JP3970816B2 - バックグラウンドを下げる蛍光ハイブリダイゼーションプローブ - Google Patents

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Description

本発明は、リアルタイムPCR の分野に関する。より詳細には、本発明は、改良した一対のFRETハイブリダイゼーションプローブに関する。
動力学的リアルタイムPCR において、PCR 産物の形成は、PCR の各サイクル中にモニターされる。増幅は、通常、増幅反応中に蛍光シグナルを測定するためにさらなるデバイスを備えるサーモサイクラーにおいて測定される。この代表例は、Roche Diagnostics LightCycler (カタログ番号2 0110468 )である。増幅産物は、例えば、標的核酸に結合した場合に蛍光シグナルを発光するのみの蛍光標識ハイブリダイゼーションプローブにより、または特定の場合には、二本鎖DNA に結合する蛍光色素によっても検出される。規定のシグナル閾値は、全ての反応について決定されて解析され、この閾値に達するのに必要なサイクル数Cpが、標的核酸についてならびに参考核酸(例えば、標準またはハウスキーピング遺伝子)について決定される。標的分子の絶対コピー数または相対コピー数は、標的核酸および参考核酸について得られたCp値に基づいて決定され得る(例えば、特許文献1、特許文献2および特許文献3参照)。
FRETリアルタイムPCR 試験フォーマットは、同時に使用されかつ増幅される標的核酸の同じ鎖の隣接部位に相補的な2つの一本鎖ハイブリダイゼーションプローブにより特徴付けられる。両プローブは、異なる蛍光成分で標識される。適切な波長の光で励起される場合、第1成分は、蛍光共鳴エネルギー転移の原理に従って吸収エネルギーを第2成分に転移し、その結果、両ハイブリダイゼーションプローブが検出対象の標的分子の隣接位置に結合する場合、第2成分の蛍光発光が測定され得る(あるいは、FRETドナー成分の蛍光減少がモニターされ得る)。当該分野で公知の全ての検出フォーマットの中でも、この「FRETハイブリダイゼーションプローブフォーマット」は、非常に感受性が高く、正確でかつ信頼性が高いことが判明している。適切なFRETハイブリダイゼーションプローブ配列の設計は、時には、検出対象の標的核酸配列の特殊な特徴により限定され得る。
あるいは、蛍光標識プライマーおよび唯一の標識オリゴヌクレオチドプローブを使用することも可能である(例えば、非特許文献1参照)。
FRETハイブリダイゼーションプローブの別の適用は、融解曲線解析である。このようなアッセイにおいて、標的核酸は、適切な増幅プライマーを用いる代表的PCR 反応で始めに増幅される。ハイブリダイゼーションプローブは、すでに増幅反応中に存在しているか、または続いて添加され得る。PCR 反応の完了後、試料の温度は本質的に上昇し、ハイブリダイゼーションプローブが標的DNA に結合する限り蛍光は検出される。融解温度で、ハイブリダイゼーションプローブは、その標的から放出され、蛍光シグナルはバックグラウンドレベルまで速やかに減少する。この減少は、適切な蛍光対温度−時間プロット、初期誘導蛍光対温度プロットを用いてモニターされ、蛍光減少が観察される正確な温度が決定され得る。
しかし、使用される蛍光色素の型に依存して、ほとんどの場合、妥当なバックグラウンド蛍光が存在することが観察されている。これは、特に、蛍光シグナルが当該分野で公知の任意の方法によりバックグラウンド蛍光について標準化される場合、アッセイの制限されたダイナミックレンジを生じる。
二重または多重標識フルオレセインドナープローブがFRETプロセスを高め、その結果FRETアクセプター化合物の増加した発光が達成されることは文献から公知である。しかし、この代案の効率は、ドナープローブに関する色素の空間配位に強く依存する(例えば、非特許文献2参照)。さらに、複数の蛍光ドナーオリゴヌクレオチドは、精製が困難であり、オリゴヌクレオチドに対するモノマードナーホスホロアミダイト構造ブロックは、高価な開始物質である。さらに、この原理は、普遍的ではなく、ホスホロアミダイトアプローチが実行可能な塩基安定性色素に限定される。
国際公開第97/46707号パンフレット 国際公開第97/46712号パンフレット 国際公開第97/46714号パンフレット バーナード・ピー.エス.(Bernard, P.S. )ら、「Anal.Biochem」、1998年、第255 巻、p.101-7 オカムラ・ワイ.(Okamura, Y. )ら、「Nucleic Acid Res」、2000年、第28巻、E107
従って、使用される標識色素の型とは独立して、改良されたシグナル強度およびかなり広いダイナミックレンジの検出を提供するFRETハイブリダイゼーションプローブが必要である。
この問題は、本発明のFRETハイブリダイゼーションプローブにより解決される、ここで、FRETドナープローブ自身は、蛍光ドナー部分を消光し得る化学部分を保有している。
さらに正確には、新規発明は、標的核酸上で互いに隣接してハイブリダイズする一対のFRETハイブリダイゼーションプローブに関する。この一対のFRETハイブリダイゼーションプローブは、FRETドナー実体を保有する第1のオリゴヌクレオチドおよびFRETアクセプター実体を保有する第2のオリゴヌクレオチドからなり、ここで、第1のオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの第2の実体を保有し、第2の実体はこのドナー蛍光実体の蛍光発光を消光し得る化合物である。
