JP5476087B2 - 荷電粒子線装置の物体位置決め装置 - Google Patents

荷電粒子線装置の物体位置決め装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5476087B2
JP5476087B2 JP2009240320A JP2009240320A JP5476087B2 JP 5476087 B2 JP5476087 B2 JP 5476087B2 JP 2009240320 A JP2009240320 A JP 2009240320A JP 2009240320 A JP2009240320 A JP 2009240320A JP 5476087 B2 JP5476087 B2 JP 5476087B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
holder
sample holder
object holder
charged particle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009240320A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010157491A (ja
Inventor
満 羽持
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Jeol Ltd
Original Assignee
Jeol Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Jeol Ltd filed Critical Jeol Ltd
Priority to JP2009240320A priority Critical patent/JP5476087B2/ja
Publication of JP2010157491A publication Critical patent/JP2010157491A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5476087B2 publication Critical patent/JP5476087B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N23/00Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00
    • G01N23/20Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00 by using diffraction of the radiation by the materials, e.g. for investigating crystal structure; by using scattering of the radiation by the materials, e.g. for investigating non-crystalline materials; by using reflection of the radiation by the materials
    • G01N23/20008Constructional details of analysers, e.g. characterised by X-ray source, detector or optical system; Accessories therefor; Preparing specimens therefor
    • G01N23/20016Goniometers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Description

