実施形態において、本発明は、ポリメラーゼ及び2つ以上の両性イオン洗剤の組合せを有する保存緩衝液及び/又は反応緩衝液を含むキットを提供する。保存緩衝液は検出用ラベルを含有しない。
さらに別の実施形態において、キットは、dNTPを有する別のコンテナをさらに含み得る。別の実施形態では、上記のキットのいずれかが、検出用ラベルを有する別のコンテナをさらに含み得る。
別の態様において、本発明は、精製ポリメラーゼ、両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤、ポリヌクレオチド前駆体、及び標識ヌクレオチドを含むキットに関する。さらに別の態様では、本発明は、精製ポリメラーゼ、両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤、ポリヌクレオチド前駆体、及びDNA結合色素を含むキットに関する。
幾つかの実施形態のキットにおいて、両性イオン洗剤又は非洗浄性界面活性剤は、核酸増幅反応を行うのに好適な10×ストック反応緩衝液中に10×濃度として与えられる。
ポリメラーゼ及び従来の非イオン性洗剤を欠いた緩衝液の調製
非イオン性洗剤を最終保存緩衝液から除いたこと以外は標準的な製造プロトコルを使用して(洗剤非存在)、Pfu(exo及びexo)融合DNAポリメラーゼ(例えば、2005年7月15日に出願された米国特許出願第60/699,937号(その全体が参照により本明細書中に援用される)に記載されるような)、cPfu DNAポリメラーゼ(Stratageneのカタログ番号600154)、及びPEFを精製した。酵素は、50mMのトリスHCl(pH8.2)、0.1mMのEDTA、1mMのDTT、及び50%グリセロール中で−20℃で保存した。さらに、0.05%〜0.5%の範囲の割合(v/v)で、1つ又は複数の両性イオン洗剤をDNAポリメラーゼ保存緩衝液に追加した。
非イオン性洗剤なしで、PCR反応緩衝液を調製した(「DF緩衝液」、洗剤無含有緩衝液)。例えば、1×cPfu DF緩衝液は、10mMのKCl、10mMの(NHSO、20mMのトリスHCl(pH8.8)、2mMのMgSO、及び100μg/mlのBSAを含有する。洗剤無含有型のPfu融合緩衝液も調製し、40mMのトリスSO(pH10)、15mMのKSO、8mMの(NHSO、2mMのMgSO(1×Pfu融合DF緩衝液I)、又は30mMのトリスSO(pH10)、40mMのKSO、1.5mMの(NHSO、2mMのMgSO(1×Pfu融合DF緩衝液II)から成っていた。
0.1% Triton X100(非イオン性洗剤)或いは1つ又は複数の両性イオン洗剤若しくは非洗浄性界面活性剤をPCR反応緩衝液に追加した。例えば、両性イオン洗剤CHAPS、CHAPSO、Anzergent 3−10、及びAnzergent 3−12をAnaTrace, Inc.(Maumee, OH)から得て、0.05%〜0.5%の範囲の割合(v/v)でDF緩衝液に添加した。非洗浄性界面活性剤Surfynol 465は、Air Productsから購入して、同様に使用した。
PCRの終点においてPfu及びPfu融合DNAポリメラーゼ活性を高めるための両性イオン洗剤の使用
0.9kb及び6kbのシステムに関して、1×cPfu DF緩衝液中でcPfu DNAポリメラーゼ40ng、又は1×Pfu融合DF緩衝液I若しくはDF緩衝液IIそれぞれの中でPfu融合DNAポリメラーゼ28ng又は224ngを使用して、PCR反応(50μl)を行った。PCR反応物は、2U/50μlのパイロコッカス・フリオサスdUTPアーゼ(PEF)、ヒトゲノムDNA 100ng、それぞれ250μMのdNTP、及び各プライマー100ngも含有していた。9kbのシステムに関して、PCR反応物(50μl)は、Pfu 80ng、1.5×cPfu DF緩衝液、2Uのパイロコッカス・フリオサスdUTPアーゼ(PEF)、ヒトゲノムDNA 200ng、それぞれ500μMのdNTP、及び各プライマー200ngから成っていた。0.1% Triton X100又は両性イオン洗剤(複数可)をPCR反応緩衝液に追加した。反応サイクルは、以下に記載されるようなものであった。