好ましくは、ドナー蛍光実体を保有する第1のオリゴヌクレオチドのヌクレオチド残基はまた、消光活性を有する第2の実体を保有する。
この一対のFRETハイブリダイゼーションプローブのうちの1つのメンバーが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR )などの核酸増幅反応におけるプライマーとして役立ち得る場合、それはまた本発明の範囲内である。
さらに、本発明は、上記で開示された本発明の一対のFRETハイブリダイゼーションプローブを使用する方法に関し、ここで、ドナー蛍光実体の蛍光発光またはアクセプター蛍光実体の蛍光発光のいずれかは、リアルタイムでモニターされる。特定の態様において、このFRETドナー実体の蛍光発光は、第1の検出器チャネルでモニターされ、このFRETアクセプター実体の蛍光発光は、第2の検出器チャネルでモニターされ、その結果、FRETアクセプター実体の蛍光発光は、このFRETドナー実体の蛍光発光により標準化され得る。
すなわち、本発明は、
〔1〕 FRETドナー実体を保有する第1のオリゴヌクレオチドおよびFRETアクセプター実体を保有する第2のオリゴヌクレオチドからなり、ドナー蛍光実体を保有するオリゴヌクレオチドが、少なくとも1つの第2の実体を保有しており、該第2の実体が該ドナー蛍光実体の蛍光発光を消光しうる化合物である、FRETハイブリダイゼーションプローブ対、
〔2〕 ドナー蛍光実体を保有する前記第1のオリゴヌクレオチドの同じヌクレオチド残基が、前記ドナー蛍光実体の蛍光発光を消光しうる前記第2の実体を保有している前記〔1〕記載のFRETハイブリダイゼーションプローブ対、
〔3〕 少なくとも3つのオリゴヌクレオチドのセットであって、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドが、鋳型依存核酸増幅反応のための増幅プライマー対として作用しうることを特徴とし、該第1のオリゴヌクレオチドおよび第3のオリゴヌクレオチドが、FRETドナー実体およびFRETアクセプター実体からなるFRET対の1つの対応するメンバーを用いて各々標識されることをさらに特徴とし、FRETドナー実体を保有するオリゴヌクレオチドが第2の実体を保有しており、該第2の実体が該ドナー蛍光実体の蛍光発光を消光しうる化合物である、オリゴヌクレオチドのセット、
〔4〕 FRETドナー実体を保有する前記第1のオリゴヌクレオチドの同じヌクレオチド残基が、該ドナー蛍光実体の蛍光発光を消光しうる前記第2の実体を保有している前記〔3)記載のオリゴヌクレオチドのセット、
〔5〕 核酸試料および前記〔1〕もしくは〔2〕記載のハイブリダイゼーションプローブ対または前記〔4〕記載のオリゴヌクレオチドのセットを含有してなる組成物、
〔6〕 前記〔1〕もしくは〔2〕記載のハイブリダイゼーションプローブ対または前記〔3〕もしくは〔4〕記載のオリゴヌクレオチドのセット、ならびに核酸増幅プライマー、鋳型依存核酸ポリメラーゼ、デオキシヌクレオシド三リン酸および鋳型依存核酸増幅反応のための緩衝液からなる群より選ばれた少なくとも1つの他の成分を含有してなるキット、
〔7〕 核酸試料における核酸配列の定性的または定量的な検出方法であって、該核酸試料が前記〔1〕または〔2〕記載のFRETハイブリダイゼーションプローブ対を用いてハイブリダイズされる、検出方法、
〔8〕 前記〔1〕または〔2〕記載の前記ハイブリダイゼーションプローブの配列に実質的に相補的な標的核酸配列を含有する前記試料に存在する前記核酸の一部が、鋳型依存核酸増幅反応、好ましくはポリメラーゼ連鎖反応により増幅されることを特徴とする前記〔7〕記載の方法、
〔9〕 前記〔3〕または〔4〕記載の前記第1のオリゴヌクレオチドおよび前記第2のオリゴヌクレオチドのプライマー対を用いる鋳型依存核酸増幅、ならびに前記〔3〕または〔4〕記載の前記第3のオリゴヌクレオチドと増幅産物のハイブリダイゼーションを含む、核酸試料における核酸配列の定性的または定量的な検出方法、
〔10〕 ドナー蛍光実体の蛍光発光またはアクセプター蛍光実体の発光のいずれかがリアルタイムでモニターされる前記〔8〕または〔9〕記載の方法、
〔11〕 前記FRETドナー実体の蛍光発光が第1の検出器チャネルでモニターされ、前記FRETアクセプター実体の蛍光発光が第2の検出器チャネルでモニターされることを特徴とし、該FRETアクセプター実体の蛍光発光が該FRETドナー実体の蛍光発光により標準化されることをさらに特徴とする前記〔10〕記載の方法、
〔12〕 蛍光発光が温度の関数として決定されることを特徴とする、標的核酸および前記〔1〕または〔2〕記載のFRETハイブリダイゼーションプローブ対からなるハイブリッドの融解プロフィールの決定方法、
〔13〕 蛍光発光が温度の関数として決定されることを特徴とする、前記〔8〕記載の増幅された標的核酸および前記〔3〕または〔4〕記載の前記第3のオリゴヌクレオチドからなるハイブリッドの融解プロフィールの決定方法、ならびに
〔14〕 FRETドナー実体の蛍光発光が第1の検出器チャネルでモニターされ、FRETアクセプター実体の蛍光発光が第2の検出器チャネルでモニターされることを特徴とし、該FRETアクセプター実体の蛍光発光が該FRETドナー実体の蛍光発光により標準化されることをさらに特徴とする前記〔12〕または〔13〕記載の方法
に関する。