本発明は荷電粒子線装置に設けられる物体位置決め装置に関する。
荷電粒子線を用いる電子顕微鏡等の分析・観察装置に生じる機械的振動は、当該装置の空間分解能等の性能を劣化させる主要な擾乱要因の1つである。この発生原因は多様であり、例えば、建物自体の振動、当該装置周囲の騒音、或いは隣接する機器による振動などが挙げられる。
これらの原因によって装置各部は振動する。その固有振動数は装置各部の形状、材質、重量、振動モード等によって異なる。
特許文献1の図11には試料の保持及び移動を行う試料ホルダを有するゴニオメータが開示されている。このゴニオメータにおいて、試料ホルダの先端部には試料が装着され、同ホルダの後端部には操作ツマミが連結されている。さらに、試料ホルダはホルダ装着部材に摺動可能に挿通されており、またさらに、ホルダ装着部材は回転部材に挿通され、回転部材の側面に設けられた押圧部材やネジによって支持されている。
操作ツマミと試料ホルダの連結部には中空円盤状の振動吸振部材が設けられている。振動吸振部材は試料ホルダの挿通方向の振動を抑制するもので、慣性部材を介した圧縮バネによって操作ツマミ側に付勢されている。試料ホルダがその挿通方向に振動する場合、慣性で静止している慣性部材との間で相対的な振動が発生する。その際、振動吸振部材は伸縮変形して振動エネルギーを熱エネルギーに変換する。従って、試料ホルダの振動が抑制される。
また、圧縮バネが装着されるホルダ装着部材の後端部の側面には振動抑制装置が設けられている。この振動抑制装置は上記側面に立設されるロッドと、このロッドの先端面に設置される振動吸振部材と、振動吸振部材の外面に設置される慣性部材とを有する。即ち、振動吸振部材はロッドと慣性部材との間に設置されている。ロッドがその立設方向に振動する場合、慣性で静止している慣性部材との間で相対的な振動が発生する。その際、振動吸振部材は伸縮変形して振動エネルギーを熱エネルギーに変換する。従って、ロッドの振動が抑制される。これと同様の振動抑制装置は、回転部材の側面にも設けられている。
このように、特許文献1のゴニオメータでは、試料ホルダやホルダ装着部材等に個別に振動吸収装置を設けている。
また、同文献の図10には可動絞り装置が示されている。この可動絞り装置は、顕微分析装置の鏡筒側面に設置され、絞りによって電子線のビーム径及び位置を制御する。可動絞り装置は、内面が球面状に形成された外側球面軸受と、外側球面軸受の内面に対応して球面状に形成された内側球面軸受を鏡筒側の端部に有する回動筒と、この回動筒に挿通され、前端部に絞りホルダを装着したホルダ装着部材とを有する。外側球面軸受と内側球面軸受の接触により回動筒は両軸受の球面の中心を回動中心として回動可能に支持されている。
ホルダ装着部材の後端部には送りネジが連結されている。送りネジは回転操作部材に螺合しており、回転操作部材の回転によって、送りネジ及びホルダ装着部材がその長手方向に移動する。
回転操作部材には大径部が形成され、その外周面は振動吸振部材によって被覆されている。そして、振動吸振部材の外側には2つ割りのリング状慣性部材を結合して環状に構成した慣性部材が装着されている。
この可動絞り装置において、上記回転操作部材と振動吸振部材と慣性部材とが振動吸収装置を構成する。振動吸収の原理は、前述のゴニオメータにおける振動吸収装置と同様であり、可動絞り装置が上記回動中心の周りに揺動するような振動が生じた場合には、回転操作部材と慣性部材との間で相対的な振動が発生する。従って、その間に設けられた振動吸振部材には伸縮変形が生じ、その結果、振動吸振部材内で振動エネルギーを熱エネルギーに変換される。即ち、このエネルギーの変換によって振動吸収装置の揺動が抑制される。
特開2002−124206号公報
上述の通り、装置各部の固有振動数はその形状、材質、重量、振動モード等によって異なる。
従って、上記従来技術では試料ホルダ及び当該試料ホルダに接触する各機器に、それぞれの固有振動数に応じた振動抑制装置を設けている。このため、振動抑制装置毎に調整が必要であり、また、装置の構成が複雑化する。
上記の方法とは別に、試料ホルダ自体の素材に制振合金を用いることも考えられる。しかしながら、電子顕微鏡の空間分解能は0.05nmに達するため、許容される試料の振動振幅はこの値よりも小さい。また、一般的に制振合金は低歪み領域に対して減衰能を急激に失う特性がある。従って、原子よりも小さな振動による歪み領域では制振合金の減衰能が得られない場合がある。また、制振合金は高価であり製造コストが上昇する。
本発明は、このような微小な振動を簡便な手段によって抑制し、以って電子顕微鏡等の荷電粒子線装置の空間分解能を向上させる物体位置決め装置の提供を目的とする。
