まず、最初に本実施例の概要を説明するとすれば、その概要は、入金したバラ貨幣を収納するバラ貨幣収納部と、バラ貨幣収納部から繰り出されたバラ貨幣を結束又は包装する結束包装部とを有する貨幣処理装置である。
更に、貨幣処理装置は、バラ貨幣収納部の現在収納枚数が開始閾値に到達した場合、バラ貨幣収納部に収納されたバラ貨幣の結束又は包装を開始すべく、結束包装部を駆動制御する駆動制御部と、所定条件に応じて、開始閾値を設定変更する制御部とを有している。
本実施例では、バラ貨幣収納部の現在収納枚数が開始閾値に到達した場合、バラ貨幣収納部に収納されたバラ貨幣の結束又は包装を開始すると共に、所定条件に応じて、開始閾値を設定変更する。
その結果、本実施例では、用途等の所定条件に応じて、バラ貨幣の結束又は包装を開始する開始閾値を適宜設定変更し、貨幣処理装置内のバラ貨幣及び結束包装貨幣の現在量を調整できるというものである。
図1は、本実施例の貨幣処理装置の外観構成を示す説明図である。
図1に示す貨幣処理装置1は、束紙幣を出金する束紙幣出金部2と、バラ紙幣を入出金するバラ紙幣入出金部3と、新券を出金する新券出金部4とを有している。
更に、貨幣処理装置1は、包装硬貨(以下、単に棒金と称する)を出金する棒金出金部5と、バラ硬貨を入出金するバラ硬貨入出金部6とを有している。
更に、貨幣処理装置1は、出金伝票に認証印字を実行する認証印字用プリンタ11と、貨幣処理装置1の各種操作用のキーを表示するタッチパネルからなる操作表示部12とを有している。
更に、貨幣処理装置1は、ユーザを識別するID情報を格納したIDカードを処理するカード処理部13と、レシート発行部14と、小切手、手形等を入れる現金外ボックス15と、通帳への印字等を行う通帳処理部16とを有している。
図2は、貨幣処理装置1の内部構成を示すブロック図である。
図2に示す貨幣処理装置1は、認証印字用プリンタ11、操作表示部12、カード処理部13、レシート発行部14及び通帳処理部16、新券出金部4の他に、紙幣に対する処理を実行する紙幣処理部17と、硬貨に対する処理を実行する硬貨処理部18とを有している。
紙幣処理部17は、束紙幣出金部2及びバラ紙幣入出金部3を有し、束紙幣出金部2内部にバラ紙幣を100枚単位で結束して、該当金種の束紙幣を作成する紙幣結束部2Aを有している。
硬貨処理部18は、棒金出金部5及びバラ硬貨入出金部6を有し、棒金出金部5内部にバラ硬貨を50枚単位で包装して、該当金種の棒金を作成する硬貨包装部5Aを有している。
更に、貨幣処理装置1は、貨幣処理装置1全体を制御するターミナル部19を有している。
更に、ターミナル部19は、貨幣処理装置1全体の通信制御を司る通信制御部21と、各種情報を記憶する記憶部22と、各種プログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)23とを有している。
また、ターミナル部19は、作業領域等のRAM(Random Access Memory)24と、貨幣処理装置1全体を制御するCPU(Central Prooccesing Unit)25とを有している。
図3は、記憶部22及びCPU25の内部構成を示すブロック図である。
図3に示すCPU25は、硬貨処理部18、紙幣処理部17及び新券出金部4を駆動制御する駆動制御部25Aと、CPU25全体を制御する制御部25Bとを有している。
記憶部22は、後述する、予め設定した自動収集処理毎に設定閾値、すなわち開始閾値及び終了閾値を管理する閾値テーブル22Aと、現在設定中の自動収集処理の設定閾値を設定記憶する現在閾値記憶部22Bとを有している。
制御部25Bは、操作表示部12を通じて、自動収集処理の開始閾値及び終了閾値を任意設定可能とし、その設定した開始閾値及び終了閾値を閾値テーブル22Aに管理するものである。
