JP5472717B2 - カプラ - Google Patents

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Description

本発明は、出力信号の一部をピックアップするディレクショナル・カプラ(Directional Coupler:方向性結合器、以下単にカプラと称する。)に関し、特に、小型薄型化に有利な薄膜プロセスにより形成されたカプラに関する。
無線通信機器は、アンテナ、フィルタ、RFスイッチ、パワーアンプ、カプラ、バラン等の各種高周波素子によって構成される。通常、パワーアンプの出力利得を一定に維持、制御するために出力の一部をピックアップしパワーアンプの入力にフィードバックをかけることを目的として、カプラが使用されている。
近時、携帯電話や携帯端末等の移動体通信機や無線LAN機器等に用いられるカプラとして、更なる小型薄型化が切望されている。このようなカプラとしては、主線路の層と絶縁層を介して配置された副線路の層とにより層間で電磁気的な結合を形成する積層型のカプラが知られている(特許文献1)。積層型のカプラでは、層間の電気的な導通を確保するための複数のビアが形成される。特許文献1に記載のカプラでは、主線路及び副線路はビアを介してそれぞれ絶縁層の両側に引き出されている。
特開2003−69316号公報
しかしながら、主線路及び副線路をビアを介してそれぞれ絶縁層の両側に引き出す従来構造では、小型薄型化に限界がある。単にカプラを小型薄型化した場合には、カプラを形成するコイル等の線路が不可避的に短くなり、カプラとしての結合が小さくなる恐れがある。このように、要求されるカプラの諸特性を維持しつつ、小型薄型化できるカプラが望まれている。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、要求されるカプラの諸特性を維持しつつ、小型薄型化することができるカプラを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明のカプラは、コイル状の主線路を含み、且つ異なる層に分割して配置された第1線路と、主線路に対して絶縁層を介して配置されたコイル状の副線路を含み、且つ異なる層に分割して配置された第2線路と、異なる層に分割して配置された第1線路の一部同士及び第2線路の一部同士を繋ぐ複数のビアと、第1線路及び第2線路の端部に接続された複数の端子とを有し、ビアは、絶縁層を貫通して主線路又は副線路に接続された引き出しビアを含み、引き出しビアを介して絶縁層の同一面側に第1線路及び第2線路が引き出されているものである。
上記構成では、ビアを介して絶縁層の同一面側に第1線路及び第2線路が引き出されることにより、第1線路及び第2線路が形成される配線層を共有することができる。これにより、カプラの層数の減少分だけカプラの薄型化が可能となり、これによりカプラの小型化が可能となる。このように本発明では、第1線路及び第2線路の線路長を短くする必要がないことから、結合を減少させることなく、カプラの小型薄型化が可能となる。
例えば、ビアは、主線路の内周側の端部に接続されたビアと、副線路の内周側の端部に接続されたビアとを含み、全ての端子は、コイル状の主線路及び副線路の外周側に配置されている。このように端子が主線路及び副線路の外周側に配置されていることにより、主線路及び副線路の内周側の端部に接続されたビアとの距離が確保されることから、ビアと端子との間の不要な結合が抑制される。
例えば、ビアは、絶縁層に平行する断面において角部を有する形状(断面矩形状)の角柱ビアを含み、角柱ビアは、絶縁層に平行する断面において端子と対向する側に角が向くように配置されている。これにより、ビアの側面と端子の側面が平行に配置されることが防止されることから、ビアと端子との間の不要な結合が抑制される。
ビアは、絶縁層に平行する断面において円弧部を有する形状(断面円形状)の円柱ビアを含む。円柱ビアの側面は、他のビアや端子の側面と平行に配置され難いことから、他のビアや端子との間の不要な結合が抑制される。
端子は、4つの端子を含み、4つの端子の中心位置にビアの少なくとも1つが重なるようにビアが配置されている。これにより、4つの端子の中心位置に配置されたビアは、全ての端子との距離が確保されていることから、端子とビアとの結合が効果的に抑制される。
本発明によれば、ビアを介して絶縁層の同一面側に第1線路及び第2線路が引き出されることにより、第1線路及び第2線路が形成される配線層を共有することができ、カプラの層数を減少させることができる。カプラの層数の減少分だけカプラの薄型化が可能となり、これによりカプラの諸特性を維持しつつ、小型薄型化が可能となる。
