JP5471362B2 - トランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンの製造法 - Google Patents
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Description
ここで、上記一般式(3)で表されるトランス体構造を有するジハロゲン化物としては、例えばトランス−1,2−ビス(クロロメチル)−シクロヘキサン、トランス−1,2−ビス(ブロモメチル)−シクロヘキサン、トランス−1,2−ビス(ヨードメチル)−シクロヘキサン、トランス−1,2−ビス(クロロメチル)−4−シクロヘキセン、トランス−1,2−ビス(ブロモメチル)−4−シクロヘキセン、トランス−1,2−ビス(ヨードメチル)−4−シクロヘキセン等があげられる。ここで、上記一般式(3)で表されるトランス体構造を有するジハロゲン化物のハロゲン化メチル基、例えばクロロメチル基は互いに環構造が作る面の反対側に位置している。これらのうち、原料入手が容易で、簡便に効率よく製造できることから、上記一般式(3)におけるX1がともに塩素原子であるトランス−1,2−ビス(クロロメチル)−シクロヘキサン、トランス−1,2−ビス(クロロメチル)−4−シクロヘキセンが好ましく、特に安定性が高いことから、トランス−1,2−ビス(クロロメチル)−シクロヘキサンがさらに好ましい。
ここで、トランス体構造を有するジハロゲン化物とシス体構造を有するジハロゲン化物の比を高めるためには、原料として用いる1,4−ジハロゲノ−2−ブテンの立体構造が重要で、トランス体がシス体よりも比率の高い1,4−ジハロゲノ−2−ブテンを用いることが好ましい。
反応液に内標としてN−メチルピロリドンを加え、カラム(ジーエルサイエンス製、(商品名)TC−1)、FID検出器(水素化炎イオン化検出器)が備わったガスクロマトグラフ(島津製作所製、(商品名)GC−1700)に反応液0.4μlを注入し、気化室温度250℃、検出器温度320℃の条件で分析を行った。
ガスクロマトグラフ質量分析計(GC部;ヒューレット・パッカード製、(商品名)HP6890、MS部;日本電子製、(商品名)JMS−700)を用い、気化室温度250℃、検出器温度320℃の条件で測定を行った。
(環内に二重結合を有する環状脂肪族ジハライドの合成)
1,4−ジクロロ−2−ブテン(トランス体:シス体=90:10)150g(1.2mol)を500ミリリットルのオートクレーブに仕込んだ。内部を窒素置換した後、攪拌しながら180℃まで昇温し、1,3−ブタジエン39.6g(0.733mol)をポンプで8時間30分かけて供給した。供給終了後さらに6時間加熱攪拌し、Diels−Alder反応を行った。反応終了後、25℃まで温度を下げ、オートクレーブから反応液を取り出した。反応液は褐色溶液であった。得られた褐色の溶液を0.4kPaの減圧下で蒸留し、65〜75℃の範囲の留出分を集めることにより、純度90重量%の1,2−ビス(クロロメチル)−4−シクロヘキセン14g(1,3−ブタジエン基準の収率:10%)を無色溶液として得た。
(環構造がすべて単結合からなる環状脂肪族ジハライドの合成)
300mlのオートクレーブに上記で得られた1,2−ビス(クロロメチル)−4−シクロヘキセン10g、エタノール100g及び水素化触媒として5wt%Pd/C(エヌ・イー・ケムキャット社製)0.1gを入れて、窒素置換した。その後、攪拌しながらオートクレーブ内の温度を50℃に上げ、水素を供給し1.0MPaに保ち2時間後、反応液を取り出した。得られた反応液をろ過後、0.4kPaの減圧下で蒸留し70〜79℃の範囲の留出分を集めガスクロマトグラフで分析した結果、1,2−ビス(クロロメチル)−4−シクロヘキセンは完全に転化し、1,2−ビス(クロロメチル)−シクロヘキサン(トランス体:シス体=81:19)を選択率95%で得た。
200ミリリットルのガラス製セパラブルフラスコにジメチルホルムアミド50g、フタルイミドカリウム16g(89mmol)および8N水酸化ナトリウム水溶液2.7ml(22mmol、シス体構造を有するジハロゲン化物1モルに対する量:2.3モル)を入れ、さらに合成例1で得られた1,2−ビス(クロロメチル)−シクロヘキサンを10g(55mmol、内訳:トランス体40mmol、シス体9.4mmol、その他5.5mol)加えて、攪拌しながらセパラブルフラスコ内の温度を150℃に上げて8時間加熱攪拌しイミド化反応を行った。反応終了後室温まで冷却し、水20gを添加し30分間攪拌した。攪拌後メンブレンフィルターを用いて、吸引ろ過し固形分を濾別した。
8N水酸化ナトリウム水溶液を3.5ml(28mol、シス体構造を有するジハロゲン化物1モルに対する量:3.0モル)用いたこと以外、実施例1と同様にイミド化および分解反応を行い、トランス−1,2−ビス(アミノメチル)−シクロヘキサンを得た。トランス−1,2−ビス(アミノメチル)−シクロヘキサンの収率は69%であった。なお、トランス体原料をベースとする収率は84%であった。シス体の生成は認められなかった。
