JP5476759B2 - ポリエステル系繊維構造物の製造方法 - Google Patents

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本発明は、耐加水分解性に優れたポリエステル系繊維の製造方法に関するものである。
近年は環境意識の高まりから、プラスチック廃棄物が問題となり、酵素や微生物による分解が期待される生分解性プラスチックが注目されている。また、地球温暖化の観点から、二酸化炭素の大気中への排気を抑制することが重要になっており、カーボンニュートラルという概念で表されるように、天然資源から作られる材料の使用が推奨されるようになってきている。上記の問題から、特に非石油原料のポリ乳酸が脚光を浴びているが、ポリ乳酸は室温や高温の水中における加水分解性が非常に高く、さらには空気中の水分によっても分解されるという性質を持っている。これはポリ乳酸繊維だけの問題ではなく、ポリエステル系繊維に共通の問題であり、末端カルボキシル基から放出されるプロトンがエステルの加水分解の自己触媒として働くために加水分解が促進される。このため、熱水の存在下、高温、高湿度条件化で分解による強度低下が著しく、使用が制限されてきた。
これを解決する方法として、末端封鎖剤を添加することより末端カルボキシル基濃度を低下させる方法が特開2001-261797や特開2002-30208で開示されている。しかしながら、これらの方法は紡糸前にポリマーチップに混練・添加するため、紡糸時の高温により、末端封鎖剤が蒸発や分解による発煙を起こし、悪臭や有毒なガスを発生するという問題点があった。また、このために末端封鎖剤を過剰に添加しなければならないという問題もある。さらに紡糸性が悪化し生産性も低下する。
特開2001-261797号公報 特開2002-30208号公報
本発明は、かかる従来の背景に鑑み、発煙や、悪臭の問題を起こすことがなく、かつ、耐加水分解性に優れたポリエステル系繊維の製造方法を提供せんとするものである。
本発明は、上記目的を達成するために下記の構成を有する。
(1) ポリエステル系繊維構造物にN,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドを含有する処理液を付与した後、繊維構造物が含有する水分を保持しながら熱処理することを特徴とするポリエステル系繊維構造物の製造方法。
(2) ポリエステル系繊維構造物にN,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドを含有する処理液を付与した後、蒸熱処理することを特徴とするポリエステル系繊維構造物の製造方法。
(3) 該処理液に疎水性染料を加えることを特徴とする(1)〜(2)に記載のポリエステル系繊維構造物の製造方法。
(4) 該ポリエステル系繊維が脂肪族ポリエステルであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のポリエステル系繊維構造物の製造方法。
) (1)〜()のいずれかに記載の方法で製造されたポリエステル系繊維構造物。
本発明によれば、ポリエステル系繊維を含む繊維構造物に対して、発煙や、悪臭の問題を起こすことない後加工方法であり、処理中の加水分解が小さいため、高い耐加水分解性を与えることができる。
本発明によれば、ポリエステル系繊維に末端封鎖剤を含む処理液を付与した後、処理液を乾燥させることなく熱処理することにより、末端封鎖剤が繊維内部に均一に吸収され、該繊維を構成するポリマー中のカルボキシル末端基と反応し、末端カルボキシル基濃度が低下するために耐加水分解性が付与される。
本発明においては、ポリエステル系繊維として、脂肪族ポリエステルが好ましく用いられる。
脂肪族ポリエステルとしては、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、D−乳酸とL−乳酸との共重合体、D−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、L−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、DL−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体から選ばれる重合体、あるいはこれらのブレンド体等が用いられる。中でも、汎用性の面からは、L−乳酸を主成分とするポリ乳酸が好ましく使用される。L−乳酸を主成分とするとは、脂肪族ポリエステル中、50重量%以上がL−乳酸であることを意味する。また、この脂肪族ポリエステルは紡糸時に末端封鎖剤が添加されることにより、末端カルボキシル基の一部が封鎖されていてもよい。
かかるポリ乳酸の製造方法としては、乳酸を原料としていったん環状二量体であるラクチドを生成せしめ、その後開環重合を行なう二段階のラクチド法と、乳酸を原料として溶媒中で直接脱水縮合を行なう一段階の直接重合法が知られている。本発明で用いられるポリ乳酸は、いずれの製法によって得られたものであってもよい。