また、制御部25Bは、貨幣処理装置1内のバラ貨幣及び結束包装貨幣の現在収納枚数を監視する収納枚数監視部251と、閾値テーブル22Aから用途条件に応じた自動収集処理の設定閾値を現在閾値記憶部22Bに設定する閾値設定部252とを有している。
収納枚数監視部251は、バラ硬貨入出金部6内のバラ硬貨の現在収納枚数、棒金出金部5内の棒金の現在収納枚数(本数)、バラ紙幣入出金部3内のバラ紙幣の現在収納枚数及び束紙幣出金部2内の束紙幣の現在収納枚数(束数)を該当金種毎に監視するものである。
自動収集処理とは、バラ貨幣の現在収納枚数が開始閾値に到達した場合、バラ貨幣に対する包装動作又は結束動作を自動的に開始し、バラ貨幣の現在収納枚数が終了閾値未満になった場合、バラ貨幣に対する包装動作又は結束動作を終了するものである。
閾値設定部252は、閾値テーブル22Aから設定すべき自動収集処理の開始閾値及び終了閾値を現在設定閾値として現在閾値記憶部22Bに設定記憶するものである。
更に、制御部25Bは、収納枚数監視部251を通じてバラ貨幣の現在収納枚数が自動収集処理の開始閾値に到達したか否かを判定すると共に、そのバラ貨幣の現在収納枚数量が終了閾値未満であるか否かを判定する閾値判定部253を有している。
閾値判定部253は、バラ硬貨の現在収納枚数が硬貨用自動収集処理の開始閾値に到達した場合、バラ硬貨に対して硬貨包装部5Aの包装動作を開始し、バラ硬貨の現在収納枚数が硬貨用自動収集処理の終了閾値未満となった場合、包装動作を終了するものである。
また、閾値判定部253は、バラ紙幣の現在収納枚数が紙幣用自動収集処理の開始閾値に到達した場合、バラ紙幣に対する紙幣結束部2Aの結束動作を開始する。更に、閾値判定部253は、バラ紙幣の現在収納枚数が紙幣用自動収集処理の終了閾値未満となった場合、この結束動作を終了するものである。
図4は、自動収集処理の閾値設定画面の一例を示す説明図である。
図4に示す操作表示部12の設定画面120上には、例えば、硬貨用自動収集処理の設定閾値を設定する画面を画面表示し、該当金種121毎に、開始閾値として開始枚数122及び終了閾値として終了枚数123を設定可能とするものである。
制御部25Bは、閾値設定画面上で自動収集処理毎に該当金種の設定閾値を設定すると、その該当金種の設定閾値を閾値テーブル22Aに管理するものである。つまり、ユーザは、閾値設定画面上で設定閾値を適宜設定変更可能である。
図5は、バラ紙幣入出金部3の内部構成を示すブロック図である。
図5に示すバラ紙幣入出金部3は、バラ紙幣を入金する紙幣入金口301と、バラ紙幣を出金する紙幣出金口302と、入金紙幣の金種や真偽を識別する入金識別部303と、入金紙幣の表裏を揃える表裏反転部304とを有している。
更に、バラ紙幣入出金部3は、入金識別部303の識別結果に基づき、入金紙幣が偽紙幣若しくは汚損等で識別不能な場合、その入金紙幣をリジェクトする第1リジェクト部305を有している。
更に、バラ紙幣入出金部3は、入金識別部303の識別結果に基づき、金種毎にバラ紙幣を収納するバラ紙幣収納部306と、バラ紙幣出金時に、バラ紙幣収納部306から繰り出された紙幣を識別する出金識別部307とを有している。尚、バラ紙幣収納部306は、5個の収納部を有し、各収納部は、例えば、1万円札、5千円札、2千円札及び1千円札等のバラ紙幣を夫々収納するものである。
また、バラ紙幣入出金部3は、バラ紙幣を束紙幣にする自動収集処理を開始した場合、バラ紙幣収納部306から繰り出されたバラ紙幣を100枚単位で集積する2個の結束用集積部308を有している。
バラ紙幣入出金部3は、この結束用集積部308に集積された100枚単位のバラ紙幣を束紙幣出金部2に搬送する束搬送部309と、出金識別部307で出金紙幣が識別不能な場合、その出金紙幣をリジェクトする第2リジェクト部305Aとを有している。
図6は、束紙幣出金部2の内部構成を示すブロック図である。
