JP5472802B2 - 連続式熱処理炉の設計方法及び連続式熱処理炉 - Google Patents
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Description
、加熱帯、均熱帯及び冷却帯が順に設けられる連続式熱処理炉の設計方法であって、以下
の第1〜第4ステップを含むことを特徴とする。
(1)第1ステップ
前記均熱帯の構造及び前記冷却帯に設置される冷却装置の構造に応じて、前記均熱帯の
終了位置と前記冷却帯の冷却開始位置との間の距離L(mm)を決定する。
(2)第2ステップ
前記均熱帯における均熱温度T1(℃)から前記冷却帯での冷却開始時に必要とされる被熱処理材の冷却開始温度の下限値T2(℃)を引いた温度差ΔT1(℃)と、前記均熱帯の終了位置と前記冷却帯の冷却開始位置との間における被熱処理材の温度低下定数ΔTa(℃/sec)と、前記距離L(mm)とに基づき、下記の式(1)を満足する被熱処理材の搬送速度V(mm/sec)を決定する。
V≧L×ΔTa/ΔT1 ・・・(1)
(3)第3ステップ
前記搬送速度V(mm/sec)と、前記均熱帯における均熱時間t(sec)とに基
づき、下記の式(2)を満足する前記均熱帯の長さLh1(mm)を決定する。
Lh1≧V×t ・・・(2)
(4)第4ステップ
前記加熱帯において被熱処理材を前記均熱温度T1(℃)まで昇温するのに必要な昇温
量ΔT2(℃)と、前記加熱帯における被熱処理材の昇温定数ΔTb(℃/sec)と、
前記搬送速度V(mm/sec)とに基づき、下記の式(3)を満足する前記加熱帯の長
さLh2(mm)を決定する。
Lh2≧(ΔT2/ΔTb)×V ・・・(3)
図1は、本発明の一実施形態に係る設計方法を示す説明図である。図1(a)は、連続式熱処理炉の概略構成を部分的に示す模式図である。図1(b)は、図1(a)に示す連続式熱処理炉で熱処理を施される被熱処理材の温度変化を示す模式図である。
図1に示すように、本実施形態に係る設計方法は、被熱処理材Mの搬送方向(図1(a)に示す白抜き矢符の方向)上流側から下流側に向けて、加熱帯(図示せず)、均熱帯及び冷却帯が順に設けられる連続式熱処理炉の設計方法であり、以下に述べる第1〜第4ステップを含むことを特徴とする。
本ステップでは、均熱帯の構造及び冷却帯に設置される冷却装置1の構造(均熱帯や冷却装置1の外形・寸法や、下流側に傾斜した水冷ノズル10など)に応じて、均熱帯の終了位置Eと冷却帯の冷却開始位置Sとの間の距離L(mm)を決定する。
図1に示す例では、均熱帯及び冷却装置1を構成する炉壁・外壁や断熱材が互いに干渉したり、冷却装置1が被熱処理材Mを搬送するための搬送ロールRと干渉することを避けるために、均熱帯及び冷却装置1の外形・寸法に応じて、均熱帯の終了位置Eと冷却装置1の端面との間に420mmの隙間を設けている。また、水冷ノズル10の傾斜角度に応じて、冷却装置1の端面と冷却開始位置Sとの間の距離が240mmとなる。従って、均熱帯の終了位置Eと冷却帯の冷却開始位置Sとの間の距離L=420+240=660(mm)と決定される。
本ステップでは、まず、被熱処理材Mの品質規格や寸法等に応じて、均熱帯における均
熱温度T1(℃)と、冷却帯での冷却開始時に必要とされる被熱処理材Mの冷却開始温度
の下限値T2(℃)とが決定される。
図1に示す例では、T1=1110(℃)、T2=1000(℃)と決定されている。
従って、均熱温度T1(℃)から冷却開始温度下限値T2(℃)を引いた温度差ΔT1(℃)は、
ΔT1=T1−T2=1110−1000=110(℃)となる。
従って、被熱処理材Mが距離L(mm)だけ搬送される間の温度低下量は、(L/V)×ΔTa(℃)となる。
この温度低下量(L/V)×ΔTa(℃)が前述した温度差ΔT1(℃)以下にならなければ、冷却開始時における被熱処理材Mの温度は、冷却開始時に必要とされる被熱処理材Mの冷却開始温度下限値T2(℃)未満となってしまう。
つまり、下記の式(1)’を満足する必要がある。
ΔT1≧(L/V)×ΔTa ・・・(1)’
この式(1)’を変形すると、下記の式(1)が成立する。
V≧L×ΔTa/ΔT1 ・・・(1)
図1に示す例では、L=660(mm)、ΔTa=2.5(℃/sec)、ΔT1=110(℃)であるため、
V≧660×2.5/110=15(mm/sec)となる。
被熱処理材Mの搬送速度Vとしては、できるだけ遅い方が、均熱時間を長く確保できる点で有利であるため、本実施形態では、V=15(mm/sec)と決定する。
前述のように、被熱処理材Mの搬送速度はV(mm/sec)であるため、被熱処理材Mの品質規格や寸法等に応じて決定される均熱帯における均熱時間をt(sec)とすると、この時間に被熱処理材Mが搬送される距離は、V×t(mm)となる。
均熱帯の長さは、上記の搬送距離V×t(mm)以上となる必要がある。
Lh1≧V×t ・・・(2)
均熱時間t=240(sec)とすると、前述のように搬送速度V=15(mm/sec)であるため、
Lh1≧15×240=3600(mm)となる。
Lh1/Lb≧3600/1250=2.88となる。
従って、均熱帯は、3つ以上のバレルから構成する必要がある。
本ステップでは、まず、加熱帯において被熱処理材Mを均熱温度T1(℃)まで昇温するのに必要な昇温量ΔT2(℃)が決定される。
加熱帯入側での被熱処理材Mの温度を常温(20℃)とすると、前述のように均熱温度T1=1110(℃)であるため、
ΔT2=1110−20=1090(℃)となる。
前述のように、被熱処理材Mの搬送速度はV(mm/sec)であるため、上記の時間に被熱処理材Mが搬送される距離は、(ΔT2/ΔTb)×V(mm)となる。
