JP5471930B2 - 運転支援装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の運転操作を支援するための情報を提供する運転支援装置に関する。
従来技術として、現在走行中の経路と同一経路を過去に走行した際の走行データ(たとえば燃費、所要時間および平均車速)を運転者に提供し、運転者に省燃費運転への心がけ、注意を促す走行データ出力装置がある(たとえば特許文献1参照)。このような走行データ出力装置によれば、過去の走行と今回の走行とを比較した場合の燃費の良し悪しのを判断することができる。しかしながら、実際に、どのような運転をすれば省燃費運転が実現されるかを運転者が判断できなければ、データ出力自体が意味の無いものとなってしまう。そこで具体的に省燃費のための運転改善アドバイス(以下、単に「アドバイス」ということがある)を提供する必要がある。
このようなアドバイスを提供する従来技術として、走行状態(たとえば、運転の癖および運転技術)によってアドバイスを生成する省燃費運転支援装置がある(たとえば特許文献2参照)。このような省燃費運転支援装置によれば、運転中に所定条件を満たした場合には、運転者の走行状態に則したアドバイスを運転中に提供している。
特開2006−3147号公報 特開2009−064254号公報
アドバイス生成の際には、運転者の運転とは無関係の要因(たとえば渋滞および信号による停車など)を対象外にして分析しなければ、運転者にとって有用でないアドバイスが提供される可能性が高い。渋滞情報を知るためにはVICS(登録商標)による方法が頻繁に用いられる。渋滞情報は現在の渋滞の状況を示す情報であるが、走行中の実際の渋滞状況とシステムから与えられる渋滞情報とは完全には一致しないので、実際に運転した経路のどの地点で、どの程度燃費に影響を与えたのかを正確に調べることできないという問題がある。また従来技術では、走行中の信号による停車の情報を用いていないので、信号停車による燃費への影響を考慮してアドバイスを提供することができないという問題がある。
そこで、本発明は前述の問題点を鑑みてなされたものであり、燃費改善のためのより有効なアドバイスを運転者に提供することができる運転支援装置を提供することを目的とする。
本発明は前述の目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明では、車両が走行した経路を示す経路データおよび経路を走行した際の車両の走行状態を示す走行データを取得する取得手段と、
取得手段によって取得された経路データおよび走行データを記憶する記憶手段と、
走行後に、取得手段によって取得された最新の経路データと一致する経路データが、過去の経路データとして記憶手段に記憶されている場合には、一致する過去の経路データに対応する走行データを記憶手段から抽出する抽出手段と、
抽出手段によって抽出された過去の走行データに基づく燃費と、最新の走行データに基づく燃費とを比較し、最新の走行データを燃費に基づいて評価する評価手段と、
評価手段の評価結果に基づいて、運転者に対するアドバイス情報を生成するアドバイス情報生成手段と、
アドバイス情報を報知する報知手段と、を含み、
評価手段は、最新の走行データから予め定める速度以下の区間を除外して、評価を行い、
評価手段が除外する区間は、最新の走行データにおける速度が0km/hである地点を基準として、基準から予め定める除外間隔だけ前後に離れた2つの地点間を含むことを特徴とする運転支援装置である。
請求項1に記載の発明に従えば、評価手段は、経路データが一致する2つの走行データにおいて、過去の走行データに基づく燃費と、最新の走行データに基づく燃費とを比較し、最新の走行データを燃費に基づいて評価する。このように経路データが一致する走行データを比較することによって、燃費に基づいて走行データを評価したアドバイス情報をアドバイス情報生成手段によって生成することができる。また本発明では、評価手段は、最新の走行データから予め定める速度以下の区間を除外して、評価を行う。速度に関係なく燃費を評価すると、運転者の運転操作に起因しない事象、たとえば渋滞および信号による停車も燃費の評価対象に含まれる。しかしながら本発明では、予め定める速度以下の区間を除外して走行データを評価するので、前述のような渋滞および信号停車などの区間を除外して評価することができる。このような評価結果に基づいたアドバイス情報が報知手段によって報知されるので、燃費改善のための有効なアドバイス情報を運転者に提供することができる。したがって運転者は、提供されたアドバイス情報に基づいて、運転を改善することができる。
また評価手段が評価対象から除外する区間は、最新の走行データにおける速度が0km/hである地点を基準として、その基準地点から予め定める除外間隔だけ前後に離れた2つの地点間を含む。単に速度が0km/h、すなわち停止した時の走行データを除外するだけでなく、その前後の地点間を除外することによって、停止のための運転操作を除外することができる。具体的には、停止のための減速および停止から発進のための加速する区間を除外することができる。これによって燃費の改善できる可能性が高い区間に対して、評価することができる。
さらに請求項に記載の発明では、車両が走行した経路を示す経路データおよび前記経路を走行した際の前記車両の走行状態を示す走行データを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記経路データおよび前記走行データを記憶する記憶手段と、
走行後に、前記取得手段によって取得された最新の経路データと一致する経路データが、過去の経路データとして前記記憶手段に記憶されている場合には、前記一致する過去の経路データに対応する走行データを前記記憶手段から抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された前記過去の走行データに基づく燃費と、前記最新の走行データに基づく燃費とを比較し、前記最新の走行データを燃費に基づいて評価する評価手段と、
