JP2011111424A - トランス構造を有する脂環族イソシアナート化合物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、新規なトランス構造を有する脂環族イソシアナート化合物及びその製造方法に関するものであり、特に無黄変性、高硬度及び高い弾性を有するポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂の原料として有用性が期待されるトランス構造を有する脂環族イソシアナート化合物に関するものである。
近年、脂肪族ジイソシアナート化合物を原料としたポリウレタン樹脂は無黄変性を有することから注目されている。特に、環状構造を骨格に持つ脂環族ジイソシアナートから得られるポリウレタン樹脂は無黄変性、耐候性及び高硬度を有することから、塗料や接着剤の用途に用いられている。
このような脂環族ジイソシアナートとしては、イソホロンジイソシアナート、1,4−シクロヘキサンジイソシアナート(例えば特許文献1参照。)等が代表的なものとして知られている。
しかし、イソホロンジイソシアナートは分子構造の対象性が低く、さらに複数の異性体が混合する混合物であるため、ポリウレタン樹脂とした際にハードセグメントを形成することができず、充分な硬度を有するポリウレタン樹脂を得ることが困難であった。また、2つのイソシアナート基のうち一方が、反応性の低い2級イソシアナート基となることから、ポリオールに代表される活性プロトンを持つ反応剤との反応性に劣るため、樹脂とする際の効率に劣るという課題があった。
また、特許文献1に提案の1,4−シクロヘキサンジイソシアナートは、分子構造の対称性が高く、特にトランス構造を有する1,4−シクロヘキサンジイソシアナートから得られるポリウレタン樹脂は良好な弾性を示す反面、該1,4−シクロヘキサンジイソシアナートの2つのイソシアナート基は共に反応性に劣る2級イソシアナート基であることから、やはりポリオールに代表される活性プロトンを持つ反応剤との反応性に劣り、樹脂とする際の効率に劣るという課題があった。
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は無黄変性、高硬度及び高い弾性を有するポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂の材料としても有用性が期待され、反応性に優れる1級イソシアナート基を有すると共にトランス構造を有する新規な脂環族イソシアナート化合物、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討を行った結果、新規な脂環族イソシアナート化合物及びその製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記一般式(1)で表されるトランス構造を有するイソシアナート化合物である脂環族イソシアナート化合物及びその製造方法に関するものである。
本発明のトランス構造を有する脂環族イソシアナート化合物は、上記一般式(1)で表される構造を有することを特徴とするものであり、n1は0または1を表す。そして、溶剤への溶解性が高く、しかも原料の入手が容易なことから、特にn1が0である脂環族イソシアナート化合物であることが好ましい。
また、本発明の脂環族イソシアナート化合物は、反応性に優れる1級イソシアネート基を2個有することから樹脂とする際の反応効率に優れるものとなると共に、トランス構造を有することから機械特性に優れる樹脂を提供することが可能となるものと期待される。このような上記一般式(1)で表されるトランス構造を有する脂環族イソシアナート化合物としては、特に制限されるものではなく、例えばトランス−1,2−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、トランス−2,3−ビス(イソシアナートメチル)デカヒドロナフタレン等を挙げることができ、その中でも、特に溶剤への溶解性が高く、しかも原料の入手が容易なことからトランス−1,2−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサンであることが好ましい。ここで、脂環族イソシアナート化合物がシス構造を有する化合物又はシス構造とトランス構造を有する化合物の混合物である場合、樹脂とした際に該樹脂は優れた機械特性が期待できない。
本発明のトランス構造を有する脂環族イソシアナート化合物の製造方法としては、上記一般式(1)で示されるトランス構造を有する脂環族イソシアナート化合物を製造することが可能であればいかなる方法を用いても良く、例えばアミン化合物の存在下、下記一般式(2)で表されるトランス構造を有するジアミン化合物と下記一般式(3)で表される有機カーボナート化合物を反応する方法を挙げることができる。
