JP2009056504A - 熱延鋼板の製造方法及び製造装置 - Google Patents

熱延鋼板の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】熱間圧延機、搬送テーブル、鋼板の搬送方向へ向けて複数基設けられた水冷装置及び巻取装置を備える熱延鋼板の製造装置を用い、熱間圧延の際の圧延速度を熱間圧延の途中に変更する操業を行う場合であっても、各水冷装置の全ての目標温度を、適切かつ迅速に修正して設定して、圧延操業を引き続いて行う。
【解決手段】変更後の圧延速度と、水冷装置5a〜5cのうちの最も上流側に位置する水冷装置5aの入側における鋼板1の温度の測定値とに基づいて、鋼板1の巻取温度を目標値とすることが可能な、複数の水冷装置5a〜5c全てにおける水量調整バルブの開度の設定範囲を求め、さらに、変更後の通過速度と、1又は2以上の水冷装置5b、5cの入側における鋼板1の温度の測定値とに基づいて、少なくとも1又は2以上の水冷装置における水量調整バルブの開度を、定めた設定範囲の中で、修正して設定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、熱延鋼板の製造方法及び製造装置に関し、具体的には、熱間圧延機と、水冷装置と、巻取機と、水冷装置を制御する制御コントローラとを備える熱延鋼板の製造装置及び製造方法に関する。
図8は、熱延鋼板の製造装置0の一例を模式的に示す説明図である。
周知のように、熱延鋼板の製造では、仕上圧延機2により900℃程度の仕上温度で熱間圧延を行われた高温の鋼板1を、搬送テーブル3により搬送する。そして、この搬送テーブル3に設置された水冷装置5により鋼板1に冷却水を噴射して所定の巻取温度まで冷却し、その後に巻取装置4でコイルに巻き取る。熱延鋼板の機械特性は巻取温度により支配されるので、所望の機械特性を有する熱延鋼板を製造するには、巻取温度の管理、すなわち水冷装置5を用いた冷却による巻取温度の制御精度を向上することが極めて重要である。この水冷装置5は、開度が独立して制御可能である、鋼板1の搬送方向へ向けて並設された複数(図示例ではn個)の水量調整バルブを有し、鋼板1へ向けて噴射する冷却水の水量を調整する。
図8における符号6は仕上圧延機2の出口における鋼板1の温度を測定するための仕上出口温度計を示し、符号7は巻取温度を測定するための巻取温度計を示し、符号9は鋼板板厚測定装置を示し、符号10は鋼板速度測定装置を示し、符号11は鋼板温度予測装置を示し、さらに符号12は各水量調整バルブの開度を制御する冷却制御装置を示す。以降の説明では、鋼板温度予測装置11及び冷却制御装置12をまとめて制御コントローラ13という。
仕上圧延機2により圧延された鋼板1が仕上出口温度計6を通過する際、所定の周期で鋼板1の表面温度及び板厚を測定するとともに、鋼板1の上にサンプリング点を設定する。鋼板温度予測装置11は、このサンプリング点の温度、板厚と水冷装置5を通過する際の通過速度、鋼板1の比熱、密度、水冷装置5の水量、水温及び気温に基づいて、このサンプリング点が巻取温度計7に到達する時の鋼板1の温度を、演算により予測する。
冷却制御装置12は、鋼板1の巻取温度の予測値が目標値に一致しない場合には、巻取温度の予測値が目標値に一致するように、水冷装置5の各水量調整バルブの開度を変更して設定する。また、冷却制御装置12は、巻取温度計7による巻取温度の測定値が目標値と一致しない場合には、巻取温度の予測値が目標値に一致するようにフィードバック制御を行って、水冷装置5の各水量調整バルブの開度を変更して設定する。
以上の処理、すなわち(a)仕上出口温度計6による測定、(b)巻取温度の予測、(c)水冷装置5の水量調整バルブの開度の変更設定を、鋼板1が搬送テーブル3上にある間所定の周期で行い、この周期で水冷装置5の水量調整バルブの設定及びその変更を順次行うことにより、搬送テーブル3を通過して冷却された鋼板1の温度が、巻取装置4の入側の巻取温度計7に到達した時に、巻取温度の目標値に一致するべく、制御する。
この制御方法は、鋼板1の巻取温度の予測値を目標値に制御するものである。このため、巻取温度の制御精度を高めるには、仕上圧延機2から巻取装置4に至るまでの鋼板1の温度の予測計算を高精度で行うことが不可欠になるが、このためには、水冷によって鋼板1から奪われる熱量、及び空冷によって鋼板1から奪われる熱量のみならず、水冷に伴う相変態により鋼板1に発生する発熱量をも正確に予測しなければならない。しかし、これらの熱量すべてを正確に予測することは極めて難しい。
そこで、図9に示すように、鋼板1の搬送方向へ向けて複数(図示例では3つ)の水冷装置5a〜5cを設けるとともに各水冷装置5a〜5cの間に鋼板1の表面温度を測定することができる中間温度計8b、8cを設置すること、いわば、図8に示す水冷装置5を鋼板1の搬送方向へ向けて3つに分割することによって、各水冷装置5a〜5cに対応する制御コントローラ13a〜13cが担当する冷却制御区間を短縮し、これにより、1つの冷却制御区間における温度予測誤差を小さくすることにより鋼板1の温度の予測計算の制御精度を向上させる発明が開示されている。
例えば、特許文献1には、複数の水冷装置それぞれに対して個別の目標温度を設定し、温度検出手段により検出した温度と目標温度との差に応じて複数の水冷装置それぞれを個別に制御することにより、巻取温度の制御精度を向上する発明が開示されている。