本発明の一態様は荷電粒子線装置の物体位置決め装置であって、荷電粒子線装置内に着脱可能な物体を保持し、且つ大気側から前記物体の移動を行う円筒もしくは円柱且つ棒状の物体ホルダと、前記物体ホルダの側面の少なくとも一箇所を摺動可能に支持し、以って前記物体ホルダの大気側後端部を自由端とする支持手段と、前記物体ホルダの大気側後端部に設けられ、該物体ホルダの振動を吸収する動吸振部とを備え、前記物体ホルダの長手方向と直角な方向前記動吸振部の並進固有振動数は、前記物体ホルダの曲げモードにおける固有振動数に近接するように調整されていることを特徴とする。
上記構成において、前記動吸振部は、内面が前記物体ホルダの側面に接触するように形成される円筒状あるいは複数の直方体状の第1の振動抑制部材と、前記第1の振動抑制部材の外周面に設けられる円筒状の第1の慣性部材とを有することが望ましい。
さらに、前記第1の振動抑制部材は、動吸振部の作用周波数帯を広くするため、損失係数の大きな粘弾性材によって構成されることが望ましい。
上記物体位置決め装置において、前記動吸振部は、更に、前記棒状の物体ホルダの後端面に接触する第2の振動抑制部材と、前記第2の振動抑制部材の外面に設けられる第2の慣性部材とを有することが望ましい。この場合、前記物体ホルダの長手方向前記動吸振部の並進固有振動数は、前記物体ホルダの長手方向の並進モードにおける固有振動数に近接するように調整されていることを特徴とする
前記第2の振動抑制部材は、動吸振部の作用周波数帯を広くするため、損失係数の大きな粘弾性材によって構成されることが望ましい。
本発明によれば、試料における各軸方向の振動が抑制されるため、透過型電子顕微鏡の空間分解能が向上する。また、試料ホルダの大気側端部に設けた動吸振部が同ホルダの振動を直接、抑制するため、構成が簡便化され、製造コストを抑制できる。
本発明の一実施形態に係る試料位置決め装置の一例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る試料位置決め装置の変形例の一例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る試料ホルダの振動解析における等価モデル図であり、(a)は図1に示した試料ホルダの等価モデル図、(b)は図2に示した試料ホルダの等価モデル図である。 図1及び図2に示した試料位置決め装置において想定される振動モードの例を図示したものであり、(a)は試料ホルダの曲げモード、(b)はシフタのロッキングモードを示す。
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。以下に述べる本実施形態の物体位置決め装置は、透過型電子顕微鏡等の電子顕微鏡に設置され、試料の移動を行う試料位置決め装置として使用されることを想定している。しかしながら、本発明の物体位置決め装置は、荷電粒子線を用いた分析・観察等を行う装置の微小な移動機構として適用可能であり、移動させる対象は試料に限らず、スリット、アパーチャ等の絞り等も含まれる。
図1は本発明の一実施形態に係る試料位置決め装置の模式図である。この図において、電子線(図示せず)は真空内をZ軸に略平行に進行し、試料1を通過するものとする。試料位置決め装置50は、X、Y、Z軸方向に対して試料1を直線的に移動させ、且つX軸周りに傾斜可能な4軸位置決め装置である。
試料1を保持する試料ホルダ(物体ホルダ)2は円筒の棒状に形成されており、試料1が設置される真空部と大気部の間を貫くように設けられている。試料ホルダ2は、その側面とシフタ10(後述)との間に設けられたベアリング(支持手段)11によって摺動可能に支持されており、その両端は自由端と見なすことが出来る。また、試料ホルダ2の側面とシフタ10との間には、真空部と大気部を遮断するOリング3が挿通されている。
レバー4は試料ホルダ2が大気圧で引き込まれるのを防止しつつ、試料1の位置をX軸方向に支持する。レバー4の後端部には、X軸モータ6と平歯車対7とX軸送りネジ8とからなるX軸移動機構40が設けられている。この駆動機構40によってレバー4は回転中心5を中心として回転する。具体的にはX軸モータ6の回転によってX軸送りネジ8がX軸方向に移動し、これに合わせて試料1がレバー4を介してX軸方向に直線移動する。ベローズ9は真空を保ちつつレバー4の移動を円滑にする。試料ホルダ2とレバー4との接触部にはYZ平面内で回転するベアリング18が設けられており、これによってY軸方向の移動が円滑になる。
シフタ10は円筒状に形成され、X軸方向に貫通孔を有する。試料ホルダ2はこの貫通孔に収容され、これによって、Y軸方向及びZ軸方向の並進移動が規制される。即ち、試料ホルダ2はX軸方向にのみ移動可能となる。シフタ10の貫通孔の両端部近傍には上述したベアリング11が設けられ、試料ホルダ2のX軸方向への移動を円滑にする。なお、ベアリング11の位置、及び個数は図1に限定されない。即ち、試料ホルダ2を直動可能とし、その大気側端部を自由端とさせる限り、ベアリング11の位置及び個数は任意である。