図6に示す束紙幣出金部2は、束紙幣を出金する束出金口201と、バラ紙幣入出金部3の束搬送部309を通じて結束前の100枚単位のバラ紙幣を取得すると、これらバラ紙幣を結束帯で結束して束紙幣を作成する紙幣結束部2Aとを有している。
更に、束紙幣出金部2は、束紙幣を一時的に集積する一時集積部202と、一時集積部202に集積された束紙幣を該当金種毎に識別収納する束紙幣収納部203とを有している。尚、束紙幣収納部203は、5個の収納部を有し、各収納部は、例えば、1万円札、5千円札、2千円札及び1千円札等の束紙幣を夫々収納するものである。
束紙幣出金部2は、紙幣結束部2Aにて束紙幣を作成すると、束出金口201又は一時集積部202に搬送するものである。
また、束紙幣出金部2は、両替等で束紙幣での出金が要求された場合、束紙幣収納部203から該当金種の束紙幣を一時集積部202に搬送集積し、その束紙幣を束出金口201から排出するものである。
図7は、バラ硬貨入出金部6の内部構成を示すブロック図である。
図7に示すバラ硬貨入出金部6は、バラ硬貨を入金する硬貨入金口601と、バラ硬貨を出金する硬貨出金口602と、入金硬貨の金種や真偽を識別する入金識別部603と、該当金種毎にバラ硬貨を収納するバラ硬貨収納部604とを有している。尚、バラ硬貨収納部604は、6個の収納部を有し、各収納部は、例えば、1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉及び500円玉のバラ硬貨を夫々収納するものである。
バラ硬貨入出金部6は、出金の場合、バラ硬貨収納部604から繰り出される該当金種の硬貨を硬貨出金口602から排出するものである。
また、バラ硬貨入出金部6は、棒金を作成する自動収集処理を開始すると、バラ硬貨収納部604から繰り出された硬貨を50枚単位に包装した棒金を作成すべく、硬貨を棒金出金部5に搬送する硬貨搬送部605を有している。
図8は、棒金出金部5の内部構成を示すブロック図である。
図8に示す棒金出金部5は、バラ硬貨入出金部6の硬貨搬送部605を通じて50枚単位の硬貨を搬送すると、硬貨を包装して棒金を作成する硬貨包装部5Aと、硬貨包装部5Aで作成した棒金を金種毎に収納する棒金収納部501とを有している。尚、棒金収納部501は、6個の収納部を有し、各収納部は、例えば、1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉及び500円玉の棒金を夫々収納するものである。
更に、棒金出金部5は、両替等で棒金での出金が要求された場合、棒金収納部501から該当金種の棒金が取り出され、その棒金出金口502から排出される。
尚、請求項記載の貨幣処理装置は貨幣処理装置1、バラ貨幣収納部はバラ紙幣収納部306又はバラ硬貨収納部604、結束包装部は紙幣結束部2A又は硬貨包装部5A、駆動制御部は駆動制御部25A、収納枚数監視部251及び閾値判定部253、制御部は制御部25B及び閾値設定部252に対応するものである。
次に、本実施例の貨幣処理装置1の動作について説明する。図9は、硬貨用自動収集処理に関わる制御部25B内部の処理動作を示すフローチャートである。
例えば、貨幣処理装置1内の硬貨を回収する硬貨回収日の1週間前では、大量の硬貨を回収してもらうために、硬貨回収日までに大量のバラ硬貨を確保する必要がある。
そこで、ユーザは、通常よりも棒金の本数を減らして大量のバラ硬貨を確保するために、硬貨用自動収集処理の開始閾値及び終了閾値を設定する必要がある。
尚、閾値テーブル22Aには、例えば、開始閾値を700枚、終了閾値を500枚とする通常自動収集処理の設定閾値の他に、開始閾値を1800枚、終了閾値を1600枚とする回収前自動収集処理の設定閾値を管理しているものとする。
