JP5475090B2 - おもり付き立ち上がり補助具 - Google Patents

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この発明は、主に介護・福祉の分野で使用される高齢者や要介護支援者らの立ち上がり補助具に関するものである。
高齢者や要介護支援者らが、日常生活において自力で立ち上がる際の補助具として、またリハビリテーションの道具として、立ち上がる際のバランスを補助しあるいは足腰の負担を軽減する立ち上がり補助具が広く用いられている。
従来の立ち上がり補助具としては、図13に示すように、中空のホルダ部210が立設されたベース部200と、手摺部400を備えベース部200のホルダ部210に挿着された支柱部300と、を備えた立ち上がり補助具100がある(特許文献1参照)。この立ち上がり補助具100が使用時に倒れないよう安定させる方法として、従来は、ベース部200のホルダ部210に、図14に示すような円柱状のおもり500を外嵌する方法が採られていた。(非特許文献1参照)
実用新案登録第3034536号
矢崎化工株式会社、"おもしくん CKA-J"、[online]、2001年、矢崎化工株式会社、[平成23年5月24日検索]、インターネット<URL:http://www.kaigo-web.info/kensaku/rental/cka-j.html>
しかしながら、上記従来の技術では、おもり500がベース部200の上に位置することになるため、使用者が誤って足先をおもり500に引っ掛けてしまうことがあり、おもり500が使用者の立ち上がり動作の邪魔になる場合があった。
また、ホルダ部210に支柱部300の下端部を固定しているネジ310がおもり500によって覆われてしまうことから、ネジ310を脱着する度に重たいおもり500を上方に持ち上げる必要があるため、組立・分解時の作業性が悪かった。
上記問題点に鑑み、本発明の解決しようとする課題は、立ち上がり動作の邪魔にならず、また組立・分解時の作業性に優れた、おもりを備えた立ち上がり補助具を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明に係る立ち上がり補助具は、床面と接するベース部と、手摺部を備え前記ベース部に立設された支柱部と、を備える立ち上がり補助具において、前記ベース部の裏面に設けられた掛止部におもりがネジ止めされたことを特徴とする
この特定事項により、おもりがベース部の上にないため、使用者が誤って足先をおもりに引っ掛けてしまう虞がない。したがって、おもりが立ち上がり動作の邪魔になることはない。また、ベース部に対する支柱部の脱着作業時におもりが邪魔になることもない。ベース部の裏面に設けられた掛止部におもりがネジ止めされたものであるから、ベース部に対するおもりの脱着作業が容易となる。
前記おもりは、板状であってもよい。この場合、おもりを含めたベース部全体の厚みが厚くなってしまうことを回避することができるとともに、おもりが持ち易くなるためおもりの脱着作業が簡単になるのに加えて、おもりを安価に製作することができる。さらに、おもりの重量をベース部全体に均一に作用させることができ、その結果、立ち上がり補助具が倒れにくくなり使用時の事故を防止できる。
さらに、上記の立ち上がり補助具において、前記ベース部には、その周縁部に床面の方向に向かう傾斜面が設けられ、これによって前記ベース部の裏面と前記床面との間に形成されたスペース内に、前記おもりが収容されたものであってもよい。
この場合、立ち上がり補助具を床面に設置した状態でおもりはベース部に覆い隠されるため、おもりによって立ち上がり補助具全体の意匠が損なわれる虞がない。
本発明に係る立ち上がり補助具は、立ち上がり補助具を安定させるために取り付けるおもりが、立ち上がり動作や、立ち上がり補助具の組立・分解作業の邪魔にならない。
本発明に係る立ち上がり補助具の実施形態を示す斜視図である。 図1に示す立ち上がり補助具のおもりを示す底面図及び側面図である。 図1に示す立ち上がり補助具における掛止部の配設形態の一例を示す要部底面図及び側面図である。 図2に示すおもりの装着手順を示すベース部の要部底面図である。 図2に示すおもりの装着完了状態を示すベース部の要部底面図である。 図1におけるA−A線に沿う断面図である。但し、断面を示すハッチングは省略している。 図6におけるB部分の拡大図である。 図1に示す立ち上がり補助具のベース部の平面図である。 実施形態についてのおもりの変形例を示す底面図及び側面図である。 本発明に係る立ち上がり補助具の実施形態についての変形例を示す斜視図である。 図10に示す立ち上がり補助具のベース部を示す平面図である。 本発明に係る立ち上がり補助具の実施形態についての他の変形例を示す正面図である。 従来の立ち上がり補助具の斜視図である。 従来の立ち上がり補助具に使用されるおもりの斜視図である。
以下、本発明の実施形態について、図1乃至図10を参照して説明する。
