JP5471084B2 - 光硬化性材料の製造方法、光硬化性材料および物品 - Google Patents

光硬化性材料の製造方法、光硬化性材料および物品 Download PDF

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Description

本発明は、光硬化性材料の製造方法、該製造方法で得られた光硬化性材料および該光硬化性材料を用いて得られた物品に関する。
エン−チオール系硬化性材料は工業的に多用される材料であり、光学部材への展開も検討されており、その一例として、チオール基含有アルコキシシラン類と、炭素−炭素二重結合を有する紫外線硬化性樹脂組成物が報告されている(特許文献1参照)。
特開2007−291313号公報
光学部材用の材料には、用途によって(レンズアレイ、フォトニック結晶等)高い屈折率が必要とされる場合がある。この要求を解決するためにはエン−チオール系硬化物に無機物を複合させることが考えられる。特許文献1で提案されているような、硬化物のネットワーク中に無機物を存在させる手法では機械的特性は向上すると考えられるが、屈折率の調製度合いについてはさらなる改善が求められていた。
本発明は、上記の課題を解決するためになされた発明であり、以下の発明を提供する。
[1]下記の工程(i)〜(iii)を有する、光硬化性材料の製造方法。
(i)複数の炭素−炭素不飽和二重結合を有する化合物(A)の1種以上と、メルカプト基およびカルボキシ基を有する化合物(B)とを反応させて、前記化合物に由来するカルボキシ基を末端に有する表面修飾剤(C)を得る工程。
(ii)無機微粒子(D)の表面を前記表面修飾剤(C)で修飾して、表面修飾無機微粒子(E)を得る工程。
(iii)前記表面修飾無機微粒子(E)と、下記硬化性成分(F)と、光重合開始剤(G)とを含む光硬化性材料を得る工程。
硬化性成分(F):複数の炭素−炭素不飽和二重結合を有する化合物(f1)の1種以上と、複数のメルカプト基を有しカルボキシル基を有しない化合物(f2)の1種以上とからなる硬化性成分。
[2]前記工程(i)における、前記化合物(B)のモル数が、前記化合物(A)のモル数の0.01〜2倍である、[1]に記載の光硬化性材料の製造方法。
[3]前記工程(ii)における無機微粒子(D)の質量が、前記工程(i)で用いた化合物(B)の質量の0.2〜30倍である、[1]または[2]に記載の光硬化性材料の製造方法。
[4]前記化合物(A)、前記無機微粒子(D)、および前記硬化性成分(F)の合計(100質量%)のうち、前記化合物(A)および前記硬化性成分(F)の合計が、20〜90質量%であり、前記無機微粒子(D)が、10〜80質量%である、[1]〜[3]のいずれかに記載の光硬化性材料の製造方法。
[5]前記化合物(B)が、下記の条件(α)〜(γ)を満足する、[1]〜[4]のいずれかに記載の光硬化性材料の製造方法。
条件(α):メルカプト基を1つ以上有する、条件(β):カルボキシ基を1つ以上有する、条件(γ):1級アミノ基を有していない。
[6]前記化合物(B)の分子量が、600以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の光硬化性材料の製造方法。
[7]前記無機微粒子(D)が、金属酸化物の微粒子である、[1]〜[6]のいずれかに記載の光硬化性材料の製造方法。
[8]前記金属酸化物が、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、酸化セリウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化ケイ素、酸化ニオブ、酸化ランタンおよび酸化ガドリニウムからなる群から選ばれる1種以上である、[7]に記載の光硬化性材料の製造方法。
[9]前記無機微粒子(D)の平均一次粒子径が、2〜100nmである、[1]〜[8]のいずれかに記載の光硬化性材料の製造方法。
[10]前記化合物(A)が、前記硬化性成分(F)を構成する前記化合物(f1)のうちの1種以上からなる、[1]〜[9]のいずれかに記載の光硬化性材料の製造方法。
[11][1]〜[10]のいずれかに記載の製造方法で得られた、光硬化性材料。
[12]溶媒を含まない、[11]に記載の光硬化性材料。
[13][11]または[12]に記載の光硬化性材料を硬化してなる、物品。
[14]基材の表面に、[11]または[12]に記載の光硬化性材料を硬化してなる硬化膜を有する、物品。
本発明の光硬化性材料の製造方法によれば、伸縮性が抑えられ、透明性が高く、高屈折率の硬化物を形成できる光硬化性材料を簡便に製造できる。
本明細書においては、式(A)で表される化合物を化合物(A)とも記す。他の式で表される化合物も同様に記す。また、本明細書においては、(メタ)アクリロイルオキシ基は、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を意味する。また、本明細書においては、(メタ)アクリレートは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。
<光硬化性材料の製造方法>
本発明の光硬化性材料の製造方法は、下記の工程(i)〜(iii)を有する方法である。
(i)複数の炭素−炭素不飽和二重結合を有する化合物(A)の1種以上と、メルカプト基およびカルボキシ基を有する化合物(B)とを反応させて、前記化合物に由来するカルボキシ基を末端に有する表面修飾剤(C)を得る工程。
(ii)無機微粒子(D)の表面を前記表面修飾剤(C)で修飾して、表面修飾無機微粒子(E)を得る工程。
(iii)前記表面修飾無機微粒子(E)と、下記硬化性成分(F)と、光重合開始剤(G)とを含む光硬化性材料を得る工程。
硬化性成分(F):複数の炭素−炭素不飽和二重結合を有する化合物(f1)の1種以上と、複数のメルカプト基を有しカルボキシル基を有しない化合物(f2)の1種以上とからなる重合性成分。
工程(i):