ここで、上記一般式(2)で表されるトランス構造を有するジアミン化合物におけるn2は0または1を表し、特に溶剤への溶解性が高く、しかも原料の入手が容易なことから、n2は0であることが好ましい。そして、上記一般式(2)で表されるトランス構造を有するジアミン化合物としては、特に制限はなく、例えばトランス−1,2−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、トランス−2,3−ビス(アミノメチル)デカヒドロナフタレン等を挙げることができ、その中でも特に溶剤への溶解性が高く、しかも原料の入手が容易なことからトランス−1,2−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンであることが好ましい。
該一般式(2)で表されるトランス構造を有するジアミン化合物の製造方法としては、特に制限を受けるものではなく、例えば特開2009−209114号公報に開示の方法により市販のブタジエンと1,4−ジクロロ−2−ブテンより不飽和環状ジハロゲン化物を製造し、該不飽和環状ジハロゲン化物の二重結合部位を水素化することにより環状ジハロゲン化物を製造し、該環状ジハロゲン化物をガブリエル反応によってジアミノ化することによりジアミン化合物を製造する方法を挙げることができる。
また、上記一般式(3)で表される有機カーボナートにおけるRは炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数5〜30のアリール基を表し、mは1または2を表し、その中でも、特に溶剤への溶解性が高く、しかも入手が容易なことからRは炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、特に炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましい。また、mは1であることが好ましい。
該一般式(3)で表される有機カーボナート化合物としては、特に制限はなく、例えばジメチルジカーボナート、ジエチルジカーボナート、ジ−n−プロピルジカーボナート、ジ−n−ブチルジカーボナート、ジイソブチルジカーボナート、ジ(tert−ブチル)ジカーボナート、ジヘキシルジカーボナート、ジシクロヘキシルジカーボナート、ジドデシルジカーボナート、ジ−n−ブチルトリカーボナート、ジイソブチルトリカーボナート、ジ(tert−ブチル)トリカーボナート等のアルキルカーボナート;ジフェニルジカーボナート、ジトリルジカーボナート、ジキシリルジカーボナート、エチルフェニルジカーボナート、ジベンジルジカーボナート等の芳香環含有カーボナートが挙げられる。そして、入手が容易であることからジメチルジカーボナート、ジエチルジカーボナート、ジ−n−プロピルジカーボナート、ジ−n−ブチルジカーボナート、ジイソブチルジカーボナート、ジ(tert−ブチル)ジカーボナート、ジヘキシルジカーボナート、ジシクロヘキシルジカーボナート、ジドデシルジカーボナート、ジ−n−ブチルトリカーボナート、ジイソブチルトリカーボナート、ジ(tert−ブチル)トリカーボナート等のアルキルカーボナートであることが好ましく、特に上記一般式(1)で示されるトランス構造を有する脂環族イソシアナート化合物を製造する際の効率に優れることからジ(tert−ブチル)ジカーボナート、ジ(tert−ブチル)トリカーボナートであることが好ましく、さらにジ(tert−ブチル)ジカーボナートであることが好ましい。
該一般式(1)で表されるトランス構造を有する脂環族イソシアナート化合物を製造する際に該一般式(3)で表される有機カーボナート化合物を用いる場合のその使用量としては、特に制限はなく、その中でも効率よく製造を行うことが可能となることから、該一般式(2)で表されるトランス構造を有するジアミン化合物に対し1〜50当量を用いることが好ましく、特に1.5〜10当量を用いることが好ましい。
また、アミン化合物としては、アミン化合物の範疇に属するものであれば如何なるものでもよく、例えばトリエチルアミン、トリプロピルアミン等のアルキルアミン;ピリジン、4−メトキシピリジン、4−ピロリジノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等のピリジン化合物等を挙げることができ、その中でも特に反応効率よく該一般式(1)で表されるトランス構造を有する脂環族イソシアナート化合物を製造することが可能となることからピリジン、4−メトキシピリジン、4−ピロリジノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等のピリジン化合物であることが好ましく、特にピリジン、4−ジメチルアミノピリジンであることが好ましい。
該アミン化合物を用いる場合の使用量としては、特に制限はなく、その中でも効率よく製造を行うことが可能となることから、該一般式(2)で表されるトランス構造を有するジアミン化合物に対して0.001〜10当量を用いることが好ましく、特に1〜5当量を用いることが好ましい。