図1〜図8に示される結果は、両性イオン洗剤の活性の増強及び/又は安定化を示す。洗剤の非存在下で精製及び保存したPfu融合DNAポリメラーゼを使用して、両性イオン洗剤を追加した融合PCR緩衝液中でゲノムDNA標的を増幅した(図1〜図3)。洗剤の非存在下で行ったPCRでは、産物が産生されなかった(図1、パネルA)。これに対して、CHAPSO(0.15%〜0.3%)、Anzergent 3−10(0.4%〜0.8%)、及びAnzergent 3−12(0.1%〜0.2%)の存在下で行った増幅によって、高い産物収量が得られた(図1)。場合によっては、両性イオン洗剤の組合せによって、個々の洗剤よりも大きいPfu融合活性の増強が与えられる。例えば、準最適量のAnzergent 3−10(0.1%〜0.2%、図2)又はAnzergent 3−12(0.05%、図3)を準最適量のCHAPSO(0.05%)洗剤と組合せると、産物収量は劇的に向上する。
また、両性イオン洗剤を酵素保存緩衝液に組み込んだ。例えば、洗剤非存在下で、Pfu DNAポリメラーゼを精製した後、洗剤を欠いた(パネルA、図4)、又はそれぞれ0.2%の両性イオン洗剤、CHAPSO及びAnzergent 3−12を含有していた(パネルB、図4)保存緩衝液中で希釈した。クローン化Pfu PCR緩衝液(0.1% Triton X100含有)によるPCRで使用する場合、両性イオン洗剤で調製されたPfuサンプルによって、CHAPSO及びAnzergent 3−12の非存在下で希釈及び保存されたPfuサンプルよりも有意に高い収量が得られた。PCR緩衝液に組み込むと、Pfuの保存安定性が高まるのに加えて、両性イオン洗剤の収量の増大も示された(図5)。洗浄液を欠いた緩衝液中で行ったPCRでは、産物が産生されなかった(パネルC、図5)。これに対して、両性イオン洗剤の添加によって、産物収量が劇的に向上し、CHAPSO(0.05%〜0.2%)及びAnzergent 3−12(0.1%〜0.2%)は、CHAPS及びAnzergent 3−10よりも幾らか効果的であったことが見出された(図5)。
Pfu及びPfu融合DNAポリメラーゼ活性を増強させることが示された洗剤としては、以下の表で列挙されるものが挙げられる。

Pfu融合酵素を安定化するための両性イオン洗剤の使用
両性イオン洗剤の安定化効果を示すのに、加速安定性試験を行った。洗剤非存在下で、Pfu融合DNAポリメラーゼを精製した後、洗剤を欠いた保存緩衝液、又は従来の非イオン性洗剤(0.1% Igepal/0.1% Triton X100)若しくは様々な両性イオン洗剤を含有する保存緩衝液中で28ng/μlに希釈した。−20℃で、タンパク質サンプルを保存するか、又は様々な時間95℃で加熱した。0.1% Triton X100(A)、又は0.1% CHAPSO/0.1% Anzergent 3−12のいずれかを追加した融合DF緩衝液中でPCRにおいて0.9kbのゲノム標的を増幅することによって、残存活性を評価した。
図6で示される結果は、両性イオン洗剤CHAPS、CHAPSO、及びAnzergent 3−12が、Pfu融合DNAポリメラーゼの安定性を高めることを示す。洗剤非存在下で95℃で加熱すると、Pfu融合は活性を失う。従来の非イオン性洗剤に比べて、両性イオン洗剤は、失活に対してPfu融合を保護するのに等しく効果的であると考えられる(95℃、6時間、図6)。95℃で24時間後、非イオン性洗剤及び両性イオン洗剤中で保存したタンパク質サンプルは完全に失活する。
QPCRにおいてPfu融合DNAポリメラーゼ活性を高めるための両性イオン洗剤の使用
QPCR反応物は、DNA又はcDNA鋳型、様々な量のプライマー(以下の表2を参照されたい)、それぞれ300μMのdNTP、4ng/μlのexoPfu融合DNAポリメラーゼ、6ng/μlのホットスタートIgG、0.4ng/μlの一本鎖DNA結合タンパク質、1×Pfu融合DF緩衝液II(pH9)、4% DMSO、及び8%グリセロールを含んでいた。0.1% Triton X100又は両性イオン洗剤、及び0.5×SYBRグリーン(Molecular ProbesのS−7567)をQPCR反応物に追加した。反応サイクルは、以下の条件を使用したMX3000PリアルタイムPCRシステムで行った:(1サイクル)95℃ 5分;(40サイクル)95℃ 10秒、60℃ 30秒。