工程(i)は、複数の炭素−炭素不飽和二重結合を有する化合物(A)の1種以上と、メルカプト基およびカルボキシ基を有する化合物(B)とを反応させて、前記化合物に由来するカルボキシ基を末端に有する表面修飾剤(C)を得る工程である。
(化合物(A))
化合物(A)は、複数の炭素−炭素不飽和二重結合を有する化合物であり、後述する化合物(f1)として例示するものと同様のものが挙げられる。
化合物(A)としては、表面修飾無機微粒子(E)の硬化性成分(F)への分散性の点から、後述する硬化性成分(F)を構成する化合物(f1)と同一の化合物を用いることが好ましい。
(化合物(B))
化合物(B)は、メルカプト基およびカルボキシ基を有する化合物である。
化合物(B)としては、表面修飾剤(C)の無機微粒子(D)への結合性、表面修飾無機微粒子(E)の重合性成分(F)への分散性の点から、下記の条件(α)〜(γ)を満足する化合物が好ましい。
条件(α):メルカプト基を1つ以上有する。
条件(β):カルボキシ基を1つ以上有する。
条件(γ):1級アミノ基を有していない。
メルカプト基は、化合物(A)の炭素−炭素不飽和二重結合と反応する。これにより表面修飾剤(C)が得られる。表面修飾剤(C)は、無機微粒子(D)と結合できる化合物(B)に由来するカルボキシ基と、重合性成分(F)との親和性が高く、かつ重合性成分(F)との反応点となる構造とを有する。
化合物(A)には炭素−炭素不飽和二重結合が複数存在するが、全ての炭素−炭素不飽和二重結合がメルカプト基と反応すると、重合性成分(F)を構成する化合物(f2)との反応点がなくなってしまうため、一部の炭素−炭素不飽和二重結合がメルカプト基と反応することが好ましい。これは、化合物(A)と化合物(B)の使用割合を適宜調整することによって達成される。
また、化合物(B)中のメルカプト基のうち、工程(i)において未反応のメルカプト基であっても、重合性成分(F)を構成する化合物(f1)との反応点となる。
メルカプト基は、保護基によって保護されていてもよい。該場合、保護基を外してから化合物(A)と反応させてもよく、脱保護条件下で化合物(A)と反応させてもよい。保護基としては、トリチル基、ベンジル基、ジスルフィド結合等の既知の保護基が挙げられる。
カルボキシ基は、無機微粒子(D)の表面と結合する。カルボキシ基が充分に解離していると、無機微粒子(D)の表面と結合しやすい。よって、化合物(B)は、カルボキシ基の酸性度を調整するように、置換基を有していてもよい。
置換基としては、たとえば、以下の官能基または該官能基を有するものが挙げられる。
N−アセチルアミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニウム基、イミノ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、水酸基、ホルミル基、ケト基、カルボキシ基、酸塩化物、エステル基、アミド基、シアノ基、ニトロソ基、ニトロ基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、フェニル基、シクロアルキル基、複素環基、チオエーテル基、メルカプト基、スルホニル基、Fmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)基等。
化合物(B)における置換基の種類、数や置換する位置は、化合物(B)全体として、化合物(B)中のカルボキシ基が無機微粒子(D)の表面と結合できるような酸性度を持つように調整されればよい。
なお、置換基が、メルカプト基の場合、該メルカプト基をもって条件(α)も同時に満たしているとしてもよい。
化合物(B)は、1級アミノ基を有していないことが好ましい。1級アミノ基を有する場合、工程(ii)において無機微粒子(D)が凝集しやすい。また、経時的にカルボキシ基と反応して着色の原因になる。
化合物(B)の分子量は、600以下が好ましく、400以下がより好ましい。分子量が600を超えると、長鎖アルキル基等により、分子が嵩高くなるために、化合物(A)および重合性成分(F)の光学物性と無機微粒子(D)の光学物性とから得ようとする光学物性が、設計通りの結果をもたらさなかったり、目標とする屈折率から下がってしまったりする。また、無機微粒子(D)への結合性および重合性成分(F)への親和性に寄与しない部分の肥大化により、工程(ii)で得られる表面修飾無機微粒子(E)の抽出液における分散安定性、光硬化性材料を光硬化させる際の凝集抑制作用を損なってしまう。
化合物(B)としては、下記の化合物が挙げられる。各化合物の括弧内は分子量である。該化合物のメルカプト基が保護基で保護されていてもよいし、該化合物同士がジスルフィド結合したものであってもよし、さらに置換基を有するものであってもよい。
N−アセチルシステイン(163.2)、
N−プロピオニルシステイン(177.2)、
N−ブタノイルシステイン(191.3)、
N−ヘキサノイルシステイン(219.3)、
N−オクタノイルシステイン(247.4)、
N−デカノイルシステイン(275.4)、
N−ドデカノイルシステイン(303.5)、
N−テトラデカノイルシステイン(331.5)、
N−ヘキサデカノイルシステイン(359.6)、
N−オクタデカノイルシステイン(387.6)、
N−アセチルホモシステイン(177.2)、
アセチルアミノメルカプト酢酸(149.2)、
Fmoc−システイン(343.4)、
Fmoc−S−トリチルシステイン(585.7)、
Fmoc−S−ベンジルシステイン(433.5)、
N−メチルシステイン(135.2)、
N,N−ジメチルシステイン(149.2)、
2−エチルアミノ−3−メルカプトプロピオン酸(149.2)、
2−プロピルアミノ−3−メルカプトプロピオン酸(163.2)、
システインベタイン(163.2)、
チオグリコール酸(92.1)、
2−メルカプトプロピオン酸(106.1)、
2−メルカプト酪酸(120.2)、