シフタ10の試料側の外周面は、シフタ10の中心軸(図示せず)上を中心とする球面状に形成され、球面軸受部13の内側球面軸受部13aを構成する。一方、球面軸受部13の外側球面軸受部13bは、その内面が内側球面軸受部13aの球面に摺接するように形成される。そして、内側球面軸受部13aと外側球面軸受部13bの間には、真空を保持するOリング12が設けられる。これらにより、シフタ10は球面軸受部13の中心を回動中心として回動することが出来る。
シフタ10の大気側外周には、Y軸モータ14と平歯車対15とY軸送りネジ16と戻しバネ17とからなるY軸移動機構41が設けられている。Y軸送りネジ16の先端はシフタ10の側面に接しており、その延長上に位置する反対側のシフタ10の側面は戻しバネ17によって、Y軸送りネジ16方向に付勢されている。Y軸モータ14の回転によってY軸送りネジ16がY軸方向に移動すると、シフタ10が球面軸受部13の上記中心の周囲を回動する。これにより試料1が微小範囲内でY軸方向に直線移動する。
なお、試料1をZ軸方向に移動させるZ軸移動機構(図示せず)も設けられているが、これはY軸移動機構41と同様の構成であるため説明を省略する。さらにX軸の周りに試料1を傾斜させる機構についても説明を省略する。
試料ホルダ2の大気側後端部には該試料ホルダ2の振動を吸収する動吸振部20が設けられている。動吸振部20は振動抑制部材21と慣性部材(おもり)22とを備え、振動抑制部材21のばね定数と慣性部材22の質量との調整によって所定の振動数以上の振動を減衰させる。特に、動吸振部20のY軸方向の並進固有振動数は、試料ホルダ2の曲げモードにおける固有振動数に近接していることが望ましい。
振動抑制部材21は円筒状あるいは複数の直方体状に形成されており、その内面は試料ホルダ2の振動が直接伝わるように、後端部側面2aに接触している。振動抑制部材21は振動を広帯域に吸収するために、その材質として、高い損失係数を有する粘弾性材が用いられる。例えば、振動抑制部材21は、複素剛性k(実数成分k)、損失係数がηである場合、
Figure 0005476087
の関係を有する。一方、試料ホルダ2が固有角振動数ω、振幅Xで振動したとき、動吸振部20が試料ホルダ2に作用する力Fは、慣性部材22の質量をmとすると、
Figure 0005476087
となる。式(2)の虚数成分は、力Fの大きさと作用する周波数帯域(即ち試料ホルダ2の振動を抑制可能な周波数領域)を表しており、この周波数帯域は損失係数ηが大きくなるにつれて増加する。本発明で用いる振動抑制部材21は、この損失係数ηは0.5以上であることが望ましい。
慣性部材22は円筒状に形成され、その内面は振動抑制部材21の外周面に接触する。慣性部材22は試料ホルダ2の曲げモードにおける振動に対して充分な吸振力を作用させる程度の質量を有する。
次に、本実施形態の試料位置決め装置における振動抑制について説明する。
図3(a)は振動解析における試料ホルダ2及び動吸振部20等の等価モデル図である。このように、試料ホルダ2はベアリング11を支点とし、両端が自由端となる梁(棒状体)としてモデル化できる。また、動吸振部20は試料ホルダ2の端部側面に接触する弾性支持体としてモデル化できる。
ここで、動吸振部20が無い場合の試料ホルダ2の振動を仮定する。図4(a)はモデル化された試料ホルダ2の曲げモードの一例を示す模式図である。この図に示すように、試料ホルダ2の両端は自由端となっているため、ベアリング11を支点としてY軸方向に振動する。
動吸振部20はこの振動を減衰させることができる。例えば、試料ホルダ2に図4(a)で示すようなY軸方向の固有振動が生じた場合、動吸振部20の固有振動数がこれに近接しているため、試料ホルダ2の端部と慣性部材22は相対的に振動し、その間に設けられた振動抑制部材21は伸縮を繰り返す。この伸縮によって試料ホルダ2には振動抑制部材21を介して慣性部材22から吸振力が作用するため、試料ホルダ2の振動が抑制されることになる。この原理によってZ軸方向の振動もY軸方向の振動と同様に抑制できることが判る。
また、試料ホルダ2がX軸方向に振動した場合にも、その周波数が、慣性部材22の質量と振動抑制部材21の剪断方向のバネ定数とからなる動吸振部20のX軸方向の固有振動数よりも高い場合には、試料ホルダ2にX軸方向の吸振力が作用するため、振動抑制部材21にはX軸方向に剪断応力が生じる。この振動における剪断応力の変化は振動抑制部材21内の熱エネルギーに変換されるため、試料ホルダ2のX軸方向の振動が抑制される。
このように本発明によれば、動吸振部20を試料ホルダ2の大気側端部の側面2aに設けたことにより、試料ホルダ2の曲げモードにおける振動を直接的に最も効率良く抑制できる。この振動抑制によって試料1におけるX、Y、Z軸方向の各振動が抑制されるため、透過型電子顕微鏡の空間分解能が向上する。