該一般式(1)で示されるトランス構造を有する脂環族イソシアナート化合物を製造する際には、溶媒を用いることができ、該溶媒としては反応が可能であれば特に制限なく、中でも生成物である脂環族イソシアナート化合物と溶媒との反応が抑制され、反応効率に優れることから非プロトン性溶媒であることが好ましく、該非プロトン性溶媒としては、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド溶媒;アセトニトリル等のニトリル溶媒;ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジオキサン等のエーテル溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶媒;ヘキサン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族溶媒;クロロホルム、ジクロロメタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン溶媒が挙げられ、特に該一般式(2)で表されるトランス構造を有するジアミン化合物と該一般式(3)で表される有機カーボナート化合物の相溶性を高め、効率的な反応を進行することができることからアセトニトリル等のニトリル溶媒;クロロホルム、ジクロロメタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン溶媒であることが好ましく、特にアセトニトリル、ジクロロメタンまたはクロロホルムであることが好ましい。また、これらの溶剤は、1種若しくは2種以上の混合物を用いても良い。
該一般式(1)で表されるトランス構造を有する脂環族イソシアナート化合物を製造する際の反応温度に特に制限はなく適宜選択することが可能であり、例えば−30〜100℃、好ましくは0〜70℃であり、さらに好ましくは10〜50℃である。反応圧力についても特に制限はなく、常圧でも加圧下でも実施することが可能であり、好ましくは常圧である。また、反応時間に関しては、反応温度や原料の基質濃度により適宜選択することが可能であり、通常、1分〜50時間程度であり、好ましくは1分〜5時間である。製造の際の雰囲気は特に制限はなく、例えば窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスによって置換して実施することができる。そして、該反応は、回分式、半回分式、連続式のいずれでも実施できる。
本発明のトランス構造を有する脂環族イソシアナート化合物は、無黄変性、高硬度及び高い弾性を有するポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂の原料として期待されるものである。
本発明は、反応性の高い1級イソシアナート基を有すると共に、トランス構造を有する新規な脂環族イソシアナート化合物及びその効率的な製造方法に関するものであり、該脂環族イソシアネート化合物は、無黄変性、高硬度及び高い弾性を有するポリウレタン樹脂やポリウレア樹脂の材料として期待され、工業的にも有用性が期待されるものである。
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に実施例に用いた測定方法を示す。
<ガスクロマトグラフ分析>
反応液に内標としてトリデカンを加え、カラム(ジーエルサイエンス製、(商品名)TC−1カラム)を装着したガスクロマトグラフ(島津製作所製、(商品名)GC−1700)に反応液0.4μlを注入し、分析を行った。
反応液に内標としてトリデカンを加え、カラム(ジーエルサイエンス製、(商品名)TC−1カラム)を装着したガスクロマトグラフ(島津製作所製、(商品名)GC−1700)に反応液0.4μlを注入し、分析を行った。
<FT−IR測定>
赤外分光光度計(Nicolet社製、(商品名)Impact410)を用い、測定を行った。
赤外分光光度計(Nicolet社製、(商品名)Impact410)を用い、測定を行った。
合成例1(トランス構造を有するジアミン化合物の合成)
(不飽和環状ジハロゲン化物の製造)
1,4−ジクロロ−2−ブテン(トランス体:シス体=90:10)150g(1.2mol)を500ミリリットルのオートクレーブに仕込んだ。内部を窒素置換した後、攪拌しながら180℃まで昇温し、1,3−ブタジエン39.6g(0.733mol)をポンプで8時間30分かけて供給した。供給終了後さらに6時間加熱攪拌し、ディールスアルダー反応を行った。反応終了後、25℃まで温度を下げ、オートクレーブから反応液を取り出した。反応液は褐色溶液であった。得られた褐色の溶液を0.4kPaの減圧下で蒸留し、65〜75℃の範囲の留出分を集めることにより、純度90重量%の1,2−ビス(クロロメチル)−4−シクロヘキセン14g(1,3−ブタジエン基準の収率:10%)を無色溶液として得た。
(飽和環状ジハロゲン化物の製造)
300mlのオートクレーブに上記で得られた1,2−ビス(クロロメチル)−4−シクロヘキセン10g、エタノール100g及び水素化触媒として5wt%Pd/C(エヌ・イー・ケムキャット社製)0.1gを入れて、窒素置換した。その後、攪拌しながらオートクレーブ内の温度を50℃に上げ、水素を供給し1.0MPaに保ち2時間後、反応液を取り出した。得られた反応液をろ過後、0.4kPaの減圧下で蒸留し70〜79℃の範囲の留出分を集めガスクロマトグラフで分析した結果、1,2−ビス(クロロメチル)−4−シクロヘキセンは完全に転化し、1,2−ビス(クロロメチル)−シクロヘキサン(トランス体:シス体=81:19)を選択率95%で得た。