2−メルカプト−3−メチル酪酸(134.2)、
2−メルカプトペンタン酸(134.2)、
2−メルカプト−3−メチルペンタン酸(148.2)、
2−メルカプト−4−メチルペンタン酸(148.2)、
2−メルカプトヘキサン酸(148.2)、
2−メルカプト−3−メチルヘキサン酸(162.3)、
2−メルカプトヘプタン酸(162.3)、
2−メルカプトオクタン酸(176.3)、
2−メルカプトノナン酸(190.3)、
2−メルカプトデカン酸(204.3)、
2−メルカプトウンデカン酸(218.4)、
2−メルカプトドデカン酸(232.4)、
2−メルカプトテトラデカン酸(260.4)、
2−メルカプトヘキサデカン酸(288.5)、
2−メルカプトオクタデカン酸(316.5)、
2,3−ジメルカプトプロピオン酸(138.2)、
2,3−ジメルカプトコハク酸(188.2)、
2−フルオロ−3−メルカプトプロピオン酸(124.1)、
2−クロロ−3−メルカプトプロピオン酸(140.6)、
2−ブロモ−3−メルカプトプロピオン酸(185.0)、
2−アイオド−3−メルカプトプロピオン酸(232)、
2−ヒドロキシ−3−メルカプトプロピオン酸(122.1)、
2−ヒドロキシ−4−メルカプトプロピオン酸(136.2)、
2−ヒドロキシアミノ−3−メルカプトプロピオン酸(137.2)、
2−フェニル−3−メルカプトプロピオン酸(182.2)、
メルカプトフェニル酢酸(168.2)、
メルカプトトリル酢酸(182.2)、
3−アセチルアミノ−3−メルカプトプロピオン酸(163.2)、
N−メトキシカルボニルシステイン(179.2)、
N−エトキシカルボニルシステイン(193.2)、
N−カルボキシシステイン(165.2)、
3−メルカプトプロピオン酸(106.1)、
3−メルカプト酪酸(120.2)、
3−メルカプト−2−メチル酪酸(134.2)、
3−メルカプトペンタン酸(134.2)、
3−メルカプト−4−メチルペンタン酸(148.2)、
3−メルカプトヘキサン酸(148.2)、
3−メルカプトノナン酸(190.3)、
3−メルカプトデカン酸(204.3)、
2−メルカプトコハク酸(150.2)、
2−メルカプトメチルコハク酸(164.2)、
2−メルカプトマロン酸(136.1)、
3−ヒドロキシ−4−メルカプト酪酸(136.2)、
2−メルカプト安息香酸(154.2)、
3−メルカプト安息香酸(154.2)、
4−メルカプト安息香酸(154.2)、
テトラフルオロ−4−メルカプト安息香酸(226.15)、
2−メルカプトメチル安息香酸(168.2)、
3−メルカプトメチル安息香酸(168.2)、
4−メルカプトメチル安息香酸(168.2)、
2−メルカプトフェニル酢酸(168.2)、
3−メルカプトフェニル酢酸(168.2)、
4−メルカプトフェニル酢酸(168.2)、
2−メルカプトメチルフェニル酢酸(182.2)、
3−メルカプトメチルフェニル酢酸(182.2)、
4−メルカプトメチルフェニル酢酸(182.2)、
α−メルカプトメチルフェニル酢酸(182.2)、
α−メルカプト−α−フェニルフェニル酢酸(244.3)、
α−メルカプトメチル−α−フェニルフェニル酢酸(258.3)、
α−メルカプトメチル−α−エチルフェニル酢酸(210.3)等。
(表面修飾剤(C))
表面修飾剤(C)は、複数の炭素−炭素不飽和二重結合を有する化合物(A)の1種以上と、メルカプト基およびカルボキシ基を有する化合物(B)とを反応させて得られる。
化合物(A)の1種以上と化合物(B)との反応は、化合物(A)の有する炭素−炭素不飽和二重結合と化合物(B)の有するメルカプト基との反応、すなわちエン−チオール反応である。化合物(A)と化合物(B)とを反応させる理由は、下記の通りである。
有機物に対して親和性のない無機物を、有機物中に安定して分散させるためには、該有機物で無機物の表面を修飾することが理想的である。工程(i)においては、該理想的な状態に近づけるべく、無機微粒子(D)を分散させる硬化性成分(F)を構成する化合物(f1)と同種の化合物(A)に、化合物(B)を反応させることによって、無機微粒子(D)と結合できるカルボキシ基を導入する。これにより、工程(ii)において、重合性成分(F)と親和性が高い構造を、化合物(A)および無機微粒子(D)以外の第3成分の存在を極力減らした状態で、無機微粒子(D)の表面に導入できる。
化合物(A)と化合物(B)との反応は、たとえば、化合物(B)を有機溶媒に溶解し、これに化合物(A)、光重合開始剤を加え、光を照射することによって行われる。
該反応は、完全に行う必要はなく、未反応物が残存していてもよい。また、化合物(A)の一部が重合して得られた重合物の末端に化合物(B)が反応してもよい。
化合物(B)のモル数は、化合物(A)のモル数の0.01〜2倍であることが好ましく、0.1〜1倍であることが特に好ましい。化合物(B)のモル数が化合物(A)のモル数の2倍超では、表面修飾剤(C)中に、未反応の化合物(B)、すなわち化合物(A)および重合性成分(F)との親和性が充分ではない表面修飾剤が増えることになり、工程(iii)において無機微粒子(D)が凝集しやすくなる。化合物(B)のモル数が化合物(A)のモル数の0.01倍未満では、表面修飾剤(C)中のカルボキシ基が相対的に少なくなるため、工程(iii)において無機微粒子(D)を充分に抽出できない。
有機溶媒は、化合物(A)、化合物(B)および光重合開始剤を溶解でき、かつこれらと反応しないものであればよく、水への溶解度が低い有機溶媒が好ましい。有機溶媒には、化合物(B)を10〜200mg/mLの範囲で溶解することが好ましい。
光重合開始剤としては、後述する光重合開始剤(G)として例示するものと同様のものが挙げられる。
光重合開始剤の添加量は、化合物(A)および化合物(B)の合計100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましい。
