JP5472870B2 - 自動車用の走行操舵装置 - Google Patents
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Description
しかし、例えば、縦列駐車を行う場合には、前後にある程度のスペースが必要であり、場所の制約を受けていた。また、スッイチターンにあっては、バックをしながら約90度曲がらなければならず大変危険な操作である。
そこで、従来から、車両を左方向又は右方向に平行移動させたり、又はその場で、鉛直方向の軸を中心として左右方向に回転させたりすることのできる自動車用の走行操舵装置が提案されている(特許文献1)。
そして、シャーシを挟んで走行用駆動モーターの直下には、該駆動用モーターから鉛直方向に垂下して備えた駆動軸と、駆動軸を回転自在に内装するようにしてシャーシの外面側(下側)に左右方向に回転自在に備えたギアボックスとを備え、シャーシ内で走行用駆動モーターによって発生された駆動力を、ギアボックス内で歯車を介して駆動軸から車軸に伝達して車輪に回転力を伝えていた。
また、走行操舵装置の場合、操舵用駆動モーターの操舵ギアが、シャーシの下側(裏面側)でギアボックス外周に一体に形成された従動ギアに噛合して、駆動モーターの駆動力を車輪に伝えていた。
また、従来のようにギアでの駆動力の伝達は、振動・摩擦抵抗等が発生し、異常振動・異音・発熱等の不具合が生じ易くなるとともに、駆動力の減退につながる等の不具合につながる。
独立懸架式の走行機能を有する自動車において、左方向又は右方向に車体を平行移動させたり、又はその場で、鉛直方向の軸を中心として左方向又は右方向に車体を回転させたりすることのできる走行操舵装置を備えており、
走行操舵装置は、各車輪に配設された走行操舵部と、
車内の所定位置に備えられ、運転者が操作可能な操舵用操作部と、
操舵用操作部からの信号を走行操舵部へと伝達する制御部とを有し、
車輪を支持しているそれぞれのサスペンションは、鉛直方向の軸を中心として左右方向に回転可能に備えられ、
前記走行操舵部は、シャーシの下側にて各車輪毎の近傍で水密状に備えられた第1のハウジングと、
第1のハウジング内にて別途水密状に備えられた第2のハウジングと、
第2のハウジング内にて水密状に備えられ、回転駆動する第1のギアを備えた操舵用駆動機構と、
前記第1のハウジングに備えられ、前記第1のギアと噛合って第1のギアの駆動力により回転駆動する第2のギアと、
前記それぞれのサスペンションに一体に備えられ、前記第2のギアと噛合って第2のギアの駆動力を伝達し、鉛直方向の軸を中心として左右いずれかの方向にサスペンションを所定角度回転作動させて車輪の向きを所定の方向に変える第3のギアを有し、
さらに、前記操舵用駆動機構を介して所定方向に向きの変わった前記車輪に対し、駆動力を伝達する走行用駆動機構を備え、
前記走行用駆動機構は、ホイール内において、ホイールと一体に回転する車軸に対して相対回転可能に取り付けられる第3のハウジングと、
第3のハウジング内において車軸周りに一体に配したローターと、
ローターとの間に所定の間隙をあけて第3のハウジング内面に配されるステーターとで構成され、
第3のハウジングは水密状に備えられており、
さらに、前記第3のハウジング内の圧力を大気圧に保つため車軸の一部に穴をあけてブリーダープラグを取り付けるとともに、水密性を維持するためにその前方領域を覆うようにエア・チャンバーを取り付けていることを特徴とする自動車用の走行操舵装置。
操舵用操作部は、運転席の左右いずれかに備えたユニバーサルチェンジレバーであることを特徴とする自動車用の走行操舵装置としたことである。
ユニバーサルチェンジレバーは、
チェンジレバーと一体に押しボタンが備えられており、
前記押しボタンは、制御部と連結されており、その押しボタンの押動操作によって制御部へと信号が送られることで、旋回移動操作及び平行移動操作が可能となり、
旋回移動操作は、チェンジレバーの押しボタンの押動操作を維持したまま、レバーを前後いずれかの方向に傾けるとともに左右いずれかの方向に傾ける又は上から下に押し込むことで、それぞれ前輪または後輪の向きを、一般走行時の状態からその傾けた方向の車輪のみ或いはそれぞれを左右いずれかの方向へ90度回転させた後に可能となり、
