JP5472453B2 - 車両用シート - Google Patents

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Description

本発明は、座部にSばねが張設された車両用シートに関する。
特許文献1には、シートフレームに架設される板ばねにSばねが張設された車両用シートが記載されている。この車両用シートは、着座する乗員の体重に合わせてシートクッションのクッション性能を変形させるものであり、板ばねをシートクッションフレームに対して回動可能とし、この回動位置に応じて板ばねの断面係数を変形させている。
特開2007−021063号公報
しかしながら、特許文献1に記載の車両用シートは、構造が複雑になるという問題がある。このため、車両用シートの着座性能を向上させるために、更なる改善の余地がある。
そこで、本発明は、簡素な構成でSばねの特性を変更することができる車両用シートを提供することを目的とする。
本発明に係る車両用シートは、座部にSばねが張設された車両用シートであって、Sばねに着脱自在に取り付けられてSばねの伸張変形を部分的に拘束する拘束手段を有し、Sばねは、Sばねの張設方向に延びる縦線部と、Sばねの張設方向に直交する方向に延びる横線部と、を備えており、拘束手段は、長尺部材と、長尺部材に取り付けられて横線部に脱着可能に係止される2以上の係止部と、を備えており、係止部が前記横線部に係止されることで、拘束手段により、Sばねの車両前後方向における後端部の伸張変形が部分的に拘束される。
Sばねの特性は、曲げ剛性と伸び剛性とにより表されるが、本発明に係る車両用シートによれば、拘束手段によりSばねの伸張変形を部分的に拘束することで、Sばねの伸び剛性を高くすることができる。そして、この拘束手段を着脱してSばねの伸縮変形を拘束する長さを変更することで、Sばねの伸び剛性が変わるため、Sばねの特性を変更することができる。このように、本発明に係る車両用装置によれば、Sばねの伸張変形を部分的に拘束するという簡素な構成の拘束手段により、Sばねの特性を変更することができる。しかも、乗員の体格や好みに応じてSばねの特性を変更することで、着座性能を向上させることができる。
また、このように構成することで、Sばねに対する拘束手段の係止を容易に行うことができる。更に、係止部を係止するSばねの位置、長尺部材の長さ、Sばねに係止する係止部などを変えることで、Sばねの伸張変形を拘束する長さを容易に変更することができる。
また、このように、Sばねの車両前後方向における後端部の伸張変形を拘束することで、Sばねの後端部の剛性を高くすることができる。これにより、着座した乗員の腰部が背側に倒れ込んで乗員の姿勢が崩れるのを抑制することができる。
また、本発明は、長尺部材が、非伸縮性を有するものとすることができる。
また、本発明は、長尺部材が、Sばねの伸び剛性よりも高い伸び剛性を有するものとすることができる。
本発明によれば、簡素な構成でSばねの特性を変更することができるため、乗員の体格に応じてSばねの特性を変更することで、着座性能を向上させることができる。
実施形態に係る車両用シートの内部構造を示した一部斜視図である。 図1に示す車両用シートの一部拡大図である。 図2に示すIII−III線における断面図である。 拘束部材の側面図である。 図3の状態に対して、拘束部材の係止位置を変更した状態を示した断面図である。 車両用シートの理想的なF−S曲線を示した図である。 車両用シートに乗員が着座する直前の状態を示した側面図である。 車両用シートに乗員が着座した状態を示した側面図である。 車両用シートに着座した乗員に鉛直方向下方の外力が作用した状態を示した側面図である。 体重の異なる乗員が求める車両用シートの理想的なF−S曲線を示した図である。 図5の状態に対して、Sばねの後端部と拘束部材のワイヤ部とを入れ替えた状態を示した断面図である。 Sばねの中間部に拘束部材を係止した状態を示した断面図である。 3つのワイヤフック部が取り付けられた拘束部材を示した側面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る車両用シートの実施の形態を説明する。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態に係る車両用シートは、車両に搭載されて車両の乗員が着座するものである。このため、車両用シートの前後方向、上下方向、左右方向は、車両の前後方向、上下方向、左右方向と同様である。