本発明のFRETハイブリダイゼーションプローブにより、使用される標識色素の型とは独立して、改良されたシグナル強度およびかなり広いダイナミックレンジの検出が可能である。
FRETハイブリダイゼーションプローブを用いるリアルタイムPCR において、合成された増幅産物の量の測定として、蛍光がモニターされる。信頼でき、かつ定量的なデータを得るために、バックグラウンドの蛍光シグナル伝達に対して絶対シグナルの標準化を行なうことが有利であることが証明されている。これを達成するために、FRETアクセプターの蛍光発光が第1の検出器チャネルでモニターされ、FRETドナーの蛍光発光が第2の検出器チャネルでモニターされる。結果として、FRETアクセプターの蛍光発光は、得られた値を前記FRETドナーの蛍光発光で割ることにより標準化されうる。
しかしながら、FRET対を作製するために実際に使用される蛍光色素に依存して、標準化された値は、ときどき最適であるものよりかなり遠い。これは、それぞれのアッセイの低いダイナミックレンジを生じる。これに関連して、本発明者らは、この効果が主にFRETドナー部分のバックグラウンドシグナル伝達のためであることを観察した。本発明の一般的な考えにより、この問題は、FRETドナーシグナルの適切な消光により克服されうる。
これを達成するために、1つ以上のクエンチャー分子をFRETドナー部分に近接させることにより、FRETドナー部分が消光される。本発明により、これは、FRETドナー部分を保有するオリゴヌクレオチドが、さらにFRETドナー部分それ自身を消光しうる第2の実体を保有するようになされる。好ましくは、ドナー蛍光実体を保有するヌクレオチド残基の残基はまた、消光活性を有する第2の実体を保有している。
本発明に関連して、エネルギー移動クエンチャーならびに電子移動クエンチャーの両方を使用することもまた可能である(Dietrich, A. ら、J. Biotechnol 82 (2002) 211-31) 。結果として、本発明により使用されうるクエンチャー部分の非化学的コンセンサス構造が、規定されうる。クエンチャーはダークであり、それは、FRETプロセス間にいずれの干渉蛍光も示さないことを意味する。しかしながら、互いに対する複数のFRETドナー部分の消光効果に少なくとも理論的に起因しうる任意の消光効果は、本発明から除外される。なぜなら、この現象は、全FRETドナーに対して普遍的でないからである。
本発明の方法は、FRETアッセイを設計するためのオプションを改良し、FRET検出プロセスのシグナル動力学を改良する。なぜなら、FRETドナーの干渉発光が、有意に低減されるからである。これは、FRETドナー発光のスペクトルが少なくとも部分的にFRETアクセプター発光のスペクトルに重なる場合、特に重要である。
驚くべきことに、FRETドナー部分に近接したクエンチャー部分の存在にもかかわらず、FRETドナーはFRETパートナーとしてまだ作用しうる。よりいっそう驚くべきことに、FRETドナー蛍光と比較して、FRETドナーエネルギー移動活性は、これまでに発明者らにより試験された全てのクエンチャーに対してこれらの条件下であまり減少しない。したがって、本発明のクエンチャー部分の導入は、有意にFRETドナーのバックグラウンド蛍光を低減するが、FRETプロセスそれ自身の効率に影響しない。
適切な消光化合物は、当該分野で公知の任意の種類のエネルギー移動クエンチャーである。本発明の実例は、限定されないが、以下の化合物:
− グアノシン/ジアミノプリン
− ニトロインドール
− トリプトファン
− Dabcylなどのダーククエンチャー(Kreuzer, K.A.ら、Clin Chem 47 (2001) 486-90)
− ブラックホールクエンチャー(WO 01/&86001)
の使用である。
任意のこれらまたは他の化学化合物は、所望の消光効果を生じるために使用されうる。さらに、複数のクエンチャー化合物すら使用されうる。全ての消光化合物が直接または他のクエンチャー化合物を介してのいずれかでFRETドナー部分を保有するヌクレオチド残基に連結される限り、異なる型のクエンチャー分子をあわせることもまた可能である。
特定の態様は、いくつかの場合、グアノシン残基もまた消光効果を有するという観察に基づく(Seidel ら、J. Phys. Chem. 1996 100,5541-5553)。この態様において、導入した消光化合物は、FRETドナーを保有するハイブリダイゼーションプローブの末端G 残基であり、末端G 残基それ自身は検出対象の標的核酸にハイブリダイズする場合、ワトソン−クリック塩基対相互作用を形成しない。この場合において、末端G 残基それ自身は、FRETドナー部分を表わす蛍光色素で標識される。
第1の局面において、本発明は、少なくともFRETドナー実体を保有する第1のオリゴヌクレオチドおよび少なくともFRETアクセプター実体を保有する第2のオリゴヌクレオチドからなるFRETハイブリダイゼーションプローブ対に関する。ドナー蛍光実体を保有する前記第1のオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの第2の実体を保有しており、前記第2の実体は前記ドナー蛍光実体の蛍光発光を消光しうる化合物である。
第1のオリゴヌクレオチド内のヌクレオチド残基の位置は、FRETドナー実体の発光に関して消光効果を生じる限り、任意に選択されうる。しかしながら、好ましくは、FRETドナー実体およびクエンチャー実体を保有する2つの残基は、互いに空間的に接近している。例えば、これらの2つの残基は、隣接した残基でありうる。最も好ましくは、同じ残基が蛍光ドナー実体および消光実体の両方で標識される。