本発明のカプラの一実施形態の構成を示す等価回路図である。 カプラの一実施形態の構成を示す垂直断面図である。 カプラ1の配線層M1における水平断面図である。 カプラ1の絶縁層I1における水平断面図である。 カプラ1の配線層M2における水平断面図である。 カプラ1の絶縁層I2における水平断面図である。 カプラ1の配線層M3における水平断面図である。 カプラ1の保護層I3における水平断面図である。 平面視したときのカプラ1の配線のレイアウト図である。 ビアの好適な配置を示すための絶縁層I2における水平断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、図面中、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右などの位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。さらに、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
図1は、本発明のカプラの実施形態の構成を示す等価回路図である。カプラ1は、第1線路L1と、第1線路L1と電磁気的に結合する第2線路L2とを備えている。第1線路L1と第2線路L2との間の電磁気的な結合として、磁気結合Mと、容量結合C1,C2を図1に図解している。
このカプラ1においては、第1線路L1の一端が入力端子T11に接続され、第1線路L1の他端が出力端子T12に接続されている。また、第2線路L2の一端がカップリング端子T21に接続され、第2線路L2の他端がアイソレーション端子T22に接続されている。アイソレーション端子T22は、抵抗Rを介して接地電位Gに固定される。
上述した線路L1〜L2の長さは、カプラ1の仕様に応じて異なり、例えば、対象となる伝送信号の1/4波長(λ/4)共振器回路となるよう設定することができる。
以下に、同図を参照してカプラ1の基本的な動作について説明する。信号は、入力端子T11に入力され、出力端子T12から出力される。入力端子T11に信号が入力されると、第1線路L1には主電流IMが流れる。主電流IMが第1線路L1に流れると、磁気結合Mに基づく誘導電流ILが第2線路L2において一方向に向かって流れるとともに、容量結合C1,C2に基づく変位電流ICが第2線路L2において両側に向かって流れる。第2線路L2を最終的に流れる電流は、磁気結合Mに基づく誘導電流ILと、容量結合C1,C2に基づく変位電流ICの和となり、その結果、磁気結合による誘導電流の方向と一致した方向性をもつ電流がカップリング端子T21に向かって流れることとなる。このように信号がカプラの入力端子T11に入力され出力端子T12から出力されると、当該信号の一部に相当する信号がカップリング端子T21から出力される。
上記のカプラ1は、例えばパワーアンプ(PA)の出力モニタ用に使用される。この場合、カプラ1の入力端子T11がパワーアンプの出力端子に接続され、カプラ1のカップリング端子T21がAGC検波回路を介してパワーアンプの入力端子に接続される。これにより、パワーアンプから出力された信号がカプラ1の入力端子T11に入力されると、この信号の一部に相当する信号がカプラ1のカップリング端子T21から出力され、AGC検波回路を通じてパワーアンプにフィードバック信号が入力される。この結果、パワーアンプの出力利得が一定に維持、制御される。
次に、上記のカプラの一実施形態における配線構造について説明する。図2は、カプラ1の配線構造を概略的に示す垂直断面図である。図2に示すように、例えばアルミナ等からなる絶縁性基板100上に、例えば窒化シリコン膜からなる絶縁層101を介して配線層M1が形成されている。配線層M1上には、絶縁層I1を介して配線層M2が形成されている。配線層M2上には、絶縁層I2を介して配線層M3が形成されており、配線層M3上には保護層I3が形成されている。絶縁層I1,I2の一部には、ビアが形成されており、配線層M1,M2,M3間の必要な接続が確保されている。カプラの周縁部において、配線層M1,M2,M3の積層体により端子T11,T12,T21,T22が形成される。保護層I3は、端子T11,T12,T21,T22を露出するように形成されている。端子T11,T12,T21,T22の表面には、めっき膜102が形成されている。
絶縁層I1,I2及び保護層I3として、例えば、窒化シリコン、酸化アルミニウム、二酸化シリコン等の無機系絶縁体のみならず、ポリイミド、エポキシ樹脂等の有機系絶縁体を使用できる。また、配線層M1,M2,M3として、例えば、Cu,Ag,Pd,Ag−Pd,Ni,Au等を使用できる。配線層M1〜M3は、例えばスパッタリング法、蒸着法、印刷法,フォトリソグラフィ法等の方法により形成される。めっき膜102としては、例えば、Ni/AuめっきやNi/Snめっきが用いられる。このように、カプラ1は、絶縁性基板100上に形成された薄膜多層構造から構成されている。
次に、カプラの各配線層M1,M2,M3のパターンの一例について詳細に説明する。以下の例は、線路L1,L2を構成する主線路及び副線路としてコイルを用いたものである。