8N水酸化ナトリウム水溶液を4.1ml(33mmol、シス体構造を有するジハロゲン化物1モルに対する量:3.5モル)用いたこと以外、実施例1と同様にイミド化および分解反応を行い、トランス−1,2−ビス(アミノメチル)−シクロヘキサンを得た。トランス−1,2−ビス(アミノメチル)−シクロヘキサンの収率は66%であった。なお、トランス体原料をベースとする収率は81%であった。シス体の生成は認められなかった。
8N水酸化ナトリウム水溶液を1.4ml(11mmol、シス体構造を有するジハロゲン化物1モルに対する量:1.2モル)用いたこと以外、実施例1と同様にイミド化および分解反応を行い、トランス−1,2−ビス(アミノメチル)−シクロヘキサンを得た。トランス−1,2−ビス(アミノメチル)−シクロヘキサンの収率は65%であった。なお、トランス体原料をベースとする収率は80%であった。シス体の生成は認められなかった。
フタルイミドカリウムを32g(0.170mol)用い、水酸化ナトリウムを用いなかったこと以外、実施例1と同様にイミド化および分解反応を行い、トランス−1,2−ビス(アミノメチル)−シクロヘキサンを得た。トランス−1,2−ビス(アミノメチル)−シクロヘキサンの収率は70%であった。なお、トランス体原料をベースとする収率は86%であった。シス体の生成は認められなかった。高いトランス体収率が得られたが、実施例1と比較し、多量のフタルイミドカリウムを必要とした。
8N水酸化ナトリウム水溶液を加えなかったこと以外、実施例1と同様にイミド化および分解反応を行い、トランス−1,2−ビス(アミノメチル)−シクロヘキサンを得た。トランス−1,2−ビス(アミノメチル)−シクロヘキサンの収率は49%であった。なお、トランス体原料をベースとする収率は60%であった。シス体の生成は認められなかった。
(環内に二重結合を有する環状ジハライドの合成)
トランス体:シス体=95:5の1,4−ジクロロ−2−ブテンを用いたこと以外、合成例1と同様にDieles−Alder反応等を行い、純度92重量%の1,2−ビス(クロロメチル)4−シクロヘキセンを14gの無色溶液として得た。得られた1,2−ビス(クロロメチル)−4−シクロヘキセンは、トランス体:シス体=90:10であった。
(環構造がすべて単結合からなる環状脂肪族ジハライドの合成)
上記で得られた1,2−ビス(クロロメチル)4−シクロヘキセン14gを用い、合成例1と同様に水素化反応等を行った。1,2−ビス(クロロメチル)4−シクロヘキセンは完全に転化し、1,2−ビス(クロロメチル)シクロヘキサン(トランス体:シス体=90:10)の選択率は96%であった。
合成例1により得られた1,2−ビス(クロロメチル)−シクロヘキサンの代わりに、合成例2により得られた1,2−ビス(クロロメチル)−4−シクロヘキセン10gを用いた以外は、実施例1と同様にイミド化および分解反応を行い、トランス−1,2−ビス(アミノメチル)−4−シクロヘキセンを得た。トランス−1,2−ビス(アミノメチル)−4−シクロヘキセンの収率は81%であった。なお。トランス体原料をベースとした収率は90%であった。シス体の生成は認められなかった。
合成例1により得られた1,2−ビス(クロロメチル)−シクロヘキサンの代わりに、合成例2により得られた1,2−ビス(クロロメチル)−シクロヘキサン10gを用いた以外は、実施例1と同様にイミド化および分解反応を行い、トランス−1,2−ビス(アミノメチル)−シクロヘキサンを得た。トランス−トランス−1,2−ビス(アミノメチル)−シクロヘキサンの収率は82%であった。なお。トランス体原料をベースとした収率は91%であった。シス体の生成は認められなかった。
Claims (7)
- トランス体構造を有するジハロゲン化物とシス体構造を有するジハロゲン化物の比が99:1〜30:70であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンの製造法。
- 上記一般式(1)におけるXがともに塩素原子であることを特徴とする請求項1又は3に記載のトランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンの製造法。
- 上記一般式(3)、(4)におけるX1、X2のそれぞれがともに塩素原子であることを特徴とする請求項2又は3に記載のトランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンの製造法。
- 塩基性化合物が、アルカリ金属水酸化物類であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載のトランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンの製造法。
- 分解反応が、ヒドラジンによる分解反応であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載のトランス体構造を有する環状脂肪族ジアミンの製造法。
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