また、特許文献2には、特許文献1により開示された発明と同様に、複数の水冷装置と温度検出手段とを設け、冷却の途中における鋼板の温度分布を推定演算することにより巻取温度の制御精度を向上する発明が開示されている。
特許文献1、2により開示された発明によれば、熱間圧延時における鋼板の通過速度といった熱間圧延条件が変更されることなく一定である場合には、充分に高い制御精度で鋼板の巻取温度を制御することが可能である。
特開平7−185632号公報 特公平5−25567号公報
しかし、熱延鋼板の実際の製造では、熱間圧延工程の操業変動や加速圧延(圧延中に鋼板速度を加速し、温度低下を抑制する技術)の適用等により、熱間圧延の際における鋼板の通過速度(圧延速度)を、圧延速度の設定値から変更する場合が殆どである。
また、熱延鋼板の実際の製造では、仕上げ圧延機の出側における鋼板の温度や板厚が何らかの原因により、設定値から外れる場合がある。
圧延速度や、仕上げ圧延機の出側における鋼板の温度や板厚は、いずれも、熱間圧延条件として予めその設定値を定めておき、この設定値に基づいて各水冷装置による冷却も定められる。このため、熱間圧延条件が変更される場合には、水冷装置の冷却条件も再度設定し直さなければならない。
ここで、特許文献1により開示された発明を実施するには、複数の水冷装置それぞれ毎に個別の目標温度を設定する必要がある。このため、上述したように圧延速度等の熱間圧延条件が熱間圧延の途中で変更される場合には、各水冷装置それぞれ毎に個別の目標値を、各水冷装置の設備能力の範囲内で、各水冷装置の全てについて個別かつ迅速に修正して設定しなければならない。しかし、特許文献1には各水冷装置の全ての目標温度を、このように修正して設定する手段が全く開示されていない。このため、特許文献1により開示された発明は、圧延速度等の熱間圧延条件が熱間圧延の途中で変更される場合には充分に対応することができず、巻取温度を目標温度に制御できないおそれがある。
図10は、水冷装置により冷却される鋼板の温度の一例を経時的に示すグラフである。図10のグラフに細線で示すように、特許文献1により開示された発明であっても、熱間圧延の際の圧延速度を熱間圧延中に変更しない場合であれば、全ての水冷装置の冷却能力を適切に発揮して鋼板の巻取温度を目標温度に正確に制御することができる。しかし、例えば、圧延速度を熱間圧延中により高速に変更する場合に、図10のグラフに太線で示すように、この変更の前に最初の水冷装置による冷却の目標温度を高い温度(目標1)に設定してしまっていると、この変更の後に、その後の各水冷装置による冷却条件を、最大の設備能力となるように修正して設定したとしても、目標とする巻取温度を得られなくなる。
また、特許文献2により開示された発明では、温度検出手段以降の水冷装置の設定方法しか記載されていないので、圧延速度を熱間圧延の途中で変更する場合に水冷装置全体の冷却能力を有効に利用しながら巻取温度の制御精度を向上させることはできない。
このように、複数の水冷装置と各水冷装置の間に設置された温度計とを用いて鋼板の巻取温度を高い制御精度で目標温度に制御しようとしても、従来の発明では、圧延速度等の熱間圧延条件が熱間圧延の途中で変更されると、各水冷装置全ての目標温度を、適切かつ迅速に修正して再度設定することが難しく、鋼板の巻取温度を目標温度に制御できないおそれがある。
本発明は、従来の技術が有するこのような課題に鑑みてなされたものであり、例えば圧延速度、さらには仕上圧延機の出側における鋼板の温度又は板厚といった熱間圧延条件が熱間圧延の途中で変更される圧延操業を行う場合であっても、各水冷装置の全ての目標温度を、適切かつ迅速に修正して設定することができ、これにより、鋼板の巻取温度を目標温度に正確に制御することができる熱延鋼板の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
図9に示すように、中間温度計8b、8cを用いる従来の技術では、1つの制御コントローラ13a、13b又は13cが制御する冷却制御区間と、一つの水冷装置5a、5b又は5cとは一対一の関係で対応し、例えば制御コントローラ13aは水冷装置5b、5cの制御は行わない。このため、従来の技術では、全ての水冷装置5a〜5cが有する冷却能力を有効に活用するためには、各水冷装置5a〜5c毎に適切な目標温度を設定しなければならず、これが困難であった。
これに対し、本発明では、後述する図2に例示するように、少なくとも1つの制御コントローラ13aが水冷装置5aの入側に設置される温度計6から巻取温度計7までの区間に設置される全ての水冷装置5a〜5cを制御するようにしたこと、換言すれば、全ての水冷装置5a〜5cに対応して全ての水冷装置5a〜5cの冷却能力を有効に利用するための第1の制御コントローラ13aと、この第1の制御コントローラ13aが設定した各水冷装置5a〜5cの水量調整バルブの設定値を、修正することにより巻取温度の制御精度の向上を図る第2の制御コントローラ13b又は第3の制御コントローラ13cとの両方を備えることによって、各水冷装置5a〜5c毎に適切な目標温度を設定しなくとも、全ての水冷装置5a〜5cの冷却能力を有効に利用できるという知見に基づくものである。