本発明に係る立ち上がり補助具1は、図1に示すように、床面と接するベース部2と、手摺部4を備えベース部2に立設された支柱部3とを備えたものであって、ベース部2の裏面におもり5を備えたものである。
ベース部2は、立ち上がり補助具1を床面に定着させる機能を有する。本実施形態のベース部2の周端部には床面の方向に向かう傾斜面24が設けられており、これによってベース部2の中央部を床面から浮かせることで、おもり5、後述する掛止部6及び固定金具12をベース部2の裏面に取り付けるスペースが確保されている。このようになるベース部2は、立ち上がり補助具1の転倒による事故を回避するために、重心が低く床面との接触面積が大きくされている。このベース部2を構成するベース板21としては、金属製の板や強度の高い合成樹脂製の板を用いることが考えられる。上記した傾斜面24の周端縁部には、例えばゴム製や合成樹脂製の緩衝材22が装着されており、これによって、床面の傷の発生防止と使用者の安全確保とが図られている。
支柱部3は、手摺部4を支持するものである。支柱部3は、図1に示すように、一本のパイプを中央で湾曲させたものでもよいし、湾曲させたパイプを複数本立設し、それらを横桟で連結したものでもよい。手摺部4の本数は1本でも、図示例のように複数本でもよい。
ベース部2に対する支柱部3の立設構造としては、図6及び図7に示すように、例えば金属製パイプからなるホルダ部11と固定金具12とを用いたものが考えられる。ベース部2のベース板21には、図8に示すように、複数の連結孔23が形成されており、これら連結孔23に、それぞれベース板21の下方から雄ネジ部31を有する固定金具12が挿通される一方、ベース板21の上方から上記雄ネジ部31と螺合する雌ネジ溝32を下端部内周面に有するホルダ部11の下端部開口部が、ベース板21の上面から突出している固定金具12に被せられるとともに、ホルダ部11の雌ネジ溝21と固定金具12の雄ネジ部31とが螺合される。これによって、ベース板21がホルダ部11と固定金具12の突出部12aとで挟持された状態になる。こうして支柱部3を支持するホルダ部11がベース板21に固定される。なお、固定金具12の下面中心には六角レンチが挿入される六角孔33が形成されており、ホルダ部11との螺合作業がし易いように図られている。以上のようにしてベース板21に固定されたホルダ部11内に支柱部3の下端部を上方から挿入するとともに固定ビス11aをホルダ部11の外側から支柱部3の下端部に向けて螺入し該下端部をホルダ部11に固定することで、支柱部3がベース部2に立設される。なお、ホルダ部11の固定手段は上記のようなものに限らず、ベース板21にホルダ部11の下端部を溶接により取り付けてもよく、また、ホルダ部11を排して支柱部3の下端部をベース部2のベース板21に直接溶接してもよい。
ここで、上記の例のように、固定金具12を用いた場合は、固定金具12の下面に、例えばゴム板34などの弾性材を接着し、ホルダ部11内に支柱部3が挿入される際、固定金具12と支柱部3との間に生じる衝撃を和らげるようにするとよい。
手摺部4は、使用者が立ち上がる際につかむ手摺としての機能を有する。手摺部4は、つかみ易い形状のものであればよく、横桟に限らず縦梁でもよい。さらに、手摺部4は、人が握り易い太さのものとされる。手摺部4に適当な部材の例として、直径3cm程の円筒金属製パイプが挙げられる。手摺部4を支柱部3に連結支持させるには、溶接や樹脂性ジョイント41を用いるとよい。
おもり5は、立ち上がり補助具1のベース部2におもりとして作用し、立ち上がり補助具1を倒れにくくする機能を有する。本実施形態におけるおもり5は、図2に示すように、板金から切り出された上板51と下板52とから構成されている。上板51はベース部2のベース板21とほぼ相似形状の長方形を呈しており、下板52は上板51よりも短辺が短い長方形を呈している。下板52は上板51と相互の短辺中央同士が重なった状態で溶接され一体化されている。上板51の各長辺にはそれぞれ矩形の切欠53が2つずつ所定間隔を隔てて形成されている。これら切欠53は、いずれも下板52と重ならない領域に設けられている。また、各切欠53の近傍には、それぞれ上板51の長辺に沿う方向に隣接してネジ孔56が設けられている。
ベース部2のベース板21の裏面には、上記したおもり5を掛止する掛止部6が設けられている。掛止部6は、図3に示すように、ベース板21の裏面に取り付けられる取着部61と、おもり5と掛止される掛止爪部62とから構成されており、掛止爪部62には、おもり5装着時におもり5のネジ孔56と重合するネジ孔63が設けられている。掛止部6は、おもり5の上記した切欠53と対応するよう、且つ、各掛止爪部62の先端がベース板21の内方を向くようにしてベース板21の裏面に配設されている。各掛止爪部62とベース板21との間隙寸法は、おもり5の上板51の厚みと略等しく設定されており、これによっておもり5がその上板51の縁部において掛止爪部62とベース板21の裏面とでしっかりと挟持される。このようになる掛止部6としては、例えば、板金から切り出した金属片をクランク状に屈曲することにより形成されたものが用いられ、ベース板21には例えばスポット溶接により溶着される。なお、掛止部6の形状や材質等は上記したものに限定されない。例えば、掛止部6を、弾性を有するバネ板材で形成すれば、おもり5を掛止部6の弾性復元力でベース板21の裏面に圧着状態で固定することができる。