また、好ましくは、第1のFRET実体を保有する1つのオリゴヌクレオチドはその3'末端残基で標識され、第2のFRET実体を保有する第2のオリゴヌクレオチドはその5'末端残基で標識され、両方のオリゴヌクレオチドが標的核酸にハイブリダイズされる場合、前記末端残基が標的核酸中の隣接残基とまたは少なくともさらに1または2残基だけ離れているのみである残基と塩基対を形成するという事実により、両方のFRET実体の蛍光標識が互いに近接される。これに関連して、これらのエレメントはオリゴヌクレオチドの5'または3'末端の両方、いずれかに導入されうるので、本発明のクエンチャー化合物と共にFRETドナー部分を保有するオリゴヌクレオチドは、任意に選択されうる。
第2の局面において、本発明は、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドが、鋳型依存核酸増幅反応のための増幅プライマー対として作用しうることを特徴とする、少なくとも3つのオリゴヌクレオチドのセットに関する。前記第1のオリゴヌクレオチドおよび前記第3のオリゴヌクレオチドは、FRETドナー実体およびFRETアクセプター実体からなるFRET対の少なくとも1つの対応するメンバーを用いて各々標識され、FRETドナー実体を保有するオリゴヌクレオチドは少なくとも1つの第2の実体を保有しており、前記第2の実体は前記ドナー蛍光実体の蛍光発光を消光しうる化合物である。再び、FRETドナー実体およびクエンチャー実体を保有する第1のオリゴヌクレオチドの2つの残基は、好ましくは互いに空間的に接近している。例えば、これらの2つの残基は、隣接した残基でありうる。最も好ましくは、同じ残基が蛍光ドナー実体および消光実体の両方で標識される。
増幅した標的核酸への前記第3のオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションにおいて、前記第1のオリゴヌクレオチドおよび前記第3のヌクレオチドの標識は、それらが、無し、1、2または数個のみのヌクレオチド残基だけ離れるように、互いに近接されることが重要である。このことは、例えば、前記第1のオリゴヌクレオチドおよび第3のオリゴヌクレオチドが互いに部分的に相補的であることを特徴とするプライマー/プローブ設計により達成されうる。このことについては、「部分的には」という用語は、相補性が1、2、3または数個のみのオリゴヌクレオチドに制限される態様を含むと理解される必要がある。
好ましくは、FRETに関係しうるために、プライマーとして役に立ち同時に標識されるオリゴヌクレオチドは、好ましくは内部ヌクレオチド残基で標識される。なぜなら、3'末端標識は鋳型依存ポリメラーゼによる伸長を阻害し、したがって、増幅産物の欠如を生じるからである。他方、5'末端標識はあまり適切ではなく、なぜならこの位置での標識は、前記第1のオリゴヌクレオチドにほとんど相補的であるオリゴヌクレオチドプローブを必要とするからである。このことは再び増幅プロセスの間に問題をもたらす。なぜなら、第1のオリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドプローブが、増幅反応の前にすでにハイブリッドを形成し、増加したバックグラウンド蛍光を生じうるからである。
好ましくは、ハイブリダイゼーションプローブとして使用される第3のオリゴヌクレオチドは、本発明のFRETドナー部分およびクエンチャー化合物の両方を用いてその5'末端残基またはその3'末端残基で標識される。増幅した標的核酸を用いるハイブリダイゼーションにおいて、両方のFRET実体の蛍光標識が、2つの標識したヌクレオチド残基が互いに、または少なくとも隣接した残基とのいずれかで塩基対を形成するように、互いに近接される。
第3の局面において、本発明は、上記開示されたFRETオリゴヌクレオチドを含有してなる組成物に関する。より正確には、本発明の組成物は、核酸試料およびハイブリダイゼーションプローブ対を含有し、この対が、FRETドナー実体を保有する第1のオリゴヌクレオチドおよびFRETアクセプター実体を保有する第2のオリゴヌクレオチドからなり、ドナー蛍光実体を保有する前記第1のオリゴヌクレオチドが少なくとも1つの第2の実体を保有しており、前記第2の実体が前記ドナー蛍光実体の蛍光発光を消光しうる化合物であることを特徴とする。
代替的には、本発明の組成物は、少なくとも3つのオリゴヌクレオチドのセットを含有し得、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドが、鋳型依存核酸増幅反応のための増幅プライマー対として作用しうることを特徴とする。第1のオリゴヌクレオチドおよび第3のオリゴヌクレオチドは、FRETドナー実体およびFRETアクセプター実体からなるFRET対の1つの対応するメンバーを用いて各々標識され、FRETドナー実体を保有するオリゴヌクレオチドは少なくとも1つの第2の実体を保有しており、前記第2の実体は前記ドナー蛍光実体の蛍光発光を消光しうる化合物である。前記第1のオリゴヌクレオチドおよび前記第3のオリゴヌクレオチドは、好ましくは、一連の1、2、3またはほんの数個の残基にわたって互いに部分的に相補的でありうる。
本発明はまた、上記開示された本発明のオリゴヌクレオチド対および組成物の使用の様々な方法および適用に関する。