(ジアミン化合物の製造)
200ミリリットルのガラス製セパラブルフラスコにジメチルホルムアミド50g、フタルイミドカリウム16g(89mmol)および8N水酸化ナトリウム水溶液2.7ml(22mmol、シス体構造を有するジハロゲン化物1モルに対する量:2.3モル)を入れ、さらに上記で得られた1,2−ビス(クロロメチル)−シクロヘキサン10g(55mmol、内訳:トランス体40mmol、シス体9.4mmol、その他5.5mol)加えて、攪拌しながらセパラブルフラスコ内の温度を150℃に上げて8時間加熱攪拌した。反応終了後室温まで冷却し、水20gを添加し30分間攪拌した。攪拌後メンブレンフィルターを用いて、吸引ろ過し固形分を濾別した。ろ別した固形分をセパラブルフラスコに移し、エタノール100gを添加後80℃で加熱攪拌し、エタノール還流状態でヒドラジン・1水和物25g(500mmol)を添加した。80℃で2時間加熱攪拌した後、室温まで冷却しメンブレンフィルターで吸引ろ過した。このろ液をガスクロマトグラフで分析した結果、1,2−ビス(クロロメチル)−シクロヘキサンは完全に転化していた。生成物のGC−MSを測定した結果、単一成分でありm/e142に分子イオンピークが確認された。トランス−1,2−ビス(アミノメチル)−シクロヘキサンを収率74%で得、トランス体原料をベースとする収率では91%で得た。
(不飽和環状ジハロゲン化物の製造)
1,4−ジクロロ−2−ブテン(トランス体:シス体=90:10)150g(1.2mol)を500ミリリットルのオートクレーブに仕込んだ。内部を窒素置換した後、攪拌しながら180℃まで昇温し、1,3−ブタジエン39.6g(0.733mol)をポンプで8時間30分かけて供給した。供給終了後さらに6時間加熱攪拌し、ディールスアルダー反応を行った。反応終了後、25℃まで温度を下げ、オートクレーブから反応液を取り出した。反応液は褐色溶液であった。得られた褐色の溶液を0.4kPaの減圧下で蒸留し、65〜75℃の範囲の留出分を集めることにより、純度90重量%の1,2−ビス(クロロメチル)−4−シクロヘキセン14g(1,3−ブタジエン基準の収率:10%)を無色溶液として得た。
(飽和環状ジハロゲン化物の製造)
300mlのオートクレーブに上記で得られた1,2−ビス(クロロメチル)−4−シクロヘキセン10g、エタノール100g及び水素化触媒として5wt%Pd/C(エヌ・イー・ケムキャット社製)0.1gを入れて、窒素置換した。その後、攪拌しながらオートクレーブ内の温度を50℃に上げ、水素を供給し1.0MPaに保ち2時間後、反応液を取り出した。得られた反応液をろ過後、0.4kPaの減圧下で蒸留し70〜79℃の範囲の留出分を集めガスクロマトグラフで分析した結果、1,2−ビス(クロロメチル)−4−シクロヘキセンは完全に転化し、1,2−ビス(クロロメチル)−シクロヘキサン(トランス体:シス体=81:19)を選択率95%で得た。
(ジアミン化合物の製造)
200ミリリットルのガラス製セパラブルフラスコにジメチルホルムアミド50g、フタルイミドカリウム16g(89mmol)および8N水酸化ナトリウム水溶液2.7ml(22mmol、シス体構造を有するジハロゲン化物1モルに対する量:2.3モル)を入れ、さらに上記で得られた1,2−ビス(クロロメチル)−シクロヘキサン10g(55mmol、内訳:トランス体40mmol、シス体9.4mmol、その他5.5mol)加えて、攪拌しながらセパラブルフラスコ内の温度を150℃に上げて8時間加熱攪拌した。反応終了後室温まで冷却し、水20gを添加し30分間攪拌した。攪拌後メンブレンフィルターを用いて、吸引ろ過し固形分を濾別した。ろ別した固形分をセパラブルフラスコに移し、エタノール100gを添加後80℃で加熱攪拌し、エタノール還流状態でヒドラジン・1水和物25g(500mmol)を添加した。80℃で2時間加熱攪拌した後、室温まで冷却しメンブレンフィルターで吸引ろ過した。このろ液をガスクロマトグラフで分析した結果、1,2−ビス(クロロメチル)−シクロヘキサンは完全に転化していた。生成物のGC−MSを測定した結果、単一成分でありm/e142に分子イオンピークが確認された。トランス−1,2−ビス(アミノメチル)−シクロヘキサンを収率74%で得、トランス体原料をベースとする収率では91%で得た。
実施例1
窒素ガスで置換した100mlのシュレンク管にジ−tert−ブチルジカーボナート1.8g(8.4mmol)を仕込み、ジクロロメタン11mlと4−ジメチルアミノピリジン0.73g(6.0mmol)を加えた。攪拌した該混合溶液に合成例1で得られたトランス−1,2−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン0.43g(3.0mmol)とジクロロメタン3.0mlの混合液をゆっくりと滴下した。溶液からの発泡が納まるまで10分間攪拌した後、減圧下で溶媒及び生成したブタノールを留去し、橙色固体を得た。得られた該固体を減圧下で蒸留し、トランス−1,2−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン(一般式(1)におけるn1が0である脂環族イソシアナート化合物に相当。)0.41g(2.1mmol)得た。IRスペクトルでイソシアナート基の伸縮振動に由来するピークが2220〜2230cm−1に現れることを確認した。