制御部25Bは、硬貨用の変更タイミングを検出したか否かを判定する(ステップS11)。尚、硬貨用の変更タイミングは、硬貨用自動収集処理の設定閾値を変更するタイミング、例えば、現在日時が硬貨回収日から1週間前のタイミングに相当し、例えば、通常自動収集処理の設定閾値から回収前自動収集処理の設定閾値に設定変更するタイミングに相当するものである。
制御部25B内部の閾値設定部252は、硬貨用の変更タイミングを検出した場合(ステップS11肯定)、硬貨用の変更タイミングに対応した閾値テーブル22A内の設定閾値の内、例えば、回収前自動収集処理の設定閾値を現在閾値記憶部22Bに設定する(ステップS12)。尚、閾値設定部252は、回収前自動収集処理の設定閾値である開始閾値及び終了閾値を現在閾値記憶部22Bに設定するものである。
制御部25B内の閾値判定部253は、開始閾値及び終了閾値を設定すると、収納枚数監視部251を通じてバラ硬貨の現在収納枚数が開始閾値に到達したか否かを判定する(ステップS13)。尚、収納枚数監視部251は、バラ硬貨収納部604の該当金種のバラ硬貨の現在収納枚数を監視するものである。
制御部25Bは、バラ硬貨の現在収納枚数が開始閾値に到達した場合(ステップS13肯定)、駆動制御部25Aを通じてバラ硬貨に対する自動収集処理を開始し(ステップS14)、当該バラ硬貨に対する包装動作を棒金出金部5に指示する(ステップS15)。その結果、棒金出金部5内の硬貨包装部5Aは、バラ硬貨収納部604の該当金種のバラ硬貨を包装して棒金を作成する。
閾値判定部253は、収納枚数監視部251を通じて、該当金種のバラ硬貨の現在収納枚数が終了閾値未満となったか否かを判定する(ステップS16)。
制御部25Bは、該当金種のバラ硬貨の現在収納枚数が終了閾値未満となった場合(ステップS16肯定)、棒金を作成する包装動作を停止すべく、この自動収集処理を終了し(ステップS17)、図9に示す処理動作を終了する。
制御部25Bは、硬貨用の変更タイミングを検出しなかった場合(ステップS11否定)、図9に示す処理動作を終了する。
また、閾値判定部253は、該当金種のバラ硬貨の現在収納枚数が開始閾値に到達していない場合(ステップS13否定)、硬貨用の変更タイミングを検出したか否かを判定する(ステップS18)。
また、制御部25Bは、硬貨用の変更タイミングを検出した場合(ステップS18肯定)、新たな硬貨用の変更タイミングに対応する開始閾値及び終了閾値を設定すべく、ステップS12に移行する。
また、制御部25Bは、硬貨用の変更タイミングを検出しなかった場合(ステップS18否定)、該当金種のバラ硬貨の現在収納枚数が開始閾値に到達したか否かを判定すべく、ステップS13に移行する。
また、制御部25Bは、該当金種のバラ硬貨の現在収納枚数が終了閾値未満でなかった場合(ステップS16否定)、新たな硬貨用の変更タイミングを検出したか否かを判定すべく、ステップS18に移行する。
図9に示す硬貨用自動収集処理では、回収前自動収集処理を設定した場合、該当金種のバラ硬貨に対する棒金作成の機会を減らすことで、該当金種のバラ硬貨の枚数を徐々に増やして、回収対象の大量のバラ硬貨を確保できる。その結果、回収対象のバラ硬貨を確保するために、わざわざ棒金を崩す作業も必要なく、回収対象のバラ硬貨を大量に確保できる。
図10は、硬貨用自動収集処理に関わる通常自動収集処理及び回収前自動収集処理に関わる開始閾値及び終了閾値の関係を示す説明図である。
図10(B)に示す回収前自動収集処理の開始閾値及び終了閾値は、図10(A)に示す通常自動収集処理時の開始閾値及び終了閾値に比較して、開始閾値及び終了閾値の設定値を高めに設定する。その結果、バラ硬貨に対する棒金作成の機会を減らしている。
尚、回収前自動収集処理では、回収対象のバラ硬貨の枚数を増やしたが、例えば、バラ硬貨の枚数を減らして棒金の本数を確保する場合、硬貨用自動収集処理の開始閾値及び終了閾値の設定値を通常自動収集処理時よりも低めに設定することで実現可能である。