また本発明では、動吸振部20単体で試料ホルダ2の振動を直接抑制する。即ち特許文献1に示す従来技術のように、荷電粒子線装置の構成部材のそれぞれに振動抑制装置を設けるのではなく、試料1の振動の直接的原因となる試料ホルダ2の振動を、ホルダ2の大気側端部に設けた動吸振部20単体で直接的に抑制する。従って、試料1の振動抑制に必要な構成部材数を低減でき、製造コストを抑制できる。また、特許文献1に示す可動絞り装置では、振動抑制装置とホルダ装着部材との間に送りネジの螺合・ガタによるバネ要素が存在するが、本発明ではこのような要素が無いため、抑制する振動の振動数は試料ホルダ2の固有振動数を考慮するだけでよく、振動抑制部材21の減衰特性の調整及び慣性部材22の質量設定は簡便化される。これも製造コスト抑制に貢献する。
さらに、本発明に係る動吸振部20は試料ホルダ2以外の振動も抑制する。例えば、騒音等により球面軸受部13の中心を回動中心としてシフタ10が揺動する場合がある。このシフタ10の振動モードをロッキングモードと称し、図4(b)にその様子を示す。なお、一般に騒音等によって誘発されるロッキングモードの振動数は、一般に試料ホルダ2の曲げモードにおける振動数よりも高い。
試料ホルダ2が剛体と見なせる場合、図の矢印Aで示すように試料ホルダ2はシフタ10と一体になって球面軸受部13の中心を回動中心として揺動する。しかし実際には、試料ホルダ2が剛体ではないためにシフタ10と一体に運動することはなく、矢印Bで示すように試料ホルダ2は曲がる。従って、試料1のY軸方向への振動はシフタ10のロッキングモードの振動のみに依存するだけでなく、試料ホルダ2の曲げモードにも依存する。
しかしながら、上述の通り、高い損失係数を有する動吸振部20の作用周波数帯域は広く、シフタ10のロッキングモードの周波数を含むため、試料ホルダ2の曲げによる振動は動吸振部20によって抑制される。動吸振部20は、シフタ10のロッキングモードを直接的に抑制しないが試料ホルダ2の曲げによる試料1の振動の増加分(即ち、図4(b)のBとAの差分)を効果的に抑制できる。従って、シフタ10のロッキングモードにおける試料1の振動が抑制される。
このように本発明では、試料1の振動の最終的な原因となる試料ホルダ2の振動を動吸振部20が吸収するため、試料ホルダ2に間接的に接触する(即ちベアリング11等を介して接触する)外部の機器の振動も併せて抑制できる。
また、制振合金等の振動抑制はそれ自体の歪みによるヒステリシス減衰を利用したものであるが、本発明の動吸振部は吸振力の作用を利用して振動を減衰させている。従って、原子サイズ以下の振動振幅に対しても有効に作用する。
(変形例)
上記の試料位置決め装置50の一変形例について説明する。図2はこの変形例の模式図である。図1と同じ構成には同符号を付し説明を省略する。
図2に示すように、動吸振部20は図1に示す構成に加えて、試料ホルダ2の後端面2bに接触する振動抑制部材23と、振動抑制部材23の後面に接触するように設けられる慣性部材(おもり)24とを備える。即ち、振動抑制部材23は試料ホルダ2の後端面2bと慣性部材24によって挟まれている。図3(b)は振動解析における本変形例の試料ホルダ2及び動吸振部20等の等価モデル図である。この図ではX軸移動機構40を弾性支持体として併記している。
振動抑制部材23は、振動抑制部材21と同様に、振動を広帯域に抑制するために、その材質として損失係数の大きい粘弾性材で構成される。慣性部材24は試料ホルダ2のX軸方向の並進振動に対して充分な吸振力を作用させる程度の質量を有する。
本変形例において、振動抑制部材23と慣性部材24の合成体は、振動抑制部材23のばね定数と慣性部材24の質量との調整によって所定の振動数以上の振動を減衰させる。特に、この調整において、上記合成体におけるX軸方向の並進固有振動数が、試料ホルダ2の並進モードにおける固有振動数に近接していることが望ましい。なお、試料ホルダ2の並進モードにおける固有振動数は、試料ホルダ2の質量とX軸移動機構全体のバネ定数のX軸方向成分に依存している。
試料ホルダ2がX軸方向の固有周波数で振動した場合、振動抑制部材23と慣性部材24の合成体のX軸方向の固有振動数がこれに近接しているため、一体で振動せず、試料ホルダ2と慣性部材24との相対振動により振動抑制部材23が伸縮させられる。これによって試料ホルダ2には吸振力が作用するため、その結果、試料ホルダ2のX軸方向の振動が抑制される。
振動抑制部材21と慣性部材22の組み合わせによっても試料ホルダ2のX軸方向の振動抑制効果が期待できるが、本変形例では振動抑制部材23と慣性部材24による合成体の作用周波数帯域を、試料ホルダ2のX軸方向の並進モードにおける固有振動数を考慮して調整するため、試料ホルダ2のX軸方向の振動をより効果的に抑制することが出来る。また、試料ホルダ2の後端面2bに振動抑制部材23を設置することにより、振動抑制部材23内には剪断応力が生じるので、Y軸方向、Z軸方向、及びその合成方向に対する試料ホルダ2の振動抑制が更に強化される。
1:試料
2:試料ホルダ
3、12:Oリング
4:レバー
10:シフタ
11、18:ベアリング
13:球面軸受
20:動吸振部
21、23:振動抑制部材
22、24:慣性部材
40:X軸移動機構
41:Y軸移動機構
50:試料位置決め装置