加熱帯の長さは、上記の搬送距離(ΔT2/ΔTb)×V(mm)以上となる必要がある。
均熱時間t(sec)と、搬送速度V(mm/sec)とに基づき、下記の式(3)を満
足する加熱帯の長さLh2(mm)を決定する。
Lh2≧(ΔT2/ΔTb)×V ・・・(3)
昇温量ΔT2=1090(℃)、昇温定数ΔTb=1.9(℃/sec)、搬送速度V
=15(mm/sec)であるため、
Lh2≧(1090/1.9)×15=8605(mm)となる。
Lh2/Lb≧8605/1250=6.88となる。
従って、加熱帯は、7つ以上のバレルから構成する必要がある。
図2に示す連続式加熱炉100は、7つのバレルから構成された加熱帯と、3つのバレルから構成された均熱帯とを有し、冷却帯での冷却開始時(冷却開始位置S)における被熱処理材Mの温度が、冷却開始時に必要とされる被熱処理材Mの冷却開始温度下限値T2(℃)以上となる。しかも、被熱処理材Mの品質規格や寸法等に応じて決定される均熱温度T1(℃)や均熱時間t(sec)も満足する。従って、安定した品質の被熱処理材Mを得ることが可能である。
10・・・水冷ノズル
100・・・連続式加熱炉
B・・・バレル
R・・・搬送ロール
M・・・被熱処理材
E・・・均熱帯の終了位置
S・・・冷却帯の冷却開始位置
L・・・均熱帯の終了位置と冷却帯の冷却開始位置との間の距離
T1・・・均熱温度
T2・・・冷却開始温度下限値
Claims (2)
- 被熱処理材の搬送方向上流側から下流側に向けて、加熱帯、均熱帯及び冷却帯が順に設
けられる連続式熱処理炉の設計方法であって、
前記均熱帯の構造及び前記冷却帯に設置される冷却装置の構造に応じて、前記均熱帯の
終了位置と前記冷却帯の冷却開始位置との間の距離L(mm)を決定する第1ステップと
、
前記均熱帯における均熱温度T1(℃)から前記冷却帯での冷却開始時に必要とされる被熱処理材の冷却開始温度の下限値T2(℃)を引いた温度差ΔT1(℃)と、前記均熱帯の終了位置と前記冷却帯の冷却開始位置との間における被熱処理材の温度低下定数ΔTa(℃/sec)と、前記距離L(mm)とに基づき、下記の式(1)を満足する被熱処理材の搬送速度V(mm/sec)を決定する第2ステップと、
前記搬送速度V(mm/sec)と、前記均熱帯における均熱時間t(sec)とに基
づき、下記の式(2)を満足する前記均熱帯の長さLh1(mm)を決定する第3ステッ
プと、
前記加熱帯において被熱処理材を前記均熱温度T1(℃)まで昇温するのに必要な昇温
量ΔT2(℃)と、前記加熱帯における被熱処理材の昇温定数ΔTb(℃/sec)と、
前記搬送速度V(mm/sec)とに基づき、下記の式(3)を満足する前記加熱帯の長
さLh2(mm)を決定する第4ステップとを含むことを特徴とする連続式熱処理炉の設計方法。
V≧L×ΔTa/ΔT1 ・・・(1)
Lh1≧V×t ・・・(2)
Lh2≧(ΔT2/ΔTb)×V ・・・(3) - 請求項1に記載の設計方法によって設計されることを特徴とする連続式熱処理炉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010000390A JP5472802B2 (ja) | 2010-01-05 | 2010-01-05 | 連続式熱処理炉の設計方法及び連続式熱処理炉 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010000390A JP5472802B2 (ja) | 2010-01-05 | 2010-01-05 | 連続式熱処理炉の設計方法及び連続式熱処理炉 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011140673A JP2011140673A (ja) | 2011-07-21 |
JP5472802B2 true JP5472802B2 (ja) | 2014-04-16 |
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ID=44456730
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2010000390A Active JP5472802B2 (ja) | 2010-01-05 | 2010-01-05 | 連続式熱処理炉の設計方法及び連続式熱処理炉 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP5472802B2 (ja) |
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Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6147059U (ja) * | 1984-08-29 | 1986-03-29 | 日本鋼管株式会社 | 形鋼の焼入装置 |
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2010
- 2010-01-05 JP JP2010000390A patent/JP5472802B2/ja active Active
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JP2011140673A (ja) | 2011-07-21 |
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