以下に、本発明に係る運転評価サーバ、運転評価方法および運転評価プログラムの実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下の説明では、移動体が車両である場合について説明するが、移動体は、バイク、自転車、船舶、電車などであってもよい。
まず、本実施形態に係る運転評価方法の概要について図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る運転評価方法の概要を示す図である。かかる運転評価方法は、例えば、図1に示す運転評価サーバ1および複数の各車両内に配置される電子装置50によって実行される。
図1に示すように、まず、運転評価サーバ1は、複数の車両内に配置された電子装置50から無線通信網や広域データ通信網などを含むネットワークを介して複数の車両の走行データを取得する(ステップS1)。ここで、走行データには、例えば、車両の現在の走行位置や速度、舵角、アクセル開度、エンジン回転数などを示すデータが含まれる。また、かかる電子装置50は、例えば、車両に搭載されたドライブレコーダやナビゲーション装置であるが、スマートフォンやタブレット端末などの可搬性の機器などであってもよい。
続いて、運転評価サーバ1は、予め設定された経路における複数の車両の走行状態を走行データに基づいて評価する(ステップS2)。なお、図1では、かかる経路が、地図上に表示された経路R1である場合について例示している。なお、以下では、予め設定された経路を評価対象経路と記載する場合がある。
また、走行状態の評価とは、例えば安全運転や省燃費運転などに関する走行状態の評価を意味する。つまり、運転評価サーバ1は、複数の車両内に配置された電子装置50から各車両の走行データを取得し、経路R1上における各車両の走行状態を安全運転や省燃費運転に関して評価することになる。
なお、運転評価サーバ1は、安全運転に関する評価と、省燃費運転に関する評価とを並列して同時に実行することにしてもよいし、安全運転に関する評価および省燃費運転に関する評価のうち少なくとも一方に関する評価のみを行うことにしてもよい。
続いて、運転評価サーバ1は、ステップS2における評価結果に基づいて各電子装置50のユーザ、すなわち各車両のドライバの順位を決定する(ステップS3)。例えば、運転評価サーバ1は、安全運転および省燃費運転に関する評価が高かった電子装置50のユーザ(以下、単に「ユーザ」と記載する)から順に順位付けを行う。
このように、本実施形態に係る運転評価サーバ1は、予め設定した経路内での走行状態を評価し、ユーザの順位を決定する。したがって、ユーザの順位を統一した条件下で決定することが可能となる。
また、運転評価サーバ1は、統一した条件下でユーザの順位を決定するので、ユーザの順位を公平に決定することができる。また、運転評価サーバ1では、各ユーザに順位を競い合わせることで、ユーザに安全運転や省燃費運転に対する意識を楽しみながら向上させることができる。
さらに、運転評価サーバ1は、各車両の走行データを蓄積し、ビッグデータ化することで、かかるビッグデータを車両の製品開発やアフターサービスなどに活用することができる。
続いて、本実施形態に係る運転評価システム100の構成例について図2Aを用いて説明する。図2Aは、本実施形態に係る運転評価システム100の構成例を示す図である。図2Aに示すように、運転評価システム100は、上記した運転評価サーバ1および電子装置50に加えて、店舗端末150を含む。
図2では、運転評価システム100が、一つの運転評価サーバ1と、複数の電子装置50および複数の店舗端末150で構成される場合について例示している。また、運転評価システム100では、運転評価サーバ1、各電子装置50および各店舗端末150は、無線通信網や広域データ通信網などを含むネットワークを介して互いに通信可能に接続され、互いに情報を送受信することができる。
運転評価サーバ1は、上記したように各電子装置50から各車両の走行データを取得し、ユーザごとに走行状態を評価する。そして、かかる評価結果に基づいて各ユーザの順位を決定する。また、運転評価サーバ1は、かかる評価結果および順位に関する情報を各電子装置50に送信する。
電子装置50は、各車両内に配置され、例えば車両に備えられたセンサなどから車両の走行データを取得し、取得した走行データを運転評価サーバ1に送信する。
また、電子装置50は、運転評価サーバ1から走行状態の評価結果やユーザの順位を取得すると、かかる評価結果や順位をユーザに報知する。これにより、ユーザは、評価結果や現在の順位を把握することができる。ユーザが、現在の順位を把握し、より良い順位を目指すことで、ユーザの安全運転や省燃費運転への取り組みが強化される。
店舗端末150は、例えば、評価対象経路の近傍の店舗に配置される。そして、かかる店舗でユーザが買い物などを行った場合に、かかるユーザを任意の方法で識別する機能を有する。そして、識別したユーザに関する情報(以下、「ユーザ情報」と記載する)を運転評価サーバ1から取得する。かかるユーザ情報は、例えば、名前、職業、メールアドレス、住所、年齢、趣味嗜好、家族構成などに関する情報を含む。
店舗端末150は、かかるユーザ情報を取得すると、かかるユーザ情報を解析する。これにより、かかる解析結果を店舗の集客力向上に役立たせることができる。また、店舗の管理者は、かかるユーザ情報を利用して、ユーザにダイレクトメールを送付するなどといった営業活動を行うこともできる。
このように、運転評価システム100を、運転評価サーバ1および電子装置50に加えて、店舗端末150を含む構成とすることで、ユーザの安全運転や省燃費運転に対する意識を向上させることのみならず、店舗の収益向上にも寄与することができる。なお、運転評価システム100を、店舗端末150を備えない構成にすることにしてもよい。
また、運転評価システム100では、ユーザが安全運転や省燃費運転に対する意識をより楽しみながら向上させるために、例えば、ユーザ同士で日本全国の仮想的な所有権を奪い合う陣取りゲームを提供することができる。
以下、図2Bを用いてかかる陣取りゲームの概要について説明する。図2Bは、陣取りゲームの概要を示す図である。
まず、ユーザは、かかる陣取りゲーム専用のアプリを電子装置50にインストールし、かかるアプリを介してユーザ登録を行う。ユーザ登録を行うと上記したユーザ情報が運転評価サーバ1に記憶され、ユーザには、ユーザIDが与えられる。
続いて、ユーザは、車両に搭乗し、アプリを起動させた状態で評価対象経路を走行する。なお、図2Bでは、かかる評価対象経路が、経路R1および経路R2である場合を例示しているが、かかる経路は、日本各地に複数設定されているものとする。