前記評価手段の評価結果に基づいて、運転者に対するアドバイス情報を生成するアドバイス情報生成手段と、
前記アドバイス情報を報知する報知手段と、を含み、
前記評価手段は、前記最新の走行データから予め定める速度以下の区間を除外して、前記評価を行い、
評価手段が除外する区間は、最新の走行データにおける速度が予め定める徐行速度以下であり、かつ、徐行速度以下の状態が継続している時間が、予め定める滞留時間以上である地点を基準として、基準から予め定める除外間隔だけ前後に離れた2つの地点間を含むことを特徴とする。
請求項に記載の発明に従えば、評価手段が評価対象から除外する区間は、最新の走行データにおける速度が徐行速度以下であり、かつ、徐行速度以下の状態が継続している時間が滞留時間以上である地点を基準として、その基準地点から除外間隔だけ前後に離れた2つの地点間を含む。単に速度が徐行速度以下の区間を除外すると、除外区間が大きくなりすぎる可能性がある。そこで本発明では、徐行速度以下の状態が継続している場合に、前後の地点間を除外する。このような地点間は、いわゆる渋滞の区間である。したがって除外することによって、渋滞における運転操作をした区間を除外することができる。これによって燃費の改善できる可能性が高い区間に対して、評価することができる。
さらに請求項に記載の発明では、評価手段は、評価対象となる経路データが示す経路を複数の区間に分割し、分割した各区間毎に評価することを特徴とする。
請求項に記載の発明に従えば、評価手段は、評価対象となる経路データが示す経路を複数の区間に分割し、分割した各区間毎に評価する。これによって経路データのどの区間において、燃費を改善できるかを運転者は判断することができる。したがってより有用なアドバイス情報を運転者に提供することができる。
さらに請求項に記載の発明では、評価手段は、分割した各区間のうち、区間内において過去の走行データに基づく燃費の合計と、最新の走行データに基づく燃費の合計の差が最も大きい区間に対して評価する。
請求項に記載の発明に従えば、評価手段は、分割した各区間のうち、区間内において過去の走行データに基づく燃費の合計と、最新の走行データに基づく燃費の合計の差が最も大きい区間に対して評価する。これによって経路データのうち、最も改善が期待できる区間を運転者は判断することができる。全ての区間においてアドバイス情報があると、情報量が多すぎて、逆に不便になることがあるが、本発明のように改善すべき区間を絞ることによって効果的にアドバイス情報を活用することができる。
第1実施形態のナビゲーション装置10の概略構成を示すブロック図である。 運転改善アドバイス処理を示すフローチャートである。 分析除外区間検出処理を示すフローチャートである。 スタート地点からの距離と車速との関係の一例を示すグラフである。 スタート地点からの距離と滞留時間との関係の一例を示すグラフである。 燃費増減区間検出処理を示すフローチャートである。 スタート地点からの距離と瞬間燃費との関係の一例を示すグラフである。 表示装置17によって表示されるアドバイス情報の一例を示す。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に関して、図1〜図8を用いて説明する。図1は、第1実施形態のナビゲーション装置10の概略構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、車両乗員(ユーザ)によって設定される目的地への経路を案内する経路案内装置である。ナビゲーション装置10は、車両乗員がナビゲーション装置10を操作することによって、たとえば目的地までの経路を探索する経路探索処理、目的地までの経路を案内する経路案内処理などを実行する。またナビゲーション装置10は、運転者の運転が省燃費となるように支援する運転支援装置としても機能する。運転支援装置は、安全運転省燃費運転支援装置とも呼ばれる。ナビゲーション装置10は、位置検出器11、地図データベース12、走行履歴データベース13、操作スイッチ14、リモートコントローラ15、リモコンセンサ16、表示装置17、音声出力装置18、マイク19、キーワード検出部20、通信装置21、データ取得部22および制御回路23を含んで構成される。
制御回路23は、ナビゲーション装置10の各部を制御する制御手段であって、中央演算処理装置(Central Processing Unit:略称CPU)、ロム(Read-Only Memory:略称ROM)、ラム(Random Access Memory:略称RAM)、および入出力(Input and Output:略称I/O)ポートを備えるマイクロコンピュータと、所定のデータを書換え可能に記憶する電気的消却プログラム可能型ロム(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory:略称EEPROM)等の不揮発性メモリとを有している。ROMには、各種処理を実行するための実行プログラムと、各実行プログラムを実行するための設定情報などが記憶されている。また制御回路23は、時刻を計時する計時機能も有する。制御回路23は、位置検出器11、地図データベース12、走行履歴データベース13、操作スイッチ14、リモコンセンサ16、表示装置17、音声出力装置18、マイク19、キーワード検出部20、データ取得部22および通信装置21と電気的に接続される。制御回路23は、ROMに書き込まれた実行プログラムをCPUが実行することによって、各種の機能が実行される。
位置検出器11は、車両の現在位置を検出する位置検出手段である。位置検出器11は、車両の絶対方位を検出するための地磁気センサ31、車両の相対方位を検出するためのジャイロスコープ32、車両の走行距離を検出する距離センサ33、および衛星からの電波に基づいて車両の位置を測定するグローバルポジショニングシステム(Global Positioning System:略称GPS)のためのGPS受信機34を有している。制御回路23は、たとえば位置検出器11からの信号に基づいて車両の現在位置を逐次決定する現在地点検出処理を実行する。