窒素ガスで置換した100mlのシュレンク管にジ−tert−ブチルジカーボナート1.8g(8.4mmol)を仕込み、ジクロロメタン11mlと4−ジメチルアミノピリジン0.73g(6.0mmol)を加えた。攪拌した該混合溶液に合成例1で得られたトランス−1,2−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン0.43g(3.0mmol)とジクロロメタン3.0mlの混合液をゆっくりと滴下した。溶液からの発泡が納まるまで10分間攪拌した後、減圧下で溶媒及び生成したブタノールを留去し、橙色固体を得た。得られた該固体を減圧下で蒸留し、トランス−1,2−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン(一般式(1)におけるn1が0である脂環族イソシアナート化合物に相当。)0.41g(2.1mmol)得た。IRスペクトルでイソシアナート基の伸縮振動に由来するピークが2220〜2230cm−1に現れることを確認した。
実施例2
窒素ガスで置換した100mlのシュレンク管にジ−tert−ブチルジカーボナート1.8g(8.4mmol)を仕込み、クロロホルム11mlとピリジン0.47g(6.0mmol)を加えた。攪拌した該混合溶液に合成例1で得られたトランス−1,2−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン0.43g(3.0mmol)とクロロホルム3.0mlの混合液をゆっくりと滴下した。溶液からの発泡が納まるまで10分感攪拌した後、減圧下で溶媒及び生成したブタノールを留去し、橙色固体を得た。得られた該固体を減圧下で蒸留し、トランス−1,2−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン0.25g(1.3mmol)得た。IRスペクトルでイソシアナート基の伸縮振動に由来するピークが2220〜2230cm−1に現れることを確認した。
窒素ガスで置換した100mlのシュレンク管にジ−tert−ブチルジカーボナート1.8g(8.4mmol)を仕込み、クロロホルム11mlとピリジン0.47g(6.0mmol)を加えた。攪拌した該混合溶液に合成例1で得られたトランス−1,2−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン0.43g(3.0mmol)とクロロホルム3.0mlの混合液をゆっくりと滴下した。溶液からの発泡が納まるまで10分感攪拌した後、減圧下で溶媒及び生成したブタノールを留去し、橙色固体を得た。得られた該固体を減圧下で蒸留し、トランス−1,2−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン0.25g(1.3mmol)得た。IRスペクトルでイソシアナート基の伸縮振動に由来するピークが2220〜2230cm−1に現れることを確認した。
本発明の新規な脂環族イソシアナート化合物は、反応性の高い1級イソシアナート基を有すると共に、トランス構造を有することから、無黄変性、高硬度及び高い弾性を有するポリウレタン樹脂やポリウレア樹脂の材料として有用性が期待されるものである。
Claims (7)
- 上記一般式(1)において、n1が0であるイソシアナート化合物であることを特徴とする請求項1に記載の脂環族イソシアナート化合物。
- 上記一般式(2)において、n2が0のトランス構造を有するジアミン化合物であることを特徴とする請求項3に記載の脂環族イソシアナート化合物の製造方法。
- 有機カーボナート化合物が、ジ(tert−ブチル)ジカーボナート及び/またはジ(tert−ブチル)トリカーボナートであることを特徴とする請求項3又は4に記載の脂環族イソシアナート化合物の製造方法。
- アミン化合物が、ピリジン化合物であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の脂環族イソシアナート化合物の製造方法。
- アミン化合物が、ピリジン又は4−ジメチルアミノピリジンであることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の脂環族イソシアナート化合物の製造方法。
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2009
- 2009-11-27 JP JP2009270578A patent/JP2011111424A/ja active Pending
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