続いて、運転評価サーバ1は、各電子装置50から受信した走行データに基づきユーザごとに経路R1や経路R2などの評価対象経路における走行状態を評価し、評価結果を集計する。そして、運転評価サーバ1は、集計した評価結果に基づいてユーザの順位を決定する。運転評価サーバ1は、例えば、評価対象経路ごとの走行状態に応じて評価ポイントをユーザに付与し、かかる評価ポイントをユーザごとに集計してユーザの順位を決定する。
つまり、ユーザは、多くの評価対象経路を走行することで、多くの評価ポイントを獲得することになり、ユーザの順位も向上することになる。なお、運転評価サーバ1では、例えば、ユーザが同一の評価対象経路を何度も走行する場合、かかる経路内での評価ポイントが最も高い評価ポイントのみを集計し、順位を決定することにしてもよい。
また、運転評価サーバ1は、ユーザが評価ポイントを獲得した経路を含む領域ごとに集計してユーザの順位を決定し、かかる順位に基づいてかかる領域の仮想的な所有権を付与するユーザを決定する。
つまり、各領域で評価ポイントを最も多く獲得したユーザにかかる領域の仮想的な所有権が与えられる。なお、かかる領域は、例えば、各市町村単位であるが、これに限られず、都道府県単位などであってもよい。かかる領域を各市町村単位とする場合、各市町村内で最も評価ポイントを多く獲得したユーザにかかる市町村の仮想的な所有権が付与される。
このように、運転評価サーバ1では、評価ポイントの高いユーザに仮想的な所有権を付与することで、ユーザの安全運転や省燃費運転に対する意識を楽しみながら向上させることができる。なお、以下では、上記した評価対象経路を含む領域を陣地と記載する場合がある。
また、ユーザは、陣取りゲームに参加するにあたり、複数のグループのうち少なくとも一つに所属することとし、運転評価サーバ1は、ユーザが所属するグループごとに集計される評価ポイントに基づいてグループの順位を決定することもできる。この場合、かかる順位に基づいて各陣地の仮想的な所有権を付与するグループを決定することになる。
なお、図2Bには、グループAおよびグループBに所定の陣地が与えられている場合について例示している。このように、ユーザがグループ単位で所有権を取り合うことで、一人で陣取りゲームに参加する場合に比べてグループの仲間と楽しみながらゲームに参加できるようになる。また、ユーザがグループの仲間と協力することで、効率よく陣地を獲得することもできる。
なお、かかるグループは、運転評価システム100で、各ユーザをランダムに各グループに振り分けることにしてもよいし、ユーザが友達同士などの任意のグループでグループを構成することにしてもよい。
また、陣取りゲームでは、評価対象経路周辺にある店舗端末150を備える店舗でのユーザによる商品やサービスの購入履歴の情報に基づいてユーザに評価ポイントを付与することにしてもよい。このように、ユーザが評価ポイントを購入履歴によっても獲得可能とすることで、かかる店舗でのユーザの買物などを促進することになる。このため、陣取りゲームによれば、かかる店舗の収益を向上させることができる。
また、例えば評価対象経路を過疎地などの地域に設定することで、かかる地域周辺に陣取りゲームのユーザが集まることになる。したがって、かかる地域への集客を手助けすることに繋がる。さらに、ユーザが、かかる地域で買い物や宿泊などを行うことで、地域の経済を活性化することに繋がる。このように、陣取りゲームを提供する運転評価サーバ1によれば、地域の活性化にも貢献することができる。
また、上記したように陣取りゲームでは、全国各地に多数の評価対象経路を設定することが可能であり、ユーザは、日本全国の陣地を取り合うことができる。このように、全国各地に評価対象経路を設定することで、居住区域を問わず多くのユーザが陣取りゲームに参加可能となる。このように、運転評価システム100が構築する陣取りゲームによれば、ユーザの安全運転や省燃費運転に対する意識を楽しみながら向上させることができる。
以下、運転評価システム100に含まれる運転評価サーバ1、電子装置50および店舗端末150について図3A〜図8を用いてさらに詳細に説明する。まず、図3Aおよび図3Bを用いて電子装置50の構成例について説明する。
なお、電子装置50は、上記したように車両に設置されるドライブレコーダやナビゲーション装置、もしくは、可搬性の機器であるスマートフォンやタブレット端末などとすることができる。そこで、図3Aでは、電子装置50が、車両に搭載されたドライブレコーダ50Aである場合について説明し、図3Bでは、電子装置50が、スマートフォンやタブレット端末などの可搬性のユーザ端末50Bである場合について説明する。
図3Aは、本実施形態に係る電子装置50であるドライブレコーダ50Aの構成例を示す図である。図3Aに示すように、ドライブレコーダ50Aは、通信部51Aと、走行データ生成部52Aと、位置検出部53Aと、Gセンサ54Aと、カメラ55とを備える。
また、ドライブレコーダ50Aには、車両に備えられた各種センサ(以下、「車載センサ」と記載する場合がある)が接続される。かかる車載センサは、例えば、車両の走行速度を検出する速度センサC1、ブレーキの作動状況を検出するブレーキセンサC2、アクセルの作動状況を示すアクセル開度センサC3、エンジンの回転数を検出するエンジン回転数センサC4などを含む。
通信部51Aは、上記した運転評価サーバ1および店舗端末150との間でインターネットなどのネットワークを介して通信を行う。具体的には、通信部51Aは、運転評価サーバ1に対して走行データを送信し、また、運転評価サーバ1から走行状況に関する評価結果や、ユーザの順位などの情報を取得する。
なお、ドライブレコーダ50Aは、通信部51Aを含めない構成とすることにしてもよい。かかる場合、ドライブレコーダ50Aは、後述するユーザ端末50Bを介して走行データを運転評価サーバ1に送信することにしてもよいし、または、車両に別途設置された通信機器を用いてかかる走行データを送信することにしてもよい。あるいは、走行データを図示しない可搬性の記憶媒体に記憶しておき、かかる記憶媒体から自宅のパソコンなど通信環境の整った機器を介して走行データを運転評価サーバ1に送信することにしてもよい。
走行データ生成部52Aは、位置検出部53A、Gセンサ54A、カメラ55および車載センサから入力されるセンサ値などに基づいて走行データを生成する。具体的には、走行データ生成部52Aは、上記のセンサ値などにユーザIDや取得した時刻などの情報を関連付けた走行データを生成し、生成した走行データを通信部51Aに出力する。