地図データベース12は、ネットワークデータとしての道路データ、背景データおよび文字データを含む地図データが記憶された記憶装置である。道路データには、たとえば道路の傾斜を示す道路傾斜情報、道路の高さを示す道路高さ情報も含まれる。地図データを記憶する記憶媒体としては、たとえば、ハードディスク、フラッシュメモリ、光ディスク(DVD−ROMなど)を用いることができる。また制御回路23は、地図データを外部のサーバから通信装置21によって取得し、地図データベース12に格納することも可能である。制御回路23は、地図データベース12に格納(記憶)された地図データを用いて、車両周辺の地図表示、表示地図の尺度変更、経路案内等の各種のナビゲーション機能を実施することができる。
操作スイッチ14は、たとえば表示装置17と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等によって構成され、各種入力に使用される。操作スイッチ14によって入力された信号は、制御回路23に与えられる。操作スイッチ14を用いて、たとえば目的地の位置を入力することが可能である。また、ユーザ(運転者を含む)は、操作スイッチ14を用いて、表示装置17に表示されている地図の縮尺を変更する操作や、走行軌跡を表示させる操作を行うこともできる。
リモートコントローラ15(以下、単に「リモコン15」ということがある)は、遠隔操作によって、前述の操作スイッチ14と同様に各種入力に使用される。リモコン15から送信される信号は、制御回路23に電気的に接続されるリモコンセンサ16が受信する。リモコンセンサ16は、リモコン15からの信号を制御回路23に与える。
表示装置17と音声出力装置18とは、情報を視覚的に、さらには聴覚的に運転者に報知する報知手段である。表示装置17は、たとえば液晶ディスプレイによって構成され、各種の情報を画面に表示する。表示装置17は、車両の現在地点に対応しつつ、その進行方位を表示する自車両マーク、および、地図データベース12から入力された地図データによって生成される車両周辺の道路地図を表示することができる。さらに、目的地が設定された場合、この道路地図上には、現在地点から目的地までの案内経路を重ねて表示することができる。音声出力装置18は、警告音を発生するブザー、ならびに音声による警告および経路案内を出力するためのスピーカを含む。
マイク19は、音声入力手段であって、運転者などのユーザの発話内容を認識して、ナビゲーション装置10の各種操作を音声入力によって行なうことを可能にするものである。マイク19は、認識した音声データを、制御回路23を介してキーワード検出部20に与える。キーワード検出部20は、マイク19から入力された音声データと、キーワード検出部20に予め記憶されているキーワードデータと比較する。キーワードデータは、予め定める操作入力に用いられるキーワードを音声データとしたデータである。キーワード検出部20は、音声データとキーワードデータとを比較し、一致した場合には、一致したキーワードデータに基づく信号を制御回路23に与える。これによってユーザは、各種操作を音声入力によって行うことができる。
通信装置21は、道路に敷設されたビーコンや各地のFM放送局を介して、渋滞や交通規制などの道路交通情報をリアルタイムに送信する情報通信センタから配信される情報を受信したり、必要に応じて車両側から外部へ情報を送信したりする装置である。受信した情報は、制御回路23で処理され、たとえば、渋滞情報や規制情報等は表示装置17に表示される道路地図上に重ねて表示される。
データ取得部22は、車両が走行した経路を示す経路データおよび経路を走行した際の車両の走行状態を示す走行データを取得する取得手段である。データ取得部22は、エンジンを制御するエンジンECU(図示せず)と電気的に接続され、エンジンECUから車両状態を取得し、取得したデータを制御回路23に与える。エンジンECUから取得する車両状態は、たとえば車速、エンジン回転数、車両の加速度、エンジンのシリンダ内に燃料を噴射するフューエルインジェクタによる燃料噴射量などである。またデータ取得部22は、制御回路23を介して位置検出器11と電気的に接続され、位置検出器11からもデータを取得し、エンジンECUから取得したデータとともに、制御回路23に与える。
データ取得部22によって取得される走行データは、ナビゲーション装置10による経路案内の開始から終了までの間に車両の走行により得られたデータであって、運転者による車両の運転操作を含む車両の走行状態を示すデータである。具体的には、出発地から目的地(到着地)までを一つの経路としてその経路の各位置での走行状態を示すデータの集合である。走行状態を示すデータは、少なくともその時の位置データ、その位置での時刻データ、噴射量データ、速度データを含む。またたとえば、走行データには、バッテリ状態(残量、電圧および電流など)、車両の加速度、エンジン回転数、操舵角、ロール角、ヨーレート、および車両傾斜角などを含んでもよい。
データ取得部22によって取得される経路データは、ナビゲーション装置10による経路案内の開始から終了までの間に車両が通過した地点を示すデータの集合である。経路データは、一定時間毎または一定距離毎に、車両の現在地を示す位置データの集合である。経路データは、具体的には、出発地から目的地(到着地)までを一つの経路としてその経路の各位置の位置データと、およびその位置での時刻データとの集合となる。
走行履歴データベース13は、データ取得部22によって取得された経路データおよび走行データを一群として記憶する記憶手段である。走行履歴データベース13には、経路案内される毎に、新たな経路データと走行データとが一群として記憶される。走行履歴データベース13を構成する記憶媒体は、たとえばハードディスクおよびフラッシュメモリが用いられる。経路データおよび走行データを一群として記憶するとは、経路データと走行データとが一対一で対応づけられていることと同義である。したがって経路データを特定すると、特定された経路データに関連づけられている1つの走行データを特定することができる。