本発明は、熱間圧延機により熱間圧延を行われてから搬送テーブルにより搬送される鋼板へ向けて、鋼板の搬送方向へ向けて並設された複数基の水冷装置それぞれから、予め定められた熱間圧延条件に基づいて鋼板の巻取温度を演算により予測することにより予め定められる冷却条件で冷却水を噴射することによって鋼板を冷却した後に、巻取機によりコイルに巻き取って熱延鋼板を製造する際に、熱間圧延の途中で、予め定められた熱間圧延条件とは異なる他の熱間圧延条件に変更して熱間圧延を引き続き行う場合に、他の熱間圧延条件と、複数の水冷装置のうちの最上流側に位置する水冷装置の入側における鋼板の温度の測定値とに基づいて、鋼板の巻取温度を目標値とすることが可能な、複数の水冷装置全てにおける冷却条件の設定値を求め、さらに、他の熱間圧延条件と、複数の水冷装置のうちで最も上流側に位置する水冷装置以外の1又は2以上の水冷装置の入側における鋼板の温度の測定値とに基づいて、少なくとも1又は2以上の水冷装置について求めた冷却条件の設定値を、さらに修正して設定することを特徴とする熱延鋼板の製造方法である。
別の観点からは、本発明は、鋼板の熱間圧延を行うための熱間圧延機と、熱間圧延機により熱間圧延を行われた鋼板を搬送する搬送テーブルと、搬送テーブルにより搬送される鋼板をコイルに巻き取る巻取装置と、鋼板の搬送方向へ向けて複数基並設されるとともに、搬送テーブルにより搬送される鋼板へ向けて、予め定められた熱間圧延条件に基づいて鋼板の巻取温度を演算により予測することにより予め定められる冷却条件で冷却水を噴射することによって鋼板を冷却するための水冷装置と、複数基の水冷装置それぞれの入側における鋼板の温度を測定するとともに、複数基の水冷装置のうちの最下流に位置する水冷装置の出側における鋼板の温度を測定する温度計と、さらに、複数基の水冷装置により冷却される鋼板の巻取温度を演算により予測した結果に基づいて複数基の前記水冷装置を制御することにより巻取温度を目標温度に制御するための制御コントローラとを備える熱延鋼板の製造装置であって、制御コントローラが、熱間圧延の途中で、予め定められた熱間圧延条件とは異なる他の熱間圧延条件に変更して熱間圧延を引き続き行う場合に、他の熱間圧延条件と、複数基の水冷装置のうちの最上流側に位置する水冷装置の入側における鋼板の温度の測定値とに基づいて、鋼板の巻取温度を目標値とすることが可能な、複数基の水冷装置全てにおける冷却条件の設定値を求め、さらに、他の熱間圧延条件と、複数の水冷装置のうちで最も上流側に位置する水冷装置以外の1又は2以上の水冷装置の入側における鋼板の温度の測定値とに基づいて、少なくとも1又は2以上の水冷装置について求めた冷却条件の設定値を、さらに修正して設定することを特徴とする熱延鋼板の製造装置である。
これらの本発明では、熱間圧延条件が、熱間圧延の圧延速度、若しくは、熱間圧延機のうちの仕上圧延機の出側における鋼板の温度又は板厚であることが例示される。
これらの本発明では、水冷装置が、開度が独立して制御可能であって噴射する冷却水の水量を調整する複数の水量調整バルブを有するとともに、冷却条件が、この水量調整バルブの開度であることが例示される。
上述した本発明を実施するには、複数の水冷装置のうちで最も上流側に位置する水冷装置以外の1又は2以上の水冷装置の入側に温度計を設置する。しかし、通常の放射温度計では冷却水が飛散するような環境下では飛散する冷却水の影響を受けて測定精度が低下する。この対策として、温度計の設置位置付近に水冷装置が存在しない間隙を確保し、この間隙で水パージやエアパージを行って飛散する冷却水を除去すればよいが、これでは、水冷装置を設置できない間隙が増え、水冷装置全体としての冷却能力が減少する。また、冷却能力の減少を容認できたとしても、水パージやエアパージといった除去手段そのものを設けなければならない。そこで、本発明では、鋼板温度の測定値が、飛散する冷却水の影響を受けにくくするため、水による減衰の少ない1.1μm以下の帯域の熱放射光を検出して放射温度計測を行うことにより、前記冷却水が飛散する環境においても測温可能な温度計による測定値であることが望ましい。
これらの本発明では、巻取温度の測定値と目標値の偏差が減少するように水冷装置をフィードバック制御することが望ましい。
本発明により、例えば圧延速度、さらには仕上圧延機の出側における鋼板の温度又は板厚といった熱間圧延条件が熱間圧延の途中で変更される圧延操業を行う場合であっても、各水冷装置の全ての目標温度を、適切かつ迅速に修正して設定することができ、これにより、鋼板の巻取温度を目標温度に正確に制御することができる。
本発明に係る熱延鋼板の製造方法及び製造装置を実施するための最良の形態を、添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、熱延鋼板を製造する本実施の形態の製造装置20の要部を示す説明図である。図1における符号1は鋼板を示し、符号2は仕上圧延機を一部省略して示し、符号3は搬送テーブルを示し、符号4は巻取装置を示し、符号5は制御可能なn個の冷却ヘッダーとこれらの冷却ヘッダーに供給する水量を調整するバルブとを備える水冷装置を示し、符号7は巻取温度計を示し、符号8は中間温度計を示し、符号9は鋼板板厚測定装置を示し、符号10は鋼板速度測定装置を示し、符号11は鋼板温度予測装置を示し、符号12は水量調整バルブを制御する冷却制御装置であって、巻取温度計7により測定した実績巻取温度と目標巻取温度との差を小さくするフィードバック制御機能を有する。以下、鋼板温度予測装置11と冷却制御装置12とをまとめて制御コントローラ13という。
水冷装置5は、鋼板1の搬送方向に合計n個並設された冷却ヘッダーを有する。これらn個の冷却ヘッダーが並んだ1つの領域を冷却ゾーンという。水冷装置5は、搬送テーブル3を挟むように上下に設置された構造を有する。1つの冷却ヘッダー毎に水量調整バルブが設けられ、バルブの操作指令は冷却制御装置12からバルブ操作指令分配装置14を介して水冷装置5に伝達され、個々のバルブが制御される構造となっている。