また、走行データ生成部52Aは、後述するカメラ55から入力される撮像画像を解析し、ユーザが搭乗する車両と前方他車両との距離、すなわち、前方車両との車間距離を算出する機能を有しており、かかる車間距離を含む走行データを出力することもできる。なお、走行データ生成部52Aは、車載センサの図示しないミリ波レーダのレーダ値に基づいて車間距離を算出することにしてもよい。また、走行データ生成部52Aは、カメラ55から入力される撮像画像を解析することで、現在の車両の走行速度を算出する機能を備えることにしてもよい。
位置検出部53Aは、車両の現在位置を検出する。具体的には、位置検出部53Aは、GPS(Global Positioning System)衛星から送出される電波を受信し、受信した電波を基に車両の現在地を検出する。位置検出部53Aによって検出された車両の位置情報は、走行データ生成部52Aに出力される。
Gセンサ54Aは、車両の進行方向や、横方向および上下方向に対する加速度を検出するセンサである。Gセンサ54Aによって検出されたセンサ値は、走行データ生成部52Aに出力される。
カメラ55は、例えば、所定のフレームレートで車両の前方方向を撮像する撮像装置であり、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などのイメージセンサを含む。カメラ55が撮像した撮像画像は、走行データ生成部52Aに出力されるとともに、ドライブレコーダ50Aの図示しない記憶部に記憶される。
かかる撮像画像は、例えば、ドライブレコーダ50Aに動画形式で記憶され、ユーザは、走行中にカメラ55で撮像した動画を後から確認することができる。例えば、ユーザが運転中に危ないと感じた場面の動画を確認することで安全運転の学習に使用することができ、ユーザの安全運転に対する意識を向上させることができる。
また、ドライブレコーダ50Aは、運転評価サーバ1から評価結果や順位などの情報を受信すると、かかる情報を各車両に搭載されたディスプレイやスピーカから出力することでユーザに報知することができる。
このように、電子装置50をドライブレコーダ50Aとする場合、ドライブレコーダ50Aに元々集約される走行データを活用することで、電子装置50として容易に機能することができる。
続いて、電子装置50がユーザ端末50Bである場合のユーザ端末50Bの構成例について図3Bを用いて説明する。図3Bは、本実施形態に係る電子装置50であるユーザ端末50Bの構成例を示す図である。
図3Bに示すように、ユーザ端末50Bは、通信部51Bと、走行データ生成部52Bと、位置検出部53Bと、Gセンサ54Bと、報知部56とを備える。なお、通信部51B、位置検出部53BおよびGセンサ54Bの説明については、既に説明した通信部51A、位置検出部53AおよびGセンサ54Aと重複するため省略する。
走行データ生成部52Bは、位置検出部53BおよびGセンサ54Bから車両の位置情報や、車両の加速度に関する情報を取得し、取得した情報にユーザIDおよびかかる情報を取得した時刻などを関連付けて走行データを生成する。
また、走行データ生成部52Bは、例えば、位置検出部53Bから入力される位置情報の推移に基づいて車両の走行速度を算出する機能を有しており、かかる走行速度を含む走行データを生成する。したがって、走行データ生成部52Bが生成する走行データは、位置情報、加速度および走行速度を含む情報となる。また、走行データ生成部52Bは、生成した走行データを通信部51Bを介して運転評価サーバ1に送信する。
なお、ユーザ端末50Bは、上記した車載センサと接続されないので、ユーザ端末50Bの走行データ生成部52Bが生成する走行データは、ドライブレコーダ50Aの走行データ生成部52Aが生成する走行データに比べて情報量が少ないことになる。したがって、運転評価サーバ1では、ドライブレコーダ50Aが生成した走行データを用いて走行状態を評価する場合は、ユーザ端末50Bが生成した走行データを用いて評価する場合よりも多くの項目で走行状態を評価することが可能となる。なお、この点については、図5を用いて後述する。
報知部56は、ディスプレイやスピーカを含み、運転評価サーバ1から通信部51Bを介して入力される安全運転および省燃費運転に関する評価結果などをユーザに報知する。このように、ユーザに安全運転や省燃費運転に関する評価結果をフィードバックすることで、ユーザは自身の運転を省みることになる。これにより、ユーザの安全運転や省燃費運転に対する意識を向上させることができる。
なお、ユーザが上記したドライブレコーダ50Aおよびユーザ端末50Bの双方を所持している場合、陣取りゲーム内でのユーザIDをドライブレコーダ50Aおよびユーザ端末50Bで同期させて陣取りゲームに参加することもできる。かかる場合に、ドライブレコーダ50Aが生成した走行データに対する運転評価サーバ1の評価結果を、報知部56を用いてユーザに報知することもできる。
また、かかる場合に、ユーザ端末50Bでは、例えば、走行データを生成しないことにしてもよい。これは、上記したように、運転評価サーバ1では、ドライブレコーダ50Aが生成する走行データの方が、ユーザ端末50Bで生成する走行データよりも走行状態を多くの項目で評価できるためである。
また、上記したように、ユーザ端末50Bは可搬性の機器であるので、ユーザが別の車両を運転する場合であっても、かかるユーザ端末50Bを所持していれば、同一のユーザIDで陣取りゲームに参加することができる。例えば、ユーザが、ユーザ端末50Bを所持していれば、旅行先などでレンタカーを借りて同一のユーザIDで陣取りゲームに参加することができる。
なお、例えば、レンタカーなどの他車両にドライブレコーダ50Aが搭載されている場合に、ユーザが、かかるドライブレコーダ50AにユーザIDやパスワードを入力することで、ユーザは同一のユーザIDでかかる陣取りゲームに参加可能とすることにしてもよい。
続いて、運転評価サーバ1の構成例について図4を用いて説明する。図4は、本実施形態に係る運転評価サーバ1の構成例を示す図である。図4に示すように、運転評価サーバ1は、通信部5と、制御部10と、記憶部20とを備える。
通信部5は、電子装置50および店舗端末150との間でインターネットなどのネットワークを介して情報の通信を行う。
制御部10は、各電子装置50から入力される走行データに基づいて各車両の走行状態を評価し、かかる評価結果に基づいてユーザの順位を決定する。制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポートなどを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。かかるマイクロコンピュータのCPUは、ROMに記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、後述する制御を実現する。