光の種類は、光重合開始剤に応じて適宜選択すればよく、たとえば、365nmに主波長を有する紫外線が挙げられる。光の照射時間は、たとえば、10mWの照射密度であれば、1分〜3時間である。
工程(ii):
工程(ii)は、無機微粒子(D)の表面を表面修飾剤(C)で修飾して、表面修飾無機微粒子(E)を得る工程である。
(無機微粒子(D))
無機微粒子(D)としては、金属酸化物の微粒子が好ましい。
金属酸化物としては、周期表4族に属する金属、周期表13族に属する金属、および周期表14族に属する金属からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物が挙げられる。
周期表4族に属する金属としては、Ti、Zr、Hf等が挙げられる。
周期表13族に属する金属としては、Al、Ga、In等が挙げられる。
周期表14族に属する金属としては、Si、Ge、Sn、Pb等が挙げられる。
金属酸化物としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、酸化セリウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化ケイ素、酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化ガドリニウムが好ましい。
無機微粒子(D)の平均一次粒子径は、2nm〜100nmが好ましく、4nm〜60nmがより好ましい。平均一次粒子径が100nm以下であれば、可視光領域における硬化物の透明性を維持できる。平均一次粒子径が2nm以上であれば、微粒子の総比表面積の肥大に伴う、化合物(B)の必要量の増大が避けられる。
無機微粒子(D)の平均一次粒子径は、分散液の状態にて動的散乱法で測定される。
金属酸化物の微粒子は、その界面において結晶構造が崩れていることから、金属酸化物の微粒子の一部または全部が水酸化物となっていてもよい。
無機微粒子(D)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよく、2種以上から構成される複合金属酸化物の微粒子であってもよい。
無機微粒子(D)の形態は、粉体、溶媒(分散媒)に分散した分散液(ゾル)等が挙げられ、硬化物の透明性の点から、分散液が好ましく、該溶媒の主成分が水である水系分散液がより好ましい。
水系分散液中の無機微粒子(D)の濃度は、1〜35質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましい。濃度が薄すぎると、水系分散液からの表面修飾無機微粒子(E)の抽出効率が悪くなる。濃度が濃すぎると、水系分散液から表面修飾無機微粒子(E)を抽出する際にかかる機械的ストレスにより、水系分散液中で無機微粒子(D)が凝集を起こしてしまう。
(表面修飾無機微粒子(E))
表面修飾無機微粒子(E)は、無機微粒子(D)の表面を表面修飾剤(C)で修飾して得られる。
該修飾は、たとえば、水への溶解度の低い有機溶媒に表面修飾剤(C)を溶解した溶液と、無機微粒子(D)の水系ゾルとを混合し、表面修飾無機微粒子(E)を有機溶媒に抽出することによって行われる。
無機微粒子(D)の質量は、工程(i)で用いた化合物(B)の質量の0.2〜30倍が好ましく、1〜25倍がより好ましい。無機微粒子(D)の質量が工程(i)で用いた化合物(B)の質量の30倍を超えると、無機微粒子(D)を充分に抽出できず、また、抽出しきれなかった無機微粒子(D)が凝集してしまう。無機微粒子(D)の質量が工程(i)で用いた化合物(B)の質量の0.2倍未満では、余った表面修飾剤(C)の界面活性作用により、表面修飾剤(C)の溶液と無機微粒子(D)の水系分散媒とが乳化してしまう。また、化合物(A)および硬化性成分(F)に対して、最小限の表面修飾剤(C)で無機微粒子(D)を取り込もうとする目的に反する。
無機微粒子(D)を抽出した後、水系溶媒を、デカンテーション、分液ロート等の既知の方法により取り除くことにより、表面修飾無機微粒子(E)の抽出液を得る。
該抽出液が水を含む場合、ヘキサン等の疎水性の高い有機溶媒を、該抽出液に添加することで、該抽出液に溶け込んだ水をさらに除去できる。
該抽出液は、後述の工程(iv)の前に、減圧留去等の既知の方法によって濃縮する、または、実質的に溶媒を含まない状態にすることが好ましい。該理由は、下記の通りである。
硬化性成分(F)と親和性の高い化合物(A)に由来する構造を無機微粒子(D)の表面に導入したわけであるから、多少なりとも親和性の劣る溶媒は、できるだけ残存していないほうが、表面修飾無機微粒子(E)の抽出液の一時保管する際、または、工程(iii)にて硬化性成分(F)を混合する際に、相分離や表面修飾無機微粒子(E)の凝集を抑制できる。減圧留去の際に、メタノール、エタノール等のアルコールを少量添加すると水が共沸するため、さらに好ましい。
工程(iii):
工程(iii)は、表面修飾無機微粒子(E)と硬化性成分(F)と光重合開始剤(G)とを含む光硬化性材料を得る工程である。
(硬化性成分(F))
硬化性成分(F)は、複数の炭素−炭素不飽和二重結合を有する化合物(f1)の1種以上と、複数のメルカプト基を有しカルボキシル基を有しない化合物(f2)の1種以上とからなる硬化性成分である。
前記化合物(f1)における炭素−炭素不飽和二重結合の数は特に制限されないが、2〜6が好ましい。化合物(f1)としては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アリルオキシ基、ビニル基を有する化合物等が挙げられ、具体的には下記化合物が例示される。
トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルカーボネート、ペンタエリスリトールジアクロレインアセタール、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ヘキサキス(アリルオキシ)メチル)メラミン、
CH=CHCH−O−COO−CHCH=CH