図2は、図1における制御コントローラ13に含まれる第1の制御コントローラ13a、第2の制御コントローラ13b及び第3の制御コントローラ13cの信号の授受の状況を示す説明図である。
水冷装置5は、搬送テーブル3上に図1により示す基本構成の3基の水冷装置5a〜5cを有しており、3基の水冷装置5a〜5cの入側には、鋼板1の表面温度を測定可能な、仕上出口温度計6、第1の中間温度計8b及び第2の中間温度計8cが設置される。
図2は、第1の中間温度計8b及び第2の中間温度計8cをいずれも鋼板1の上方に設置する場合を示すが、これに限定されるものではなく、鋼板1の下方に設置するようにしてもよい。
また、第1の中間温度計8b及び第2の中間温度計8cはいずれも水冷装置5a〜5cに近接して配置されることから、表面温度の測定の外乱要因となる鋼板1の上における冷却水の除去が困難な場合がある。このため、第1の中間温度計8b及び第2の中間温度計8cとして、冷却水が飛散する環境においても測温可能なように、ノズルから噴射したパージ水を介して、水による減衰の少ない帯域(例えば0.9μm)の熱放射光を検出する放射温度計を設置することが望ましい。このような放射温度計を用いた鋼板表面温度測定装置としては、特開2006−17589号公報により開示された装置を例示することができる。この装置は、鋼板1に対向配置された放射温度計を備え、鋼板1の表面から放射された熱放射光を放射温度計で検出することにより鋼板1の表面温度を測定する装置であって、放射温度計で検出される熱放射光の光路が通る領域における光路安定領域と光路不安定領域との界面と放射温度計の光軸との交点を基準とした鋼板1のエッジ部の最小の拡がり角を75℃以上に設定するものである。
さらに、水冷装置5が3つの水冷装置5a〜5cに分割される場合を示すが、これに限定されるものではなく、水冷装置5を、2つ又は4つ以上に分割するようにしてもよい。
制御コントローラ13は、少なくもと1つの制御コントローラ(図2では第1の制御コントローラ13a)が、入側温度計6から巻取温度計7までの区間に設置される全ての水冷装置(図2では水冷装置5a〜5cの3つ)を制御するように、構成される。
第1の制御コントローラ13aから出力されるバルブ操作指令が、直接に水冷装置5a〜5cに伝達されるのではなく、バルブ操作指令分配装置14で一旦集約され、各水冷装置5a〜5cに分配されて出力される。
また、制御コントローラ13は、少なくもと1つの制御コントローラ(図2では第2の制御コントローラ13b)が、入側温度計6から巻取温度計7までの区間に設置される1つ以上の水冷装置(図2では水冷装置5b、5cの2つ)を制御するように、構成される。
第2の制御コントローラ13bから出力されるバルブ操作指令が、直接に水冷装置5b、5cに伝達されるのではなく、バルブ操作指令分配装置14で一旦集約され、各水冷装置5b、5cに分配されて出力される。
さらに、制御コントローラ13は、少なくもと1つの制御コントローラ(図2では第3の制御コントローラ13c)が、入側温度計6から巻取温度計7までの区間に設置される1つ以上の水冷装置(図2では水冷装置5c)を制御するように、構成される。
第3の制御コントローラ13cから出力されるバルブ操作指令が、直接に水冷装置5cに伝達されるのではなく、バルブ操作指令分配装置14で一旦集約され、各水冷装置5cに出力される。
本実施の形態の熱延鋼板の製造装置0は以上のように構成される。つぎに、この製造装置1を用いて、熱間圧延の際における鋼板1の通過速度(圧延速度)を熱間圧延の途中で変更する操業を行う場合に、各水冷装置5a〜5cの全ての温度を、適切かつ迅速に修正して設定して、熱延鋼板を製造する状況を説明する。
図2に示すように、熱間圧延機1により所定の圧延速度で鋼板1の熱間圧延が行われている。ここで、熱間圧延における鋼板1の温度降下を防止するために圧延速度を上昇する加速圧延が行われるとし、この場合について説明する。
この場合、仕上圧延機2により圧延された鋼板1が仕上出口温度計6を通過する際、所定の周期(例えば0.4〜2.0秒周期)で仕上出口温度計6により鋼板1の温度が測定されるとともに、鋼板板厚測定装置9により鋼板1の板厚が測定される。また、この際に同時に鋼板1の表面にサンプリング点が設定される。
第1の制御コントローラ13aの鋼板温度予測装置が、このサンプリング点の温度、板厚と、水冷装置5a、5b、5cを通過する際の鋼板1の速度(変更後の圧延速度)と、鋼板1の比熱及び密度と、第1の水冷装置5a〜第3の水冷装置5cのうち個々の冷却ヘッダーのバルブ開度と、冷却水の水温と、気温とに基づいて、サンプリング点が巻取温度計7に到達する時の鋼板1の温度、すなわち巻取温度を予測する。巻取温度の予測方法を説明する。
水冷装置5a〜5cの冷却ヘッダーから流出する冷却水により水冷されるゾーンについては、水冷による温度降下量ΔTwを水冷部温度降下予測式(4)式を用いて計算する。一方、これらのゾーンを除いた、大気のみにより冷却されるゾーンである空冷ゾーンについては、温度降下量ΔTaを空冷部温度降下式(5)式を用いて計算し、仕上出口温度計6で測定した実績温度から全ゾーンの予測温度降下量を差し引くことにより、巻取温度の予測値を求める。
Figure 2009056504