次に、おもり5を掛止部6によりベース部2の裏面に掛止する手順について説明する。
まず、ベース部2をその裏面が上方を向くようにして床面上にベース部2を置き、図4に示すように、おもり5をその上板51の方がベース部2側に位置するようにして切欠53と掛止部6の掛止爪部62とを一致させ、おもり5の切欠53内に掛止爪部62を通過させ、おもり5の上板51の上面をベース部2の裏面に密着させる。
次に、その状態を保ったまま、図5に示すように、おもり5を、そのネジ孔56が掛止爪部62のネジ孔63と重合する方向にスライドさせる。そして、両ネジ孔56,63同士が重合したら、掛止爪部62のネジ孔63からおもり5のネジ孔56に向けて止めネジ55を螺入し、これによっておもり5のベース部2への掛止が完了する。図6は、その状態を示す部分断面図である。
上記した実施形態では、おもり5は2枚の板材(上板51及び下板52)から構成されたものであったが、おもり5は、そのようなものに限られず、例えば、図9に示すような一枚の板から構成されたものであってもよい。すなわち、これらの図に示されたおもり5aは、ベース部2のベース板21と略相似形状の長方形を呈する厚めの金属板の各長辺にそれぞれ2箇所に亘って、掛止部6と掛合する段差部57が形成されるとともに、これら段差部57にそれぞれ矩形の切欠58とネジ孔59とが形成されたものである。なお、切欠58とネジ孔59の配設要領は上記の実施形態におけるおもり5のものと同様である。
上記した実施形態では、おもり5をベース部2の裏面に備える手段として、掛止部6による掛止手段を用いたが、このような手段に限られず、例えば、おもり5をベース部2に溶接するものでもよい。
上記した実施形態では、ベース板21に設けられた連結孔の個数は2個であったが、例えば、図10に示すように、4個であってもよい。図10に示す立ち上がり補助具は、図11に示すベース部2に設けられた4個の連結孔23に裏面から固定金具12を挿通し、固定金具12の雄ネジ部31とホルダ部11の雌ネジ溝32とを螺合させることで、ベース部2に4個のホルダ部11を立設させた例である。この例では、各ホルダ部11に、主支柱部3aと副支柱部3bとからなる支柱部3の脚が挿入されている。ベース部2の中央部に位置する2個のホルダ部11には、一本のパイプを中央で湾曲させた主支柱部3aが立設されるとともに、この主支柱部3aのパイプ間には横桟である手摺部4が、例えば、樹脂性ジョイント41を用いて連結されている。ベース部2の端部に位置する2個のホルダ部11には、主支柱部3aの直線部の高さより低く、相互に同じ長さの2本のパイプ35からなる副支柱部3bがそれぞれ立設されている。この副支柱部3bの各上端と、主支柱部3aとは横桟36で連結されている。横桟36は、支柱部3全体の強度を確保する機能だけでなく、手摺としての機能も有する。該連結には、例えば、樹脂性ジョイント42を用いるとよい。
なお、おもり5は、上記した実施形態のように単品のものに限られず、複数の部品から構成されたものであってもよい。
また、上記した実施形態では、ベース部2は、周端部に床面の方向に向かう傾斜面24が設けられることで、その裏面側におもり5等を取り付ける空間が形成されたものであったが、これに限らない。例えば、図12に示すように、ベース部2は、上記したような傾斜面24を有しない、全体が平板であるベース板21からなるものであってもよい。その場合、平板であるベース板21の裏面に平板からなるおもり5が接着又は溶着され、おもり5の下面に突起物が現れないようにするとよい。
1 立ち上がり補助具
2 ベース部
3 支柱部
5、5a、5b、5c おもり
6 掛止部
24 傾斜面
55 止めネジ

Claims (3)

  1. 床面と接するベース部と、
    手摺部を備え前記ベース部に立設された支柱部と、
    を備える立ち上がり補助具において、
    前記ベース部の裏面に設けられた掛止部におもりがネジ止めされたこと
    を特徴とする立ち上がり補助具。
  2. 請求項1に記載の立ち上がり補助具において、
    前記おもりは、板状であることを特徴とする立ち上がり補助具。
  3. 請求項1または2に記載の立ち上がり補助具において、
    前記ベース部には、その周縁部に床面の方向に向かう傾斜面が設けられ、これによって前記ベース部の裏面と前記床面との間に形成されたスペース内に、前記おもりが収容されたことを特徴とする立ち上がり補助具。
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