本発明に用いるポリエステル系繊維は、通常のフラットヤーン以外に、仮撚り加工糸、強撚糸、タスラン加工糸、太細糸、混繊糸などのフィラメントヤーンであってもよく、ステープルファイバーやトウ、紡績糸、あるいは布帛など各種形態の繊維であってもよい。
本発明に用いるポリエステル系繊維は、ポリアミドなど他のポリマーとアロイを形成していてもよい。
本発明に用いるポリエステル系繊維には、天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維などを混用することができる。複合の形態としては、混紡、交織、交編等いかなる形態でも良い。繊維構造物の形態としては、フィラメント、紡績糸、そしてそれらより得られる織物、編物、不織布、製品などの繊維構造物が挙げられるが、これらに制限されるものではない。
天然繊維とは、綿、カポック、麻、亜麻、大麻、苧麻、羊毛、アルパカ、カシミヤ、モヘヤ、シルクなどが挙げられる。再生繊維とは、ビスコース、キュプラ、ポリノジック、ハイウエットモジュラスレーヨン、溶剤紡糸セルロース繊維などが挙げられる。半合成繊維とは、アセテート、ジアセテート、トリアセテートなどが挙げられる。合成繊維とは、ポリアミド、アクリル、ビニロン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、プロミックスなどが挙げられる。
本発明では、ポリエステル系繊維に他の繊維を任意の手法で混用して良いが、ポリエステル系繊維の混率が小さいと本発明の効果が小さくなるため、ポリエステル系繊維の混率は30重量%以上が好ましく、50重量%以上がさらに好ましい。
本発明においてはポリエステル系繊維に、末端封鎖剤を含有する処理液を付与した後、水分を保持しながら熱処理を行う。末端封鎖剤は吸尽処理により繊維外層から繊維内部に拡散し、均一な処理が可能であるが、吸尽処理中にポリエステル系ポリマーが加水分解することは避けられなかった。そこで末端封鎖剤を吸尽処理するのではなく、低温で予め末端封鎖剤を付与した後熱処理することにより、加水分解を抑制しながら末端封鎖が可能と考えたが、加工後の繊維を70℃×90%RHの条件で1週間処理したところ強度低下は大きく実用に耐えなかった。ポリエステル系ポリマーの末端カルボキシル基の封鎖は全体として行われていたが、不均一な処理であったことが原因と推測した。末端封鎖処理が面積方向に不均一であると、末端封鎖処理されていない部分が加水分解する。強力は繊維の最も弱い点が測定されるため、全体として末端封鎖処理がなされていても、その部分で破断する。不均一な処理となった原因は乾熱処理による水分のマイグレーションと推測した。そこで、処理液を付与した後、処理液の水分を保持しながら熱処理すると、繊維上での水分の移動が抑制されるため、末端封鎖剤のマイグレーションが小さく、均一な末端封鎖処理が行えることが分かり、本発明に至った。
本発明においては一定量以下の処理液を繊維構造物に均一に付与することが好ましい。処理液の量が過剰である場合、末端封鎖剤が繊維に吸収される確率が低下するため、末端封鎖剤を十分かつ均一に繊維に吸収させるために、長い処理時間が必要となる。その処理中にポリエステルポリマーの加水分解が生じる。したがって、処理液の量を繊維重量に対して好ましくは300重量%以下、より好ましくは200重量%以下、さらに好ましくは100重量%以下に抑制する。300重量%を越えると、末端封鎖剤が繊維に吸収される確率が低下し、かつ処理液がマイグレーションするため均一な処理が困難になる場合がある。均一に付与するためには、処理液にポリエステル系繊維を浸漬した後、通常のマングルにより均一に絞る方法が好適に用いられる。均一に付与する装置としては、繊維に均一に液を付与できる装置であれば良く、例えば、泡加工機が用いられ、またプリント法、インクジェット、スプレー法、コーティング法等で付与しても良い。
本発明で用いる末端封鎖剤は、平均粒径が100μm以下の状態で使用することが好ましい。ここでいう平均粒径は、レーザー回折散乱式測定装置で測定された平均粒径を意味する。例えば、レーザー回折散乱式粒度分布測定機として島津SALD2000Jで測定した粒径の平均値をいう。末端封鎖剤の粒径は、被処理物と末端封鎖剤の接触機会に相関しており、粒径が小さいほど浴中で分散性が向上し、繊維に吸尽されやすい。そのため、末端封鎖剤の平均粒径は30μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましい。
含有する水分を保持しながら熱処理する装置としては、蒸熱処理装置を好適に用いることができる。蒸熱処理装置としては、常圧蒸気、常圧高温蒸気、高圧蒸気を用いる装置がある。