ここで、i:ゾーンを表す添え字、n:ゾーン数、W:水量密度(m/mhr)、U:バルブ開度(%)、αLi:水冷部の熱伝達率(kcal/mhr℃)、a、b:定数(−)、t:ゾーン通過時間(hr)、L:ゾーン長さ(m)、v:鋼板の圧延速度(m/sec)、ΔTw:水冷部の温度降下量(℃)、ΔTa:空冷部の温度降下量(℃)、c:比熱(kcal/kg℃)、ρ:密度(kg/m)、h:板厚(m)、T:各ゾーンの鋼板の温度(℃)、T:水温(℃)、T:気温(℃)、σ:ステファン・ボルツマン定数、ε:輻射率(−)、αEi:空冷部の熱伝達率(kcal/mhr℃)、T:巻取温度の予測値(℃)、T:仕上出口温度(℃)である。
巻取温度の予測値が巻取温度の目標値よりも高くなると予測される場合は、巻取温度の予測値が巻取温度の目標値に一致するまで、第1の制御コントローラ13aの冷却制御装置が以下のように第1の水冷装置5a、第2の水冷装置5b及び第3の水冷装置5cのうち冷却ヘッダーのバルブ操作シミュレーションを行い、操作指令を算出し出力する。水冷装置5a〜5cのバルブ操作を行う順番は予め用意されている操作順序情報があり、これに従って操作する。
(i)冷却水を流出中の冷却ヘッダーでバルブ開度が100%になっていないバルブの開度を増やす。
(ii)冷却水を流出中の全ての冷却ヘッダーのバルブ開度が100%であれば、冷却水を流出していない冷却ヘッダーの中で操作順序が最上位のバルブ開度を増やし、冷却を開始する。
巻取温度の予測値が巻取温度の目標値よりも低くなると予測される場合は、巻取温度の予測値が巻取温度の目標値に一致するまで以下のように冷却ヘッダーのバルブ操作シミュレーションを行い、操作指令を算出し出力する。
(i)冷却水を流出中の冷却ヘッダーでバルブ開度が100%未満のバルブの開度を減らす。
(ii)冷却水を流出中の全ての冷却ヘッダーのバルブ開度が100%であれば、この水冷装置の中でバルブ操作順序が最下位のバルブの開度を減らす。
巻取温度の予測値が巻取温度の目標値と一致すると予測される場合はバルブ操作を行わず、巻取温度の予測に使用した時のバルブ開度をそのままバルブ操作指令として出力する。
この時、巻取温度計7で測定した巻取温度の実績値と巻取温度の目標値との偏差を縮小するため、冷却制御装置のフィードバック制御機能によってバルブ操作指令を修正する。なお、フィードバック制御機能によって操作するバルブは操作可能なバルブの中で、最も巻取温度計7に近いバルブを操作する。
このように、第1の制御コントローラ13aは、全ての水冷装置5a〜5cに対するバルブ操作指令を出力するが、第1の制御コントローラ13aから出力されるバルブ操作指令は、鋼板温度の予測装置が予測した巻取温度の予測誤差の分だけ不正確であるものの、全ての水冷装置5a〜5cが制御可能な状態で巻取温度を所定の温度に制御するためのバルブ操作指令を算出する。このため、熱間圧延の際における鋼板1の圧延速度を熱間圧延の途中で上昇する加速圧延を行う場合であっても、各水冷装置5a〜5cの全ての目標温度を、適切かつ迅速に修正して設定することができ、水冷装置5a〜5cの冷却能力を有効に利用した上で鋼板1のサンプリング点を所定の巻取温度に制御できる。
続いて、サンプリング点が巻取装置4へ向かって搬送テーブル3上を移動し、第1の中間温度計8bを通過する際、第2の制御コントローラ13bの鋼板温度の予測装置がこのサンプリング点の第1の中間温度計8bで測定された温度と板厚、水冷装置5a〜5cを通過する鋼板1の通過速度(圧延速度)と、鋼板1の比熱及び密度と、第2の水冷装置5b及び第3の水冷装置5cのうちの個々の冷却ヘッダーのバルブ開度と、冷却水の水温と、気温とを用い、サンプリング点が巻取温度計7に到達する時の巻取温度を予測する。巻取温度の予測方法は第1の制御コントローラ13が行った方法と同じである。
水冷装置5a〜5cのバルブ操作方法及び操作指令の出力方法もほぼ同じであるが、第2の制御コントローラ13bがバルブ操作指令分配装置14に第2の水冷装置5b及び第3の水冷装置5cの2つの水冷装置に対するバルブ操作指令の出力を行う点が、相違する。
第2の制御コントローラ13bは、第2の水冷装置5b及び第3の水冷装置5cに対するバルブ操作指令を出力するが、このバルブ操作指令は、第1の制御コントローラ13aで出力したバルブ操作指令よりも温度予測区間が短く巻取温度の予測誤差が小さくなるため、鋼板1の上のサンプリング点をより高精度に所定の巻取温度に制御できる。
第1の制御コントローラ13aが出力した第2の水冷装置5b及び第3の水冷装置5cに対するバルブ操作指令と、第2の制御コントローラ13bが出力した操作指令とは、同じバルブ操作順序に従って設定されるため、操作指令の差異は巻取温度の制御精度をより向上させるための修正分である。
さらに、サンプリング点が巻取装置4へ向かって搬送テーブル3上を移動し、第2の中間温度計8cを通過する際に、第3の制御コントローラ13cの鋼板温度予測装置がこのサンプリング点の第2の中間温度計8cで測定された温度と、鋼板1の板厚及び第3の水冷装置5cを通過する速度と、鋼板1の比熱及び密度と、第3の水冷装置5c内の個々の冷却ヘッダーのバルブ開度と、冷却水の水温と、気温とに基づいて、サンプリング点が巻取温度計7に到達する時の鋼板1の温度、すなわち巻取温度を予測する。巻取温度の予測方法は、第1の制御コントローラ13aが行った方法と同じである。
第3の水冷装置5cのバルブ操作方法及び操作指令の出力方法もほぼ同じであるが、第3の制御コントローラ13cがバルブ操作指令分配装置14に第3の水冷装置5cだけに対するバルブ操作指令の出力を行う点が相違する。