Claims (5)

  1. 荷電粒子線装置内に着脱可能な物体を保持し、且つ大気側から前記物体の移動を行う円筒もしくは円柱且つ棒状の物体ホルダと、
    円筒状に形成され、前記物体ホルダを収容する貫通孔を有するシフタと、
    前記物体ホルダの側面と前記シフタとの間に配置されて前記物体ホルダの側面の少なくとも一箇所を摺動可能に支持し、以って前記物体ホルダの大気側後端部を自由端とする支持手段と、
    前記物体ホルダの大気側後端部に設けられ、該物体ホルダの振動を吸収する動吸振部とを備え、
    前記物体ホルダの長手方向と直角な方向の前記動吸振部の並進固有振動数は、前記シフタのロッキングモードの振動数よりも低く、且つ、前記物体ホルダの曲げモードにおける固有振動数に近接するように調整されていることを特徴とする荷電粒子線装置の物体位置決め装置。
  2. 前記動吸振部は、内面が前記物体ホルダの側面に接触するように形成される円筒状あるいは複数の直方体状の第1の振動抑制部材と、前記第1の振動抑制部材の外周面に設けられる円筒状の第1の慣性部材とを有することを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子線装置の物体位置決め装置。
  3. 前記第1の振動抑制部材は粘弾性材によって構成されることを特徴とする請求項2に記載の荷電粒子線装置の物体位置決め装置。
  4. 前記動吸振部は、更に、前記棒状の物体ホルダの後端面に接触する第2の振動抑制部材と、前記第2の振動抑制部材の外面に設けられる第2の慣性部材とを有し、
    前記物体ホルダの長手方向の前記動吸振部の並進固有振動数は、前記物体ホルダの長手方向の並進モードにおける固有振動数に近接するように調整されていることを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子線装置の物体位置決め装置。
  5. 前記第2の振動抑制部材は粘弾性材によって構成されることを特徴とする請求項4に記載の荷電粒子線装置の物体位置決め装置。
JP2009240320A 2008-12-03 2009-10-19 荷電粒子線装置の物体位置決め装置 Active JP5476087B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009240320A JP5476087B2 (ja) 2008-12-03 2009-10-19 荷電粒子線装置の物体位置決め装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008308845 2008-12-03
JP2008308845 2008-12-03
JP2009240320A JP5476087B2 (ja) 2008-12-03 2009-10-19 荷電粒子線装置の物体位置決め装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010157491A JP2010157491A (ja) 2010-07-15
JP5476087B2 true JP5476087B2 (ja) 2014-04-23