より正確には、本発明は、核酸試料における核酸配列の定性的または定量的な検出方法であって、前記核酸試料が少なくともFRETドナー実体を保有する第1のオリゴヌクレオチドおよび少なくともFRETアクセプター実体を保有する第2のオリゴヌクレオチドからなるFRETハイブリダイゼーションプローブ対を用いてハイブリダイズされる、検出方法に関する。ドナー蛍光実体を保有する前記第1のオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの第2の実体を保有しており、それは前記ドナー蛍光実体の蛍光発光を消光しうる化合物である。
1つの態様において、かかる方法は、典型的なハイブリダイゼーションアッセイでありうる。ハイブリダイゼーションは、溶液中か、あるいは代替的には固体支持体上にすでに固定化された標的核酸またはFRETハイブリダイゼーションプローブ対の1つのメンバーのいずれかで行なわれうる。固体支持体それ自体は、例えば、ハイブリダイゼーション膜、磁石ガラスビーズ、核酸を固定化するためのマイクロアレイまたは当該分野で公知の任意の他の物質でありうる。
別の非常に好ましい態様において、試料中に存在する前記核酸の一部は、ハイブリダイゼーション手順の前またはその間に核酸増幅反応、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR) に供される。前もって必要なものとして、標的核酸は、使用されるハイブリダイゼーションプローブの配列に実質的に相補的な配列を含有する。換言すれば、使用されるハイブリダイゼーションプローブは、標的核酸に特異的にハイブリダイズする必要がある。
代替的には、標的核酸が増幅されている場合、少なくとも3つの異なるオリゴヌクレオチドのセットが使用される。このセットは、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドが、鋳型依存核酸増幅反応のための増幅プライマー対として作用しうることが特徴とされる。前記第1のオリゴヌクレオチドおよび前記第3のオリゴヌクレオチドは、FRETドナー実体およびFRETアクセプター実体からなるFRET対の少なくとも1つの対応するメンバーを用いて各々標識され、FRETドナー実体を保有するオリゴヌクレオチドは少なくとも1つの第2の実体を保有しており、前記第2の実体は前記ドナー蛍光実体の蛍光発光を消光しうる化合物である。
さらに、前記開示された方法は、増幅反応それ自身の間のドナー蛍光実体の蛍光発光またはアクセプター蛍光実体の発光のいずれかをモニタリングすることにより、リアルタイムでの増幅反応のモニタリングを可能にする。したがって、リアルタイムモニタリングは、速度論的データの作製を可能にし、定量分析を容易する。
FRETドナー実体の低いバックグラウンドは、FRETアクセプター実体の蛍光発光が前記FRETドナー実体の蛍光発光により標準化される場合、特に重要である。標準化は、FRETアクセプターの蛍光発光に対してモニターされた値を前記FRETドナーの蛍光発光に対してモニターされた値で割ることにより、通常行なわれる。結果として、低いバックグラウンドが、高い標準化スコアを生じる。
これに関連して、新規発明はまた、FRETドナー実体の蛍光発光が第1の検出器チャネルでモニターされ、前記FRETアクセプター実体の蛍光発光が第2の検出器チャネルでモニターされることを特徴とし、前記FRETアクセプター実体の蛍光発光が前記FRETドナー実体の蛍光発光により標準化されることをさらに特徴とする、核酸試料における核酸配列の定性的または定量的な検出方法に関する。
さらなる局面において、本発明は、融解曲線分析のための前記開示されたFRETハイブリダイゼーションプローブの使用に関し、標的核酸とハイブリダイゼーションプローブとの間の複合体の解離のモニタリングは、単一のヌクレオチド多型などの小さな配列バリアントの検出を可能にする。
より正確には、1つの局面において、本発明は、最初に、標的核酸と2つのハイブリダイゼーションプローブとの間に三重ハイブリッド複合体が形成される方法に関する。次に、温度が増加され、三重複合体の熱解離がリアルタイムで蛍光をモニタリングすることにより決定される。換言すれば、新規発明はまた、蛍光発光が温度の関数として決定されることを特徴とする、標的核酸および上記開示されたFRETハイブリダイゼーションプローブ対からなるハイブリッドの融解プロフィールの決定方法に関する。
代替的には、場合によっては標的核酸および1つのみのオリゴヌクレオチドからなるハイブリッドの融解プロフィールを決定することもまた可能であり、ここで標的核酸とハイブリダイゼーションプローブとして機能する標識オリゴヌクレオチドとの間の二重ハイブリッド複合体の熱解離がモニターされうるように、FRET対の第1のパートナーが適切に標識されたプライマーを使用して増幅産物に導入され、FRET対の第2のパートナーが適切に標識されたオリゴヌクレオチドにより提供される。
また、本発明の融解曲線分析を行なうために、FRETアクセプター部分の蛍光発光が第1の検出器チャネルでモニターされ、FRETドナー部分の蛍光発光が第2の検出器チャネルでモニターされ、そして前記FRETアクセプター実体の蛍光発光に対して得られる値が前記FRETドナー実体の蛍光発光により標準化されうる場合に有利であることが証明された。
最後の局面において、本発明は、本発明のハイブリダイゼーションプローブ対を含有してなるキットに関する。