第3の制御コントローラ13cは、第3の水冷装置5cに対するバルブ操作指令を出力するが、このバルブ操作指令は、第2の制御コントローラ13bで出力したバルブ操作指令よりも温度予測区間が短く巻取温度予測誤差が小さくなるため、鋼板上のサンプリング点をより高精度に所定の巻取温度に制御できる。
なお、第2の制御コントローラ13bが出力した第3の水冷装置5cに対するバルブ操作指令と第3の制御コントローラ13cが出力した操作指令とは、同じバルブ操作順序に従って設定されているため、操作指令の差異は巻取温度の制御精度をより向上させるための修正分である。
このように、第1の制御コントローラ13aは第1の水冷装置5a、第2の水冷装置5b及び第3の水冷装置5cのバルブ操作指令をバルブ操作指令分配装置14に出力し、第2の制御コントローラ13bは第2の水冷装置5b及び第3の水冷装置5cのバルブ操作指令をバルブ操作指令分配装置14に出力し、さらに、第3の制御コントローラ13cは第3の水冷装置5cのバルブ操作指令をバルブ操作指令分配装置14に出力する。
以上のように、先ず、第1の制御コントローラ13aが巻取温度を所定の温度に制御するためのベースとなるバルブ操作指令を出力する。このバルブ操作指令は巻取温度計7までの温度予測区間が長いため、巻取温度の予測誤差が大きく制御精度の面では不利であるものの、仕上出口温度計6から巻取温度計7までの間に存在する全ての水冷装置5a〜5cが操作対象となるため、水冷装置5a〜5cが有する冷却能力を有効に利用して、巻取り温度が目標温度から外れることを防止できる。
そして、第2の制御コントローラ13bが巻取温度を所定の温度に制御するためのバルブ操作指令は、第1の中間温度計18bで測定した実績温度を用いており、巻取温度計7までの温度予測区間が短くなるため、相対的に巻取温度の予測誤差が小さくなるため制御精度の向上が期待でき、第1の制御コントローラ13aが出力した操作指令を巻取温度制御精度が向上するように修正することできる。
さらに、第3の制御コントローラ13cが巻取温度を所定の温度に制御するためのバルブ操作指令は、第2の中間温度計8cで測定した実績温度を用いており、巻取温度計までの温度予測区間がさらに短く、巻取温度の予測誤差が小さいため最も制御精度の向上が期待でき、第2の制御コントローラ13bが出力した操作指令を巻取温度の制御精度が向上するようにさらに修正することができる。
これら、複数の制御コントローラ13a〜13cが出力するバルブ操作指令を前述の分配方法で水冷装置5a〜5cに出力し、鋼板1を冷却することにより、全ての水冷装置5a〜5cの冷却能力を有効に利用することができるとともに、巻取温度の制御精度を向上させることができる。
上述したように、図8に示した、1つの水冷装置5を1つの制御コントローラ13で制御する発明や、図9に示した、複数の水冷装置5をこれらの水冷装置と一対一の関係で対応する同じ数の制御コントローラ13により制御し、1つの制御コントローラの制御区間と1つの水冷装置が一対一に対応し、個々の制御コントローラが、それぞれの目標値に制御する発明は、いずれも本願出願前に公知である。
これに対し、本発明は、水冷装置と同じ数(2個以上)の制御コントローラを備える点では形式的に図9の発明と共通するが、図2に示すように、全ての制御コントローラの制御区間は、水冷装置の入側温度計から巻取温度計までの区間としたことが特徴となっている。
この構造により、少なくとも1つの制御コントローラ(図2における第1の制御コントローラ13a)は全ての水冷装置5a〜5cを制御対象としてバルブ操作指令を出力するため、全ての水冷装置5a〜5cの冷却能力を有効に利用することができる。加えて、短い制御区間に対応する制御コントローラ(図2における第3の制御コントローラ13c)が巻取温度の制御精度を向上させる。そして、中間に位置する制御コントローラ(図2における第2の制御コントローラ13b)は冷却能力の有効利用と制御精度の向上の中間的な役割を持つ。
各制御コントローラ13a〜13cが各水冷装置5a〜5cに出力するバルブ操作指令が重なる部分があるが、これをバルブ操作指令分配装置14が適切に分配することにより、水冷装置5a〜5cの冷却能力を有効に利用しながら、巻取温度の制御精度を向上することができる。
なお、以上の実施の形態の説明では、熱間圧延の途中で変更される熱間圧延条件が熱間圧延の圧延速度である態様を例にとった。しかし、本発明はこの態様に限定されるものではなく、熱間圧延条件が、熱間圧延機のうちの仕上圧延機の出側における鋼板の温度又は板厚である場合についても同様に適用される。上述したように、熱延鋼板の実際の製造では、仕上げ圧延機の出側における鋼板の温度や板厚が何らかの原因により、設定値から外れることがある。
このような場合には、仕上げ圧延機の出側における鋼板の温度や板厚の変動値と、複数の水冷装置のうちの最上流側に位置する水冷装置の入側における鋼板の温度の測定値とに基づいて、鋼板の巻取温度を目標値とすることが可能な、複数の水冷装置全てについての冷却条件の設定値を求め、さらに、上述した変動値と、複数の水冷装置のうちで最も上流側に位置する水冷装置以外の1又は2以上の水冷装置の入側における鋼板の温度の測定値とに基づいて、少なくとも1又は2以上の水冷装置について求めた冷却条件の設定値を修正して設定するようにすればよい。これにより、仕上げ圧延機の出側における鋼板の温度や板厚が変動した場合にも、各水冷装置の全ての目標温度を、適切かつ迅速に修正して設定することができ、これにより、鋼板の巻取温度を目標温度に正確に制御することができる。