図7及び図8で示される結果は、QPCRにおける両性イオン洗剤の活性の増強を示す。洗剤無含有Pfu融合DNAポリメラーゼ、SYBRグリーン、及び様々な両性イオン洗剤で配合されたQPCRマスターミックス(Stratageneのカタログ番号600581)を使用して、増幅を行った。洗剤非存在下で行ったQPCRでは、産物が産出されなかった(図7、左上のパネル)。これに対して、0.5% CHAPS又はCHAPSOの存在下で行った増幅は、増幅効率、全蛍光、及びCt値に関して、従来の非イオン性洗剤(0.1% Triton X100)の存在下で行った増幅と同程度であると考えられる。両性イオン洗剤の組合せは、個々の両性イオン洗剤と同程度効果的であるか、又は個々の両性イオン洗剤よりも効果的であり得る。例えば、0.1% CHAPSと、0.15% Anzergent 3−10との組合せは、QPCRにおいてPfu融合活性を高めるのに特に効果的である。
以下の両性イオン洗剤又は洗剤の組合せが、Pfu融合及びSYBRグリーン検出で行われるQPCR増幅を高める。

PCRの終点においてPfu DNAポリメラーゼ活性を高めるための非洗浄性界面活性剤の使用
図9で示される結果は、Surfynol 465が、Pfu融合(パネルA)及び非融合(パネルB)DNAポリメラーゼ活性を増強及び/又は安定化させることを示す。実施例2で示された条件を用いて、PCRを行った。0.05%〜2.5% Surfynol 465をPCR反応緩衝液に追加した場合、非イオン性洗剤非存在下で行った増幅によって、高い産物収量が得られた。この収量は、0.1% Triton X100をさらに追加した洗剤無含有PCR緩衝液を使用して得た収量と同程度であった。
本明細書中で言及された全ての特許、特許出願、及び刊行された参考文献は、その全体が参照により本明細書中に援用される。本発明は、その好ましい実施形態に関して具体的に図示及び記載しているが、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の範囲から逸脱することなく、形態及び詳細において様々な変更が実施形態中で為され得ることは、当業者に理解されよう。

Claims (6)

  1. 精製ポリメラーゼ、及び両性イオン洗剤を含み、前記両性イオン洗剤が、CHAPSO(登録商標)、n−デシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルフェート(Anzergent(登録商標)/Zwittergent(登録商標) 3−10)、もしくはn−ドデシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネート(Anzergent(登録商標)/Zwittergent(登録商標) 3−12)、又はそれらの組み合わせであり、非洗浄性界面活性剤をさらに含み、前記非洗浄性界面活性剤が、Surfynol(登録商標) 104、Surfynol(登録商標) 420、Surfynol(登録商標) 440、Surfynol(登録商標) 465、Surfynol(登録商標) 485、Surfynol(登録商標) 504、Surfynol(登録商標) PSAシリーズ、Surfynol(登録商標) SEシリーズ、Dynol(登録商標) 604、Surfynol(登録商標) DFシリーズ、Surfynol(登録商標) CTシリーズ、Surfynol(登録商標) EPシリーズ、及びSurfynol(登録商標) 2502から成る群から選択される、ポリメラーゼの保存又は核酸増幅反応用の組成物。
  2. 検出用ラベルをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記ポリメラーゼが熱安定性である、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記熱安定性ポリメラーゼが熱安定性DNAポリメラーゼ融合タンパク質である、請求項3に記載の組成物。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物と、そのためのパッケージング材料とを含むキット。
  6. 標的核酸を検出する方法であって、
    精製ポリメラーゼ、プライマー、両性イオン洗剤、ヌクレオシド−5’−トリホスフェート、及び検出用ラベルを含む反応混合物を形成すること、
    前記反応混合物を、前記標的核酸を増幅する核酸増幅反応条件に曝すこと、及び
    前記サンプル中の前記標的の存在及び/又は量の指標となる前記検出用ラベルから生じたシグナルを検出することを含み、
    前記両性イオン洗剤が、CHAPSO(登録商標)、n−デシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルフェート(Anzergent(登録商標)/Zwittergent(登録商標) 3−10)、もしくはn−ドデシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネート(Anzergent(登録商標)/Zwittergent(登録商標) 3−12)、又はそれらの組み合わせであり、
    前記反応混合物が、Surfynol(登録商標)104、Surfynol(登録商標) 420、Surfynol(登録商標) 440、Surfynol(登録商標) 465、Surfynol(登録商標)485、Surfynol(登録商標) 504、Surfynol(登録商標) PSAシリーズ、Surfynol(登録商標)SEシリーズ、Dynol(登録商標) 604、Surfynol(登録商標) DFシリーズ、Surfynol(登録商標)CTシリーズ、Surfynol(登録商標) EPシリーズ、及びSurfynol(登録商標)2502から成る群から選択される非洗浄性界面活性剤をさらに含む、標的核酸を検出する方法。
JP2009521833A 2006-07-25 2007-07-25 Dnaポリメラーゼの保存及び使用のための両性イオン洗剤 Expired - Fee Related JP5479895B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US83333106P 2006-07-25 2006-07-25
US60/833,331 2006-07-25
PCT/US2007/016790 WO2008013885A2 (en) 2006-07-25 2007-07-25 Zwitterionic detergents for the storage and use of dna polymerases