図1は、実施形態に係る車両用シートの内部構造を示した一部斜視図である。図2は、図1に示す車両用シートの一部拡大図である。図3は、図2に示すIII−III線における断面図である。図1〜図3に示すように、本実施形態に係る車両用シート1は、シートクッションのクッション性能(撓み特性)を変更することが可能な座部2が設けられている。
この座部2は、車両用シート1の骨格を成す左右一対のシートフレーム3a,3bと、シートフレーム3a,3bの前端部に連結された板状の前側シャフト4と、シートフレーム3a,3bの後端部に連結された円管状の後側シャフト5と、前側シャフト4と後側シャフト5に張設されて車両用シート1の前後方向に延在する複数本のSばね6と、Sばね6の伸張変形を拘束する拘束部材13と、を備えている。なお、シートフレーム3a,3b、前側シャフト4及び後側シャフト5は、図示しないシートクッションを支持するためのシートクッションフレームを構成する。
Sばね6は、鋼線などの線状部材を屈曲することにより略S字状に形成されている。具体的に説明すると、Sばね6は、Sばね6の張設方向である車両用シート1の前後方向に延びる縦線部7と、Sばね6の張設方向に直交する方向である車両用シート1の左右方向に延びる横線部8とが、所定ピッチで交互に連結された形状となっている。すなわち、Sばね6は、車両用シート1の上面視において略S字状に形成され、車両用シート1の側面視において直線又は曲線の線状に形成される。このため、Sばね6の撓み特性は、曲げ剛性(曲げ特性)と引張剛性(引張特性)とで表される。なお、本実施形態では、車両用シート1の最後方に配置される横線部8を横線部8aと表記し、横線部8aの一つ車両用シート1の前方に配置される横線部8を横線部8bと表記する。また、Sばね6の張設方向とは、Sばね6が張設されている方向であって、Sばね6全体の延在方向である。
Sばね6の後端部9は、線状部材を屈曲することにより、後側シャフト5に係止可能なフック状に形成されている。具体的に説明すると、Sばね6の後端部9は、後側シャフト5の外周面に沿って円弧状に湾曲して後側シャフト5に引っ掛けられる一対のフック部10,11と、一対のフック部10,11の先端に連結されてSばね6の張設方向に直交する方向である車両用シート1の左右方向に延びる後端部9と、を備える。そして、一方のフック部10は、縦線部7に連結されており、他方のフック部11は、自由端となっている。このため、一対のフック部10,11を後側シャフト5に引っ掛けることで、Sばね6を後側シャフト5に係止することが可能となっている。
なお、Sばね6の前端部と前側シャフト4との具体的な連結構造については説明を省略するが、フックや溶接などの公知の様々な手法によりSばね6の前端部を前側シャフト4に連結することができる。
図4は、拘束部材の側面図である。図4に示すように、拘束部材13は、一対のワイヤフック部15,16と、一方のワイヤフック部15と他方のワイヤフック部16とを連結する長尺のワイヤ部14と、を備える。
ワイヤフック部15,16は、Sばね6の横線部8及び後端横線部12に引っ掛ける部材である。すなわち、ワイヤフック部15,16は、Sばね6の横線部8及び後端横線部12に対して、着脱自在に係止することが可能となっている。なお、ワイヤフック部15,16は、Sばね6の横線部8及び後端横線部12に係止することができれば如何なる形状であってもよく、例えば、U字状やV字状などの様々な形状に形成することができる。
ワイヤ部14は、低い曲げ剛性を有している。曲げ剛性とは、曲がり難さを表すパラメータであり、曲げ剛性が低いほど、曲がりやすくなる。また、ワイヤ部14は、高い伸び剛性を有している。伸び剛性とは、伸び難さを表すパラメータであり、伸び剛性が高いほど、伸び難くなる。上述したように、ワイヤ部14は、Sばね6の伸張変形を拘束するものであるため、非伸縮性を有することが好ましい。しかしながら、ワイヤ部14は、必ずしも非伸縮性を有する必要は無く、少なくとも、Sばね6の伸び剛性よりも高い伸び剛性を有すればよい。なお、ワイヤ部14は、経済性の観点から一般的に流通している鋼線を用いることが好ましいが、特にその形状に制限は無く、例えば、線状やテープ状などの様々な形状に形成することができる。