本発明を、実施例を参照しながらさらに具体的に説明する。
図3は、本実施例の熱延鋼板の製造装置の全体構成を模式的に示す説明図である。
搬送テーブル3上に、図2に示す基本構成を有する水冷装置5a〜5cが3基設けられており、3つの水冷装置5a〜5cの入側には、鋼板1の表面温度を測定することができる仕上出口温度計6、第1の中間温度計8b及び第2の中間温度計8cが設置されている。
水冷装置5a、5bには、水パージ及びエアパージを行い、飛散する冷却水を除去するのに十分な間隙があるため、第1の中間温度計8bは、これらの対策を施した上で通常の放射温度計を設置している。一方、水冷装置5b、5cには十分な間隙がなく、冷却水の除去対策を充分に行うことができないため、第2の中間温度計8cとして冷却水が飛散する環境においても測温可能な温度計を設置した。なお、この中間温度計8cの構造上、鋼板1の下面側に設置している。
制御コントローラ13a〜13cは水冷装置5a〜5cと同数設けられており、少なくとも1つの制御コントローラ13aは、入側温度計6から巻取温度計7までの区間に設置される1つ以上の水冷装置5a〜5cを制御する。
図3に示す製造装置を用いて、下記の条件で熱延鋼板を製造した。
鋼種 :440MPa級高強度熱延鋼板
板厚 :3.5mm
目標巻取温度 :500℃
鋼板速度 :570mpm→650mpm(加速圧延)
第1の水冷装置5aの長さ:32m
第2の水冷装置5bの長さ:40m
第3の水冷装置5cの長さ:40m
水冷装置5aの水量密度 :1.1m/mhr(上面)、0.8m/mhr(下面)
共にバルブ開度100%時
水冷装置5bの水量密度 :0.6m/mhr(上面)、0.5m/mhr(下面)
共にバルブ開度100%時
水冷装置5cの水量密度 :0.6m/mhr(上面)、0.5m/mhr(下面)
共にバルブ開度100%時
水冷装置5aのバルブ数 :78個
水冷装置5bのバルブ数 :45個
水冷装置5cのバルブ数 :82個
図4は、図9の冷却制御装置により冷却制御を行った比較例の冷却制御の結果である、鋼板1の長手方向の仕上出口温度実績値、第1の中間温度計8bの測定値及び第2の中間温度計8cの測定値と、巻取温度実績値とを示すグラフである。
図4のグラフに示すように、中間温度1の目標値は700℃とし、中間温度2の目標値は560℃とした。中間温度1に関しては目標通りに制御できたものの、中間温度2及び巻取温度は、いずれも、水冷装置の冷却能力の上限に達して飽和したため、目標温度よりも30〜40℃高く外れている。
一方、図5は、図3に示す第1の制御コントローラ13a、第2の制御コントローラ13b及び第3の制御コントローラ13cを使用して冷却制御を行った本発明例の冷却制御の結果である、鋼板1の長手方向の仕上出口温度実績値、第1の中間温度計8bの測定値及び第2の中間温度計8cの測定値と、巻取温度実績値とを示すグラフである。
図5に示すように、実績巻取温度は目標の500℃付近に制御されており、目標±15℃以内に制御されている。
実施例1は、仕上圧延速度が圧延の途中で変化した場合の効果を示したものであったが、本実施例では、仕上圧延機の出側温度が変化した場合について説明する。
本実施例の熱延鋼板の製造装置は実施例1と全く同じものであり、この製造装置を用いて下記条件で熱延鋼板を製造した。
鋼種 :290MPa級熱延鋼板
板厚 :4.3mm
目標巻取温度 :600℃
鋼板速度 :620mpm(加速なし)
第1の水冷装置5aの長さ:32m
第2の水冷装置5bの長さ:40m
第3の水冷装置5cの長さ:40m
水冷装置5aの水量密度 :1.1m/mhr(上面)、0.8m/mhr(下面)
共にバルブ開度100%時
水冷装置5bの水量密度 :0.6m/mhr(上面)、0.5m/mhr(下面)
共にバルブ開度100%時
水冷装置5cの水量密度 :0.6m/mhr(上面)、0.5m/mhr(下面)
共にバルブ開度100%時
水冷装置5aのバルブ数 :78個
水冷装置5bのバルブ数 :45個
水冷装置5cのバルブ数 :82個
図6は、図9の冷却制御装置により冷却制御を行った比較例の冷却制御の結果である、鋼板1の長手方向の仕上出口温度実績値、第1の中間温度計8bの測定値及び第2の中間温度計8cの測定値と、巻取温度実績値とを示すグラフである。
図6のグラフに示すように、中間温度1の目標値は780℃とし、中間温度2の目標値は710℃とした。中間温度1に関しては鋼板の長手方向中央部以降の仕上出口温度が高温の部分で水冷装置5aの冷却能力の上限に達して飽和したため、目標よりも30℃程度高く外れている。そして、中間温度2では水冷装置5bが冷却能力上限に達することなく、目標通りに制御できたが、巻取温度は水冷装置5cが冷却能力の上限に達したため、目標温度よりも20〜30℃高く外れている。
一方、図7は、図3に示す第1の制御コントローラ13a、第2の制御コントローラ13b及び第3の制御コントローラ13cを使用して冷却制御を行った本発明例の冷却制御の結果である、鋼板1の長手方向の仕上出口温度実績値、第1の中間温度計8bの測定値及び第2の中間温度計8cの測定値と、巻取温度実績値とを示すグラフである。
図7にその制御結果を示すが、中間温度1は水冷装置5aが冷却能力上限に達して飽和したため、図6と同様の温度になっているが、冷却能力に余力のある水冷装置5bを有効に使用することにより、実績巻取温度を目標の600℃付近に制御することができた。