平行移動操作は、チェンジレバーの押しボタンの押動操作を維持したまま、レバーを前後方向には傾けず、左右いずれかの方向にのみ傾けることで、一般走行時の状態から四輪とも90度回転させた後に可能となることを特徴とする自動車用の走行操舵装置としたことである。
本発明が対象とする自動車は、四輪独立懸架式の走行機能を有する自動車であって、左方向又は右方向に車体を平行移動させたり、又はその場で、鉛直方向の軸を中心として左方向又は右方向に車体を回転させたりすることのできる走行操舵装置を備えている。
ホイール・サスペンション7の上部には、スプライン軸受41とスプライン軸(中空の)42が取り付けられ、衝撃及び振動を緩衝させる。その外側には水や塵埃を防ぐためのカバーとしてゴム又はビニール製で出来た蛇腹のカバー13を取り付ける(図10参照。)。
なお、本装置は制動のためのディスクブレーキ用ブレーキキャリパー6を備えている。
符号10は、操舵用駆動機構2用の配線である。
なお、第1のハウジング50及び第2のハウジング60は、本実施形態では、シャーシSと同等の強度を得るためそれぞれの部材の厚さをシャーシSと同様の厚さにし、矩形状ボックスで水密状に構成されており、内部に水や埃などが入り込まないようにしている。
ブレーキホース8は、第3のギア3の中心より入り、ホイール・サスペンション7の中心を通りディスクブレーキ6へと接続されている。
走行用駆動機構(モーター)5の電気配線9は、第3のギア3の中心より入り、ホイール・サスペンション7の中心を通り車軸30へと接続されている。
そして、第2のギア12は、第1のギア11を介して操舵用駆動機構(モーター)2からの動力を第3のギア3に伝達し、鉛直方向の軸を中心として左右いずれかの方向にサスペンション7を所定角度回転作動させて車輪の向きを所定の方向に変える役割を有している。
さらに、第3のハウジング25は、気温の上昇・下降又はコイル或いは回転部分の発熱により内部気圧の変動に対処するため、車軸30の一部に穴をあけてブリーダープラグ32を取り付け、モーター内部圧力が大気圧と同じになるように保つ。ただし、道路冠水等を考慮し、雨水の浸入を防ぐため、エア・チャンバー35を取り付けている。さらには、ハウジング25の外周には、ヒートシンク用のフィンを設けることにより放熱効果を高めることが出来る。
すなわち、タイヤを外嵌めしているホイールとハウジング25とは、ハブボルト26により一体に取り付け固定されており、一体に回転作動する。
そのディスクブレーキ6は、ブレーキキャリパーを内蔵したブレーキローター38とで構成されており、ディスクブレーキ6はホイール・サスペンション7の下部に取り付けられ、ブレーキローター38は、第3のハウジング25に取り付けられている。符号39は、ブレーキローター38を第3のハウジング25に取り付けているブレーキローターボルトである。
ディスクブレーキ6内のブレーキキャリパー及びブレーキパッドがブレーキローター38を圧し、その圧力で制動する。従って、当然ではあるが、制動時及び非制動時において、ブレーキローター38は車軸30と接していない。
なお、サイドブレーキはフットブレーキペダルを一杯に踏み込んだ状態で、ペダルをロックスイッチによりロックすることで、サイドブレーキの代用になる。解除するときは、フットブレーキペダルを踏み込めば解除出来るようセットする。
ベアリング29はテーパーになっており車輪の両端とハウジング25の中央のそれぞれ接点に取り付けられ車輪止めナット31により締め付けられ更に割りピン等によってゆるみ防止を図り第3のハウジング25の円滑な回転及び機密を保つ役割を果たす。
タイヤ交換の際は、ハブボルト26を外すことにより容易に交換できる。この際ジャッキはホイール・サスペンション7の最下部にジャッキをあてがいジャッキアップを行うようにする。
設置箇所は、車内の所定位置であって、運転者が操作可能な位置であればいずれであってもよく、任意に設計変更可能である。
操舵用操作部(操作パネル16)の操作は電気信号に変換し、制御部200に送られ、電子制御(CPU)により、走行操舵部100を作動させ一連の動きを正確に迅速に作動させる。