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2009544316A JP2009544316A (ja) 2009-12-17
JP2009544316A5 JP2009544316A5 (ja) 2010-09-09
JP5479895B2 true JP5479895B2 (ja) 2014-04-23

Family

ID=38982068

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009521833A Expired - Fee Related JP5479895B2 (ja) 2006-07-25 2007-07-25 Dnaポリメラーゼの保存及び使用のための両性イオン洗剤

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20080064071A1 (ja)
EP (1) EP2069487B1 (ja)
JP (1) JP5479895B2 (ja)
WO (1) WO2008013885A2 (ja)

Families Citing this family (38)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101558167A (zh) * 2006-08-01 2009-10-14 应用生物系统有限公司 分析物和核酸的检测
US9481912B2 (en) * 2006-09-12 2016-11-01 Longhorn Vaccines And Diagnostics, Llc Compositions and methods for detecting and identifying nucleic acid sequences in biological samples
US8652782B2 (en) * 2006-09-12 2014-02-18 Longhorn Vaccines & Diagnostics, Llc Compositions and methods for detecting, identifying and quantitating mycobacterial-specific nucleic acids
US7972828B2 (en) 2006-12-19 2011-07-05 Sigma-Aldrich Co. Stabilized compositions of thermostable DNA polymerase and anionic or zwitterionic detergent
EP1970440A1 (en) * 2007-03-06 2008-09-17 Qiagen GmbH Polymerase stabilization by ionic detergents
US11041215B2 (en) 2007-08-24 2021-06-22 Longhorn Vaccines And Diagnostics, Llc PCR ready compositions and methods for detecting and identifying nucleic acid sequences
US20140038174A1 (en) * 2011-04-26 2014-02-06 Longhorn Vaccines And Diagnostics, Llc Compositions and Methods for Detecting and Identifying Nucleic Acid Sequences in Biological Samples
JP5608997B2 (ja) * 2009-03-31 2014-10-22 東洋紡株式会社 保存安定性に優れた核酸増幅検出試薬キット
AU2010258715B2 (en) 2009-06-12 2015-04-09 Perkinelmer Health Sciences, Inc. Rehydratable matrices for dry storage of TAQ polymerase in a microfluidic device
CN102803507B (zh) * 2009-06-12 2016-05-25 精密公司 用于微流体装置中在板反应剂的脱水储存的组合物及方法
GB0915796D0 (en) 2009-09-09 2009-10-07 Fermentas Uab Polymerase compositions and uses
US20110250598A1 (en) * 2010-04-12 2011-10-13 Ulrike Fischer Detergent free polymerases
WO2012018639A2 (en) 2010-07-26 2012-02-09 Biomatrica, Inc. Compositions for stabilizing dna, rna and proteins in saliva and other biological samples during shipping and storage at ambient temperatures
JP5933544B2 (ja) 2010-07-26 2016-06-08 バイオマトリカ, インコーポレーテッド 外界温度で出荷および貯蔵中の血中dna、rnaおよびタンパク質ならびに他の生体試料を安定化させるための組成物
CN103068369A (zh) * 2010-08-30 2013-04-24 霍夫曼-拉罗奇有限公司 产生四连蛋白-载脂蛋白a-i颗粒的方法,由此获得的脂质颗粒及其应用