Family

ID=42221920

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009240320A Active JP5476087B2 (ja) 2008-12-03 2009-10-19 荷電粒子線装置の物体位置決め装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8101924B2 (ja)
JP (1) JP5476087B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5094788B2 (ja) * 2009-06-18 2012-12-12 株式会社日立製作所 電子顕微鏡及びその試料ホルダ
JP5364462B2 (ja) * 2009-06-19 2013-12-11 株式会社日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子線装置
JP5532425B2 (ja) * 2010-08-27 2014-06-25 株式会社日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子装置用試料ホルダ
JP5890626B2 (ja) * 2011-08-02 2016-03-22 株式会社メルビル ゴニオステージ、及び当該ゴニオステージを有する電子顕微鏡
US8604445B2 (en) * 2011-12-28 2013-12-10 Jeol Ltd. Method of evacuating sample holder, pumping system, and electron microscope
US20140082920A1 (en) 2012-09-27 2014-03-27 International Business Machines Corporation High aspect ratio sample holder
JP6054728B2 (ja) 2012-12-10 2016-12-27 日本電子株式会社 試料位置決め装置および荷電粒子線装置
JP6283526B2 (ja) 2014-02-13 2018-02-21 日本電子株式会社 荷電粒子線装置
JP6421041B2 (ja) * 2015-01-13 2018-11-07 株式会社日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子線装置
EP3934751A1 (en) 2019-03-08 2022-01-12 Mevion Medical Systems, Inc. Collimator and energy degrader for a particle therapy system

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2542351A1 (de) * 1975-09-19 1977-03-24 Siemens Ag Korpuskularstrahloptisches geraet mit einem stabfoermigen objekthalter
DE2744680C2 (de) * 1977-09-30 1979-11-22 Siemens Ag, 1000 Berlin Und 8000 Muenchen Korpuskularstrahloptisches Gerät mit einem in mindestens einem Lager sitzenden Objekthalter
JPS5590044A (en) * 1978-12-28 1980-07-08 Jeol Ltd Sample holder for electronic microscope, etc.
FR2489589A1 (fr) * 1980-08-29 1982-03-05 Onera (Off Nat Aerospatiale) Dispositif de reglage de la position et de l'orientation autour d'un axe d'un porte-echantillon pour microscope electronique
JP2002124206A (ja) * 2000-10-12 2002-04-26 Jeol Ltd 顕微分析装置
JP4761347B2 (ja) * 2005-04-28 2011-08-31 株式会社フジタ 建物の制振システム。
JP4616701B2 (ja) * 2005-05-30 2011-01-19 日本電子株式会社 電子顕微鏡の試料ホルダ

Also Published As

Publication number Publication date
US8101924B2 (en) 2012-01-24
US20100133448A1 (en) 2010-06-03
JP2010157491A (ja) 2010-07-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5476087B2 (ja) 荷電粒子線装置の物体位置決め装置
US8705185B2 (en) Optical element
US20090212475A1 (en) Fastening Means Preventing The Transmission of Shocks and Vibrations
Collette et al. Review of active vibration isolation strategies
JP6054728B2 (ja) 試料位置決め装置および荷電粒子線装置
JP2017503095A (ja) 摩擦減衰のための装置及び方法
Abu Hanieh et al. Stiff and soft Stewart platforms for active damping and active isolation of vibrations
JP2006336733A (ja) 上下免震ユニットおよびこれを用いた免震装置
JP6872429B2 (ja) 荷電粒子線装置
JP6871645B1 (ja) 精密機器搭載用除振装置
JP2003130132A (ja) 除振機構
JP2007078122A (ja) 除振装置
JP5318483B2 (ja) 制震装置
JPH11351318A (ja) 免震装置用ダンパ
JP2011209540A (ja) 撮像装置
JP5139960B2 (ja) アクティブ防振装置及びこれに用いるアクチュエータ
KR102142154B1 (ko) 제진장치
KR101844386B1 (ko) 동흡진기
JP2007064353A (ja) 揺動型制振装置
Yuan et al. Microvibration isolation in sensitive payloads: methodology and design
JP6362941B2 (ja) 荷電粒子線装置
WO2019107520A1 (ja) 減衰装置及び減衰力切替え構造
JP5463722B2 (ja) アクティブ制振方法及び装置
JP7444150B2 (ja) 振動抑制装置
JP4236752B2 (ja) 支持マウント

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120713

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130405

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130507

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130705

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130827

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131028

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140128

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5476087

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150