かかるキットは、上記開示された本発明のFRETハイブリダイゼーションプローブのセットを含有しうる。さらに、それは核酸増幅反応のためのプライマー対として作用しうるオリゴヌクレオチドも含みうる。
正確には、キットは、FRETドナー実体を保有する第1のオリゴヌクレオチドおよびFRETアクセプター実体を保有する第2のオリゴヌクレオチドからなるFRETハイブリダイゼーションプローブ対であって、ドナー蛍光実体を保有する前記第1のオリゴヌクレオチドが、少なくとも1つの第2の実体を保有しており、前記第2の実体が前記ドナー蛍光実体の蛍光発光を消光しうる化合物である、FRETハイブリダイゼーションプローブ対を含有する。好ましくは、FRETドナー実体およびクエンチャー実体を保有する2つの残基は、互いに空間的に接近している。例えば、これらの2つの残基は、隣接した残基でありうる。最も好ましくは、同じ残基が蛍光ドナー実体および消光実体の両方で標識される。
代替的には、キットは、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドが、鋳型依存核酸増幅反応のための増幅プライマー対として作用しうることを特徴とし、前記第1のオリゴヌクレオチドおよび前記第3のオリゴヌクレオチドが、FRETドナー実体およびFRETアクセプター実体からなるFRET対の1つの対応するメンバーを用いて各々標識されることをさらに特徴とする、少なくとも3個のオリゴヌクレオチドのセットであって、FRETドナー実体を保有するオリゴヌクレオチドが少なくとも1つの第2の実体を保有しており、前記第2の実体が前記ドナー蛍光実体の蛍光発光を消光しうる化合物である、オリゴヌクレオチドのセットを含有する。再び、FRETドナー実体およびクエンチャー実体を保有する第1のオリゴヌクレオチドの2つの残基は、好ましくは互いに空間的に接近している。例えば、これらの2つの残基は、隣接した残基でありうる。最も好ましくは、同じ残基が蛍光ドナー実体および消光実体の両方で標識される。
さらに、本発明のキットは、核酸ポリメラーゼ、デオキシヌクレオシド三リン酸またはそれぞれのアナログ、およびPCR などの鋳型依存核酸増幅反応のために使用されうる適切な緩衝液などの少なくとも1つのさらなる成分を含みうる。さらに、このキットはまた、相対的または絶対的核酸定量実験の定量分析のためのコンピュータープログラムを保有するコンパクトディスクなどのソフトウェアツールを含有しうる。
以下の実施例、参考文献、配列表および図面は、本発明の理解を助けるために提供されるのであり、その真の範囲は、添付の特許請求の範囲に示される。本発明の精神から逸脱することなく示される手順において変更がなされうることが、理解される。
PCR プライマーおよびプローブの調製
プライマーを、市販の標準的ホスホロアミダイト(DMTr ibuG 、DMTr bzA;DMTr bzCおよびDMTr T)および対応するCPG 支持体を用いてABI394シンセサイザー上で1μmol スケールで合成した。標準的合成用の化学物質を、Glen Research から得た。固体支持体からのオリゴヌクレオチドの除去および脱保護を、33%NH3 を用いて55℃にて8時間実施した。合成をトリチル中で行った。精製を、Perseptive Biosystems 製RP 18 Oligo R3 4.6×50mmカラムで行った。緩衝液A:0.1M酢酸トリエチルアンモニウム含有水pH7.0 /MeCN 95:5、緩衝液B:MeCN。勾配3分20%B;12分12〜40%B、流速1ml/分、検出260nm 。続いて、濃縮オリゴヌクレオチド溶液を、5'DMTr保護基を除去するため室温にて5分間80%酢酸で処理した。その後、オリゴヌクレオチドを、RP 18 カラムで脱塩し、Speed Vac で凍結乾燥した。
蛍光標識プローブおよびニトロインドール部分を保有するプローブの調製
オリゴヌクレオチド合成を、1μmol レンジで実施した。市販の標準ホスホロアミダイト(DMTr ibu G、DMTr bzA;DMTr bz C およびDMTr T)および標準的合成用の化学物質をGlen Research から得た。5'フルオレセインを、市販の5'フルオレセインホスホロアミダイト(Glen Research (カタログ番号10-1916-90))を使用することにより誘導した。ニトロインドールを、市販の5 ニトロインドールホスホロアミダイト(Glen Research (カタログ番号10-1044-90))を用いて合成する間に誘導した。固体支持体として3'リン酸CPG (Glen Research 20-2900-01)を使用した。固体支持体からのオリゴヌクレオチドの除去および脱保護を、33%NH3 を用いて55℃にて8時間実施した。溶液を減圧下でエバポレートした。残渣を二重蒸留水に溶解した。標識オリゴヌクレオチドを、Oligo R3 4.6×50mmカラムを用いる逆相クロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィー:緩衝液A:0.1M酢酸トリエチルアンモニウム含有水pH7.0 、緩衝液B:0.1M酢酸トリエチルアンモニウム含有水/MeCN 1:1 。勾配2分0 %B、45分で100 %B(この勾配は生成物が溶出し始めた場合停止した)。生成物を約50%Bで溶出した。流速は1ml/分、260nm で検出。標識オリゴヌクレオチドピーク由来の画分を収集し、溶媒を減圧遠心機を用いて除去した。残渣を二重蒸留水に溶解し、次いで再び減圧遠心機でエバポレートした。この手順を3回繰り返した。ペレットを水に溶解し、凍結乾燥した。