図11は、紙幣用自動収集処理に関わる制御部25B内部の処理動作を示すフローチャートである。
例えば、貨幣処理装置1内の紙幣を回収する紙幣回収日の1週間前では、大量の紙幣を回収してもらうために、紙幣回収日までに大量の束紙幣を確保する必要がある。
そこで、ユーザは、通常よりもバラ紙幣の枚数を減らして大量の束紙幣を確保するために、紙幣用自動収集処理の開始閾値及び終了閾値を設定する必要がある。
尚、閾値テーブル22Aには、例えば、開始閾値を1200枚、終了閾値を800枚とする通常自動収集処理の設定閾値の他に、開始閾値を800枚、終了閾値を400枚とする回収前自動収集処理の設定閾値を管理しているものとする。
制御部25Bは、紙幣用の変更タイミングを検出したか否かを判定する(ステップS21)。尚、紙幣用の変更タイミングは、紙幣用自動収集処理の設定閾値を変更するタイミング、例えば、現在日時が紙幣回収日から1週間前到達のタイミングに相当し、例えば、通常自動収集処理の設定閾値から回収前自動収集処理の設定閾値に設定変更するタイミングに相当するものである。
閾値設定部252は、紙幣用の変更タイミングを検出した場合(ステップS21肯定)、紙幣用の変更タイミングに対応した閾値テーブル22A内の設定閾値の内、例えば、回収前自動収集処理の設定閾値を現在閾値記憶部22Bに設定する(ステップS22)。尚、閾値設定部252は、回収前自動収集処理の設定閾値である開始閾値及び終了閾値を現在閾値記憶部22Bに設定するものである。
閾値判定部253は、開始閾値及び終了閾値を設定すると、収納枚数監視部251を通じてバラ紙幣の現在収納枚数が開始閾値に到達したか否かを判定する(ステップS23)。尚、収納枚数監視部251は、バラ紙幣収納部306の該当金種のバラ紙幣の現在収納枚数を監視するものである。
制御部25Bは、バラ紙幣の現在収納枚数が開始閾値に到達した場合(ステップS23肯定)、駆動制御部25Aを通じてバラ紙幣に対する自動収集処理を開始し(ステップS24)、当該バラ紙幣に対する結束動作を束紙幣出金部2に指示する(ステップS25)。その結果、束紙幣出金部2内の紙幣結束部2Aは、バラ紙幣収納部306の該当金種のバラ紙幣を結束して束紙幣を作成する。
閾値判定部253は、該当金種のバラ紙幣の現在収納枚数が終了閾値未満となったか否かを判定する(ステップS26)。
制御部25Bは、該当金種のバラ紙幣の現在収納枚数が終了閾値未満となった場合(ステップS26肯定)、この自動収集処理を終了し(ステップS27)、図11に示す処理動作を終了する。
制御部25Bは、紙幣用の変更タイミングを検出しなかった場合(ステップS21否定)、図11に示す処理動作を終了する。
また、閾値判定部253は、該当金種のバラ紙幣の現在収納枚数が開始閾値に到達していない場合(ステップS23否定)、紙幣用の変更タイミングを検出したか否かを判定する(ステップS28)。
また、制御部25Bは、紙幣用の変更タイミングを検出した場合(ステップS28肯定)、新たな紙幣用の変更タイミングに対応する開始閾値及び終了閾値を設定すべく、ステップS22に移行する。
また、制御部25Bは、紙幣用の変更タイミングを検出しなかった場合(ステップS28否定)、該当金種のバラ紙幣の現在収納枚数が開始閾値に到達したか否かを判定すべく、ステップS23に移行する。
また、閾値判定部253は、該当金種のバラ紙幣の現在収納枚数が終了閾値未満でなかった場合(ステップS26否定)、新たな紙幣用の変更タイミングを検出したか否かを判定すべく、ステップS28に移行する。
図11に示す紙幣用自動収集処理では、回収前自動収集処理を設定した場合、該当金種のバラ紙幣に対する束紙幣作成の機会を増やすことで、該当金種のバラ紙幣の枚数を徐々に減らしながら、回収対象の大量の束紙幣を確保できる。