CH=CH−COO−(CH−OCO−CH=CH
CH=C(CH)−COO(CHCHO)−CO−C(CH)=CH
CH=CH−CH−O−COO(CHCHO)−COO−CH−CH=CH
CH=CHCH−O−CONH(CHNHCOO−CH−CH=CH
前記化合物(f2)におけるメルカプト基の数は特に制限されないが、2〜6が好ましく、3または4が好ましい。化合物(f2)としては、下記化合物等が挙げられる。
トリメチロールエタン トリス(2−メルカプトプロピオネート)、
トリメチロールエタン トリス(2−メルカプトブタネート)
トリメチロールプロパン トリス(2−メルカプトアセテート)、
トリメチロールプロパン トリス(3−メルカプトプロピオネート)、
ペンタエリスリトール テトラキス(2−メルカプトプロピオネート)、
ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、
ジエチレングリコール ビス(2−メルカプトアセテート)、
N,N−ビス(2−ヒドロキシメチル)ジメチルヒダントイン ビス(3−メルカプトプロピオネート)。
化合物(f1)と化合物(f2)は、化合物(f2)に含まれるメルカプト基のモル数に対する化合物(f1)に含まれる炭素−炭素不飽和二重結合のモル数の比が1〜10となるように配合されることが好ましく、前記モル数の比が1であることが特に好ましい。
(光重合開始剤(G))
光重合開始剤(G)としては、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、α−アミノケトン系光重合開始剤、α−ヒドロキシケトン系光重合開始剤、α−アシルオキシムエステル、ベンジル−(o−エトキシカルボニル)−α−モノオキシム、アシルホスフィンオキサイド、グリオキシエステル、3−ケトクマリン、2−エチルアンスラキノン、カンファーキノン、テトラメチルチウラムスルフィド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、tert−ブチルパーオキシピバレート等が挙げられ、感度および相溶性の点から、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、α−アミノケトン系光重合開始剤またはベンゾフェノン系光重合開始剤が好ましい。
アセトフェノン系光重合開始剤としては、下記の化合物が挙げられる。
アセトフェノン、p−(tert−ブチル)1’,1’,1’−トリクロロアセトフェノン、クロロアセトフェノン、2’,2’−ジエトキシアセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2’−フェニルアセトフェノン、2−アミノアセトフェノン、ジアルキルアミノアセトフェノン等。
ベンゾイン系光重合開始剤としては、下記の化合物が挙げられる。
ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール等。
α−アミノケトン系光重合開始剤としては、下記の化合物が挙げられる。
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン等。
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、下記の化合物が挙げられる。
ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、メチル−o−ベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシプロピルベンゾフェノン、アクリルベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等。
光重合開始剤(G)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤(G)の量は、化合物(A)および硬化性成分(F)の合計量に対して、0.05〜5質量%であることが好ましい。
(添加剤(H))
光硬化性材料は、表面修飾無機微粒子(E)、硬化性成分(F)および光重合開始剤(G)を除く、添加剤(H)を含んでいてもよい。
添加剤(H)としては、界面活性剤、光増感剤、他の樹脂、炭素化合物、金属微粒子、他の有機化合物等が挙げられる。
界面活性剤としては、アニオン性含界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、またはノニオン性界面活性剤のいずれであってもよい。また、界面活性剤はフッ素原子を含む界面活性剤であってもよい。
他の樹脂としては、ポリスチレン、ポリチオフェン、ポリエステルオリゴマー、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
炭素化合物としては、カーボンナノチューブ、フラーレン等が挙げられる。
金属微粒子としては、銅、白金等が挙げられる。
他の有機化合物としては、ポルフィリン、金属内包ポリフィリン等が挙げられる。
添加剤(H)の総量は、光硬化性材料(100質量%)中、10質量%以下が好ましい。添加剤(H)の総量が10質量%以下であれば、光硬化性材料に均一に混合でき、均質な光硬化性材料が得られる。
添加剤(H)を添加するタイミングは、工程(i)〜工程(iii)、または工程(iii)の後のいずれであってもよく、工程(iii)の後が好ましい。
(光硬化性材料の調製)
光硬化性材料の調製は、たとえば、表面修飾無機微粒子(E)に硬化性成分(F)を加え、よく撹拌し、ついで光重合開始剤(G)を加え、よく撹拌することによって行われる。
表面修飾無機微粒子(E)は、抽出液の状態であってもよく、該抽出液を濃縮した状態であってもよく、実質的に溶媒を含まない状態であってもよい。表面修飾無機微粒子(E)が、実質的に溶媒を含まない状態になり得ていないときには、工程(iii)において、減圧留去等の既知の方法によって、光硬化性材料を実質的に溶媒を含まない状態にする。
なお、硬化性成分(F)は、全量を工程(iii)で混合してもよく、工程(iii)以前で用いてもよい。後者の場合、工程(i)の後に硬化性成分(F)の一部と、表面修飾剤(C)とを反応させ、ついで無機微粒子(D)を抽出して表面修飾無機微粒子(E)とし、残りの硬化性成分(F)を混合する方法が挙げられる。硬化性成分(F)の一部と、表面修飾剤(C)とを反応させると、硬化性成分(F)を構成する化合物(f1)の炭素−炭素不飽和二重結合、化合物(f2)のメルカプト基、表面修飾剤(C)に存在する炭素−炭素不飽和二重結合が関与するエン−チオール反応が進行すると考えられる。事前に硬化性成分(F)の一部と表面修飾剤(C)とを反応させることにより、最終的に得られる硬化物における無機微粒子(D)の分散性を良好にできると考えられる。
工程(i)〜(iii)における各原料の割合は、下記の通りである。
化合物(A)および硬化性成分(F)の合計の割合は、化合物(A)、無機微粒子(D)、および硬化性成分(F)の合計(100質量%)のうち、20〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましい。化合物(A)および硬化性成分(F)の合計の割合が20質量%以上であれば、光硬化性材料として、その光硬化性を充分有していられる。化合物(A)および硬化性成分(F)の合計の割合が90質量%以下であれば、各原料を均一に混合しやすくなる。
化合物(B)の割合は、化合物(A)、化合物(B)、無機微粒子(D)、硬化性成分(F)および光重合開始剤(G)の合計(100質量%)のうち、0.5〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。化合物(B)の割合が0.5質量%以上であれば、表面修飾無機微粒子(E)の分散が安定する。化合物(B)の割合が20質量%以下であれば、光硬化性材料が試算どおりの光学特性を発揮しやすくなる。
無機微粒子(D)の割合は、化合物(A)、無機微粒子(D)、および硬化性成分(F)の合計(100質量%)のうち、10〜80質量%が好ましく、20〜70質量%がより好ましい。無機微粒子(D)の割合が10質量%以上であれば、無機微粒子(D)との複合材料化による物性改変の効果が現われる。無機微粒子(D)の割合が80質量%以下であれば、無機微粒子(D)が凝集することなく分散できる。
以上説明した本発明の光硬化性材料の製造方法にあっては、下記の理由から、透明性の高い高屈折率の硬化物を形成できる光硬化性材料を簡便に製造できる。
工程(i)にて化合物(A)と化合物(B)とを反応させて表面修飾剤(C)を得て、ついで工程(ii)にて無機微粒子(D)の表面を表面修飾剤(C)で修飾して表面修飾無機微粒子(E)を得ているため、硬化性成分(F)と親和性が高く、かつ反応点となる化合物(A)に由来する構造を、化合物(A)および無機微粒子(D)以外の第3成分の存在を極力減らした状態で、無機微粒子(D)の表面に簡便に導入できる。該表面修飾無機微粒子(E)は、硬化性成分(F)との親和性および反応点の両方を持ち合わせているため、工程(iii)にて得られる光硬化性材料およびその硬化時において表面修飾無機微粒子(E)の分散性が保たれる。また、無機微粒子(D)を修飾する化合物が嵩高くない。その結果、透明性の高い高屈折率の硬化物を形成できる。
<光硬化性材料>
本発明の光硬化性材料は、本発明の製造方法で得られた組成物であり、表面修飾無機微粒子(E)と重合性成分(F)と光重合開始剤(G)とを含む。
本発明の光硬化性材料は、実質的に溶媒を含まないことが好ましい。光硬化性材料が実質的に溶媒を含まなければ、光の照射を除く特別な操作(たとえば、光硬化性材料を高温に加熱して溶媒を除去する操作等)を行うことなく、光硬化性材料の硬化を容易に行える。
溶媒とは、表面修飾無機微粒子(E)、重合性成分(F)、光重合開始剤(G)のいずれかを溶解または分散させる能力を有する化合物である。
実質的に溶媒を含まないとは、溶媒を全く含まない、または光硬化性材料を調製する際に用いた溶媒を残存溶媒として含んでいてもよいことを意味する。ただし、残存溶媒は、極力除去されていることが好ましく、光硬化性材料(100質量%)中、10質量%以下がより好ましい。
本発明の光硬化性材料は、硬化後の波長589nmにおける屈折率が1.54以上であることが好ましく、1.54〜1.7であることがより好ましい。
硬化後の光硬化性材料の波長589nmにおける屈折率は、アッベ屈折率計を用い23℃にて測定する。
以上説明した本発明の光硬化性材料にあっては、硬化性成分(F)との親和性および反応点の両方を持ち合わせ、かつ無機微粒子(D)を修飾する化合物が嵩高くない表面修飾無機微粒子(E)を含んでいるため、透明性の高い高屈折率の硬化物を形成できる。
<物品>
本発明の物品は、本発明の光硬化性材料を硬化してなるもの、または、基材の表面に、本発明の光硬化性材料を硬化してなる硬化膜を有するものである。
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、例1〜3が実施例であり、例4が比較例である。
以下の各例において用いた化合物を示す。
化合物(B−1):N−アセチルシステイン
化合物(B−2):チオグリコール酸
化合物(B−3):3−メルカプトプロピオン酸
酸化ジルコニウム微粒子分散水溶液(D):日産化学製ZR−AL30(比重1.36、微粒子含量30.5質量%)
化合物(f1−1):イソシアヌル酸トリアリル
化合物(f2−1):トリメチロールプロパントリスチオグリコレートと推定される化合物
光重合開始剤(G):2−エトキシ−2−フェニルアセトフェノン
エン−チオール硬化性成分(F):化合物(f1−1)と化合物(f2−2)とを、質量比が249.3:356.5となるように混合し、エン−チオール硬化性組成物(F)を調製した。
〔例1〕
メチルエチルケトン(MEK)の3mlをガラス製サンプル瓶にとり、化合物(B−1)の200mgと、化合物(f1−1)の639mgと、光重合開始剤(G)の2mgとを溶解し、365nm、10mWの紫外光を1時間照射し、表面修飾剤(C1)とした。
表面修飾剤(C1)の瓶に、エン−チオール硬化性成分(F)の684mgと、光重合開始剤(G)の2mgとを加え、365nm、10mWの紫外光を1時間照射した。
ついで、MEKを加えて20mlとし、ここへ、酸化ジルコニウム微粒子分散水溶液(D)の4ml(酸化ジルコニウムにして1659mg)を水で20mlに希釈した溶液を加えて、よく撹拌し、16時間静置した。瓶内の溶液は2相に分かれ、上が水相、下がMEK相となった。下がMEK相となったのは、MEK相が酸化ジルコニウム微粒子を含み、全体として水より比重が大きくなったためである。
このMEK相を採取し、およそ半量になるまで減圧濃縮し、酸化ジルコニウム微粒子が分散した光硬化性組成物溶液(J1)を得た。水相について、ホットプレート上で乾燥させて重量を測定したところ、乾固物は認められなかったので、酸化ジルコニウム微粒子分散水溶液(D)中の酸化ジルコニウム微粒子は、全量、光硬化性組成物溶液(J1)に取り込まれたとみなした。
光硬化性組成物溶液(J1)に、エン−チオール硬化性成分(F)を1920mg加え、実質的に無溶媒になるまで減圧脱溶媒し、光重合開始剤(G)の2mgを加えて、酸化ジルコニウム微粒子が分散した光硬化性組成物(K1)を得た。光硬化性組成物(K1)中における酸化ジルコニウムの含量は、32.5質量%であった。
光硬化性組成物(K1)を、バーコートによって、ソーダライムガラス基板上に、10μmの厚みになるよう展開し、365nm、10mWの紫外光を10分間照射し、硬化させ、透過率測定用試料(L1)とした。
透過率測定用試料(L1)について、分光計(日立製作所社製、U−4100)で波長400nmから波長700nmの透過率を測定した。全ての測定範囲において、基板比(基板を100とした場合の値)で90%以上の透過率があった。また、ヘイズメータ(スガ試験機社製、HGM−3K)でヘイズ値を測定したところ、0.5%であった。
また、光硬化性組成物(K1)を、バーコートによって、ソーダライムガラス基板上に、50μmの厚みになるよう展開し、365nm、10mWの紫外光を10分間照射し、硬化させ、屈折率測定用試料(M1)とした。屈折率測定用試料(M1)について、アッベ屈折率測定装置(ATAGO社製、2T型)で、測定温度23℃、波長589nmにおける屈折率(n値)を測定したところ、試算値とよく一致した。結果を表1に示す。
〔例2〕
メチルエチルケトン(MEK)の3mlをガラス製サンプル瓶にとり、化合物(B−2)の226mgと、化合物(f1−1)の639mgと、光重合開始剤(G)の2mgとを溶解し、365nm、10mWの紫外光を1時間照射し、表面修飾剤(C2)とした。
表面修飾剤(C2)の瓶に、エン−チオール硬化性成分(F)の684mgと、光重合開始剤(G)の2mgとを加え、365nm、10mWの紫外光を1時間照射した。
ついで、MEKを加えて20mlとし、ここへ、酸化ジルコニウム微粒子分散水溶液(D)の12ml(酸化ジルコニウムにして4978mg)を水で20mlに希釈した溶液を加えて、よく撹拌し、16時間静置した。瓶内の溶液は2相に分かれ、上が水相、下がMEK相(酸化ジルコニウム微粒子を含んで水より重いため)となった。このMEK相を採取し、およそ半量になるまで減圧濃縮し、酸化ジルコニウム微粒子が分散した光硬化性組成物溶液(J2)とした。水相について、ホットプレート上で乾燥させて重量を測定したところ、乾固物は認められなかったので、酸化ジルコニウム微粒子分散水溶液(D)中の酸化ジルコニウム微粒子は全量、光硬化性組成物溶液(J2)に取り込まれたとみなした。
光硬化性組成物溶液(J2)に、エン−チオール硬化性成分(F)を1920mg加え、実質的に無溶媒になるまで減圧脱溶媒し、光重合開始剤(G)の2mgを加えて、酸化ジルコニウム微粒子が分散した光硬化性組成物(K2)を得た。光硬化性組成物(K2)中における酸化ジルコニウム微粒子の含量は、58.9質量%であった。
光硬化性組成物(K2)を用い、例1と同様にして、透過率測定用試料(L2)を作成し、透過率とヘイズ値を測定した。また、光硬化性組成物(K2)を用い、例1と同様にして、屈折率測定用試料(M2)を作成し、屈折率(n値)を測定したところ、試算値とよく一致した。結果を表1に示す。
〔例3〕
メチルエチルケトン(MEK)の3mlをガラス製サンプル瓶にとり、化合物(B−3)の130mgと、化合物(f1−1)の639mgと、光重合開始剤(G)の2mgとを溶解し、365nm、10mWの紫外光を1時間照射し、表面修飾剤(C3)とした。
表面修飾剤(C3)の瓶に、エン−チオール硬化性成分(F)の684mgと、光重合開始剤(G)の2mgとを加え、365nm、10mWの紫外光を1時間照射した。
ついで、MEKを加えて20mlとし、ここへ、酸化ジルコニウム微粒子分散水溶液(D)の4ml(酸化ジルコニウムにして1659mg)を水で20mlに希釈した溶液を加えて、よく撹拌し、16時間静置した。瓶内の溶液は2相に分かれ、上が水相、下がMEK相(酸化ジルコニウム微粒子を含んで水より重いため)となった。このMEK相を採取し、およそ半量になるまで減圧濃縮し、酸化ジルコニウム微粒子が分散した光硬化性組成物溶液(J3)とした。水相について、ホットプレート上で乾燥させて重量を測定したところ、乾固物は認められなかったので、酸化ジルコニウム微粒子分散水溶液(D)中の酸化ジルコニウム微粒子は全量、光硬化性組成物溶液(J3)に取り込まれたとみなした。
光硬化性組成物溶液(J3)に、エン−チオール硬化性成分(F)を1920mg加え、実質的に無溶媒になるまで減圧脱溶媒し、光重合開始剤(G)の2mgを加えて、酸化ジルコニウム微粒子が分散した光硬化性組成物(K3)を得た。光硬化性組成物(K3)中における酸化ジルコニウム微粒子の含量は、32.9質量%であった。