そして、ワイヤ部14が弛まないようにワイヤフック部15,16をSばね6の横線部8及び後端横線部12に引っ掛けることで、Sばね6の伸張変形を部分的に拘束することができる。
このとき、ワイヤフック部15,16が単にSばね6の横線部8及び後端横線部12に引っ掛けられた状態で、拘束部材13がSばね6に係止されている。このため、Sばね6の横線部8及び後端横線部12からワイヤフック部15,16を取り外し、この取り外したワイヤフック部15,16をSばね6の他の横線部8及び後端横線部12に架け替えることで、Sばね6の伸張変形を拘束する位置及び長さを変更することができる。
図3及び図5を参照して、Sばね6の伸張変形を拘束する位置及び長さを変更する方法について説明する。図5は、図3の状態に対して、拘束部材の係止位置を変更した状態を示した断面図である。
まず、図3に示すように、一方のワイヤフック部15を横線部8aに引っ掛け、ワイヤ部14を後側シャフト5に回り込ませて、他方のワイヤフック部16を横線部8aに引っ掛ける。これにより、Sばね6は、横線部8aと後端横線部12との間のL1の範囲において、拘束部材13により伸張変形が拘束される。
このとき、Sばね6に荷重が作用すると、後側シャフト5に係止されている後端横線部12は、後側シャフト5を回り込む拘束部材13のワイヤ部14により後側シャフト5側に押し付けられる。このため、Sばね6に大きな荷重が作用してSばね6が大きく撓んだとしても、Sばね6は後側シャフト5から脱落しない。
このような状態において、Sばね6の伸張変形を拘束する位置及び長さを変更する際は、まず、ワイヤフック部15,16を横線部8aから取り外す。これにより、拘束部材13によるSばね6の伸張変形の拘束が解除される。
そして、図5に示すように、一方のワイヤフック部15を後端横線部12に引っ掛け、後側シャフト5におけるSばね6のフック部10,11の反対側にワイヤ部14を回り込ませて、他方のワイヤフック部16を横線部8bに引っ掛ける。これにより、Sばね6は、横線部8bと後端横線部12との間のL2の範囲において、拘束部材13により伸張変形が拘束される。
このとき、Sばね6に荷重が作用すると、後側シャフト5に係止されている後端横線部12は、拘束部材13により、後側シャフト5におけるSばね6のフック部10,11の反対側に引っ張られる。このため、Sばね6に大きな荷重が作用してSばね6が大きく撓んだとしても、Sばね6は後側シャフト5から脱落しない。
なお、本実施形態においては、1つの拘束部材13を用いて図3に示す状態及び図5に示す状態にすることができるように、Sばね6の屈曲位置を設定することが好ましい。なお、1つの拘束部材13を用いて図3に示す状態及び図5に示す状態にすることができない場合は、長さの異なる拘束部材13を用いることで、図3に示す状態及び図5に示す状態にすることができる。
ここで、図6〜図9を参照して、車両用シート1の撓み特性について説明する。図6は、車両用シートの理想的なF−S曲線を示した図である。図7は、車両用シートに乗員が着座する直前の状態を示した側面図である。図8は、車両用シートに乗員が着座した状態を示した側面図である。図9は、車両用シートに着座した乗員に鉛直方向下方の外力が作用した状態を示した側面図である。図7〜図9では、分かり易くするために、Sばね6に載置されるウレタンなどのシートクッション17を図示し、拘束部材13の図示を省略している。
一般的に、通常運転時の乗り心地を向上させるためにSばね6を柔らかくしすぎると、乗員に鉛直方向下方に向いた外力が作用した際に乗員が座部2に深く沈み込みすぎてしまう。一方、乗員に鉛直方向下方に向いた外力が作用した際に乗員が座部2に深く沈み込みすぎないようにするためにSばね6を硬くしすぎると、通常運転時の乗り心地が悪化する。このため、図6に示すように、通常運転時における乗員の荷重範囲(1)では、Sばね6を柔らかい特性とし、通常運転時における乗員の荷重範囲を超える荷重範囲(2)では、Sばね6を硬い特性にすることが好ましい。