制御部10は、取得部11と、経路判定部12と、評価部13と、順位決定部14と、所有権決定部15と、店舗情報出力部16と、経路設定部17と、売上集計部18と、店舗決定部19とを備える。かかる取得部11、経路判定部12、評価部13、順位決定部14、所有権決定部15、店舗情報出力部16、経路設定部17、売上集計部18および店舗決定部19の各機能は、例えば、上記CPUが上記プログラムを読み出して実行することにより実現される。
なお、取得部11、経路判定部12、評価部13、順位決定部14、所有権決定部15、店舗情報出力部16、経路設定部17、売上集計部18および店舗決定部19は、それぞれ一部または全部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されてもよい。
取得部11は、複数の車両内に配置された電子装置50から各車両の走行データを取得し、各店舗にあるそれぞれの店舗端末150から各店舗でのユーザによる商品やサービスなどの購入履歴の情報である購入履歴情報を取得する。
また、取得部11は、取得した走行データおよび購入履歴情報を経路判定部12に出力する。なお、購入履歴情報には、店舗を識別するための店舗ID、購入したユーザのユーザIDや、購入した商品やサービスなどの金額、個数、購入日時などに関する情報が含まれる。
経路判定部12は、取得部11から走行データが入力されると、かかる走行データに含まれる位置情報に基づいて各電子装置50の位置、すなわち各車両の走行位置が評価対象経路であるか否かを判定する。
具体的には、まず、経路判定部12は、取得部11から走行データが入力されると、記憶部20から経路情報21を取得する。かかる経路情報21は、例えば各評価対象経路の位置情報を含む情報である。
続いて、経路判定部12は、車両の走行位置と、各評価対象経路の位置情報とを照合する。照合の結果、走行位置がいずれかの評価対象経路に該当する場合、経路判定部12は、かかる評価対象経路の経路IDと、かかる評価対象経路が位置する陣地の陣地IDとをかかる走行データに関連付けて評価部13に出力する。
一方、走行位置がいずれの評価対象経路にも該当しなかった場合、経路判定部12は、例えば、かかる走行データに対する制御部10による処理を終了させる。もしくは、かかる場合に、経路判定部12は、かかる走行データを記憶部20に出力し、ユーザ情報データベース23のユーザIDに該当するフォルダに記憶させることにしてもよい。
この場合、評価対象経路以外の走行データは、評価部13に入力されないので、評価部13は、評価対象経路での走行データについてのみ走行状態を評価することになる。したがって、評価部13が、全ての走行データを評価する場合に比べ評価部13による評価処理の負荷を軽減させることができる。
なお、経路判定部12は、走行データの評価対象経路に該当するデータ箇所と、該当しないデータ箇所のそれぞれに識別可能なタグ付けを行い評価部13に出力することにしてもよい。この場合、評価部13では、全ての走行データに対して走行状態を評価し、後述する順位決定部14で、評価対象経路のデータ箇所を示すタグが付いた評価結果に基づいてユーザの順位を決定することもできる。
また、経路判定部12は、車両が評価対象経路内を所定の割合(例えば5〜8割程度)以上を走行した場合に、かかる経路を走行したと判定する、あるいは、かかる経路に複数の通過ポイントを設定しておき、車両がかかる通過ポイントを所定の数以上を通過した場合に、かかる経路を走行したと判定することにしてもよい。
次に、経路判定部12の購入履歴情報に対する処理について説明する。経路判定部12は、取得部11から購入履歴情報が入力されると、かかる購入履歴情報に含まれる購入した商品やサービスの金額、日時などに関する情報を記憶部20の店舗情報データベース22に出力する。
かかる店舗情報データベース22には、運転評価システム100に予め登録された店舗(例えば、図2Aに示した店舗端末150を備える店舗)の店名、住所、営業時間などに関する店舗情報が店舗IDごとに異なるフォルダに記憶される。
経路判定部12が購入履歴情報を記憶部20に出力することで、店舗情報データベース22の各店舗IDのフォルダには、陣取りゲームのユーザが購入した商品名や金額などが書き加えられることになる。また、経路判定部12は、取得した購入履歴情報に陣地IDを関連付けて評価部13に出力する。
また、経路判定部12は、記憶部20に記憶されたユーザ情報データベース23から、購入履歴情報に含まれるユーザIDに該当するユーザ情報を抽出し、抽出したユーザ情報を通信部5を介して店舗端末150に送信する。
また、経路判定部12は、走行データが示す車両の走行位置が店舗情報データベース22に登録された店舗から所定の範囲内にあると判定した場合、店舗情報データベース22の中から該当する店舗の店舗情報を抽出し、抽出した店舗情報を店舗情報出力部16に出力する。
店舗情報出力部16は、経路判定部12から店舗情報が入力されると、かかる店舗情報を上記した所定の範囲内に存在する電子装置50に出力する。換言すると、ユーザは、現在地周辺の店舗情報を受け取ることになる。このように、店舗情報出力部16は、ユーザの現在地に近い店舗に関する店舗情報を電子装置50に送信することで、ユーザが、かかる店舗に立ち寄りやすくなる。
なお、店舗情報は、ユーザがかかる店舗で使用可能な特典情報を含む情報であってもよい。このように、店舗情報に特典情報を含むようにすることで、特典情報を受け取ったユーザのかかる店舗を利用する確率を向上させることができる。したがって、かかる店舗の集客力の向上にも繋がる。
また、店舗情報出力部16は、記憶部20のユーザ情報データベース23に記憶されたユーザ情報に基づいてユーザごとに異なる店舗情報を送信することにしてもよい。例えば、かかるユーザ情報には、ユーザの趣味嗜好などに関する情報が含まれている。そして、店舗情報出力部16は、かかるユーザの趣味嗜好に合う店舗情報を店舗情報データベース22から抽出し、抽出したかかる店舗情報をかかるユーザの電子装置50に送信する。
このように、店舗情報出力部16では、ユーザの趣味嗜好にあった店舗の店舗情報を送信することで、かかる店舗情報を受け取ったユーザのかかる店舗に対する興味を持つ確率を向上させることができる。したがって、ユーザのかかる店舗を訪れる確率を向上させることができる。