3'LC Red 640標識オリゴヌクレオチドの調製のため、合成を、1μmol レンジで実施した。市販の標準ホスホロアミダイト(DMTr ibu G、DMTr bzA;DMTr bz C およびDMTr T)および標準的合成用の化学物質をGlen Research から得た。3'アミノ基を、市販の3'アミノ修飾物質CPG (ChemGenes カタログ番号NSS-0004A02CL )を固体支持体として使用することにより誘導した。固体支持体からのアミノ修飾オリゴヌクレオチドの除去および脱保護を、33%NH3 を用いて55℃にて8時間実施した。溶液を減圧下でエバポレートした。標識化および精製を市販のLC Red 640 NHSエステル(Roche Applied Science カタログ番号2015161 )のパック折込に記載の手順に従って実施した。
3'フルオレセイン標識オリゴヌクレオチドを、市販のLightCycler フルオレセインCPG (Roche Applied Science カタログ番号3138178 )のパック折込に従って合成し、精製した。5' LightCycler Red 640標識オリゴヌクレオチドを、LightCycler Red 640 NHS エステル(Roche Applied Science カタログ番号2015161 )のパック折込に従って合成し、精製した。
ニトロインドール消光FRETドナーを用いたおよび用いない第V因子DNA の定量リアルタイムPCR
第V因子DNA フラグメントの増幅のため、20μl リアルタイムPCR 反応混合物を、以下のように設定した:
103 または108 第V因子遺伝子を含むプラスミドのコピー
(Gene Bank 受託番号:M _014335)
3mM MgCl2
各500nM 配列番号:1および2のプライマー
各200nM 配列番号:3および4のFRETハイブリダイゼーションプローブ
LightCycler DNA マスターハイブリダイゼーションプローブキットのPCR 成分(Roche Applied Science カタログ番号2158825 )。
配列番号:3のプローブを、実施例1のLC-Red-640(Roche Applied Science )で3'末端標識した。配列番号:4のプローブを、実施例1のフルオレセインまたは実施例2のフルオレセインおよびニトロインドール部分で5'末端標識した。
増幅を以下のサーモサイクルプロトコールに従いLightCycler 装置(Roche Applied Science )中で実施した:
Figure 0003970816
リアルタイムモニタリングを、FRETアクセプターチャネルで得られた絶対シグナル値をFRETドナーチャネルで得られた絶対シグナル値で割ることにより45サイクルにわたって二次導関数閾値法を用いて実施し、従って、例えば、網状配置(capillary positioning )効果に関して蛍光シグナル伝達の標準化を生じた。
結果を図1に示す。図でわかるように、試験した標的DNA の両コピー数(図1a:108 コピー、図1b:103 コピー)について、消光部分としてニトロインドール基を保有するFRETドナーハイブリダイゼーションプローブの使用は、有意な増幅シグナルの増加を生じた。
ニトロインドール消光FRETドナーを用いるおよび用いない第V因子DNA の融解曲線解析
実施例2に開示した反応に続き、試料を、以下の温度移動プロトコールを使用してLightCycler マニュアル(Roche Applied Sciences)の使用説明書に従い融解曲線解析に供した:
Figure 0003970816
フルオレセインモニタリングを、チャネル2で得られた絶対シグナル値をチャネル1で得られた絶対シグナル値で割り、続く一次導関数の計算により実施した。
結果を図2に示す。図でわかるように、試験した標的DNA の両コピー数(図2a:108 コピー、図2b:103 コピー)について、消光部分としてニトロインドール基を保有するFRETドナーハイブリダイゼーションプローブの使用は、有意な融解ピークの増加を生じた。
G消光FRETドナーを有するHer4 cDNA の定量リアルタイムPCR
Her4 cDNA の増幅について、2つの独立した20μl リアルタイムPCR 反応混合物を、以下の変更と共に基本的に実施例3の元に開示されるよう構成した:
−Taq ポリメラーゼに代えて、FastStart Taq ポリメラーゼ(Roche Applied Sciencesカタログ番号2158264 )を使用した。
−HeLa細胞由来の20ng総RNA から逆転写したHer4をコードするDNA (Gene Bank 受託番号L07868)を増幅した。
−配列番号:5および6の500nm の各増幅プライマー
−配列番号:7および8の300nm の各FRETハイブリダイゼーションプローブまたは、あるいは
−配列番号:7および9の300nm の各FRETハイブリダイゼーションプローブ
配列番号:7のプローブを、LC-Red-640(Roche Applied Science )で5'末端標識した。配列番号:8および9のプローブは、配列番号:8のプローブが標的核酸に正確に相補する当該分野で公知のハイブリダイゼーションプローブを表し、一方、配列番号:9のプローブは標的核酸にハイブリダイズしない3'末端G残基を保有する本発明のハイブリダイゼーションプローブを表すという点で異なる。両プローブを、フルオレセインを用いてその3'末端残基で標識した。