尚、回収前自動収集処理では、回収対象の束紙幣の束数を増やしたが、例えば、束紙幣の束数を減らしてバラ紙幣の枚数を増やすような場合、紙幣用自動収集処理の開始閾値及び終了閾値を通常自動収集処理時よりも高めに設定することで実現可能である。
本実施例では、バラ硬貨の現在収納枚数が開始閾値に到達した場合、バラ硬貨の包装動作を開始すると共に、変更タイミングに応じて、開始閾値を設定変更する。その結果、本実施例では、例えば、用途等の変更タイミングに応じて、バラ硬貨の包装動作を開始する開始閾値を適宜設定変更し、貨幣処理装置1内のバラ硬貨及び棒金の現在量を調整できる。
本実施例では、バラ硬貨の現在収納枚数が終了閾値未満の場合、バラ硬貨の包装動作を終了すると共に、変更タイミングに応じて、終了閾値を設定変更する。その結果、本実施例では、例えば、用途等の変更タイミングに応じて、バラ硬貨の包装動作を終了する終了閾値を適宜設定変更し、貨幣処理装置1内のバラ硬貨及び棒金の現在量を調整できる。
また、本実施例では、バラ紙幣の現在収納枚数が開始閾値に到達した場合、バラ紙幣の結束動作を開始すると共に、変更タイミングに応じて、開始閾値を設定変更する。その結果、本実施例では、例えば、用途等の変更タイミングに応じて、バラ紙幣の結束動作を開始する開始閾値を適宜設定変更し、貨幣処理装置1内のバラ紙幣及び束紙幣の現在量を調整できる。
本実施例では、バラ紙幣の現在収納枚数が終了閾値未満の場合、バラ紙幣の結束動作を終了すると共に、変更タイミングに応じて、終了閾値を設定変更する。その結果、本実施例では、例えば、用途等の変更タイミングに応じて、バラ紙幣の結束動作を終了する終了閾値を適宜設定変更し、貨幣処理装置1内のバラ紙幣貨幣及び束紙幣の現在量を調整できる。
また、本実施例では、バラ硬貨の回収を要求する回収前自動収集処理に移行する変更タイミングを検出すると、バラ硬貨の現在収納枚数を増やすべく、開始閾値を増加方向に設定する。その結果、本実施例では、バラ硬貨を包装する機会が減って、硬貨回収時の回収対象であるバラ硬貨を大量に確保できる。
また、本実施例では、束紙幣の回収を要求する回収前自動収集処理に移行する変更タイミングを検出すると、バラ紙幣の現在収納枚数を減らすべく、開始閾値を減少方向に設定する。その結果、本実施例では、バラ紙幣を結束する機会が増えて、紙幣回収時の回収対象である束紙幣を大量に確保できる。
尚、本実施例では、自動収集処理の開始閾値及び終了閾値に基づき、貨幣処理装置1内のバラ硬貨(バラ紙幣)及び棒金(束紙幣)の現在量を調整した。しかしながら、閾値設定画面上のユーザ設定操作で開始閾値及び終了閾値を適宜変更できるため、その用途に応じて、バラ硬貨(バラ紙幣)及び棒金(束紙幣)の現在量を自由に調整できる。
尚、本実施例では、硬貨はバラ硬貨、紙幣は束紙幣を回収するために、回収するタイミングで、これらの貨幣が増えるように閾値を設定変更するようにしたが、回収する貨幣が棒金やバラ紙幣の場合には、これらの貨幣が増えるように、閾値を設定変更することは言うまでもない。
また、本実施例では、例えば、通常自動収集処理を設定した場合、バラ硬貨(バラ紙幣)の現在収納枚数が開始閾値に到達した場合、バラ硬貨(バラ紙幣)に対して包装動作(結束動作)を開始する。しかしながら、繁忙時間帯も同様に、バラ硬貨(バラ紙幣)に対して包装動作(結束動作)を実行した場合、束紙幣出金部2及び棒金出金部5側の負担が大きく、その出金動作が低下してしまうことも考えられる。図12は、繁忙時間帯の自動収集処理に関わる開始閾値及び終了閾値の関係を示す説明図である。