熱延鋼板を製造する本実施の形態の製造装置の要部を示す説明図である。 図1における制御コントローラに含まれる第1の制御コントローラ、第2の制御コントローラ及び第3の制御コントローラの信号の授受の状況を示す説明図である。 実施例の熱延鋼板の製造装置の構成を示す説明図である。 実施例1における比較例の結果を示すグラフである。 実施例1における本発明例の結果を示すグラフである。 実施例2における比較例の結果を示すグラフである。 実施例2における本発明例の結果を示すグラフである。 従来の熱延鋼板の製造装置の一例を模式的に示す説明図である。 従来の熱延鋼板の製造装置の一例を模式的に示す説明図である。 水冷装置により冷却される鋼板の温度の一例を経時的に示すグラフである。
符号の説明
0、20 熱延鋼板の製造装置
1 鋼板
2 仕上圧延機
3 搬送テーブル
4 巻取装置
5、5a〜5c 水冷装置
6 仕上出口温度計
7 巻取温度計
8、8b、8c 中間温度計
9 鋼板板厚測定装置
10 鋼板速度測定装置
11 鋼板温度予測装置
12 冷却制御装置
13、13a〜13c 制御コントローラ
14 バルブ操作指令分配装置

Claims (6)

  1. 熱間圧延機により熱間圧延を行われてから搬送テーブルにより搬送される鋼板へ向けて、該鋼板の搬送方向へ向けて並設された複数基の水冷装置それぞれから、予め定められた熱間圧延条件に基づいて鋼板の巻取温度を演算により予測することにより予め定められる冷却条件で冷却水を噴射することによって該鋼板を冷却した後に、巻取機によりコイルに巻き取って熱延鋼板を製造する際に、
    前記熱間圧延の途中で、前記予め定められた熱間圧延条件とは異なる他の熱間圧延条件に変更して該熱間圧延を引き続き行う場合に、
    前記他の熱間圧延条件と、複数の前記水冷装置のうちの最上流側に位置する水冷装置の入側における鋼板の温度の測定値とに基づいて、前記鋼板の巻取温度を目標値とすることが可能な、複数の前記水冷装置全てについての冷却条件の設定値を求め、さらに
    前記他の熱間圧延条件と、複数の前記水冷装置のうちで最も上流側に位置する水冷装置以外の1又は2以上の水冷装置の入側における鋼板の温度の測定値とに基づいて、少なくとも前記1又は2以上の水冷装置について求めた前記冷却条件の設定値を修正して設定すること
    を特徴とする熱延鋼板の製造方法。
  2. 前記熱間圧延条件は、前記熱間圧延の圧延速度、若しくは、前記熱間圧延機のうちの仕上圧延機の出側における前記鋼板の温度である請求項1に記載された熱延鋼板の製造方法。
  3. 前記水冷装置は、開度が独立して制御可能であって噴射する前記冷却水の水量を調整する複数の水量調整バルブを有するとともに、前記冷却条件は、該水量調整バルブの開度である請求項1又は請求項2に記載された熱延鋼板の製造方法。
  4. 前記鋼板の温度の測定値は、水による減衰の少ない1.1μm以下の帯域の熱放射光を検出して放射温度計測を行うことにより、前記冷却水が飛散する環境においても測温可能な温度計による測定値である請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された熱延鋼板の製造方法。
  5. 前記巻取温度の測定値と目標値の偏差が減少するように前記水冷装置をフィードバック制御する請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された熱延鋼板の製造方法。
  6. 鋼板の熱間圧延を行うための熱間圧延機と、
    該熱間圧延機により熱間圧延を行われた鋼板を搬送する搬送テーブルと、
    該搬送テーブルにより搬送される鋼板をコイルに巻き取る巻取装置と、
    該鋼板の搬送方向へ向けて複数基並設されるとともに、前記搬送テーブルにより搬送される鋼板へ向けて、予め定められた熱間圧延条件に基づいて鋼板の巻取温度を演算により予測することにより予め定められる冷却条件で冷却水を噴射することによって該鋼板を冷却するための水冷装置と、
    複数基の前記水冷装置それぞれの入側における鋼板の温度を測定するとともに、複数基の前記水冷装置のうちの最下流に位置する水冷装置の出側における鋼板の温度を測定する温度計と、
    さらに、複数基の前記水冷装置により冷却される鋼板の巻取温度を演算により予測した結果に基づいて複数基の前記水冷装置を制御することにより該巻取温度を目標温度に制御するための制御コントローラと
    を備える熱延鋼板の製造装置であって、
    該制御コントローラは、前記熱間圧延の途中で、前記予め定められた熱間圧延条件とは異なる他の熱間圧延条件に変更して該熱間圧延を引き続き行う場合に、
    前記他の熱間圧延条件と、複数基の前記水冷装置のうちの最上流側に位置する水冷装置の入側における鋼板の温度の測定値とに基づいて、前記鋼板の巻取温度を目標値とすることが可能な、複数基の前記水冷装置全てにおける冷却条件の設定値を求め、さらに
    前記他の熱間圧延条件と、複数の前記水冷装置のうちで最も上流側に位置する水冷装置以外の1又は2以上の水冷装置の入側における鋼板の温度の測定値とに基づいて、少なくとも前記1又は2以上の水冷装置について求めた前記冷却条件の設定値を、さらに修正して設定すること
    を特徴とする熱延鋼板の製造装置。
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