上述したように、Sばね6の撓み特性は、曲げ剛性(曲げ特性)と引張剛性(引張特性)とで表される。しかしながら、図6及び図7に示すように、座部2に乗員の荷重が作用する初期状態では、Sばね6の撓み量が少ないため、主にSばね6の曲げ剛性が活かされる。一方、図8に示すように、乗員に鉛直方向下方の外力が作用すると、Sばね6の撓み量が多くなるため、主にSばね6の伸び剛性が活かされる。そして、拘束部材13によりSばね6の伸張変形が部分的に拘束されると、Sばね6を伸ばすことができるSばね6の全長が短くなるため、Sばね6の引張剛性が高められる。
そこで、本実施形態では、Sばね6の曲げ剛性を低く設定するとともに、拘束部材13によりSばね6の伸張変形を部分的に拘束することができる。これにより、通常運転時には、主にSばね6の曲げ剛性が活かされることから、座部2が柔らかくなって乗り心地がよくなる。一方、乗員に鉛直方向下方に向いた外力が作用した際には、主にSばね6の伸び剛性が活かされることから、座部2が硬くなって乗員が座部2に深く沈み込みすぎるのが抑制される。
このように、本実施形態に係る車両用シート1によれば、Sばね6の曲げ剛性を低くして乗り心地を向上させたとしても、拘束部材13によりSばね6の伸張変形を拘束することで、Sばね6を図5に示すような特性に設定することができる。
ところで、Sばね6を図5に示すような特性に設定したとしても、乗員が変われば、求める乗り心地も変わり、また、着座する乗員の体重(体型)が変われば座部2に作用する荷重も変わる。このため、着座する乗員に応じて、Sばね6の特性を変更することが好ましい。
図10は、体重の異なる乗員が求める車両用シートの理想的なF−S曲線を示した図である。体重の重い乗員は、体重の軽い乗員よりも、座部2に沈み込む量が大きくなる。このため、図10に示すように、体重の重い乗員が着座する場合は、体重の軽い乗員が着座する場合に比べて、Sばね6を硬くすることが好ましい。特に、乗員に鉛直方向下方に向いた外力が作用した際は、通常運転時に比べて乗員の座部2への沈み込み量が増えることから、体重の重い乗員が着座する場合は、体重の軽い乗員が着座する場合に比べて、Sばね6を格段に硬くすることが好ましい。なお、図10において、線αは、体重の重い乗員が求める車両用シートの理想的なF−S曲線を示しており、線βは、体重の軽い乗員が求める車両用シートの理想的なF−S曲線を示している。
そこで、本実施形態に係る車両用シート1では、Sばね6の横線部8及び後端横線部12に拘束部材13のワイヤフック部15,16を引っ掛ける位置を変更することで、図10に示すように、Sばね6の特性を変更することができる。
すなわち、図3に示すように拘束部材13をSばね6に係止すると、Sばね6は、横線部8aから後端横線部12の間のL1の範囲を除いた部分のみが伸張する。このため、Sばね6の伸び剛性は、Sばね6の全長からL1を除いた寸法により定まる。
一方、図5に示すように拘束部材13をSばね6に係止すると、Sばね6は、横線部8bから後端横線部12の間のL2の範囲を除いた部分のみが伸張する。このため、Sばね6の伸び剛性は、Sばね6の全長からL2を除いた寸法により定まる。
このように、Sばね6自体の曲げ剛性が同じであっても、拘束部材13によりSばね6の伸張変形を拘束する長さを変更することで、Sばね6の曲げ剛性を変更することができる。このため、図10に示すように、着座する乗員に応じて、Sばね6の撓み特性を変更することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る車両用シート1によれば、拘束部材13によりSばねの伸張変形を部分的に拘束することで、Sばね6の伸び剛性を高くすることができる。そして、この拘束部材13を着脱してSばねの伸張変形を拘束する長さを変更することで、Sばね6の伸び剛性が変わるため、Sばねの撓み特性を変更することができる。このように、本実施形態に係る車両用シート1によれば、Sばね6の伸張変形を部分的に拘束するという簡素な構成の拘束部材13により、Sばね6の撓み特性を変更することができる。しかも、乗員の体格や好みに応じてSばねの撓み特性を変更することで、着座性能を向上させることができる。