評価部13は、走行評価部13aおよび買物評価部13bを備え、走行評価部13aは、予め設定された経路内での車両の走行状態を走行データに基づいて評価する。また、買物評価部13bは、購入履歴情報に基づいてユーザを評価する。
具体的には、走行評価部13aは、走行データを取得すると記憶部20から評価基準情報24を取得し、かかる走行データを評価基準情報24に基づき車両の走行状態を評価する。
また、例えば、ユーザには、各評価対象経路のスタート時に100点の評価ポイントが与えられているものとする。走行評価部13aは、かかる評価対象経路内での走行状態に応じてかかる評価ポイントに加点もしくは減点を行っていく。そして、ユーザが評価対象経路を完走後に所持している評価ポイントを、かかる評価対象経路においてユーザが獲得した評価ポイントとする。
なお、かかる評価ポイントが高いほど高い評価結果であるものとする。つまり、ユーザは、安全運転や省燃費運転を行った場合に評価ポイントが加点され、安全運転や省燃費運転に反する運転を行った場合に評価ポイントが減点されることになる。
ここで、図5を参照して評価部13の走行評価部13aによる評価処理の具体例について説明しておく。図5は、評価基準情報24の具体例を示す図である。図5に示すように、評価基準情報24は、例えば、「減速時」、「加速時」、「停車時」、「巡航時」に区分された各走行状態に応じて異なる評価項目と加点もしくは減点される評価ポイントとが関連付けられた情報である。なお、図5に示す「+5点」、「−5点」は、加点や減点の一例であり、項目ごとに任意の点数とすることができる。
走行評価部13aは、走行データの中から走行速度が所定期間内で所定の割合を超えて減少しているデータ箇所を検出した場合に、かかるデータ箇所にてユーザが急ブレーキを行ったと判定する。また、走行評価部13aは、走行データの中から、走行速度が所定期間内に所定の割合を超えて増加しているデータ箇所を検出した場合に、かかるデータ箇所にてユーザが急加速を行ったと判定する。
車両の燃費は、急ブレーキや急加速によって悪化する。このため、走行評価部13aは、急ブレーキ、急加速と判定する毎に評価ポイントを「−5点」する。すなわち5点を減点する。
なお、走行評価部13aは、急ブレーキ、急加速を、Gセンサ54AおよびGセンサ54Bから入力されるセンサ値に基づいて検出することにしてもよい(図3A、図3B参照)。この場合、走行評価部13aは、かかるセンサ値が所定範囲を超えることを検出した場合、すなわち、車両に所定範囲以上の振動が生じた場合に、急ブレーキや急加速であると判定することにしてもよい。
ところで、上記したようにドライブレコーダ50Aの生成する走行データは、ユーザ端末50Bの生成する走行データよりも多くのデータを含む。したがって、走行評価部13aでは、電子装置50がドライブレコーダ50Aである場合に、ユーザ端末50Bである場合よりも走行状態を多くの評価項目に関して評価することが可能となる。
そこで、評価基準情報24に、電子装置50がドライブレコーダ50Aである場合と、ユーザ端末50Bである場合とで異なる評価基準を設けることにしてもよい。図5では、「減速時」における「エンジンブレーキを使用」、「停車時」における「アイドリングストップ」および「巡航時」における「車間距離が所定距離以上」などの評価項目については、電子装置50がドライブレコーダ50Aである場合にのみ適用する場合について例示している。
具体的には、例えば、走行評価部13aが走行状態を評価するうえで、「減速時」における「エンジンブレーキを使用」は、走行速度とブレーキセンサC2やアクセル開度センサC3のセンサ値とを必要とし、「停車時」における「アイドリングストップ」は、走行速度とエンジン回転数センサC4のセンサ値とを必要とする。また、「巡航時」における「車間距離が所定値以上」は、走行速度と車間距離との情報が必要となる。
ここで、走行評価部13aは、ドライブレコーダ50Aから入力される走行データに基づいて、例えば、走行速度が減速を示す状況下でブレーキセンサC2のセンサ値が所定値以下である場合、ユーザが減速時にエンジンブレーキを使用したと判定する。また、走行評価部13aは、走行速度が「0」である状況が一定時間続く間のエンジン回転数センサC4のセンサ値が「0」を示す場合に、ユーザが停車時にアイドリングストップを行ったと判定する。
上記した「エンジンブレーキ」や「アドリングストップ」は、省燃費運転を促進するものである。そのため、走行評価部13aは、「エンジンブレーキ」や「アイドリングストップ」と判定する毎に「+5点」の評価ポイントをユーザに加算する。
また、走行評価部13aは、「巡航時」、すなわち車両が走行中の走行速度が略一定である場合に、「車間距離が所定距離以上」であると判定すると、「+5点」の評価ポイントをユーザに加算する。これは、ユーザが車間距離を所定距離以上とって運転することで安全運転に繋がるためである。なお、上記した車間距離の所定距離は、車両の走行速度に応じて異なる値が設定されていてもよい。
このように、走行評価部13aでは、ユーザが電子装置50にドライブレコーダ50Aを使用する場合に、ユーザ端末50Bを使用する場合よりも走行状態を多くの項目について評価することができる。また、この場合に、運転評価サーバ1には、より詳細な走行データが蓄積されることになる。
また、図5に示す例では、ユーザは電子装置50がドライブレコーダ50Aである場合にユーザ端末50Bである場合よりも優位に陣取りゲームに参加することができる。これにより、ユーザ端末50Bで陣取りゲームに参加するユーザに対してドライブレコーダ50Aの購入を促進することができる。
なお、例えば、評価対象経路によっては、評価ポイントを獲得しやすい経路と、獲得し難い経路とがある場合がある。そこで、上記した評価基準情報24は、評価対象経路ごとに異なる評価基準を設定し、各評価対象経路において獲得可能な評価ポイントを平滑化することにしてもよい。
また、走行評価部13aは、評価対象経路内での法定速度などの道路交通法に対する評価を行うこともできる。この場合、例えば、記憶部20の経路情報21には、各評価対象経路における法定速度などの道路交通法に関する情報が関連付けられて記憶されているものとする。
そして、走行評価部13aは、記憶部20から経路判定部12を介して評価対象経路における道路交通法に関する情報を取得し、かかる道路交通法と、走行データとを照合することで、道路交通法に関する評価を行う。
例えば、走行評価部13aは、評価対象経路の法定速度+10Km/hを超える走行速度の走行データを検出する場合、ユーザの所持している評価ポイントから所定の評価ポイントを減点することにしてもよい。また、走行評価部13aは、評価対象経路内で道路交通法を全て遵守したユーザに対して所定の評価ポイントを付与することにしてもよい。