次に、制御回路23の処理について説明する。制御回路23は、CPUがRAMの一時記憶機能を利用しつつ、ROMに書き込まれたプログラムを実行することで、たとえば現在地点検出処理、経路探索処理、経路案内処理および運転改善アドバイス処理を実行する。
現在地点検出処理は、位置検出器11から入力される信号に基づいて、車両の現在地点を逐次決定する処理である。なお、位置検出器11を構成する地磁気センサ31、ジャイロスコープ32、距離センサ33およびGPS受信機34は、各々が性質の異なる誤差を持っているため、各々からの信号を補完しながら現在地点を逐次検出する。すなわち、GPSによる電波航法と、地磁気センサ31、ジャイロスコープ32および距離センサ33による自立航法を組み合わせたハイブリッド航法により、車両の現在地点(座標)を決定する。各センサの精度によっては、位置検出器11を上述した内の一部で構成してもよく、更に、図示しないステアリングの回転センサ、各転動輪の車速センサ等を用いてもよい。また、現在地点検出処理では、現在地点に加えて進行方位(進行方向)も決定する。
経路探索処理は、ユーザが操作スイッチ14などを用いて目的地の位置を入力されると、実行される処理である。制御回路23は、現在地点からその目的地までの最適なルートを自動的に選択して案内経路を形成し表示装置17に表示させる。このような自動的に最適な案内経路を設定する手法として、たとえばダイクストラ法等の手法が知られている。
経路案内処理は、経路探索処理後に実施され、目的地までの経路をユーザに案内する処理である。経路案内処理では、右折または左折する交差点に近づくと、交差点を拡大表示する処理をし、右折または左折を音声によってユーザに案内する処理などを実行する。
次に、運転改善アドバイス処理に関して、図2を用いて説明する。図2は、運転改善アドバイス処理を示すフローチャートである。運転改善アドバイス処理は、運転者の運転を分析し、燃費を改善するためのアドバイス情報を生成し、運転者にアドバイス情報を提供する処理である。運転改善アドバイス処理は、運転者が運転改善アドバイス機能のONに設定している場合に実行される処理である。運転改善アドバイス機能のON/OFFは、運転者によって適宜設定可能である。図2に示すフローは、経路案内処理が実行され、かつ運転改善アドバイス機能がONの場合に、制御回路23によって実行される。
ステップ11では、経路案内処理が実行されているので、データ取得部22を介して経路データおよび走行データを取得して、取得したデータを走行履歴データベース13に与えて、ステップ12に移る。走行履歴データベース13は、与えられたデータを記憶する。ステップ12では、目的地に到着したか否かが判断され、目的地に到着した場合には、ステップ13に移り、目的地に到着していない場合には、ステップ11に戻る。したがって経路案内処理が実行されてから、目的地に到着するまで、経路データと走行データとの記憶が継続される。
ステップ13では、目的地に到着しているので、分析除外区間検出処理を実行し、ステップ14に移る。分析除外区間検出処理は、運転者の運転を評価対象とする評価区間と、運転者の運転を評価対象外とする除外区間とを識別する処理である。分析除外区間検出処理の詳細については、後述する。
ステップ14では、今回の走行と同一経路の走行データが走行履歴データベース13に記憶されているいか否かを判断し、記憶されている場合には、ステップ15に移り、記憶されていない場合には、ステップ19に移る。同一経路とは、スタート地点のずれが所定範囲内(たとえば半径100m以内)であり、目的地(ゴール地点)のずれが所定範囲内(たとえば100m以内)であり、かつスタート地点からゴール地点までの経路が、予め定める割合、たとえば90%以上同一の経路のことである。ステップ19では、走行履歴データベース13に今回の経路が記憶されていないので、今回の経路データおよび走行データを新たな経路として走行履歴データベース13に記憶させる。ステップ1における処理が一時的な記憶処理なのに対して、ステップ19における処理は走行履歴データベース13に過去の走行データおよび経路データとして記憶させる処理である。
ステップ15では、燃費増減区間検出処理を実行し、ステップ16に移る。燃費増減区間検出処理は、今回の走行データと過去の走行データとを比較して、最も燃費の増減が大きい区間を検出する処理である。燃費増減区間検出処理の詳細については、後述する。
ステップ16では、燃費増減区間検出処理によって検出された区間について、燃費増減の要因を分析し、ステップ17に移る。燃費増減の要因は、走行履歴データベース13に記憶される車速、経路における地点などに基づいて分析される。ステップ17では、分析結果に基づいて、運転者に提供すべきアドバイス情報を選択し、選択したアドバイス情報を運転者に表示装置17または音声出力装置18などの報知手段によって報知し、ステップ18に移る。ステップ18では、過去の走行データと今回の走行データのどちらを走行履歴データベース13に保持しておくかを運転者に選択させ、選択された走行データによって走行履歴データベース13を更新し、本フローを終了する。ステップ18では、走行履歴データベース13に燃費が優れる方の走行データと経路データとを自動的に記憶させてもよい。
このように走行後に、最新の経路データと一致する経路データが、過去の経路データとして走行履歴データベース13に記憶されている場合には、一致する過去の経路データと一群の走行データが走行履歴データベース13から抽出される。過去の走行データに、今回と同一経路を走行している走行データが存在している場合には、運転改善アドバイス情報(以下、単に「アドバイス情報」ということがある)が提供され、過去に走行データが存在していない場合には、新規経路として走行データ(分析除外区間、燃費、車両状態量など)と経路データが走行履歴データベース13に記憶される。
次に、分析除外区間検出処理に関して、図3〜図5を用いて説明する。図3は、分析除外区間検出処理を示すフローチャートである。図4は、スタート地点からの距離と車速との関係の一例を示すグラフである。図5は、スタート地点からの距離と滞留時間との関係の一例を示すグラフである。図4では、横軸に距離(m)を示し、縦軸に車速(km/h)を示す。図5では、横軸に距離(m)を示し、縦軸に滞留時間(s)を示す。また図4および図5では、今回の走行を示す波形(TripB)を実線で示し、同一経路の過去の走行を示す波形(TripA)を破線で示す。図3に示すフローは、図2においてステップ13に移ると、制御回路23によって実行される。