すなわち、操舵駆動機構(モーター)は、第1のギア11を回転作動させ、その第1のギア11が、第3のギア(半円ウォームギア)3に回転作動を伝達し、所定方向へと回転作動する第3のギア3と共にホイール・サスペンション7及び左前輪4(ホイール・サスペンション7及び左前輪4)を連動させて各タイヤを約90度矢印の方向へ回転させる。これにより、左前輪4及び左後輪4は車体前後方向に対して直交する方向(一般走行時が前後方向とした場合における左右方向)に位置する。
この体勢までの時間は迅速に行う必要があるが、車体のブレ、あるいはタイヤの摩耗を考慮する必要があり、1〜2秒程度と見積もられる。
なお、図示は省略するが、右前輪及び右後輪にも制御部200から上記同様の信号が送られて同様の回転作動が付与される。すなわち、4個全ての車輪が車体前後方向に対して直交する方向(一般走行時が前後方向とした場合における左右方向)に位置する。
また、左前輪と右前輪のみ、あるいは左後輪と右後輪のみをそれぞれ約90度回転作動させることも可能である。
停止状態(S1)において、ブレーキペダルを踏み込み(S2)、エンジンキー24を押し込みながら操舵走行ポジション23の位置(図7参照)まで回す(S3)。
そして、ユニバーサルチェンジレバー17のボタン18を指で押す(S4)ことにより、制御部200より信号が流れ(S5)、走行操舵装置1(100)及びタイヤ4が図4(bd)のごとく迅速に反応し回転を始める(S6)。
ユニバーサルチェンジレバー17を目的の方向へ傾け(S7)、ブレーキペダルよりアクセルペダルへ足を踏み換え(S8)、徐々に踏み込むと走行操舵が始まる(S9)。アクセルワークにおいては一般走行と同じである(ただし、速度は10km程度が安全上望ましい。)。
所望の位置へ達したならば、アクセルペダルからブレーキペダルへ踏みかえて停止する(S10,S11)。
ユニバーサルチェンジレバー17のボタン18を指から離すことにより、図11(a)の制御部200より信号が途絶えると同時に、自動的に走行操舵装置1(100)及びタイヤ4が図4(a、c)のごとく迅速に反応し一般走行状態に復帰し、ユニバーサルチェンジレバー17から手を離し、エンジンキー24を23の位置より22の位置まで戻すと、押し込まれていたエンジンキーの位置が元の高さまで自動で復帰することにより走行操舵状態を終了する(S12)。
エンジンキー24は、一般走行ポジション22に位置せしめることで一般走行をすることができる。そして、ブレーキペダルを踏み走行停止状態で、エンジンキー24を奧に押し込み(図面上で右回し)、操舵走行ポジション23に位置せしめた後に、操作パネル16のユニバーサルチェンジレバー17に備えられている操作ボタン18を押しながら所定方向にユニバーサルチェンジレバー17を操作すると、所定の信号が制御部200に伝達され、制御部200から所定の信号が走行操舵部100へと伝達されて走行操舵部100が作動し走行操舵を始める。本実施形態では、一般走行ポジション22の先に操舵走行ポジション23を設けている(図7参照。)。なお、一般走行時のチェンジレバーは、単に操作レバーを前後に操作するか、既存のコラム及びフロアシフト等いずれのレバーでも可能である。
ユニバーサルチェンジレバー17の右側方にある操作ボタン18を圧し、ユニバーサルチェンジレバー17を左に倒す(図6(a)にて符号「ロ」で示す方向)ことにより車体が左方向に平行移動を開始する。
すなわち、ユニバーサルチェンジレバー17を図6(a)の如く左に倒すと、操作パネル16からの傾動信号が制御部200へと伝達され、制御部200からの所定の信号が操舵用駆動機構2(100)と、走行用駆動機構5(100)へと伝達される。
そして、第1のギア11が回転し、この第1のギア11の回転を受けた第2のギア12が、回転作動する。そして、この第2のギア12の回転作動を受けた第3のギア3を介してサスペンション7が図4(b)にて矢印で示す時計回り方向に90度回転する。そして、制御部200からの信号を受けた走行用駆動機構5(100)が、左方向に車体が進むように車輪を駆動させる。
すなわち、制御部200からの所定の信号は走行用駆動機構5(100)に伝達され、車軸30に対して相対回転可能に配設されている第3のハウジング25及び該第3のハウジング25と一体に固定されているホイールを回転作動させる。
(2)図6(b)は、車体を右に平行移動(例えば、縦列駐車させるときの移動)させるときの操作状態