具体的には、拘束部材13は、ワイヤフック部15,16を横線部8及び後端横線部12に引っ掛けることで、Sばねの伸張変形を部分的に拘束することができるため、Sばね6対する拘束部材13の係止を容易に行うことができる。更に、ワイヤフック部15,16を係止する横線部8及び後端横線部12の位置やワイヤ部14の長さなどを変えることで、Sばね6の伸張変形を拘束する長さを容易に変更することができる。
更に、Sばね6の車両前後方向における後端部の伸張変形を拘束することで、Sばね6の後端部の剛性を高くすることができる。これにより、着座した乗員の腰部が背側に倒れ込んで乗員の姿勢が崩れるのを抑制することができる。すなわち、腰椎は坐骨よりも後方に配置されているため、座部2の車両前後方向における後端部の剛性が低いと、坐骨を中心として腰椎が倒れ込むように回転する。すると、脊椎のS字形状が崩れて、いわゆる猫背の姿勢になってしまう。これに対し、座部2の車両前後方向における後端部の剛性が高いと、坐骨を中心として腰椎が倒れ込むのが抑止されるため、脊椎のS字形状を維持しやすくなる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、図5に示すように、Sばね6の後端部9を後側シャフト5の上側から係止させ、拘束部材13のワイヤ部14を後側シャフト5の下側を回り込ませるようにしたが、図11に示すように、Sばね6の後端部9を後側シャフト5の下側から係止させ、拘束部材13のワイヤ部14を後側シャフト5の上側を回り込ませるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、拘束部材13によりSばね6の車両前後方向後端部における伸縮変形を拘束するものとして説明したが、Sばね6における伸縮変形を拘束する位置は如何なる位置であってもよい。例えば、図12に示すように、Sばね6の中間部に配置される2つの横線部8に、拘束部材13のワイヤフック部15,16を引っ掛けるものとしてもよく、図示しないが、Sばね6の車両前後方向前端部における伸縮変形を拘束するものとしてもよい。
また、上記実施形態では、拘束部材13の両端にそれぞれワイヤフック部15,16を取り付けるものとして説明したが、拘束部材13に取り付けるワイヤフック部の数は、2以上であれば制限は無い。例えば、図13に示す拘束部材23のように、ワイヤ部24の両端と中間部に、3つのワイヤフック部25,26,27を取り付けてもよい。このように、ワイヤフック部を3以上取り付ければ、Sばね6の横線部8及び後端横線部12に取り付けるワイヤフック部を選択することができる。これにより、1本の拘束部材で、Sばねの伸張変形を拘束できる長さを様々に変更することができる。
本発明は、車両に搭載される車両用シートとして利用可能である。
1…車両用シート、2…座部、3a,3b…シートフレーム(シートクッションフレーム)、4…前側シャフト(シートクッションフレーム)、5…後側シャフト(シートクッションフレーム)、6…Sばね、7…縦線部、8…横線部、8a…横線部、8b…横線部、9…後端部、10,11…フック部、12…後端横線部、13…拘束部材(拘束手段)、14…ワイヤ部(長尺部材)、15,16…ワイヤフック部(係止部)、17…シートクッション、23…拘束部材、24…ワイヤ部(長尺部材)、25,26,27…ワイヤフック部(係止部)。

Claims (3)

  1. 座部にSばねが車両前後方向に張設された車両用シートであって、
    前記Sばねに着脱自在に取り付けられて前記Sばねの伸張変形を部分的に拘束する拘束手段を有し、
    前記Sばねは、
    前記Sばねの張設方向に延びる縦線部と、
    前記Sばねの張設方向に直交する方向に延びる横線部と、
    を備えており、
    前記拘束手段は、
    長尺部材と、
    前記長尺部材に取り付けられて前記横線部に脱着可能に係止される2以上の係止部と、
    を備えており、
    前記係止部が前記横線部に係止されることで、前記拘束手段により、前記Sばねの車両前後方向における後端部の伸張変形が部分的に拘束される、車両用シート。
  2. 前記長尺部材は、非伸縮性を有する、請求項1に記載の車両用シート。
  3. 前記長尺部材は、前記Sばねの伸び剛性よりも高い伸び剛性を有する、請求項1に記載の車両用シート。
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