ステップ21では、未処理プロットを決定し、ステップ22に移る。プロットとは、区間と同義であって、経路案内処理のスタート地点からゴール地点までを、予め定める間隔、たとえば100mで区切った1区間のことである。未処理プロットとは、除外区間に該当するか否かの処理がまだ終わってない区間の意味である。したがってステップ21では、未だ処理をしていなく、さらにスタート地点に最も近いこれから処理すべき未処理プロットを決定する。
ステップ22では、決定された未処理プロットにおいて車速が0km/hの地点(以下、「停止地点」ということがある)が存在するか否かを判断し、存在する場合には、ステップ23に移り、存在しない場合には、ステップ25に移る。ステップ23では、未処理プロット内に停止地点が存在するので、停止地点を基準として、停止地点よりも前200mの地点を含むプロットから後200mの地点を含むプロットまでの少なくとも前後200m分(4プロット)をアドバイスの対象外の区間である除外区間に設定し、ステップ24に移る。除外区間に設定されると、除外区間に設定されたことを示す除外データが、走行履歴データベース13に記憶される。ステップ23における処理は、図4に示すように、スタート地点PSより後の停止地点P12が現在処理中の未処理プロット内である場合には、前述したように停止地点P12よりも前200mの地点P11を含むプロットから後200mの地点P13を含むプロットまでの少なくとも400m分(4プロット分)が除外区間となる。
ステップ25では、未処理プロット内に停止地点が存在しないで、未処理プロットにおいて20km/hの徐行速度で走行している滞留時間が18秒以上の地点(以下、「滞留地点」ということがある)が存在するか否かを判断し、存在する場合には、ステップ26に移り、存在しない場合には、ステップ24に移る。ステップ26では、未処理プロット内に滞留地点が存在するので、滞留地点を基準として、滞留地点よりも前100mの地点を含むプロットから後100mの地点を含むプロットまでの少なくとも200m分(2プロット分)をアドバイスの対象外の区間である除外区間に設定し、ステップ24に移る。除外区間に設定されると、除外区間に設定されたことを示す除外データが、走行履歴データベース13に記憶される。ステップ25における処理は、図5に示すように、スタート地点PSより後の滞留地点P22が現在処理中の未処理プロット内である場合には、前述したように滞留地点P22よりも前100mの地点P21を含むプロットから後100mの地点P23を含むプロットまでの少なくとも200m分(2プロット)が除外区間となる。図5に示す例では、滞留地点として、地点P22の他に、地点P24および地点P26がある。これらの滞留地点についても、処理中のプロットになった場合に、同様に除外区間となる処理がなされる。本例では、処理中のプロット内における滞留地点については、プロット内で最も滞留時間が大きい地点としている。
ステップ24では、未処理プロットにおける処理を終えたので、他に未処理プロットがないか、すなわち走行経路の全てのプロットにおいて処理が終了したか否かを判断し、処理が終わった場合には、本フローを終了し、まだ未処理プロットがある場合には、ステップ21に戻り、未処理プロットが無くなるまで、ステップ24までの処理を繰返す。未処理プロットには、除外区間となったプロットも含まれる。除外区間となったプロット内に停止地点または滞留地点が存在すると、その前後の除外間隔内にあるプロットが除外区間となるからである。
このように分析除外区間検出処理では、評価の対象外となる停車区間および滞留区間が分析除外区間として検出される。車速と滞留時間とを用いて、渋滞や停車による影響箇所(走行箇所)を分析の対象外とする。従来のVICS(登録商標)による渋滞状態の調査と異なり、走行後に走行時の走行データを用いて調査することにより、運転者にどの程度影響を与えたかや停車の影響を正確に分析することが可能となる。車速0km/hの地点については、「停車」としてその前後200mについては、燃費増減要因の分析区間から除外する。停車のための操作として、前後200m程度は燃費増減に影響を与えるとの考えからである。また滞留時間18秒以上の地点については、「渋滞」としてその前後100mについては、燃費増減要因の分析区間から除外する。車速20km/h以下が渋滞と考え、18s以上の滞留時間としている。また、渋滞時は、少し進んで減速しての繰り返しであるため、前後100m程度は燃費増減に影響を与えると考える。この考え方によって、滞留地点から少し進んだ部分が18秒以下で該当しなかったとしても渋滞中であることに変わりないためこの箇所も100m以内であれば除外される。この処理により、運転者の運転と無関係である走行時の運転環境による燃費増減要因を取り除くことができ、過去の走行と比較した場合の運転者の運転が直接影響している燃費増減を分析することが可能となる。
次に、燃費増減区間検出処理に関して、図6および図7を用いて説明する。図6は、燃費増減区間検出処理を示すフローチャートである。図7は、スタート地点からの距離と瞬間燃費との関係の一例を示すグラフである。図7では、横軸に距離(m)を示し、縦軸に瞬間燃費(km/L)を示す。また図7では、今回の走行を示す波形(TripB)を実線で示し、同一経路の過去の走行を示す波形(TripA)を破線で示す。図6に示すフローは、図2においてステップ15に移ると、制御回路23によって実行される。