GB201015569D0 (en) * 2010-09-16 2010-10-27 Medical Res Council Blood assay for prions
US8715987B2 (en) 2011-05-02 2014-05-06 New England Biolabs, Inc. Solubilized phospholipids for stabilizing nucleic acid polymerases
CN106518696B (zh) 2011-06-08 2019-06-14 生命技术公司 用于pcr系统的新型去污剂的设计和开发
US9567628B2 (en) 2011-06-08 2017-02-14 Life Technologies Corporation Polymerization of nucleic acids using proteins having low isoelectric points
JP6207507B2 (ja) 2011-08-25 2017-10-04 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲーF. Hoffmann−La Roche Aktiengesellschaft 短縮されたテトラネクチン−アポリポプロテインa−i融合タンパク質、それを含む脂質粒子、及びその使用
JP6300452B2 (ja) * 2012-05-17 2018-03-28 タカラバイオ株式会社 インターカレーティング色素及び界面活性剤を含むdna合成用組成物
US9085761B1 (en) 2012-06-14 2015-07-21 Affymetrix, Inc. Methods and compositions for amplification of nucleic acids
PL221739B1 (pl) 2012-08-09 2016-05-31 Pol Pack Service Spółka Akcyjna Tunel dezynfekujący, w szczególności do dezynfekcji powierzchni obiektów nietrwałych
WO2014072367A1 (en) * 2012-11-07 2014-05-15 Qiagen Gmbh Control for diagnostic assay
EP3249054A1 (en) 2012-12-20 2017-11-29 Biomatrica, INC. Formulations and methods for stabilizing pcr reagents
US9914964B2 (en) 2013-10-25 2018-03-13 Life Technologies Corporation Compounds for use in PCR systems and applications thereof
ES2891555T3 (es) 2014-06-10 2022-01-28 Biomatrica Inc Estabilización de trombocitos a temperaturas ambiente
ES2884256T3 (es) * 2014-06-10 2021-12-10 Biomatrica Inc Métodos y composiciones para la estabilización de ácidos nucleicos en una muestra de sangre a temperaturas ambientales
WO2016014493A1 (en) 2014-07-22 2016-01-28 Bio-Rad Laboratories, Inc. Buffers for use with polymerases
US10053676B2 (en) 2014-11-25 2018-08-21 Bio-Rad Laboratories, Inc. Arginine improves polymerase storage stability
KR102589056B1 (ko) 2015-12-08 2023-10-12 바이오매트리카 인코포레이티드 적혈구 침강 속도의 감소
EP3402880B1 (en) 2016-01-15 2024-01-03 Thermo Fisher Scientific Baltics UAB Thermophilic dna polymerase mutants
CA3042088A1 (en) 2017-01-16 2018-07-19 Spectrum Solutions L.L.C. Nucleic acid preservation solution and methods of manufacture and use
CN110446787A (zh) 2017-03-24 2019-11-12 生物辐射实验室股份有限公司 通用发夹引物
EP3645710A1 (en) 2017-06-26 2020-05-06 Thermo Fisher Scientific Baltics Uab Thermophilic dna polymerase mutants
US11708598B2 (en) 2017-11-21 2023-07-25 Nanohelix Co., Ltd. Composition for polymerase reaction
FI3749781T3 (fi) * 2018-02-06 2024-12-27 Gen Probe Inc Kaukopunaväriaineen koetinformulaatioita
CN116724127A (zh) * 2020-12-31 2023-09-08 生命技术公司 再水合缓冲溶液和方法