このように、走行評価部13aで、道路交通法についてユーザを評価することで、ユーザの道路交通法の遵守に対する意識を向上させることができる。また、ユーザの道路交通法に対する意識を向上させることで、安全運転に対する意識を向上させることにも繋がる。
なお、走行評価部13aは、評価結果である評価ポイントを走行データに関連付けて記憶部20のユーザ情報データベース23にあるユーザIDに該当するフォルダに出力するとともに、通信部5を介してユーザIDの所有する電子装置50に送信する。
図4の説明に戻って、評価部13の買物評価部13bによる処理について説明する。買物評価部13bは、経路判定部12から入力される購入履歴情報に基づいてユーザに評価ポイントを付与する。
例えば、買物評価部13bは、購入履歴情報に含まれるユーザが購入した商品およびサービスの金額、あるいは購入数に応じてユーザに評価ポイントを付与する。買物評価部13bは、付与した評価ポイントを記憶部20に出力し、ユーザ情報データベース23のユーザIDに該当するファイルに記憶させる。
このように、ユーザには商品またはサービスを購入することで評価ポイントが付与されるので、店舗でのユーザによる商品やサービスの購入を促進することができる。なお、買物評価部13bは、ユーザが購入する商品およびサービス、あるいは、購入した店舗ごとに異なる重み付けで評価ポイントを付与するなど、評価ポイントの付与率を任意に変更することにしてもよい。
順位決定部14は、評価部13による評価結果である評価ポイントに基づいてユーザの順位を決定する。具体的には、まず、順位決定部14は、記憶部20のユーザ情報データベース23から各ユーザが取得した評価ポイントを評価部13を介して取得する。かかる評価ポイントには、評価ポイントを獲得したユーザのユーザID、かかるユーザが所属するグループのグループID、評価ポイントを獲得した経路の経路ID、かかる経路が含まれる陣地の陣地ID、評価ポイントを獲得した時刻などに関する情報が関連付けられているものとする。
続いて、順位決定部14は、例えば、各ユーザが評価ポイントを獲得した期間を指定して、かかる期間の評価ポイントをユーザIDごとに集計し、集計結果に基づいてユーザの順位を決定する。かかる期間は、例えば、評価対象経路が変更されてから次に評価対象経路が変更されるまでの期間である。なお、以下では、かかる期間を評価対象期間と記載する場合がある。
また、順位決定部14は、かかる評価対象期間内に同一のユーザIDかつ同一の経路IDが関連付けられた評価ポイントが複数存在した場合、すなわち、同一のユーザが同一経路を何度も走行した場合にかかる経路で最も高い評価ポイントのみを集計し、かかる集計結果に基づいて順位を決定することもできる。換言すると、評価対象期間内では、一つの評価対象経路に対する評価ポイントは最も高い評価のみが集計される。
また、順位決定部14は、ユーザIDまたはグループIDと、陣地IDとに基づいて評価ポイントを集計することで、評価対象期間における各陣地におけるユーザおよびグループの順位を決定することもできる。
順位決定部14は、評価対象期間における各陣地でのユーザおよびグループの順位を決定すると、かかる順位とグループIDおよびユーザIDごとに集計した評価ポイントとを関連付けた順位情報を生成し、かかる生成した順位情報を所有権決定部15に出力する。また、順位情報は、通信部5を介して各電子装置50に送信される。
また、順位決定部14は、例えば、評価対象経路が変更されるタイミングで、変更される前の評価対象期間における都道府県や地方ごとのユーザおよびグループの順位を決定することにしてもよい。
所有権決定部15は、順位決定部14が決定したユーザまたはユーザが所属するグループの順位に基づいて評価対象経路を含む領域、すなわち各陣地の仮想的な所有権(以下、単に所有権と記載する)を付与するユーザまたはグループを決定する。
なお、以下では、説明の便宜のため、所有権決定部15が、かかる所有権をグループに対して付与する場合について説明するが、所有権をユーザに対して付与することにしてもよい。
具体的には、所有権決定部15は、順位決定部14から順位情報が入力されると、かかる順位情報に基づき、かかる各陣地における順位が1位のグループにかかる陣地の仮想的な所有権を付与する。すなわち、順位決定部14は、評価対象期間内に各陣地内で最も多くの評価ポイントを獲得したグループに対して各陣地の所有権を付与する。
なお、所有権決定部15は、例えば期間を指定せずに全ての評価ポイントに基づいて各陣地の所有権を決定することにしてもよい。この場合、例えば、順位決定部14は、期間を指定せず、すべての評価ポイントを対象として各陣地におけるグループの順位を決定し、かかる順位に基づく順位情報を所有権決定部15に出力する。所有権決定部15は、かかる順位情報に基づいて各陣地の所有権を決定することで、全ての評価ポイントに対する所有権を決定することもできる。
なお、所有権決定部15は、各陣地の所有権を決定すると、通信部5を介して各電子装置50に送信する。また、所有権決定部15は、各陣地を所有するグループの情報を記憶部20に出力し、所有権情報25として記憶させる。
また、所有権決定部15は、隣接する陣地で所定条件が成立した場合に、陣地を所有するグループを変更することにしてもよい。かかる所定条件は、例えば、一つのグループが所有する二つの陣地で、他のグループが所有する一つの陣地を挟み込んだ場合に成立する。
ここで、図6を参照して陣取りゲームのルールの詳細について説明しておく。図6は、陣取りゲームにおける変則ルールを説明する図である。図6に示すように、陣地T1は、グループAが所有する陣地であり、かかる陣地T1の右隣に位置する陣地T2は、グループBの陣地である。さらに、陣地T2の右隣に位置する陣地T3は、グループCの陣地である。
例えば、陣地T3においてグループAが最も評価ポイントを獲得した場合に、所有権決定部15は、図6に示すように、陣地T3の所有権をグループCからグループAに変更する。また、この場合、グループAが所有する二つの陣地T1およびT3は、グループBが所有する陣地T2を挟み込むことになるので、上記した所定条件が成立することになる。
したがって、この場合に、所有権決定部15は、陣地T2の所有権をグループBからグループAに変更する。このように、所有権決定部15は、所定条件が成立した場合に所有権を変更するので、ユーザは、効率的に陣取りゲームを進めることができるようになる。なお、かかる所定条件は、上記した例に限られず、任意に変更することができる。また、陣地ごとに異なる条件を設定することにしてもよい。