ユニバーサルチェンジレバー17の右側方にある操作ボタン18を圧し、ユニバーサルチェンジレバー17を右に倒す(図6(b)にて符号「ロ」で示す方向)ことにより車体が右方向に平行移動を開始する。
すなわち、ユニバーサルチェンジレバー17を図6(b)の如く右に倒すと、操作パネル16からの傾動信号が制御部200へと伝達され、制御部200からの所定の信号が操舵用駆動機構2(100)と、走行用駆動機構5(100)へと伝達される。
そして、第1のギア11が回転し、この第1のギア11の回転を受けた第2のギア12が、回転作動する。そして、この第2のギア12の回転作動を受けた第3のギア3を介してサスペンション7が図4(b)にて矢印で示す時計回り方向に90度回転する。そして、制御部200からの信号を受けた走行用駆動機構5(100)が、右方向に車体が進むように車輪を駆動させる。
すなわち、制御部200からの所定の信号は走行用機動機構5(100)に伝達され、車軸30に対して相対回転可能に配設されている第3のハウジング25及び該第3のハウジング25と一体に固定されているホイールを回転移動させる。
(3)図6(c)は、車体の後側のみを左(右)に旋回させるときの操作状態
ユニバーサルチェンジレバー17の右側方にある操作ボタン18を「イ」のごとく圧し、ユニバーサルチェンジレバー17を左(右)(図6(c)にて符号「ロ」「ハ」「ニ」で示す方向)に倒すことにより車体の後ろ側が左(右)に旋回移動を開始する。すなわち、ユニバーサルチェンジレバー17を自分側(車体後方側)へ倒し更に左(右)に倒すと、操作パネル16からの信号が制御部200へと伝達され、制御部200からの信号が操舵用駆動機構2(100)と、走行用駆動機構5(100)へと所定の信号を送り車体の後ろ側が左(右)方向に旋回するように車輪を駆動させる。
(4)図6(d)は、車体の前側のみ左(右)に旋回させるときの操作状態
ユニバーサルチェンジレバー17の右側方にある操作ボタン18を「イ」のごとく圧し、ユニバーサルチェンジレバー17を左(右)(図6(d)にて符号「ロ」「ハ」「ニ」で示す方向)に倒すことにより車体の前側が左(右)に旋回移動を開始する。すなわち、ユニバーサルチェンジレバー17を前側に倒し更に左(右)に倒すと、操作パネル16からの信号が制御部200へと伝達され、制御部200からの信号が操舵用駆動機構2(100)と、走行用駆動機構5(100)へと所定の信号を送り、車体の前側が左(右)方向に旋回するように車輪を駆動させる。
(5)図6(e)は、車体をその場で旋回させるときの操作状態
ユニバーサルチェンジレバー17の右側方にある操作ボタン18を「イ」のごとく圧し、ユニバーサルチェンジレバー17を「ロ」のごとく垂直に押し下げ、右に回すと右に旋回(図6(e)にて符号「ハ」で示す方向)し、左に回すと左に旋回(図6(e)にて符号「ニ」で示す方向)を始める。すなわち、ユニバーサルチェンジレバー17を垂直に押し下げ左右に回すと、操作パネル16からの信号が制御部200へと伝達され、制御部200からの信号が操舵用駆動機構2(100)と、走行用駆動機構5(100)へと所定の信号を送り、車体がその場で左右方向に旋回するように車輪を駆動させる。
さらにはその場においてUターンして戻ることも可能にさせる。また、前・後方だけを左右に回転移動させることにより狭い地積に於いても小移動を可能にすることができる。
そして、走行操舵部100の操舵用駆動機構(モーター)2シャーシSの下側に配するとともに、走行用駆動機構(モーター)5をそれぞれの車輪のホイール内に備える構成を採用したため、ボディとシャーシの間の部品設置スペースを広く確保するとともに、車体のフロアを低く抑えることができた。また、走行用駆動機構(モーター)5をそれぞれの車輪のホイール内に備える構成を採用したため、従来技術のようなギア伝達による異常振動などを低減することができた。
また、バンパーの左右には路側帯までの距離を測るためのセンサー或いはモニターカメラ等(現在広く使用されているもので可)をセットすることにより、移動・回転(操舵走行)の安全性がより高まる。動力源については、騒音や排気ガスの少ないリチュウムイオン電池、或いは燃料電池を利用し、直接車輪を電動モーターにより駆動させることにより、環境への影響を削減することができる。
2 操舵駆動機構(モーター)
3 第3のギア(半円ウォームギア)
4 タイヤ