図3〜図8は、カプラ1における各層M1〜M3,I1〜I3を概略的に示す水平断面図である。図3〜図8に示す如く、配線層M1〜M3の全ての層に、入力端子T11、出力端子T12、カップリング端子T21,アイソレーション端子T22が形成されており、各端子T11,T12,T21,T22は異なる層間において電気的に接続されている。以下、各層の構成について詳細に説明する。
図3に示すように、絶縁性基板100上の配線層M1には、コイル状の第1線路L1が形成されている。配線層M1におけるコイル状の第1線路L1の外周端は、出力端子T12に接続されており、第1線路L1の内周端はビアP11(引き出しビア)に接続されている。ビアP11は、絶縁層I1,I2を貫通して配線層M1から配線層M3まで延在されている。ビアP11は、基板に平行する断面(絶縁層に平行する断面と同じである)において、角部を有する角柱形状である。配線層M1における第1線路L1のうち、後述する配線層M2の第2線路L2と対向した部位が主線路L11となる。主線路とは、第1線路L1のうち異なる階層間で第2線路と電磁気的な結合をする部位をいう。
また、図4に示すように、配線層M1上に形成された絶縁層I1には、各端子T11,T12,T21,T22に対応する部位にスルーホールHT11,HT12,HT21,HT22が形成されている。さらに、絶縁層I1には、ビアP11に対応する部位にスルーホールHP11が形成されている。なお、本願明細書において、スルーホールとは絶縁層に設けられた開口(孔)を称し、当該スルーホール内に金属が埋め込まれることにより形成された導体をビアと称する。
また、図5に示すように、絶縁層I1上に形成された配線層M2には、コイル状の第2線路L2が形成されている。配線層M2におけるコイル状の第2線路L2の外周端は、アイソレーション端子T22に接続されており、第2線路L2の内周端はビアP21に接続されている。ビアP21は、絶縁層I2を貫通して配線層M2から配線層M3まで延在している。配線層M2における第2線路L2の一部は、配線層M1の第1線路L1と対向しており、この対向した部位が副線路L21となる。副線路とは、第2線路L2のうち異なる階層間で第1線路L1と電磁気的な結合をする部位をいう。また、副線路L21の周囲(外周部)において、接続配線L12,L22が形成されている。接続配線L12は、第1線路L1の一部であり、その一端が入力端子T11に接続され、他端がビアP12に接続されている。ビアP12は、絶縁層I2を貫通して配線層M3まで延在している。接続配線L22は、第2線路L2の一部であり、その一端がカップリング端子T21に接続され、他端がビアP22に接続されている。ビアP22は、絶縁層I2を貫通して配線層M3まで延在している。ビアP12,P21,P22は、例えば基板に平行する断面(絶縁層に平行する断面と同じである)において、円形状の円柱ビアである。
また、図6に示すように、配線層M2上に形成された絶縁層I2には、各端子T11,T12,T21,T22に対応する部位にスルーホールHT11,HT12,HT21,HT22が形成されている。さらに、絶縁層I1には、ビアP11,P12,P21,P22に対応する部位にスルーホールHP11,HP12,HP21,HP22が形成されている。
また、図7に示すように、絶縁層I2上に形成された配線層M3には、接続配線L13,L23が形成されている。接続配線L13は、第1線路L1の一部であり、その一端がビアP11に接続され、他端がビアP12に接続されている。接続配線L23は、第2線路L2の一部であり、その一端がビアP21に接続され、他端がビアP22に接続されている。
さらに、図8に示すように、配線層M3上には、保護層I3が形成されている。保護層I3は、端子T11,T12,T21,T22が形成された4隅を除く部位に形成されている。
図9は、平面視したときのカプラ1の配線のレイアウト図である。図9に示すように、カプラ1は、主線路L11及び接続配線L12,L13(第1接続配線)を含む第1線路L1と、副線路L21及び接続配線L22,L23(第2接続配線)を含む第2線路L2とを有する。図3及び図5に示すように、主線路L11と副線路L12は、異なる階層に配置されており、かつ平面視において重なるように配置されていることから、絶縁層I1を介して異なる階層間で電磁気的な結合がなされる。
本実施例では、絶縁層I1を貫通して主線路L11に接続されたビアP11が形成されている。このように、ビアP11により第1線路L1を第2線路L2が形成された配線層M2側に引き出すことにより、第1線路L1及び第2線路L2が形成される配線層を共有することができる。この結果、カプラの層数の減少分だけカプラの薄型化が可能となり、これによりカプラの小型化が可能となる。このように本実施例では、第1線路L1及び第2線路L2の線路長を短くしなくてもカプラの小型薄型化が可能となることから、結合の減少といった不利益もない。また、層間の絶縁層を薄くする必要もないことから、第1線路同士及び第2線路同士の結合を抑制することができ、アイソレーション特性の劣化が抑制される。