図4の説明に戻って、経路設定部17による処理について説明する。経路設定部17は、陣地ごとに複数の評価対象経路を設定し、かかる複数の評価対象経路を所定のタイミングで変更する。かかる所定のタイミングは、例えば1ヵ月ごとや3ヵ月ごとなど周期性を持つタイミングであってもよいし、特に周期性を持たないタイミングであってもよい。また、経路設定部17は、例えば夏休みなどユーザの陣取りゲームへの参加が活動になることが見込まれる期間を限定して評価対象経路を変更または追加することにしてもよい。
このように、経路設定部17は、所定のタイミングで評価対象経路を変更することで、ユーザは評価対象経路が変更される毎に異なる経路を訪れることになる。したがって、評価対象経路を常に固定している場合よりも多くの店舗にユーザを集客することができるとともに、運転評価サーバ1には、より多くの経路での走行データを蓄積することができる。
なお、経路設定部17は、運転評価サーバ1の管理者からの指示に従って評価対象経路を設定することにしてもよいし、経路設定部17が、ランダムに評価対象経路を設定することにしてもよい。また、経路設定部17は、ドライブレコーダ50Aとユーザ端末50Bとで異なる経路を設定することにしてもよい。
また、経路設定部17は、評価対象経路を設定すると、記憶部20に記憶された経路情報21を更新するとともに、かかる経路情報21を通信部5に出力する。通信部5は、経路設定部17から経路情報21が入力されると、各電子装置50にかかる経路情報21を送信する。また、例えば、経路情報21を所定のウェブページ上に更新することにしてもよい。これにより、ユーザは、更新された経路情報21を確認することができる。
なお、経路設定部17は、経路情報21を変更すると、かかる評価対象経路周辺の店舗情報を記憶部20の店舗情報データベース22から抽出し、抽出した店舗情報および経路情報21を通信部5に出力することにしてもよい。この場合、ユーザは、評価対象経路のみならず、かかる評価対象経路周辺の店舗情報も確認することができる。したがって、かかる店舗情報に興味を持つユーザの陣取りゲームへの参加を促すことができる。
また、かかる店舗情報は、自治体などが主催する農業体験や漁業体験などのユーザ体験型のイベントに関する情報であってもよい。このように、店舗情報をユーザ体験型のイベントにすることで店舗が少ない地域にも、陣取りゲームのユーザを集客することができる。
また、農業体験などのユーザ参加型のイベントにすることで、郊外に住むユーザや、家族連れのユーザなどを、かかるイベントを開催する地域に集めることができる。このため、陣取りゲームによって地域活性化に貢献することができる。
また、経路設定部17は、例えば複数の道の駅を結ぶ経路など、評価対象経路に特定のテーマを持たすようにしてもよい。このようにすることで、かかるテーマに興味を持つユーザに対して陣取りゲームへの参加を促すことができる。
また、経路設定部17は、店舗端末150ごとに異なる評価対象経路を含む経路情報21を送信しておき、店舗端末150では、かかる店舗を訪れたユーザやかかる店舗で買物をしたユーザに、かかる経路情報21を提示することにしてもよい。
このようにすることで、ユーザがより多くの評価ポイントを獲得し、陣取りゲームを優位に進行させるためには、多くの店舗を訪れる必要が生じる。したがって、ユーザに多くの店舗に足を運んでもらうことができ、店舗での集客力の向上に貢献することができる。
なお、評価対象経路には、渋滞が発生しにくい経路を設定することが好ましい。これは、渋滞が発生すると車両の燃費の悪化を招き、省燃費運転を推奨するはずの陣取りゲームが、かえって省燃費運転を阻害してしまうおそれがあるためである。
売上集計部18は、購入履歴情報に基づいて店舗ごとにユーザによる売り上げを集計する。具体的には、まず、売上集計部18は、記憶部20の店舗情報データベース22から店舗ごとに評価対象期間内における購入履歴情報を取得する。
続いて、売上集計部18は、取得した評価対象期間内の購入履歴情報に基づいて店舗ごとの売り上げを集計する。例えば、売上集計部18は、店舗ごとに購入された商品またはサービスの総額および個数のそれぞれについて集計する。
また、売上集計部18は、集計した店舗ごとの売り上げの集計結果である売上情報を店舗決定部19に出力する。なお、売上集計部18は、評価対象経路が変更される毎に売上を集計し、売上情報を店舗決定部19に出力するものとする。
店舗決定部19は、所定の条件を満たすユーザに特典の送付を依頼する店舗を売上集計部18の集計結果に基づいて決定する。具体的には、店舗決定部19は、所有権決定部15から所定の条件を満たすユーザのユーザ情報が入力されると、売上集計部18から入力される売上情報に基づいて特典の送付を依頼する店舗を決定する。
例えば、店舗決定部19は、売上情報に基づいて各都道府県で売上額が上位の店舗の店舗端末150に対して特典の送付先を示すユーザ情報などを含む特典送付要求を通信部5を介して送信する。かかる店舗端末150を所持する店舗のオーナーは、特典送付要求が入力されると、例えば、かかる店舗の商品やかかる店舗で使用可能な商品券などをユーザに発送する。なお、店舗決定部19は、売上額が所定の金額以上である全ての店舗端末150に特典の送付を依頼することにしてもよい。
つまり、店舗決定部19は、陣取りゲームで一定以上の恩恵を受けた店舗に特典の送付を依頼することになる。このように、運転評価システム100では、店舗からユーザによる売り上げの一部を陣取りゲームに還元してもらい、ユーザに特典を付与することで特典がない場合よりもユーザの陣取りゲームへの参加を促すことができる。ユーザの陣取りゲームへの参加が強化されると、各店舗でのユーザによる売り上げが増加することが期待される。
なお、例えば、かかる所定の条件を満たすユーザは、評価対象期間内における獲得した評価ポイントに基づいて運転評価サーバ1の管理者によって選定されることにしてもよいし、運転評価サーバ1の制御部10によって選定されることにしてもよい。また、運転評価サーバ1は、売上集計部18および店舗集計部19を含めない構成とすることにしてもよい。かかる場合に、売上集計部18および店舗集計部19の各機能を運転評価サーバ1の管理者が行うことにしてもよい。
記憶部20は、経路情報21、評価基準情報24および所有権情報25を記憶し、店舗情報データベース22およびユーザ情報データベース23を備える。