ステップ31では、値を初期化し、ステップ32に移る。初期化する値は、燃費最大増加値、燃費最大減少値、燃費最大増加区間、および燃費最大減少区間である。燃費最大増加値は、同一地点で今回の瞬間燃費と過去の瞬間燃費との差であって、今回の瞬間燃費の方が過去の瞬間燃費より最も大きい場合の値であり、正の値である。燃費最大減少値は、同一地点で今回の瞬間燃費と過去の瞬間燃費との差であって、今回の瞬間燃費の方が過去の瞬間燃費より最も小さい場合の値であり、負の値である。燃費最大増加区間は、燃費最大増加値を含む区間であって、たとえば1km分(10プロット分)の区間である。燃費最大減少区間は、燃費最大減少値を含む区間であって、たとえば1km分(10プロット分)の区間である。
ステップ32では、未処理プロットを決定し、ステップ33に移る。プロットとは、区間と同義であって、経路案内処理のスタート地点からゴール地点までを、予め定める間隔、たとえば100mで区切った1区間のことである。未処理プロットとは、本フローの処理の対象となっていない区間の意味である。また前述の除外区間検出処理によって検出された除外区間は、未処理プロットには含まれない。換言すると、未処理プロットは、除外区間を除外した後の区間を100mで区切った1区間のことである。したがってステップ32では、未だ処理をしていなく、スタート地点から最も近いこれから処理すべき未処理プロットを決定する。
ステップ33では、現在処理中のプロットを先頭として、先頭から後の1km分(10プロット分)の区間の瞬間燃費の和を算出し、ステップ34に移る。10プロット分は、比較分析の区間幅であり、区間幅は適宜ユーザによって設定される。10プロット内に除外区間(除外プロット)がある場合には、除外区間は瞬間燃費の和の対象からは除かれる。瞬間燃費は、予め定める各プロット毎に演算されて、走行履歴データベース13に燃費データとして記憶されている。各プロットにおける瞬間燃費は、たとえば燃料量センサから出力された噴射量データと各プロットの走行距離(100m)とに基づいて、「1プロットの走行距離(km)」を「1プロットに噴射された燃料の総量(L)」で除算する演算処理により、1L(リットル)当たりの走行距離(km)、つまり燃費(km/L)が求められる。ステップ34では、過去の同一の10プロットの瞬間燃費和と、ステップ33で算出した今回の10プロットの瞬間燃費和との差分を算出し、ステップ35に移る。
ステップ35では、差分が現在の燃費最大増加値よりも大きいか否かを判断し、大きい場合にはステップ36に移り、大きくない場合には、ステップ38に移る。ステップ36では、燃費最大増加値を求めた差分に更新し、燃費最大増加区間を現処理区間(10プロット)に更新し、ステップ37に移る。
ステップ38では、差分が現在の燃費最大減少値よりも小さいか否かを判断し、小さい場合にはステップ39に移り、小さくない場合には、ステップ37に移る。ステップ39では、燃費最大減少値を求めた差分に更新し、燃費最大減少区間を現処理区間(10プロット)に更新し、ステップ37に移る。
ステップ37では、1つ未処理プロットを基準にその後の9プロットまでの処理を終えたので、他に未処理プロットがないか、すなわち走行経路の全てのプロットにおいて処理が終了したか否かを判断し、処理が終わった場合には、本フローを終了し、まだ未処理プロットがある場合には、ステップ32に戻り、未処理プロットが無くなるまで、ステップ37までの処理を繰返す。したがってステップ37では、1つ未処理プロットを基準にその後の9プロットまでの処理を終えているので、処理したプロットから10番目が未処理プロットである場合には、次は10番目の処理プロットを中心に処理をする。
ステップ36およびステップ39における処理は、図7に示すように、スタート地点PSより後の区間T1(地点P31から地点P32まで)が現在処理中の未処理プロットから10プロット内である場合には、最も燃費減少値が小さい値(負の値)であるので、このような値が燃費最大減少値としてデータ更新され、区間T1の燃費最大減少区間としてデータ更新される。
このように燃費増減区間検出処理によって検出された区間について、前述の図3に示すステップ16にて燃費増減の要因を分析される。したがって分割した各区間のうち、区間内において過去の走行データに基づく燃費の合計と、最新の走行データに基づく燃費の合計の差が最も大きい区間に対して評価することができる。これによって燃費増減が最大となる区間での過去の走行と今回の走行の走行データを比較し、どのような運転を行えば、燃費が改善されるかのアドバイスが生成される。
次に、表示装置17によって表示されるアドバイス情報に関して説明する。図8は、表示装置17によって表示されるアドバイス情報の一例を示す。アドバイス情報は、スタート地点からゴール地点までの案内経路において、どの地点でどのような運転をすれば燃費が改善されるかを示す情報である。図8に示すように、案内経路のスタート地点からゴール地点までの全ての経路が表示装置17の一画面に表示されるように縮尺が調整される。図8に示す例では、除外区間を除いた区間のうち、燃費の減少が最大となった区間において、「カーブに入る前のスピードの出し過ぎにより、この区間の燃費が以前よりも低下しています。」と、表示することによって、案内経路のどの区間において燃費が最も減少したかを運転者は把握することができる。この場合、案内経路において、アドバイス情報を生成した区間における表示態様を、他の区間に対して異なるように表示してもよい。表示態様は、たとえば色彩、濃度および点滅などである。また燃費が改善された区間と燃費が悪化した区間との表示態様が異なるように、案内経路を表示してもよい。
また図8に示す例では、「次回からは*km/hになるように心がけましょう。」と、表示することによって、どのように運転操作すれば燃費を改善できるのかを運転者は把握することができる。またアドバイス情報としては、図4、図5および図7に示すグラフを表示装置17に個別に表示してもよく、3つのグラフを重ねて表示してもく、3つのグラフを3つの異なる表示位置に一度に表示してもよい。これによって過去の燃費の波形と今回の燃費の波形とを直感的に比較することができる。このようなアドバイス情報の種類および表示方法は、適宜ユーザによって設定される。