常圧蒸熱処理装置としては、ループスチーマ、タワー式スチーマ、らせん状スチーマ、アーチ式スチーマ、マザープラットスチーマ、フラッシュエージャ、ウルトララピッドスチーマ等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。高圧蒸気処理装置としては、スタースチーマ、スチームマスター、KSスチーマ等が用いられるが、これらに限定されるものではない。常圧高温蒸気処理装置としては、HTS(High Temperature Steamer)として、アルトス社、アリオリ社、ストーク社、市金工業社、京都機械等の装置が用いられるがこれらに限定されるものではない。蒸気として飽和蒸気を使用する場合は処理液が乾燥することはないが、飽和蒸気を用いない場合は、水分を保持するために、処理時間・処理温度を調整することが必要である。
ピンテンター、ショートループ、シュリンクサーファー、シリンダー乾燥機等の、一般に繊維の乾燥・ヒートセット・樹脂加工等に使用する装置を用いて、水分を保持する条件で加工することももちろん可能である。
本発明において、「含有する水分を保持しながら」とは、常温常圧の状態で自然に処理液の水分が蒸発する程度に乾燥する場合を含む。熱処理中の水分の乾燥にともなう水分移動が起こらない範囲であれば、水分が失われても「含有する水分を保持しながら」の範疇に含まれる。熱処理前に繊維構造物が含有していた水分の、熱処理中の損失が好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下であれば本発明の効果が得られ、「含有する水分を保持しながら」の範疇に含まれる。
末端封鎖剤を含有する処理液に布帛を浸し、マングルにて均一に絞った後、100〜170℃で蒸熱処理することが好ましい。その加熱処理時間は1〜30分間が好ましい。脂肪族ポリエステルの場合、100〜110℃で2〜15分間処理することはより好ましい。芳香族ポリエステルの場合、110〜180℃で2〜15分間処理することはより好ましい。このときに末端封鎖剤が繊維内部に吸尽・拡散する。
かかる方法において処理した後、脱水、乾燥を行う。乾燥装置としては、テンター、ショートループ、シュリンクサーファー、シリンダー乾燥機等が利用できるが、該繊維に均一に熱を付与できる装置であればこれらに限定されるものではない。
末端封鎖剤を含有する処理液に分散染料に代表される疎水性染料を混合すると、末端封鎖処理とともに染色を行うことができる。末端封鎖処理を染色と同時に行うと染色濃度が高くなる。さらに湿熱処理工程を通る回数が減るため、ポリエステル系繊維の加水分解が抑制される。疎水性染料としては、バット染料、インジゴ染料、ナフトール染料等も用いることができる。
本発明で末端封鎖剤として用いられる化合物としては、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドが好ましく用いられる。
本発明で用いる末端封鎖剤は、平均粒経100μm以下の粒径の状態で使用する。その状態にする方法は特に限定されるものではない。例えば、水溶性の末端封鎖剤であれば水溶液として使用しても良い。常温で固体であり、非水溶性の末端封鎖剤は、乾式・湿式で微粉砕化したり、溶融させた後に微結晶化したり、適当な非水溶媒に溶解させた後水に希釈したりすることで微粒子化できる。もちろんこれらの方法に限定されるものではない。安定化のため乳化剤等の活性剤を併用しても良い。常温で液体の末端封鎖剤は、機械乳化、転相乳化、液晶乳化、転相温度乳化、D相乳化、可溶化領域を利用した超微細化乳化等の方法で微粒子化させることができるが、これらの方法に限定されるものではない。
末端封鎖剤を含む溶液に、分散剤、均染剤、柔軟剤、帯電防止剤、抗菌剤、界面活性剤、浸透剤、pH調整剤など末端封鎖剤の反応を阻害しないものであれば含んでいてもかまわない。
末端封鎖剤の量は対象となるポリエステル系繊維の末端カルボキシル基の量にあわせて決定すればよい。
本発明により得られたポリエステル系繊維構造物は、耐加水分解性に優れ、ドレスシャツ、ラウス、パンツ、スカート、ポロシャツ、Tシャツ、トレーニングウェア、コート、セーター、パジャマ、スクールユニフォーム、作業着、白衣、クリーンルームウェア、浴衣、肌着、裏地、芯地等として好ましく用いられる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中の物性は次の方法で測定した値である。
(1)ポリ乳酸の末端カルボキシル基濃度(当量/10kg):精秤した試料をo−クレゾール(水分5%)調整液に溶解し、この溶液にジクロロメタンを適量添加の後、0.02規定の水酸化カリウムメタノール溶液にて滴定することにより測定した。
(2)ポリエチレンテレフタレートの末端カルボキシル基濃度(当量/10kg):精秤した試料をベンジルアルコールに溶解後、クロロホルムを加えた後、0.1規定の水酸化カリウムベンジルアルコール溶液で滴定することにより測定した。
(3)強度(cN/dtex):島津オートグラフAG−1Sを用い、試料長20cm、引張り速度20cm/分の条件で測定した。