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6127155A (en) * 1986-08-22 2000-10-03 Roche Molecular Systems, Inc. Stabilized thermostable nucleic acid polymerase compositions containing non-ionic polymeric detergents
US5994056A (en) * 1991-05-02 1999-11-30 Roche Molecular Systems, Inc. Homogeneous methods for nucleic acid amplification and detection
US5527487A (en) * 1991-11-27 1996-06-18 Novo Nordisk A/S Enzymatic detergent composition and method for enzyme stabilization
US5837453A (en) * 1992-05-13 1998-11-17 Geron Corporation Telomerase activity assays
US5593840A (en) * 1993-01-27 1997-01-14 Oncor, Inc. Amplification of nucleic acid sequences
US5792612A (en) * 1994-06-22 1998-08-11 Helsinki University Licensing, Ltd. Use of lipids to improve the polymerse chain reaction
US6114150A (en) * 1995-11-29 2000-09-05 Yale University Amplification of nucleic acids
DE19612779A1 (de) * 1996-03-29 1997-10-02 Boehringer Mannheim Gmbh Verfahren zur spezifischen Vervielfältigung von langen Nukleinsäuren durch PCR
US5861295A (en) * 1997-01-02 1999-01-19 Life Technologies, Inc. Nucleic acid-free thermostable enzymes and methods of production thereof
US6030814A (en) * 1997-04-21 2000-02-29 Epicentre Technologies Corporation Reverse transcription method
US6787305B1 (en) * 1998-03-13 2004-09-07 Invitrogen Corporation Compositions and methods for enhanced synthesis of nucleic acid molecules
US6242235B1 (en) * 1998-06-24 2001-06-05 Promega Corp. Polymerase stabilization by polyethoxylated amine surfactants
US6881107B2 (en) * 2000-08-12 2005-04-19 Gibbs Technologies Limited Amphibious vehicle comprising an improved decoupler
US6617136B2 (en) * 2001-04-24 2003-09-09 3M Innovative Properties Company Biological sample processing methods and compositions that include surfactants
US20030017567A1 (en) * 2001-04-24 2003-01-23 3M Innovative Properties Company Biological sample processing methods and compositions that include surfactants
ATE459710T1 (de) * 2003-03-25 2010-03-15 Stratagene California Dna-polymerasefusionen und deren verwendungen
GB2420560A (en) * 2004-11-30 2006-05-31 Bioline Ltd A method for increasing the specificity of enzymatic DNA synthesis
US20060286557A1 (en) * 2005-06-15 2006-12-21 Basehore Lee S Combined lysis and PCR buffer

Also Published As

Publication number Publication date
EP2069487B1 (en) 2014-03-19
WO2008013885A2 (en) 2008-01-31
EP2069487A4 (en) 2010-06-16
WO2008013885A3 (en) 2008-11-27
EP2069487A2 (en) 2009-06-17
US20080064071A1 (en) 2008-03-13
JP2009544316A (ja) 2009-12-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5479895B2 (ja) Dnaポリメラーゼの保存及び使用のための両性イオン洗剤
KR101865870B1 (ko) 변형된 RNAse H 및 핵산 증폭의 검출
JP2825976B2 (ja) 均質検定システム
US20070015180A1 (en) Oligonucleotide probe/primer compositions and methods for polynucleotide detection
US7504218B2 (en) Key probe compositions and methods for polynucleotide detection
KR101404130B1 (ko) Thd 프라이머 타겟 검출
JP2004500005A (ja) カチオン界面活性剤による酵素の安定化
JP5022383B2 (ja) マグネシウム封鎖によるpcrホットスタート
US20070020656A1 (en) Snapback oligonucleotide probe
US20170044507A1 (en) Modified rnase h enzymes and their uses
AU2013203590A1 (en) Modified RNase H enzymes and their uses
EP2989178B1 (en) Composite visible colorant and method for quantitative amplification
US20120219945A1 (en) Use of single-stranded binding protein in amplifying target nucleic acid
JP3970816B2 (ja) バックグラウンドを下げる蛍光ハイブリダイゼーションプローブ
KR102146523B1 (ko) 표적 핵산의 향상된 증폭
JP7628085B2 (ja) 鎖分離温度に基づくDNAに対してRNA標的の優先的/選択的増幅のためのdITPの利用
JP2024501832A (ja) 高忠実度DNAポリメラーゼによるrhPCRベース増幅産物シーケンシングにおいて、プライマー二量体及びオフターゲット増幅を低減するRNアーゼH2突然変異体

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100726

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100726

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20101015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130118

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20130416

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20130423

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130426

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130823

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131220

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20140106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5479895

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees