JP5471232B2 - 静電潜像現像用トナー、静電潜像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

静電潜像現像用トナー、静電潜像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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本発明は、静電潜像現像用トナー、静電潜像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
特許文献1には、有機アルミニウム化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物及び有機シリコーン化合物から選択される少なくとも1種のカップリング剤によってカップリング処理された顔料を含むトナーが記載されている。
また、特許文献2には、カーボンブラックとカーボンブラックとの反応性を有する重合体とを反応して得られるカーボンブラックグラフト重合体を、単量体成分に分散し、乳化重合するかまたは懸濁重合して得られる着色粒子を含む静電荷像現像用トナーが記載されている。
また、特許文献3には、カルボキシル基を含むα−オレフィン系共重合体、カルボキシル基及びグリシジル基を含むα−オレフィン系共重合体、又はこれらの金属塩あるいはエステル化物で被覆された顔料を含む電子写真現像剤が記載されている。
更に、特許文献4には、テトラメトキシシランを縮合物であるオリゴマーで被覆されたカーボンブラック、およびこれを配合してなるゴム組成物が記載されている。
特開2005−165155号公報 特開平5−241378号公報 特開平11−52620号公報 特開平10−46047号公報
本発明は、現像剤の帯電量分布の広がりによる逆極性トナーの発生と、転写率の低下を抑制する静電潜像現像用トナーを提供することを課題とする。
前記課題は、以下の手段により解決される。
即ち、請求項1に係る発明は、
結着樹脂と、
Siに炭素数1以上4以下のアルコキシ基が結合している、テトラアルコキシシラン及び/又はポリアルコキシポリシロキサンの縮合物であるオリゴマーの架橋物を含有する被覆層を表面に有するカーボンブラックと、
を含み、湿式製法で製造された静電潜像現像用トナーである。
請求項に係る発明は、
前記被覆層を有するカーボンブラックの体積抵抗率が、10Ω・cm以上1014Ω・cm以下である請求項1又は請求項2に記載の静電潜像現像用トナーである。
請求項に係る発明は、
請求項1又は請求項2に記載の静電潜像現像用トナーを含有する静電潜像現像用現像剤である。
請求項に係る発明は、
トナーが少なくとも収容され、前記トナーが請求項1又は請求項2に記載の静電潜像現像用トナーであるトナーカートリッジである。
請求項に係る発明は、
請求項に記載の静電潜像現像用現像剤により、静電潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
静電潜像保持体、前記静電潜像保持体表面を帯電する帯電手段、帯電した前記静電潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段、及び前記静電潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写手段からなる群より選ばれる少なくとも一種と、を備えるプロセスカートリッジである。
請求項に係る発明は、
前記転写手段が、中間転写体と、前記静電潜像保持体表面に形成されたトナー像を前記中間転写体表面に転写する第1転写手段と、前記中間転写体表面に転写されたトナー像を被転写体表面に転写する第2転写手段と、を備える請求項に記載のプロセスカートリッジである。
請求項に係る発明は、
静電潜像保持体と、前記静電潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記静電潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、請求項に記載の静電潜像現像用現像剤により、前記静電潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記静電潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写手段と、を備える画像形成装置である。
請求項に係る発明は、
前記転写手段が、中間転写体と、前記静電潜像保持体表面に形成されたトナー像を前記中間転写体表面に転写する第1転写手段と、前記中間転写体表面に転写されたトナー像を被転写体表面に転写する第2転写手段と、を備える請求項に記載の画像形成装置である。
請求項1に係る発明によれば、表面にSi−O結合を有する化合物を含有する被覆層を有するカーボンブラックを含まない場合に比べて、現像剤の帯電量分布の広がりによる逆極性トナーの発生と、転写率の低下を抑制する静電潜像現像用トナーが提供される。
請求項に係る発明によれば、Si−O結合を有する化合物が架橋構造を有していない場合に比べて、現像剤の帯電量分布の広がりによる逆極性トナーの発生と、転写率の低下を抑制するという効果が発揮される。
請求項に係る発明によれば、被覆層を有するカーボンブラックの体積抵抗率が10Ω・cm以上1014Ω・cm以下でない場合に比べて、現像剤の帯電量分布の広がりによる逆極性トナーの発生と、転写率の低下が抑制される。
請求項に係る発明によれば、Si−O結合を有する化合物がシランオリゴマーの縮合物でない場合に比べて、現像剤の帯電量分布の広がりによる逆極性トナーの発生と、転写率の低下が抑制される。
請求項に係る発明によれば、トナーが表面にSi−O結合を有する化合物を含有する被覆層を有するカーボンブラックを含まない場合に比べて、現像剤の帯電量分布の広がりによる逆極性トナーの発生と、転写率の低下を抑制する静電潜像現像用現像剤が提供される。
請求項に係る発明によれば、トナーが表面にSi−O結合を有する化合物を含有する被覆層を有するカーボンブラックを含まない場合に比べて、画像濃度の低下が抑制されるトナーカートリッジが提供される。
請求項に係る発明によれば、トナーが表面にSi−O結合を有する化合物を含有する被覆層を有するカーボンブラックを含まない場合に比べて、画像濃度の低下が抑制されるプロセスカートリッジが提供される。
請求項に係る発明によれば、転写手段が中間転写体を介して被転写体表面にトナー像を転写する手段でない場合に比べて、画像濃度の低下が抑制されるという効果が発揮される。
請求項に係る発明によれば、トナーが表面にSi−O結合を有する化合物を含有する被覆層を有するカーボンブラックを含まない場合に比べて、画像濃度の低下が抑制される画像形成装置が提供される。
請求項に係る発明によれば、転写手段が中間転写体を介して被転写体表面にトナー像を転写する手段でない場合に比べて、画像濃度の低下が抑制されるという効果が発揮される。
本実施形態に係る画像形成装置の第一の例を示す全体構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の第二の例を示す全体構成図である。
<静電潜像現像用トナー>
本実施形態に係る静電潜像現像用トナー(以下、「本実施形態に係るトナー」という場合がある。)は、結着樹脂と、表面にSi−O結合を有する化合物を含有する被覆層を有するカーボンブラック(以下、「被覆カーボンブラック」という場合がある。)と、を含み、湿式製法で製造されたことを特徴とする。
ここで、本発明では、「Si−O結合を有する化合物」の中でも、Siに炭素数1以上4以下のアルコキシ基が結合している、テトラアルコキシシラン及び/又はポリアルコキシポリシロキサンの縮合物であるオリゴマーの架橋物を用いることを要する。
トナーの構成成分としてカーボンブラックを用いると、転写性が低下するという現象が発生しやすくなる場合がある。また、トナーの消費量を低減させ、濃度を維持する為には、カーボンブラックを多く含有させることが好まれるが、カーボンブラックを多く含有させることにより、転写性が低下するという現象が顕著になる場合がある。
これは、トナーは静電力により現像、転写されるが、カーボンブラックを用いることにより、トナーの抵抗が低くなり、転写工程で電荷の注入が発生し、帯電性が変化し、転写性が低下すると考えられる。特に複数(多色)のトナーを中間転写体に転写させ、更に中間転写体に転写されたトナーを記録媒体等に一括転写させて画像形成する場合、トナーを中間転写体を経ずに記録媒体等に転写させて画像形成する場合に比べて、高い転写電圧が必要となり、トナーの抵抗が低いと、高転写電圧下でより多くの電荷が注入し、転写性が低下するという現象が発生しやすくなる傾向がある。
また、トナーの形状の制御の容易性、小径化の観点から、トナーの製造方法として、湿式製法は有効であるが、湿式製法で製造されたトナーは、他の製造方法で製造されたトナーに比べて、転写性が低下するという現象が顕著に現れる場合がある。これは湿式製法ではカーボンブラックが水や水系の溶媒と接触することから、カーボンブラックに水や水系の溶媒が付着し、これがトナーに残存するため、トナーの抵抗を下げ、転写性が低下すると考えられる
本実施形態に係るトナーは、湿式製法で製造されるが、被覆カーボンブラックを用いているため、転写率の低下を抑制するトナーとなる。これは前記被覆カーボンブラックは、それ自体の抵抗率が高いこと、及びその被覆層に含まれるSi−O結合を有する化合物が疎水性であるため、湿式製法で製造してもカーボンブラックに水や水系の溶媒が付着することが防止されるため、抵抗率が高い状態が維持されることに起因すると考えられる。この結果、トナーの抵抗の低下が抑制され、転写率の低下を抑制するトナーとなると考えられる。
以下、本実施形態に係るトナーの各成分について説明する。
本実施形態に係るトナーは、結着樹脂と、表面にSi−O結合を有する化合物を含有する被覆層を有するカーボンブラックと、を含み、更に離型剤等の他の成分を含んでもよい。
先ず、前記被覆カーボンブラックから説明する。
前記被覆カーボンブラックにおいて、被覆されるカーボンブラックとしては、特に制限はないが、例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等が挙げられる。前記カーボンブラックとしては、より高い画像濃度が得られる点で一次粒径は小さい方が好ましく、具体的には、100nm以下が好ましく、50nmがより好ましい。
また、前記カーボンブラックとしては、窒素比表面積が10m/g以上400m/g以下のカーボンブラックが挙げられる。尚、窒素比表面積とは、吸着した窒素量から求めたカーボンブラック1g当たりの表面積を意味し、BET式比表面積測定器(島津製作所製:フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定した値である。
また、前記カーボンブラックとしては、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が20ml/100g以上400ml/100g以下であるカーボンブラックが好ましい。尚、DBP(ジブチルフタレート)吸油量とは、ASTM D2414−6TTに定義されており、カーボンブラック100gに吸収されるDBP量(ml)が多いか少ないかを表すものである。
前記Si−O結合を有する化合物としては、Si−O結合を有していれば、処理のしやすさの点で、分子量が50以上1000以下のオリゴマー又はポリマーが好ましく、50以上800以下のオリゴマー又はポリマーがより好ましい。また、Siにアルコキシ基が結合している形態が好ましく挙げられる。尚、本実施形態では、分子量が1000以下の重合体をオリゴマー、分子量が1000を超える重合体をポリマーとする。なお被覆層を形成する点でシランカップリング剤等のモノマーは、Si−O結合を有しているものの好ましくない。
前記Si−O結合を有する化合物としては、多数のアルコキシ基を有し、カーボンブラックへの付着が良い点で、Siに炭素数1以上4以下のアルコキシ基が結合している、テトラアルコキシシラン及びポリアルコキシポリシロキサンから選択される少なくとも何れかであることが好ましい。
また、前記Si−O結合を有する化合物としては、縮合物が好ましく、シランオリゴマーの縮合物がより好ましく、テトラアルコキシシラン及び/又はポリアルコキシポリシロキサンの縮合物が更に好ましい。
また、前記アルコキシ基を、エステル交換その他の手段により他の有機基で変性してもよい。具体的には、より長鎖の有機基を有するアルコールと反応させ、より長鎖の有機基を導入する等、各種の活性水素含有化合物等で所望の有機基を導入してもよい。
また、前記Si−O結合を有する化合物は、カーボンブラックとの結合力が強まり、転写率の低下を抑制するという効果が発揮される点で、架橋構造を有することが好ましい。尚、架橋構造を有する事で、OH基、O−Me基の存在が減少し、Si−O結合への水分子吸着が抑制される。
前記Si−O結合を有する化合物として、具体的には、テトラメトキシシランの縮合物であるオリゴマーが好ましい。例えば、三菱化学(株)製「MKCシリケートMS51」が、含有するモノマー(すなわちテトラメトキシシラン)の量が1質量%以下と少なく、このため品質安定性に優れる点で好ましく挙げられる。
また、加水分解縮合物として、例えば上記テトラメトキシシランのオリゴマーをアルコール中で加水分解縮合した「MKCシリケートMS51SG1」(三菱化学(株)製)が、加水分解によりシラノール基が多数生成しているため、好ましく挙げられる。
また、前記Si−O結合を有する化合物を架橋させる方法としては、被覆されたカーボンを100℃以上で加熱する事で効率的に架橋構造が得られる。
前記Si−O結合を有する化合物の被覆量としては、抵抗が下がりすぎることが抑制され、凝集が発生し擬似一次粒径が大きくなり、得られる画像濃度が低下することが抑制される点で、カーボンブラック100質量部に対し、0.1質量部以上50質量部以下が好ましく、0.2質量部以上30質量部以下がより好ましい。
また、前記被覆層の厚みとしては、0.1nm以上40nm以下が挙げられる。尚、前記被覆層の厚みは、透過型電子顕微鏡写真で確認する。具体的には、EDX(エネルギー分散型 蛍光X線装置)等の手段によりSi−O結合を有する化合物であることが確認された箇所について、透過型電子顕微鏡写真により厚みを確認するか、必要に応じて画像処理して厚みを測定する。
本実施形態に係るトナーにおいて、前記被覆カーボンブラックの体積抵抗率としては、転写率の低下を抑制するという効果が発揮され、かつ体積抵抗率の制御が容易である範囲として、10Ω・cm以上1014Ω・cm以下が挙げられ、10Ω・cm以上1010Ω・cm以下が好ましい。前記体積抵抗率は、25℃における体積抵抗率であり、前記Si−O結合を有する化合物を含有する被覆層の被覆量により制御される。
本実施形態に係るトナーにおける前記被覆カーボンブラックの含有量は、濃度の点で、3質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
次に、被覆カーボンブラック以外の成分について説明する。
前記結着樹脂としては、公知の結着樹脂が挙げられる。例えば、スチレン類、モノオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルエステル、メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン等の単独重合体あるいは共重合体が挙げられる。
前記結着樹脂として具体的には、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンが挙げられる。更に、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィン、ワックス類が挙げられる。この中でも、特にポリエステルを結着樹脂とすることが好ましい。
また、前記離型剤としては、公知の離型剤が挙げられる。
例えば、離型剤として、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロピィシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等が挙げられる。
さらに、本実施形態に係るトナーには、他の成分としてアゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤等の公知の帯電制御剤を添加してもよい。
本実施形態に係るトナーは、湿式製法で製造される。
湿式製法とは、溶液中で造粒物を造粒しトナーを得る方法であり、例えば、(1)結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤(被覆カーボンブラック)、離型剤、及び必要に応じて帯電制御剤等の内添剤の分散液とを混合し、凝集させた後、樹脂のガラス転移温度以上に加熱し融着させ、トナーを得る乳化重合凝集法。(2)結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の内添剤の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法。(3)結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等が挙げられる。また、これらの方法で得られた粒子をコアにして、さらに凝集粒子(樹脂粒子)を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法など、公知の方法が使用される。これらのトナーの製造方法の中でも、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法が好ましく、乳化重合凝集法が特に好ましい。
また、本実施形態に係るトナーは、外添剤を外添させてもよい。該外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられ、該無機粒子として、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。
また、前記外添剤の表面は、予め疎水化処理をしてもよい。この疎水化処理によりトナーの粉体流動性が改善されるほか、帯電の環境依存性、及び耐キャリア汚染性に対しても有効である。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態に係るトナーは、湿式製法で製造するため、トナーの形状の制御、及び小径化が容易となる。
本実施形態に係るトナーの体積平均粒径は、トナーの消費量が抑えられる点で、2μm以上12μm以下が好ましく、3μm以上9μm以下がより好ましい。前記トナーの体積平均粒径は、次のようにして測定し算出した。まず、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)の測定器を用いて測定されたトナーの粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、個々のトナーの体積について小径側から累積分布を描き、累積50%となる粒径を、体積平均粒子径と定義する。
また、本実施形態に係るトナーは、転写率の低下を抑制するという効果が発揮される点で、形状係数SF1(=((トナー径の絶対最大長)/トナーの投影面積)×(π/4)×100)が、100以上140以下が好ましく、100以上120以下がより好ましい。なお、形状係数SF1の値は、トナーの丸さを示すものであり、真球の場合は100となり、トナーの形状が不定形になるに従って増大するものである。また、形状係数SF1を用いた算出に際して必要となる値、すなわち、トナー径の絶対最大長、トナーの投影面積は光学顕微鏡(ニコン製、Microphoto−FXA)を用いて倍率500倍に拡大したトナー像を撮影し、得られた画像情報をインターフェースを介して例えばニコレ社製画像解析装置(LuzexIII)に導入して画像解析を行って求めた。なお、形状係数SF1平均値は、無作為にサンプリングした1000個のトナーを測定して得られたデータを元にして算出した。
本実施形態に係るトナーは、前記被覆カーボンブラックを用いることにより、トナーの抵抗が低下することが抑制されるため、トナーの誘電損率が低く抑えられる。本実施形態に係るトナーの誘電損率は、転写率の低下を抑制するという効果が顕著になる点で、5以上20以下であることが好ましく、5以上15以下であることがより好ましい。ここで、誘電損率の測定は、トナー粉体を錠剤に成形し、錠剤の含水率を0.5質量%以下に調整し、これを誘電体測定用電極に設置し、100kHzまでの交流電場にかけて測定する。具体的には、トナー5gをペレットに成形し、固体用電極(安藤電気社製、4274A)間にセットし、電気伝導度計(横川ヒューレットパッカード社製)で5Vの電圧を印加して伝導度を測定し、下記式で誘電損率を求めた。
・誘電損率=〔14.39/(W×D)〕×G×T×1015
(式中、W=2πf、f:測定周波数100kHz、D:電極直径(cm)、G:試料の伝導度(s)、T:試料のペレットの厚さ(cm)を表す)
なお、含水率は1gを精確に秤量してこれをW1 とし、110℃で1時間乾燥した後の乾燥減量をW2 とするときに次式で含水率を求める。
・含水率(質量%)=〔(W1 −W2 )/W1 〕×100
<静電潜像現像用現像剤>
本実施形態に係る静電潜像現像用現像剤は、既述の本実施形態に係るトナーを含有する。
本実施形態に係るトナーは、そのまま一成分現像剤として、あるいは二成分現像剤として用いられる。二成分現像剤として用いる場合にはキャリアと混合して使用される。
二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが用いられる。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等が挙げられる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアに使用される被覆樹脂・マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
導電材料としては、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、更に酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
またキャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが好ましい。キャリアの芯材の体積平均粒子径としては、一般的には10μm以上500μm以下の範囲にある。
前記二成分現像剤における本実施形態に係るトナーと上記キャリアとの混合比(トナー:キャリア、質量比)としては、例えば1:100以上30:100以下が挙げられる。
<トナーカートリッジ、プロセスカートリッジおよび画像形成装置>
本実施形態に係るトナーカートリッジ(以下、「本実施形態に係るカートリッジ」という場合がある。)は、トナーが少なくとも収容され、前記トナーが既述の本実施形態に係るトナーであることを特徴とする。この構成にすることにより、本実施形態に係るトナーが画像形成装置の現像手段に供給される。従って、高い転写率が維持され、画像濃度の低下が抑制される。
本実施形態に係る画像形成装置は、静電潜像保持体と、前記静電潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記静電潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、記述の本実施形態に係る静電潜像現像用現像剤により、前記静電潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記静電潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写手段と、を備えることを特徴とする。この構成にすることにより、高い転写率が維持され、画像濃度の低下が抑制される。
また、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電潜像現像用現像剤により、静電潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、静電潜像保持体、前記静電潜像保持体表面を帯電する帯電手段、帯電した前記静電潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段、及び前記静電潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写手段からなる群より選ばれる少なくとも一種と、を備えることを特徴とする。この構成にすることにより、高い転写率が維持され、画像濃度の低下が抑制される。
本実施形態に係る画像形成装置及び本実施形態に係るプロセスカートリッジは、前記転写手段が、中間転写体と、前記静電潜像保持体表面に形成されたトナー像を前記中間転写体表面に転写する第1転写手段と、前記中間転写体表面に転写されたトナー像を被転写体表面に転写する第2転写手段と、を備えていることが好ましい態様である。
中間転写体を用いて、複数(多色)のトナーを中間転写体に転写させ、更に中間転写体に転写されたトナーを記録媒体等に一括転写させて画像形成する場合、トナーを中間転写体を経ずに記録媒体等に転写させて画像形成する場合に比べて、転写性が低下するという現象が発生しやすくなる傾向がある。しかし本実施形態に係る静電潜像現像用現像剤を用いることにより、転写率の低下が抑制されるため、画像濃度の低下が抑制される。
以下、本実施形態に係るトナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を図面を参照しつつ説明する。なお、同様の機能を有する部材には、全図面を通じて同じ符合を付与し、その説明を省略することがある

図1は、本実施形態に係る画像形成装置の第一の例を示す全体構成図である。
この画像形成装置1000は、電子写真方式を採用したモノクロの片面出力プリンタである。
本実施形態に係る画像形成装置1000は、図1に示すように、図の矢印B方向に回転する電子写真感光体(静電潜像保持体、以下、感光体と称する)61と、電源65aから電力の供給を受けて、感光体61に接触しながら回転することで感光体61表面を帯電する帯電手段である帯電部材65とを備えている。
また、この画像形成装置1000には、感光体61に向けてレーザ光を発し、感光体61表面に、周囲より電位の高くなった静電潜像を形成する静電潜像形成手段である露光部67、黒色トナーを含む現像剤を用いて感光体61表面に形成された静電潜像にモノクロ(黒)のトナーを付着させることにより静電潜像を現像することでトナー画像を形成する現像手段である現像器64、トナー画像が形成された感光体61に、搬送されてくる用紙を押圧することで感光体61表面に形成されたトナー画像を被転写体である用紙上に転写する転写手段である転写ロール66、用紙上に転写されたトナー画像に対し熱および圧力を加えることで転写像の用紙への定着を行う定着手段である定着器70、感光体61に接触し、トナー画像の転写後に感光体61表面に付着したまま残留した残留トナーを除去するクリーニング手段であるクリーニング装置62、トナー画像の転写後に感光体61に残留した電荷を除去する除電ランプ67aも備えられている。
この画像形成装置1000では、帯電部材65および感光体61は、いずれもロール状であってこれらのロールの両端は、いずれも支持部材100aに、ロールが回転する様態で支持されている。また、この支持部材100aには、上記の、クリーニング装置62および現像器64も接続されており、このように帯電部材65、感光体61、クリーニング装置62、および現像器64が支持部材100aに一体化されることで、プロセスカートリッジ100が構成されている。
画像形成装置1000にこのプロセスカートリッジが組み込まれることにより、これらのプロセスカートリッジの構成要素である各部が画像形成装置1000に備えられることとなる。このプロセスカートリッジ100が、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例に相当する。
以下、この画像形成装置1000における画像形成の動作について説明する。
この画像形成装置1000には、黒トナーが蓄えられた不図示のトナーカートリッジが備えられており、このトナーカートリッジにより現像器64にトナーの補給が行われる。また、トナー画像が転写されるために用いられる用紙は、用紙蓄積部材80の中に蓄えられており、ユーザから画像形成が指示されると用紙蓄積部材80から搬送されて、転写ロール66においてトナー画像の転写が行われた後、図の左方向に向かって搬送されていく。図1においては、この時の用紙搬送路が、左向きの矢印で示す経路として示されており、用紙はこの用紙搬送路を通って定着器70において、用紙上に転写された転写像の定着が行われた後、左方向に排出される。
感光体61は、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線が照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。
帯電部材65が感光体61を帯電させる際には、帯電部材65に電圧が印加される。電圧の範囲としては、直流電圧は要求される感光体の帯電電位に応じて正または負の50V以上2000V以下が好ましく、100V以上1500V以下がより好ましい。交流電圧を重畳する場合は、ピーク間電圧が400V以上1800V以下が好ましく、800V以上1600V以下がさらに好ましい。交流電圧の周波数は50Hz以上20,000Hz以下、好ましくは100Hz以上5,000Hz以下である。
帯電部材65としては、芯材の外周面に弾性層、抵抗層、保護層等を設けたものが好適に用いられる。帯電部材65は、感光体61に接触させることにより特に駆動手段を有しなくとも感光体61と同じ周速度で回転し、帯電手段として機能するが、帯電部材65に駆動手段を取り付け、感光体61とは異なる周速度で回転させて帯電させてもよい。
露光部67としては、電子写真感光体表面に、半導体レーザ、LED(light emitting diode)、液晶シャッター等の光源を所望の像様に露光する光学系装置等が適用される。
現像器64としては、一成分系、二成分系等の正規又は反転現像剤を用いた従来より公知の現像装置等が適用される。
転写手段としては、転写ロール66等の接触帯電部材の他、ベルト、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、あるいはコロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等、が挙げられる。
クリーニング装置62は、転写工程後の電子写真感光体の表面に付着する残存トナーを除去するためのもので、これにより清浄面化された電子写真感光体は上記の画像形成プロセスに繰り返し供される。クリーニング装置としては、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、ロールクリーニング等が適用されるが、これらの中でもクリーニングブレードが好ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
本実施形態に係る画像形成装置は、除電ランプ67aが備えられているため、電子写真感光体が繰り返し使用される場合に、電子写真感光体の残留電位が次のサイクルに持ち込まれる現象が防止されるので、画像品質をより高められる。なお、本実施形態に係る画像形成装置においては必要に応じて除電ランプ67aを備えていればよい。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の第二の例を示す全体構成図である。
この実施形態の画像形成装置1001は、片面出力用のカラープリンタである。
この画像形成装置1001には、図の矢印Bk,Bc,Bm,By方向にそれぞれ回転する、電子写真感光体である感光体61K,61C、61M,61Yが備えられている。ここで、感光体61K,61C、61M,61Yが、本実施形態に係る電子写真感光体の一例に相当する。
また、各感光体の周囲には、各感光体に接触しながら回転することで感光体表面を帯電する帯電手段である帯電部材65K,65C,65M,65Y、帯電した各感光体上にレーザ光の照射によりブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色についての静電潜像を形成する静電潜像形成手段である露光部67K,67C,67M,67Y、各感光体上の静電潜像を各色のトナーを含む現像剤で現像して各色のトナー画像を形成する画像形成手段である現像器64K,64C,64M,64Yが備えられている。
この画像形成装置1001では、上記の各構成要素のうち、ブラック用の、帯電部材65K、感光体61K、クリーニング装置62K、および現像器64Kは、一体化されてプロセスカートリッジ100Kの構成要素となっており、同様に、シアン用の、帯電部材65C、感光体61C、クリーニング装置62C、現像器64Cの組、マゼンタ用の、帯電部材65M、感光体61M、クリーニング装置62M、現像器64Mの組、および、イエロー用の、帯電部材65Y、感光体61Y、クリーニング装置62Y、現像器64Yの組が、それぞれ一体化されてプロセスカートリッジ100C,100M,100Yの構成要素となっている。画像形成装置1001にこれら4つのプロセスカートリッジが組み込まれることにより、これらのプロセスカートリッジの構成要素である各部が画像形成装置1001に備えられることとなる。これらのプロセスカートリッジ100K,100C,100M,100Yそれぞれが、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例に相当する。
また、この画像形成装置1001には、各感光体上で形成された各色のトナー画像の転写(1次転写)を受けて1次転写像を運搬する中間転写体である中間転写ベルト50、中間転写ベルト50への各色のトナー画像の1次転写が行われる1次転写ロール66K,66C,66M,66Y、用紙への2次転写が行われる2次転写ロール対69、用紙上の2次転写されたトナー画像の定着を行う定着手段である定着器70、4つの現像器にそれぞれの色成分のトナーをそれぞれ補給する、4つのトナーカートリッジ40K,40C,40M,40Y、用紙を蓄える用紙蓄積部材80も備えられている。
なお、本実施形態に係る被転写体とは、電子写真感光体上に形成されたトナー像を転写する媒体であれば特に制限はない。例えば、電子写真感光体から直接、紙等の被転写体に転写する場合は、紙等が被転写体である。また、中間転写体を用いる場合には、中間転写体が被転写体である。
ここで、中間転写ベルト50は、駆動ロール50aから駆動力を受けながら2次転写ロール69bと駆動ロール50aとにより張力が付与された状態で図の矢印A方向に循環移動する。
なお、上述の説明においては中間転写体として中間転写ベルト50を使用する場合について説明したが、中間転写体は、上記中間転写ベルト50のようにベルト状であってもよく、ドラム状であってもよい。ベルト状とする場合中間転写体の基材として用いる樹脂材料としては、従来公知の樹脂を用いられる。例えば、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンテレフタレート(PAT)、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド等の樹脂材料及びこれらを主原料としてなる樹脂材料が挙げられる。さらに、樹脂材料と弾性材料をブレンドして用いてもよい。
次に、この画像形成装置1001における画像形成の動作について説明する。
4つの感光体61K,61C、61M,61Yは、帯電部材65K,65C,65M,65Yによりそれぞれ帯電され、さらに露光部67K,67C,67M,67Yから照射されるレーザ光を受けて各感光体上に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、現像器64K,64C,64M,64Yによってそれぞれの色のトナーを含む現像剤で現像されてトナー画像が形成される。このようにして形成された各色のトナー画像は、各色に対応した1次転写ロール66K,66C,66M,66Yにおいて、中間転写ベルト50上に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に順次転写(1次転写)されて重ね合わされていき、多色の1次転写像が形成される。
そして、この多色の1次転写像は、中間転写ベルト50により2次転写ロール対69まで運搬されていく。一方、多色の1次転写像の形成と呼応して、用紙が用紙蓄積部材80から取り出されて搬送ロール81によって搬送され、さらに位置合せロール対82によって位置を整えられる。そして、2次転写ロール対69によって、上述の多色の1次転写像が、搬送されてきた用紙に転写(2次転写)され、さらに定着器70によって用紙上の2次転写像に定着処理が施される。定着処理後、定着像を有する用紙は、送出ロール対83を通過して、排紙受け84に排出される。
以上が、この画像形成装置1001における画像形成の動作についての説明である。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例において、特に断らない限り、「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味するものとする。
(着色剤の作製)
−着色剤1の作製−
カーボンブラックとして「Regal330」(キャボット(株)製)100部をラボ造粒装置に入れる。これとは別に、テトラメトキシシランの低縮合物であるオリゴマー(商品名:「MKCシリケートMS51」三菱化学(株))4部をノニオン系界面活性剤(商品名:「エマルゲン920」花王(株))で乳化し、上記「Regal330」を入れたラボ造粒装置に、水と共に入れる。その後、ラボ造粒装置の蓋を閉め、60℃で1分間高速攪袢する。こうして得られた処理物を120℃のドライヤーで乾燥させ、架橋構造を有するシランオリゴマーを含む被覆層で被覆されたカーボンブラックである着色剤1を得た。尚、既述の方法で測定した着色剤1の被覆層の厚みは4nmであった。
−着色剤2の作製−
着色剤1の作製において、MKCシリケートMS51の添加量を8部に変更したこと以外、着色剤1の作製と同様にして、架橋構造を有するシランオリゴマーを含む被覆層で被覆されたカーボンブラックである着色剤2を得た。尚、既述の方法で測定した着色剤2の被覆層の厚みは8nmであった。
−着色剤3の作製−
カーボンブラック「R330」(キャボット(株)製)を着色剤3とした。
−着色剤4の作製−
カーボンブラックとして「Regal330」(キャボット(株)製)60部を、純水1300部とエタノール50部の混合液に入れ、直径1mmのジルコニアビーズを入れたサンドミルにて分散した。次いで、エピコート630(油化シェルエポキシ社製)6.7部をトルエン60部に溶解させた樹脂溶液に2−エチル−4−メチルイミダゾール(商品名:「EMI24」、油化シェルエポキシ製)硬化剤1.3質量部を加えて十分に溶解した後、水600部及びエタノール120部を加え、ホモジナイザーにより9000回転で30分攪拌して樹脂エマルジョンを調製した。
次いで、スクリューで攪拌したカーボンブラック分散液に上記の樹脂エマルジョン又は樹脂溶液を徐々に加え、カーボンブラック表面を樹脂で被覆処理した。そして、攪拌を維持したまま加温し、トルエンが蒸発してから4時間70℃で硬化処理を行った。次いで、濾過により水切りした後、真空乾燥機に入れ、62℃で10時間乾燥させ、水分と溶媒を除去し、架橋構造を有するエポキシ樹脂を含む被覆層で被覆されたカーボンブラックである着色剤4を得た。
−着色剤5の作製−
「Regal330」(キャボット(株)製)50質量部を、チタンカップリング剤(プレンアクトKR41B:味の素社製)の0.5%のメチルエチルケトン溶液100部に1時間浸漬させた後、これを加熱乾燥させて、チタンカップリング処理されたカーボンブラックである着色剤5を得た。
−着色剤6の作製−
着色剤1の作製におけるドライヤー乾燥を、減圧乾燥とし、乾燥温度を40℃とした以外は同様にして、架橋レベルの低いシランオリゴマーを含む被覆層で被覆されたカーボンブラックである着色剤6を得た。尚、既述の方法で測定した着色剤6の被覆層の厚みは5nmあった。
−着色剤7の作製−
着色剤1の作製において、MKCシリケートMS51の添加量を0.7部に変更したこと以外、着色剤1の作製と同様にして、架橋構造を有するシランオリゴマーを含む被覆層で被覆されたカーボンブラックである着色剤7を得た。尚、既述の方法で測定した着色剤2の被覆層の厚みは0.8nmであった。
−着色剤8の作製−
着色剤1の作製において、MKCシリケートMS51の添加量を25部に変更したこと以外、着色剤1の作製と同様にして、架橋構造を有するシランオリゴマーを含む被覆層で被覆されたカーボンブラックである着色剤8を得た。尚、既述の方法で測定した着色剤2の被覆層の厚みは32nmであった。
−結晶性ポリエステル樹脂分散液の調製−
・セバシン酸ジメチル:52mol%
・1,6−ヘキサンジオール:48mol%
・ジブチル錫オキサイド:0.05mol%
以上の成分をフラスコ内で混合し、減圧雰囲気下220℃まで加熱し、6時間脱水縮合反応を行うことで、結晶性ポリエステル樹脂を得た。得られた樹脂の溶融温度は68℃、重量平均分子量Mw=25000であった。
次いで、この結晶性ポリエステル樹脂80部および脱イオン水720部をステンレスビーカーに入れ、温浴につけて98℃に加熱した。結晶性ポリエステル樹脂(A)が溶融した時点で、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて7000rpmで攪拌した。その後、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンRK;20%)1.8部を滴下しながら乳化分散を行い、平均粒径が0.23μmの結晶性ポリエステル樹脂分散液〔樹脂粒子濃度:10%〕を得た。
−非晶性ポリエステル樹脂分散液の調製−
攪拌機、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた反応容器中に、下記組成(a)に示す酸成分とアルコール成分とを1:1(モル比)の割合で投入し、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した。その後、触媒としてジブチル錫オキシドを下記組成(a)に示す材料に対して0.05mol%の割合で加え、窒素ガス気流下195℃で6時間攪拌反応させ、さらに温度を240℃に上げて6時間攪拌反応させた。その後、反応容器内を10.0mmHgまで減圧し、減圧下で0.5時間攪拌反応させて、淡黄色透明なポリエステル樹脂を得た。
次いで、得られたポリエステル樹脂を、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)を高温高圧型に改造した分散機を用いて分散した。イオン交換水濃度80%、ポリエステル樹脂濃度20%の組成比で、アンモニアによりpHを8.5に調整し、回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cm、熱交換器による加熱140℃、の条件でキャビトロンを運転し、非晶性ポリエステル樹脂分散液[樹脂濃度:20%]を得た。
≪組成(a)≫
(酸成分)
・テレフタル酸ジメチル:30mol%
・フマル酸ジメチル:70mol%
(アルコール成分)
・ビスフェノールA−エチレンオキサイド1mol付加物:10mol%
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド1mol付加物:90mol%
−離型剤分散液の調製−
・ポリエチレンワックス
(東洋ペトロライト社製、Polywax725、融点:104℃):50部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK):5部
・イオン交換水:200部
以上の各成分を混合し110℃に加熱溶融させ、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社)で分散処理し、体積平均粒径が220nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(離型剤濃度:20%)を調製した。
−着色剤分散液(1)の調製−
・着色剤1:1000部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR):150部
・イオン交換水:9000部
以上の成分を混合・溶解し、直径1mmのジルコニアビーズを入れたサンドミルにて1時間分散し、更に着色剤1の濃度が20%になるようにイオン交換水にて調整して、着色剤分散液(1)を調製した。着色剤分散液(1)におけるカーボンブラックの体積平均粒径は150nmであった。
−着色剤分散液(2)の調製−
・着色剤2:1000部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR):150部
・イオン交換水:9000部
以上の成分を混合・溶解し、直径1mmのジルコニアビーズを入れたサンドミルにて1時間分散し、更に着色剤2の濃度が20%になるようにイオン交換水にて調整して、着色剤分散液(2)を調製した。着色剤分散液(2)におけるカーボンブラックの体積平均粒径は180nmであった。
−着色剤分散液(3)の調製−
・着色剤3:1000部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR):150部
・イオン交換水:9000部
以上の成分を混合・溶解し、直径1mmのジルコニアビーズを入れたサンドミルにて1時間分散し、更に着色剤3の濃度が20%になるようにイオン交換水にて調整して、着色剤分散液(3)を調製した。着色剤分散液(3)におけるカーボンブラックの体積平均粒径は120nmであった。
−着色剤分散液(4)の調製−
・着色剤4:1000部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR):150部
・イオン交換水:9000部
以上の成分を混合・溶解し、直径1mmのジルコニアビーズを入れたサンドミルにて1時間分散し、更に着色剤4の濃度が20%になるようにイオン交換水にて調整して、着色剤分散液(4)を調製した。着色剤分散液(4)におけるカーボンブラックの体積平均粒径は190nmであった。
−着色剤分散液(5)の調製−
・着色剤5:1000部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR):150部
・イオン交換水:9000部
以上の成分を混合・溶解し、直径1mmのジルコニアビーズを入れたサンドミルにて1時間分散し、更に着色剤5の濃度が20%になるようにイオン交換水にて調整して、着色剤分散液(5)を調製した。着色剤分散液(5)におけるカーボンブラックの体積平均粒径は130nmであった。
−着色剤分散液(6)の調製−
・着色剤6:1000部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR):150部
・イオン交換水:9000部
以上の成分を混合・溶解し、直径1mmのジルコニアビーズを入れたサンドミルにて1時間分散し、更に着色剤6の濃度が20%になるようにイオン交換水にて調整して、着色剤分散液(6)を調製した。着色剤分散液(6)におけるカーボンブラックの体積平均粒径は160nmであった。
−着色剤分散液(7)の調製−
・着色剤7:1000部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR):150部
・イオン交換水:9000部
以上の成分を混合・溶解し、直径1mmのジルコニアビーズを入れたサンドミルにて1時間分散し、更に着色剤7の濃度が20%になるようにイオン交換水にて調整して、着色剤分散液(7)を調製した。着色剤分散液(7)におけるカーボンブラックの体積平均粒径は135nmであった。
−着色剤分散液(8)の調製−
・着色剤8:1000部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR):150部
・イオン交換水:9000部
以上の成分を混合・溶解し、直径1mmのジルコニアビーズを入れたサンドミルにて1時間分散し、更に着色剤8の濃度が20%になるようにイオン交換水にて調整して、着色剤分散液(8)を調製した。着色剤分散液(8)におけるカーボンブラックの体積平均粒径は210nmであった。
<実施例1>
(トナー(1)の作製)
−結晶性ポリエステル樹脂含有トナー母粒子の調製−
・結晶性ポリエステル樹脂分散液:150部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液:350部
・離型剤分散液:40部
・着色剤分散液(1):60部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中においてホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)で混合・分散した。次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.20部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。
更に、攪拌機、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌するように攪拌機の回転数を調整しながら、50℃まで、0.5℃/分で昇温し、50℃で15分保持した後、0.05℃/分で昇温しながら、10分ごとにコールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm、コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が3.0μmとなったところで、非晶性ポリエステル樹脂分散液80部を3分間かけて投入した。投入後30分間保持した後、5%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、5℃ごとにpHを9.0に調整しながら、昇温速度1℃/分で96℃まで昇温し、96℃で保持した。30分ごとに光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて粒子形状及び表面性を観察したところ、5時間目で球形化してきたので、1℃/分で20℃まで降温して粒子を固化させた。
その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水にて洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることにより、結晶性ポリエステル樹脂を含有したトナー粒子1を得た。
得られたトナー粒子1:100部に対してコロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1部を加え、ヘンシェルミキサーにて外添混合を行い、結晶性ポリエステル樹脂を含有したトナー(1)を得た。尚、トナー(1)の体積誘電損率は12であった。また、トナー(1)に含まれる着色剤1の体積抵抗率は10Ω・cmであった。
(キャリアの作製)
−樹脂層形成用溶液(芯材被覆層形成用溶液)の調製−
・ポリメチルメタクリレート樹脂粒子
(分子量=60万、平均粒径=0.15μm、ガラス転移温度Tg=120℃):6部
・カーボンブラック(Regal330R、キャボット(株)製):3部
・樹脂粒子(架橋メラミン樹脂粒子;平均粒径0.3μm):0.3部
・トルエン100部
上記成分をホモジナイザーで10分攪拌/分散して、芯材被覆層形成用溶液を得た。
この溶液を用いて、回分式ニーダーを用いて被覆率が100%となるように単層コートして、キャリアを作製し、芯材被覆層の電気抵抗を測定したところ4.0×1014Ω・cmであった。
(現像剤の作製)
上記キャリア100部に対し、トナー(1):6部をVブレンダーにて20分間混合し、現像剤(1)を得た。
(評価)
現像剤(1)を用いて、Fujixerox社製Apeosport III C6500の改造機により、29℃,85%RH環境下で以下の評価を実施した。
具体的にはイエロー色、マゼンタ色、シアン色の現像剤として、C6500用現像剤を用い、黒色現像剤として、現像剤(1)を用いた。また、紙は富士ゼロックス社製C2紙を用いた。
評価は、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、黒色のベタ画像(転写像)を作成し、この画像作成における帯電と転写効率を評価した。
(帯電評価)
帯電評価は、感光体上の画像上(感光体上)のトナー、中間転写体上の転写前の画像上(中間体転写前)のトナー、及び転写後の中間転写体上の残画像上(中間体転写残)のトナーそれぞれのトナーの逆極性トナー量を電荷分布測定装置(イースパートアナライザー:細川ミクロン社製)を測定し、以下の基準で評価した。その結果を表1に示す。尚、評価は◎、○を合格とした。
[帯電評価基準]
◎:逆極性トナーの量が5%未満である。
○:逆極性トナーの量が5%以上20%未満である。
△:逆極性トナーの量が20%以上40%未満である。
×:逆極性トナーの量が40%以上である。
(転写効率の評価)
転写前の中間転写体上のトナー単位あたり重量と、転写後の紙上に転写されたトナー単位あたり重量を測定し、以下の式より転写効率を測定した。その結果を表1に示す。尚、該転写効率は90%以上が許容範囲である。
(紙上に転写されたトナーの単位面積あたりの重量)/(転写前の中間転写体上のトナーの単位面積あたりの重量)×100
<実施例2>
トナー(1)の作製に用いた着色剤分散液(1)を着色剤分散液(2)に変更したこと以外、トナー(1)の作製と同様にして、トナー(2)及び現像剤(2)を作製し、現像剤(2)を用いて実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。尚、トナー(2)の誘電損率は11であった。また、トナー(2)に含まれる着色剤2の体積抵抗率は10Ω・cmであった。