光硬化性組成物(K3)を用い、例1と同様にして、透過率測定用試料(L3)を作成し、透過率とヘイズ値を測定した。また、光硬化性組成物(K3)を用い、例1と同様にして、屈折率測定用試料(M3)を作成し、屈折率(n値)を測定したところ、試算値とよく一致した。結果を表1に示す。
〔例4〕
メチルエチルケトン(MEK)の3mlをガラス製サンプル瓶にとり、化合物(f1−1)の639mgと、光重合開始剤(E)の2mgとを溶解し、365nm、10mWの紫外光を1時間照射し、表面修飾剤(C’−4)とした。
表面修飾剤(C‘−4)の瓶に、エン−チオール硬化性成分(F)の684mgと、光重合開始剤(G)の2mgとを加え、365nm、10mWの紫外光を1時間照射した。
ついで、MEKを加えて20mlとし、ここへ、酸化ジルコニウム微粒子分散水溶液(D)の4ml(酸化ジルコニウムにして1659mg)を水で20mlに希釈した溶液を加えて、よく撹拌し、16時間静置した。瓶内の溶液は2相に分かれ、上がMEK相、下が水相となった。この方法では、酸化ジルコニウム微粒子をMEK相に抽出することはできなかった。
〔例5〕
メチルエチルケトン(MEK)の3mlをガラス製サンプル瓶にとり、化合物(B−1)の200mgと、化合物(f1−1)の639mgを溶解し、表面修飾剤(C’−5)とした。
表面修飾剤(C’−5)の瓶に、エン−チオール硬化性成分(F)の684mgを加え、表面修飾剤(C’−5)とした。ついで、MEKを加えて20mlとし、ここへ、酸化ジルコニウム微粒子分散水溶液(D)の4ml(酸化ジルコニウムにして1659mg)を水で20mlに希釈した溶液を加えて、よく撹拌し、16時間静置した。瓶内の溶液は2相に分かれ、上がMEK相、下が水相となった。この方法では、酸化ジルコニウム微粒子をMEK相に抽出することはできなかった。
Figure 0005471084
なお、屈折率の試算値は、Maxwell―Garnetの式に従って算出した。試算に当たっては、マトリクス成分の比重(化合物(A)およびエン−チオール硬化性成分(F)全体としての比重)を1.2、屈折率は1.5583とした。また、酸化ジルコニウムの屈折率は2.04とした。
本発明の光硬化性材料を用いて得られた物品は、マイクロレンズアレイ、光導波路素子、光スイッチング素子(グリッド偏光素子、波長板等。)、フレネルゾーンプレート素子、バイナリー素子、ブレーズ素子、フォトニック結晶等の光学素子や反射防止部材等として有用である。

Claims (14)

  1. 下記の工程(i)〜(iii)を有する、光硬化性材料の製造方法。
    (i)複数の炭素−炭素不飽和二重結合を有する化合物(A)の1種以上と、メルカプト基およびカルボキシ基を有する化合物(B)とを反応させて、前記化合物に由来するカルボキシ基を末端に有する表面修飾剤(C)を得る工程。
    (ii)無機微粒子(D)の表面を前記表面修飾剤(C)で修飾して、表面修飾無機微粒子(E)を得る工程。
    (iii)前記表面修飾無機微粒子(E)と、下記硬化性成分(F)と、光重合開始剤(G)とを含む光硬化性材料を得る工程。
    硬化性成分(F):複数の炭素−炭素不飽和二重結合を有する化合物(f1)の1種以上と、複数のメルカプト基を有しカルボキシル基を有しない化合物(f2)の1種以上とからなる硬化性成分。
  2. 前記工程(i)における、前記化合物(B)のモル数が、前記化合物(A)のモル数の0.01〜2倍である、請求項1に記載の光硬化性材料の製造方法。
  3. 前記工程(ii)における無機微粒子(D)の質量が、前記工程(i)で用いた化合物(B)の質量の0.2〜30倍である、請求項1または2に記載の光硬化性材料の製造方法。
  4. 前記化合物(A)、前記無機微粒子(D)、および前記硬化性成分(F)の合計(100質量%)のうち、
    前記化合物(A)および前記硬化性成分(F)の合計が、20〜90質量%であり、
    前記無機微粒子(D)が、10〜80質量%である、請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化性材料の製造方法。
  5. 前記化合物(B)が、下記の条件(α)〜(γ)を満足する、請求項1〜4のいずれかに記載の光硬化性材料の製造方法。
    条件(α):メルカプト基を1つ以上有する。
    条件(β):カルボキシ基を1つ以上有する。
    条件(γ):1級アミノ基を有していない。
  6. 前記化合物(B)の分子量が、600以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の光硬化性材料の製造方法。
  7. 前記無機微粒子(D)が、金属酸化物の微粒子である、請求項1〜6のいずれかに記載の光硬化性材料の製造方法。
  8. 前記金属酸化物が、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、酸化セリウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化ケイ素、酸化ニオブ、酸化ランタンおよび酸化ガドリニウムからなる群から選ばれる1種以上である、請求項7に記載の光硬化性材料の製造方法。
  9. 前記無機微粒子(D)の平均一次粒子径が、2〜100nmである、請求項1〜8のいずれかに記載の光硬化性材料の製造方法。
  10. 前記化合物(A)が、前記硬化性成分(F)を構成する前記化合物(f1)のうちの1種以上からなる、請求項1〜9のいずれかに記載の光硬化性材料の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法で得られた、光硬化性材料。
  12. 媒を含まない、請求項11に記載の光硬化性材料。
  13. 請求項11または12に記載の光硬化性材料を硬化してなる、物品。
  14. 基材の表面に、請求項11または12に記載の光硬化性材料を硬化してなる硬化膜を有する、物品。
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