このように同一経路の走行時の走行データを運転者に提供し、省燃費運転の心がけを促すだけでなく、経路上のどの区間で、どのような運転をすれば、省燃費運転が実現されるか具体的なアドバイスを提供することができる。また運転改善アドバイスを提供する際に、渋滞や停車など運転者の運転と無関係な要因を取り除き、運転者の直接影響を与えた燃費の増減に対してアドバイスを提供することができる。
以上説明したように本実施の形態のナビゲーション装置10は、過去の走行データを記録しておき、同一経路を走行した場合に、過去の走行データと今回の走行データとを比較し、燃費が最も増加した区間と燃費が最も減少した区間を調べる。同一経路であれば、経路上のどの区間で、燃費が増減したか容易に分析可能である。ここで同一経路とは、スタート地点とゴール地点が同じであり、途中の経路も同じ場合であることを意味する。燃費増減が最大となる区間での走行データを過去の走行データと比較し、燃費増減の要因を明確にすることで、省燃費運転のためのアドバイスを運転者に提供する。ただし、同一経路であっても、過去の走行と今回の走行とで、運転環境が全く同じとは限らず、運転者の運転には無関係の要因が燃費増減に影響を与えることがある。そのため、この影響を除外して燃費の増減を比較する必要がある。運転者の運転とは無関係の燃費増減があった箇所について分析し、運転者にアドバイスを提供しても無意味なアドバイスになってしまうからである。運転者の運転に、関係の無い走行時の道路環境による燃費増減の要因とは、たとえば渋滞や信号待ちによる停車による影響である。
そこで本実施の形態では、運転者への省燃費運転アドバイスにおいて、運転者による運転とは無関係な外的要因、たとえば渋滞および信号による停車を検出し、これらの操作が影響する区間の燃費の増減は、運転者の運転による燃費の増減ではなく、アドバイスをしても改善することができないものとして、運転改善アドバイスの選択から除外した上で、他の区間において的確なアドバイスを提供するように構成される。
具体的には、評価手段および抽出手段として機能する制御回路23は、経路データが一致する2つの走行データにおいて、過去の走行データに基づく燃費と、最新(今回)の走行データに基づく燃費とを比較し、最新の走行データを燃費に基づいて評価する。このように経路データが一致する走行データを比較することによって、走行データに基づいて燃費を評価するためのアドバイス情報をアドバイス情報生成手段として機能する制御回路23によって生成することができる。また制御回路23は、最新の走行データから予め定める速度以下の区間を除外して、評価を行う。速度に関係なく燃費を評価すると、運転者の運転操作に起因しない事象、たとえば渋滞および信号による停車も燃費の評価対象に含まれる。しかしながら本実施の形態では、予め定める速度以下の区間を除外して、燃費を評価するので、前述のような渋滞および信号停車などの区間を除外した燃費によって評価することができる。このような評価結果に基づいたアドバイス情報が報知手段として機能する表示装置17などによって報知されるので、燃費改善のための有効なアドバイス情報を運転者に提供することができる。したがって運転者は、提供されたアドバイス情報に基づいて、運転を改善することができる。
また本実施の形態では、制御回路23が評価対象から除外する区間は、図4に示すように、最新の走行データにおける速度が0km/hである停止地点を基準として、その基準地点から予め定める除外間隔(たとえば200m)だけ前後に離れた2つの地点間を含む。単に速度が0km/h、すなわち停止した時の走行データを除外するだけでなく、その前後の地点間を除外することによって、停止のための運転操作を除外することができる。具体的には、停止のための減速および停止から発進のための加速する区間を除外することができる。これによって燃費の改善できる可能性が高い区間に対して、評価することができる。
さらに本実施の形態では、制御回路23が評価対象から除外する区間は、図5に示すように、最新の走行データにおける速度が徐行速度(たとえば20km/h)以下であり、かつ、徐行速度以下の状態が継続している時間が滞留時間(たとえば18s)以上である地点を基準として、その基準地点から除外間隔(たとえば100m)だけ前後に離れた2つの地点間を含む。単に速度が徐行速度以下の区間を除外すると、除外区間が大きくなりすぎる可能性がある。そこで本実施の形態では、徐行速度以下の状態が継続している場合に、前後の地点間を除外する。このような地点間は、いわゆる渋滞の区間である。したがって除外することによって、渋滞における運転操作をした区間を除外することができる。これによって燃費の改善できる可能性が高い区間に対して、評価することができる。
また停止地点を基準とする除外間隔は、滞留地点を基準とする除外間隔よりも大きくなるように設定される。停止のほうが、渋滞よりも燃費に与える前後の間隔が大きいからである。これによって、より適切な区間を除外して、運転の評価を行うことができる。
また図3に示す分析除外区間検出処理では、ステップ22にて停止か否かを判定する処理を、ステッ25の渋滞か否かを判定する処理によりも先に行っている。停止の方が燃費に与える影響が渋滞よりも大きいので、ステップ22を先に行うことによって、停止による影響を確実に取り除くことができる。したがってより適切な区間を除外して、運転の評価を行うことができる。
さらに本実施の形態では、制御回路23は、評価対象となる経路データが示す経路を複数の区間に分割(たとえば1km毎に分割)し、分割した各区間毎に評価する。これによって経路データのどの区間において、燃費を改善できるかを運転者は判断することができる。したがってより有用なアドバイス情報を運転者に提供することができる。
また制御回路23は、分割した各区間のうち、比較する燃費の差が最も大きい区間に対して評価する(図6参照)。これによって経路データのうち、最も改善が期待できる区間を運転者は判断することができる。全ての区間においてアドバイス情報があると、情報量が多すぎて、逆に不便になることがあるが、本実施の形態のように改善すべき区間を絞ることによって効果的にアドバイス情報を活用することができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である