増幅を基本的に実施例3に開示するように実施した。結果を図3に示す。上の曲線は、本発明の一対のFRETハイブリダイゼーションプローブを用いるリアルタイムモニタリングシグナルに対応し、ここで、フルオレセイン標識プローブは、配列番号:9のその3'末端でさらなるGを保有していた。下の曲線は、標的核酸に完全に一致する配列番号:8のフルオレセイン標識プローブを使用することに特徴を有する当該分野で公知の一対のFRETハイブリダイゼーションプローブを用いるリアルタイムモニタリングシグナルに対応する。配列番号:9のFRETドナープローブを用いるシグナル強度の増加はフルオレセイン化合物に関するさらなる誘導G残基の消光特性に起因すると結論付けられる。
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WO 97/46707
WO 97/46712
WO 97/46714
図1.aは、実施例3に開示されるリアルタイムPCR 実験のF2/F1 蛍光対サイクル数プロットである。+N/-N :FRETドナーでニトロインドール基あり/なし。a)108 コピーの標的DNA 図1.bは、実施例3に開示されるリアルタイムPCR 実験のF2/F1 蛍光対サイクル数プロットである。+N/-N :FRETドナーでニトロインドール基あり/なし。b)103 コピーの標的DNA 図2.aは、実施例4に開示される実験の融解曲線解析を示すF2/F1 蛍光対温度プロットの一次導関数である。+N/-N :FRETドナーでニトロインドール基あり/なし。a)108 コピーの標的DNA 図2.bは、実施例4に開示される実験の融解曲線解析を示すF2/F1 蛍光対温度プロットの一次導関数である。+N/-N :FRETドナーでニトロインドール基あり/なし。b)103 コピーの標的DNA 図3は、実施例5に開示されるリアルタイムPCR 実験のF2/F1 蛍光対サイクル数プロットである。上の曲線は、配列番号:9のさらなるGを保有するフルオレセイン標識プローブを用いた検出に対応し、一方、下の曲線は、配列番号:8の当該分野で公知のフルオレセイン標識プローブを用いた検出に対応する。

Claims (9)

  1. FRETドナー実体を保有する第1のオリゴヌクレオチドおよびFRETアクセプター実体を保有する第2のオリゴヌクレオチドからなり、ドナー蛍光実体を保有するオリゴヌクレオチドが、少なくとも1つの第2の実体を保有しており、該第2の実体が該ドナー蛍光実体の蛍光発光を消光しうる化合物であり、ドナー蛍光実体を保有する第1のオリゴヌクレオチドのヌクレオチド残基と同じヌクレオチド残基が該ドナー蛍光実体の蛍光発光を消光しうる該第2の実体を保有する、FRETハイブリダイゼーションプローブ対。
  2. 少なくとも3つのオリゴヌクレオチドのセットであって、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドが、鋳型依存核酸増幅反応のための増幅プライマー対として作用しうることを特徴とし、該第1のオリゴヌクレオチドおよび第3のオリゴヌクレオチドが、FRETドナー実体およびFRETアクセプター実体からなるFRET対の1つの対応するメンバーを用いて各々標識されることをさらに特徴とし、FRETドナー実体を保有するオリゴヌクレオチドが第2の実体を保有しており、該第2の実体が該ドナー蛍光実体の蛍光発光を消光しうる化合物であり、ドナー蛍光実体を保有する第1のオリゴヌクレオチドのヌクレオチド残基と同じヌクレオチド残基が該ドナー蛍光実体の蛍光発光を消光しうる該第2の実体を保有する、オリゴヌクレオチドのセット。
  3. 核酸試料および請求項1記載のハイブリダイゼーションプローブ対または請求項2記載のオリゴヌクレオチドのセットを含有してなるキット
  4. 請求項1記載のハイブリダイゼーションプローブ対または請求項2記載のオリゴヌクレオチドのセット、ならびに核酸増幅プライマー、鋳型依存核酸ポリメラーゼ、デオキシヌクレオシド三リン酸および鋳型依存核酸増幅反応のための緩衝液からなる群より選ばれた少なくとも1つの他の成分を含有してなるキット。
  5. 核酸試料における核酸配列の定性的または定量的な検出方法であって、該核酸試料が請求項1記載のFRETハイブリダイゼーションプローブ対を用いてハイブリダイズされる、検出方法。
  6. 請求項1記載の前記ハイブリダイゼーションプローブの配列に実質的に相補的な標的核酸配列を含有する前記試料に存在する前記核酸の一部が、鋳型依存核酸増幅反応、好ましくはポリメラーゼ連鎖反応により増幅されることを特徴とする請求項5記載の方法。
  7. 前記FRETドナー実体の蛍光発光が第1の検出器チャネルでモニターされ、前記FRETアクセプター実体の蛍光発光が第2の検出器チャネルでモニターされることを特徴とし、該FRETアクセプター実体の蛍光発光が該FRETドナー実体の蛍光発光により標準化されることをさらに特徴とする請求項5記載の方法。
  8. 蛍光発光が温度の関数として決定されることを特徴とする、標的核酸および請求項1記載のFRETハイブリダイゼーションプローブ対からなるハイブリッドの融解プロフィールの決定方法。
  9. 蛍光発光が温度の関数として決定されることを特徴とする、請求項6記載の増幅された標的核酸および請求項2記載の前記第3のオリゴヌクレオチドからなるハイブリッドの融解プロフィールの決定方法。
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