(4)強度保持率(%):強度保持率は下記の式によって算出した。
強度保持率(%)={(湿熱処理後強度)/(初期強度)}×100
(実施例1)
融点166℃のL−ポリ乳酸チップを105℃に設定した真空乾燥機で12時間乾燥した。乾燥したチップを溶融紡糸機に投入し、溶融温度210℃にて溶融紡糸し紡糸温度220℃、紡糸速度4500m/分で品種100dtex−26フィラメントの未延伸糸を得た。この未延伸糸を予熱温度100℃、熱セット温度130℃にて延伸倍率1.2倍で延伸し、84dtex−26フィラメントの延伸糸を得た。得られた延伸糸でタフタを製織し、80℃で精練した後、130℃で1分間乾熱セットを行い、ポリ乳酸織物を得た。
かかる方法で製作したポリ乳酸繊維織物へ耐加水分解性を付与するために、次のような方法を実施した。すなわち、常圧蒸熱処理装置を用い、末端封鎖剤としてN,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド25部を水に分散させた処理液を用い、マングルにより絞り率13%で絞ることにより、タフタにN,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドを繊維重量に対して3%owf付与した。その後、常圧蒸熱処理装置を用いて、飽和蒸気で104℃×10分間の処理を行った。さらに水洗、風乾させ、130℃、2分間乾熱処理を行い耐加水分解性に優れたポリ乳酸布帛を得た。処理した織物を70℃、90%RHの条件下で7日間加水分解処理した。加水分解処理後の延伸糸は非常に高い強度保持率を示した(表1)。
(実施例2)
実施例1の蒸熱処理条件を20分にした以外は実施例1と同様に処理して、ポリ乳酸布帛を得た。処理した織物を70℃、90%RHの条件下で7日間加水分解処理した。加水分解処理後の延伸糸は非常に高い強度保持率を示した(表1)。
(実施例3)
実施例1の末端封鎖剤を繊維重量に対して6%owfにした以外は実施例1と同様に処理して、ポリ乳酸布帛を得た。処理した織物を70℃、90%RHの条件下で7日間加水分解処理した。加水分解処理後の延伸糸は非常に高い強度保持率を示した(表1)。
(比較例1)
実施例1で使用した延伸糸をそのまま、70℃、90%RHの条件下で7日間加水分解処理した。加水分解処理後の延伸糸は糸強度を測定できないほど加水分解が進行していた(表2)。
(比較例2)
実施例1のN,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド処理液を付与後、130℃×1分間でピンテンターにより乾燥した以外は、実施例1と同様に処理して、ポリ乳酸布帛を得た。処理した織物を70℃、90%RHの条件下で7日間加水分解処理した。加水分解処理後の延伸糸は糸強度を測定できないほど加水分解が進行していた(表2)。
(比較例3)
高圧染色試験機を用い、末端封鎖剤としてN,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドを3%owf使用し、浴比1:30(繊維重量に対し、30倍の水を使用した処理液)の処理液中に実施例1のタフタを浸し、UR・MINI−COLOR(赤外線ミニカラー(テクサム技研製))を用い、110℃、30分の条件で処理液を循環させながら加工を行った。この後、水洗し、風乾させ、130℃、2分間乾熱処理を行い耐加水分解性に優れたポリ乳酸布帛を得た。処理した織物を70℃、90%RHの条件下で7日間加水分解処理した。加工後・加水分解処理後の延伸糸は実施例に比べ強度が小さかった(表2)。
Figure 0005476759
Figure 0005476759

Claims (5)

  1. ポリエステル系繊維構造物にN,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドを含有する処理液を付与した後、繊維構造物が含有する水分を保持しながら熱処理することを特徴とするポリエステル系繊維構造物の製造方法。
  2. ポリエステル系繊維構造物にN,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドを含有する処理液を付与した後、蒸熱処理することを特徴とする請求項1記載のポリエステル系繊維構造物の製造方法。
  3. 該処理液に疎水性染料を加えることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステル系繊維構造物の製造方法。
  4. 該ポリエステル系繊維が脂肪族ポリエステルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル系繊維構造物の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の方法で製造されたポリエステル系繊維構造物。
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