前述の第1実施形態では、燃費を評価する区間は、予め設定した固定の区間(1km)であったが、固定した区間に限るものではなく、区間幅は変更可能であり、たとえば長距離走行の際は区間を長く、短距離走行の際は区間を短くしてもよい。
また前述の第1実施形態では、プロットを用いて、各処理を行っているが、プロットという概念を用いる構成に限るものではなく、経路データの各地点における走行データに基づいて各処理を行ってもよい。これによって、より細かく走行データを評価することができる。このような場合には、たとえば停止地点を基準として、停止地点よりも前200mの地点から後200mの地点までの前後200m分を除外区間に設定することができる。
前述の第1実施形態では、ナビゲーション装置10によって運転支援装置が実現されているが、ナビゲーション装置10の一機能として搭載される構成に限るものではなく、たとえば車両に搭載され、車両の運行を管理する運行管理装置の一部として構成してもよく、運転情報を記録するドライブレコーダの一部として構成してもよく、運転支援装置単体として実現してもよい。
また滞留時間における徐行速度は、予め設定して固定の20km/hであったが、固定した徐行速度に限るものではなく、徐行速度は変更可能であり、たとえば高速道路を走行中の場合には、徐行速度を大きくするなどして、走行中の道路の制限速度に比例するように設定してもよい。
また同一経路の場合に比較する走行データは、過去に実際に搭載車両によって走行した走行データがあるが、このような走行データに限るものではなく、たとえば理想的に走行した場合の走行データと比較してもよく、過去の走行データで最も燃費が優れる区間を寄せ集めて合成した走行データと比較してもよく、通信装置21を介して他のユーザが同一経路を走行したときの走行データを取得することができる場合には、このような他のユーザの走行データと比較してもよい。
また前述の第1実施形態では、燃費増減区間検出処理によって検出された区間に対してのみ、運転を評価しているが、このように一部の区間だけを評価する構成に限るものではなく、全ての区間について評価してもよい。また評価して欲しい区間を、ユーザが選択するように構成してもよい。
10…ナビゲーション装置
11…位置検出器
12…地図データベース
13…走行履歴データベース
14…操作スイッチ
15…リモコン
16…リモコンセンサ
17…表示装置
18…音声出力装置
19…マイク
20…キーワード検出部
21…通信装置
22…データ取得部
23…制御回路
31…地磁気センサ
32…ジャイロスコープ
33…距離センサ
34…GPS受信機

Claims (4)

  1. 車両が走行した経路を示す経路データおよび前記経路を走行した際の前記車両の走行状態を示す走行データを取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された前記経路データおよび前記走行データを記憶する記憶手段と、
    走行後に、前記取得手段によって取得された最新の経路データと一致する経路データが、過去の経路データとして前記記憶手段に記憶されている場合には、前記一致する過去の経路データに対応する走行データを前記記憶手段から抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段によって抽出された前記過去の走行データに基づく燃費と、前記最新の走行データに基づく燃費とを比較し、前記最新の走行データを燃費に基づいて評価する評価手段と、
    前記評価手段の評価結果に基づいて、運転者に対するアドバイス情報を生成するアドバイス情報生成手段と、
    前記アドバイス情報を報知する報知手段と、を含み、
    前記評価手段は、前記最新の走行データから予め定める速度以下の区間を除外して、前記評価を行い、
    前記評価手段が除外する区間は、前記最新の走行データにおける速度が0km/hである地点を基準として、前記基準から予め定める除外間隔だけ前後に離れた2つの地点間を含むことを特徴とする運転支援装置。
  2. 車両が走行した経路を示す経路データおよび前記経路を走行した際の前記車両の走行状態を示す走行データを取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された前記経路データおよび前記走行データを記憶する記憶手段と、
    走行後に、前記取得手段によって取得された最新の経路データと一致する経路データが、過去の経路データとして前記記憶手段に記憶されている場合には、前記一致する過去の経路データに対応する走行データを前記記憶手段から抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段によって抽出された前記過去の走行データに基づく燃費と、前記最新の走行データに基づく燃費とを比較し、前記最新の走行データを燃費に基づいて評価する評価手段と、
    前記評価手段の評価結果に基づいて、運転者に対するアドバイス情報を生成するアドバイス情報生成手段と、
    前記アドバイス情報を報知する報知手段と、を含み、
    前記評価手段は、前記最新の走行データから予め定める速度以下の区間を除外して、前記評価を行い、
    前記評価手段が除外する区間は、前記最新の走行データにおける速度が予め定める徐行速度以下であり、かつ、前記徐行速度以下の状態が継続している時間が、予め定める滞留時間以上である地点を基準として、前記基準から予め定める除外間隔だけ前後に離れた2つの地点間を含むことを特徴とする運転支援装置。
  3. 前記評価手段は、評価対象となる前記経路データが示す経路を複数の区間に分割し、分割した前記各区間毎に評価することを特徴とする請求項1または2に記載の運転支援装置。
  4. 前記評価手段は、前記分割した前記各区間のうち、前記区間内において前記過去の走行データに基づく前記燃費の合計と、前記最新の走行データに基づく前記燃費の合計の差が最も大きい区間に対して評価することを特徴とする請求項に記載の運転支援装置。
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