5 走行用駆動機構(モーター)
6 ディスクブレーキ(ブレーキキャリパー内蔵)
7 ホイール・サスペンション
8 ブレーキホース
9 走行用駆動機構の電気配線
10 操舵駆動機構用の電気配線
11 第1のギア
12 第2のギア
13 カバー(蛇腹)
14 ショックアブソーバー
15 コイルスプリング
16 操作パネル
17 ユニバーサルチェンジレバー
18 操作ボタン
19 エンジンキーパネル
20 電源OFFポジション
21 電源ONポジション
22 一般走行ポジション
23 操舵走行ポジション
24 エンジンキー
25 第3のハウジング
26 ハブボルト
27 ホイールハブ
28 ホイールリム
29 ベアリング
30 車軸
31 車輪止ナット
32 ブリーダープラグ
33 ステーター(コイル)
34 ローター(マグネット)
35 エア・チャンバー
36 ホイールキャップボルト
37 ホイールキャップ
38 ブレーキローター
39 ブレーキローターボルト
40 サスペンション用軸受
41 スプライン軸受
42 スプライン
Claims (3)
- 独立懸架式の走行機能を有する自動車において、左方向又は右方向に車体を平行移動させたり、又はその場で、鉛直方向の軸を中心として左方向又は右方向に車体を回転させたりすることのできる走行操舵装置を備えており、
走行操舵装置は、各車輪に配設された走行操舵部と、
車内の所定位置に備えられ、運転者が操作可能な操舵用操作部と、
操舵用操作部からの信号を走行操舵部へと伝達する制御部とを有し、
車輪を支持しているそれぞれのサスペンションは、鉛直方向の軸を中心として左右方向に回転可能に備えられ、
前記走行操舵部は、シャーシの下側にて各車輪毎の近傍で水密状に備えられた第1のハウジングと、
第1のハウジング内にて別途水密状に備えられた第2のハウジングと、
第2のハウジング内にて水密状に備えられ、回転駆動する第1のギアを備えた操舵用駆動機構と、
前記第1のハウジングに備えられ、前記第1のギアと噛合って第1のギアの駆動力により回転駆動する第2のギアと、
前記それぞれのサスペンションに一体に備えられ、前記第2のギアと噛合って第2のギアの駆動力を伝達し、鉛直方向の軸を中心として左右いずれかの方向にサスペンションを所定角度回転作動させて車輪の向きを所定の方向に変える第3のギアを有し、
さらに、前記操舵用駆動機構を介して所定方向に向きの変わった前記車輪に対し、駆動力を伝達する走行用駆動機構を備え、
前記走行用駆動機構は、ホイール内において、ホイールと一体に回転する車軸に対して相対回転可能に取り付けられる第3のハウジングと、
第3のハウジング内において車軸周りに一体に配したローターと、
ローターとの間に所定の間隙をあけて第3のハウジング内面に配されるステーターとで構成され、
第3のハウジングは水密状に備えられており、
さらに、前記第3のハウジング内の圧力を大気圧に保つため車軸の一部に穴をあけてブリーダープラグを取り付けるとともに、水密性を維持するためにその前方領域を覆うようにエア・チャンバーを取り付けていることを特徴とする自動車用の走行操舵装置。 - 操舵用操作部は、運転席の左右いずれかに備えたユニバーサルチェンジレバーであることを特徴とする請求項1に記載の自動車用の走行操舵装置。
- ユニバーサルチェンジレバーは、
チェンジレバーと一体に押しボタンが備えられており、
前記押しボタンは、制御部と連結されており、その押しボタンの押動操作によって制御部へと信号が送られることで、旋回移動操作及び平行移動操作が可能となり、
旋回移動操作は、チェンジレバーの押しボタンの押動操作を維持したまま、レバーを前後いずれかの方向に傾けるとともに左右いずれかの方向に傾ける又は上から下に押し込むことで、それぞれ前輪または後輪の向きを、一般走行時の状態からその傾けた方向の車輪のみ或いはそれぞれの車輪を左右いずれかの方向へ90度回転させた後に可能となり、
平行移動操作は、チェンジレバーの押しボタンの押動操作を維持したまま、レバーを前後方向には傾けず、左右いずれかの方向にのみ傾けることで、一般走行時の状態から四輪とも90度回転させた後に可能となることを特徴とする請求項2に記載の自動車用の走行操舵装置。
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