<実施例3>
トナー(1)の作製に用いた着色剤分散液(1)を着色剤分散液(6)に変更したこと以外、トナー(1)の作製と同様にして、トナー(6)及び現像剤(6)を作製し、現像剤(6)を用いて実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。尚、トナー(6)の誘電損率は13であった。また、トナー(6)に含まれる着色剤6の体積抵抗率は10Ω・cmであった。
<実施例4>
トナー(1)の作製に用いた着色剤分散液(1)を着色剤分散液(7)に変更したこと以外、トナー(1)の作製と同様にして、トナー(7)及び現像剤(7)を作製し、現像剤(7)を用いて実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。尚、トナー(7)の誘電損率は15であった。また、トナー(7)に含まれる着色剤7の体積抵抗率は10Ω・cmであった。
<実施例5>
トナー(1)の作製に用いた着色剤分散液(1)を着色剤分散液(8)に変更したこと以外、トナー(1)の作製と同様にして、トナー(8)及び現像剤(8)を作製し、現像剤(8)を用いて実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。尚、トナー(8)の誘電損率は13であった。また、トナー(8)に含まれる着色剤8の体積抵抗率は10Ω・cmであった。
<比較例1>
トナー(1)の作製に用いた着色剤分散液(1)を着色剤分散液(3)に変更したこと以外、トナー(1)の作製と同様にして、トナー(3)及び現像剤(3)を作製し、現像剤(3)を用いて実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。尚、トナー(3)の誘電損率は36であった。また、トナー(3)に含まれる着色剤3の体積抵抗率は10−2Ω・cmであった。
<比較例2>
トナー(1)の作製に用いた着色剤分散液(1)を着色剤分散液(4)に変更したこと以外、トナー(1)の作製と同様にして、トナー(4)及び現像剤(4)を作製し、現像剤(4)を用いて実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。尚、トナー(4)の誘電損率は28であった。また、トナー(4)に含まれる着色剤4の体積抵抗率は10Ω・cmであった。
<比較例3>
トナー(1)の作製に用いた着色剤分散液(1)を着色剤分散液(5)に変更したこと以外、トナー(1)の作製と同様にして、トナー(5)及び現像剤(5)を作製し、現像剤(4)を用いて実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。尚、トナー(5)の誘電損率は32であった。また、トナー(5)に含まれる着色剤5の体積抵抗率は10Ω・cmであった。
Figure 0005471232
表1に示すよう、表面にSi−O結合を有する化合物を含有する被覆層を有するカーボンブラックを用いた実施例1乃至5は、比較例1乃至3に比べて、高温高湿下においても、優れた帯電性と高い転写効率を有していた。
一方、比較例2は比較的高い着色剤抵抗を示したが、誘電損率及び転写テストの結果は十分でなかった。これは湿式製法トナーにおいては、トナー作製時に被覆カーボンブラック表面に水が吸着し、トナー内に残留した吸着水の影響でトナー自体の抵抗が低下したと考えられる。つまり、比較例2は湿式製法トナーに用いるカーボンブラックには、高抵抗であること、及び低吸湿であることの2つが必須の条件であることを示していると考えられる。
また、高抵抗かつ低吸湿の処理カーボンを用いることで、トナーの誘電損率が抑制できる。この高誘電損率の黒トナーを用いることで、4色同時転写においても、トナー表面抵抗が低下し転写に不利とされる高湿環境下においても良好な転写効率が維持される。
尚、高い転写効率を有していることは、画像濃度の低下及び画質劣化が抑制されることを意味している。
40K,40C,40M,40Y トナーカートリッジ
50 中間転写ベルト
50a 駆動ロール
61 感光体
61K,61C,61M,61Y 感光体
62 クリーニング装置
62K,62C,62M,62Y クリーニング装置
64 現像器
64K,64C,64M,64Y 現像器
65 帯電部材
65K,65C,65M,65Y 帯電部材
65a 電源
66 転写ロール
66K,66C,66M,66Y 1次転写ロール
67 露光部
67K,67C,67M,67Y 露光部
67a 除電ランプ
69 2次転写ロール対
69b 2次転写ロール
70 定着器
80 用紙蓄積部材
81 搬送ロール
82 位置合せロール対
83 送出ロール対
100 プロセスカートリッジ
100K,100C,100M,100Y プロセスカートリッジ
100a 支持部材
1000 画像形成装置
1001 画像形成装置

Claims (8)

  1. 結着樹脂と、
    Siに炭素数1以上4以下のアルコキシ基が結合している、テトラアルコキシシラン及び/又はポリアルコキシポリシロキサンの縮合物であるオリゴマーの架橋物を含有する被覆層を表面に有するカーボンブラックと、
    を含み、湿式製法で製造された静電潜像現像用トナー。
  2. 前記被覆層を有するカーボンブラックの体積抵抗率が、10Ω・cm以上1014Ω・cm以下である請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の静電潜像現像用トナーを含有する静電潜像現像用現像剤。
  4. トナーが少なくとも収容され、前記トナーが請求項1又は請求項2に記載の静電潜像現像用トナーであるトナーカートリッジ。
  5. 請求項に記載の静電潜像現像用現像剤により、静電潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    静電潜像保持体、前記静電潜像保持体表面を帯電する帯電手段、帯電した前記静電潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段、及び前記静電潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写手段からなる群より選ばれる少なくとも一種と、を備えるプロセスカートリッジ。
  6. 前記転写手段が、中間転写体と、前記静電潜像保持体表面に形成されたトナー像を前記中間転写体表面に転写する第1転写手段と、前記中間転写体表面に転写されたトナー像を被転写体表面に転写する第2転写手段と、を備える請求項に記載のプロセスカートリッジ。
  7. 静電潜像保持体と、前記静電潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記静電潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、請求項に記載の静電潜像現像用現像剤により、前記静電潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記静電潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写手段と、を備える画像形成装置。
  8. 前記転写手段が、中間転写体と、前記静電潜像保持体表面に形成されたトナー像を前記中間転写体表面に転写する第1転写手段と、前記中間転写体表面に転写されたトナー像を被転写体表面に転写する第2転写手段と、を備える請求項に記載の画像形成装置。
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