そこで、繁忙時間帯では、バラ硬貨(バラ紙幣)の包装動作(結束動作)の機会を減らすべく、図12に示すように自動収集処理の開始閾値及び終了閾値を自動的に設定変更するようにしても良く、この場合、束紙幣出金部2及び棒金出金部5側の負担を大幅に軽減できる。その後、現在時刻が締上げ時間帯に到達した場合、棒金(束紙幣)を多く作成すべく、自動収集処理の開始閾値及び終了閾値を設定変更するようにしても良い。その結果、棒金や束紙幣を多く作成することで、貨幣を計数する作業負担を大幅に軽減できる。
また、本実施例では、現在日時が貨幣回収日の1週間前に到達すると、回収前自動収集処理の開始閾値及び終了閾値を自動的に設定した。しかしながら、金融機関の店舗内のATMや両替機等に装填する貨幣の量を考慮する必要がある。
そこで、貨幣処理装置1では、店舗内の全貨幣の保有量を管理する管理装置と通信接続し、この管理装置の全バラ貨幣の保有量に基づき、自動収集処理の設定閾値を変更するようにしても良く。この場合、店舗内の全バラ貨幣の保有量に基づき、バラ硬貨(バラ紙幣)及び棒金(束紙幣)の現在量を調整できる。その結果、ATMや両替機等に装填する貨幣の量を確保できる。
また、本実施例では、バラ硬貨(バラ紙幣)の現在収納枚数が開始閾値に到達した場合、バラ硬貨(バラ紙幣)に対する包装(結束)動作を開始し、バラ硬貨(バラ紙幣)の現在収納枚数が終了閾値未満の場合、バラ硬貨(バラ紙幣)に対する包装(結束)動作を停止した。しかしながら、バラ硬貨(バラ紙幣)ではなく、棒金(束紙幣)の現在収納枚数を監視し、棒金(束紙幣)の現在収納枚数が第1設定閾値未満の場合、バラ硬貨(バラ紙幣)に対する包装(結束)動作を開始する。そして、棒金(束紙幣)の現在収納枚数が第2設定閾値以上の場合、バラ硬貨(バラ紙幣)に対する包装(結束)動作を停止するようにしても、同様の効果が得られること言うまでもない。尚、この場合、第1設定閾値<第2設定閾値に設定するものとする。
また、本実施例では、現在日時が貨幣回収日の1週間前に到達した場合、回収前自動収集処理の開始閾値及び終了閾値を一律に設定した。しかしながら、貨幣回収日の1週間前から貨幣回収日当日まで開始閾値及び終了閾値を段階的に設定変更したとしても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
以上、上記実施例について説明したが、本実施例によって本願の技術的思想の範囲が限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲を逸脱しない限り、各種様々な実施例が実施可能であることは言うまでもない。また、本実施例に記載した効果は、これに限定されるものではない。
また、本実施例で説明した各種処理の内、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動で行うことも可能であることは勿論のこと、その逆に、手動で行われるものとして説明した処理の全部又は一部を自動で行うことも可能であることは言うまでもない。また、本実施例で説明した処理手順、制御手順、具体的名称、各種データやパラメータを含む情報についても、特記した場合を除き、適宜変更可能であることは言うまでもない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的に記載したものであって、必ずしも物理的に図示のように構成されるものではなく、その各装置の具体的な態様は図示のものに限縮されるものでは到底ないことは言うまでもない。
さらに、各装置で行われる各種処理機能は、CPU(Central Processing Unit)、(又はMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上、又は同CPU(又はMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行するプログラム上、又はワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良いことは言うまでもない。