続いて、店舗端末150の構成例について図7を用いて説明する。図7は、本実施形態に係る店舗端末150の構成例を示す図である。図7に示すように、店舗端末150は、通信部151と、制御部160と、記憶部170とを備える。
通信部151は、上記した運転評価サーバ1および電子装置50との間でインターネットなどのネットワークを介して情報の通信を行う。
制御部160は、店舗に訪れるユーザを識別し、購入履歴情報を生成する。制御部160は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、店舗端末150の全体制御を行う。また、制御部160は、購入受付部161と、ユーザ識別部162と、売上解析部163とを備える。
購入受付部161は、店舗でのユーザによる商品やサービスの購入を受け付ける。具体的には、例えば、購入受付部161は、商品の購入を受け付ける際に、かかる商品に記載されたラベルから、商品名、金額などに関する情報(以下、「商品情報」と記載する)を読み取り、かかる商品情報をユーザ識別部162に出力する。
ユーザ識別部162は、店舗で商品やサービスを購入するユーザを識別する。例えば、運転評価システム100では、各電子装置50に対してユーザIDが記載されたID画像を予め配布しているものとする。そして、ユーザが商品やサービスを購入する際に、ユーザ識別部162が、かかるID画像をスキャンすることでユーザIDを取得する。
続いて、ユーザ識別部162は、ユーザIDおよび購入受付部161から入力される商品情報などを関連付けた情報である購入履歴情報を生成し、かかる購入履歴情報を通信部151を介して運転評価サーバ1に送信する。また、ユーザ識別部162は、取得したユーザIDをキーとしてかかるユーザIDに該当するユーザ情報を運転評価サーバ1から取得する。
ユーザ識別部162は、運転評価サーバ1から、かかるユーザ情報が入力されると、かかるユーザ情報と、購入受付部161から入力される商品情報とを関連付けた情報である売上情報171を生成し、かかる売上情報171を記憶部170に記憶させる。
なお、ユーザ識別部162のユーザの識別方法は、上記した例に限定されない。例えば、ユーザ識別部162に生体認証機能を持たせておき、かかる生体認証機能を用いてユーザを識別する、あるいは、ユーザIDとユーザのクレジットカードとを関連付けて記憶させておき、ユーザがクレジットカードで決済を行った場合に、かかるクレジットカードからユーザIDを取得することでユーザを識別するなど、任意の方法でユーザを識別することにしてもよい。
売上解析部163は、記憶部170に記憶された売上情報171を解析する。具体的には、売上解析部163は、所定周期で売上情報171を解析し、商品ごとの客層や、商品ごとの売れ行きの動向などを解析することができる。
売上解析部163による解析結果は、例えば、店舗端末150の図示しないディスプレイに表示される。店舗管理者は、かかる解析結果に基づいて営業戦略や広告戦略を立てることができる。
記憶部170は、売上情報171を記憶する。また、記憶部170は、例えばRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置である。
続いて、図8を用いて運転評価サーバ1の処理手順について説明する。図8は、本実施形態に係る運転評価サーバ1の処理手順を示すフローチャートである。図8に示す処理は、運転評価サーバ1の制御部10によって繰り返し実行される。
図8に示すように、まず、運転評価サーバ1の取得部11は、複数の車両内に配置された電子装置50から複数の車両の走行データを取得する(ステップS101)。続いて、経路判定部12は、かかる走行データに基づいて電子装置50の位置、すなわち、車両の走行位置は評価対象経路内か否かを判定する(ステップS102)。
ステップS102の判定において、車両の走行位置が評価対象経路内でなかった場合(ステップS102,No)、制御部10では、ステップS101以降の処理を繰り返す。一方、ステップS102の判定において、車両の走行位置が評価対象経路内であった場合(ステップS102,Yes)、評価部13の走行評価部13aは、評価対象経路内での走行状態を評価する(ステップS103)。
続いて、走行評価部13aは、走行状態に応じて評価ポイントをユーザに付与する(ステップS104)。続いて、評価部13の買物評価部13bは、評価対象経路周辺での購入履歴情報があるか否かを判定する(ステップS105)。
ステップS105の判定において、購入履歴情報がある場合(ステップS105,Yes)、買物評価部13bは、購入履歴情報に基づいて評価ポイントを加算する(ステップS106)。
一方、ステップS105の判定において、評価対象経路周辺での購入履歴情報がなかった場合(ステップS105,No)、ステップS107以降の処理を行う。続いて、順位決定部14は、グループごとの評価ポイントを陣地単位で集計し、陣地ごとにグループの順位を決定する(ステップS107)。
続いて、所有権決定部15は、順位決定部14が決定した順位に基づいて各陣地の仮想的な所有権を付与するグループを決定する(ステップS108)。続いて、店舗決定部19は、かかる所定の条件を満たすユーザに対して都道府県単位で売上額上位の店舗に特典の送付を依頼して処理を終了する(ステップS109)。
なお、ステップS109の処理は、例えば、評価対象経路が変更されるタイミングで行われるものとする。
上述してきたように、本実施形態に係る運転評価サーバ1は、取得部11と、評価部13と、順位決定部14とを備える。取得部11は、複数の移動体内に配置された電子装置50から複数の移動体の走行データを取得する。評価部13は、予め設定された経路における複数の移動体の走行状態を走行データに基づいて評価する。順位決定部14は、評価部13の評価結果に基づいて電子装置50のユーザの順位を決定する。したがって、本実施形態に係る運転評価サーバ1によれば、ユーザに安全運転や低燃費運転に対する意識を向上させることができる。
ところで、上述してきた実施形態では、陣取りゲームが日本を舞台とする場合について説明したが、これに限られない。すなわち、陣取りゲームの舞台を、外国とすることにしてもよい。また、ユーザが走行した位置に応じて実在しない舞台の陣地を付与することにしてもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な様態は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲および、その均等物によって定義される統括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変化が可能である。