本実施例では、図9に示すように、第1線路L1の接続配線L12は、第2線路L2の副線路L21と同一階層において隣接して平行に配置されている。これは、同一階層内において第1線路L1と第2線路L2との電磁気的な結合を確保するためである。電磁気的な結合を増大させるためには、2つの配線が平行に配置されることが好ましいが、隣接していればよい。このような構成により、第1線路L1又は第2線路L2の巻回数を増やさなくても、カプラの結合を増大させることができる。このため、方向性やアイソレーション特性の劣化を抑制しつつ、カプラの結合を増大させることができる。この結果、カプラの諸特性を維持しつつ、小型薄型化が可能となる。
また、本実施例では、平面視したときに同じ配線の一部同士が交差する箇所において、配線の一部同士が直交するように配置されている。すなわち、第1線路同士が交差する箇所又は第2線路同士が交差する箇所では、配線が直交するように配置されている。図9に示す例では、接続配線L13と主線路L11の交差箇所、接続配線L23と副線路L21の交差箇所において、2つの配線が互いに直交するように配置されている。通常、同じ電流が流れる配線同士の電磁気的な結合は不要な結合であることから、このような不要な結合を回避することにより、方向性(Directivity)やアイソレーション(Isolation)特性の劣化が抑制される。
上記の本実施例では、ビアP11により第1線路L1を第2線路L2が形成された配線層M2側に引き出すことにより、第1線路L1及び第2線路L2が形成される配線層を共有している。この結果、各線路を両側に引き出す従来構造と比べて、絶縁層を貫通するビアの数が2倍となることから、ビア同士の結合及びビアと端子との結合を抑制して、アイソレーション特性の劣化を抑制することが好ましい。以下、ビア同士の結合及びビアと端子との結合を抑制するためのビアの好適な形状及び配置について説明する。
図10は、ビアの好適な配置を示すための絶縁層I1における水平断面図である。なお、ビアの配置及び形状は絶縁層I1に形成されるスルーホールの配置及び形状に等しい。従って、図10の図面を参照して、ビアの配置及び形状の説明をする。
4つの端子T11,T12,T21,T22は、基板の4隅に形成されている。この4つの端子は基板上に積層される各層の積層方向に延在しており、ビアP11及びビアP21と同様の延在方向となっている。そして、ビアP11の形状として、基板面に平行する断面において角部を有する形状の角柱ビアを採用し本実施例では矩形としている。さらに、角部が絶縁層に平行する断面において端子と対向する側に向くように、ビアP11が配置されている。より好ましくは、ビアP11の角部は、端子T11,T12,T21,T22の角部と対向している。これにより、ビアの側面と端子の側面が平行に配置されないことから、ビアと端子との間の不要な電磁結合が抑制される。これにより、アイソレーション特性を向上できる。このような角柱ビアの配置は、大きな電流が流れるビアに採用することが好ましい。通常、カプラの第1線路には大きな主電流が流れることから、ビアと端子との間の電磁結合を抑制すべく、本実施例においては第1線路L1の一部同士を繋ぐビアP11の形状として角柱ビアを採用している。ただし、これに限定されない。
また、本実施例では、最も長いビアP11の断面積を、他のビアP12、P21,P22に比べて大きくしている。これは、ビアP11を作製するためには、リソグラフィ技術及びエッチング技術により2つの絶縁層I1,I2を貫通する長いスルーホールHP11を形成する必要がある。このスルーホールのアスペクト比には限界があることから、長いスルーホールを作成するためには、スルーホールの幅を大きくすることが好ましい。スルーホールHP11の幅を大きくするに従って、ビアP11の断面積が大きくなる。このように長いビアP11の断面積を他のビアP12,P21,P22に比べて大きくすることにより、ビアP11の接続信頼性を向上できる。
さらに、本実施例では、この最も太い(断面積の大きい)ビアP11が、4つの端子T11,T12,T21,T22の中心位置に重なるように配置されている。本実施形態では、4つの端子T11,T12,T21,T22は、四角形の角部に配置されていることから、端子T11,T22を結ぶ仮想対角線と端子T12,T21を結ぶ仮想対角線の交点が中心位置となる(図中、点線参照)。4つの端子の中心位置に太いビアP11を配置することにより、全ての端子との距離を確保できることから、端子とビアとの不要な電磁結合を効果的に抑制することができ、アイソレーション特性を向上できる。
さらに、本実施例では、ビアP11に隣接する中央領域に、基板面に平行する断面において円形状の円柱ビアからなるビアP21を配置している。ビアP21の断面を円形にすることにより、ビアP11の側面とビアP21の側面が平行に配置されないことから、ビアP11とビアP21との間の電磁結合が抑制される。さらに、円柱のビアP11の側面は、周囲の4つの端子T11,T12,T21,T22の側面に対して平行に配置されないことから、ビアと端子との間の電磁結合を抑制することができ、これによりアイソレーション特性を向上できる。
そして、さらに、本実施例では、残りの2つのビアP12,P22のうち、一方のビアP12を平面視において下側の2つの端子T11,T12の間に配置し、他方のビアP22を平面視において上側の2つの端子T21,T22の間に配置している。これにより、ビア同士の間隔、ビアと端子の間隔をバランス良く確保することができ、不要な電磁結合を抑制できる。また、ビアP12,P22としていずれも円柱ビアを採用することにより、ビアP12,P22の側面が、他のビアP11,P21及び端子T11,T12,T21,T22の側面と平行に配置されるのが防止され、不要な電磁結合を抑制することができることから、アイソレーション特性を向上できる。
なお、上述したとおり、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない限度において様々な変形が可能である。例えば、ビアにより第1線路を第2線路側に引き出すのではなく、第2線路を第1線路側に引き出してもよい。また、基板上に積層される配線層の順序に限定はなく、例えば、主線路よりも副線路を基板側に配置してもよい。また、端子T11,T12,T21,T22の位置は変更可能であり、さらに端子の位置の変更に応じて配線のレイアウトも変更可能である。さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々のコイル配置を採用することが可能である。
本発明のカプラによれば、ビアを介して絶縁層の同一面側に第1線路及び第2線路が引き出されることにより、第1線路及び第2線路が形成される配線層を共有することができ、カプラの層数を減少させることができる。カプラの層数の減少分だけカプラの薄型化が可能となり、これによりカプラの諸特性を維持しつつ、小型薄型化が可能となる。要求されるカプラの諸特性を維持しつつ小型薄型化することができるので、特に、小型薄型化が要求される無線通信機器、装置、モジュール、及びシステム、並びにそれらを備える設備、さらには、それらの製造に広く適用することが可能である。
1…カプラ1、M1,M2,M3…配線層、I1,I2…絶縁層、I3…保護層、IM…主電流、IL…誘導電流、IC…変位電流、C1,C2…容量結合、M…磁気結合、R…抵抗、G…接地電位、L1…第1線路、L2…第2線路、L11…主線路、L12,L13…接続配線、L21…副線路、L22,L23…接続配線、P11,P12,P21,P22…ビア、HP11,HT11,HT12,HT21,HT22…スルーホール、T11…入力端子、T12…出力端子、T21…カップリング端子、T22…アイソレーション端子、100…絶縁性基板、101…絶縁層。

Claims (4)

  1. コイル状の主線路を含み、且つ異なる層に分割して配置された第1線路と、
    前記主線路に対して絶縁層を介して配置されたコイル状の副線路を含み、且つ異なる層に分割して配置された第2線路と、
    異なる層に分割して配置された第1線路の一部同士及び前記第2線路の一部同士を繋ぐ複数のビアと、
    前記第1線路及び前記第2線路の端部に接続された複数の端子と、
    を有し、
    前記ビアは、前記絶縁層を貫通して前記主線路又は前記副線路に接続された引き出しビアを含み、
    前記引き出しビアを介して前記絶縁層の同一面側に前記第1線路及び前記第2線路が引き出されており、
    前記端子は、4つの端子を含み、
    4つの前記端子の中心位置に前記ビアの少なくとも1つが重なるように前記ビアが配置されている、
    カプラ。
  2. 前記ビアは、前記主線路の内周側の端部に接続されたビアと、前記副線路の内周側の端部に接続されたビアとを含み、
    全ての前記端子は、コイル状の前記主線路及び前記副線路の外周側に配置されている、
    請求項1記載のカプラ。
  3. 前記ビアは、前記絶縁層に平行する断面において角部を有する形状の角柱ビアを含み、
    前記角柱ビアは、前記絶縁層に平行する断面において前記端子と対向する側に前記角が向いている、
    請求項1又は2記載のカプラ。
  4. 前記ビアは、前記絶縁層に平行する断面において円弧部を有する円柱ビアを含む、
    請求項1〜3のいずれかに記載のカプラ。
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